以下、実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図14に基づいて本実施形態に係る電池パック100、および、それを含む電源システム200を説明する。
<電源システムの概要>
電源システム200は車両に搭載される。電源システム200は車両に搭載された複数の車載機器と電池パック100とによって構成されている。車載機器の1つとして蓄電池110がある。電池パック100は組電池10を有している。電源システム200はこれら蓄電池110と組電池10とによって2電源システムを構築している。
他の車載機器としてエンジン140がある。電源システム200を搭載する車両は、所定の停止条件が満たされるとエンジン140を停止し、所定の始動条件が満たされるとエンジン140を再始動するアイドルストップ機能を有する。
図1に示すように電源システム200は、上記した蓄電池110とエンジン140の他に、スタータモータ120、回転電機130、電気負荷150、上位ECU160、および、MGECU170を有する。蓄電池110、スタータモータ120、および、電気負荷150それぞれは、第1ワイヤハーネス210を介して電池パック100と電気的に接続されている。回転電機130は第2ワイヤハーネス220を介して電池パック100と電気的に接続されている。
上位ECU160とMGECU170は図示しない配線を介して蓄電池110と電池パック100の組電池10それぞれと電気的に接続されている。同様にして、車両に搭載された他の各種ECUも図示しない配線を介して蓄電池110と組電池10それぞれと電気的に接続されている。
以上に示したように電源システム200は、蓄電池110と組電池10の2つを電源とする2電源システムを構築している。
<電源システムの構成要素>
蓄電池110は化学反応によって起電圧を生成する。蓄電池110は組電池10よりも蓄電容量が多い。蓄電池110は具体的には鉛蓄電池である。なお蓄電池110としては例えばリチウムイオン蓄電池を採用することもできる。
スタータモータ120はエンジン140を始動する。スタータモータ120はエンジン140の始動時にエンジン140と機械的に連結される。スタータモータ120の回転によってエンジン140のクランクシャフトが回転される。クランクシャフトの回転数が所定回転数を超えると、燃料噴射弁から燃焼室に霧状の燃料が噴射される。この際に点火プラグで火花が生成される。これにより燃料が爆発し、エンジン140が自律回転し始める。このエンジン140の動力によって車両の推進力が得られる。エンジン140が自律回転し始めると、スタータモータ120とエンジン140との機械的な連結が解除される。
回転電機130は力行と発電を行う。回転電機130には図示しない電力変換器が接続されている。この電力変換器が第2ワイヤハーネス220に電気的に接続されている。
電力変換器は蓄電池110と組電池10のうちの少なくとも一方から供給された直流電圧を交流電圧に変換する。この交流電圧が回転電機130に供給される。これにより回転電機130は力行する。
回転電機130はエンジン140と連結されている。回転電機130とエンジン140とは、ベルトなどを介して相互に回転エネルギーを伝達可能になっている。回転電機130の力行によって生じた回転エネルギーがエンジン140に伝達される。これによりエンジン140の回転が促進される。この結果、車両走行がアシストされる。上記したように電源システム200を搭載する車両はアイドルストップ機能を有する。回転電機130は車両走行のアシストだけではなく、エンジン140の再始動時においてクランクシャフトを回転させる機能も果たす。
回転電機130はエンジン140の回転エネルギー、および、車両の車輪の回転エネルギーの少なくとも一方によって発電する機能も有する。回転電機130は発電によって交流電圧を生成する。この交流電圧が電力変換器によって直流電圧に変換される。この直流電圧が、電池パック100、蓄電池110、および、電気負荷150それぞれに供給される。
エンジン140は燃料を燃焼駆動することで車両の推進力を生成する。上記したようにエンジン140の始動時においては、スタータモータ120によってクランクシャフトが回転される。しかしながらアイドルストップによってエンジン140が一度停止した後に再び始動する際には、上記の所定の始動条件が満たされる場合、回転電機130によってクランクシャフトが回転される。
電気負荷150は第1負荷151と第2負荷152を有する。第1負荷151には、シートヒータ、送風ファン、電動コンプレッサ、ルームライト、および、ヘッドライトなどの供給電力が一定でなくともよい車載機器が含まれる。第2負荷152には、電動シフトポジション、電動パワーステアリング(EPS)、ブレーキ(ABS)、ドアロック、ナビゲーションシステム、および、オーディオなどの供給電力が一定であることが求められる車載機器が含まれる。ここに例示した第2負荷152は供給電圧がリセット閾値を下回るとオン状態からオフ状態へと切り換わる性質を有する。第2負荷152には第1負荷151よりも車両走行に関連性の高い車載機器が含まれる。
なお、上記した各種車載機器が第1負荷151と第2負荷152に含まれる構成は一例に過ぎない。車載システムの変更などに応じて、各種車載機器を第1負荷151と第2負荷152に適宜振り分けることができる。例えば第1負荷151にEPSやABSが含まれる構成を採用することができる。
上位ECU160とMGECU170は車両に搭載された各種ECUのうちの1つである。これら各種ECUはバス配線161を介して互いに電気的に接続され、車載ネットワークを構築している。各種ECUが協調制御することで、エンジン140の燃焼および回転電機130の力行や発電などが制御される。上位ECU160は電池パック100を制御する。MGECU170は回転電機130を制御する。
また図示しないが、電源システム200は、上記した各車載機器の他に、各種電圧や電流などの物理量、および、アクセルペダルの踏み込み量やスロットルバルブ開度などの車両情報を測定するためのセンサを有している。これら各種センサの検出した検出信号は、各種ECUに入力される。
なお、ECUはelectronic control unitの略である。ECUはコンピュータまたはマイクロコンピュータとも呼ばれる。ECUは、制御対象を制御するための制御システムを提供する。本明細書に記載の少なくとも1つの機能は、その機能を提供するように構成された少なくとも1つのECUによって提供される。
「機能を提供するように構成された少なくとも1つのECU」は、(1)記憶媒体に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するハードウェア、(2)ソフトウェアのみ、若しくは、(3)ハードウェアのみによって提供することができる。ECUは、例えば以下に示す形態で提供することができる。
ECUは、if−then−else形式と呼ばれるロジック、または、機械学習によってチューニングされた学習済みモデルによって提供することができる。この機械学習によってチューニングされた学習済みモデルとは、例えばニューラルネットワークである。
ECUは、少なくともプログラムを格納したメモリと、このプログラムを実行する少なくとも1つのプロセッサと、を備えるコンピュータによって提供することができる。この場合、プロセッサはCPUまたはGPUと呼ばれる。CPUはCentral Processing Unitの略である。GPUはGraphics Processing Unitの略である。
上記のメモリは記憶媒体とも呼ばれる。メモリはプロセッサによって読み取り可能な「プログラムおよびデータのうちの少なくとも一方」を非一時的に格納する非遷移的かつ実体的な記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリ、磁気ディスク、または、光学ディスクなどによって提供される。
プログラムは複数のコンピュータインストラクションを含む。プログラムがプロセッサによって実行されることで、プロセッサをこの明細書に記載される装置として機能させる。プログラムがプロセッサによって実行されることで、プロセッサをこの明細書に記載される方法を実行するように機能させる。プログラムは、それ単体で、または、プログラムが格納された記憶媒体として流通する場合がある。
ECUは、多数の論理ユニットを含むデジタル回路、または、アナログ回路を含むプロセッサを備えるコンピュータによって提供することができる。この場合、プロセッサは、PGA、FPGA、CPLCなどと呼ばれる。PGAはProgrammable Gate Arrayの略である。FPGAはField Programmable Gate Arrayの略である。CPLCはComplex Programmable Logic Deviceの略である。プロセッサは、「プログラムおよびデータのうちの少なくとも一方」を格納したメモリを備える場合がある。
<電池パックの概要>
図1に示すように電池パック100は、組電池10、回路基板20、スイッチ30、センサ部40、および、給電バスバー50を有する。図2に示すように電池パック100はバスバーケース70とパックケース90を有する。絶縁性の樹脂材料から成るバスバーケース70に給電バスバー50が収納される。これによりバスバーモジュール1が構成されている。
パックケース90は図2に示す筐体91とカバー92を有する。筐体91はアルミダイカストで製造される。また筐体91は鉄やステンレスをプレス加工することによっても製造することができる。筐体91は配線基板21よりも伝熱性能が高くなっている。そのために筐体91は配線基板21よりも放熱性が高くなっている。
筐体91は底壁93と底壁93から起立した側壁94を有する。側壁94によって開口が構成されている。筐体91にカバー92が組み付けられる。これにより側壁94で構成される開口がカバー92によって覆われる。筐体91とカバー92とによって収納空間が構成される。この収納空間に、組電池10、回路基板20、スイッチ30、センサ部40、および、バスバーモジュール1それぞれが収納されている。なおカバー92は樹脂製若しくは金属製である。
組電池10は蓄電池110よりも体格が小さく、重量も軽くなっている。組電池10は蓄電池110よりもエネルギー密度が高い性質を有する。
回路基板20は配線基板21とBMU22を有する。配線基板21にはスイッチ30の一部とBMU22が搭載されている。そして配線基板21にはスイッチ30の残りと組電池10とが給電バスバー50を介して電気的に接続されている。これにより電池パック100の電気回路が構成されている。この電気回路にセンサ部40が絶縁電線や金属端子などを介して電気的に接続されている。
電池パック100の電気回路は図1において二重丸で示す外部接続端子と電気的に接続されている。この外部接続端子としては、第1外部接続端子100a、第2外部接続端子100b、第3外部接続端子100c、および、第4外部接続端子100dがある。
第1外部接続端子100aと第4外部接続端子100dは第1ワイヤハーネス210を介して蓄電池110、スタータモータ120、および、電気負荷150それぞれと電気的に接続されている。第2外部接続端子100bは第2ワイヤハーネス220を介して回転電機130と電気的に接続されている。これに対して第3外部接続端子100cは車両のボディと機械的および電気的に接続されている。
図1に示すように第1ワイヤハーネス210は、蓄電池110、スタータモータ120、および、第1負荷151を接続するものと、第2負荷152を接続するものとに分けられている。蓄電池110、スタータモータ120、および、第1負荷151を接続する第1ワイヤハーネス210の端部が第1外部接続端子100aに接続される。第2負荷152を接続する第1ワイヤハーネス210の端部が第4外部接続端子100dに接続される。
このように第1ワイヤハーネス210は電池パック100の第1外部接続端子100aと第4外部接続端子100dに接続される。そのために第1ワイヤハーネス210は2つの端子を有する。これら2つの端子は金属端子に孔が形成されたものである。また第2ワイヤハーネス220は第2外部接続端子100bに接続される。そのために第2ワイヤハーネス220は孔の形成された金属端子を有する。これら第1ワイヤハーネス210と第2ワイヤハーネス220は車両内で這いまわされている。
第1外部接続端子100a、第4外部接続端子100d、および、第2外部接続端子100bそれぞれはバスバーケース70の一部を共有している。図2および図3に示すようにバスバーケース70は絶縁性の樹脂から成る端子台71と、端子台71に埋設された接続ボルト72と、接続ボルト72の軸部に締結されるナット73と、を有する。第1外部接続端子100a、第4外部接続端子100d、および、第2外部接続端子100bそれぞれは、端子台71における接続ボルト72を埋設する部位、接続ボルト72、および、ナット73をバスバーケース70と共有している。
接続ボルト72の頭部側が端子台71内に埋没されている。接続ボルト72の軸部が端子台71から突出している。この接続ボルト72の軸部に給電バスバー50の貫通孔が通される。そしてナット73が接続ボルト72の軸部に締結される。これにより端子台71に給電バスバー50が固定される。バスバーモジュール1が構成される。バスバーモジュール1は図示しないボルトによって筐体91に固定される。
次いで、接続ボルト72の軸部にワイヤハーネスの金属端子の孔が通される。そして図示しないナットが接続ボルト72の軸部の先端側に締結される。これによりワイヤハーネスの金属端子が接続ボルト72の軸部に機械的に接続される。それとともに金属端子が給電バスバー50と電気的に接続される。
第3外部接続端子100cは筐体91に形成されたボルト孔である。第3外部接続端子100cはボルト、若しくは、ワイヤハーネスを介して車両のボディと接続される。これにより筐体91はグランド電位になっている。電池パック100はボディアースされている。
<電池パックの構成要素>
次に、電池パック100の構成要素を個別に説明する。それにあたって、以下においては互いに直交の関係にある3方向を、x方向、y方向、および、z方向と示す。x方向は車両の左右方向に沿っている。y方向は車両の前後方向に沿っている。z方向は車両の天地方向に沿っている。
組電池10は複数の直列接続された電池セルと、これら電池セルを収納する電池ケース11と、を有する。これら電池セルは具体的にはリチウムイオン蓄電池である。リチウムイオン蓄電池は化学反応によって起電圧を生成する。起電圧の生成により電池セルに電流が流れる。これにより電池セルは発熱してガスを発生する。そのために電池セルは膨張する。なお電池セルとしては上記例に限定されない。例えば電池セルとしては、ニッケル水素二次電池、有機ラジカル電池などの二次電池を採用することができる。
電池セルは直方体形状を成している。電池セルはz方向に面する2つの主面を有する。これら2つの主面は他の4面よりも面積が広くなっている。そして2つの主面間の長さ(厚さ)が薄くなっている。このように電池セルはz方向の厚さの薄い扁平形状を成している。
本実施形態の組電池10は5つの電池セルを有する。これら5つの電池セルのうちの3つがz方向に積層配置されて第1電池スタックを構成している。そして残り2つの電池セルがz方向に積層配置されて第2電池スタックを構成している。これら2つの電池スタックはx方向に並んでいる。これら5つの電池セルの配置が電池ケース11によって保持されている。
電池ケース11は樹脂から成る箱体と、電池セルに接続される接続端子と、を有する。接続端子としては、5つの電池セルを直列接続する直列接続端子がある。直列接続端子と対応する2つの電池セルの電極端子とを接触させ、その接触状態で両者を溶接接合する。これにより5つの電池セルが直列接続される。
また接続端子としては、上記の直列接続端子の他に、5つの直列接続された電池セルのうちの最高電位に位置する電池セルの正極端子と接続される出力端子12と、最低電位に位置する電池セルの負極端子と接続される接地端子13と、がある。出力端子12は最高電位の電池セルの正極端子と溶接接合される。接地端子13は最低電位の電池セルの負極端子と溶接接合される。
これら最高電位の電池セルと最低電位の電池セルは第1電池スタックに含まれている。これら2つの電池セルは、第1電池スタックにおいてz方向に積層配置された3つの電池セルのうちの両端に位置するものである。最低電位の電池セルは最高電位の電池セルよりもz方向において底壁93側に位置している。
上記したように回路基板20は配線基板21とBMU22を有する。配線基板21は絶縁基板に導電材料からなる配線パターンの形成されたプリント基板である。絶縁基板の表面および内部の少なくとも一方に、配線パターンとして第1給電線23、第2給電線24、第3給電線25、および、第4給電線26が形成されている。
配線基板21はボルトなどを介して筐体91に固定される。配線基板21(回路基板20)の一部はz方向で第2電池スタックと並んでいる。回路基板20は最高電位の電池セルとx方向で並んでいる。
配線基板21には配線パターンと電気的に接続される端子が形成されている。この端子としては、第1内部端子28a、第2内部端子28b、第3内部端子28c、および、第4内部端子28dがある。これら配線パターンと内部端子それぞれの電気的な接続の説明は、後の電池パック100の回路構成の説明の際に行う。
スイッチ30は、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33、第4スイッチ34、第5スイッチ35、および、第6スイッチ36を有する。第1スイッチ31と第2スイッチ32は筐体91に搭載される。第3スイッチ33〜第6スイッチ36それぞれは配線基板21に搭載される。
第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれは半導体スイッチを有する。この半導体スイッチは具体的にはNチャネル型MOSFETである。したがって第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれはハイレベルの制御信号の入力によって閉状態になる。第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれはローレベルの制御信号の入力によって開状態になる。
この第1スイッチ31〜第4スイッチ34の有する半導体スイッチとしてはIGBTなどを採用することもできる。この場合、IGBTにはダイオードが並列接続される。
第5スイッチ35と第6スイッチ36はメカニカルリレーである。詳しく言えば第5スイッチ35と第6スイッチ36はノーマリクローズ式の電磁リレーである。したがって第5スイッチ35と第6スイッチ36はハイレベルの制御信号の入力によって開状態になる。第5スイッチ35と第6スイッチ36はローレベルの制御信号の入力によって閉状態になる。換言すれば、第5スイッチ35と第6スイッチ36はハイレベルの制御信号の入力が途絶えると閉状態になる。
第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれは、2つのMOSFETが直列接続されてなる開閉部を少なくとも1つ有する。これら2つのMOSFETはソース電極同士が連結されている。2つのMOSFETのゲート電極は電気的に独立している。MOSFETは寄生ダイオードを有する。2つのMOSFETの寄生ダイオードは互いにアノード電極同士が連結されている。上記のゲート電極は回路基板20と電気的に接続される。
第1スイッチ31〜第4スイッチ34はそれぞれ複数の開閉部を有する。複数の開閉部は並列接続されている。そして第3スイッチ33と第4スイッチ34では複数の開閉部の有する直列接続された2つのMOSFETのソース電極同士が互いに接続されている。
本実施形態では第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれは開閉部を2つ有する。これら開閉部の数や並列接続および直列接続などの接続形態は電流量や冗長性などに応じて適宜定められる。
第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれの開閉部は2つのMOSFETを被覆する樹脂部61を有する。この樹脂部61は直方体形状を成している。
上記したように電気回路にセンサ部40が電気的に接続されている。このセンサ部40は、組電池10とスイッチ30それぞれの状態を検出するセンサ素子を有する。センサ部40はセンサ素子として、温度センサ、電流センサ、および、電圧センサを有する。
センサ部40は組電池10の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれを組電池10の状態信号としてBMU22に出力する。またセンサ部40はスイッチ30の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれをスイッチ30の状態信号としてBMU22に出力する。
なおスイッチ30の温度を検出する温度センサは、直列接続された2つのMOSFETとともに上記の樹脂部61に被覆保護される検温ダイオードである。スイッチ30の電流を検出する電流センサは直列接続された2つのMOSFETの間に設けられたシャント抵抗である。
センサ部40は上記の各種センサの他に水没センサを有する。この水没センサは2つの対向電極を有する。2つの対向電極の間に水があると、2つの対向電極が通電する。それによって2つの対向電極間の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化が状態信号としてBMU22に入力される。BMU22は抵抗値の変化が所定時間継続されるか否かに基づいて、電池パック100の水没を検出する。
BMU22はセンサ部40の状態信号、および、上位ECU160からの指令信号の少なくとも一方に基づいてスイッチ30を制御する。BMUはbattery management unitの略である。
上記したように第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれは複数の半導体スイッチを有する。例えば第1スイッチ31の開閉を制御する場合、BMU22は第1スイッチ31の有する全ての半導体スイッチを同時に閉状態、若しくは、同時に開状態に制御する。例えばBMU22は、第1スイッチ31の有する全ての半導体スイッチの制御電極(ゲート電極)にハイレベルの制御信号、若しくは、ローレベルの制御信号を同時に出力する。
なおBMU22は、半導体スイッチを閉状態にする期間において、ハイレベルの制御信号を間断的に出力することで半導体スイッチの閉時間を調整してもよい。簡単に言えば、BMU22は半導体スイッチをパルス幅制御してもよい。
BMU22はセンサ部40の状態信号に基づいて組電池10の充電状態(SOC)やスイッチ30の異常を判定する。SOCはstate of chargeの略である。BMU22はこれらSOCや異常を判定した信号(判定情報)を上位ECU160に出力する。
上位ECU160はBMU22から入力された判定情報、および、他の各種ECUから入力された車両情報に基づいてスイッチ30の制御を決定する。そして上位ECU160はその決定したスイッチ30の制御を含む指令信号をBMU22に出力する。
BMU22は上位ECU160からの指令信号に基づいてスイッチ30を制御する。ただしBMU22は、水没センサの状態信号により電池パック100が水没したと判断した場合、スイッチ30への制御信号の出力の停止を独断で実行する。これにより組電池10の電気的な接続が遮断される。
またBMU22は、上記の検温ダイオードで検出された温度がスイッチ30の動作保障温度程度まで上昇したと判断すると、スイッチ30の駆動を制限する。同様にしてBMU22は、シャント抵抗で検出された電流がスイッチ30の動作保障電流程度まで上昇したと判断すると、スイッチ30の駆動を制限する。例えばスイッチ30の半導体スイッチをパルス幅制御していた場合、BMU22はそのオンデューティ比を低める。これにより半導体スイッチの通電時間が短くなる。この結果、半導体スイッチの発熱が抑制される。
給電バスバー50はアルミニウムや銅などの導電材料から成る。給電バスバー50は例えば以下に列挙する方法で製造することができる。給電バスバー50は1枚の平板を屈曲加工することで製造することができる。給電バスバー50は複数の平板が一体的に連結されることで製造することができる。給電バスバー50は複数の平板を溶接することで製造することができる。給電バスバー50は鋳型に溶融状態の導電材料を流し込むことで製造することができる。以上に列挙した製造方法とは異なる製造方法によっても給電バスバー50を製造することができる。ただし本実施形態の給電バスバー50は1枚の平板を屈曲加工することで製造されている。
電池パック100は給電バスバー50として、第1給電バスバー51、第2給電バスバー52、第3給電バスバー53、および、第4給電バスバー54を有する。これら複数の給電バスバーによって組電池10、回路基板20、第1スイッチ31、第2スイッチ32、および、外部接続端子それぞれが電気的に接続されている。図1ではこれら給電バスバーそれぞれを配線基板21の給電線よりも太くして図示している。
上記したように筐体91は底壁93と側壁94を有する。底壁93はz方向に面する底面93aを有する。側壁94は底面93aからz方向に起立している。
図2に示すように底壁93にはz方向においてカバー92側に局所的に突起した第1放熱部95と第2放熱部96が形成されている。第1放熱部95と第2放熱部96は底面93a上で直方体形状を成している。
第1放熱部95はz方向に面する放熱面を有する。この放熱面に第1スイッチ31が放熱シートを介して設けられる。第1スイッチ31と第1放熱部95との間で放熱シートが挟持される態様で、第1スイッチ31が第1放熱部95にボルト止めされる。
同様にして第2放熱部96はz方向に面する放熱面を有する。この放熱面に第2スイッチ32が放熱シートを介して設けられる。第2スイッチ32と第2放熱部96との間で放熱シートが挟持される態様で、第2スイッチ32が第2放熱部96にボルト止めされる。
本実施形態の電池パック100は車両の座席下方に設けられる。しかしながら電池パック100の配置としてはこれに限定されない。電池パック100は、例えば後部座席とトランクルームとの間の空間、および、運転席と助手席の間の空間などに配置することもできる。
<電池パックの回路構成>
次に、電池パック100の回路構成を説明する。なおこの回路には、図1に示すプリチャージ抵抗60も接続される。プリチャージ抵抗60は配線基板21に搭載されている。
以下に示す各給電バスバーと各スイッチとの接続はTIG溶接によって行われる。各給電バスバーと回路基板20との接続はろう接によって行われる。なお、各給電バスバーと各スイッチとはレーザ溶接によって接続してもよい。
図1に示すように第1外部接続端子100aと第1スイッチ31の一端とが第1給電バスバー51を介して電気的に接続されている。第1給電バスバー51から一部が分岐している。この第1給電バスバー51の分岐部位51aが配線基板21の第1内部端子28aと電気的に接続されている。
第1スイッチ31の他端と第2外部接続端子100bとが第2給電バスバー52を介して電気的に接続されている。第2給電バスバー52から一部が分岐している。この第2給電バスバー52の分岐部位52aが第2スイッチ32の一端と電気的に接続されている。また分岐部位52bが第4内部端子28dに接続されている。
第2スイッチ32の他端と組電池10の正極とが第3給電バスバー53を介して電気的に接続されている。第3給電バスバー53から一部が分岐している。この第3給電バスバー53の分岐部位53aが配線基板21の第2内部端子28bと電気的に接続されている。組電池10の負極は第3外部接続端子100cと電気的に接続されている。具体的に言えば接地端子13がヒューズを介して第3外部接続端子100cにボルト止めされている。
配線基板21の第2内部端子28bと第1内部端子28aとが第1給電線23を介して電気的に接続されている。この第1給電線23に、第2内部端子28bから第1内部端子28aに向かって順に第3スイッチ33と第4スイッチ34が直列接続されている。
配線基板21の第3内部端子28cと第1給電線23における第1内部端子28aと第4スイッチ34との間の中点とが第2給電線24を介して電気的に接続されている。そして第3内部端子28cは第4給電バスバー54を介して第4外部接続端子100dと電気的に接続されている。
第2給電線24に第5スイッチ35が設けられている。そして第2給電線24における第3内部端子28cと第5スイッチ35との間の中点が、第1給電線23における第4スイッチ34と第3スイッチ33との間の中点に連結されている。
第1給電線23における第1内部端子28aと第4スイッチ34との間の中点に第3給電線25の一端が接続されている。第2給電線24における第1給電線23との接続点と第5スイッチ35との間に第3給電線25の他端が接続されている。この第3給電線25に第6スイッチ36が設けられている。
また第1給電線23における第1内部端子28aと第4スイッチ34との間の中点と第4内部端子28dとが第4給電線26を介して電気的に接続されている。この第4給電線26にプリチャージ抵抗60が設けられている。
以上により、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33、および、第4スイッチ34が順に環状に接続されている。第1スイッチ31と第2スイッチ32との間の中点が第2外部接続端子100bに接続されている。第2スイッチ32と第3スイッチ33との間の中点が組電池10に接続されている。第3スイッチ33と第4スイッチ34との間の中点が第4外部接続端子100dに接続されている。第4スイッチ34と第1スイッチ31との間の中点が第1外部接続端子100aに接続されている。
また、第1外部接続端子100aと第4外部接続端子100dとが第5スイッチ35を介して接続されている。第4スイッチ34と第3スイッチ33との間の中点が第5スイッチ35を介して第1外部接続端子100aに接続されている。同様にして、第1外部接続端子100aと第4外部接続端子100dとが第6スイッチ36を介して接続されている。第4スイッチ34と第3スイッチ33との間の中点が第6スイッチ36を介して第1外部接続端子100aに接続されている。
以上の電気的な接続構成により、第1スイッチ31を開閉制御することで第1外部接続端子100aと第2外部接続端子100bとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第1スイッチ31を開閉制御することで蓄電池110と回転電機130との電気的な接続が制御される。
第2スイッチ32を開閉制御することで第2外部接続端子100bと組電池10との電気的な接続が制御される。換言すれば、第2スイッチ32を開閉制御することで回転電機130と組電池10との電気的な接続が制御される。
第3スイッチ33を開閉制御することで第2内部端子28bと第3内部端子28cとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第3スイッチ33を開閉制御することで組電池10と第2負荷152との電気的な接続が制御される。
第4スイッチ34を開閉制御することで第1内部端子28aと第3内部端子28cとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第4スイッチ34を開閉制御することで蓄電池110と第2負荷152との電気的な接続が制御される。
第5スイッチ35および第6スイッチ36のうちの少なくとも一方を開閉制御することで第3内部端子28cと第1内部端子28aとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第5スイッチ35および第6スイッチ36のうちの少なくとも一方を開閉制御することで蓄電池110と第2負荷152との電気的な接続が制御される。
以上に示したように、第1スイッチ31〜第6スイッチ36それぞれの接続対象は異なる。そのために第1スイッチ31〜第6スイッチ36それぞれの通電量は異なっている。第1スイッチ31〜第6スイッチ36それぞれの発熱量は異なっている。
特に、第1スイッチ31と第2スイッチ32は回転電機130と電気的に接続される。そのために第1スイッチ31と第2スイッチ32は他の4つのスイッチに比べて通電量が多く、その発熱量が高くなっている。したがってこれら第1スイッチ31と第2スイッチ32の温度上昇を抑制する必要がある。そのために第1スイッチ31と第2スイッチ32は配線基板21よりも放熱性の高い筐体91に設けられている。
なお、第1外部接続端子100aと第2外部接続端子100bはプリチャージ抵抗60を介して電気的に接続されている。上記したように第2外部接続端子100bに第2ワイヤハーネス220が接続されている。そしてこの第2ワイヤハーネス220に図示しない電力変換器が接続されている。
電力変換器は大容量の平滑コンデンサを備えている。平滑コンデンサは電荷が充電された状態で使用される。この平滑コンデンサの電荷の充電は、蓄電池110からの電力供給によって行われる。
第1ワイヤハーネス210と第2ワイヤハーネス220が電池パック100に接続される。これによりプリチャージ抵抗60を介して蓄電池110から平滑コンデンサに電荷が供給される。このようにプリチャージ抵抗60を介すことで、蓄電池110から平滑コンデンサに流れる電流量が急激に増大することが抑制されている。
<第1スイッチと第2スイッチ>
上記したように第1スイッチ31と第2スイッチ32は他の4つのスイッチに比べて発熱量が高くなっている。そして第1スイッチ31と第2スイッチ32は他の4つのスイッチとは異なり、給電バスバーに直接接続される。以下においては第1スイッチ31と第2スイッチ32を詳説する。
第1スイッチ31と第2スイッチ32はそれぞれ並列接続された2つの開閉部を有する。これら開閉部を区別するため、以下においては第1スイッチ31の有する2つの開閉部を第1開閉部60aおよび第2開閉部60bと示す。第2スイッチ32の有する2つの開閉部を第3開閉部60cおよび第4開閉部60dと示す。
これら第1開閉部60a〜第4開閉部60dは同一構成である。そのために以下においては第1開閉部60aをその代表として説明する。その他の第2開閉部60b〜第4開閉部60dの説明を省略する。
図3に示すように第1開閉部60aは、上記の直列接続された2つのMOSFETの他に、樹脂部61、第1接続端子62、第2接続端子63、および、制御端子64を有する。
樹脂部61は2つのMOSFETと、上記の3つの端子それぞれの一端側を被覆している。樹脂部61から3つの端子それぞれの他端側が露出している。
樹脂部61はz方向の厚さの薄い扁平形状を成している。樹脂部61はz方向に面する2つの主面を有する。樹脂部61には2つの主面をz方向に貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔にボルトが通される。
また樹脂部61はy方向に面する2つの側面を有する。樹脂部61の有する2つの側面のうちの一方から第1接続端子62と第2接続端子63それぞれの他端側が外に飛び出している。2つの側面のうちの他方から制御端子64の他端側が外に飛び出している。
第1接続端子62の一端は2つのMOSFETのうちの一方のドレイン端子に接続されている。第2接続端子63の一端は2つのMOSFETのうちの他方のドレイン端子に接続されている。制御端子64の一端は2つのMOSFETのゲート電極に接続されている。
樹脂部61から露出した第1接続端子62と第2接続端子63それぞれの他端は給電バスバー50に接続される。制御端子64の他端は回路基板20に接続される。
なお第1開閉部60a〜第4開閉部60dそれぞれの各給電バスバーとの接続対象を具体的に示すと、第1開閉部60aと第2開閉部60bそれぞれの第1接続端子62が第1給電バスバー51に接続される。第1開閉部60aと第2開閉部60bそれぞれの第2接続端子63が第2給電バスバー52に接続される。第3開閉部60cと第4開閉部60dそれぞれの第1接続端子62が第2給電バスバー52に接続される。第3開閉部60cと第4開閉部60dそれぞれの第2接続端子63が第3給電バスバー53に接続される。
図3に示すように第1開閉部60a〜第4開閉部60dそれぞれの第1接続端子62と第2接続端子63の他端側がx方向に並んでいる。そしてこれら4つの開閉部の第1接続端子62と第2接続端子63それぞれのy方向とz方向の位置が一致している。同様にして第1開閉部60a〜第4開閉部60dの制御端子64はx方向に並んでいる。これら4つの開閉部の制御端子64それぞれの他端側のy方向とz方向の位置が一致している。
<バスバーモジュール>
上記したようにバスバーモジュール1は給電バスバー50とバスバーケース70を有する。図2および図3に示すようにバスバーケース70は、上記の端子台71、接続ボルト72、および、ナット73の他に、給電バスバー50を収納する収納部74を有する。収納部74は端子台71と同一材料から成る。収納部74は端子台71と一体になっている。
収納部74には第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54それぞれを個別に独立して収納するための複数の溝部が形成されている。後述するように複数の給電バスバーの間に溝部の一部を構成する回廊壁が位置する。これにより複数の給電バスバー間の接触と短絡が抑制されている。
第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54が収納部74の複数の溝部に収納された状態で、第1給電バスバー51〜第3給電バスバー53それぞれの一部が順にy方向に並んでいる。第4給電バスバー54の一部、第1給電バスバー51〜第3給電バスバー53それぞれの一部が順にx方向に並んでいる。
バスバーモジュール1が筐体91に搭載された状態で、第3給電バスバー53は第1給電バスバー51および第2給電バスバー52それぞれよりもy方向において第1スイッチ31および第2スイッチ32側に位置している。第3給電バスバー53は他の3つの給電バスバーそれぞれよりもx方向において第1スイッチ31および第2スイッチ32側に位置している。
そして第1給電バスバー51が第1スイッチ31に接続されている。第2給電バスバー52が第1スイッチ31と第2スイッチ32に接続されている。第3給電バスバー53が第2スイッチ32に接続されている。第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54それぞれが回路基板20に接続されている。
以上に示した配置と接続を実現するために、第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54それぞれは一部が屈曲している。
<給電バスバー>
第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54それぞれは厚さの薄い金属板が屈曲加工されて成る。これら各給電バスバーを構成する複数の部位の厚さ方向と延長方向は、屈曲により、同一であったり異なったりしている。以下、図4〜図7に基づいて、各給電バスバーを複数の部位に細分化して説明する。
<第1給電バスバー>
図4に示すように第1給電バスバー51は、第1端子部55a、第1本体部55b、および、第1離間部55cを有する。第1端子部55aは第1本体部55bを介して第1離間部55cと一体的に連結されている。第1端子部55aと第1本体部55bとの連結部位が屈曲している。第1本体部55bと第1離間部55cとの連結部位が屈曲している。
この屈曲により、第1端子部55aの厚さ方向がz方向になっている。第1本体部55bの厚さ方向がy方向になっている。第1端子部55aは第1本体部55bとの連結部位から離れる態様でy方向に延びている。第1本体部55bは第1端子部55aとの連結部位から離れる態様でx方向に延びている。
第1端子部55aにはz方向に貫く貫通孔が形成されている。この貫通孔に第1外部接続端子100aの接続ボルト72が通される。第1端子部55aは第1外部接続端子100aを介して第1ワイヤハーネス210と電気的に接続される。
第1離間部55cの厚さ方向はx方向になっている。第1離間部55cは第1本体部55bとの連結部位から離れる態様でy方向に延びている。第1離間部55cと第1端子部55aそれぞれの第1本体部55bからのy方向への延長方向は反対になっている。第1離間部55cと第1端子部55aは互いに離間するようにy方向に延びている。
図4に示すように第1本体部55bから第1スイッチ接続部55dが延びている。第1スイッチ接続部55dは第1本体部55bから第1スイッチ31へと向かってz方向に延びている。第1スイッチ接続部55dは第1スイッチ31の第1開閉部60aと第2開閉部60bそれぞれの第1接続端子62に接続される。第1スイッチ接続部55dの延長方向と第1本体部55bの延長方向とが交差している。
第1離間部55cから第1基板接続部55eが延びている。第1基板接続部55eは第1離間部55cから回路基板20へと向かってz方向に延びている。第1基板接続部55eが回路基板20に接続される。
なお、第1本体部55bは、第1給電バスバー51の第1スイッチ31との接続、および、収納部74における第2給電バスバー52の配置の都合により一部が屈曲している。この屈曲により第1本体部55bの一部がy方向に延びた形状になっている。第1本体部55bはz方向に直交する平面においてクランク形状を成している。第1本体部55bの屈曲部位は、x方向において第1端子部55aと第1スイッチ接続部55dの間に位置している。
第1スイッチ接続部55dは、第1給電バスバー51の第1スイッチ31との接続、および、収納部74における第2給電バスバー52の配置の都合により一部が屈曲している。この屈曲により第1スイッチ接続部55dの一部がy方向に延びた形状になっている。第1スイッチ接続部55dはx方向に直交する平面においてクランク形状を成している。
第1基板接続部55eは回路基板20との接続の都合により、一部が屈曲している。この屈曲により第1基板接続部55eは一部がx方向に延びた形状になっている。第1基板接続部55eはy方向に直交する平面においてクランク形状を成している。なお第1基板接続部55eは図1に示す分岐部位51aに相当する。
<第2給電バスバー>
図5に示すように第2給電バスバー52は、第2端子部56a、第2本体部56b、および、第2離間部56cを有する。第2端子部56aは第2本体部56bを介して第2離間部56cと一体的に連結されている。第2端子部56aと第2本体部56bとの連結部位が屈曲している。第2本体部56bと第2離間部56cとの連結部位が屈曲している。
この屈曲により、第2端子部56aの厚さ方向がz方向になっている。第2本体部56bの厚さ方向がy方向になっている。第2端子部56aは第2本体部56bとの連結部位から離れる態様でy方向に延びている。第2本体部56bは第2端子部56aとの連結部位から離れる態様でx方向に延びている。
第2端子部56aにはz方向に貫く貫通孔が形成されている。この貫通孔に第2外部接続端子100bの接続ボルト72が通される。第2端子部56aは第2外部接続端子100bを介して第2ワイヤハーネス220と電気的に接続される。
第2離間部56cの厚さ方向はx方向になっている。第2離間部56cは第2本体部56bとの連結部位から離れる態様でy方向に延びている。第2離間部56cと第2端子部56aそれぞれの第2本体部56bからのy方向への延長方向は反対になっている。第2離間部56cと第2端子部56aは互いに離間するようにy方向に延びている。
図5に示すように第2本体部56bから2つの第2スイッチ接続部56dが延びている。2つの第2スイッチ接続部56dはx方向に離間して並んでいる。2つの第2スイッチ接続部56dはz方向に延びている。第2スイッチ接続部56dの延長方向と第2本体部56bの延長方向とが交差している。
2つの第2スイッチ接続部56dのうちの一方が第2本体部56bから第1スイッチ31へと向かってz方向に延びている。2つの第2スイッチ接続部56dのうちの一方が第1スイッチ31の第1開閉部60aと第2開閉部60bそれぞれの第2接続端子63に接続される。2つの第2スイッチ接続部56dのうちの他方が第2本体部56bから第2スイッチ32へと向かってz方向に延びている。2つの第2スイッチ接続部56dのうちの他方が第2スイッチ32の第3開閉部60cと第4開閉部60dそれぞれの第1接続端子62に接続される。
第2離間部56cから第2基板接続部56eが延びている。第2基板接続部56eの厚さ方向は第2離間部56cと同様にしてx方向になっている。第2基板接続部56eは第2離間部56cから回路基板20へと向かってz方向に延びている。第2基板接続部56eが回路基板20に接続される。
なお、第2本体部56bは、第2給電バスバー52の第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれとの接続、および、収納部74における第1給電バスバー51と第3給電バスバー53それぞれの配置の都合により一部が屈曲している。この屈曲により第2本体部56bの一部がy方向に延びた形状になっている。第2本体部56bはz方向に直交する平面においてクランク形状を成している。第2本体部56bの屈曲部位は、x方向において2つの第2スイッチ接続部56dの間に位置している。
2つの第2スイッチ接続部56dのうちの他方は、第2給電バスバー52の第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれとの接続、および、収納部74における第1給電バスバー51と第3給電バスバー53それぞれの配置の都合により一部が屈曲している。この屈曲により2つの第2スイッチ接続部56dのうちの他方の一部がy方向に延びた形状になっている。2つの第2スイッチ接続部56dのうちの他方はx方向に直交する平面においてクランク形状を成している。なお2つの第2スイッチ接続部56dのうちの他方が図1に示す分岐部位52aに相当する。第2基板接続部56eが図1に示す分岐部位52bに相当する。
<第3給電バスバー>
図6に示すように第3給電バスバー53は、第3端子部57a、第3本体部57b、および、第3離間部57cを有する。第3端子部57aは第3本体部57bを介して第3離間部57cと一体的に連結されている。第3端子部57aと第3本体部57bとの連結部位が屈曲している。第3本体部57bと第3離間部57cとの連結部位が屈曲している。
この屈曲により、第3端子部57aの厚さ方向がz方向になっている。第3本体部57bの厚さ方向がy方向になっている。第3端子部57aは第3本体部57bとの連結部位から離れる態様でy方向に延びている。第3本体部57bは第3端子部57aとの連結部位から離れる態様でx方向に延びている。
第3端子部57aにはz方向に貫く貫通孔が形成されている。組電池10の出力端子12にはz方向に貫く貫通孔が形成されている。バスバーケース70にも貫通孔が形成されている。これら第3端子部57a、出力端子12、および、バスバーケース70それぞれの貫通孔にボルトが通される。そしてこのボルトにナットが締結される。これにより第3給電バスバー53と組電池10とが電気的に接続されている。
第3離間部57cの厚さ方向はx方向になっている。第3離間部57cは第3本体部57bとの連結部位から離れる態様でy方向に延びている。第3離間部57cと第3端子部57aそれぞれの第3本体部57bからのy方向への延長方向は同一になっている。第3離間部57cと第3端子部57aはx方向において離間して並んでいる。
図6に示すように第3本体部57bから第3スイッチ接続部57dが延びている。第3スイッチ接続部57dの厚さ方向は第3本体部57bと同様にしてy方向になっている。第3スイッチ接続部57dは第3本体部57bから第2スイッチ32へと向かってz方向に延びている。第3スイッチ接続部57dは第2スイッチ32の第3開閉部60cと第4開閉部60dそれぞれの第2接続端子63に接続される。第3スイッチ接続部57dの延長方向と第3本体部57bの延長方向とが交差している。
第3離間部57cから第3基板接続部57eが延びている。第3基板接続部57eの厚さ方向は第3離間部57cと同様にしてx方向になっている。第3基板接続部57eは第3離間部57cから回路基板20へと向かってz方向に延びている。第3基板接続部57eが回路基板20に接続される。第3離間部57cが図1に示す分岐部位53aに相当する。
<第4給電バスバー>
図7に示すように第4給電バスバー54は、第4端子部58a、第4本体部58b、および、第4離間部58cを有する。第4端子部58aは第4本体部58bを介して第4離間部58cと一体的に連結されている。第4端子部58aと第4本体部58bとの連結部位が屈曲している。
この屈曲により、第4端子部58aの厚さ方向がz方向になっている。第4本体部58bの厚さ方向がx方向になっている。第4端子部58aは第4本体部58bとの連結部位から離れる態様でx方向に延びている。第4本体部58bは第4端子部58aとの連結部位から離れる態様でz方向に延びている。
第4端子部58aにはz方向に貫く貫通孔が形成されている。この貫通孔に第4外部接続端子100dの接続ボルト72が通される。第4端子部58aは第4外部接続端子100dを介して第1ワイヤハーネス210と電気的に接続される。
第4本体部58bと第4離間部58cとの連結部位は屈曲していない。そのために第4離間部58cの厚さ方向は第4本体部58bと同様にしてx方向になっている。第4離間部58cは第4本体部58bから離れる態様でy方向に延びている。
図7に示すように第4離間部58cから第4基板接続部58eが延びている。第4基板接続部58eは第4離間部58cから回路基板20へと向かってz方向に延びている。第4基板接続部58eが回路基板20に接続される。
なお、第4基板接続部58eは、回路基板20との接続、および、収納部74における第1給電バスバー51の配置の都合により一部が屈曲している。この屈曲により第4基板接続部58eの一部がx方向に延びた形状になっている。第4基板接続部58eはy方向に直交する平面においてクランク形状を成している。
<収納部と溝部>
図8〜図11に示すように収納部74は、底部75と第1回廊壁76〜第5回廊壁80を有する。底部75はz方向に交差する載置面75aを有する。第1回廊壁76〜第5回廊壁80はこの載置面75aからz方向に起立している。そしてこれら5つの回廊壁はx方向とy方向に離間して並んでいる。これらx方向およびy方向に離間して並ぶ5つの回廊壁と底部75とによって、第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54それぞれを独立して収納する複数の溝部が形成されている。載置面75aが内面に相当する。
複数の溝部としては第1溝部81〜第4溝部84がある。第1溝部81〜第4溝部84は2つの回廊壁と底部75におけるこれら2つの回廊壁の間の部位によって構成される。隣り合う2つの回廊壁が載置面75a上で平行に延びている。そして隣り合う2つの回廊壁のうちの一方の末端が他方に向けて延び、2つの回廊壁が連結されている。これにより4つの溝部はz方向に開口するとともにx方向若しくはy方向に開口し、x方向若しくはy方向の開口から最も離れた末端が袋小路になっている。4つの溝部それぞれの形状は4つの給電バスバーそれぞれの溝部の収納部位の形状と相似になっている。
第1溝部81は第1回廊壁76と第2回廊壁77との間に構成されている。第2溝部82は第2回廊壁77と第3回廊壁78との間に構成されている。第3溝部83は第3回廊壁78と第4回廊壁79との間に構成されている。第4溝部84は第1回廊壁76と第5回廊壁80との間に構成されている。
これら第1溝部81〜第4溝部84に第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54の一部が収納される。係る構成が実現されるために、第1回廊壁76〜第5回廊壁80は第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54それぞれの溝部の収納部位の形状に応じて延びている。
また、第1溝部81〜第4溝部84それぞれの一部を区画する載置面75aは、第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54それぞれの溝部の収納部位の形状に応じてx方向とy方向とに延びるとともにz方向に傾斜している。
図8に示すように第1回廊壁76〜第3回廊壁78それぞれの一部が順にy方向に離間して並んでいる。第2回廊壁77〜第4回廊壁79それぞれの一部が順にy方向に離間して並んでいる。そして第5回廊壁80と第1回廊壁76それぞれの一部がx方向に離間して並んでいる。第1回廊壁76〜第3回廊壁78それぞれの一部がx方向に離間して並んでいる。
そのために第1溝部81と第2溝部82それぞれの一部が第2回廊壁77を隔ててy方向に並んでいる。第2溝部82と第3溝部83それぞれの一部が第3回廊壁78を隔ててy方向に並んでいる。そして第4溝部84と第1溝部81それぞれの一部が第1回廊壁76を隔ててx方向に並んでいる。第1溝部81と第2溝部82それぞれの一部が第2回廊壁77を隔ててx方向に並んでいる。
以上に示したように、第2回廊壁77は第1溝部81と第2溝部82それぞれの一部を構成するとともに、両者の中空の連通を遮っている。第3回廊壁78は第2溝部82と第3溝部83それぞれの一部を構成するとともに、両者の中空の連通を遮っている。第1回廊壁76は第4溝部84と第1溝部81それぞれの一部を構成するとともに、両者の中空の連通を遮っている。
第2給電バスバー52が第1バスバーに相当する。第3給電バスバー53が第2バスバーに相当する。第2回廊壁77が第1延長部に相当する。第3回廊壁78が第2延長部に相当する。第4回廊壁79が第3延長部に相当する。第2溝部82が第1収納溝部に相当する。第3溝部83が第2収納溝部に相当する。
<給電バスバーの溝部の収納部位>
第1溝部81には、第1給電バスバー51の第1本体部55bの一部と第1離間部55cが収納される。上記したように第1本体部55bの一部が屈曲している。第1本体部55bはこの屈曲部位を境として、第1端子部55aの連結される部位と、第1スイッチ接続部55dの形成された部位とに分けられている。第1溝部81にはこの第1本体部55bにおける第1スイッチ接続部55dの形成された部位が収納される。第1本体部55bにおける第1端子部55aの連結された部位は第1溝部81の外に位置している。第1溝部81の一部を構成する第1回廊壁76は第1本体部55bの第1端子部55a側と第1離間部55cの形状に合わせて、z方向に面する平面において略L字形状を成している。
第2溝部82には、第2給電バスバー52の第2本体部56bの一部と第2離間部56cが収納される。第2溝部82の一部を構成する第2回廊壁77と第3回廊壁78は、第2本体部56bと第2離間部56cの形状に合わせて、z方向に面する平面において略L字形状を成している。第2回廊壁77と第3回廊壁78は、上記した第2本体部56bの屈曲に合わせて、その一部が屈曲している。
上記したように第2回廊壁77は第1溝部81と第2溝部82それぞれの一部を構成している。そのために第2回廊壁77は第1給電バスバー51と第2給電バスバー52との間に位置している。第2回廊壁77によって第1給電バスバー51と第2給電バスバー52との沿面距離と空間距離が長くなっている。これにより第1給電バスバー51と第2給電バスバー52の短絡が抑制されている。
第3溝部83には、第3給電バスバー53の第3本体部57bの一部と第3離間部57cが収納される。第3溝部83の一部を構成する第4回廊壁79は、第3本体部57bの形状に合わせてx方向に延びている。そして第4回廊壁79は、第3離間部57cの形状に合わせて、第3回廊壁78から離間するようにy方向に延びた後に折り返して第3回廊壁78に向かって延びている。
上記したように第3回廊壁78は第2溝部82と第3溝部83それぞれの一部を構成している。そのために第3回廊壁78は第2給電バスバー52と第3給電バスバー53との間に位置している。第3回廊壁78によって第2給電バスバー52と第3給電バスバー53との沿面距離と空間距離が長くなっている。これにより第2給電バスバー52と第3給電バスバー53の短絡が抑制されている。
第4溝部84には、第4給電バスバー54の第4離間部58cの一部が収納される。第4溝部84の一部を構成する第5回廊壁80は、第4離間部58cの形状に合わせて、z方向に面する平面において略L字形状を成している。
上記したように第1回廊壁76は第4溝部84と第1溝部81それぞれの一部を構成している。そのために第1回廊壁76は第4給電バスバー54と第1給電バスバー51との間に位置している。第1回廊壁76によって第4給電バスバー54と第1給電バスバー51との沿面距離と空間距離が長くなっている。これにより第4給電バスバー54と第1給電バスバー51の短絡が抑制されている。
以上に示したように第1溝部81〜第4溝部84に第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54が収納された状態で、第1本体部55bと第2本体部56bがy方向で離間して並んでいる。第2本体部56bと第3本体部57bがy方向で離間して並んでいる。第4離間部58cと第1離間部55cがx方向で離間して並んでいる。第1離間部55cと第2離間部56cがx方向で離間して並んでいる。
また図3に示すように、第1スイッチ接続部55d、2つの第2スイッチ接続部56d、および、第3スイッチ接続部57dがx方向で離間して並んでいる。第1端子部55aと第2端子部56aがx方向に並んでいる。そしてこれら3つのスイッチ接続部それぞれの有する、後述の端子のy方向とz方向の位置が一致している。
また、第3基板接続部57eがx方向において2つの第2スイッチ接続部56dの間に位置している。第4基板接続部58e、第2基板接続部56e、および、第1基板接続部55eがx方向で並んでいる。そしてこれら3つの基板接続部は第1スイッチ接続部55dと2つの第2スイッチ接続部56dのうちの一方それぞれを介して第3基板接続部57eとx方向で並んでいる。第4基板接続部58e、第1基板接続部55e、第2基板接続部56e、および、第3基板接続部57eがy方向に順に並んでいる。
これまでに示したように第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54はx方向とy方向に延びる。そしてこれら4つの給電バスバーのうちの少なくとも2つがその延びる方向とz方向に対して直交する方向で並んでいる。この給電バスバーの延びる方向とz方向に直交する方向が所定方向に相当する。
<排水孔>
上記したように第1溝部81〜第4溝部84は5つの回廊壁と底部75とによって構成される。そして第1溝部81〜第4溝部84それぞれの形状は第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54それぞれの溝部の収納部位の形状と相似になっている。そのために第1溝部81〜第3溝部83はそれぞれx方向とy方向に延びている。第4溝部84はy方向に延びている。
図4〜図6に示すように第1給電バスバー51〜第3給電バスバー53それぞれの本体部はx方向に延びるとともにz方向に傾斜して延びている。これら3つの給電バスバーそれぞれの本体部は、端子部の連結部位、スイッチ接続部の形成部位、および、離間部の連結部位に細分化することができる。以下、表記を簡明とするために、本体部における端子部の連結部位を第1連結部位85、スイッチ接続部の形成部位を単に形成部位86、離間部の連結部位を第2連結部位87と示す。
これら連結部位と形成部位を示す符号は、代表として図12と図13に示している。図12では、第2給電バスバー52と、底部75における第2給電バスバー52の第2本体部56bとの対向する部位を示している。同様にして、図13では、第3給電バスバー53と、底部75における第3給電バスバー53の第3本体部57bとの対向する部位を示している。図12および図13のいずれにおいても、底部75における本体部との対向部位を単なる実線で示している。
形成部位86は第1連結部位85および第2連結部位87よりも筐体91の底壁93側に位置している。第1連結部位85と第2連結部位87それぞれは形成部位86から離間するようにx方向に延びるとともに、z方向において側壁94によって構成される開口側へと延びている。そのために第1連結部位85と第2連結部位87それぞれはz方向とx方向それぞれに対して傾斜した形状を成している。
なお、上記したように形成部位86が連結部位よりも底壁93側に位置するのは、形成部位86に形成された1つのスイッチ接続部が2つの端子と、2つの端子に流れる電流量を均等化するための分岐部と、を有するためである。分岐部の分、スイッチ接続部がz方向に長くなっているためである。
第1給電バスバー51〜第3給電バスバー53それぞれの本体部が以上に示した構成を有するため、第1溝部81〜第3溝部83の一部を区画する底部75の載置面75aはx方向に延びるとともにz方向に傾斜している。以下、表記を簡明とするために、底部75における形成部位86とのz方向での対向部位を下部75c、第1連結部位85とのz方向での対向部位を第1傾斜部75d、第2連結部位87とのz方向での対向部位を第2傾斜部75eと示す。
なお、底部75における第1溝部81の一部を構成する部位は、上記の下部75cと第2傾斜部75eを有するが、第1傾斜部75dを有さない。底部75における第2溝部82と第3溝部83それぞれの一部を構成する部位が、下部75c、第1傾斜部75d、および、第2傾斜部75eを有する。これら下部と傾斜部を示す符号は、代表として、底部75における第2溝部82と第3溝部83それぞれの一部を構成する部位を図示する図12と図13に示している。
下部75cは第1傾斜部75dおよび第2傾斜部75eよりも底壁93側に位置している。第1傾斜部75dと第2傾斜部75eそれぞれは下部75cから離間するようにx方向に延びるとともに、z方向において側壁94によって構成される開口側へと延びている。そのために第1傾斜部75dと第2傾斜部75eそれぞれはz方向とx方向それぞれに対して傾斜した形状を成している。したがって、z方向が鉛直方向に沿う場合、結露などによって収納部74の溝部に流入した水が下部75cに溜まりやすくなっている。
そこで、例えば図8および図11〜図13に示すように、このような溝に溜まった水を排水するための排水孔88が底部75に形成されている。具体的には下部75cに排水孔88が形成されている。排水孔88は下部75cの載置面75aとその裏側の裏面75bとに開口している。
図14に拡大して示すように、特に本実施形態では載置面75aにおける第2溝部82の一部を区画する部位に1つの排水孔88が開口している。載置面75aにおける第3溝部83の一部を区画する部位に1つの排水孔88が開口している。
これら2つの排水孔88の間に第3回廊壁78が位置している。2つの排水孔88はx方向で離間している。2つの排水孔88はy方向で非対向となっている。2つの排水孔88はy方向で並んでいない。これら2つの排水孔88が第1排水孔と第2排水孔に相当する。
<作用効果>
上記したように第2溝部82に第2給電バスバー52が収納される。第3溝部83に第3給電バスバー53が収納される。第2溝部82は第2回廊壁77と第3回廊壁78、および、底部75におけるこれら2つの回廊壁の間の部位によって構成されている。第3溝部83は第3回廊壁78と第4回廊壁79、および、底部75におけるこれら2つの回廊壁の間の部位によって構成されている。そして第2溝部82の一部を構成する底部75に排水孔88が形成されている。第3溝部83の一部を構成する底部75に排水孔88が形成されている。これら2つ排水孔88は底部75における回廊壁の起立する載置面75aとその裏面75bとに開口している。
以上により、例えば図11に示すように、これら2つの排水孔88は裏面75bを介して連結される。これら2つの排水孔88の沿面距離と空間距離が短い場合、第2溝部82に収納された第2給電バスバー52と第3溝部83に収納された第3給電バスバー53が短絡する虞がある。例えば、2つの排水孔88が水などによって架橋されると、水を介して第2給電バスバー52と第3給電バスバー53が短絡する虞がある。
これに対して、上記したように2つの排水孔88はx方向で離間している。2つの排水孔88はy方向で非対向となっており、y方向で並んでいない。
そのために2つの排水孔88がy方向で並ぶ構成と比べて2つの排水孔88の離間距離が長くなっている。これにより、2つの排水孔88を介した第2給電バスバー52と第3給電バスバー53の短絡が抑制される。
底部75における第2溝部82と第3溝部83それぞれの一部を構成する部位が、下部75c、第1傾斜部75d、および、第2傾斜部75eを有する。下部75cは第1傾斜部75dおよび第2傾斜部75eよりも底壁93側に位置している。この下部75cに排水孔88が形成されている。これによれば、z方向が鉛直方向に沿う場合、結露などによって収納部74の溝部に流入した水が下部75cに溜まりやすくなる。この溝部に溜まった水を排水孔88によって排水することができる。
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は上記した実施形態になんら制限されることなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
(第1の変形例)
本実施形態では底部75における1つの溝部の一部を構成する部位に1つの排水孔88が形成された例を示した。しかしながら底部75における1つの溝部の一部を構成する部位に形成される排水孔88の数としては、複数を採用することもできる。
(第2の変形例)
本実施形態では下部75cに1つの排水孔88が形成された例を示した。しかしながら下部75cに形成される排水孔88の数としては上記例に限定されない。例えば図15および図16に示すように下部75cに2つの排水孔88が形成された構成を採用することもできる。この変形例では、下部75cにおける第1傾斜部75dとの連結部位側、第2傾斜部75eとの連結部位側それぞれに排水孔88が形成されている。これによれば、例えz方向が鉛直方向に対して交差する態様で電池パック100が車両に搭載されたとしても、2つの排水孔88のうちの一方を介して、溝部に浸入した水を積極的に溝部の外に排水することができる。
(第3の変形例)
図17および図18に示すように、裏面75bからz方向に離間する隔壁75fが底部75に形成された構成を採用することもできる。図17と図18および後述の図19それぞれの(a)欄に示す断面図は、図14におけるA−A線に沿う断面図に対応している。図17〜図19それぞれの(b)欄に示す断面図は、図14におけるB−B線に沿う断面図に対応している。
隔壁75fは第2溝部82の一部を構成する底部75に形成された排水孔88と、第3溝部83の一部を構成する底部75に形成された排水孔88との間に位置している。そのために隔壁75fによって2つの排水孔88の沿面距離と空間距離が長くなっている。これにより、2つの排水孔88を介した第2給電バスバー52と第3給電バスバー53の短絡が効果的に抑制される。
図17および図18に示すように隔壁75fは、第3回廊壁78と同様にしてx方向とy方向とに延びた第1隔壁を有する。そして図18に示す隔壁75fは、第1隔壁だけではなく、第1隔壁の先端に一体的に連結された第2隔壁を有する。第2隔壁はz方向に面する平板形状を成している。第2隔壁により、2つの排水孔88の沿面距離と空間距離をより長くすることができる。これにより2つの排水孔88を介した第2給電バスバー52と第3給電バスバー53の短絡がより効果的に抑制される。
なお第1隔壁は第3回廊壁78と同等に延びている必要はない。第1隔壁は、第2溝部82の一部を構成する底部75に形成された排水孔88と、第3溝部83の一部を構成する底部75に形成された排水孔88との間に局所的に形成されていてもよい。
(第4の変形例)
本実施形態では特に第2給電バスバー52と第3給電バスバー53それぞれの本体部のz方向の長さについて述べていなかった。例えば図19に示すように、第2給電バスバー52の第2本体部56bにおける排水孔88との対向部位に切欠きが形成された構成を採用することができる。同様にして第3給電バスバー53の第3本体部57bにおける排水孔88との対向部位に切欠きが形成された構成を採用することができる。
これにより、第2本体部56bにおける排水孔88の載置面75aの開口との対向部位が、第2本体部56bにおける載置面75aとの対向部位よりもz方向で離間している。同様にして第3本体部57bにおける排水孔88の載置面75aの開口との対向部位が、第3本体部57bにおける載置面75aとの対向部位よりもz方向で離間している。この結果、2つの排水孔88を介した第2給電バスバー52と第3給電バスバー53との沿面距離と空間距離とが長くなっている。これにより第2給電バスバー52と第3給電バスバー53の短絡が効果的に抑制される。
(第5の変形例)
本実施形態では底部75に排水孔88の形成された例を示した。しかしながら例えば図20に示すように第2回廊壁77の底部75側に排水孔88の形成された構成を採用することができる。図示しないが、第4回廊壁79の底部75側に排水孔88の形成された構成を採用することができる。また、2つの排水孔88のうちの一方が底部75に形成され、他方が回廊壁に形成された構成を採用することもできる。
(その他の変形例)
本実施形態では排水孔88の形状について特に言及していなかった。排水孔88の開口形状としては特に限定されず、例えば、真円、楕円、多角形などを採用することができる。また排水孔88の開口面積が、載置面75a側から裏面75b側に向かうにしたがって徐々に小さくなる、若しくは、徐々に大きくなる構成を採用することもできる。排水孔88を区画し、載置面75aと裏面75bとを連結する環状の壁面が、排水孔88の開口に直交する軸方向に対して傾斜した形状を採用することもできる。
本実施形態では2つの排水孔88のx方向の離間距離を特に言及していなかった。2つの排水孔88のx方向の離間距離は、例えば雨水などの不純物を含む水が裏面75bに付着した際に、その水によって2つの排水孔88が架橋されるのが阻止される程度に決定される。
また、2つの排水孔88のz方向の位置についても特に言及していなかった。これら2つの排水孔88の裏面75bの開口のz方向の位置は一致していてもよいし、異なっていてもよい。
各実施形態では組電池10が5つの電池セルを有する例を示した。しかしながら組電池10は複数の電池セルを有すればよく、上記例に限定されない。また電池スタックの数としても、2つではなく1つ若しくは3つ以上を採用することもできる。さらに言えば、電池セルがx方向に並ぶことで電池スタックが構成されてもよい。
各実施形態では電源システム200を搭載する車両がアイドルストップ機能を有する例を示した。しかしながら電源システム200を搭載する車両としては上記例に限定されない。例えばハイブリッド自動車や電気自動車を採用することができる。この場合、本実施形態で示したスタータモータ120や回転電機130は、モータジェネレータに代わる。