JP2004258077A - 感光性樹脂組成物およびこれを用いた感光性樹脂積層体 - Google Patents

感光性樹脂組成物およびこれを用いた感光性樹脂積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】現像残りがなく高感度、高解像度を有し、基板に対する密着性が良好で、かつ耐エッチング性に優れ、さらに希アルカリ水溶液を用いて現像可能で、アルカリ水溶液による剥離において剥離片形状が細片となる感光性樹脂組成物および感光性樹脂積層体を提供する。
【解決手段】少なくともアルカリ可溶性樹脂(A)、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される構造単位を含む樹脂(B)、重合性モノマー(C)、光重合開始剤(D)からなることを特徴とする感光性樹脂組成物とし、さらに着色物質(E)を含んでもよい。また、上記不揮発性分を適度な濃度に希釈するために、溶剤を加えることもできる。このように調製した感光性樹脂組成物をフィルム状の可撓性を有する支持体上に積層して感光性樹脂積層体とし、ドライフィルムレジストとして用いることもできる。
【化1】
Figure 2004258077

【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、希アルカリ溶液で現像可能な感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性樹脂積層体に係り、さらに詳しくは、エッチング用フォトレジストなどに適用可能である感光性樹脂組成物に関するものであり、印刷産業、エレクトロニクス産業などにおいて広く利用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】
リードフレームの製造に代表されるフォトエッチング法を用いた金属基材加工に使用されるレジストとしては、従来スタンピング法や水溶性高分子(PVA、カゼイン等)に感光基として重クロム酸塩を添加した液状レジストが用いられてきた。ところが、近年のファインパターン化、少量多品種化により、スタンピング法では解像性の限界、金型代の高騰等の問題があり、液状レジストを用いる場合では、塗工乾燥用設備投資が大きい、均一塗工が難しい、感度が低い、また工程中に発生するクロム廃液の処理が必要である等の問題がでてきた。これらの問題点を解決するために、近年、金属基材加工用フォトレジスト分野にも、ドライフィルムレジストを用いることが多くなっている。
【0003】
エッチング用フォトレジストとして用いる場合には、高感度、高解像力で、金属基板に対する密着力、耐薬品性に優れることが必要である。また、取り扱い易さを考慮すれば保存安定性が良好であり、作業環境や自然環境を考慮すれば、有機溶媒よりも水又は希アルカリ水溶液で現像可能であることが望ましい。
【0004】
金属基板加工用レジストとして用いる場合には、基板上に、感光性樹脂組成物を塗布等により積層するか又は感光性フィルムを積層して、パターン露光した後、未露光部を現像液で除去し、用途に応じてエッチング又はめっき処理を施してパターンを形成した後、硬化部分を基板上から剥離除去する方法によって製造されている。特に、硬化レジストの剥離行程において、レジスト剥離性が不十分であると、大きなレジスト剥離片が搬送ローラーに剥離片が絡みつく、基板に再付着する、レジスト剥離時間が長くなる、また剥離液の濾過による再生が困難になるといった問題が生じる。レジスト剥離液として有機アミン系剥離剤を使用すると剥離片形状や剥離時間はともに向上するものの、臭気や廃液処理等に問題が生じるため、従来の加温した水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水系の剥離液において、剥離片の形状が小さく剥離時間の短い感光性樹脂組成物が望まれている。
【0005】
従来、アルカリ現像型感光性フィルムの剥離片を細分化するものとしては、低分子量(重量平均分子量2万以下)のアルカリ可溶性樹脂を使用する方法、親水性モノマーあるいは単官能モノマーを使用する方法、ポリエチレングリコールを有するアルカリ可溶性樹脂を使用する方法(特公昭49−44934号公報、特開平7−140650号公報等)等があるが、これらの方法では、用いるアルカリ可溶性樹脂の特性から、エッチング液又はめっき液耐性がさらに低下する問題があった。また、高分子量のアルカリ可溶性樹脂と低分子量のアルカリ可溶性樹脂を混合する方法(特許文献1参照)では、解像性に問題が残っていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−212262号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を克服し、金属基板に対する密着性が良好で、アルカリ水溶液を用いて現像可能で、現像残りがなく高解像度、高感度を有し、水溶液による剥離において剥離片形状が細片となる感光性樹脂組成物およびこれを用いた感光性樹脂積層体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく検討をした結果、感光性樹脂組成物中に下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される構造単位を含む樹脂を添加することで解像性、密着性、耐エッチング性を低下させることなく剥離において剥離片形状が細片となることを見いだし、上記課題を達成するに至った。すなわち、本願は以下の発明を提供する。
請求項1に係る第1の発明は、少なくともアルカリ可溶性樹脂(A)、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される構造単位を含む樹脂(B)、重合性モノマー(C)、光重合開始剤(D)からなることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
【0009】
【化2】
Figure 2004258077
【0010】
請求項2に係る第2の発明は、前記(A)成分は30〜80重量部、前記(B)成分は1〜30重量部、(C)成分は20〜70重量部であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物である。
【0011】
請求項3に係る第3の発明は、前記(D)成分は、前記(A)から(C)成分を合わせて100重量部と考えた場合、これに対して0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物である。
【0012】
請求項4に係る第4の発明は、少なくとも支持体と感光層からなる感光性樹脂積層体において、前記感光層は請求項1から3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物であることを特徴とする感光性樹脂積層体である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の感光性樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明による感光性樹脂組成物は、少なくともアルカリ可溶性樹脂(A)、一般式(1)〜(3)で表される構造単位を含む樹脂(B)、重合性モノマー(C)、光重合開始剤(D)からなることを特徴とする、水系の現像液によって現像可能であり、かつ、水系の剥離液で細かい剥離片とすることのできる感光性樹脂組成物であり、主にエッチング用フォトレジストに用いられるものである。さらに、この感光性樹脂組成物は、フィルム状基板の上に積層して用いることにより、ドライフィルムレジストとしての使用も可能である。
【0014】
本発明において、アルカリ可溶性樹脂(A)(以下、A成分とする)としては、酸性基を有するモノマーを少なくとも1種以上含む共重合体が好ましく用いられる。このような共重合アルカリ可溶性樹脂としては、具体的には、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、(o,m又はp)−ポリビニルフェノールなどの酸性基を有するモノマーと、その酸性基を有するモノマーと共重合可能なモノマー、具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸エステルや、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、アリルグリシジルエーテル、などを共重合させたアルカリ可溶性樹脂が挙げられるが、この限りではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル又はメタクリル」を示す。「(メタ)アクリレート」についても同様である。
【0015】
このアルカリ可溶性樹脂(A)の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量で約5,000以上、約200,000以下であることが好ましく、これより小さい場合は、硬化皮膜の強度が著しく低下し、これより大きい場合は溶解性が低下し、剥離時に剥離片が細片とならず好ましくない。感度、解像度、剥離特性を考慮すると、重量平均分子量は8,000以上、80,000以下の範囲にあることがさらに好ましい。また、感光性樹脂組成物の不揮発成分として30〜80重量部の範囲で添加することが好ましい。又、A成分の酸価(JIS K−1557準拠)は、50〜500mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。酸価が50mgKOH/g以下になると希アルカリ水溶液による現像時に未硬化組成物の除去が難しくなる。一方、酸価が500mgKOH/g以上になると希アルカリ水溶液による現像時に画像が流れたり、或いは硬化皮膜の耐湿性が劣化する場合がある。
【0016】
更に、A成分は必要に応じて側鎖にオレフィン二重結合等の重合性のある官能基を付加させたものであっても良く、既に上市されている化合物としてはダイセル化学工業(株)製「サイクロマーP」が挙げられる。これ以外でも、前述したアルカリ可溶性樹脂を用いて、新たに重合性基を導入したものであれば特に制限はない。アルカリ可溶性樹脂の側鎖に重合性二重結合基を付加させることにより、アルカリ可溶性樹脂の反応性が高まり、感度、耐薬品性を向上させることができるために、より好ましい感光性樹脂組成物を得ることができる。
【0017】
本発明の感光性樹脂組成物に、上述のA成分に加えて下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される構造単位を含む樹脂(B)(以下、B成分とする)を添加することによって、従来A成分だけでは解決できなかった硬化後の被膜の耐薬品性を向上させることができた。ここで用いるB成分とは前記A成分と相溶性があり、前述の構造単位を含む樹脂であるため、エッチング中にB成分中の樹脂側鎖が分解することから、硬化後の感光性樹脂組成物自体のアルカリに対する現像性が向上するものである。このような構造を有するB成分としては、下記一般式(4)〜(6)で表されるモノマーから得られた単重合体はもちろん、(4)〜(6)のいずれか二種類、あるいは三種類からなる共重合体でも、さらにこれらと共重合可能なモノマー、具体的には(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、(o,m又はp)−ポリビニルフェノール、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸エステルや、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、アリルグリシジルエーテル、などとの共重合により得られた共重合体でもよい。
【0018】
【化3】
Figure 2004258077
【0019】
【化4】
Figure 2004258077
【0020】
この前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される構造単位を含む樹脂(B)の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量で約5,000以上、約200,000以下であることが好ましい。また、感光性樹脂組成物の不揮発成分として1〜30重量部の範囲で添加することが好ましい。
【0021】
更に、B成分は必要に応じて樹脂の側鎖にオレフィン二重結合等の重合性のある官能基を付加させたものであっても良い。B成分の樹脂の側鎖に重合性二重結合基を付加させることにより、B成分の反応性が高まり、感光性樹脂組成物の感度、耐薬品性を向上させることができる。
【0022】
本発明に用いる重合性モノマー(C)(以下、C成分とする)はラジカル重合性を有する化合物でA成分と相溶性のあるものであればよい。このような化合物としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド等の高沸点ビニルモノマー、さらにはエタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−エチルヘキサノール等の(メタ)アクリル酸エステル、さらに、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の2〜6官能(メタ)アクリル酸エステル等のほか、ウレタンアクリレート、ウレタン基ポリエステルを有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができるが、この限りではない。また、用いるC成分を2種以上としてもよく、1分子中にエチレン性不飽和単位を2種類以上含有する重合性モノマーを使用してもよい。これらの重合性モノマーのなかでは特に3官能以上のアクリルモノマーが感度、硬化被膜の耐エッチング性の面から好ましい。なお、モノマーは樹脂組成物全体の不揮発成分として20〜70重量部の範囲で添加することが可能である。20重量部以下であると感度が低下し、70重量部以上であると解像性が悪くなる。好ましくは30〜50重量部であり、この範囲であると良好な現像性を有する感光性樹脂組成物を得ることができる。
【0023】
本発明における光重合開始剤(D)(以下、D成分とする)としては、光によりラジカル種を発生する化合物であれば特に制限はないが、例えば、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾイルエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類、並びに2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン類、並びに2−メチルアントラキノン等のアントラキノン類、並びに2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類、並びにケタール類又はキサントン類、メチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン類等を挙げることができ、これらは安息香酸系又は第三級アミン系等の公知慣用の光重合促進剤と併用してもよい。これらの光重合開始剤は、おのおの単独で或いは適宜互いに組み合わせて使用することができる。
【0024】
D成分は、A〜C成分について、これら3成分の合計を100重量部と考えた場合、これに対し、好ましくは0.1〜10重量部配合される。上記範囲より少ない場合には十分に光硬化せず、一方多い場合には熱的に不安定になり、またパターン形状やコストの面からも好ましくない。特に好ましくは1〜7重量部である。
【0025】
なお、感光性樹脂組成物を調製する際には、必要に応じて不揮発成分を希釈しても良い。具体的に、次のようなものが挙げられる。ジクロルメタン、クロロホルム、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エチルエトキシアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で使用しても良く、また、2種以上を混合して使用することも可能である。
【0026】
本発明の感光性樹脂組成物は、染料、顔料等の着色物質を含有させることもできる。このような着色物質としては、例えば、フクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS、パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、ダイヤモンドグリーン等が挙げられる。また光照射により発色する発色系染料を本発明の感光性樹脂組成物に含有させることもできる。このような発色系染料としては、ロイコ染料またはフルオラン染料と、ハロゲン化合物の組み合わせがある。
【0027】
ロイコ染料としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリーン]等が挙げられる。一方、ハロゲン化合物としては臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルフォン、4臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、トリアジン化合物等が挙げられる。
【0028】
本発明の感光性樹脂組成物には既述のA〜D成分以外に、必要に応じて相溶性のある添加物、例えば重合禁止剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤、レベリング剤、カップリング剤、ハレーション防止剤などを、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0029】
このようにして得られた感光性樹脂組成物をバーコーター、アプリケーター、ドクターブレード、ロールコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、コンマコーター等の公知の塗工手段を用いてステンレスや銅などの金属基板、ガラス基板、ポリエステルに代表されるプラスチック基板上に塗布し、感光層とする。希釈剤を用いた場合は、その後、例えば60〜100℃の温度で乾燥する。乾燥後の感光層の厚みは用途において異なるが、プリント配線板、及び金属加工基板作製用には5〜100μm、好ましくは10〜80μmであり、感光層の厚みが薄いほど解像性は向上する。
【0030】
上述のように直接感光性樹脂組成物を基板上に積層する方法の他に、本発明による感光性樹脂組成物は、感光性樹脂積層体の感光層と成し、ドライフィルムレジストとして使用することができる。
【0031】
本発明による感光性樹脂積層体に用いられる支持体は可撓性を有するフィルムであればよく、感光層を支持し、感光性樹脂積層体の製造時に必要な耐熱性、耐薬品性を有していることが好ましい。また、この支持体は活性光に対し透明であることが好ましい。このような支持体の例としてはポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等を挙げることができるがこの限りではない。
【0032】
本発明の感光性樹脂積層体には支持フィルム上の感光層を保護するためにカバーフィルムを設けてもよい。使用できるカバーフィルムの例としてはポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、フッ素樹脂フィルム、表面処理をした紙等がある。活性光に対しては透明、不透明を問わない。感光性樹脂積層体からカバーフィルムを剥離除去するときに、感光層と支持フィルムとの接着力よりも、感光層とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
【0033】
上述の可撓性を有する支持フィルムに公知の塗工手段を用いて本発明の感光性樹脂組成物を塗工し、必要な場合は乾燥工程を経て、感光層と成し、さらに必要とあればカバーフィルムを積層して感光性樹脂積層体とする。これをドライフィルムレジストとして使用する際は、感光性樹脂積層体からカバーフィルムを取り除き、感光層側を金属基板等所望の基板に接するように積層する。このとき基板は加熱しておく。活性光線による感光層の露光は、支持フィルムが活性光に対して不透明である場合には支持フィルムを取り除いてから、透明である場合には取り除いても取り除かなくてもよく、取り除かなかった場合は露光後、現像前に取り除く。
【0034】
上記の方法により形成された感光層に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ等で露光し、光照射部分を重合または架橋させた後、アルカリ現像液にて現像することにより、マスクパターンに忠実な画像を得ることができる。現像液としては、通常0.5〜5重量%の炭酸ナトリウム水溶液が用いられるが、これに限らない。さらに必要ならば、熱処理すなわちポストベークを施し硬膜化をさらに進行させ、耐熱性、耐エッチング性、密着性を向上させることができる。熱処理は熱風炉あるいは遠赤外線炉等で熱硬化成分が十分反応する温度、時間で行えばよい。
【0035】
本発明の感光性樹脂組成物は、フォトレジスト、エッチングレジスト、ソルダーレジスト、ドライフィルムレジスト、刷版等に使用されるが、エッチングレジストとして使用する場合には、前記のように基板上に形成されたレジストパターンをエッチング液で処理して、基板に所望のパターンを転写形成させる。エッチング液としては、特に限定されないが、通常塩化第二鉄、塩化第二銅等の水溶液が用いられる。エッチング処理終了後、次いで50℃以上に加温したアルカリ水溶液を用いて硬化膜の剥離除去処理が行なわれるが、この際に、基板への貼り付きや異物付着、剥離液の濾過による再生等の観点から、細片剥離が好ましい。
【0036】
以下、本発明の実施の形態について具体的な実施例を挙げて説明する。また、本発明の感光性樹脂組成物は光に対して極めて敏感であるので、自然光など不必要な光による感光を防ぐため、全ての作業を黄色、または赤色灯下で行う必要がある。
【0037】
【実施例】
<実施例1〜6、および比較例1〜2>
A〜Dの各成分を表1に示す配合比に従い不揮発成分が感光性樹脂組成物の45%となるように、十分にプロピレングリコールモノメチルエーテルに混合溶解し、実施例1〜6及び比較例1、2の感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
【0038】
【表1】
Figure 2004258077
【0039】
A:サイクロマーP ACA200M(ダイセル化学(株)製 酸価=115mgKOH/g 重量平均分子量=11000、溶媒プロピレングリコールモノメチルエーテル、固形分 50%)
B:ポリ(tert―ブチルメタクリレート)(ALDRICH)
C1:ウレタンアクリレート(共栄社化学(株)製「UA306H」)
C2:ジペンタエリスリトール(ペンタおよびヘキサ)アクリレート(東亞合成(株)製「アロニックスM400」)
D1:2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「Irg907」)
D2:4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン
D3:2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製「DETX−S」)
E1:ロイコクリスタルバイオレット
E2:マラカイトグリーン
E3:トリブロモメチスフェニルスルホン
【0040】
各々の感光性樹脂組成物溶液を支持体となる厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥後の感光層の厚みが20μmになるようにバーコーターで塗布し、熱風オーブン中90℃で15分乾燥させて感光性樹脂積層体を得た。該感光性樹脂積層体を、脱脂、水洗、乾燥を施した厚さ150μmの試験基板上にラミネートした。ラミネート条件は、基板温度65℃、ラミネート温度120℃、ラミネート圧力4.0kgf/cm、ラミネート速度1.5m/minの条件で行った。
【0041】
次に、この感光層の支持体側にKodak Photographic Step Tablet No.2(イーストマン・コダック社製、以下グレースケールと称する)及び、ネガマスクパターンを介して超高圧水銀灯(HMW−532、(株)オーク製作所製)を用いて露光を行った後に、支持体を剥離し、30℃,1wt%炭酸ナトリウム水溶液で0.15MPaのスプレー圧で現像してレジストパターンを形成した。
【0042】
得られたサンプルについて、感度、解像性、密着性、エッチング耐性、剥離片形状を評価したところ、表2に示す結果が得られた。なお前記実施例1〜6及び比較例1〜2で得た各感光性樹脂組成物及びその硬化被膜の各評価方法は下記の通り行った。
【0043】
<評価方法>
(1)感度
現像後のステップタブレットのステップ段数が、目視判定で5となる露光量〔mJ/cm〕で表した。
(2)解像性
ネガ型解像性チャートを焼き付け、現像後に解像している最小のパターンサイズ〔μm〕を求めた。
(3)密着性
クロスカット試験(JIS D−020)により評価した。レジストの硬化膜に1mm間隔に縦横10本ずつ切れ目を入れ、100個の碁盤目をつくり、セロハンテープを強く押し付けて引き剥がしたところ、レジストが剥離した、又は欠けた目の数を数えた。
○:総ての目で全く剥離しなかった。
△:100個の目のなかで1〜10個の剥離または欠けが見とめられた。
×:100個の目のなかで11個以上の剥離または欠けが見とめられた。
(4)エッチング耐性
現像後のサンプルを200℃のオーブン中で90秒ポストベーク処理した後、70℃の塩化第二鉄水溶液をエッチング液として0.5MPaのスプレー圧で1.5分間エッチングを行い、水洗後、エッチング後のレジストパターンの状態について顕微鏡による目視評価を行った。
○:硬化被膜に割れや溶解を生じず、基板/被膜の界面に塩化第二鉄水溶液の染み込みが見られなかった。
△:硬化被膜に割れや溶解を生じなかったが、基板/被膜の界面に塩化第二鉄水溶液の染み込みが僅かに見られた。
×:硬化被膜に割れや溶解を生じ、基板/被膜の界面に塩化第二鉄水溶液の染み込みが見られた。
(5)剥離片形状
エッチング後のサンプルを、50℃,2%NaOH水溶液に1.5分浸漬し、硬化被膜剥離処理後の被膜の剥離片形状を観察した。
S:剥離片が5mm角以下の細片となった。
M:剥離片が10mm角以下の細片となった。
L:レジストが亀裂を生じたものの剥離片が10mm角以上であった。
LL:レジストが亀裂を生じずに剥離、または剥離しなかった。
【0044】
【表2】
Figure 2004258077
【0045】
表2に示されるように、一般式(1)で示される構造を有するポリ(tert−ブチルメタクリレート)を添加していない感光性樹脂組成物は剥離片が細片とならず、良好な結果が得られなかった(比較例1〜2)。一方、感光性樹脂組成物にポリ(tert−ブチルメタクリレート)を添加したものはいずれも剥離片形状が細片となり、良好な結果が得られた(実施例1〜6)。また、このとき解像性、密着性、エッチング耐性を低下させることはなく、感度にもほとんど変化はなかった。
【0046】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、基板に対する密着性が良好で、アルカリ水溶液による現像が可能でありかつ高解像度、高感度、またエッチング耐性を低下させることなく、水系の剥離液による剥離工程において剥離した硬化被膜の形状が細片となる、作業性に優れた感光性樹脂組成物および感光性樹脂積層体を提供できる。

Claims (4)

  1. 少なくともアルカリ可溶性樹脂(A)、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される構造単位を含む樹脂(B)、重合性モノマー(C)、光重合開始剤(D)からなることを特徴とする感光性樹脂組成物。
    Figure 2004258077
  2. 前記(A)成分は30〜80重量部、前記(B)成分は1〜30重量部、(C)成分は20〜70重量部であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(D)成分は、前記(A)から(C)成分を合わせて100重量部と考えた場合、これに対して0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 少なくとも支持体と感光層からなる感光性樹脂積層体において、前記感光層は請求項1から3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物であることを特徴とする感光性樹脂積層体。
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