JP2020056653A - マイクロ流路用感光性樹脂積層体 - Google Patents

マイクロ流路用感光性樹脂積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、流路閉塞性がなくシール性が良好であるか、かつ/又は耐水性に優れるマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体と、それをドライフィルムとして用いるマイクロ流路デバイス用シール材及びマイクロ流路デバイスとを提供することである。【解決手段】マイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体が、支持フィルムと感光性樹脂組成物層を含み、(1)感光性樹脂組成物層の膜厚が1〜15μmであり、かつ感光性樹脂組成物の70℃での溶融粘度が100,000mPa・s以下であるか、又は(2)感光性樹脂組成物層の無機性値(I)と有機性値(O)との比I/Oが1.0以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、マイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体などに関する。
一般に、マイクロ流路デバイスは、マイクロ流体工学(microfluidics)に基づいて、微小電子機械デバイス(MEMS)技術などの微細加工技術を用いて基板内に微小流路、バルブ、流体の導入口、排出口、反応容器などを作製し、作製された流路などをバイオテクノロジー研究、創薬、診断、検査又は化学工学へ応用するためのデバイスの総称である。マイクロ流路デバイスは、マイクロ流体デバイス、マイクロ流体チップ、μTAS(Micro Total Analysis Systems)、LOC(Lab on a Chip)、マイクロリアクター等とも呼ばれる。近年、慢性疾患、医師不足、在宅ヘルスケア、遠隔医療又は臨床現場即時検査(POCT)の観点から、マイクロ流路デバイスへの関心が高まっていた。
従来、マイクロ流路デバイスの製造方法は、射出成形、モールド成形及びガラスエッチングであったが、それらに代わり、フォトリソグラフィーにより流路用樹脂パターンを基板上に作り、その後、シール材を接合する方法が提案されている(特許文献1〜3)。
例えば、特許文献1には、流路パターン又は隔壁の解像度、熱安定性、耐薬品及び溶媒性特性を有し、同時に接着性、層間剥離、亀裂、クレイジング、応力及び柔軟性特性に関する性能も向上させるために、EPON(登録商標)SU−8型樹脂などのビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂(A)と、樹脂(A)とは異なるエポキシ樹脂(B)と、光酸発生剤と、溶媒とを含む永久フォトレジスト組成物が記述されており、実施例32では永久フォトレジスト組成物のドライフィルム化が試みられている。しかしながら、特許文献1にはマイクロ流路のシール材が詳述されていない。
特許文献2には、フォトリソグラフィーによるマイクロ流路形成においてDuPont PerMX3020(製品名)の20μm厚のドライフィルムを用いたり、シール材(カバーフィルム)としてEngineered Material Systems(EMS)社製の約50μm厚のDF−1050(製品名)ドライフィルムを用いたりすることが記述され、SU−8型樹脂含有フィルムも言及されている。
特許文献3には、フォトリソグラフィー後にマイクロ流路パターンを有する樹脂層がシール材との接合に十分な強度及びタックを有するという観点から、ラジカル重合性化合物(例えば、多官能(メタ)アクリレートなど)、光ラジカル発生剤、カチオン反応性化合物(例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、光カチオン発生剤、保護基を有するアミンなどを含む感光性樹脂組成物から成る樹脂層を支持体上に形成してから、紫外線露光及び現像により流路パターンを形成し、その後にシール材を載置することが記述され、かつガラス製シール材が想定されている。
特表2007−522531号公報 特表2016−529116号公報 特開2017−119340号公報
マイクロ流路のシール材には、多様な性質が求められるため、多種の材料が使用されている。本発明者らは、特に酵素結合免疫吸着法(ELISA)用マイクロ流路のシール材として、市販のシール材又は粘着剤を用いると、流路が閉塞するという問題(以下「流路閉塞」ともいう。)があることを発見した。ELISA用マイクロ流路チップの一例としては、円盤状であって、流路でつないだ複数のセル間に試料を遠心力を利用して送液するものがあり、また例えば、直径が10cm程度、流路幅、高さが数十ミクロンであり、その隔壁はアクリル樹脂の射出成型によるものがある。
また、ELISAなどのイムノアッセイにおいて、含水試料がマイクロ流路を通過すると、試験後のシール材が膨潤し、しわになることがあり得た。
それ故に、特許文献2又は3に記載のシール材は、流路閉塞又は耐水性について検討の余地がある。
以上に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、流路閉塞性がなく、シール性が良好であり、かつ/又は耐水性に優れるマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体、並びにそれをドライフィルムとして用いるマイクロ流路のシール材及びマイクロ流路デバイスを提供することである。
本発明の一態様は、支持フィルムと感光性樹脂組成物層とからなるマイクロ流路用感光性樹脂積層体であって、感光性樹脂組成物層の膜厚と溶融粘度に特徴を有するマイクロ流路用感光性樹脂積層体である。
上記課題は、本発明の以下の構成によって解決されることができる。
[1]
支持フィルムと感光性樹脂組成物層を含むマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体であって、前記感光性樹脂組成物層の膜厚が1〜15μmであり、かつ前記感光性樹脂組成物層に含まれる感光性樹脂組成物の70℃での溶融粘度が100,000mPa・秒以下であることを特徴とするマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
[2]
前記感光性樹脂組成物層の無機性値(I)と有機性値(O)との比(I/O)が、1.0以下である、項目1に記載のマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
[3]
支持フィルムと感光性樹脂組成物層を含むマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体であって、前記感光性樹脂組成物層の無機性値(I)と有機性値(O)との比(I/O)が1.0以下であることを特徴とするマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
[4]
前記感光性樹脂組成物層の膜厚が1〜15μmであり、かつ前記感光性樹脂組成物層に含まれる感光性樹脂組成物の70℃での溶融粘度が100,000mPa・秒以下である、項目3に記載のマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
[5]
前記感光性樹脂組成物層の前記支持フィルムが形成された面とは反対側の面に保護フィルムを有し、かつ前記保護フィルムがプロピレンフィルム又は離形処理されたプラスチックフィルムである、項目1〜4のいずれかに記載のマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
[6]
前記支持フィルムと前記感光性樹脂組成物層とが積層された状態で分析光が前記感光性樹脂組成物層側から入射するように測定された露光後の波長515nmおよび600nmのいずれか一方又は両方の透過率が、80%以上である、項目1〜5のいずれかに記載のマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
[7]
マイクロ流路のシール材として適用される、項目1〜6のいずれかに記載のマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
[8]
減圧状態でラミネートされる、項目1〜7のいずれかに記載のマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
本発明によれば、流路閉塞性がなく、シール性が良好なマイクロ流路デバイス用シール材及び/又は耐水性に優れるマイクロ流路デバイス用シール材又は隔壁材、それらを用いるマイクロ流路、並びにそれらを形成するための感光性樹脂積層体を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書における「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」、及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」、及びそれに対応する「メタクリレート」を意味し、そして「(メタ)アクリロイル」とは、「アクリロイル」、及びそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
また、本明細書における「上」、及び「面に形成」とは、各部材の位置関係が「直上」であることを限定する意味ではない。例えば、「支持フィルム上に配置された感光性樹脂組成物層」という表現は、支持フィルムと感光性樹脂組成物層の間に、任意の層を含む態様を除外しない。更に、本明細書における「〜」とは、特に断りがない場合、その前後に記載される数値を上限値、及び下限値として含む意味である。
<感光性樹脂積層体>
感光性樹脂積層体は、少なくとも支持フィルムと、支持フィルム上に積層される感光性樹脂組成物層とを含み、所望により、感光性樹脂組成物層上に積層される保護フィルムをさらに含んでよい。ドライフィルムレジスト又はドライフィルムフォトレジストと呼ばれる感光性フィルムも感光性樹脂積層体に含まれる。感光性樹脂積層体は、フォトリソグラフィーによるマイクロ流路の形成に使用されることができ、例えば、マイクロ流路のシール材、マイクロ流路の隔壁材などとして使用されることができる。
本発明の第一の実施形態に係るマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体は、
支持フィルムと、
膜厚1〜15μmの感光性樹脂組成物層と、
を含み、かつ感光性樹脂組成物層に含まれる感光性樹脂組成物の70℃での溶融粘度が100,000mPa・秒以下である。
理論に拘束されることを望まないが、流路閉塞の発生は、マイクロ流路を有する基板又はチップとシール材のラミネート条件に左右されることが考えられる。第一の実施形態によって、感光性樹脂組成物層の膜厚が1〜15μmの範囲内にあり、かつ感光性樹脂組成物層に含まれる感光性樹脂組成物の70℃での溶融粘度が100,000mPa・秒以下の範囲内にあると、基板又はチップとシール材のラミネートにおいて、ラミネート方向に対してシール材が追従し易くなり、流路内又は流路とシール材の間に空気が入ることが抑制されたり、マイクロ流路の閉塞が抑制されたりする傾向にあることが見出された。
感光性樹脂組成物層の膜厚は、流路閉塞の発生を抑制しながらシール性を向上させるという観点から、好ましくは2〜13μm、より好ましくは3〜10μm、さらに好ましくは4〜8μmの範囲内にある。同様の観点から、感光性樹脂組成物層に含まれる感光性樹脂組成物の70℃での溶融粘度の上限値は、好ましくは80,000mPa・秒以下、より好ましくは60,000mPa・秒以下、さらに好ましくは50,000mPa・秒以下の範囲内にある。また、感光性樹脂組成物層に含まれる感光性樹脂組成物の70℃での溶融粘度の下限値は、例えば、5000mPa・秒以上であることができる。
本発明の第二の実施形態に係るマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体は、
支持フィルムと、
無機性値(I)と有機性値(O)との比(I/O)が1.0以下である感光性樹脂組成物層と、
を含む。
無機性値(I)と有機性値(O)との比(I/O)とは、I/O値又は無機性値/有機性値とも称され、部材又は化合物の極性を有機概念的に取り扱った値であり、各官能基にパラメータを設定する官能基寄与法の一種である。
比(I/O)は、有機概念図(甲田善生著、三共出版(1984));KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725項(1957年)などの文献に詳細な説明がある。比(I/O)は、部材又は化合物の性質を、共有結合性を表す有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに大別し、有機軸及び無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置付けて示すものである。
無機性値(I)とは、有機化合物が有している種々の置換基又は結合等の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に数値化したものである。具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取れば約100℃となるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定め、この数値に基づいて各種の置換基又は各種の結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機化合物が有している置換基の無機性値(I)となる。例えば、−COOH基の無機性値(I)は150であり、2重結合の無機性値(I)は2である。したがって、或る種の有機化合物の無機性値(I)とは、化合物が有している各種置換基又は結合等の無機性値(I)の総和を意味する。
有機性値(O)とは、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準にして定めたものである。すなわち、直鎖飽和炭化水素化合物の炭素数5〜10付近で炭素1個が加わることによる沸点上昇の平均値は20℃であるから、これを基準に炭素原子1個の有機性値を20と定め、これを基礎として各種の置換基又は結合等の沸点への影響力を数値化した値が有機性値(O)となる。例えば、ニトロ基(−NO)の有機性値(O)は70である。
一般に、比(I/O)は、0に近いほど非極性(疎水性、有機性が大きい)の有機物であることを示し、他方、値が大きいほど極性(親水性、無機性が大きい)の有機物であることを示す。これに対して、第二の実施形態では、感光性樹脂組成物層の比(I/O)が1.0以下の範囲内にあると、感光性樹脂積層体の耐水性が向上する傾向にあることが見出された。比(I/O)は、感光性樹脂積層体の耐水性をさらに向上させるという観点から、その下限値が0以上、0.1以上、0.2以上又は0.3以上であることが好ましく、現像性の観点から、その上限値が1.0未満、0.9以下、0.8以下又は0.7以下であることが好ましい。
本発明の第三の実施形態に係るマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体は、
支持フィルムと、
無機性値(I)と有機性値(O)との比(I/O)が1.0以下であり、かつ膜厚が1〜15μmである感光性樹脂組成物層と、
を含み、かつ感光性樹脂組成物層に含まれる感光性樹脂組成物の70℃での溶融粘度が100,000mPa・s以下である。
第三の実施形態では、感光性樹脂組成物層の膜厚を1〜15μmの範囲内に調整し、感光性樹脂組成物層の比(I/O)を1.0以下の範囲内に調整し、かつ感光性樹脂組成物層に含まれる感光性樹脂組成物の70℃での溶融粘度を100,000mPa・s以下の範囲内に調整することによって、流路閉塞の発生が抑制され、かつシール性と耐水性を両立が達成される傾向にある。感光性樹脂組成物層の膜厚及び比(I/O)と感光性樹脂組成物の70℃での溶融粘度の好ましい範囲は、第一及び第二の実施形態について説明された範囲と同じでよい。
第一、第二及び第三の実施形態に係るマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体の構成要素について以下に説明する。
支持フィルムは、フィルムの形態で感光性樹脂組成物層を支持するものであればよい。用いられる支持フィルムとしては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが好ましい。このような支持フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。解像度の観点からヘーズ値が5以下のフィルムが好ましい。ヘーズ値3以下がより好ましく、ヘーズ値2.5以下がさらに好ましく、ヘーズ値1以下がよりさらに好ましい。支持フィルムの厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、感光性樹脂積層体の膜厚の観点又は感光性樹脂組成物層の塗工時の熱収縮を維持する観点から、10〜30μmのものが好ましく用いられる。例えば、帝人フィルム(株)製GR−19及びGR−16、三菱樹脂(株)製R310−16及びR340G16、東レポリエステルフィルム(株)製FB40(16μm膜厚)及びFB60(16μm膜厚)などを挙げる事ができる。
保護フィルムは、感光性樹脂組成物層との密着力について支持フィルムよりも保護フィルムの方が小さく、剥離可能である限り、任意のフィルムでよい。例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム等が保護フィルムとして使用することができる。また、特開昭59−202457号公報に開示されている剥離性の優れたフィルムを用いることができる。保護フィルムは、マイクロ流路デバイスの形成時に感光性樹脂積層体から剥離されるという観点から、プロピレンフィルム又は離形処理されたプラスチックフィルムであることが好ましい。同様の観点から、保護フィルムは、感光性樹脂組成物層の支持フィルムが形成された面とは反対側の面に配置されることが好ましい。
保護フィルムの膜厚は、感光性樹脂積層体の膜厚及び寸法安定性の観点から、10〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。保護フィルムの具体例として、リンテック株式会社製離形処理PETフィルム25X(膜厚25μm)、タマポリ(株)製GF−18、GF−818及びGF−858などが挙げられる。
感光性樹脂組成物層は、感光性樹脂組成物を支持フィルムに塗布及び乾燥して積層することにより形成されることができる。支持フィルムと感光性樹脂組成物層とが積層された状態で感光性樹脂積層体の露光が行われた後に、分析光が感光性樹脂組成物層側から入射するように測定された感光性樹脂積層体の波長515nmおよび600nmの透過率は、蛍光発光を抑制してマイクロ流路デバイスの発光シグナルを検出し易くするという観点から、特に、フルオレセイン系化合物の発光を検出する観点から、80%以上であることが好ましく、より好ましくは82%〜100%又は84%〜100%であり、さらに好ましくは85%〜99%である。露光後の感光性樹脂積層体の波長600nmでの透過率は、例えば、感光性樹脂組成物層から染料、顔料等の着色物質を除くことによって、80%以上の範囲内に調整されることができる。
着色物質としては、例えば、フタロシアニングリーン、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーンなど、又はロイコ染料、若しくはフルオラン染料とハロゲン化合物との組み合わせなどの発色系染料が挙げられる。
ロイコ染料としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリ−ン]、及びフルオラン染料が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、クロル化トリアジン化合物等が挙げられる。
本明細書では、「感光性樹脂組成物層から染料、顔料等の着色物質を除く」とは、感光性樹脂積層体を構成する感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、着色物質の含有量が0質量%以上0.001質量%未満であることをいう。
<感光性樹脂組成物>
感光性樹脂組成物は、感光性樹脂積層体に感光性を付与できる限り、任意の高分子及び/又はモノマーを含むことができ、所望により、光重合開始剤、その他の添加剤などをさらに含んでよい。
感光性樹脂組成物は、フォトリソグラフィーによるマイクロ流路デバイスの形成、感光性樹脂積層体と基材のラミネートなどの観点から、(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子、(b)付加重合性モノマー、及び(c)光重合開始剤を含むことが好ましい。また、感光性樹脂組成物は、それを用いて感光性樹脂組成物層をフィルム化できる限り、EPON(登録商標)SU−8型樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂などのエポキシ樹脂を含んでよい。
(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子
(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子は、α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体を重合成分としており、アルカリ可溶性高分子の酸当量が100〜600、かつ、重量平均分子量が5,000〜500,000であることが好ましい。カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子中のカルボキシル基は、感光性樹脂組成物がアルカリ水溶液から成る現像液又は剥離液に対して、現像性又は剥離性を有するために必要である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子の質量を言う。酸当量のより好ましい下限は250であり、またより好ましい上限は450である。(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子の酸当量は、現像耐性が向上し、解像度及び密着性が向上する点、さらに溶媒又は感光性樹脂組成物中の他の成分、特に後述する(b)付加重合性モノマーとの相溶性を確保するという観点から100以上が好ましく、現像性及び剥離性が向上する点から600以下が好ましい。酸当量の測定は、平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子の重量平均分子量は、5,000〜500,000が好ましい。重量平均分子量は、感光性樹脂積層体の耐水性を向上させるという観点、ラミネート時にマイクロ流路への空気の混入を抑制するという観点、感光性樹脂積層体の厚みを均一にして現像液に対する耐性を得るという観点などから5,000以上が好ましく、また、現像性を維持するという観点から500,000以下が好ましい。耐水性と現像性の両立のために、(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子の重量平均分子量の下限値は、より好ましくは、20,000以上又は40,000以上であり、その上限値は、より好ましくは、250,000以下、200,000以下、150,000以下又は100,000以下である。
本明細書における重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)の検量線を用いて測定した重量平均分子量を意味する。(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子の重量平均分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用して、以下の条件で測定することができる:
示差屈折率計:RI−1530
ポンプ:PU−1580
デガッサー:DG−980−50
カラムオーブン:CO−1560
カラム:順にKF−8025、KF−806M×2、KF−807
溶離液:THF。
(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子は、後述する第一又は第二の単量体から選択された1種以上の単量体を成分として含む(共)重合体であることが好ましい。
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を1個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステルが挙げられる。中でも、アルカリ現像性の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
第二の単量体は、非酸性であり、かつ分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有する単量体である。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、及び重合可能なスチレン誘導体が挙げられる。中でも、マイクロ流路パターンの解像度の観点から、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートから成る群から選択される少なくとも1種が好ましく、スチレンがより好ましい。
(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子は、上記の単量体を混合し、溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はイソプロパノールで希釈した溶液に、ラジカル重合開始剤、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチロニトリルを適量添加し、加熱攪拌することにより合成されることができる。混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶剤を反応物へ加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合、又は乳化重合を用いてもよい。
(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子は、第一の単量体と第二の単量体の共重合割合について、第一の単量体が10〜60質量%、第二の単量体が40〜90質量%であるものが好ましく、より好ましくは第一の単量体が15〜35質量%、第二の単量体が65〜85質量%である。
(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子のより具体的な例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸及びスチレンを共重合成分として含む重合体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸及びメタクリル酸n−ブチルを共重合成分として含む重合体、メタクリル酸、メタクリル酸ベンジル及びスチレンを共重合成分として含む重合体、メタクリル酸及びメタクリル酸ベンジルを共重合成分として含む重合体、メタクリル酸、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル及びスチレンを共重合成分として含む重合体等が挙げられる。
感光性樹脂組成物における(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは40〜60質量%の範囲内である。(a)カルボキシル基を含有するアルカリ可溶性高分子の含有量は、フォトリソグラフィーにおける感光性樹脂組成物の耐性を維持するという観点から20質量%以上が好ましく、硬化前の感光性樹脂組成物と硬化後のレジストパターンが柔軟性を有するという観点から90質量%以下が好ましい。
(b)付加重合性モノマー
(b)付加重合性モノマーは、分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物である。エチレン性不飽和結合は、末端エチレン性不飽和基であることが好ましい。また、マイクロ流路パターンの高解像性及び隔壁の形状の観点から、(b)付加重合性モノマーとして、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、多官能モノマー、アルキレンオキサイドの繰り返し単位を有するモノマー、環状モノマー及び芳香族モノマーから成る群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
本明細書では、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物とは、(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイル基に由来する炭素‐炭素不飽和二重結合とビスフェノールAに由来する−C−C(CH−C−基とを有する化合物をいう。具体例としては、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2モル単位のエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−200)又はビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モル単位のエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート(新中村化学工業(株)製NKエステルBPE−500)、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均6モル単位のエチレンオキサイドと平均2モル単位のプロピレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均15モル単位のエチレンオキサイドと平均2モル単位のプロピレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレートが挙げられる。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物以外の(b)付加重合性モノマーとしては、例えば、4−ノニルフェニルヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシプロピルアクリレートとの半エステル化合物とプロピレンオキシドとの反応物(日本触媒化学製、商品名OE−A200)、平均12モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドをさらに両端にそれぞれ平均3モル付加したグリコールのジメタクリレート、平均28モルのブチレンオキサイドを付加したポリブチレングリコールのジメタクリレート;
4−n−オクチルフェノキシペンタプロピレングリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ、テトラ又はペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート;
2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)シクロヘキシル)プロパン;
ヘキサメチレンジイソシアネートとノナプロピレングリコールモノメタクリレートとのウレタン化物等のウレタン基を含有する多官能基(メタ)アクリレート、平均28モルのブチレンオキサイドを付加したポリブチレングリコールとヘキサメチレンジアミンとから合成されるポリウレタンジオールのジメタクリレート、イソシアヌル酸エステル化合物の多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種類以上併用してもよく、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物と併用することもできる。
感光性樹脂組成物中の(b)付加重合性モノマーの含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、好ましくは5〜75質量%、より好ましくは15〜70質量%、さらに好ましくは20〜55質量%の範囲内である。(b)付加重合性モノマーの含有量は、マイクロ流路パターンの解像性又はシール材の密着性の観点から、5質量%以上であることが好ましく、感光性樹脂積層体の硬化物の柔軟性の観点から75質量%以下であることが好ましい。
(c)光重合開始剤
(c)光重合開始剤としては、感光性樹脂の光重合開始剤として通常使用されるものを適宜使用できる。例えば、ヘキサアリールビスイミダゾール(以下、トリアリールイミダゾリル二量体ともいう。)を使用することができる。
トリアリールイミダゾリル二量体としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体(以下、「2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビスイミダゾール」ともいう。)、2,2’,5−トリス−(o−クロロフェニル)−4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4’,5’−ジフェニルイミダゾリル二量体、2,4−ビス−(o−クロロフェニル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体;
2,4,5−トリス−(o−クロロフェニル)−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−クロロフェニル)−ビス−4,5−(3,4−ジメトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3−ジフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体;
2,2’−ビス−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体;
2,2’−ビス−(2,3,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体;
2,2’−ビス−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、2,2’−ビス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、及び2,2’−ビス−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス−(3−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体が挙げられる。
中でも、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体は、マイクロ流路パターンの解像性又は硬化レジスト膜の強度に対して高い効果を有するため好ましい。これらは、単独で用いてもよいし又は2種類以上組み合わせて用いてもよく、以下で説明されるアクリジン化合物、ピラゾリン化合物などと合わせて使用することもできる。
(c)光重合開始剤として、アクリジン化合物又はピラゾリン化合物を使用することもできる。アクリジン化合物としては、アクリジン、9−フェニルアクリジン、9−(4−トリル)アクリジン、9−(4−メトキシフェニル)アクリジン、9−(4−ヒドロキシフェニル)アクリジン、9−エチルアクリジン、9−クロロエチルアクリジン、9−メトキシアクリジン、9−エトキシアクリジン;
9−(4−メチルフェニル)アクリジン、9−(4−エチルフェニル)アクリジン、9−(4−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(4−n−ブチルフェニル)アクリジン、9−(4−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(4−エトキシフェニル)アクリジン、9−(4−アセチルフェニル)アクリジン、9−(4−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(4−クロロフェニル)アクリジン;
9−(4−ブロモフェニル)アクリジン、9−(3−メチルフェニル)アクリジン、9−(3−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(3−アセチルフェニル)アクリジン、9−(3−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(3−ジエチルアミノフェニル)アクリジン、9−(3−クロロフェニル)アクリジン、9−(3−ブロモフェニル)アクリジン、9−(2−ピリジル)アクリジン、9−(3−ピリジル)アクリジン、9−(4−ピリジル)アクリジンが挙げられる。中でも、9−フェニルアクリジンが望ましい。
アクリジン化合物は、感光性樹脂層の露光後の硬化性の観点からハロゲン化合物と組み合わせて用いる事が好ましい。ハロゲン化合物としては、例えば、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、クロル化トリアジン化合物等が挙げられる。中でも硬化性の観点からトリブロモメチルフェニルスルホンが好ましい。
ピラゾリン化合物としては、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリンが好ましい。
その他の光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、及び3−クロロ−2−メチルアントラキノン等のキノン類;
ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、及びエチルベンゾイン等のベンゾインエーテル類;
ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、チオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わせ、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾインオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類が挙げられる。
マイクロ流路の無色透明性を要求する場合又は蛍光発光を抑制してマイクロ流路デバイスの発光シグナルを検出し易くするという観点から、オキシム化合物が好ましい。オキシム化合物としては、例えば、BASFジャパン株式会社製Irgacure OXE01及びIrgacure OXE02、株式会社ADEKA製アデカアークルズNCI−831などを挙げることができる。
なお、上述のチオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わせとしては、例えばエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、2−クロルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、及びイソプロピルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせが挙げられる。また、N−アリールアミノ酸を用いてもよい。N−アリールアミノ酸の例としては、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン等が挙げられる。中でも、N−フェニルグリシンが特に好ましい。
感光性樹脂組成物中の(c)光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.01〜30質量%の範囲内であり、より好ましい下限値は0.05質量%以上、さらに好ましい下限値は0.1質量%以上であり、より好ましい上限値は15質量%以下、さらに好ましい上限値は10質量%以下である。(c)光重合開始剤の含有量は、露光による光重合時に十分な感度を得るという観点から0.01質量%以上であることが好ましく、光重合時に感光性樹脂組成物の底面(すなわち光源から遠い部分)にまで光を充分に透過させ、良好な解像性及び密着性を得るという観点から、30質量%以下であることが好ましい。
(d)その他の添加剤
感光性樹脂組成物には、上記(a)〜(c)の成分の他に各種の添加剤を含有させることができる。
例えば、感光性樹脂組成物の熱安定性及び保存安定性を向上させるために、ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、カルボキシベンゾトリアゾール類及びヒンダードフェノール系酸化防止剤から成る群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物を感光性樹脂組成物に含有させることが好ましい。
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミンが挙げられる。
ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾールが挙げられる。
カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、(N,N−ジブチルアミノ)カルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾールが挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、BASFジャパン社のIRGANOXシリーズ、ADEKA社のアデカスタブ(AO)シリーズなどが挙げられる。
ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、カルボキシベンゾトリアゾール類及び/又はヒンダードフェノール系酸化防止剤の合計添加量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.001〜3質量%であり、より好ましい下限値は0.05質量%以上、より好ましい上限値は1質量%以下である。この合計添加量は、感光性樹脂組成物に保存安定性を付与するという観点から0.001質量%以上が好ましく、感度を維持するという観点から3質量%以下が好ましい。
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、その他の可塑剤を含有させてもよい。このような可塑剤としては、例えば、ビスフェノールAをポリアルキレンオキシド変性した化合物を挙げることができる。
その他に、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエートなどのソルビタン誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルフォン酸アミド、p−トルエンスルフォン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチルなどの可塑剤を用いることができる。特にソルビタン誘導体及びポリアルキレングリコール類を用いることが好ましい。
感光性樹脂組成物中の可塑剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、1〜50質量%であることが好ましく、より好ましい下限は3質量%、より好ましい上限は30質量%である。現像時間の遅延を抑え、硬化膜に柔軟性を付与する観点から1質量%以上が好ましく、また硬化不足を抑える観点から50質量%以下が好ましい。
<感光性樹脂積層体の製造方法>
感光性樹脂積層体の製造方法としては、既知の方法を採用することができる。例えば、感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物を、溶剤と混合して感光性樹脂組成物調合液として準備しておいて、支持フィルムにバーコーター又はロールコーターを用いて塗布して乾燥させ、支持フィルム上に感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂組成物層を積層し、所望により、感光性樹脂組成物層上に保護フィルムをさらに積層して、感光性樹脂積層体を得ることができる。
感光性樹脂組成物調合液は、25℃での粘度が500〜4000mPa・秒となるように溶剤を添加して調合されることが好ましい。溶剤には、メチルエチルケトン、アセトン、エタノール、メタノール、プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエンなどを感光性樹脂組成物調合液の粘度、乾燥性、残存溶媒量、塗工性又は発泡性の観点から適宜選択して使用することができる。
感光性樹脂積層体は、巻芯に巻き取られて、ロールの状態で使用されることができる。また、感光性樹脂積層体は、異物の付着と保管又は輸送時の感光を抑制するという観点から、ポリエチレン製フィルムなどの遮光性シートで覆われることができる。
<マイクロ流路デバイス及びその製造方法>
第一、第二又は第三の実施形態に係る感光性樹脂積層体は、マイクロ流路デバイスの部材として使用されることができ、露光後に永久膜としてマイクロ流路デバイスに含まれることもできる。感光性樹脂積層体は、耐水性の観点からはマイクロ流路デバイスの隔壁又はシール材として好ましく、流路閉塞を抑制しながらシール性を確保するという観点からはシール材として好ましい。
感光性樹脂積層体を備えるマイクロ流路デバイスは、例えば、POCTキット、ELISA用デバイス、マイクロリアクター、電子機器の冷却器などである。中でも、ELISA用デバイスが好ましく、ポンプを使わない遠心送液に適したコンパクトディスク型μTAS(以下、「CD型ELISAデバイス」という。)がより好ましい。CD型ELISAデバイスの一例及びその製造方法を以下に説明する。
CD型ELISAデバイスは、平面視ではコンパクトディスクに類似する外形を有し、その直径が約10cm、最小流路幅が約45μm、かつ深さが約30μmである。第一、第二又は第三の実施形態に係る感光性樹脂積層体を備えるCD型ELISAデバイスは、液状物を分析するための本体と;液状物を貯留する少なくとも1つの液体槽と;液状物を検出、反応、吸着、脱離又は分解してELISA分析する少なくとも1つの分析部と;液体槽と分析部を繋いで液体槽と分析部の間に液状物を流すための少なくとも1つの流路と;を備える小型分析器である。
本体は、例えば、それを自転させ、遠心力を利用して中心から径方向外側に液状物を送液可能なコンパクトディスク型の基板である。基板は、透光性材料又は非透光性材料のいずれにより構成されていてもよく、好ましくは樹脂又はガラス等の透光性材料で形成され、より好ましくは樹脂で形成される。本明細書では、「透光性」とは、有色であるか無色であるか、および光の透過率の多寡を問わず、光を透過させることができる意味に広義に解釈される。
基板を形成する樹脂は、マイクロ流路の隔壁として適した樹脂であり、好ましくは、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等である。より好ましくは、基板の一部分又は全てが、第一、第二又は第三の実施形態に係る感光性樹脂組成物層で構成される。
基板は、中央に穴を有する円板形状を有し、平面視にて複数の分析ユニット、例えば4〜20個又は14〜16個の分析ユニットを備える。各分析ユニットは、その領域内に、上記で説明されたとおりに液状物を検出、反応、吸着、脱離又は分解してELISA分析するための少なくとも1つの分析部を備える。分析部は、本体を構成する基板の厚さ方向に貫通する貫通穴に、基板の裏面側から押し込んで嵌め込み可能に構成されることができる。
基板の表面側には、シール材が配置されることができ、好ましくは、流路閉塞の発生を抑制し、耐水性を向上させるという観点から、第一、第二又は第三の実施形態に係る感光性樹脂積層体がシール材としてラミネートされる。
CD型ELISAデバイスの製造方法は、例えば、以下の工程:
(1)基板の面上に複数の隔壁を形成して、マイクロ流路を形成する工程;
(2)基板に貫通孔を設ける工程;
(3)基板の裏面側から貫通孔を通じて分析部を嵌め込んで、分析ユニットを形成する工程;
(4)基板の表面側からシール材をラミネートする工程;
(5)所望により、マイクロ流路が形成された基板を部分的に切削して、例えばコンパクトディスク型などの外形に整える工程;及び
(6)所望により、隔壁を洗浄する工程;
を含む。各工程の順序は製造工程の効率に応じて自由に前後させることができる。
工程(1)は、例えばフォトリソグラフィーなどにより行われることができ、第一、第二又は第三の実施形態に係る感光性樹脂積層体を基板にラミネートして、露光・現像によりマイクロ流路を確定する複数の隔壁を形成することができる。
工程(4)において、第一、第二又は第三の実施形態に係る感光性樹脂積層体を基板にラミネートし、露光により硬化させて永久膜を形成することができる。具体的には、感光性樹脂積層体から保護フィルムを剥離し、支持フィルムを維持して、支持フィルム、感光性樹脂組成物層、CD型ELISA基板、CD型ELISA分析部、及び必要に応じてELISA基板の表面凹凸を一平面上に揃えるような冶具の積層順序で二軸ロールにより約0.18m/分でラミネートを行うことができる。前述の冶具は、ラミネート時にもレジストとの接着性が低い材質、例えばテフロン(登録商標)などの材質が好ましい。
工程(1)又は(4)において、CD型ELISAデバイスを構成する部材に対して、第一、第二又は第三の実施形態に係る感光性樹脂積層体をラミネートする場合には、流路閉塞の発生を抑制するという観点から、ラミネートは、好ましくは減圧状態で、より好ましくは真空度30〜70Paで、さらに好ましくは真空度40〜60Paで行われる。
<マイクロ流路のシール材>
第一、第二又は第三の実施形態に係る感光性樹脂積層体をマイクロ流路のシール材として使用する場合には、感光性樹脂積層体から支持フィルムを剥離せずに維持することができる。感光性樹脂積層体が保護フィルムを有する場合には、保護フィルムを剥離してシール材を形成することが好ましい。本技術分野では、マイクロ流路のシール材は、マイクロ流路の蓋材とも呼ばれることがある。シールされたCD型ELISAデバイスの場合には、シール材としての感光性樹脂積層体をレーザー照射で開封することにより、マイクロ流路内に試料を供給するための供給口を形成することが可能である。
以下、本発明の実施形態の具体例を説明する。
最初に実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法を説明し、次いで、得られたサンプルについての評価方法およびその評価結果を示す。
1.評価用サンプルの作製
実施例1〜6及び10〜12における評価用サンプルは次のとおりにして作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
下記表1及び2に示す組成(但し、各成分の数字は固形分としての配合量(質量部)を示す)の感光性樹脂組成物及び溶媒を十分に攪拌及び混合して感光性樹脂組成物調合液とし、支持フィルムとしての16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人フィルム(株)製、GR−16)の表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で5分間乾燥して感光性樹脂組成物層を形成した。感光性樹脂組成物層の厚みは5μmであった。
次いで、感光性樹脂組成物層のポリエチレンテレフタレートフィルムを積層していない表面上に、保護フィルムとしてリンテック株式会社製離形処理PETフィルム25X(膜厚25μm)を貼り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
表1及び2には感光性樹脂組成物調合液中の材料成分の名称、樹脂組成物調合液中の配合量、及び評価結果の一部を示す。
2.溶融粘度の測定
表1及び2に示されるとおりに得られた感光性樹脂積層体から保護フィルムを剥離し、23℃及び50%RHの環境下で1日調湿した。その後、必要量の感光性樹脂組成物層を剥離し、株式会社島津製作所製キャピラリーレオメーターCFT−500D(PC)により溶融粘度を測定し、70℃の溶融粘度を得た。測定は以下の条件で実施した。
・昇温速度(Rate)2℃/min、開始温度(StartT)40℃、終了温度(EndT)110℃、予熱温度(PreH)120℃、測定間隔(Intvl.)2℃
・測定可動範囲(Strk) max 20mm
・荷重(Load)20kg/cm(分銅 1.5kg)
・ダイ直径(Die d) 1.0mm、ダイ長(Die l) 1.0mm
また、70℃の溶融粘度は有効数字二桁で読み取った。感光性樹脂の溶融が昇温速度に対して速く、昇温途中にサンプルがシリンダー内から全て流出した場合は、測定値が得られた範囲で、縦軸を粘度、横軸を温度とした片対数プロットを行い、近似曲線を高温側へ外挿して70℃の溶融粘度を読み取った。
3.比(I/O)の算出
表1及び2で使用される各ベース樹脂(B)について、有機概念図に基づいて、無機性値(I)を算出して表1及び2に示される配合量(質量)を乗じてB(I×配合量)値を算出し、そして有機性値(O)を算出して配合量を乗じてB(O×配合量)値を算出する。
表1及び2で使用される各モノマー(M)について、有機概念図に基づいて、無機性値(I)を算出して表1及び2に示される配合量を乗じてM(I×配合量)値を算出し、そして有機性値(O)を算出して配合量を乗じてM(O×配合量)値を算出する。
全ベース樹脂(B)のB(I×配合量)値の合計値と全モノマー(M)のM(I×配合量)値の合計値とを合算して、合算値I(B+M)を得る。
全ベース樹脂(B)のB(O×配合量)値の合計値と全モノマー(M)のM(O×配合量)値の合計値とを合算して、合算値O(B+M)を得る。
(B+M)をO(B+M)で除して、I(B+M)/O(B+M)を算出して比(I/O)とする。
4.透過率の測定
表1及び2に示されるとおりに得られた感光性樹脂積層体を株式会社オーク製作所製露光機HMW−201KBにより500mJ/cm露光し、10分後、保護フィルムを剥離し、株式会社日立ハイテクサイエンス製分光光度計U−3010により透過率を測定した。分析は、支持フィルムと感光性樹脂組成物層が積層された状態で実施し、分析光(波長600nm)が感光性樹脂組成物層側から入射するような状態で測定した。
5.マイクロ流路シール性評価
表1及び2に示されるとおりに得られた感光性樹脂積層体から保護フィルムを剥離した。射出成型により、幅70μm、深さ30μm及び長さ2.5mmの流路の片側が直径5mmの円形貫通孔に接続されたアクリル樹脂製マイクロ流路を作製した。流路は1セット9本であり、15セットが円形の基板上に放射状に配置された。株式会社タカトリ製真空貼り合わせ装置を用い、真空度50Pa及び温度70℃で、表1及び2に示される感光性樹脂積層体を上記マイクロ流路に貼りつけた。貼り付け後、株式会社オーク製作所製露光機HMW−201KBにより500mJ/cmで露光し、シールを完了した。マイクロ流路のシール性を以下のようにランク分けした。
◎(著しく良好):マイクロ流路を光学顕微鏡で観察したところ、流路の閉塞なく、流路基板表面と感光性樹脂積層体との間に不必要な空気の巻き込みもなく、良好にシールすることができた。
〇(良好):流路セットの1〜3個に閉塞または空気の巻き込みがある。
△(許容):流路セットの4〜6個約に閉塞または空気の巻き込みがある
×(不良):流路セットの7個以上に閉塞または空気の巻き込みがある。
(実施例7)
実施例2で得られた感光性樹脂積層体の保護フィルムを剥離した。射出成型により、幅70μm、深さ30μm及び長さ5mmのアクリル樹脂製マイクロ流路を作製した。流路は1セット9本であり、15セットが円形の基板上に放射状に配置された。常圧式のラミネーター(大成ラミネーター株式会社製VA−400III)によって、速度0.2m/min、シリンダー圧力0.2MPa及びロール温度70℃の条件下で、実施例2の感光性樹脂積層体を上記マイクロ流路に貼りつけた。貼り付け後、株式会社オーク製作所製露光機HMW−201KBにより500mJ/cmで露光し、シールを完了した。ラミネート方向と平行に近い方向の流路の1セットに閉塞が見られた。ラミネート方向と垂直に近い方向の流路の1セットに基板表面と感光性樹脂積層体との間に不必要な空気の巻き込みが見られた。
(実施例8,9)
実施例2と実施例4において、保護フィルムを、20μm厚のポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、GF−18)に変更し、それぞれ感光性樹脂積層体(実施例8)および感光性樹脂積層体(実施例9)を得た。上記「5.マイクロ流路シール性評価」に記載の方法でマイクロ流路に実施例8と9の感光性樹脂積層体をラミネートしたところ、実施例8では実施例2と同様にラミネートが可能であった。実施例9では保護フィルム剥離時に剥離強度が高く感光性樹脂組成物層に段差が生じた。感光性樹脂組成物層の段差がラミネートされた部分のマイクロ流路には閉塞が見られた。
6.マイクロ流路発光検出性評価
表1及び2に示される感光性樹脂積層体を用いて上記「5.マイクロ流路シール性評価」に記載の方法でマイクロ流路をシールした。流路内で発光基質SuperSignalTM West Femtoを使った発光実験を行った。マイクロ流路発光検出性を以下のようにランク分けした。
◎(著しく良好):問題なく発光検出ができる。
〇(良好):発光のコントラストに影響があり検出感度が下がっている。
△(許容):発光のコントラストに大きな影響があり検出感度が下がっている。
×(不良):発光が検出できない。
7.マイクロ流路耐水性評価
表1及び2に示される感光性樹脂積層体を用いて上記「5.マイクロ流路シール性評価」に記載の方法でマイクロ流路をシールした。マイクロ流路にイオン交換水を導入し、1時間後に感光性樹脂組成物層の状態を観察して、耐水性を以下のようにランク分けした。
◎(著しく良好):シワが見られない。
〇(良好):円形貫通孔の周りにシワが見られる。
△(許容):流路の一部でシワが見られる。
×(不良):流路全体でシワが見られる。
Figure 2020056653
Figure 2020056653

Claims (8)

  1. 支持フィルムと感光性樹脂組成物層を含むマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体であって、前記感光性樹脂組成物層の膜厚が1〜15μmであり、かつ前記感光性樹脂組成物層に含まれる感光性樹脂組成物の70℃での溶融粘度が100,000mPa・秒以下であることを特徴とするマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
  2. 前記感光性樹脂組成物層の無機性値(I)と有機性値(O)との比(I/O)が、1.0以下である、請求項1に記載のマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
  3. 支持フィルムと感光性樹脂組成物層を含むマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体であって、前記感光性樹脂組成物層の無機性値(I)と有機性値(O)との比(I/O)が1.0以下であることを特徴とするマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
  4. 前記感光性樹脂組成物層の膜厚が1〜15μmであり、かつ前記感光性樹脂組成物層に含まれる感光性樹脂組成物の70℃での溶融粘度が100,000mPa・秒以下である、請求項3に記載のマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
  5. 前記感光性樹脂組成物層の前記支持フィルムが形成された面とは反対側の面に保護フィルムを有し、かつ前記保護フィルムがプロピレンフィルム又は離形処理されたプラスチックフィルムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
  6. 前記支持フィルムと前記感光性樹脂組成物層とが積層された状態で分析光が前記感光性樹脂組成物層側から入射するように測定された露光後の波長515nmおよび600nmのいずれか一方又は両方の透過率が、80%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
  7. マイクロ流路のシール材として適用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
  8. 減圧状態でラミネートされる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロ流路デバイス用感光性樹脂積層体。
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