JP2020061959A - 乾燥畜肉の製造方法 - Google Patents

乾燥畜肉の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020061959A
JP2020061959A JP2018194964A JP2018194964A JP2020061959A JP 2020061959 A JP2020061959 A JP 2020061959A JP 2018194964 A JP2018194964 A JP 2018194964A JP 2018194964 A JP2018194964 A JP 2018194964A JP 2020061959 A JP2020061959 A JP 2020061959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meat
hot water
treatment
drying
sodium bicarbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018194964A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7241500B2 (ja
Inventor
奈穂 中村
Naho Nakamura
奈穂 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pokka Sapporo Food and Beverage Ltd
Original Assignee
Pokka Sapporo Food and Beverage Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=70386369&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2020061959(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Pokka Sapporo Food and Beverage Ltd filed Critical Pokka Sapporo Food and Beverage Ltd
Priority to JP2018194964A priority Critical patent/JP7241500B2/ja
Priority to PCT/JP2018/045149 priority patent/WO2020031401A1/ja
Publication of JP2020061959A publication Critical patent/JP2020061959A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7241500B2 publication Critical patent/JP7241500B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】湯戻り性、並びに湯戻り後の(物理的な)柔らかさ、及び食感が向上した乾燥畜肉を簡便に得ることができる、乾燥畜肉の製造方法を提供すること。【解決手段】浸漬処理を施した畜肉を乾燥させる工程を備え、浸漬処理が、減圧下で畜肉を重曹溶液に浸漬する処理である、乾燥畜肉の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、乾燥畜肉の製造方法に関する。
乾燥畜肉は、例えば、即席スープ、即席ラーメン及び茶漬け等の即席乾燥食品の具材として用いられている。乾燥畜肉の製造法として、例えば、原料肉を結着剤を用いて成型した後フリーズドライにするフリーズドライチャーシューの製造法(特許文献1)、肉原料を含む即席乾燥具材の湯戻り改善のためにシート状のものを挟み込む方法(特許文献2)、大豆タンパク質を畜肉原料に含有させた乾燥食品の製造法(特許文献3)が開示されている。
特開2003−235515号公報 特開2005−052141号公報 特開2004−041041号公報
本発明者らは、重曹溶液に浸漬する処理を施した畜肉を乾燥させることで、得られる乾燥畜肉の湯戻り性、並びに湯戻り後の(物理的な)柔らかさ、及び食感(柔らかさ、噛み応え、ジューシーさ)を向上させることができることを見出している。本発明者らはさらに、重曹溶液に浸漬する処理を減圧下で行うことにより、常圧下で行った場合よりも湯戻り後の(物理的な)柔らかさをより向上させることができると共に、浸漬処理の処理時間を短縮しても乾燥畜肉の湯戻り性、並びに湯戻り後の(物理的な)柔らかさ、及び食感を向上させる効果が充分に得られることを見出した。
本発明は、この新規な知見に基づくものであり、湯戻り性、並びに湯戻り後の(物理的な)柔らかさ、及び食感が向上した乾燥畜肉を簡便に得ることができる、乾燥畜肉の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、浸漬処理を施した畜肉を乾燥させる工程を備え、上記浸漬処理が、減圧下で畜肉を重曹溶液に浸漬する処理である、乾燥畜肉の製造方法を提供する。
本発明に係る製造方法は、乾燥前に畜肉を重曹溶液で浸漬処理することを含むため、得られる乾燥畜肉は、湯戻り性、並びに湯戻り後の(物理的な)柔らかさ、及び食感(柔らかさ、噛み応え、ジューシーさ)のいずれにも優れている。本発明に係る製造方法はさらに、当該浸漬処理を減圧下で行うことにより、常圧下で行った場合よりも湯戻り後の(物理的な)柔らかさをより向上させることができると共に、浸漬処理の処理時間を短縮しても湯戻り性、並びに湯戻り後の(物理的な)柔らかさ、及び食感を向上させる効果を充分に得ることができる。
上記乾燥させる工程は、上記浸漬処理を施した畜肉を凍結乾燥させる工程であることが好ましい。これにより、上述の効果がより顕著に奏される。
上記重曹溶液は、重曹濃度が0.1〜10重量%であってよい。重曹濃度がこの範囲にあると、上述の効果が充分に得られる。
本発明によれば、湯戻り性、並びに湯戻り後の(物理的な)柔らかさ、及び食感が向上した乾燥畜肉を簡便に得ることができる、乾燥畜肉の製造方法の提供が可能となる。
本発明に係る製造方法により製造される乾燥畜肉は、湯(例えば、90〜100℃の湯)のみならず、水(例えば、28℃の水)への1分間程度の浸漬で戻すこともできる。したがって、災害時など湯の使用が制限される環境下でも、戻した畜肉を食することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る乾燥畜肉の製造方法は、浸漬処理を施した畜肉を乾燥させる工程(以下、「乾燥工程」ともいう。)を備える。本実施形態に係る製造方法は、浸漬処理を畜肉に施す工程(以下、「浸漬処理工程」ともいう。)を更に備えるものであってもよい。
本明細書において、「畜肉」とは、食肉用となる家畜及び家禽の肉を意味する。畜肉の具体例としては、牛肉、豚肉、鶏肉、馬肉、羊肉、山羊肉及び合鴨肉が挙げられる。
乾燥畜肉は、畜肉を乾燥させたものであり、水分含有率は通常10重量%以下である。乾燥畜肉の水分含有率は、7.5重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。乾燥畜肉の水分含有率は、例えば、赤外光水分分析計を用いて測定することができる。
本実施形態に係る製造方法には、成形加工した畜肉、及び成形加工していない畜肉のいずれも用いることができる。ここで、成形加工とは、例えば、複数種の畜肉、及び/又は畜肉以外の原料を混合して固形化する加工、畜肉を特定の形状に成型又は積層する加工を意味する。
重曹溶液は、重曹(炭酸水素ナトリウム)を溶媒に溶解した溶液である。溶媒としては、重曹を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えば、水、低級アルコール(例えば、炭素原子数1〜3のアルコール)、及びこれらの混合溶液を挙げることができる。重曹溶液は、好ましくは重曹水溶液である。
重曹溶液に含まれる重曹の濃度は、重曹溶液全量を基準として、0.1〜10重量%であってよい。重曹濃度は、重曹溶液全量を基準として、0.5〜5重量%であることが好ましく、1〜4重量%であることがより好ましく、1〜3重量%であることが更に好ましい。
重曹溶液のpHは、例えば、7.0〜9.0であってよい。重曹溶液のpHがこの範囲にあると、本発明による効果がより顕著に奏される。
浸漬処理は、畜肉を重曹溶液に浸漬する処理であってよい。浸漬処理は、減圧下で畜肉を重曹溶液に浸漬する処理であるのが好ましい。浸漬処理を減圧下で行うことにより、常圧下で行った場合よりも湯戻り後の(物理的な)柔らかさをより向上させることができると共に、浸漬処理の処理時間を短縮しても湯戻り性、並びに湯戻り後の(物理的な)柔らかさ、及び食感を向上させる効果を充分に得ることができる。
浸漬する畜肉は、目的に応じて、適切な大きさにカットされていてもよい。例えば、厚さ1.5cm以上、又は厚さ2.0〜4.0cmに肉厚にカットされた畜肉を用いてもよいし、厚さ1.5cm未満、又は厚さ0.3〜1.0cmにカットされた畜肉を用いてもよい。ここで、「厚さ」とは、板状、ブロック状、又は方体状等の畜肉において最短となる面又は曲面の長さ又は幅を意味する。
畜肉の量に対する重曹溶液の使用量は、例えば、畜肉100重量部に対して、重曹溶液50〜300重量部であってよく、75〜200重量部であることが好ましく、100〜150重量部であることがより好ましい。これにより、本発明による効果がより顕著に奏される。
浸漬処理を減圧下で行う方法は、大気圧より低い圧力がかかった状態で浸漬処理を行うことができる方法であれば、特に制限されない。具体的には、例えば、密封及び開封自在の弁を備えた耐圧容器に畜肉及び重曹溶液を入れ、真空ポンプで容器内の圧力を低下させることで、減圧下で浸漬処理を行うことができる。減圧下での浸漬処理は、例えば、真空ニーダー、真空包装機等を使用して実施することができる。
減圧下で浸漬処理を行う際の圧力は、大気圧より低い圧力であればよく、例えば、ゲージ圧で−0.01MPa以下であってよく、−0.03MPa以下であるのが好ましく、−0.05MPa以下であるのがより好ましく、−0.06MPa以下であるのが更に好ましく、−0.07MPa以下であるのが更により好ましく、−0.08MPa以下であるのが更によりまた好ましい。圧力の下限は、特に制限されないが、例えば、−0.10MPaであってよい。なお、ゲージ圧は、大気圧を0MPa、絶対真空を−0.101MPaとしたときの圧力である。
浸漬処理は、1時間以上行うことが好ましく、3時間以上行うことが好ましく、5時間以上行うことが好ましく、10時間以上行うことがより好ましく、15時間以上行うことが更に好ましく、20時間以上行うことが更により好ましい。浸漬時間が長くなる程、得られる乾燥畜肉の湯戻り性、並びに湯戻り後の(物理的な)柔らかさ、及び食感がより優れたものとなる。また、減圧下で浸漬処理を行う場合は、常圧下と比べて、同等の湯戻り性、並びに湯戻り後の(物理的な)柔らかさ、及び食感を達成するまでの処理時間(浸漬時間)を短縮することができる。
浸漬処理の際の重曹溶液の温度は、特に制限はなく、室温域(例えば、18〜28℃)であってもよく、冷蔵域(例えば、4〜10℃程度)であってもよい。浸漬処理の際の重曹溶液の温度は、好ましくは、冷蔵域(例えば、4〜10℃程度)である。
浸漬処理に用いる重曹溶液には、調味等及び/又は畜肉の軟化処理を目的として、重曹以外の成分(例えば、糖類、タンパク質、ビタミン及びミネラル等の栄養素、醤油及び食塩等の調味組成物、スパイス、アミノ酸、核酸、増粘剤、着色料、酸化防止剤及びアルコール等、並びにプロテアーゼ等)を更に添加してもよい。これにより、浸漬処理と調味及び/又は畜肉の軟化処理を同時に行うことができる。また、重曹溶液は、重曹のみを含有するものとし、重曹以外の成分は必要に応じて他の工程で用いてもよい。例えば、調味については、浸漬処理後、後の加熱処理後、又は乾燥処理後等において、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分等を含む調味液の塗布、又は粉末調味料の散布等を行うことができる。
乾燥工程は、上述のように浸漬処理した畜肉を乾燥させる工程である。乾燥処理は、例えば、熱風乾燥、加熱乾燥、凍結乾燥、超臨界乾燥等の常法に従って実施することができる。
乾燥処理は、凍結乾燥(フリーズドライ)により実施することが好ましい。凍結乾燥は、例えば、浸漬処理した畜肉を凍結するステップ(凍結ステップ)、凍結した畜肉から減圧下で水分(氷)を除去するステップ(除去ステップ)を含む方法により実施することができる。
凍結ステップは、例えば、浸漬処理した畜肉を空冷した後、−20℃〜−60℃程度で1〜3時間凍結処理を行うものであってよい。
除去ステップは、例えば、凍結した畜肉を凍結乾燥機を使用して、水分含有率10重量%以下、好ましくは7.5重量%以下、より好ましくは5重量%以下とするものであってよい。凍結乾燥機は公知のものを使用することができる。凍結乾燥機による凍結乾燥条件は、畜肉の水分含量を上記範囲にすることができれば特に限定されず、例えば、真空度0.8torr(mmHg)以下、好ましくは0.08torr(mmHg)以下、より好ましくは0.04torr(mmHg)以下の真空条件で、真空度に応じた温度設定で10〜36時間程度処理する条件などが例示される。
浸漬処理した畜肉は、そのまま乾燥処理を行ってもよいが、乾燥処理前に加熱処理を行ってもよい。加熱処理としては、例えば、蒸煮処理(スチーム処理)、ボイル処理、及び油調処理(フライ処理)を挙げることができる。加熱処理は、これらの処理を組み合わせて行うものであってもよい。
蒸煮処理は、これに限定されるものではないが、例えば、温度100〜130℃、圧力0.01〜0.5MPa程度の水蒸気を、30秒〜10分間程度、浸漬処理した畜肉に接触させることで行うことができる。蒸煮処理は、密閉された条件で行ってもよい。
油調処理は、これに限定されるものではないが、例えば、160〜190℃(常圧)で60〜300秒程度、浸漬処理した畜肉を処理することで行うことができる。油調処理は、減圧可能な密閉式の油揚げ装置等を用いて減圧条件で実施してもよい。減圧条件下で実施する場合の条件は、常圧で油調処理した場合と同程度の状態になるように適宜、真空度、温度、フライ時間等を調整して設定すればよい。油調処理に使用する油は、特に限定されず、例えば、動植物由来の各種食用油(大豆油、菜種油、米油、コーン油、パーム油、ベニバナ油、ヒマワリ油、ラード及びヘット等、並びにこれらから選ばれる種以上の混合油)が広く使用できる。さらには、油調処理前にパン粉などのフライ衣原料を畜肉に付けてもよい。
以下、実施例等に基づいて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
[乾燥畜肉の製造]
〔1.鶏胸肉及び浸漬液の準備〕
鶏胸肉は、2.5cm角のダイスカットにした。浸漬液(水又は重曹溶液)は、表1に記載の配合割合で調整した。
Figure 2020061959
〔2.浸漬処理〕
(2−1.常圧下での浸漬処理)
表2に示す試験区分1〜5は、常圧(大気圧)下で浸漬処理を行った。準備した鶏胸肉1kgと、表2に示す各浸漬液(水又は重曹溶液)1kgをそれぞれビニール製の袋に入れ、浸漬液がこぼれないように口を閉じた。浸漬液に鶏胸肉が充分接触するように鶏胸肉と浸漬液を混合した後、冷蔵庫(4℃)にて表2に示す各浸漬時間(4時間、8時間又は15時間)の間保管した。なお、試験区分1(無浸漬)では、浸漬液を添加しなかったこと以外は、上記の手順で処理を行った。
(2−2.減圧下での浸漬処理)
表2に示す試験区分6〜9は、減圧下で浸漬処理を行った。準備した鶏胸肉1kgと、表2に示す各浸漬液(水又は重曹溶液)1kgをそれぞれ真空ポリカデシケータ内に入れた後、真空ポンプを使用して、デシケータ内を減圧した。真空圧力(ゲージ圧)が−0.09MPaになったところで真空ポンプを止めて密栓し、デシケータごと冷蔵庫(4℃)に入れ、表2に示す各浸漬時間(1時間、4時間、8時間又は15時間)の間保管した。なお、ゲージ圧は、大気圧を0MPa、絶対真空を−0.101MPaとしたときの圧力である。
〔3.乾燥処理〕
浸漬処理を行った後、各鶏胸肉を取り出し、スチーム(蒸気)で8分間加熱した後、凍結し、凍結乾燥機(共和真空技術株式会社製品:型式RLE II−103)を用い、真空度0.04torr(mmHg)以下、温度70℃、乾燥時間26時間の条件で乾燥させて、各乾燥鶏胸肉を得た。
[湯戻り性、又は水戻り性の評価]
上記で得られた各試験区分の乾燥鶏胸肉に対して、湯戻り性を評価した。また、試験区分1,2,5及び8の乾燥鶏胸肉に対しては、水戻り性も併せて評価した。
〔戻し率の測定〕
100mLのビーカーに乾燥鶏胸肉1個を入れ、重量を測定した(湯戻し前の重さ:g)。次いで、90℃の湯を約80mL注ぎ、1分間静置した。その後、茶こしで湯を切って鶏胸肉を取り出し、直ちに重量を測定した(湯戻し後の重さ:g)。戻し率は、下記式に従って算出した。これを6回繰り返して、戻し率の平均値を算出した(平均戻し率)。結果は、表2に示した。
戻し率=(湯戻し後の重さ:g)/(湯戻し前の重さ:g)
水戻り性の評価では、90℃の湯に代えて28℃の蒸留水を用いたこと以外は同じ手順で平均戻し率を算出した。結果は、表2に示した。
〔官能評価〕
200mLのビーカーに乾燥鶏胸肉7gを量り入れ、100℃の湯を150mL注ぎ、1分間静置した。直ちに肉片を取り出し、官能評価に供した。官能評価は、訓練されたパネル5名により、湯の浸透の程度を以下の評価基準で総合的に評価した。結果は、表2に示した。
×:肉の表層に湯が浸透していない(湯戻しができていない)
△:肉の表層にのみ湯が浸透している(湯戻しができていない)
○:肉の中心部まで湯が浸透している(湯戻しできている)
水戻り性の評価では、100℃の湯に代えて28℃の軟水化処理水を用いたこと以外は同じ手順で水の浸透の程度を評価した。結果は、表2に示した。
〔テクスチャー測定〕
100mLのビーカーに乾燥鶏胸肉1個を入れ、90℃の湯を約80mL注ぎ、1分間静置した。その後、茶こしで湯を切って鶏胸肉を取り出し、測定サンプルとした。食品物性試験機(クリープメータ,株式会社山電製)を使用し、鶏胸肉の筋繊維に垂直になるように治具を当て、各試験区分の鶏胸肉の破断荷重(単位:N)及び破断エネルギー(単位:J/m)を測定した。測定条件は以下のとおりである。
ロードセル:200N
治具:L50+くさび型49
測定歪率:99%
測定速度:1mm/秒
各試験区分について、それぞれ独立に5〜8回測定を行い、各試験区分の鶏胸肉の破断荷重(単位:N)及び破断エネルギー(単位:J/m)の平均値を算出した。結果は、表2に示した。
水戻り性の評価では、90℃の湯に代えて28℃の蒸留水を用いたこと以外は同じ手順で各試験区分の鶏胸肉の破断荷重(単位:N)及び破断エネルギー(単位:J/m)の平均値を算出した。結果は、表2に示した。
[湯戻り後、又は水戻り後の食感評価]
200mLのビーカーに乾燥鶏胸肉7gを量り入れ、100℃の湯を150mL注ぎ、1分間静置した。直ちに肉片を取り出し、官能評価に供した。官能評価では、訓練されたパネル5名により、「肉の柔らかさ」、「肉の噛み応え(弾力、筋感)」及び「ジューシーさ(水分感)」の項目について、以下の評価尺度で評価を行い、平均値を算出した。結果は、表2に示した。
肉の柔らかさ
1:非常に硬く噛み切れない
2:硬く噛み切れない
3:どちらでもない
4:柔らかい
5:非常に柔らかい
肉の噛み応え(弾力、筋感)
1:噛み応えが強い(噛み切れないくらい硬い)
2:噛み応えがある(硬い)
3:適度な噛み応え(畜肉本来の噛み応え(筋感))
4:噛み応えが弱い(少し柔らかい)
5:噛み応えがない(柔らかい)
ジューシーさ(水分感)
1:パサパサしている
2:少しパサついている
3:どちらでもない
4:ジューシーである
5:非常にジューシーである
水戻り性の評価では、100℃の湯に代えて28℃の軟水化処理水を用いたこと以外は同じ手順で官能評価を実施した。結果は、表2に示した。
Figure 2020061959
重曹溶液を使用した浸漬処理を施した試験区分3〜9の乾燥畜肉(乾燥鶏胸肉)は、湯戻し時に乾燥畜肉の内部にまで湯が浸透し、湯戻りしていた(表2の湯戻り性(官能評価)参照)。また、浸漬時間に比例して、湯戻り後の畜肉(鶏胸肉)が柔らかくなり(表2の破断荷重、破断エネルギー)、また食感(官能)も向上していた(湯戻り後の畜肉が柔らかく、ジューシーになった)(表2の官能評価「柔らかさ」「噛み応え」「ジューシーさ」参照)。さらに、減圧下で重曹溶液を使用した浸漬処理を施した試験区分6〜9の乾燥畜肉(乾燥鶏胸肉)では、常圧下と比べて、湯戻り後の畜肉(鶏胸肉)がより柔らかくなった(表2の破断荷重、破断エネルギー)。また、減圧下で重曹溶液を使用した浸漬処理を施した乾燥畜肉(乾燥鶏胸肉)は、常圧下で同じ時間浸漬処理を施した乾燥畜肉(乾燥鶏胸肉)と比べて、畜肉本来の噛み応え(筋感)を感じられるものであった(表2の官能評価「噛み応え」の評点がより3に近い)。さらに、減圧下で重曹溶液を使用した浸漬処理を施した乾燥畜肉(乾燥鶏胸肉)は、浸漬時間が1時間の場合でも、湯戻し時に乾燥畜肉の内部にまで湯が浸透し、湯戻りしていた。(表2の試験区分6参照)。
水戻り性については、重曹溶液を使用した浸漬処理を施した試験区分5及び8の乾燥畜肉(乾燥鶏胸肉)では、水戻し時に乾燥畜肉の内部にまで水が浸透し水戻りしていた。また、重曹溶液を使用した浸漬処理を常圧下で行った場合は浸漬時間15時間(試験区分5)、減圧下で行った場合は浸漬時間8時間(試験区分8)で水戻しができた。戻し時間1分で、湯戻りのみならず水戻りが可能であれば、災害時など湯の使用が制限される環境下でも、戻した畜肉を食することができる。

Claims (3)

  1. 浸漬処理を施した畜肉を乾燥させる工程を備え、
    前記浸漬処理が、減圧下で畜肉を重曹溶液に浸漬する処理である、乾燥畜肉の製造方法。
  2. 前記乾燥させる工程は、前記浸漬処理を施した畜肉を凍結乾燥させる工程である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記重曹溶液は、重曹濃度が0.1〜10重量%である、請求項1又は2に記載の製造方法。
JP2018194964A 2018-08-07 2018-10-16 乾燥畜肉の製造方法 Active JP7241500B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018194964A JP7241500B2 (ja) 2018-10-16 2018-10-16 乾燥畜肉の製造方法
PCT/JP2018/045149 WO2020031401A1 (ja) 2018-08-07 2018-12-07 乾燥畜肉の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018194964A JP7241500B2 (ja) 2018-10-16 2018-10-16 乾燥畜肉の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020061959A true JP2020061959A (ja) 2020-04-23
JP7241500B2 JP7241500B2 (ja) 2023-03-17

Family

ID=70386369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018194964A Active JP7241500B2 (ja) 2018-08-07 2018-10-16 乾燥畜肉の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7241500B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0213345A (ja) * 1988-05-03 1990-01-17 Soc Prod Nestle Sa 脱水肉製品の製造方法
US20020048623A1 (en) * 2000-09-06 2002-04-25 Konrad Baarda Composite meat product and method for the manufacture thereof
JP2007054024A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Kick Off:Kk 乾燥畜肉および乾燥魚介類用改良剤及びこれを用いた乾燥畜肉および魚介類の製造方法
JP2014064542A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Niigata Industrial Creation Organization 食肉入りレトルト食品の製造方法
WO2014112623A1 (ja) * 2013-01-18 2014-07-24 マルハニチロ株式会社 凍結貯蔵性に優れた冷凍すりみの製造方法
JP2016524518A (ja) * 2013-04-03 2016-08-18 ルドルフ ヴィルト ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー 有機固形物に物質を取り込ませるための方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0213345A (ja) * 1988-05-03 1990-01-17 Soc Prod Nestle Sa 脱水肉製品の製造方法
US20020048623A1 (en) * 2000-09-06 2002-04-25 Konrad Baarda Composite meat product and method for the manufacture thereof
JP2007054024A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Kick Off:Kk 乾燥畜肉および乾燥魚介類用改良剤及びこれを用いた乾燥畜肉および魚介類の製造方法
JP2014064542A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Niigata Industrial Creation Organization 食肉入りレトルト食品の製造方法
WO2014112623A1 (ja) * 2013-01-18 2014-07-24 マルハニチロ株式会社 凍結貯蔵性に優れた冷凍すりみの製造方法
JP2016524518A (ja) * 2013-04-03 2016-08-18 ルドルフ ヴィルト ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー 有機固形物に物質を取り込ませるための方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7241500B2 (ja) 2023-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2001064052A1 (fr) Procede d'impregnation d'aliments, oeufs enrichis en vitamine c et oeufs de cane fermentes ainsi obtenus
US20060292269A1 (en) Meat quality-improving agent
US20110091632A1 (en) Meat Additive, Pickling Liquid and Processed Meat Product
RU2560071C1 (ru) Способ получения сухого пищевого продукта
CN110087487A (zh) 肉食加工用液体及肉食加工食品的制造方法
KR102111003B1 (ko) 비선호 원료육을 이용한 간편식 스테이크의 제조방법 및 이에 따라 제조된 간편식 스테이크
CN104905295B (zh) 即食干燥带佐料味肉及其制造方法
CN106714575B (zh) 干燥动物性食品及其制造方法
JP2005318871A (ja) 食肉加工食品用品質改良剤
KR101189661B1 (ko) 머리고기 스킨과 발효식초를 함유하는 저지방 고기순대 및 그의 제조방법
KR101941965B1 (ko) 훈제막창의 제조방법
KR101785365B1 (ko) 천연 염지액 제조 방법 및 이를 이용한 원육의 가공 방법
KR20120035649A (ko) 사슴육포와 그 제조방법
KR100625272B1 (ko) 스모크치킨의 제조방법
JP2023027311A (ja) 冷凍食品
KR101324505B1 (ko) 사슴육포와 그 제조방법
JP7241485B2 (ja) 乾燥畜肉の製造方法
JP7241500B2 (ja) 乾燥畜肉の製造方法
JP2984809B2 (ja) 牛肉乾燥加工食品の製造方法
KR20170043809A (ko) 닭고기 가공용 염지제, 이를 이용한 닭고기 가공품, 및 닭고기 가공품 제조 방법
KR102191324B1 (ko) 초음파 염지 및 shs 공법을 이용한 가금류 육포 제조
JP2007054024A (ja) 乾燥畜肉および乾燥魚介類用改良剤及びこれを用いた乾燥畜肉および魚介類の製造方法
JP6293532B2 (ja) 即席乾燥味付肉及びその製造方法
KR20180044734A (ko) 식감이 개선된 재구성 건조육 및 그의 제조방법
WO2020031401A1 (ja) 乾燥畜肉の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230307

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7241500

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150