JP2020066591A - 有機溶媒の精製方法及び精製装置 - Google Patents

有機溶媒の精製方法及び精製装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水と混和する有機溶媒をイオン交換樹脂を用いて精製する際に、イオン交換樹脂からのイオン性不純物のリーク開始の兆候を検出してイオン交換樹脂を適切なタイミング交換できるようにする。【解決手段】イオン交換樹脂を充填した2つの充填塔を直列に接続して有機溶媒を2つの充填塔に通液し、有機溶媒の流れ方向において上流側及び下流側となる充填塔をそれぞれ前段の充填塔及び後段の充填塔として、前段の充填塔の出口における有機溶媒の比抵抗または導電率を測定する。【選択図】図1

Description

本発明は、水と混和する有機溶媒をイオン交換樹脂を用いて精製する方法及び装置に関する。
水と混和する有機溶媒として、例えば、メタノール、2−メチル−N−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホオキシド(DMSO)などが知られており、これらの有機溶媒は各種の生産工程において使用されている。例えばNMPは、リチウムイオン二次電池の電極、特に正極を製造する際に分散媒として広く用いられている。
リチウムイオン二次電池の各電極すなわち正極や負極の主要な構成材料は、電極活物質、集電体及びバインダーである。バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を分散媒であるNMPに溶解させたものを使用するのが一般的である。電極は、電極活物質とバインダーとを混合したスラリーを集電体上に塗布することによって製造される。
リチウムイオン二次電池の製造に用いられるNMPは、水分や金属などの不純物を除去した高純度のものであることが求められている。そこでNMPから不純物を取り除く各種の精製方法が提案されている。例えば、特許文献1,2は、PVDFなどをNMPに溶解させたときに着色を生じないようなNMPを得るために、強酸性カチオン交換樹脂などの酸性物質によってNMPを処理することを開示している。特許文献3は、NMP中に不純物として含まれるアミン及び金属イオンの濃度を低下させるために、強酸性マクロ孔質カチオン交換体によりNMPを処理することを開示している。特許文献4は、各種の工程から水を含有するNMPを回収して再利用する際のNMPの精製方法として、回収されたNMP溶液を第1のイオン交換樹脂カラムに通液してイオン性不純物を除去したのち浸透気化装置に供給して脱水し、脱水NMPを第2のイオン交換樹脂カラムに通液することにより精製NMPを得ることを開示している。ところで、浸透気化装置に含まれる浸透気化膜は一般にA型ゼオライトなどによって形成されており、ギ酸などの酸成分に対して弱いという性質を有する。そこで特許文献4は、第1のイオン交換樹脂カラムから排出されるNMPの導電率を測定してギ酸濃度を求めることも開示している。特許文献5は、各工程から回収した含水NMP溶液をイオン交換樹脂に通液してイオン性不純物を除去したのち浸透気化装置に供給して脱水し、脱水NMPを減圧蒸発缶に供給して微粒子状の不純物を除去して精製NMPとすることを開示している。一般に、各種の工程から回収されるNMPは、最大で20質量%程度までの水を含有している。
特開平10−310795号公報 特開平11−71346号公報 特開2000−256314号公報 特開2014−144938号公報 特開2016−30233号公報
水を含有している有機溶媒から水分を除去する手段として浸透気化装置は多くの利点を有する。しかしながら浸透気化装置に含まれる浸透気化膜はゼオライトなどから構成されてギ酸などの酸成分に弱いので、浸透気化装置の前段で酸成分を除去する必要がある。特に、リチウムイオン二次電池の電極製造工程から排出されるNMPには、ギ酸が1mg/L〜20mg/Lの濃度で含まれていることが多い。イオン性不純物の除去などのために浸透気化装置の前段にイオン交換樹脂を配置した場合、このイオン交換樹脂において浸透気化膜に有害な酸成分の除去も行うことになる。しかしながら、イオン交換樹脂には交換容量があり、イオン交換樹脂からの酸成分を含むイオン性不純物のリークを防ぐために、一定期間の経過後に新品と交換する必要がある。
現在、リチウムイオン二次電池製造に適した高純度グレードのものとして市販されているNMPは、超純水で10倍に希釈したときにガラス電極で測定したときのpHが6以上10以下であり、また、NMP中の金属濃度、アミン濃度ともきわめて低濃度に管理されている。NMP中のギ酸濃度としては0.1mg/L以下であることが実質的には求められている。特許文献4にはNMP溶液中の濃度が0.5mg/Lのギ酸を導電率によって測定できることが開示されているが、有機有機溶媒であるNMPは水に比べて比抵抗が大きく、イオン交換樹脂からギ酸がリークしたとしても、NMP中の水分含有量が小さい場合には導電率計による測定ではリーク開始を正確に検出することが難しくなる。イオン交換樹脂からギ酸などの酸成分がリークすれば後段の浸透気化装置に害を与えるので、イオン交換樹脂からの酸成分のリークの兆候を確実に検出できることが望まれる。
本発明の目的は、水と混和する有機溶媒をイオン交換樹脂を用いて精製する方法及び装置であって、イオン交換樹脂からのイオン性不純物のリーク開始の兆候を検出してイオン交換樹脂を適切なタイミング交換できる方法及び装置を提供することにある。
本発明の精製方法は、水と混和する有機溶媒を精製する精製方法において、イオン交換樹脂を充填した2つの充填塔を直列に接続して有機溶媒を2つの充填塔に通液し、有機溶媒の流れ方向において上流側及び下流側となる充填塔をそれぞれ前段の充填塔及び後段の充填塔として、前段の充填塔の出口における有機溶媒の比抵抗または導電率を測定することを特徴とする。
本発明の精製装置は、水と混和する有機溶媒を精製する精製装置において、直列に接続されて有機溶媒が供給され、おのおのにイオン交換樹脂が充填された2つの充填塔と、有機溶媒の流れ方向において上流側の充填塔の出口に接続して有機溶媒の比抵抗または導電率を測定する比抵抗計と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、イオン交換樹脂を充填して直列に設けられた2つの充填塔の間の位置で有機溶媒の比抵抗または導電率を測定することにより、後段の充填塔からのイオン性不純物のリークを検出することなしに前段の充填塔の交換時期を判断することができる。これにより、後段の充填塔からのイオン性不純物のリークを確実に防ぐことができ、後段に浸透気化装置が設けられている場合においては、浸透気化装置内の浸透気化膜が酸成分によって劣化することを防ぐことができる。
本発明の実施の一形態の精製装置の構成を示す図である。 脱塩装置での充填塔の切り替えを容易にする構成を説明する図である。 浸透気化装置を備える別の実施形態の精製装置の構成を示す図である。 実施例における通液量に対する導電率の変化を示すグラフである。 参考例における水分濃度に対する比抵抗の変化を示すグラフである。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の一形態の精製装置を示している。本実施形態の精製装置は、水と混和する有機溶媒の精製に用いられるものである。
図1に示す精製装置は、脱塩装置10によって構成されている。脱塩装置10は、2つの充填塔12,15が直列に設けられた構成のものであり、有機溶媒の流れ方向において、充填塔12は上流側すなわち前段に設けられ、充填塔15は下流側すなわち後段に設けられている。脱塩装置10は、充填塔12,15のほかに、前段の充填塔12の入口に対して精製対象の有機溶媒を供給する供給配管11と、前段の充填塔12の出口と後段の充填塔15の入口とを接続する連結配管13と、連結配管13に設けられた比抵抗計14と、精製された有機溶媒を排出するために後段の充填塔15の出口に接続された排出配管16とを備えている。
充填塔12,15にはイオン交換樹脂が充填されている。充填塔12,15に充填されるイオン交換樹脂は、カチオン交換樹脂であってよいし、アニオン交換樹脂であってもよいし、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを混合したものであってもよい。カチオン交換樹脂としては、ダウケミカル社のアンバーライト(登録商標)IR120B、200CTなどの強酸性カチオン交換樹脂、IRC76などの弱酸性カチオン交換樹脂などを用いることができる。アニオン交換樹脂としては、ダウケミカル社のアンバーライト(登録商標)IRA402BL、IRA900Jなどの強塩基性アニオン交換樹脂、IRA67、IRA96SBなどの弱塩基性アニオン交換樹脂などを用いることができる。なお、精製対象の有機溶媒がNMPであって、NMPからギ酸などの酸成分を除去する場合には、強塩基性アニオン交換樹脂を用いることが好ましい。
ここで比抵抗計14について説明する。比抵抗(あるいは抵抗率)と導電率とは逆数の関係にあるので、比抵抗計14の代わりに導電率計を用いることもできる。本明細書では、比抵抗計、抵抗率計及び導電率計を総称して比抵抗計と呼ぶ。本発明が精製の対象とする有機溶媒は水に比べて比抵抗が著しく大きい、すなわち導電率が著しく小さい。そこで、比抵抗の測定を正確に行うためには比抵抗計14のセル定数は小さい方がよいが、セル定数が極端に小さな比抵抗計は高価であるとともに取り扱いが難しい。感度やコスト、入手可能性などの観点から、比抵抗計14のセル定数は0.1cm-1〜0.01cm-1であることが好ましく、0.1cm-1であることがより好ましい。
次に、図1に示す精製装置を用いた有機溶媒の精製について説明する。水と混和する有機溶媒にイオン性の不純物が含まれているものとする。この有機溶媒は供給配管11を介して前段の充填塔12に供給される。有機溶媒は充填塔12に充填されたイオン交換樹脂の層の内部を拡散しながら通過し、この間に、有機溶媒に含まれるイオン性不純物はイオン交換樹脂によってイオン交換されて除去される。そして前段の充填塔12を通過した有機溶媒は、連結配管13を通って後段の充填塔15に送液されるが、連結配管13に設置された比抵抗計14を通過する際にその比抵抗または導電率が測定される。後段の充填塔15に供給された有機溶媒は、充填塔15に充填されたイオン交換樹脂の層の内部を拡散しながら流通し、この間にさらにイオン性不純物が除去される。そして、このようにイオン性不純物が除去されたすなわち脱塩された有機溶媒は、排出配管16を介して脱塩装置10の外部に排出される。
前段の充填塔12内のイオン交換樹脂がその交換容量に達して有機溶媒からこれ以上のイオン性不純物を除去できなくなると、充填塔12と通過した有機溶媒にイオン性不純物が含まれるようになり、比抵抗計13で測定される比抵抗が徐々に低下する、あるいは導電率が徐々に上昇する。測定した比抵抗がある値にまで低下したとき、あるいは導電率がある値にまで上昇したときに、前段の充填塔12への送液を停止してこの充填塔12を取り外す。そして、脱塩装置10において新たな充填塔を後段の充填塔15のさらに後段に配置する。新たな充填塔には、未使用のあるいは再生処理がなされたイオン交換樹脂が充填されている。有機溶媒の精製を連続して実施する必要がない場合には、取り外した充填塔12に対し、その中のイオン交換樹脂を再生する再生処理を行って、再生処理後の充填塔を新たな充填塔として後段の充填塔15のさらに後段に配置してもよい。
前段の充填塔12を取り外した後に脱塩装置10により有機溶媒の精製を行うときは、後段の充填塔15に先に有機溶媒が通液し、その後、新たな充填塔に有機溶媒が通液するようにする。また後段の充填塔15の出口において比抵抗計により有機溶媒の比抵抗を測定する。そしてこの比抵抗の測定に基づき、後段の充填塔15を取り外してその代わりに最後段にさらなる新たな充填塔を設置する。
上記の処理は、言い換えれば、比抵抗計13の測定値に基づいて前段の充填塔12を取り外し、再生されたまたは未使用のイオン交換樹脂を充填した充填塔を後段の充填塔15の下流側に新たに配置して、後段の充填塔15及び新たに配置した充填塔をそれぞれ前段の充填塔12及び後段の充填塔15とする処理である。この場合、比抵抗計13は、あくまでも2つの充填塔の間の位置に配置される。
上述した脱塩装置10からなる本実施形態の精製装置によれば、2つの充填塔12,15の間の位置での比抵抗計13により有機溶媒の比抵抗あるいは導電率を測定することで、上流側の充填塔12のイオン交換樹脂の交換時期を適切に把握することができるようになり、イオン交換樹脂を有効に使用できるようになる。また、後段の充填塔15から排出される有機溶媒へのギ酸などのイオン性不純物のリークを確実の防止することができるようになる。したがって、脱塩装置10の後段に浸透気化装置を設けて有機溶媒をさらに精製する場合においても、有機溶媒にリークする酸成分によって浸透気化装置が劣化することを防ぐことができる。
本実施形態の精製装置において精製の対象となる有機溶媒は、水と混和する有機溶媒であれば特に限定されるものではないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。イオン交換樹脂による処理によって組成が変化するものでなければ、複数種類の有機溶媒を混合したものであってもよい。また、有機溶媒は水を含有するものであってもよい。
以上の説明では、比抵抗または導電率の測定値に基づいて、前段の充填塔12を取り外し、再生されたまたは未使用のイオン交換樹脂を充填した充填塔を後段の充填塔15の下流側に新たに配置するものとしているが、このような処理をより容易に行うための構成について、図2を用いて説明する。図2は、精製装置における脱塩装置10の部分を示している。図1に示した脱塩装置10と同様に、図2に示した脱塩装置10は、供給配管11と、2つの充填塔12,15と、2つの充填塔12,15を接続する連結配管13と、連結配管13に設けられた比抵抗計14と、排出配管16とを備えている。ここで示す例では、流路の切り替えを行うことにより、2つの充填塔12,15のうちのどちらを前段としてどちらを後段とするかを切り替えられるようになっている。流路の切り替えを行うために、8個の弁31〜38が設けられている。
いずれの充填塔12,15においても精製対象の有機溶媒は図示下向き、すなわち下向流で通液されるとして、弁31は供給配管11と一方の充填塔12の入口との間に設けられ,弁32は充填塔12の出口と排出配管16との間に設けられている。同様に弁33は、供給配管11と他方の充填塔15の入口との間に設けられ、弁34は充填塔15の出口と排出配管16との間に設けられている。そして、連結配管13の一方の端部は、弁35を介して一方の充填塔12の入口に接続するとともに、弁36を介して他方の充填塔15の入口に接続している。連結配管13の他方の端部は、弁37を介して一方の充填塔12の出口に接続するとともに、弁38を介して他方の充填塔15の出口に接続している。
充填塔12を前段の充填塔とし充填塔15を後段の充填塔として有機溶媒の精製を行うときは、弁31,34,36,37を開け、弁32,33,35,38を閉じることにより、精製対象の有機溶媒が、供給配管11から充填塔12に供給され、そののち連結配管13から充填塔15に流れて排出配管16から排出されるようにする。この状態で比抵抗計14の検出値に基づきその時点での前段の充填塔12を交換すべきであると判断するに至ったら、全ての弁31〜38を閉じ、各充填塔12,15への送液を停止する。その後、充填塔12を、未使用のあるいは再生処理がなされたイオン交換樹脂が充填された新規の充填塔と交換する。次に有機溶媒の送液を再開するときは、送液停止より前には後段の充填塔であった充填塔15が前段の充填塔となり、交換による新たな充填塔12が後段の充填塔となるように流路を切り替える。すなわち、弁32,33,35,38を開け、弁31,34,36,37を閉じたままとすることにより、精製対象の有機溶媒が、供給配管11から充填塔15を経て連結配管13に流れ、そののち、充填塔12から排出配管16を経て外部に排出されるようにする。
充填塔15を前段の充填塔として有機溶媒の精製を行っているときに、連結配管13に設けられた比抵抗計14の検出値に基づき充填塔15を交換すべきであると判断するに至ったら、弁31〜38を閉じて充填塔12,15への送液を停止し、充填塔15を新たな充填塔に交換し、今度は充填塔12が前段の充填塔となるように流路を切り替えて送液を再開すればよい。それ以降は、比抵抗計の検出値に基づき前段の充填塔を交換すべきであると判断するごとに、充填塔の交換と流路の切り替えとを繰り返せばよい。
次に、本発明の別の実施形態の精製装置について図3を用いて説明する。図3に示す精製装置は、水を例えば20質量%程度含有するNMP溶液を精製対象とするものであり、イオン交換樹脂によってイオン性不純物を除去し、その後、浸透気化処理によって脱水を行うものである。図3に示す精製装置は、水を含有するNMP溶液を貯えるタンク21と、タンク21からNMP溶液を給送するポンプ22と、図1を用いて説明した脱塩装置10と、脱塩装置10の出口すなわち脱塩装置10の排出配管16に接続された浸透気化装置23と、NMPから水分を除去するための浸透気化装置23と、水分が除去されたNMPから微粒子などを除去する減圧蒸発缶25と、を備えている。脱塩装置10としては、図2に示したものを用いてもよい。ポンプ22は、脱塩装置10の供給配管11に向けてNMP溶液を供給する。浸透気化装置23は、例えばゼオライトで構成された浸透気化膜24を備えている。浸透気化装置23の入口には、NMP溶液を加熱するための不図示の加熱手段が設けられている。水は浸透気化膜24を透過するので、NMP溶液中の水分は浸透気化装置23の透過側出口から水蒸気の形態で流出する。NMPは、浸透気化膜24を透過しないので、浸透気化装置23の濃縮側の出口から排出されて減圧蒸発缶25に供給される。減圧蒸発缶25は、不図示の真空ポンプにより缶内の圧力が減圧されるとともに、NMPを気化するために必要な熱を与えるために蒸気が供給されている。
図3に示す精製装置では、脱塩装置10においてイオン性不純物が除去されたNMP溶液が浸透気化装置23に供給されるので、ギ酸などの酸成分によって浸透気化膜24が劣化することがない。そして、脱塩装置10からのNMP溶液は、浸透気化装置23において、水とNMPとに分離され、NMPは、さらに減圧蒸発缶25に送られて微粒子などが除去される。その結果、減圧蒸発缶25からは、イオン性不純物も水も微粒子類も除去された精製NMPが得られる。タンク21に供給されるNMP溶液には微粒子類がほとんど含まれていない場合には、減圧蒸発缶25を設けない構成とすることもできる。
次に、実施例と参考例とに基づいて本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例)
市販のNMPを超純水と混合し、水分濃度が19.7質量%であるNMP溶液を作成した。このNMP溶液をボトルに貯え、マクロポーラス形強酸性カチオン交換樹脂とマクロポーラス形強塩基性アニオン交換樹脂とを混合した樹脂層に循環通液してNMP溶液中のイオン性不純物を除去した。このとき、二酸化炭素を含有する空気がNMP溶液に溶解しないようにするため、NMP溶液を貯えているボトルの上部空間には窒素ガスを導入した。イオン性不純物が除去されたNMP溶液の導電率を測定したところ、0.00059μS/cmであった。このように、水分濃度が20質量%のNMP溶液からイオン交換性樹脂によってイオン性不純物を除去した後の導電率は、超純水の導電率(0.055μS/cm)よりも2桁程度小さく、0.0006μS/cm程度と考えられる。
次に、ギ酸水溶液を用意し、NMP溶液にギ酸水溶液を添加して、ギ酸濃度がそれぞれ1、10、100μg/Lである3種類のNMP溶液を得た。NMP溶液は上述のようにボトルから循環通液させたが、ギ酸水溶液を添加する前に、NMP溶液をイオン交換樹脂の樹脂層へ通液するラインをバイパスした。バイパスラインに通液経路を切り替えることにより、導電率が上昇した。そこでバイパスラインへの切り替えののち、ギ酸水溶液を添加する前後でのNMP溶液の導電率を測定した。結果を表1に示す。表1において、ギ酸を添加する前と添加した後との導電率の差が、ギ酸が寄与した導電率である。
Figure 2020066591
表1より、1μg/Lの濃度のギ酸による導電率の上昇は0.0006μS/cm程度と考えられる。上述したようにイオン性不純物を含まない水分濃度が20質量%程度のNMP溶液の導電率も0.0006μS/cm程度であるから、導電率測定によって1μg/L程度のギ酸を検出することは難しいことが分かる。
ここで、イオン交換樹脂からギ酸がリークした場合を考える。NMP溶液において、リークしたギ酸濃度が100μg/Lであれば、導電率における上昇は0.018μS/cmであり、これは、セル定数が0.1cm-1の比抵抗計により十分に検出できる程度のものであるが、公知の方法では、水を含有するNMPにおける数μg/Lから数十μg/L程度のギ酸のリークの兆候を事前に知ることはできない。
次に、水分濃度が3質量%、ギ酸濃度が2mg/LであるNMP溶液を、イオン交換樹脂を充填したカラムに通液し、カラムへの通液量に対するカラム出口から排出されるNMP溶液の導電率の変化を測定した。結果を図4に示す。図4において、通液量はBV、すなわち、カラム内のイオン交換樹脂の体積を1とする単位で表されている。カラムからギ酸が2mg/Lでリークしたとき導電率は0.18μS/cmとなったが、それ以前のギ酸が数μg/L〜数十μg/Lでリークしている時点を図4に示す結果からは検出することができない。
このように、イオン交換樹脂を充填した単独の充填塔を設け、その出口での導電率を測定した場合には、NMP溶液におけるギ酸の数μg/L〜数十μg/Lでのリークを検出することができず、イオン交換樹脂の交換時期を把握することができない。これに対して本発明では、イオン交換樹脂を充填した複数の充填塔を直列に設けて2つの充填塔間の位置で導電率を測定することにより、測定箇所よりも上流側のイオン交換樹脂がブレークしたことを検出できてそのイオン交換樹脂が交換時期となったことを把握することができることが分かる。
(参考例)
市販のNMPと超純水との混合液に対して濃度が10μg/Lとなるようにギ酸を添加したときの比抵抗を、混合液における水分濃度を変えながら測定した。結果を表2に示す。図5は、表2に示す結果をグラフに表したものである。水分濃度が40.5質量%、ギ酸濃度が10μg/LのNMP溶液の場合、比抵抗は18.82MΩ・cmである。セル定数が0.1cm-1である比抵抗計の場合、正確に計測できる比抵抗の上限は18MΩ・cm程度であるから、表2及び図5より、水分濃度が40.5質量%であるNMP溶液の場合が、ギ酸が約10μg/Lの濃度で漏れてきたとして、比抵抗あるいは導電率の測定によってギ酸のリークをかろうじて把握できる場合であることが分かる。また、NMP溶液における水分量が40.5質量%よりも低い場合には、さらに比抵抗が大きくなるので、ギ酸のリークの検知が難しくなることも分かる。例えばギ酸濃度が10μg/Lであっても水分濃度が19.7質量%のNMP溶液の場合には、比抵抗が105.5MΩ・cmと100MΩ・cmを超えるようになり、セル定数が0.1cm-1の比抵抗計を用いたときにはギ酸のリークの検知はほとんど困難である。本発明によれば、2つの充填塔の間の位置での比抵抗を測定することで、イオン交換樹脂の交換時期を適切に把握することができるようになり、イオン交換樹脂を有効に使用できるようになる。
Figure 2020066591
10 脱塩装置
11,14 充填塔
13 比抵抗計
21 タンク
23 浸透気化装置
25 減圧蒸発缶

Claims (10)

  1. 水と混和する有機溶媒を精製する精製方法において、
    イオン交換樹脂を充填した2つの充填塔を直列に接続して前記有機溶媒を前記2つの充填塔に通液し、
    前記有機溶媒の流れ方向において上流側及び下流側となる充填塔をそれぞれ前段の充填塔及び後段の充填塔として、前記前段の充填塔の出口における前記有機溶媒の比抵抗または導電率を測定することを特徴とする、精製方法。
  2. 前記後段の充填塔の出口から排出する前記有機溶媒を浸透気化装置に供給する、請求項1に記載の精製方法。
  3. 前記比抵抗または導電率の測定値に基づいて、前記前段の充填塔を取り外し、再生されたまたは未使用のイオン交換樹脂を充填した充填塔を前記後段の充填塔の下流側に新たに配置して、前記後段の充填塔及び前記新たに配置した充填塔をそれぞれ前記前段の充填塔及び前記後段の充填塔とする、請求項1または2に記載の精製方法。
  4. 前記比抵抗または導電率の測定値に基づいて、前記2つの充填塔への通液を停止して前記前段の充填塔を取り外し、再生されたまたは未使用のイオン交換樹脂を充填した充填塔を取り外した前記前段の充填塔の位置に配置し、流路を切り替えることにより前記流路の切り替え前には前記後段の充填塔であった充填塔が切り替え後には前記前段の充填塔となり前記新たに配置した充填塔が前記後段の充填塔となるようにして、前記流路の切り替え後に通液を再開する、請求項1または2に記載の精製方法。
  5. 前記有機溶媒はN−メチル−2−ピロリドンである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の精製方法。
  6. 前記有機溶媒は、40.5質量%以下の水を含有するとともにギ酸を含む、請求項5に記載の精製方法。
  7. 前記有機溶媒は水を含有する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の精製方法。
  8. セル定数が0.01cm-1以上0.1cm-1以下である比抵抗計を用いて前記比抵抗または導電率を測定する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の精製方法。
  9. 水と混和する有機溶媒を精製する精製装置において、
    直列に接続されて前記有機溶媒が供給され、おのおのにイオン交換樹脂が充填された2つの充填塔と、
    前記有機溶媒の流れ方向において上流側の前記充填塔の出口に接続して前記有機溶媒の比抵抗または導電率を測定する比抵抗計と、
    を有することを特徴とする、精製装置。
  10. 前記有機溶媒の流れ方向において下流側の前記充填塔の出口に接続されて前記有機溶媒が供給される浸透気化装置をさらに有する、請求項9に記載の精製装置。
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