JP2020063325A - 粘着剤組成物および粘着フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系共重合体(A)(以下、「共重合体(A)」と称する場合がある。)および架橋剤(B)を含有する。そして、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、環状基を有する構造単位(a−1)と、酸性基およびヒドロキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する構造単位(a−2)とを含み、かつ、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量が20万〜200万、分子量分布(PDI)が3.0未満であることを特徴とする。
前記共重合体(A)は、重量平均分子量20万〜200万、分子量分布(PDI)が3.0未満であり、環状基を有する構造単位(a−1)と、酸性基およびヒドロキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する構造単位(a−2)とを含む(メタ)アクリル系共重合体である。
環状基を有する構造単位(a−1)は、1種のみであってもよいし、2種以上を有していてもよい。構造単位(a−1)を有することで、共重合体(A)と架橋剤(B)とを粘着剤組成物に用いたときに、理由は定かではないが、得られる粘着剤組成物の粘度を低減することができる。前記環状基を有する構造単位(a−1)は、後述する酸性基およびヒドロキシ基を有さないことが好ましい。
酸性基およびヒドロキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する構造単位(a−2)は、1種のみであってもよいし、2種以上を有していてもよい。酸性基およびヒドロキシ基は、架橋剤(B)が有する反応性基と反応する反応性官能基となり得る官能基である。なお、酸性基を有する構造単位(a−2)は前記環状基を有する構造単位(a−1)を含まない。
前記共重合体(A)は、構造単位(a−1)および構造単位(a−2)以外に他の構造単位(a−3)を有していてもよい。構造単位(a−3)は、構造単位(a−1)および構造単位(a−2)を形成するモノマーの両方と共重合し得るビニルモノマーにより形成されるものであれば特に制限はなく、1種のみであってもよいし、2種以上を有していてもよい。
ヘテロ環を有するビニルモノマーとしては、ヘテロ環を有するビニルモノマーとしては、2−ビニルチオフェン、N−メチル−2−ビニルピロール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
カルボン酸ビニルとしては、酢酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。
三級アミノ基を有するビニルモノマーとしては、N,N−ジメチルアリルアミン等が挙げられる。
四級アンモニウム塩基を有するビニルモノマーとしては、N−メタクリロイルアミノエチル−N,N,N−ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
ビニルアミド類としては、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、1−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム等が挙げられる。
α−オレフィンとしては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
ジエン類としては、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等が挙げられる。
共重合体(A)は、2種以上のビニルモノマーを含有するモノマー組成物をラジカル重合することで製造することができ、好ましくはリビングラジカル重合することで得られたもの(リビングラジカル重合法を用いて重合することで得られたもの)である。
(a)ビニルモノマーを、一般式(1)で表される有機テルル化合物を用いて重合する。
(b)ビニルモノマーを、一般式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤との混合物を用いて重合する。
(c)ビニルモノマーを、一般式(1)で表される有機テルル化合物と一般式(2)で表される有機ジテルリド化合物との混合物を用いて重合する。
(d)ビニルモノマーを、一般式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤と一般式(2)で表される有機ジテルリド化合物との混合物を用いて重合する。
一般式(2)において、R1は、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基を示す。]
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。好ましくはフェニル基である。
置換アリール基としては、置換基を有しているフェニル基、置換基を有しているナフチル基等を挙げることができる。前記置換基を有しているアリール基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、−COR41で示されるカルボニル含有基(R41は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基またはアリールオキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。また、これらの置換基は、1個または2個置換しているのがよい。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルキル基が酸素原子に結合した基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等を挙げることができる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
アミド基としては、−CONR421R422(R421、R422は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基)を挙げることがきる。
オキシカルボニル基としては、−COOR43(R43は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基)で表される基が好ましく、例えばカルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等を挙げることができる。好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が挙げられる。
アリル基としては、−CR441R442−CR443=CR444R445(R441、R442は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、R443、R444、R445は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基であり、それぞれの置換基が環状構造で繋がっていてもよい)等を挙げることができる。
プロパルギル基としては、−CR451R452−C≡CR453(R451、R452は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、R453は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基またはシリル基)等を挙げることができる。
本発明で用いる架橋剤(B)は、上述の共重合体(A)が有する酸性基またはヒドロキシ基と反応し得る反応性基を1分子中に2つ以上有する化合物である。前記架橋剤(B)は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート型架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤等が挙げられる。これらの中でも、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤が好ましく、架橋反応の進行の程度を制御しやすいこと、および基材に対する密着性の観点からから、イソシアネート系架橋剤がより好ましい。
前記粘着剤組成物には、前記共重合体(A)、架橋剤(B)以外に、その他添加剤を配合して使用することができる。その他の添加剤としては、架橋促進剤、架橋遅延剤、粘着性付与樹脂(タッキファイヤー)、シランカップリング剤、可塑剤、軟化剤、剥離助剤、染料、顔料、色素、蛍光増白剤、帯電防止剤、湿潤剤、界面活性剤、増粘剤、防黴剤、防腐剤、酸素吸収剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、近赤外線吸収剤、水溶性消光剤、香料、金属不活性剤、造核剤、アルキル化剤、難燃剤、滑剤、加工助剤などが挙げられる。これらは粘着剤の用途や使用目的に応じて、適宜選択して配合して使用される。
前記粘着剤組成物には、必要に応じて、架橋促進剤を配合して使用することができる。
前記有機スズ化合物としては、ジブチルスズジラウレート、ジオクチオルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチレート等を挙げることができる。
前記金属キレート化合物としては、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)などのジルコニウムキレート化合物;チタンエチルアセトアセテート、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)などのチタンキレート化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレートなどのアルミニウムキレート化合物;亜鉛(II)ビスアセチルアセトネート・一水和物などの亜鉛キレート化合物;ビス(アセチルアセトネート)ジアクアバリウム(II)などのバリウムキレート化合物、ビス(アセチルアセトネート)ジアクアカルシウム(II)などのカルシウムキレート化合物;銅(II)ビスアセチルアセトネートなどの銅キレート化合物;ビス(アセチルアセトネート)ジアクアストロンチウム(II)などのストロンチウムキレート化合物;クロムトリス(アセチルアセトネート)などのクロムキレート化合物;コバルト(III)トリス(アセチルアセトネート)、ビス(アセチルアセトネート)ジアクアコバルト(II)などのコバルトキレート化合物;鉄(III)トリス(アセチルアセトネート)、ビス(アセチルアセトネート)ジアクア鉄(II)などの鉄キレート化合物;インジウムトリス(アセチルアセトネート)などのインジウムキレート化合物;ビス(アセチルアセトネート)ジアクアマグネシウム(II)などのマグネシウムキレート化合物;ビス(アセチルアセトネート)ジアクアマンガン(II)などのマンガンキレート化合物;ニッケル(II)ビスアセチルアセトネート・二水和物などのニッケルキレート化合物などが挙げられる。これらの中でも、ジルコニウムキレート化合物およびチタンキレート化合物が好ましい。
前記粘着剤組成物には、必要に応じて、架橋遅延剤を配合して使用することができる。架橋遅延剤とは、例えばイソシアネート系架橋剤を含有する粘着剤組成物において、架橋剤が有するイソシアネート基をブロックすることによって、粘着剤組成物の過剰な粘度上昇を抑制することができる化合物である。架橋遅延剤の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、アセチルアセトン、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、オクタン−2,4−ジオン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸オレイル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル等のβ−ケトエステル類;ベンゾイルアセトン;イソプロピルアルコール等のアルコール類;等を使用することができる。前記架橋遅延剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の粘着剤組成物には、必要に応じて、共重合(A)を除く粘着性付与樹脂を配合して使用することができる。前記粘着性付与樹脂としては、ロジンエステル系樹脂等のロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5/C9系石油樹脂等の石油系樹脂、キシレン樹脂、スチレン樹脂、クマロンインデン樹脂、アクリルオリゴマー等が挙げられる。これらの中でも、ロジンエステル系樹脂、テルペンフェノール樹脂が好ましい。前記粘着剤組成物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記粘着剤組成物は、前記共重合体(A)、架橋剤(B)および必要に応じて用いられるその他添加剤を混合することにより製造することができる。前記粘着剤組成物は、前記共重合体(A)の製造に由来した溶媒を含有していたり、さらに適当な溶媒が加えられ、粘着剤層を形成するのに適した粘度となるように希釈された溶液であってもよい。
本発明の粘着フィルムは、基材フィルムと、前記粘着剤組成物から形成された粘着剤層とを有する。前記粘着剤層は基材フィルムの少なくとも片面または少なくとも一部に形成されている。前記粘着剤層は、単層でも良いし、多層構造としてもよい。
前記基材フィルムとしては、粘着フィルムの用途に応じて適宜選択して用いることができ、例えば、粘着フィルムを光学用途に用いる場合は、透明基材フィルムであることが好ましい。透明基材とは、透明である基材をいう。透明基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート、トリアセチルセロース(TAC)、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、フッ素ポリマー、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのプラスチック材料から構成されたフィルムが挙げられる。前記プラスチック材料は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも機械的強度や寸法安定性に優れる点ではPETが好ましい。また、フィルム面内の位相差が非常に小さい点ではTACが好ましい。すなわち、前記透明基材フィルムとしては、PETフィルム(特に、二軸延伸されたPETフィルム)、TACフィルムが好ましい。
粘着剤層のゲル分率は80質量%未満であり、好ましくは75質量%未満、より好ましくは70質量%未満である。ゲル分率が80質量%未満であれば粘着力の低下を抑制できる。前記ゲル分率は、30質量%以上が好ましく、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上である。ゲル分率が低すぎると、粘着力が上昇しやくすく、剥離時の被着体汚染を生じやすい。ゲル分率は、後述する粘着剤組成物における架橋剤の配合量、架橋処理温度、架橋処理時間により制御できる。
前記粘着剤層の形成方法としては特に限定されるものではなく、例えば、以下の(1)および(2)の方法が挙げられる。
(1)種々の塗工装置を用いて、基材フィルムの片面または両面に粘着剤組成物を塗布し、溶媒を乾燥除去し、必要に応じて養生を行う方法。
(2)表面に剥離処理が施された剥離フィルムの剥離面に、種々の塗工装置を用いて、粘着剤組成物を塗布し、溶媒を乾燥除去し、基材フィルムの片面または両面に転写した後、必要に応じて養生を行う方法。
前記粘着フィルムは、使用するまでは粘着剤層の表面に剥離フィルム(セパレータ)を有していてもよい。別途の剥離フィルムを使用せず、基材フィルムの粘着剤層積層面と反対面に剥離層が設けられ、当該剥離層の表面には前記粘着剤層の露出面側が接するようにロール状に巻き回され、または段積み状に積層されてなるものであってもよい。剥離フィルムは粘着剤層の保護材として用いられ、本発明の粘着フィルムを被着体に貼付する際に剥がされる。
BTEE:エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート
AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
V−70:2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)
MA:メチルアクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
PhEA:2−フェノキシエチルアクリレート
4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
AA:アクリル酸
AcOEt:酢酸エチル
(重合率)
核磁気共鳴(NMR)測定装置(ブルカー・バイオスピン社製、型式:AVANCE500(周波数500MHz))を用いて、1H−NMRを測定(溶媒:CDCl3、内部標準:トリメチルシラン(TMS))した。得られたNMRスペクトルについて、モノマー由来のビニル基とポリマー由来のエステル側鎖のピークの積分比を求め、モノマーの重合率を算出した。
高速液体クロマトグラフ(東ソー社製、型式HLC−8320GPC)を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた。カラムはTSKgel Super Multipore HZ−H(東ソー社製)を2本、移動相にテトラヒドロフラン溶液、検出器に示差屈折計を使用した。測定条件は、カラム温度を40℃、試料濃度を10mg/mL、試料注入量を10μm、流速を0.2mL/minとした。標準物質としてポリスチレン(分子量1,090,000、775,000、427,000、289,000、190,000、96,400、37,900、10,200、2,630、440)を使用して検量線(校正曲線)を作成し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。この測定値から分子量分布(PDI=Mw/Mn)を算出した。
質量がW1(約1.0g)の共重合体溶液または粘着剤組成物を、アルミカップ(質量W0)に量り取り、130℃、1時間減圧乾燥した。乾燥した共重合体等を含むアルミカップの質量(W2)を測定して、以下の式より固形分を算出した。
固形分(質量%)=〔(W2−W0) /W1〕×100
B型粘度計(商品名:TVB−15、東機産業社製)を用い、M3のローターを使用して、25℃下、ローター回転数60rpmで粘度を測定した。
粘着剤組成物を剥離フィルムに塗布し、100℃ で2分間乾燥した。その後、40℃にて3日間静置した後、剥離フィルム上に形成された粘着剤層を剥離した。
粘着剤層を約0.1gに切り分け、試験片(質量W1)を得た。この試験片を、ステンレス鋼金網(400メッシュ)(質量W0)に入れた。試験片を入れたステンレス鋼金網を、酢酸エチル中に60℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、室温にて24時間乾燥、さらに130℃の条件下で1時間減圧乾燥させた。その後、乾燥した試験片を含むステンレス鋼金網の質量W2を測定して、以下の式よりゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=〔(W2−W0) /W1〕×100
粘着フィルムを被着体(並ガラス板)に圧着装置(ローラの質量2kg)を用いて圧着させて、被着体に対して180°に引きはがした際の粘着力を測定した。引張試験器を使用し、試験温度は23℃、引きはがし速度は300mm/分とした。粘着フィルムの幅は24mm、長さは300mmとした。測定開始後、最初の25mmの長さの測定値は無視し、その後試験板から引きはがされた50mmの長さの粘着力測定値を平均した。
白色干渉計(菱化システム社製、商品名:VertScan(登録商標))を用いて、粘着フィルムの粘着剤層面から測定し、算術的平均高さを算出した。
粘着フィルムを並ガラス板に接着させた後、並ガラス板側から観察し、粘着剤層に歪みが見られるか目視によって判断した。歪みが弱いものを「○」、歪みが強いものを「×」と評価した。
(合成例1)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、MA(200.0g)、BA(115.0g)、PhEA(170.0g)、4−HBA(5.0g)、AA(10.0g)、AIBN(41.1mg)、AcOEt(377.2g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(374.9mg)を加え、60℃で24時間反応させ、重合した。重合率は89.7%であった。
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、MA(300.0g)、BA(185.0g)、4−HBA(5.0g)、AA(10.0g)、V−70(77.1mg)、AcOEt(377.2g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(374.9mg)を加え、33℃で20時間反応させ、重合した。重合率は90.8%であった。
(粘着剤組成物No.1)
合成例1で得た共重合体No.1を含有する溶液の固形分換算100質量部に対して、架橋剤を0.084質量部、架橋促進剤を0.025質量部、溶媒としてAcOEtを加え、撹拌して粘着剤組成物No.1を得た。
配合を表4に記載するように変更した以外は、粘着剤組成物No.1と同様にして、粘着剤組成物No.2〜4を作製した。
架橋促進剤:ネオスタン(登録商標)U810(日東化成社製、ジオクチル錫)
タッキファイヤー:YSポリスターK125(ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂)
溶媒:AcoEt
(粘着フィルムNo.1)
粘着剤組成物No.1を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ50μm)上に、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布した。粘着剤組成物を塗布したPETフィルムを100℃で2分間乾燥させ、粘着剤層を有する粘着フィルムNo.1を作製した。得られた粘着剤層に剥離フィルム(厚み100μm、東山フイルム社製、「HY−S10」)を貼付し、40℃にて3日間静置して養生した。
粘着剤組成物No.1を、粘着剤組成物No.2〜4に変更したこと以外は、粘着フィルムNo.1と同様にして、粘着フィルムNo.2〜4を作製した。
Claims (9)
- (メタ)アクリル系共重合体(A)および架橋剤(B)を含有する粘着剤組成物であり、
前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、環状基を有する構造単位(a−1)と、酸性基およびヒドロキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する構造単位(a−2)とを含み、かつ、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量が20万〜200万、分子量分布(PDI)が3.0未満であることを特徴とする粘着剤組成物。 - 前記構造単位(a−1)の環状基が、芳香族基である請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 前記構造単位(a−2)の酸性基が、カルボキシ基である請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
- 前記構造単位(a−1)の含有率が、(メタ)アクリル系共重合体(A)全体100質量%中において、5質量%〜80質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 前記構造単位(a−2)の含有率が、(メタ)アクリル系共重合体(A)全体100質量%中において、0.3質量%〜20質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、モノマー組成物をリビングラジカル重合することで得られたものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 前記架橋剤(B)が、イソシアネート系架橋剤である請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 基材フィルムと、請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着剤組成物から形成された粘着剤層とを有することを特徴とする粘着フィルム。
- 前記粘着剤層のゲル分率が80質量%未満である請求項8に記載の粘着フィルム。
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