JP2020062176A - ステントデリバリーシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】遠位端の挿入作業を容易に行うことができるステントデリバリーシステムを提供する。【解決手段】内部にガイドワイヤを挿通させるガイドワイヤルーメン(62a)が形成されており、第1の外径を有する第1の部分(60a)と、第1の部分の遠位端に接続しており第1の外径より小さい第2の外径を有する第2の部分(60b)と、を有するインナーシャフト(60)と、インナーシャフトが挿通されており、第2の部分を覆う第1の状態から、第2の部分を遠位端から露出させる第2の状態へ、インナーシャフトに対して軸方向に相対移動可能なアウターシース(50)と、第2の部分とアウターシースとの間に収容されるステント(20)と、を有しており、第2の部分には、ガイドワイヤルーメンの途中で、ガイドワイヤをガイドワイヤルーメンの外に出すことができる側孔(62c)が形成されていることを特徴とするステントデリバリーシステム。【選択図】図2
Description
本発明は、体内に留置するステントを留置位置まで搬送するためのステントデリバリーシステムに関する。
狭窄化した消化器管、血管、その他の管腔の開存を確保するために、狭窄部位にステントを留置する医療方法が知られている。ステントは、狭窄部位で拡張されることによって管腔が確保されるように留置されるデバイスである。ステントとしては、バルーン拡張型、自己拡張型などがあるが、自己拡張型のステントを管腔に留置するための装置(ステントデリバリーシステム)としては、例えば、特許文献1に記載のステントデリバリーカテーテルが知られている。
特許文献1に記載のステントデリバリーカテーテルは、インナーシャフトと、インナーシャフトがスライド可能に挿通されたアウターシースとを有するカテーテル部を備え、インナーシャフトの遠位端近傍に設けられたステント配置部にステントを配置して、アウターシースの遠位端近傍の内側で該ステントを径方向に収縮させた状態で保持し、該カテーテル部の近位端側において、インナーシャフトに対してアウターシースを引き抜くようにスライドさせることにより、ステントを径方向に拡張させるようにしている。カテーテル部の遠位端を目的とする狭窄部に導く際には、インナーシャフト内に挿通され、先行して管腔内に挿入されたガイドワイヤに沿って、該カテーテル部を進行させる(押し込む)操作が行われる。
ところで、例えば、肝臓内の胆管(肝内胆管)にステントを留置させる場合、肝内胆管は急角度に屈曲していることが多いため、デリバリーシステムはガイドワイヤに追従しながら、屈曲部に円滑に挿入できる必要がある。特に肝内胆管の分岐部において、一方の分岐管路に沿ってステントを留置した後、さらに他方の分岐管路に沿ってステントを配置する場合等には、先に留置したステントの側壁の隙間部分から当該他方の分岐管路に向かってカテーテル部の遠位端を円滑に挿入する必要がある。また、分岐部におけるガイドワイヤの挿入性を改善するデリバリーシステムとして、特許文献2に示されるように、遠位端近傍が湾曲形状にくせ付けされたデリバリー装置も提案されている。
しかしながら、遠位端近傍が直線状に形成されている従来のステントデリバリーシステムでは、肝内胆管の分岐部において一方の分岐管路に沿ってステントを留置した後、さらに他方の分岐管路に沿ってステントを配置する場合には、ガイドワイヤの出口である遠位端を他方の分岐管路側に向けることが難しく、遠位端の挿入作業が難しい場合が多かった。また、遠位端近傍が湾曲形状にくせ付けされたデリバリーシステムでは、通常の挿入作業における挿入性に課題がある。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、遠位端の挿入作業を容易に行うことができるステントデリバリーシステムを提供する。
上記目的を達成するために、本発明に係るステントデリバリーシステムは、
内部にガイドワイヤを挿通させるガイドワイヤルーメンが形成されており、第1の外径を有する第1の部分と、前記第1の部分の遠位端に接続しており前記第1の外径より小さい第2の外径を有する第2の部分と、を有するインナーシャフトと、
前記インナーシャフトが挿通されており、前記第2の部分を覆う第1の状態から、前記第2の部分を遠位端から露出させる第2の状態へ、前記インナーシャフトに対して軸方向に相対移動可能なアウターシースと、
前記第2の部分と前記アウターシースとの間に収容されるステントと、を有しており、
前記第2の部分には、前記ガイドワイヤルーメンの途中で、前記ガイドワイヤを前記ガイドワイヤルーメンの外に出すことができる側孔が形成されていることを特徴とする。
内部にガイドワイヤを挿通させるガイドワイヤルーメンが形成されており、第1の外径を有する第1の部分と、前記第1の部分の遠位端に接続しており前記第1の外径より小さい第2の外径を有する第2の部分と、を有するインナーシャフトと、
前記インナーシャフトが挿通されており、前記第2の部分を覆う第1の状態から、前記第2の部分を遠位端から露出させる第2の状態へ、前記インナーシャフトに対して軸方向に相対移動可能なアウターシースと、
前記第2の部分と前記アウターシースとの間に収容されるステントと、を有しており、
前記第2の部分には、前記ガイドワイヤルーメンの途中で、前記ガイドワイヤを前記ガイドワイヤルーメンの外に出すことができる側孔が形成されていることを特徴とする。
本発明に係るステントデリバリーシステムは、インナーシャフトの第2の部分に、ガイドワイヤルーメンからガイドワイヤを外に出すことができる側孔が形成されているため、この側孔からガイドガイドワイヤの遠位端を露出させることにより、ステントデリバリーシステムの遠位端の挿入作業を容易に行うことができる。すなわち、最初にガイドワイヤルーメンの遠位端からガイドワイヤを露出させて遠位端を挿入し、管腔の分岐部において一方の分岐管路に沿ってステントを留置したのち、今度はガイドワイヤルーメンの遠位端ではなく側孔からガイドワイヤを露出させることにより、ガイドワイヤを他方の分岐管路に容易に挿入することができる。また、ステント留置に伴い第2の部分および第2の部分に形成された側孔がアウターシースから露出するため、側孔からガイドワイヤを露出させる作業を素早く行うことができる。さらに、通常の挿入時において、側孔が形成される第2の部分は、ステント及びアウターシースによって覆われているため、側孔が形成された部分でのキンクなどの発生は、適切に防止される。
また、たとえば、本発明に係るステントデリバリーシステムは、前記側孔に隣接して配置されるX線造影マーカーをさらに有してもよい。
このようなX線造影マーカーを有することにより、側孔の位置をX線造影下で正確に調整することができるため、このようなステントデリバリーシステムは、遠位端の挿入作業を容易に行うことができる。
また、たとえば、前記X線造影マーカーは、前記第1の部分と前記第2の部分との境界位置に設けられる金属リングであってもよい。
このような金属リングは、ステントを放出する際、ステントが第2の部分から近位端側に引っ張られる動きを防止し、ステントを円滑に放出することができる。また、このような金属リングによるX線造影マーカーは、側孔の近位端側に隣接して配置されるため、側孔から露出するガイドワイヤの遠位端のX線造影下における視認性が良好である。
本発明のステントデリバリーシステムについて、図1〜図8に示す実施形態を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るステントデリバリーシステム10の外観図であり、図1(a)はステント20を収容した第1状態のステントデリバリーシステム10を表しており、図1(b)はステント20を放出する第2状態のステントデリバリーシステム10の遠位端部分を表している。なお、本実施形態では、内視鏡の処置具案内管を介して総胆管内に挿入する内視鏡方式のステントデリバリーシステム10を例に説明を行う。ただし、本発明はこれに限定されず、バルーン拡張型のステントを管腔内に留置するために用いるステントデリバリーシステムに適用することができる。また、胆管を対象とするものでなく、血管やその他の管腔を対象とするものであっても適用することができる。さらに、内視鏡の処置具案内管を介して挿入する内視鏡方式のもののみならず、直接針を刺してアプローチする経皮方式のものにも適用することができる。なお、ステントデリバリーシステム10の説明においては、操作部30が配置される近位端から先端チップ80が配置される遠位端まで、ステントデリバリーシステム10が延在する方向を軸方向として、説明を行う。
図1に示すように、ステントデリバリーシステム10は、ステント20、操作部30、最外管40、アウターシース50、インナーシャフト60および先端チップ80等を有する。ステントデリバリーシステム10の全長は、ステント20の留置位置や搬送経路等によって異なるが、たとえば300〜2500mm程度である。
図1(a)に示すように、ステント20は、ステントデリバリーシステム10の遠位端近傍に収容されている。ステントデリバリーシステム10の操作者は、図1(a)に示す第1状態でステント20を体内の留置位置まで搬送した後、ステントデリバリーシステム10を図1(b)に示す第2状態とすることにより、ステント20を放出して留置位置に留置する。
インナーシャフト60は、ステントデリバリーシステム10の近位端に備えられる操作部30から、ステントデリバリーシステム10の遠位端に備えられる先端チップ80まで、軸方向に延びている。図1(a)に示す第1の状態において、インナーシャフト60は、アウターシース50および操作部30のハウジング31等の内部に収容されている。
図1(b)に示すように、インナーシャフト60は、第1の外径を有する第1の部分60aと、第1の部分60aの遠位端に接続しており、第1の部分60aの第1の外形より小さい第2の外径を有する第2の部分60bとを有する。アウターシース50が近位端側に移動した第2の状態では、遠位端にある第2の部分60bが露出する。
図3は、軸方向に垂直な断面によるステントデリバリーシステム10の断面図であり、後述する接触部66(図3参照)より近位端側の位置の断面を表している。図3に示すように、インナーシャフト60は、第1の外径を有する樹脂製の外管64と、第2の外径を有する樹脂製の内管62とを有しており、外管64のルーメンを内管62が挿通する2重管構造を有している。図1(b)および部分拡大図である図2に示すように、内管62の遠位端は、外管64の遠位端および接触部66から露出して、インナーシャフト60の第2の部分60bを構成している。第2の部分60bに形成される側孔62cについては、後ほど詳述する。
図2及び図3に示すように、インナーシャフト60に含まれる内管62の内部には、ステントデリバリーシステム10を体内でガイドワイヤを用いてガイドする際にガイドワイヤを挿通させるガイドワイヤルーメン62aが形成されている。図1(b)に示すように、インナーシャフト60の遠位端には、先端チップ80が設けられており、先端チップ80には、ガイドワイヤルーメン62aに連通する貫通孔が形成されている。このため、ガイドワイヤルーメン62aを通るガイドワイヤの遠位端は、ステントデリバリーシステム10の遠位端である先端チップ80から、ステントデリバリーシステム10の外部に露出する。先端チップ80は樹脂等で作製されており、体内管腔の管壁に接触した際に、これを傷つけることを防止できるように、丸みを帯びた外形を有している。
図1(b)および図2に示すように、インナーシャフト60には、第1の部分60aと第2の部分60bとの境界位置に配置されており、ステントデリバリーシステム10が収容するステント20に接触する接触部66が設けられている。図2に示すように、接触部66は、内管62を挿通させる金属リングで構成される。接触部66の外径は、本実施形態では外管64(第1の部分60a)の外径(第1の外径)と一致している。ただし、接触部66の外径は、外管64(第1の部分60a)の外径(第1の外径)に対して、完全に一致する必要はなく、外管64(第1の部分60a)の外径(第1の外径)よりも大きい外径を有していてもよい。
内管62および外管64は、可撓性を有しており、その材料としては、ある程度の剛性と摺動性を有する熱可塑性樹脂が好適に用いられる。本実施形態においては、内管62を高剛性の熱可塑性樹脂で形成して、外管64は摺動性に優れる熱可塑性樹脂で形成している。外管64の表面には、アウターシース50との摺動性の向上や、インナーシャフト60の剛性向上のために、コーティング等がなされていてもよい。外管64の外径は0.5〜3.0mm程度であるが、特に限定されない。インナーシャフト60の全長は、ステントデリバリーシステム10の全長とほぼ同じである。
図1(a)に示すように、第1の状態において、アウターシース50には、インナーシャフト60の第1の部分60aおよび第2の部分60bが挿通されている。断面図である図3に示すように、アウターシース50の内部には、外管64(第1の部分60a)の外径と略同一か、またはこれより僅かに大きい径のルーメンが形成されており、アウターシース50のルーメン内を、インナーシャフト60の内管62および外管64が挿通している。また、図2に示すように、外管64および接触部66が存在しないインナーシャフト60の第2の部分60bでは、内管62の外周面とアウターシース50の内壁との間に隙間が形成され、その隙間にステント20(図1参照)が収容される。
接触部66を構成する金属リングの材質は、外管64を構成する樹脂より硬質の金属または合金であれば特に限定されず、ステンレス鋼、金、白金、タングステン等とすることができ、また、金、白金、タングステン等のX線不透過材料とすることにより、接触部66がX線造影マーカーとなるため好ましい。接触部66は、円柱状の材料を準備した後、これを機械加工することによって貫通孔を形成したり、図2に示す形状の金属リングを鋳造したりすることにより作製できるが、接触部66の作製方法は特に限定されない。
アウターシース50は、図1(a)に示す第1の状態から、図1(b)に示す第2の状態へ、インナーシャフト60に対して軸方向へ相対移動可能である。アウターシース50の近位端は、操作部30におけるハウジング31の内部に収容されている。操作部30は、ハウジング31に取り付けられた操作レバー33の操作に連動して、アウターシース50をインナーシャフト60に対して、軸方向の一方である近位端側に相対移動させる。これにより、ステントデリバリーシステム10は、アウターシース50がインナーシャフト60の第2の部分60bを覆う第1の状態から(図1(a))、ステント20および第2の部分60bを露出させる第2の状態へ(図1(b))変化する。なお、操作部30の近傍には、アウターシース50の外周をさらに覆う最外管40が設けられている。操作者がアウターシース50を直接握ると、操作部30によるアウターシース50の移動が妨げられるおそれがあるが、最外管40がアウターシース50を覆うことにより、そのような問題を防止できる。
図3に示すように、アウターシース50は、可撓性を有しており高分子材料からなる樹脂層51と、この樹脂層51に埋設され、複数本の線材を螺旋状に巻回して編組してなる編組体52とを有している。編組体52は、アウターシース50のうち、インナーシャフト60の第2の部分60bを覆う遠位端部分を除く部分に設けられている。
樹脂層51を構成する材料としては、アウターシース50を透かしてその内部にあるステント20を目視できる透明な高分子材料が好ましい。たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリエステルポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等の各種樹脂材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の各種熱可塑性エラストマーを使用することができる。これらのうち2種以上を組み合わせて使用することもできる。
編組体52は、金属製の線材を複数本編組することにより構成され、全体として管状体をなす。この編組体52において、各々の線材は、螺旋状に巻回された形状を有している。編組体52を構成する線材の材料は、たとえば、金、銀、白金、銅、イリジウム、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、アルミニウム、錫、亜鉛などの金属単体、ステンレス鋼、ニクロム鋼、ニッケル−チタン合金、チタン系合金などの合金が挙げられる。なかでも、加工性、強度、耐食性の観点より、SUS304、SUS316等のステンレス鋼を用いることが好ましい。
図1(a)に示すように、ステント20は、インナーシャフト60の第2の部分60bとアウターシース50との間に収容される。ステント20は、径方向に向けて力が加えられて弾性変形することによって径方向に収縮し、その力が解除されると収縮状態から自己の弾性力によって径方向に拡張する自己拡張型のステントである。また、ステントデリバリーシステム10に収容されるステントは、ベアステントである。ただし、ステントデリバリーシステム10に収容されるステントはこれに限定されず、ステントの表面が樹脂膜で被覆されているカバードステントであってもよい。
図1(b)に示すように、ステント20は、ジグザグ円環状のストラットをブリッジで軸方向に連結してなるフレーム部を有し、フレーム部は、たとえばニッケルチタン合金やコバルトクロム合金などの超弾性合金あるいは形状記憶合金等で構成されるが、他の金属または樹脂で構成されてもよい。なお、ステント20は、両端部から突出するフックなどを有していてもよく、このような場合、ステント20の一部が、第2の部分60bからはみ出して、第1の部分60aとアウターシース50との間に収容されていてもよい。
ステント20の軸方向の長さは、用途によって適宜決定されるが、たとえば10〜200mmとすることができる。また、ステント20の拡張時の外径も、ステント20を留置する箇所などに応じて適宜決定されるが、たとえばφ2〜20mm程度とすることができる。なお、ステント20の収縮時(ステントデリバリーシステム10に収容されている時)の外径は、拡張時(ステントデリバリーシステム10から放出された時)の外径に対して、1/2〜1/10程度である。
図1(b)に示すステント20の製造方法は、特に限定されないが、たとえばチューブ状若しくはパイプ状の母材を、YAGレーザー等で加工することにより作製することができる。
図2は、ステントデリバリーシステム10において、ステント20が収容されるインナーシャフト60の第2の部分60bの周辺部分について、ステント20を非表示とし、アウターシース50(点線で表示)を透視して表したものである。図2に示すように、第2の部分60bには、ガイドワイヤルーメン62aの途中で、ガイドワイヤをガイドワイヤルーメン62aの外に出すことができる側孔62cが形成されている。側孔62cの大きさは、ガイドワイヤを通すことができる大きさであれば特に限定されないが、たとえば直径0.3〜3mmである。
図2に示すように、側孔62cは、インナーシャフト60において外管64から露出した内管62の管壁を、インナーシャフト60の径方向に貫通する貫通孔で構成される。このような側孔62cは、たとえば、内管62の一部を加工することにより形成されるが、側孔62cの形成方法は、特に限定されない。
側孔62cは、第2の部分60bの軸方向中心より近位端側に形成されており、とくに、本実施形態では、第1の部分60aと第2の部分60bとの境界位置に設けられる接触部66に隣接して形成されている。このような配置とすることにより、X線造影下において、側孔62cの位置を容易に認識することができ、また、ステント20を近位端側から押す接触部66(金属リング)が、側孔62cの位置を認識するためのX線造影マーカーを兼ねるため、側孔62cの位置を示すために別のX線造影マーカーを配置することにより、ステントデリバリーシステム10の柔軟性を低下させてしまう問題も防止できる。
以下、図4〜図8を用いて、ステントデリバリーシステム10の使用方法の一例を説明する。図4〜図8では、総胆管における胆管の分岐部近傍に、複数のステント20を配置する施術の一部が示されている。図4〜図8では、十二指腸側(図において下側)の胆管6aから分岐部を経て肝臓側の胆管6bおよび胆管6cに分岐する胆管の一部が示されており、この施術では、分岐部近傍において狭窄部を開存するため、胆管6aから胆管6bに向かう管路及び胆管6aから胆管6cに向かう管路に沿って、ステント20を留置する。
図4に示す使用方法の第1段階では、ガイドワイヤ94に沿ってステントデリバリーシステム10を胆管6内に挿入し、ステント20を胆管6の分岐部である留置位置に配置する。図4〜図8に示す使用例におけるステント20(1つ目)の留置位置は、胆管6aから分岐部を経て胆管6bに向かう管路である。
第1段階において、ガイドワイヤ94は、図2に示すガイドワイヤルーメン62aを内管62の遠位端まで通り、さらに先端チップ80に形成された貫通孔を通過して、ステントデリバリーシステム10の遠位端から外部に露出している。この状態では、ガイドワイヤ94に沿ってステントデリバリーシステム10押し込む(進行させる)ことにより、ステントデリバリーシステム10を円滑に体内に挿入することができる。また、ステント20が胆管6の分岐部に到達したことは、X線造影下において、X線造影マーカーである接触部66の位置を確認することにより、認識することができる。
次いで、第2段階では、図5に示すように、インナーシャフト60の位置を保持し、アウターシース50のみをインナーシャフト60に対して近位端側に相対移動させ、ステントデリバリーシステム10に収容されたステント20を放出する。これにより、ステント20は、胆管6aから胆管6bまで、分岐部を通過して留置される。また、アウターシース50の移動及びステント20の放出に伴い、第2の部分60b及び第2の部分60bに形成された側孔62cが、胆管6内に露出する。
次いて、第3段階では、図5に示すガイドワイヤ94をガイドワイヤルーメン62a(図2参照)の内部に引き込み、ガイドワイヤ94の遠位端を、図6に示す側孔62cより近位端側に位置させる(第3段階、図6参照)。次に、第4段階では、図7に示すように、ステントデリバリーシステム10全体を若干押し進め(軸方向遠位端側に移動させ)、露出した側孔62cを分岐部の中央付近に位置させる。側孔62cの位置は、X線造影下において、X線造影マーカーである接触部66の位置を確認することにより、認識することができる。
次いで、第5段階では、図8に示すように、ガイドワイヤ94の遠位端を側孔62cから露出させていくことによりステント20のフレームを通過させ、さらにガイドワイヤ94の遠位端を胆管6cの奥へ挿入することができる。第5段階において、ガイドワイヤ94の遠位端は、側孔62cを介してガイドワイヤルーメン62aから露出しているため、ガイドワイヤルーメン62a及びステントデリバリーシステム10の遠位端が位置する胆管6b側とは異なる胆管6c側へ、容易に進むことができる。なお、第3段階で説明したガイドワイヤ94の引き込みは、第2段階の前に行ってもよく、第4段階の後に行ってもよい。
第5段階の後は、胆管6cに挿入されたガイドワイヤ94を残して、ステント20を放出したステントデリバリーシステム10を抜去した後、ガイドワイヤ94に沿って新たなステントデリバリーシステム10を挿入し、2つめのステント20を留置する。2つ目のステント20は、胆管6aから分岐部を経て分岐部から胆管6cに向かう管路に沿って位置するように、留置される。
以上、本発明に係るステントデリバリーシステムを、実施形態を示して説明したが、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、他の多くの実施形態や変形例を含むことは言うまでもない。たとえば、側孔62cの形成位置は、図2に示すような第2の部分60bの近位端側に限定されず、第2の部分60bの軸方向中央位置や、第2の部分60bの遠位端側の位置であってもよい。また、側孔62cを接触部66から離間する位置に形成する場合は、接触部66とは異なる他のX線造影マーカーを、側孔62cに隣接するように配置することができる。また、側孔62cを、図2に示す接触部66の内側に形成してもよく、この場合、接触部66には、側孔62cに連通しておりガイドワイヤを挿通させることができる接触部側孔が形成されていてもよい。
10…ステントデリバリーシステム
20…ステント
30…操作部
31…ハウジング
33…操作レバー
40…最外管
50…アウターシース
52…編組体
60…インナーシャフト
60a…第1の部分
60b…第2の部分
62…内管
62a…ガイドワイヤルーメン
62c…側孔
64…外管
66…接触部
80…先端チップ
94…ガイドワイヤ
20…ステント
30…操作部
31…ハウジング
33…操作レバー
40…最外管
50…アウターシース
52…編組体
60…インナーシャフト
60a…第1の部分
60b…第2の部分
62…内管
62a…ガイドワイヤルーメン
62c…側孔
64…外管
66…接触部
80…先端チップ
94…ガイドワイヤ
Claims (3)
- 内部にガイドワイヤを挿通させるガイドワイヤルーメンが形成されており、第1の外径を有する第1の部分と、前記第1の部分の遠位端に接続しており前記第1の外径より小さい第2の外径を有する第2の部分と、を有するインナーシャフトと、
前記インナーシャフトが挿通されており、前記第2の部分を覆う第1の状態から、前記第2の部分を遠位端から露出させる第2の状態へ、前記インナーシャフトに対して軸方向に相対移動可能なアウターシースと、
前記第2の部分と前記アウターシースとの間に収容されるステントと、を有しており、
前記第2の部分には、前記ガイドワイヤルーメンの途中で、前記ガイドワイヤを前記ガイドワイヤルーメンの外に出すことができる側孔が形成されていることを特徴とするステントデリバリーシステム。 - 前記側孔に隣接して配置されるX線造影マーカーをさらに有する請求項1に記載のステントデリバリーシステム。
- 前記X線造影マーカーは、前記第1の部分と前記第2の部分との境界位置に設けられる金属リングであることを特徴とするステントデリバリーシステム。
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