JP2021009936A - アンダーフィル用樹脂組成物並びに電子部品装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化物の低誘電特性に優れるアンダーフィル用樹脂組成物、並びに当該アンダーフィル用樹脂組成物を用いた電子部品装置及びその製造方法を提供する。【解決手段】アンダーフィル用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含有し、前記硬化剤が酸無水物系硬化剤を含み、硬化物の比誘電率が3.5以下かつ誘電正接が0.0100以下である。【選択図】なし

Description

本開示は、アンダーフィル用樹脂組成物並びに電子部品装置及びその製造方法に関する。
従来から、トランジスタ、IC(Integrated Circuit)等の半導体素子を封止するための封止材としては、生産性、コスト等の面から樹脂が主に用いられている。その中でも、作業性、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の封止材に要求される諸特性のバランスに優れているエポキシ樹脂が広く使用されている。
近年、半導体素子を封止した電子部品装置の小型化及び薄型化に伴い、ベアチップを直接配線基板上に実装する、いわゆるベアチップ実装が主流となっている。このベアチップ実装による電子部品装置としては、COB(Chip on Board)、COG(Chip on Glass)、TCP(Tape Carrier Package)等が挙げられる。これらの電子部品装置においては、液状の樹脂組成物が封止材として広く使用されている。
また、半導体素子を、セラミック、ガラスエポキシ樹脂、ガラスイミド樹脂、ポリイミドフィルム等を基板とする配線基板(以下、単に「基板」ともいう)上に直接バンプ接続してなる電子部品装置(フリップチップ)では、バンプ接続した半導体素子と配線基板との間隙(ギャップ)に充填するためのアンダーフィル材と称される封止材が使用されている。アンダーフィル材として使用される樹脂組成物は、電子部品を温湿度及び機械的な外力から保護する重要な役割を果たしている。
アンダーフィル材として、例えば特許文献1には、エポキシ樹脂、アミン系硬化剤、フィラー、コアシェルゴム、及び反応性希釈剤からなり、注入性に優れ、フィレットクラックの発生及び進展、並びにボイドの発生が抑制された半導体樹脂封止材が報告されている。また、特許文献2には、液状エポキシ樹脂、アミン系硬化剤、アクリル樹脂、及び無機充填材を含有し、低熱膨張化及び低弾性率化により高い信頼性を有し、狭ギャップへの充填性に優れる液状封止樹脂組成物が報告されている。
特開2012−162585号公報 特開2013−256547号公報
情報通信分野においては、チャンネル数の増加と伝送される情報量の増加にともなって電波の高周波化が進行している。現在、第5世代移動通信システムの検討が世界的に進められており、今後は無線通信の主流が高周波帯での通信になることが予測される。
通信のために発信された電波が誘電体において熱変換されることで発生する伝送損失の量は、周波数と比誘電率の平方根と誘電正接との積として表される。つまり伝送信号は周波数に比例して熱に変わりやすいので、伝送損失を抑制するために高周波帯ほど通信部材の材料に低誘電特性が要求される。
しかしながら、これまで、高周波帯での通信にも適用しうる、低誘電特性に優れるアンダーフィル材に関する知見は報告されていない。
上記事情に鑑み、本開示は、硬化物の低誘電特性に優れるアンダーフィル用樹脂組成物、並びに当該アンダーフィル用樹脂組成物を用いた電子部品装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含有し、前記硬化剤が酸無水物系硬化剤を含み、硬化物の比誘電率が3.5以下かつ誘電正接が0.0100以下である、アンダーフィル用樹脂組成物。
<2> 前記硬化剤全量に対する前記酸無水物系硬化剤の含有率が70質量%以上である、<1>に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
<3> 前記硬化剤がアミン系硬化剤を含まないか、アミン系硬化剤の含有率が前記硬化剤全量に対して30質量%未満である、<1>又は<2>に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
<4> 前記硬化剤がアミン系硬化剤及びフェノール系硬化剤を含まないか、アミン系硬化剤及びフェノール系硬化剤の含有率が前記硬化剤全量に対して合計30質量%未満である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
<5> 前記無機充填材の含有率が50質量%以上である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
<6> キャピラリーアンダーフィル材である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
<7> 回路層を有する基板と、
前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品と、
前記基板と前記電子部品との間隙に配置された<1>〜<6>のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物の硬化物と、
を備える電子部品装置。
<8> 第5世代移動通信システムの通信部材である、<7>に記載の電子部品装置。
<9> 回路層を有する基板と、前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品と、を、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物を用いて封止する工程を有する電子部品装置の製造方法。
<10> 前記電子部品装置が第5世代移動通信システムの通信部材である、<9>に記載の製造方法。
本開示によれば、硬化物の低誘電特性に優れるアンダーフィル用樹脂組成物、並びに当該アンダーフィル用樹脂組成物を用いた電子部品装置及びその製造方法が提供される。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において、エポキシ樹脂とは、分子中にエポキシ基を有する化合物を意味し、モノマーであってもポリマーであってもよい。
<アンダーフィル用樹脂組成物>
本開示のアンダーフィル用樹脂組成物(アンダーフィル材ともいう)は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含有し、前記硬化剤が酸無水物系硬化剤を含み、硬化物の比誘電率が3.5以下かつ誘電正接が0.0100以下である。
本開示のアンダーフィル材は硬化物の低誘電特性に優れる。この理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えることができる。従来、アンダーフィル材においてエポキシ樹脂に対する硬化剤としては、被着体への接着性等の観点から、アミン系硬化剤が一般的に用いられてきた。しかしながら、アミン系硬化剤を用いる場合、アミンの極性に起因して好適な低誘電特性が得られにくいと考えられる。一方、酸無水物系硬化剤を用いてエポキシ樹脂を硬化させる場合、アミン系硬化剤を用いる場合と比べて硬化物中の極性基の量及びその極性を抑えることができると考えられる。また、酸無水物系硬化剤を用いてエポキシ樹脂を硬化させると、推定機序として、エポキシ樹脂のエポキシ基の開環に伴い発生する二級水酸基が、酸無水物系硬化剤により消費されるため、硬化物中の水酸基の量も低減されていると考えられる。このように、硬化物中の極性基の量及びその極性が低減されることによって、硬化物の低誘電特性が向上すると考えられる。さらに、このように酸無水物系硬化剤を含有する樹脂組成物において、硬化物の比誘電率が3.5以下かつ誘電正接が0.0100以下となる樹脂組成物を得ることによって、低誘電特性に優れる硬化物を好適に得ることができると考えられる。
アンダーフィル材は、常温で液体であることが好ましい。本開示において「常温」とは25℃を意味し、「液体」とは流動性と粘性を示し、かつ粘性を示す尺度である粘度が0.0001Pa・s〜100Pa・sである物質を意味する。また、「液状」とは液体の状態であることを意味する。
本開示において、粘度は、EHD型回転粘度計(例えば、東京計器株式会社製)を25℃で1分間、10回毎分(10rpm)で回転させたときの測定値と定義する。上記測定値は、25±1℃に保たれた液体について、コーン角度3゜、コーン半径14mmのコーンロータを装着したEHD型回転粘度計を用いて得られる。
アンダーフィル材の粘度は特に制限されない。中でも高流動性の観点から、25℃において0.1Pa・s〜100.0Pa・sであることが好ましく、0.1Pa・s〜50.0Pa・sであることがより好ましく、0.1Pa・s〜30.0Pa・sであることがさらに好ましい。
また、100℃〜120℃付近で数十μm〜数百μmの狭ギャップ間にアンダーフィル材を充填する際の充填のしやすさの指標として、アンダーフィル材の110℃の粘度が0.20Pa・s以下であることが好ましく、0.15Pa・s以下であることがより好ましい。なお、110℃でのアンダーフィル材の粘度は、レオメーターAR2000(例えば、TAインストルメント製、アルミコーン40mm、せん断速度32.5/sec)により測定される。
また、アンダーフィル材は、E型粘度計を用いて25℃で測定される回転数が2.5回転/分における粘度と回転数が10回転/分における粘度との比である揺変指数[(2.5回転/分における粘度)/(10回転/分における粘度)]が、0.5〜1.5であることが好ましく、0.8〜1.2であることがより好ましい。揺変指数が上記範囲であるとフィレット形成性がより向上する。なお、アンダーフィル材の粘度及び揺変指数は、エポキシ樹脂の組成、無機充填材の含有率等を適宜選択することで所望の範囲とすることができる。
アンダーフィル材を硬化物としたときの比誘電率(Dk)は、3.5以下であり、3.4以下であることが好ましく、3.3以下であることがより好ましく、3.2以下であることがさらに好ましい。
アンダーフィル材を硬化物としたときの誘電正接(Df)は、0.0100以下であり、0.0090以下であることが好ましく、0.0080以下であることがより好ましい。
上記比誘電率及び誘電正接は、アンダーフィル材を150℃で2時間硬化したときの比誘電率及び誘電正接とする。比誘電率及び誘電正接は、空洞共振測定装置を用いて、周波数20GHzのときの値として測定する。具体的には、比誘電率及び誘電正接は、実施例に記載の方法によって求めることができる。
本開示のアンダーフィル材は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含有し、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。以下、アンダーフィル材の各成分について詳述する。
(エポキシ樹脂)
本開示のアンダーフィル材は、エポキシ樹脂を含有する。エポキシ樹脂の種類は特に制限されず、アンダーフィル材の材料として一般に使用されているものから選択することができる。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルアミン、アミノフェノール型グリシジルアミン等の芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂;フェニレン骨格又はビフェニレン骨格の少なくとも一方を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;フェニレン骨格又はビフェニレン骨格の少なくとも一方を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂;アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;トリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂;ナフトール型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシド、アリサイクリックジエポキシ−アジペート等の脂環式エポキシ樹脂;アルキレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(アルキレングリコール)ジグリシジルエーテル、アルケニレングリコールジグリシジルエーテル等の分子内にエポキシ基を2つ有する二官能脂肪族エポキシ化合物などが挙げられる。
上記エポキシ樹脂の中でも、芳香族環にグリシジル構造又はグリシジルアミン構造が結合した構造を含むエポキシ樹脂は、耐熱性、機械特性及び耐湿性向上の観点から好ましい。
エポキシ樹脂は常温で液体であっても固形であってもよく、アンダーフィル材を常温で液体にする観点からは、エポキシ樹脂全体として常温で液体となるようにエポキシ樹脂を選択することが好ましい。常温で固形のエポキシ樹脂を使用する場合、その含有率は、流動性の観点から、エポキシ樹脂全体の20質量%以下であることが好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は特に制限されず、低誘電特性、成形性、耐リフロー性、電気的信頼性等の各種特性バランスの観点からは、60g/eq〜500g/eqであることが好ましく、70g/eq〜300g/eqであることがより好ましく、90g/eq〜200g/eqであることがさらに好ましい。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236:2009に準じた方法で測定される値とする。
2種以上のエポキシ樹脂を用いる場合は、当該2種以上のエポキシ樹脂を予め混合してから他の成分と混合してもよく、予め混合せずに他の成分と混合してもよい。
エポキシ樹脂のアンダーフィル材における含有率は特に限定されない。低誘電特性の観点からは、エポキシ樹脂の含有率はアンダーフィル材全体の60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましく、30質量%以下であることが特に好ましく、25質量%以下であることが極めて好ましい。硬化時の反応性、硬化後の耐熱性及び機械的強度、並びに封止時の流動性の観点からは、エポキシ樹脂の含有率はアンダーフィル材全体の5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂の純度は、高いことが好ましい。具体的には、特に加水分解性塩素量は、IC等の素子上のアルミ配線の腐食に係わるため少ない方が好ましい。耐湿性に優れるアンダーフィル材を得る観点からは、エポキシ樹脂全体における加水分解性塩素量は、例えば、500ppm以下であることが好ましい。
ここで、加水分解性塩素量とは、試料のエポキシ樹脂1gをジオキサン30mlに溶解し、1N−KOH(水酸化カリウム)メタノール溶液5mlを添加して30分間還流させた後、電位差滴定により求めた値を尺度としたものである。
(硬化剤)
本開示のアンダーフィル材は、硬化剤を含有する。硬化剤は、酸無水物系硬化剤を含む。
酸無水物系硬化剤の種類は特に制限されない。酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、無水メチルハイミック酸、無水クロレンド酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸マレイン酸付加物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、水素化メチルナジック酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物等が挙げられる。酸無水物系硬化剤は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、流動性、低粘度等の観点から、酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸骨格を有する硬化剤が好ましく、炭化水素基で置換された無水フタル酸がより好ましく、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、及びメチルヘキサヒドロ無水フタル酸からなる群より選択される少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。
アンダーフィル材を常温で液体にする観点からは、酸無水物系硬化剤は常温(25℃)で液体であることが好ましい。
エポキシ樹脂中のエポキシ基に対する、酸無水物系硬化剤中の酸無水物基の当量比(酸無水物基の当量数/エポキシ基の当量数)は、それぞれの未反応分を少なく抑え、かつ硬化反応を十分に進行させる観点から、0.7〜1.3の範囲に設定されることが好ましく、0.8〜1.2の範囲に設定されることがより好ましく、0.9〜1.1の範囲に設定されることがさらに好ましい。
硬化剤は、酸無水物系硬化剤に加えて、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤等、その他の硬化剤を含んでもよいが、低誘電特性の観点からは、硬化剤はアミン系硬化剤を含まないかアミン系硬化剤の含有率が硬化剤全量に対して30質量%未満であることが好ましく、硬化剤はアミン系硬化剤を含まないかアミン系硬化剤の含有率が硬化剤全量に対して20質量%未満であることがより好ましく、硬化剤はアミン系硬化剤を含まないかアミン系硬化剤の含有率が硬化剤全量に対して10質量%未満であることがさらに好ましく、硬化剤はアミン系硬化剤を含まないかアミン系硬化剤の含有率が硬化剤全量に対して5質量%未満であることが特に好ましい。
また、低誘電特性及び耐熱性の観点から、硬化剤はフェノール系硬化剤を含まないかフェノール系硬化剤の含有率が硬化剤全量に対して30質量%未満であることが好ましく、硬化剤はフェノール系硬化剤を含まないかフェノール系硬化剤の含有率が硬化剤全量に対して20質量%未満であることがより好ましく、硬化剤はフェノール系硬化剤を含まないかフェノール系硬化剤の含有率が硬化剤全量に対して10質量%未満であることがさらに好ましく、硬化剤はフェノール系硬化剤を含まないかフェノール系硬化剤の含有率が硬化剤全量に対して5質量%未満であることが特に好ましい。
低誘電特性及び耐熱性の観点から、硬化剤はアミン系硬化剤及びフェノール系硬化剤を含まないかアミン系硬化剤及びフェノール系硬化剤の含有率が硬化剤全量に対して合計30質量%未満であることが好ましく、硬化剤はアミン系硬化剤及びフェノール系硬化剤を含まないかアミン系硬化剤及びフェノール系硬化剤の含有率が硬化剤全量に対して合計20質量%未満であることがより好ましく、硬化剤はアミン系硬化剤及びフェノール系硬化剤を含まないかアミン系硬化剤及びフェノール系硬化剤の含有率が硬化剤全量に対して合計10質量%未満であることがさらに好ましく、硬化剤はアミン系硬化剤及びフェノール系硬化剤を含まないかアミン系硬化剤及びフェノール系硬化剤の含有率が硬化剤全量に対して合計5質量%未満であることが特に好ましい。
低誘電特性の観点から、硬化剤全量に対する酸無水物系硬化剤の含有率は70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
アミン系硬化剤を併用する場合、アミン系硬化剤の種類は特に制限されず、芳香環を有する化合物(芳香族アミン化合物ともいう)であることが好ましく、常温で液状の芳香族アミン化合物であることがより好ましく、常温で液状であり、かつ1分子中にアミノ基を2個有する芳香族アミン化合物であることがより好ましい。常温で液状の芳香族アミン化合物としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチルトルエンジアミン等が挙げられる。アミン系硬化剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤を併用する場合、フェノール系硬化剤の種類は特に制限されず、例えば、フェノール化合物(例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA及びビスフェノールF)並びにナフトール化合物(例えば、α−ナフトール、β−ナフトール及びジヒドロキシナフタレン)からなる群より選択される少なくとも1種と、アルデヒド化合物(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド及びサリチルアルデヒド)とを、酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂;フェノール・アラルキル樹脂;ビフェニル・アラルキル樹脂;並びにナフトール・アラルキル樹脂が挙げられる。フェノール系硬化剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
アンダーフィル材を常温で液体にする観点からは、硬化剤全体として常温で液体となるように硬化剤を選択することが好ましい。すなわち、アンダーフィル材が1種の硬化剤のみを含む場合は、その硬化剤が常温で液体であることが好ましい。2種以上の硬化剤の組み合わせである場合は、2種以上の硬化剤がすべて常温で液状であってもよく、一部が常温で固形の硬化剤であり、2種以上の硬化剤を混合したときに常温で液体となるような組み合わせであってもよい。
硬化剤として常温で固形の硬化剤を使用する場合、その含有率は、流動性の観点から、硬化剤全体の20質量%以下であることが好ましい。
エポキシ樹脂中のエポキシ基に対する、硬化剤中のエポキシ基と反応する官能基(例えば、酸無水物系硬化剤中の酸無水物基、アミン系硬化剤中の活性水素基、及びフェノール系硬化剤の水酸基)の当量比(硬化剤中の官能基の当量数/エポキシ樹脂のエポキシ基の当量数)は、それぞれの未反応分を少なく抑え、かつ硬化反応を十分に進行させる観点から、0.7〜1.3の範囲に設定されることが好ましく、0.8〜1.2の範囲に設定されることがより好ましく、0.9〜1.1の範囲に設定されることがさらに好ましい。
(無機充填材)
本開示のアンダーフィル材は無機充填材を含有する。
無機充填材の種類は特に制限されない。無機充填材として具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ、炭酸カルシウム、クレー、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化ホウ素、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、窒化アルミニウム、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、前記粉体を球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられる。無機充填材として難燃効果のあるものを用いてもよい。難燃効果のある無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等が挙げられる。無機充填材は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
無機充填材の粒子形状は特に制限されず、不定形であっても球状であってもよい。アンダーフィル材の微細間隙への流動性及び浸透性の観点からは、無機充填材の粒子形状は球状であることが好ましい。無機充填材としては、例えば、球状シリカが好ましく、球状溶融シリカがより好ましい。
無機充填材の平均粒子径は特に制限されず、例えば、0.1μm〜10μmであることが好ましく、0.3μm〜5μmであることより好ましい。無機充填材の平均粒子径が0.1μm以上であると、樹脂成分(エポキシ樹脂、硬化剤等)への分散性が向上し、アンダーフィル材の流動特性がより向上する傾向にあり、10μm以下であると無機充填材の沈降をより抑制し易くなり、かつ微細間隙への浸透性及び流動性が向上してボイド又は未充填部分の発生がより抑制される傾向にある。
本開示において無機充填材の平均粒子径は、体積平均粒子径を意味する。具体的には、レーザー回折散乱法により得られる体積基準の粒度分布曲線において、小径側からの累積が50%となるときの粒子径(d50)を意味する。
無機充填材の最大粒子径は特に制限されず、アンダーフィル材の適用される間隙のサイズ等に応じて設定することができる。微細間隙への充填性の観点からは、無機充填材の最大粒子径は50μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましい。
無機充填材の最大粒子径は、例えば、アンダーフィル材又はその硬化物の薄片試料を走査型電子顕微鏡にて撮像した画像において、無作為に選んだ100個の無機充填材の長径のうちの最大値として測定することができる。
アンダーフィル材における無機充填材の含有率は特に制限されず、例えば、アンダーフィル材全体の20質量%〜90質量%であることが好ましく、30質量%〜80質量%であることがより好ましく、40質量%〜75質量%であることがさらに好ましく、50質量%〜75質量%であることが特に好ましく、60質量%〜75質量%であることが極めて好ましい。
無機充填材の含有率がアンダーフィル材全体の20質量%以上であると、硬化物の熱膨張係数が低減する傾向にあり、90質量%以下であると、アンダーフィル材の粘度が低く維持されて流動性、浸透性及びディスペンス性が良好に維持される傾向にある。
また、低誘電特性をより向上させる観点からは、無機充填材の含有率はアンダーフィル材全体の50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましく、63質量%以上であることが特に好ましく、65質量%以上であることが極めて好ましい。無機充填材の含有率がアンダーフィル材全体の50質量%以上であると、アンダーフィル材中の極性基の量が低下し、その結果、優れた低誘電特性を得やすいと考えられる。
(その他の成分)
アンダーフィル材は、上記した成分以外の添加剤として、カップリング剤、硬化促進剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、有機溶剤、離型剤、着色剤、ゴム粒子、レベリング剤、消泡剤などを必要に応じて含んでいてもよい。
−カップリング剤−
本開示のアンダーフィル材は、カップリング剤を含有してもよい。
カップリング剤は、アンダーフィル材中の樹脂成分と無機充填材、又は樹脂成分と電子部品装置の構成部材との間の接着性を強固にする役割を果たす。カップリング剤の種類は特に制限されず、アンダーフィル材の成分として一般に使用されているものから選択できる。具体的には、1級アミノ基、2級アミノ基及び3級アミノ基からなる群から選ばれる1種以上を有するアミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物などが挙げられる。これらの中でも、充填性の観点からは、シラン系化合物が好ましく、エポキシシランがより好ましい。
アンダーフィル材がカップリング剤を含有する場合、その含有率は、特に制限されない。樹脂成分と無機充填材との界面接着及び樹脂成分と電子部品装置の構成部材との界面接着を強固にする観点、並びに充填性を向上させる観点からは、カップリング剤の含有率は、例えば、アンダーフィル材全体の0.05質量%〜10質量%であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%であることがより好ましく、0.4質量%〜1質量%であることがさらに好ましい。
−硬化促進剤−
本開示のアンダーフィル材は、硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤の種類は特に制限されず、公知の硬化促進剤を使用することができる。
具体的には、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物;シクロアミジン化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂などのπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン化合物;3級アミン化合物の誘導体;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;イミダゾール化合物の誘導体;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物;有機ホスフィン化合物に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾリウムテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリニウムテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボレート塩;テトラフェニルボレート塩の誘導体;トリフェニルホスフィン−トリフェニルボラン錯体、モルホリン−トリフェニルボラン錯体等のテトラフェニルボラン錯体などが挙げられる。硬化促進剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
アンダーフィル材が硬化促進剤を含有する場合、硬化促進剤の含有率は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量に対して、0.1質量%〜8質量%であることが好ましい。
−イオントラップ剤−
本開示のアンダーフィル材は、イオントラップ剤を含有してもよい。
本開示において使用可能なイオントラップ剤は、電子部品装置の製造用途に用いられるアンダーフィル材において、一般的に使用されているイオントラップ剤であれば特に制限されるものではない。イオントラップ剤としては、例えば、下記一般式(VI−1)又は下記一般式(VI−2)で表される化合物が挙げられる。
Mg1−aAl(OH)(COa/2・uHO ・・・一般式(VI−1)
(一般式(VI−1)中、aは0<a≦0.5であり、uは正数である。)
BiO(OH)(NO ・・・一般式(VI−2)
(一般式(VI−2)中、bは0.9≦b≦1.1、cは0.6≦c≦0.8、dは0.2≦d≦0.4である。)
イオントラップ剤は、市販品として入手可能である。一般式(VI−1)で表される化合物としては、例えば、「DHT−4A」(協和化学工業株式会社製、商品名)が市販品として入手可能である。また、一般式(VI−2)で表される化合物としては、例えば、「IXE500」(東亞合成株式会社製、商品名)が市販品として入手可能である。
また、上記以外のイオントラップ剤として、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、アンチモン等から選ばれる元素の含水酸化物などが挙げられる。
イオントラップ剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
アンダーフィル材がイオントラップ剤を含有する場合、イオントラップ剤の含有量は、充分な耐湿信頼性を実現する観点からは、エポキシ樹脂100質量部に対して1質量部以上であることが好ましい。他の成分の効果を充分に発揮する観点からは、イオントラップ剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して15質量部以下であることが好ましく、1質量部〜10質量部であることがより好ましく、2質量部〜5質量部であることがさらに好ましい。
また、イオントラップ剤の平均粒子径は0.1μm〜3.0μmであることが好ましく、最大粒子径は10μm以下であることが好ましい。イオントラップ剤の平均粒子径は、無機充填材の場合と同様にして測定することができる。
−酸化防止剤−
本開示のアンダーフィル材は、酸化防止剤を含んでもよい。酸化防止剤としては従来公知のものを用いることができる。
フェノール化合物系酸化防止剤としては、フェノール核のオルト位に少なくとも1つのアルキル基を有する化合物として、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、ビス[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル(エトキシ)ホスフィナート]カルシウム、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル―4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ジエチル[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル]ホスホネート、2,5,7,8−テトラメチル−2−(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クロマン−6−オール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
有機硫黄化合物系酸化防止剤としては、ジラウリル―3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル―3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル―3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
アミン化合物系酸化防止剤としては、N,N’−ジアリル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル―p−フェニレンジアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
アミン化合物系酸化防止剤のうち、ジシクロヘキシルアミンとしては、新日本理化株式会社製商品名D−CHA−T等が市販品として入手可能であり、その誘導体としては亜硝酸ジシクロヘキシルアミンアンモニウム、N,N−ジ(3−メチル−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(2−メトキシ−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(4−ブロモ−シクロヘキシル)アミン等が挙げられる。
リン化合物系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、ビス[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル(エトキシ)ホスフィナート]カルシウム、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−[〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエ−テル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル〕オキシ]−N,N−ビス[2−{〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル〕オキシ}−エチル]エタナミン、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、ジエチル[〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル]ホスホネート等が挙げられる。
酸化防止剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。なお、酸化防止剤の具体例としてフェノール性水酸基に加え、リン原子、硫黄原子及びアミンのいずれかを少なくとも1つ同一分子中に含む化合物が存在するが、これらの化合物は重複して挙げる場合がある。
アンダーフィル材が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有率は、エポキシ樹脂全体に対して0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%〜5質量%である。
−有機溶剤−
本開示のアンダーフィル材には、低粘度化のために必要に応じて有機溶剤を配合してもよい。特に、固体のエポキシ樹脂及び硬化剤を用いる場合には、液状の樹脂組成物を得るために、有機溶剤を配合することが好ましい。
有機溶剤としては、特に制限はなく、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤;γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン系溶剤;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤などが挙げられ、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。これらの中では、アンダーフィル材を硬化する際の急激な揮発による気泡形成を避ける観点からは、沸点が170℃以上の有機溶剤が好ましい。
有機溶剤等を含む揮発分の含有率は、アンダーフィル材を硬化する際に気泡を形成しない程度であれば特に制限はなく、アンダーフィル材全体に対して5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。
本開示において、アンダーフィル材の揮発分は、アンダーフィル材を180℃にて30分の条件で加熱し、加熱前後の重量差に基づいて算出される。
−離型剤−
本開示のアンダーフィル材は、離型剤を含有してもよい。離型剤の種類は特に制限されず、公知の離型剤を使用することができる。具体的には、例えば、高級脂肪酸、カルナバワックス及びポリエチレン系ワックスが挙げられる。離型剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
アンダーフィル材が離型剤を含有する場合、離型剤の含有率は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量に対して、10質量%以下であることが好ましく、その効果を発揮させる観点からは、0.5質量%以上であることが好ましい。
−着色剤−
本開示のアンダーフィル材は、染料、カーボンブラック等の着色剤を含有してもよい。着色剤は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
着色剤としてカーボンブラック等の導電性粒子を用いる場合、導電性粒子は、粒子径10μm以上の粒子の含有率が1質量%以下であることが好ましい。
アンダーフィル材が導電性粒子を含有する場合、導電性粒子の含有率は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量に対して3質量%以下であることが好ましく、0.01質量%〜1質量%であることがより好ましい。
−ゴム粒子−
アンダーフィル材は、硬化物の低熱膨張化の観点から、ゴム粒子を含有してもよい。ゴム粒子は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
好適なゴム粒子の例としては、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム(UR)、アクリルゴム(AR)等のゴム粒子が挙げられる。中でも、耐熱性及び耐湿性の観点からは、アクリルゴムを含むゴム粒子が好ましく、コアシェル型アクリルゴム粒子がより好ましい。
また、好適なゴム粒子の他の例としては、シリコーンゴム粒子が挙げられる。
シリコーンゴム粒子としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等の直鎖状のポリオルガノシロキサンを架橋したシリコーンゴム粒子;該シリコーンゴム粒子の表面をシリコーンレジンで被覆したもの、乳化重合等で得られる固形シリコーン粒子のコアとアクリル樹脂等の有機重合体のシェルを含むコア−シェル重合体粒子などが挙げられる。これらのシリコーンゴム粒子の形状は無定形であっても球形であってもよく、アンダーフィル材の粘度を低く抑えるためには、球形のシリコーンゴム粒子を用いることが好ましい。
シリコーンゴム粒子は、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、信越化学工業株式会社等から市販品が入手可能である。
アンダーフィル材がゴム粒子を含む場合、ゴム粒子の平均粒子径は、アンダーフィル材を均一に変性するためには微細であることが好ましい。ゴム粒子の平均粒子径としては0.05μm〜10μmの範囲であることが好ましく、0.1μm〜5μmの範囲であることがさらに好ましい。ゴム粒子の平均粒子径が0.05μm以上であるとアンダーフィル材への分散性がより向上する傾向がある。ゴム粒子の体積平均粒子径が10μm以下であると、低応力化改善効果がより向上する傾向があり、アンダーフィル材としての微細間隙への浸透性及び流動性が向上し、ボイド及び未充填を招き難くなる傾向がある。
ゴム粒子の平均粒子径は、無機充填材と同様の方法を用いて測定される。
アンダーフィル材がゴム粒子を含む場合、ゴム粒子の含有率は、エポキシ樹脂全量に対して3質量%〜30質量%であることが好ましく、5質量%〜28質量%であることがより好ましく、10質量%〜25質量%であることがさらに好ましい。
〔アンダーフィル材の用途〕
アンダーフィル材は、例えば、後述する電子部品を搭載した半導体装置に適用することができる。特に、本開示のアンダーフィル材は、キャピラリーアンダーフィル材(CUF)として好適である。
また、近年、半導体素子の高速化に伴い、低誘電率の層間絶縁膜が半導体素子に形成される場合がある。本開示のアンダーフィル材は、このような層間絶縁膜を有する半導体素子を搭載するフリップチップ接続形式の電子部品装置にも適用することができる。
また、電子部品を構成する配線基板と半導体素子とのバンプ接続面の距離が例えば200μm以下であるフリップチップ接続に対しても良好な流動性及び充填性を示し、信頼性にも優れた電子部品装置を提供できる傾向にある。
〔アンダーフィル材の調製方法〕
アンダーフィル材は、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、及び無機充填材、並びに必要に応じて用いられるその他の成分を一括して又は別々に、必要により加熱処理を加えながら、撹拌、溶融、混合、分散等させることにより得ることができる。これらの成分の混合、撹拌、分散等のための装置としては、特に限定されるものではなく、撹拌装置、加熱装置等を備えたらい潰機、3本ロールミル、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミルなどが挙げられる。これらの装置を用いて上記成分を混合し、混練し、必要に応じて脱泡することによってアンダーフィル材を得ることができる。
<電子部品装置>
本開示の電子部品装置は、回路層を有する基板と、前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品と、前記基板と前記電子部品との間隙に配置された本開示のアンダーフィル材の硬化物と、を備える。本開示の電子部品装置は、本開示のアンダーフィル材により電子部品を封止して得ることができる。
電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、リジッド配線板、フレキシブル配線板、ガラス、シリコンウエハ等の回路層を有する基板に、半導体素子、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、抵抗アレイ、コイル、スイッチ等の受動素子などの電子部品を搭載し、必要な部分を本開示のアンダーフィル材で封止して得られる電子部品装置が挙げられる。
特に、リジッド配線板、フレキシブル配線板又はガラス上に形成した配線に、半導体素子をバンプ接続によりフリップチップボンディングした電子部品装置が、本開示のアンダーフィル材を適応しうる対象の1つとして挙げられる。具体的な例としては、フリップチップBGA(Ball Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、COF(Chip On Film)等の電子部品装置が挙げられる。
本開示のアンダーフィル材は、高い信頼性が求められるフリップチップ用のアンダーフィル材として有用である。本開示のアンダーフィル材が特に好適に適用されるフリップチップの分野としては、配線基板と半導体素子とを接続するバンプ材質が、従来の鉛含有はんだである場合のみならず、Sn−Ag−Cu系等の鉛フリーはんだである場合も挙げられる。従来の鉛はんだと比較して物性的に脆い鉛フリーはんだを用いてバンプ接続をしたフリップチップに対しても、本開示のアンダーフィル材は良好な信頼性を維持できる傾向にある。また、ウエハーレベルCSP(Chip Size Package)等のチップスケールパッケージを基板に実装する際にも本開示のアンダーフィル材を適用することで、信頼性の向上を図ることができる傾向にある。
また、本開示のアンダーフィル材は、低誘電特性に優れるため、第5世代移動通信システム等の高周波帯の通信に用いられる通信部材にも好適に適用することができる。
<電子部品装置の製造方法>
本開示の電子部品装置の製造方法は、回路層を有する基板と、前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品とを、本開示のアンダーフィル材を用いて封止する工程を有する。
本開示のアンダーフィル材を用いて回路層を有する基板と電子部品とを封止する工程に特に限定はない。例えば、電子部品と回路層を有する基板とを接続した後に、電子部品と基板とのギャップに毛細管現象を利用してアンダーフィル材を付与し、次いでアンダーフィル材の硬化反応を行う後入れ方式、並びに、先に回路層を有する基板及び電子部品の少なくとも一方の表面に本開示のアンダーフィル材を付与し、熱圧着して電子部品を基板に接続する際に、電子部品及び基板の接続とアンダーフィル材の硬化反応とを一括して行う先塗布方式が挙げられる。
アンダーフィル材の付与方法としては、注型方式、ディスペンス方式、印刷方式等が挙げられる。
アンダーフィル材の硬化条件は特に限定されるものではなく、80℃〜165℃で、1分間〜150分間加熱することが好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[アンダーフィル材の調製]
表1に示す各成分を表1に示す量で配合し、三本ロール及び真空らい潰機にて混練し分散して、実施例及び比較例のアンダーフィル材を調製した。表1に示す各材料の詳細は、下記のとおりである。表1中の「−」は該当する成分が配合されていないことを示す。
・エポキシ樹脂1:ビスフェノールFをエポキシ化して得られる液状2官能エポキシ樹脂(エポキシ当量160g/eq)
・エポキシ樹脂2:アミノフェノールをエポキシ化して得られる液状3官能エポキシ樹脂(エポキシ当量95g/eq)
・エポキシ樹脂3:ジヒドロキシナフタレンをエポキシ化して得られる液状2官能エポキシ樹脂(エポキシ当量143g/eq)
・硬化剤1:メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸(酸無水物当量117g/eq)
・硬化剤2:メチルテトラヒドロ無水フタル酸(酸無水物当量83g/eq)
・硬化剤3:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(酸無水物当量84g/eq)
・硬化剤4:ジエチルトルエンジアミン(活性水素当量45g/eq)
・硬化剤5:3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(活性水素当量63g/eq)
・硬化剤6:2,2’−ジアリルビスフェノールA(活性水素当量70g/eq)
・硬化促進剤1:2−エチル−4−メチルイミダゾール
・硬化促進剤2:2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール
・硬化促進剤3:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール
・無機充填材:シリカ
・着色剤:カーボンブラック
[評価]
調製したアンダーフィル材を用いて、下記の試験により粘度、フロー速度、比誘電率、及び誘電正接の評価を行った。
(1)25℃での粘度の測定
EHD型回転粘度計(東京計器株式会社製)を25℃で1分間、10回毎分(10rpm)で回転させて粘度を測定した。測定値は、25±1℃に保たれた液体について、コーン角度3゜、コーン半径14mmのコーンロータを装着したEHD型回転粘度計を用いて得た。
(2)フロー速度
アンダーフィル材10mgを、110℃の条件下でディスペンス方式により、支持部材(ガラス基板)と、電子部品の代用として使用するカバーガラスと、の間の空隙に注入した。このとき、注入を始めてから充填が完了するまでの時間(sec)を測定し、表1に示す流動速度の目安として評価した。評価用サンプルの仕様は以下のとおりである。
・ガラス基板のサイズ:76mm×26mmマイクロスライドガラス(松浪硝子工業株式会社製)
・カバーガラスのサイズ:20mm×20mm(松浪硝子工業株式会社製)
・基板と半導体素子との間のギャップ:25μm
(3)硬化物の比誘電率及び誘電正接
調製した液状封止樹脂組成物を、150℃、2時間で硬化処理して硬化物を得た。この硬化物を0.6mm×0.6mm×60mmのサイズに切り出して、測定サンプルを作製した。この試験片を用いて空洞共振測定装置(ネットワークアナライザ:N5227A、 KEYSIGHT TECHNOLOGIES社製;共振器:CP561、株式会社関東電子応用開発)を用いて、20GHzにおける比誘電率と誘電正接を測定した。
各評価結果を表1に示す。なお、フロー速度の評価における「×」は測定不可であることを示す。
表1に示されるように、実施例のアンダーフィル材は、いずれも比誘電率が3.5以下かつ誘電正接が0.0100以下であった。また、実施例のアンダーフィル材は、アンダーフィル材として好適な粘度を有していた。
これらの実施例のアンダーフィル材は、低誘電特性に優れており、低誘電特性が望まれる用途に好適に使用可能であると考えられる。

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含有し、前記硬化剤が酸無水物系硬化剤を含み、硬化物の比誘電率が3.5以下かつ誘電正接が0.0100以下である、アンダーフィル用樹脂組成物。
  2. 前記硬化剤全量に対する前記酸無水物系硬化剤の含有率が70質量%以上である、請求項1に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  3. 前記硬化剤がアミン系硬化剤を含まないか、アミン系硬化剤の含有率が前記硬化剤全量に対して30質量%未満である、請求項1又は請求項2に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  4. 前記硬化剤がアミン系硬化剤及びフェノール系硬化剤を含まないか、アミン系硬化剤及びフェノール系硬化剤の含有率が前記硬化剤全量に対して合計30質量%未満である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  5. 前記無機充填材の含有率が50質量%以上である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  6. キャピラリーアンダーフィル材である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物。
  7. 回路層を有する基板と、
    前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品と、
    前記基板と前記電子部品との間隙に配置された請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物の硬化物と、
    を備える電子部品装置。
  8. 第5世代移動通信システムの通信部材である、請求項7に記載の電子部品装置。
  9. 回路層を有する基板と、前記基板上に配置され、前記回路層と電気的に接続された電子部品と、を、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のアンダーフィル用樹脂組成物を用いて封止する工程を有する電子部品装置の製造方法。
  10. 前記電子部品装置が第5世代移動通信システムの通信部材である、請求項9に記載の製造方法。
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