以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。同様の構成要素には同様の参照符号を付し、重複する場合にはその説明を省略する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係る駐車装置1を示す上面図である。駐車装置1は、鞍乗型車両40を駐車させる装置である。
図1に示す例では、鞍乗型車両40は、オンロード型の自動二輪車である。なお、本発明の実施形態に係る鞍乗型車両40は、ここで例示するオンロード型の電動二輪車に限定されない。本発明の実施形態に係る鞍乗型車両は、いわゆるスクータ型、オフロード型、モペット型等の他の型式の電動二輪車であってもよい。鞍乗型車両を走行させる駆動源は内燃機関であってもよいし、電動モータであってもよいし、内燃機関と電動モータとを組み合わせたハイブリッドシステムであってもよい。また、本発明の実施形態に係る鞍乗型車両は、乗員が跨って乗車する任意の車両を意味し、二輪車に限定されない。鞍乗型車両40は、車体を傾けることによって進行方向を変える型式の三輪車等であってもよい。また、鞍乗型車両40は、自転車であってもよい。鞍乗型車両40は、例えば、停止時にそれ自身では自立しない車両である。
以下の説明において、特に断らない限り、前、後、左、右、上、下は、それぞれ駐車装置1に駐車した自動二輪車40のシートに着座した乗員から見た前、後、左、右、上、下を意味するものとする。上、下は、自動二輪車40が水平面上に直立した状態にあるときの鉛直方向の上、下を意味する。図面に付した符号F、Re、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を示している。
図1に示す駐車装置1は、駐車装置1の左方に配置された左基台10、駐車装置1の右方に配置された右基台20、駐車装置1の前側に配置された前方基台30を備える。
左基台10には、左基台10に対して左右方向に移動可能なアーム12が設けられている。右基台20には、右基台20に対して左右方向に移動可能なアーム22が設けられている。アーム12および22は、駐車時に自動二輪車40を支持する。
前方基台30は、駐車装置1内に位置する自動二輪車40に対向する壁31を備える。前方基台30は壁31を支持するダンパー32を備える。ダンパー32は前後方向に伸縮可能であり、これにより壁31は前後方向に移動可能である。駐車装置1がダンパー32を備えることにより、駐車装置1内に侵入した自動二輪車40の前輪41が壁31に接触した場合でも、その衝撃を小さくすることができる。前方基台30は、レール35に沿って左右方向に移動可能である。自動二輪車40の発進時には、前方基台30を左右いずれかの方向に移動させることにより、自動二輪車40は前進することができる。
アーム12は、その右端部に接触部材11およびダンパー13f、13rを備える。アーム22は、その左端部に接触部材21およびダンパー23f、23rを備える。自動二輪車40の駐車時には、アーム12の接触部材11またはアーム22の接触部材21が自動二輪車40に接触する。接触部材11、21は、例えばゴムなどの弾性材料を有する。接触部材11、21が弾性を有することで、アーム12、22が自動二輪車40に接触したときの衝撃を和らげるクッションの役割を果たすことができる。また、接触部材11、21の端部は丸みを帯びた形状を有する。これにより、接触部材11、21が自動二輪車
40のボディに引っ掛かることを抑制することができる。
アーム12のダンパー13f、13rは互いに独立して伸縮可能である。また、アーム22のダンパー23f、23rは互いに独立して伸縮可能である。これにより、自動二輪車40が前後方向に対して斜めに進入してきて停車した場合でも、接触部材11、21は自動二輪車40のボディ形状に追従した方向を向いた状態で自動二輪車40を支持することができる。
図2は、後方から見た駐車装置1を示す背面図である。分かり易く説明するために、左基台10および右基台20の内部を透かして示している。また、自動二輪車40を透かして示している。
左基台10は、アーム12を移動させるアクチュエータ50Lを備える。右基台20は、アーム22を移動させるアクチュエータ50Rを備える。アクチュエータ50L、50Rは、例えば、アーム12、22を左右方向に移動させるリニアアクチュエータである。アクチュエータ50L、50Rの機構は任意である。図2に示すアクチュエータ50L、50Rは、機構の一例としてラック・アンド・ピニオン機構を備える。
図2に示す例では、アクチュエータ50Lは、ピニオンギア51、レール52、電動モータ54、減速機55、筐体56、車輪57を備える。ピニオンギア51、電動モータ54、減速機55、車輪57は筐体に設けられている。ラックギア53を備えるレール52は、左基台10に固定されている。車輪57はレール52に沿って転がることができる。筐体56にはアーム12が取り付けられている。
電動モータ54の回転は減速機55で減速され、ピニオンギア51に伝達される。ラックギア53と噛み合うピニオンギア51が回転することで、筐体56は左右方向に移動する。これにより、アーム12を左右方向に移動させることができる。
アクチュエータ50Lと同様に、アクチュエータ50Rは、ピニオンギア51、レール52、電動モータ54、減速機55、筐体56、車輪57を備える。ラックギア53を備えるレール52は、右基台20に固定されている。筐体56にはアーム22が取り付けられている。ラックギア53と噛み合うピニオンギア51が回転することで、筐体56は左右方向に移動する。これにより、アーム22を左右方向に移動させることができる。
図3、図4、図5は、アーム12、22が移動する様子を示す図である。駐車装置1内に自動二輪車40が位置していないとき、図3に示すように、アーム12は駐車装置1の左右方向の中心から離れた左方に位置している。アーム22は駐車装置1の左右方向の中心から離れた右方に位置している。駐車装置1内へ自動二輪車40が進入すると、図4、図5に示すように、アクチュエータ50L、50Rが動作することにより、アーム12は右方向へ移動し、アーム22は左方向へ移動する。駐車装置1内の自動二輪車40に接近したアーム12、22は、自動二輪車40に接触する前に停止する。例えば、アーム12、22は、接触部材11および21のそれぞれと自動二輪車40との間の距離が数cm(例えば3cm)の状態で停止する。駐車装置1内で停止した自動二輪車40は、左右のいずれかに傾くことにより、接触部材11、21のいずれかに接触し、支持される。
図6は、アーム12、22を示す図である。アーム12、22のそれぞれは、距離センサ17および接触センサ18を備える。アーム12が備える距離センサ17は、アーム12と自動二輪車40との間の距離の検出に用いられる。アーム12が備える接触センサ18は、アーム12と自動二輪車40との接触の有無の検出に用いられる。アーム22が備える距離センサ17は、アーム22と自動二輪車40との間の距離の検出に用いられる。
アーム22が備える接触センサ18は、アーム22と自動二輪車40との接触の有無の検出に用いられる。距離センサ17の種類は任意であり、例えば、発光ダイオードやレーザ発光素子を用いた距離センサを用いることができる。接触センサ18の種類は任意であり、例えば、変位センサ、圧力センサ、押圧により機械的にオンオフが切り替わるスイッチ素子等を用いることができる。図6に示す例では、距離センサ17および接触センサ18は、接触部材11、21に設けられている。
アーム12、22が距離センサ17を備えることにより、接触部材11および21のそれぞれと自動二輪車40との間に任意の隙間を空けた状態でアーム12、22を停止させることができる。また、アーム12、22が接触センサ18を備えることにより、自動二輪車40へのアーム12、22の接触を検出することができる。駐車装置1内を走行中の自動二輪車40にアーム12、22のいずれかが接触した場合は、接触したアームを即座に停止させることで、自動二輪車40の姿勢が乱れることを抑制することができる。
なお、アクチュエータ50L、50Rは、自動二輪車40をより確実に支持するために、機構の動きをロックするロック機構を備えていてもよい。例えばロック機構として電磁ブレーキを備えていてもよい。また、減速機55がウォームギアを備えることで、アーム12、22が車両の荷重により移動することを防止してもよい。
図7は、駐車装置1が備える制御装置60を示す図である。制御装置60は、例えば左基台10および右基台20の少なくとも一方に設けられる。制御装置60は、駐車装置1の動作を制御する。制御装置60は、マイクロコントローラ61、メモリ62を備える。メモリ62は、駐車装置1の各部の動作を制御するための手順を規定したコンピュータプログラムを格納している。マイクロコントローラ61は、メモリ62からコンピュータプログラムを読み出して各種制御を行う。アクチュエータ50L、50Rを駆動させるドライバ回路は制御装置60が備えていてもよいし、アクチュエータ50L、50Rのそれぞれが備えていてもよい。また、マイクロコントローラ61、メモリ62は、アクチュエータ50L、50Rのそれぞれが備えていてもよい。
制御装置60には、各種センサの出力信号が入力される。図1を参照して、駐車装置1は、駐車装置1へ進入する自動二輪車40の走行速度の検出に用いられる速度センサ26を備える。図1に示す例では、速度センサ26は、光電管スイッチ26f、26rである。速度センサ26の種類は任意であり、例えば、ミリ波レーダ、超音波ソナー等の方式のセンサを用いることができる。また、速度センサ26としてカメラを用い、撮像した自動二輪車40の映像の変化から速度を求めてもよい。
図1に示す例では、光電管スイッチ26f、26rは右基台20の後方に設けられている。光電管スイッチ26fは光電管スイッチ26rよりも前方に設けられている。前後方向における光電管スイッチ26fと光電管スイッチ26rとの間の距離は予め定められている。自動二輪車40は、駐車装置1の後方から駐車装置1に進入する。制御装置60は、走行する自動二輪車40が光電管スイッチ26rの位置に到達してから、光電管スイッチ26fの位置に到達するまでの時間を測定することで、自動二輪車40の走行速度を演算することができる。また、光電管スイッチを前後方向に沿って3個以上配置した場合は、自動二輪車40の加速度(減速度)を演算することができる。
図1を参照して、駐車装置1は、駐車装置1へ進入する自動二輪車40の左右方向の進入位置の検出に用いられる位置センサ15、25を備える。図1に示す例では、位置センサ15、25は、テープスイッチである。位置センサの種類は任意であり、例えば、発光ダイオードやレーザ発光素子を用いた位置センサを用いることができる。また、位置センサとしてカメラを用い、撮像した自動二輪車40の映像から進入位置を求めてもよい。
図1に示す例では、テープスイッチ15、25は駐車装置1の後方に設けられている。テープスイッチ15は駐車装置1の左右方向の中心よりも左方に位置している。テープスイッチ25は駐車装置1の左右方向の中心よりも右方に位置している。左右方向において、テープスイッチ15とテープスイッチ25との間には隙間が空いている。
駐車装置1の左右方向の中心に対して、自動二輪車40が左にずれて進入してきた場合、自動二輪車40の前輪41はテープスイッチ15を踏むことになる。荷重がかかったテープスイッチ15はオン状態となり、制御装置60に信号が出力される。一方、駐車装置1の左右方向の中心に対して、自動二輪車40が右にずれて進入してきた場合、自動二輪車40の前輪41はテープスイッチ25を踏むことになる。荷重がかかったテープスイッチ25はオン状態となり、制御装置60に信号が出力される。自動二輪車40の進入位置が、駐車装置1の左右方向における概ね中心付近であった場合、自動二輪車40の前輪41はテープスイッチ15、25のいずれも踏まないので、テープスイッチ15、25から信号は出力されない。マイクロコントローラ61は、テープスイッチ15、25それぞれからの信号の有無に応じて、自動二輪車40の進入位置を検出することができる。
図7中のマイクロコントローラ61の内部は、マイクロコントローラ61の機能ブロックを示している。マイクロコントローラ61は、アーム12、22を移動させる速度を設定する。マイクロコントローラ61は、例えば、自動二輪車40の進入速度、進入位置から、駐車装置1内の自動二輪車40が停止する位置を推定する。その推定した停止位置に応じて、アクチュエータ50L、50Rが動作を開始するタイミングおよび移動速度を設定する。
また、マイクロコントローラ61は、アーム12、22を停止させる制御を行う。アーム12、22が自動二輪車40に対して所定の距離まで近づくと、マイクロコントローラ61は、アクチュエータ50L、50Rを減速させる。マイクロコントローラ61は、アクチュエータ50L、50Rの動作量から、アーム12とアーム22との間の距離を演算する。マイクロコントローラ61は、アーム12とアーム22との間の距離が所定値以下になった場合、アーム12およびアーム22の移動を停止させる。アーム12またはアーム22が自動二輪車40に接触した場合は、マイクロコントローラ61は、接触したアームの移動を即座に停止させる。
図8、図9は、アクチュエータ50L、50Rの動作を制御する処理を示すフローチャートである。図10は、各種センサの出力信号に応じたアクチュエータ50L、50Rの制御を示すタイミングチャートである。図11から図15は、駐車装置1内への自動二輪車40の進入に応じて、アーム12、22が移動する様子を示す図である。
図10(a)から図10(l)のそれぞれの横軸は時刻を示している。図10(a)の縦軸は、左方に配置された位置センサ(例えばテープスイッチ15)の出力信号を示している。図10(b)の縦軸は、右方に配置された位置センサ(例えばテープスイッチ25)の出力信号を示している。図10(c)の縦軸は、光電管スイッチ26rの出力信号を示している。図10(d)の縦軸は、光電管スイッチ26fの出力信号を示している。図10(e)の縦軸は、アクチュエータ50Lの駆動信号を示している。図10(f)の縦軸は、アクチュエータ50Rの駆動信号を示している。図10(g)の縦軸は、アーム12が備える距離センサ17の出力信号を示している。図10(h)の縦軸は、アーム22が備える距離センサ17の出力信号を示している。図10(i)の縦軸は、アーム12が備える接触センサ18の出力信号を示している。図10(j)の縦軸は、アーム22が備える接触センサ18の出力信号を示している。図10(k)の縦軸は、アクチュエータ50Lの設定速度を示している。図10(l)の縦軸は、アクチュエータ50Rの設定速度
を示している。
図11は、駐車装置1内へ自動二輪車40が進入し始めた状態を示している。図8に示す処理の例では、まず駐車装置1の左右方向における自動二輪車40の進入位置を検出する(ステップS11)。自動二輪車40の進入位置は、テープスイッチ15、25を用いて検出することができる。
駐車装置1の左右方向の中心に対して、自動二輪車40が左に偏って進入してきた場合、マイクロコントローラ61は、アクチュエータ50Lの移動速度を低速に設定する(ステップS12)。これにより、駐車装置1内を左に偏って走行中の自動二輪車40とアーム12とが接触することを抑制することができる。
駐車装置1の左右方向の中心に対して、自動二輪車40が右に偏って進入してきた場合、マイクロコントローラ61は、アクチュエータ50Rの移動速度を低速に設定する(ステップS14)。これにより、駐車装置1内を右に偏って走行中の自動二輪車40とアーム22とが接触することを抑制することができる。
自動二輪車40の進入位置が、駐車装置1の左右方向における概ね中心付近であった場合、テープスイッチ15、25はON状態にならない。この場合、マイクロコントローラ61は、アクチュエータ50L、50Rの移動速度を基準速度に設定する(ステップS13)。基準速度の大きさは、低速設定時よりも大きい。図10(a)、図10(b)に示す例では、自動二輪車40の進入位置は概ね中心であり、テープスイッチ15、25はON状態になっていない。
図10に示す時刻t1において、自動二輪車40が前後方向における光電管スイッチ26rの位置に到達すると、光電管スイッチ26rはONになる(出力信号がHiになる)。時刻t2において、図12に示すように自動二輪車40が光電管スイッチ26fの位置に到達すると、光電管スイッチ26fはONになる(出力信号がHiになる)。マイクロコントローラ61は、光電管スイッチ26rがONになってから光電管スイッチ26fがONになるまでの時間から、自動二輪車40の走行速度を演算する(ステップS15)。例えば、自動二輪車40は、15km/hの速度で駐車装置1内に進入する。このとき、自動二輪車40は、例えば、内燃機関の駆動をオフにし、変速機の変速段がローギアである状態で進入する。このような車両状態での減速度に関するデータをメモリ62は予め記憶している。マイクロコントローラ61は、自動二輪車40の走行速度と、減速度に関するデータとから、自動二輪車40が停止する位置を推定することができる。
マイクロコントローラ61は、自動二輪車40の走行速度が所定の速度以上である場合(高速の場合)は、アクチュエータ50L、50Rの移動を標準のタイミングで開始する。所定の速度は例えば15km/hであるが、この値に限定されない。自動二輪車40の走行速度が所定の速度未満である場合(低速の場合)は、アクチュエータ50L、50Rの移動を開始するタイミングを遅らせる(ステップS16)。これにより、駐車装置1内を走行中の自動二輪車40とアーム12、22とが接触することを抑制することができる。
上記処理により、アクチュエータ50L、50Rの移動を開始するタイミングおよび移動速度が決定する(ステップS17)。図10に示す例では、時刻t3において、アクチュエータ50L、50Rは移動を開始し、移動速度は基準速度である。図13、図14は、アーム12が自動二輪車40の左方向から自動二輪車40へ接近し、アーム22が自動二輪車40の右方向から自動二輪車40へ接近している様子を示している。
図9は、アクチュエータ50L、50Rを停止させる処理の一例を示している。図9に示す処理は、アクチュエータ50L、50Rのそれぞれに対して互いに独立して実行され得る。ステップS21において、マイクロコントローラ61は、接触センサ18の出力信号を用いて、自動二輪車40へのアーム12、22の接触の有無を判定する。アーム12、22の少なくとも一方が自動二輪車40に接触したことが検出された場合、マイクロコントローラ61は、接触したアームを移動させるアクチュエータを停止させる(ステップS25)。自動二輪車40に接触したアームが移動し続けた場合、自動二輪車40の姿勢が乱れることが発生し得る。接触を検出した場合は、該当するアームの移動を停止させることで、自動二輪車40の姿勢が乱れることを抑制することができる。
接触が検出されない場合、マイクロコントローラ61は、アクチュエータ50L、50Rの動作量から、アーム12とアーム22との間の距離を演算する(ステップS22)。アーム12とアーム22との間の距離が所定値未満である場合、マイクロコントローラ61は、アクチュエータ50L、50Rを停止させる(ステップS25)。アーム12とアーム22との間の隙間が狭くなりすぎないようにすることで、駐車装置1内を走行中の自動二輪車40とアーム12、22とが接触することを抑制することができる。
アーム12とアーム22との間の距離が所定値以上である場合、マイクロコントローラ61は、距離センサ17の出力信号を用いて、アーム12、22と自動二輪車40との間の距離を検出する(ステップS23)。
検出した距離が、例えば、図10に示す減速用の閾値以上である場合、ステップS21の処理に戻る。検出した距離が、減速用の閾値未満である場合、該当するアームを移動させるアクチュエータの減速を開始する(ステップS24、時刻t4)、そして、検出した距離が、図10に示す停止用の閾値未満になると、アクチュエータを停止させる(ステップS25、時刻t5)。
図15に示すように、マイクロコントローラ61は、アーム12、22が自動二輪車40に接触する前にアクチュエータ50L、50Rを停止させる。例えば、接触部材11および21のそれぞれと自動二輪車40との間の距離が数cm(例えば3cm)の状態で、アクチュエータ50L、50Rを停止させる。駐車装置1内で停止した自動二輪車40は、左右のいずれかに傾くことにより、接触部材11、21のいずれかに接触し、支持される。自動二輪車40は、停止後に左右のどちらに傾いてもアーム12、22により支持され、倒れることなく立った姿勢で停止状態を維持することができる。これにより、サイドスタンド、センタースタンド、アウトリガー等の自動二輪車40を自立させるための機構を用いなくても、自動二輪車40を駐車させることができる。
図8に示す例では、検出した自動二輪車40の進入位置に応じて、アクチュエータ50Lまたは50Rの移動速度を低速に設定していたが、進入位置に応じて、アクチュエータ50Lまたは50Rの移動を開始するタイミングを遅らせてもよい。また、図8に示す例では、検出した自動二輪車40の速度が小さい場合は、アクチュエータ50L、50Rの動作を開始するタイミングを遅らせていたが、アクチュエータ50L、50Rの移動速度を小さくしてもよい。これにより、駐車装置1内を走行中の自動二輪車40とアーム12、22とが接触することを抑制することができる。
次に、図16を用いて、駐車装置1の別の動作の例を説明する。図16は、自動二輪車40が駐車装置1の左右方向において左に偏って進入した後、右にロールした場合の駐車装置1の動作例を示している。
図16(a)から図16(l)のそれぞれの横軸は時刻を示している。図16(a)の
縦軸は、左方に配置された位置センサ(例えばテープスイッチ15)の出力信号を示している。図16(b)の縦軸は、右方に配置された位置センサ(例えばテープスイッチ25)の出力信号を示している。図16(c)の縦軸は、光電管スイッチ26rの出力信号を示している。図16(d)の縦軸は、光電管スイッチ26fの出力信号を示している。図16(e)の縦軸は、アクチュエータ50Lの駆動信号を示している。図16(f)の縦軸は、アクチュエータ50Rの駆動信号を示している。図16(g)の縦軸は、アーム12が備える距離センサ17の出力信号を示している。図16(h)の縦軸は、アーム22が備える距離センサ17の出力信号を示している。図16(i)の縦軸は、アーム12が備える接触センサ18の出力信号を示している。図16(j)の縦軸は、アーム22が備える接触センサ18の出力信号を示している。図16(k)の縦軸は、アクチュエータ50Lの設定速度を示している。図16(l)の縦軸は、アクチュエータ50Rの設定速度を示している。
自動二輪車40が左に偏って駐車装置1に進入した場合、時刻t10においてテープスイッチ15はONになる(出力信号がHiになる)。マイクロコントローラ61は、アクチュエータ50Lの移動速度を低速に設定する(図8のステップS12)。また、この例では、アクチュエータ50Lの移動を開始するタイミングを遅らせる。
時刻t11、t12において光電管スイッチ26r、26fが順次ONになり、マイクロコントローラ61は、自動二輪車40の走行速度を演算する。時刻t13においてアクチュエータ50Rは移動を開始し、時刻t14においてアクチュエータ50Lは移動を開始する。時刻t15において、アーム22と自動二輪車40の間の距離が、減速用の閾値未満になると、アクチュエータ50Rの減速を開始する。
この例では、自動二輪車40は右にロールして、時刻t16においてアーム22に接触する。接触によりアーム22が備える接触センサ18はONになる(出力信号がHiになる)。接触センサの出力信号に応じて、マイクロコントローラ61は、アクチュエータ50Rの移動を即座に停止させる。時刻t17において、アーム12と自動二輪車40の間の距離が、減速用の閾値未満になると、アクチュエータ50Lの減速を開始し、時刻t18でアクチュエータ50Lを停止させる。
このように、本実施形態の駐車装置1では、自動二輪車40の進入位置および姿勢が乱れた場合でも、その状態に応じた適切なタイミングおよび速度でアーム12、22を移動させ、自動二輪車40が停止した位置において自動二輪車40を支持することができる。
上記の例では、駐車装置1は2本のアーム12、22を備えていたが、いずれか一方のみを備えていてもよい。例えば、自動二輪車40が停止時に左方向のみに倒れるように設定されている形態においては、アーム22は省略されてもよい。また、例えば、自動二輪車40が停止時に右方向のみに倒れるように設定されている形態においては、アーム12は省略されてもよい。
上記の例では、自動二輪車40を支持するアームとして、左右方向に延びる棒形状を有するアーム12および22を例示した。自動二輪車40を支持することが可能な構造であれば、アームの種類は任意である。例えば、自動二輪車40を支持するアームはロボットアームであってもよい。
図17から図20は、アーム12および22の代わりにロボットアーム212および222を備えた駐車装置1を示す図である。図17は、自動二輪車40が配置されていない駐車装置1の斜視図である。図18は、自動二輪車40が配置されている駐車装置1の斜視図である。図19は駐車装置1の上面図であり、図20は駐車装置1の背面図である。
ロボットアーム212は左基台10に設けられ、ロボットアーム222は右基台20に設けられている。この例では、ロボットアーム212、222のそれぞれは、複数の関節を有する。図19に示すように、ロボットアーム222の各関節には、関節を曲げ伸ばしするためのアクチュエータ250が設けられている。図示はしていないが、ロボットアーム222と同様に、ロボットアーム212の各関節にも、関節を曲げ伸ばしするためのアクチュエータ250が設けられている。アクチュエータ250の種類は任意であり、例えばアクチュエータ250は電動モータおよび減速機構を有する。ロボットアームの駆動に用いられるアクチュエータは公知であるため、ここではその詳細な説明は省略する。
ロボットアーム212には、接触部材11およびダンパー13f、13rが設けられている。ロボットアーム222には、接触部材21およびダンパー23f、23rが設けられている。マイクロコントローラ61(図7)は、アクチュエータ250を制御することで、ロボットアーム212、222を動作させ、接触部材11、21を任意の位置に移動させることができる。
図7から図16を用いて説明した動作と同様に、ロボットアーム212、222を動作させることで、駐車装置1内に進入して停止した自動二輪車40を、ロボットアーム212、222により適切に支持することができる。駐車装置1内に自動二輪車40が駐車されていないとき、ロボットアーム212は左方に位置し、接触部材11は駐車装置1の左右方向の中心から離れている。また、ロボットアーム222は右方に位置し、接触部材21は駐車装置1の左右方向の中心から離れている。駐車装置1内へ自動二輪車40が進入すると、マイクロコントローラ61は、アクチュエータ250を制御することで、ロボットアーム212、222を動作させる。ロボットアーム212、222の動作により、接触部材11は右方向へ移動し、接触部材21は左方向へ移動する。接触部材11、21が自動二輪車40に接触する前に、ロボットアーム212、222を停止させる。駐車装置1内で停止した自動二輪車40は、左右のいずれかに傾くことにより、接触部材11、21のいずれかに接触し、支持される。自動二輪車40は、停止後に左右のどちらに傾いてもロボットアーム212、222により支持され、倒れることなく立った姿勢で停止状態を維持することができる。これにより、サイドスタンド、センタースタンド、アウトリガー等の自動二輪車40を自立させるための機構を用いなくても、自動二輪車40を駐車させることができる。
また、ロボットアーム212、222は3次元の動きが可能であるため、接触部材11、21の上下方向の位置および前後方向の位置を調整することができる。これにより、駐車装置1に進入する自動二輪車40に対して、より適切な位置に接触部材11、21を移動させることができる。
上記の例では、駐車装置1は2本のロボットアーム212、222を備えていたが、いずれか一方のみを備えていてもよい。例えば、自動二輪車40が停止時に左方向のみに倒れるように設定されている形態においては、ロボットアーム222は省略されてもよい。また、例えば、自動二輪車40が停止時に右方向のみに倒れるように設定されている形態においては、ロボットアーム212は省略されてもよい。
(実施形態2)
次に、鞍乗型車両の発進を補助する発進補助装置を説明する。図21は、本発明の実施形態2に係る発進補助装置100を示す斜視図である。図22は、自動二輪車40の後部を示す側面図である。図23は、自動二輪車40に設けられたスプール161L、161Rを示す図である。
本実施形態の発進補助装置100は、自動二輪車40を直立した姿勢で支持することで、自動二輪車40を駐車させることができる。また、自動二輪車40の発進時は、直立した姿勢で発進補助装置100に支持された状態を維持したまま自動二輪車40を発進させることができる。
発進補助装置100は、基台110と、ジャッキ120Lと、ジャッキ120Rと、レール130Lと、レール130Rとを備える。ジャッキ120Lは基台110の左方に設けられ、ジャッキ120Rは、基台110の右方に設けられている。
ジャッキ120L、120Rのそれぞれは、下部台121と、上部台122と、複数のアーム123を備える。下部台121、上部台122および複数のアーム123は伸縮機構を構成する。ジャッキ120L、120Rは、パンタグラフ構造を有し得る。ハンドル(不図示)をスリーブ124に差し込み、スリーブ124を回転させることで、上部台122を昇降させることができる。ジャッキの種類は任意であり、機械式ジャッキ、液体作動式ジャッキ等を用いることができる。ジャッキを昇降させる構造は公知であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
ジャッキ120Lはレール130Lを支持している。ジャッキ120Rはレール130Rを支持している。この例では、レール130Lは、ジャッキ120Lの上部台122に取り付けられている。レール130Rは、ジャッキ120Rの上部台122に取り付けられている。レール130L、130Rは前後方向に延びている。レール130Lの長手方向およびレール130Rの長手方向は互いに平行である。ジャッキ120Lの上部台122を昇降させることで、レール130Lの高さを調整することができる。ジャッキ120Rの上部台122を昇降させることで、レール130Rの高さを調整することができる。
発進補助装置100の基台110の左前方および右前方には、フォーク143が取り付けられている。フォーク143は車輪142を支持している。基台110の後方には取っ手141が取り付けられている。使用者は、取っ手141を手で持って、車輪142を接地させることで、発進補助装置100を移動させることができる。基台110の四隅には、水平調整ねじ144が設けられている。使用者は、水平調整ねじ144のそれぞれを操作して基台110の角度を調整することができる。
図23は、自動二輪車40の後部の一部を示している。図22および23を参照して、自動二輪車40は、スイングアーム43を備える。スイングアーム43には、後輪42を支持する車軸44が取り付けられている。車軸44はその両端部にねじ部175を有している。ナット174を用いて、ブラケット162L、162Rがそれらねじ部175に取り付けられている。また、ブラケット162L、162Rは、ボルト172を用いてスイングアーム43にも取り付けられている。
ブラケット162Lの下部には、ボルト171とナット173を用いて、スプール161Lが取り付けられている。ブラケット162Rの下部には、ボルト171とナット173を用いて、スプール161Rが取り付けられている。スプールは、アンカーとも称される。この例では、スプール161L、161Rのそれぞれは、1つ以上のボールベアリング164と、フランジ165を備える。ボルト171は、ボールベアリング164およびフランジ165を貫通している。ボールベアリング164はボルト171を中心に回転可能である。フランジ165もボルト171を中心に回転可能であってもよい。この例では、ブラケット162L、162Rの底部163はフランジの役割を果たし得る。
自動二輪車40を駐車させるときは、発進補助装置100の前方から自動二輪車40の後輪42を進入させる。後輪42は、ジャッキ120Lとジャッキ120Rとの間を通っ
て、発進補助装置100の後方へ進む。このとき、スプール161Lはレール130Lの上に乗り、スプール161Rはレール130Rの上に乗る。スプール161L、161Rは、レール130L、130Rの長手方向に沿って移動する。このとき、スプール161L、161Rのボールベアリング164が回転することで、スプール161L、161Rとレール130L、130Rとの間の摩擦抵抗を小さくすることができる。ブラケット162L、162Rの底部163およびフランジ165は、スプール161L、161Rがレール130L、130Rから外れることを抑制する。
レール130Lは、その後方部にスプール161Lが嵌る窪み131Lを有している。レール130Rは、その後方部にスプール161Rが嵌る窪み131Rを有している。スプール161L、161Rが窪み131L、131Rに嵌る位置で自動二輪車40を停止させる。スプール161L、161Rを窪み131L、131Rに嵌めることで、駐車中に自動二輪車40の位置がずれることを抑制することができる。図24は、スプール161L、161Rが窪み131L、131Rに嵌った状態で駐車されている自動二輪車40を示す図である。レール130L、130Rがスプール161L、161Rを支持することで、発進補助装置100は、自動二輪車40を直立した姿勢で駐車させることができる。
本実施形態の発進補助装置100は、ジャッキ120L、120Rを備え、レール130L、130Rの高さをそれぞれ独立して調整することができる。レール130L、130Rの高さをそれぞれ独立して調整可能であることにより、発進補助装置100が設置される地面が傾いている場合でも、レール130L、130Rの高さを揃えることができる。すなわち、レール130L、130Rに乗ったスプール161L、161Rの高さを揃えることができる。これにより、自動二輪車40を直立した姿勢で駐車させることができる。
レール130L、130Rは、ダンパーを介して上部台122に取り付けられていてもよい。ダンパーが伸縮することで、スプール161L、161Rの進入位置がずれた場合でも、スプール161L、161Rの位置にレール130L、130Rを追従させることができる。
自動二輪車40のメンテナンスを行う場合は、ジャッキ120L、120Rを操作して、レール130L、130Rの位置を高くすることで、後輪42を地面から浮かせることができる。このとき、例えば、図25に示すような冶具150を用いると、ジャッキ120L、120Rを同時に同じ長さだけ昇降させることができる。冶具150は例えばラチェット機構を有する。冶具150にハンドルを装着し、冶具150の2本のロッド151のそれぞれを、ジャッキ120L、120Rのスリーブ124に差し込む。ハンドルを操作してスリーブ124を回転させることで、ジャッキ120L、120Rを同時に同じ長さだけ昇降させることができる。
また、レール130L、130Rの高さを調整することで、自動二輪車40の後輪42を浮かせることなく接地した状態で駐車することができる。この場合、自動二輪車40の発進時は、直立した姿勢で発進補助装置100に支持された状態を維持したまま自動二輪車40を発進させることができる。
自動二輪車40の発進時に、接地している自動二輪車40の後輪42が回転すると、スプール161L、161Rはレール130L、130Rの長手方向に沿って移動する。このとき、スプール161L、161Rのボールベアリング164が回転することで、スプール161L、161Rとレール130L、130Rとの間の摩擦抵抗を小さくすることができる。図26は、発進補助装置100から発進して前進する自動二輪車40を示して
いる。
また、本実施形態の発進補助装置100では、図21に示すように、レール130L、130Rの前方部132はテーパー形状を有している。レール130L、130Rがテーパー形状を有することで、自動二輪車40の駐車時および発進時に、スプール161L、161Rとレール130L、130Rの前方部132とが干渉することを抑制することができる。なお、本実施形態において、穏やかに丸みを帯びた形状(穏やかなR形状)もテーパー形状の意味に含まれるとする。また、平坦な形状とテーパーとを組み合わせた形状もテーパー形状の意味に含まれるとする。
以上、本発明の例示的な実施形態を説明した。
上述したように、本発明の実施形態に係る鞍乗型車両40を駐車させる駐車装置1は、鞍乗型車両40を支持するアーム12、22と、アーム12、22の位置を移動させるアクチュエータ50L、50Rと、アクチュエータ50L、50Rの動作を制御する制御装置60とを備える。制御装置60は、駐車装置1への鞍乗型車両40の進入に応じて、アクチュエータ50L、50Rを制御してアーム12、22を鞍乗型車両40へ接近させる。
駐車装置1への鞍乗型車両40の進入に応じて、鞍乗型車両40を支持するアーム12、22を鞍乗型車両40へ接近させる。鞍乗型車両40は、アーム12、22で支持されることで、倒れることなく立った姿勢で停止状態を維持することができる。これにより、サイドスタンド、センタースタンド、アウトリガー等の鞍乗型車両40を自立させるための機構を用いなくても、鞍乗型車両40を駐車させることができる。
ある実施形態において、駐車装置1は、駐車装置1へ進入する鞍乗型車両40の走行速度の検出に用いられる速度センサ26を備える。制御装置60は、検出した鞍乗型車両40の走行速度に応じて、アーム12、22の移動を開始するタイミングを変更する。
鞍乗型車両40の走行速度に応じてアーム12、22の移動を開始するタイミングを変更する。これにより、駐車装置1内を走行中の鞍乗型車両40とアーム12、22とが接触することを抑制するとともに、鞍乗型車両40が停止したタイミングではアーム12、22を鞍乗型車両40に十分に接近させることができる。
ある実施形態において、制御装置60は、検出した鞍乗型車両40の速度が小さい場合は、大きい場合よりもアーム12、22の移動を開始するタイミングを遅らせる。
これにより、駐車装置1内を走行中の鞍乗型車両40とアーム12、22とが接触することを抑制するとともに、鞍乗型車両40が停止したタイミングではアーム12、22を鞍乗型車両40に十分に接近させることができる。
ある実施形態において、駐車装置1は、駐車装置1へ進入する鞍乗型車両40の走行速度の検出に用いられる速度センサ26を備える。制御装置60は、検出した鞍乗型車両40の走行速度に応じて、アーム12、22の移動速度を変更する。
鞍乗型車両40の走行速度に応じてアーム12、22の移動速度を変更する。これにより、駐車装置1内を走行中の鞍乗型車両40とアーム12、22とが接触することを抑制するとともに、鞍乗型車両40が停止したタイミングではアーム12、22を鞍乗型車両40に十分に接近させることができる。
ある実施形態において、制御装置60は、検出した鞍乗型車両40の速度が小さい場合は、大きい場合よりもアーム12、22の移動速度を小さくする。
これにより、駐車装置1内を走行中の鞍乗型車両40とアーム12、22とが接触することを抑制するとともに、鞍乗型車両40が停止したタイミングではアーム12、22を鞍乗型車両40に十分に接近させることができる。
ある実施形態において、駐車装置1は、アーム12、22の鞍乗型車両40への接触の有無の検出に用いられる接触センサ18を備える。制御装置60は、アーム12、22の鞍乗型車両40への接触を検出した場合は、アーム12、22の移動を停止させる。
アーム12、22が鞍乗型車両40へ接触した後もアーム12、22が移動し続けた場合、鞍乗型車両40の姿勢が乱れることが発生し得る。アーム12、22が鞍乗型車両40に接触した場合はアーム12、22の移動を停止させることで、鞍乗型車両40の姿勢が乱れることを抑制することができる。
ある実施形態において、駐車装置1は、アーム12、22と鞍乗型車両40との間の距離の検出に用いられる距離センサ17を備える。制御装置60は、アーム12、22と鞍乗型車両40との間の距離が所定値未満になると、アーム12、22の移動速度を小さくする。
これにより、駐車装置1内を走行中の鞍乗型車両40とアーム12、22とが接触することを抑制することができる。
ある実施形態において、アクチュエータ50Lはアーム12を移動させ、アクチュエータ50Rはアーム22を移動させる。制御装置60は、アクチュエータ50Lを制御してアーム12を鞍乗型車両40の左方向から鞍乗型車両40へ接近させ、アクチュエータ50Rを制御してアーム22を鞍乗型車両40の右方向から鞍乗型車両40へ接近させる。
駐車装置1への鞍乗型車両40の進入に応じて、鞍乗型車両40の左方向および右方向の両方からアーム12、22を鞍乗型車両40へ接近させる。鞍乗型車両40は、停止後に左右のどちらに傾いてもアーム12、22により支持され、倒れることなく立った姿勢で停止状態を維持することができる。これにより、サイドスタンド、センタースタンド、アウトリガー等の鞍乗型車両40を自立させるための機構を用いなくても、鞍乗型車両40を駐車させることができる。
ある実施形態において、駐車装置1は、駐車装置1への鞍乗型車両40の進入位置の検出に用いられる位置センサ15、25を備える。制御装置60は、検出した鞍乗型車両40の進入位置に応じて、アーム12およびアーム22の移動速度または移動を開始するタイミングをそれぞれ設定する。
鞍乗型車両40の進入位置に応じてアーム12、22の移動速度または移動を開始するタイミングをそれぞれ設定する。これにより、駐車装置1内を走行中の鞍乗型車両40とアーム12、22とが接触することを抑制するとともに、鞍乗型車両40が停止したタイミングではアーム12、22を鞍乗型車両40に十分に接近させることができる。
ある実施形態において、検出した鞍乗型車両40の進入位置が、駐車装置1の右側よりも左側に偏っている場合、制御装置60は、アーム22よりもアーム12の移動速度を小さくする、または、アーム22よりもアーム12の移動を開始するタイミングを遅らせる。
これにより、駐車装置1内を走行中の鞍乗型車両40とアーム12とが接触することを抑制するとともに、鞍乗型車両40が停止したタイミングではアーム12、22を鞍乗型車両40に十分に接近させることができる。
ある実施形態において、制御装置60は、アクチュエータ50Lおよびアクチュエータ50Rの動作量に基づいて、アーム12とアーム22との間の距離を演算する。制御装置60は、アーム12とアーム22との間の距離が所定値未満になった場合、アーム12およびアーム22の移動を停止させる。
アーム12とアーム22との間の距離が所定値未満になった場合、アーム12、22の移動を停止させる。アーム12とアーム22との間の隙間が狭くなりすぎないようにすることで、駐車装置1内を走行中の鞍乗型車両40とアーム12、22とが接触することを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る発進補助装置100は、鞍乗型車両40が有するスプール161Lが乗るレール130Lと、鞍乗型車両40が有するスプール161Rが乗るレール130Rと、レール130Lを支持するジャッキ120Lと、レール130Rを支持するジャッキ120Rとを備える。ジャッキ120Lによりレール130Lの高さが調整可能である。ジャッキ120Rによりレール130Rの高さが調整可能である。
スプール161L、161Rは例えば鞍乗型車両40の後輪42の左方および右方に取り付けられる。発進補助装置100は、ジャッキ120L、120Rを備え、レール130L、130Rの高さをそれぞれ独立して調整することができる。レール130L、130Rの高さをそれぞれ独立して調整可能であることにより、発進補助装置100が設置される地面が傾いている場合でも、レール130L、130Rの高さを揃えることができる。すなわち、レール130L、130Rに乗ったスプール161L、161Rの高さを揃えることができる。これにより、鞍乗型車両40を直立した姿勢で駐車させることができる。
また、レール130L、130Rの高さを調整することで、鞍乗型車両40の後輪42を浮かせることなく接地した状態で駐車することができる。鞍乗型車両40の発進時は、直立した姿勢で発進補助装置100に支持された状態を維持したまま鞍乗型車両40を発進させることが可能である。
鞍乗型車両40のメンテナンスを行う場合は、レール130L、130Rの位置を高くすることで、鞍乗型車両40の後輪42を地面から浮かせることができる。
ある実施形態において、レール130Lの長手方向およびレール130Rの長手方向は互いに平行である。鞍乗型車両40は、レール130L、130Rの長手方向に沿って移動可能である。
鞍乗型車両40の発進時に、接地している鞍乗型車両40の後輪42が回転すると、スプール161L、161Rはレール130L、130Rの長手方向に沿って移動する。これにより、直立した姿勢で発進補助装置100に支持された状態を維持したまま鞍乗型車両40を発進させることが可能である。
ある実施形態において、レール130Lは、スプール161Lが嵌る窪み131Lを有する。レール130Rは、スプール161Rが嵌る窪み131Rを有する。
レール130L、130Rがスプール161L、161Rが嵌る窪み131L、131Rを有することで、駐車中に鞍乗型車両40の位置がずれることを抑制することができる。
ある実施形態において、レール130Lの少なくとも一部はテーパー形状を有し、レール130Rの少なくとも一部はテーパー形状を有する。
レール130L、130Rがテーパー形状を有することで、鞍乗型車両40の駐車時および発進時に、スプール161L、161Rとレール130L、130Rとが干渉することを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明した。上述の実施形態の説明は、本発明の例示であり、本発明を限定するものではない。また、上述の実施形態で説明した各構成要素を適宜組み合わせた実施形態も可能である。本発明は、特許請求の範囲またはその均等の範囲において、改変、置き換え、付加および省略などが可能である。