JP2020056366A - エンジン - Google Patents

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裕 増田
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Abstract

【課題】簡易な構造で燃料の噴射方向を可変とする。【解決手段】エンジンは、シリンダ110と、シリンダ110の一端に設けられたシリンダヘッドと、シリンダまたはシリンダヘッドに回転可能に設けられ、シリンダ110の内部空間Sに端面164を臨ませたノズル部材160、および、ノズル部材160に形成され、端面164に開口する開口部166aから、ノズル部材の回転軸方向に対して傾斜する方向に延在する第1噴射孔166を少なくとも一つ有する燃料噴射装置150と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、エンジンに関する。
エンジンなどには、燃料噴射装置が設けられる。例えば、特許文献1には、エンジン負荷などの運転状態に応じ、燃料の噴射方向を変更可能な燃料噴射装置が開示されている。具体的には、一対の円板の間に複数の針金が設けられる。一方の円板が圧電素子によって押圧されると、複数の針金が圧縮されながら、他方の円板を回転させる。他方の円板には、複数の分岐燃料通路が形成されており、円板の回転によって分岐燃料通路の開口の向きが変わる。こうして、燃料の噴射方向が変更される。
特開2013−245587号公報
上記の特許文献1に記載の燃料噴射装置では、燃料の噴射方向を可変とする構造が複雑化してしまう。
本開示は、簡易な構造で燃料の噴射方向を可変とすることが可能なエンジンを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示のエンジンは、シリンダと、シリンダの一端に設けられたシリンダヘッドと、シリンダまたはシリンダヘッドに回転可能に設けられ、シリンダの内部空間に端面を臨ませたノズル部材、および、ノズル部材に形成され、端面に開口する開口部から、ノズル部材の回転軸方向に対して傾斜する方向に延在する第1噴射孔を少なくとも一つ有する燃料噴射装置と、を備える。
第1噴射孔は、回転軸方向に対する傾きを異にして、1のノズル部材に複数形成されてもよい。
燃料噴射装置は、ノズル部材に設けられ、端面に開口する開口部からノズル部材の回転軸方向に延在する第2噴射孔を少なくとも一つ備えてもよい。
燃料噴射装置は、端面に対向する被覆部、および、被覆部に形成され回転軸方向に貫通する貫通孔を有するカバー部材を備えてもよい。
本開示のエンジンによれば、簡易な構造で燃料の噴射方向を可変とすることができる。
図1は、ユニフロー掃気式2サイクルエンジン(エンジン)の全体構成を示す説明図である。 図2(a)は、図1のうち、左側の燃料噴射装置近傍の抽出図である。図2(b)は、取付孔を、シリンダの径方向の内側から見た図である。 図3は、第1噴射孔の傾斜の変化を説明するための図である。 図4は、被覆部の作用を説明するための図である。 図5は、2つの燃料噴射装置を示す図である。 図6(a)は、第1変形例における図2(a)に対応する部位の図である。図6(b)は、第1変形例における図2(b)に対応する部位の図である。 図7(a)は、第2変形例における図2(a)に対応する部位の図である。図7(b)は、第2変形例における図2(b)に対応する部位の図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の一実施形態について詳細に説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、ユニフロー掃気式2サイクルエンジン100(エンジン)の全体構成を示す説明図である。ユニフロー掃気式2サイクルエンジン100は、例えば、船舶等に用いられる。シリンダ110の一端側にはシリンダヘッド112が設けられる。シリンダ110の他端側にはシリンダジャケット114が設けられる。シリンダ110内にはピストン116が配される。
シリンダヘッド112は、シリンダ110内をシリンダ110の中心軸方向(ピストン116のストローク方向、以下、単にストローク方向という)に往復移動する。ピストン116の上昇行程および下降行程の2行程の間に、排気、吸気、圧縮、燃焼、膨張が行われる。ピストン116には、ピストンロッド118の一端が取り付けられている。ピストンロッド118の他端には、クロスヘッド120が連結されている。
クロスヘッド120は、ピストン116と一体となってストローク方向に往復移動する。クロスヘッドシュー122によって、ストローク方向に垂直な方向(図1中、左右方向)に向うクロスヘッド120の移動が規制される。連結棒124は、クロスヘッド120およびクランクシャフト126に連結される。クロスヘッド120の往復移動に伴う連結棒124の動作により、クランクシャフト126が回転する。
シリンダヘッド112には、排気弁箱128が取り付けられる。燃焼室130は、ピストン116が上死点側にあるとき、シリンダヘッド112、排気弁箱128、および、ピストン116に囲繞されてシリンダ110の内部に形成される。
排気弁箱128には、排気ポート132が形成される。排気ポート132は、ピストン116の上死点よりも、鉛直上側に位置する。排気弁箱128には、不図示の排気弁駆動装置が設けられる。排気弁134は、排気弁駆動装置によってストローク方向に移動する。排気弁134の移動によって排気ポート132が開閉する。
排気弁134の開弁時、排気ガスは排気ポート132を通って燃焼室130から排気される。排気ガスは、排気管136を通って過給機138のタービンを回転させる。この回転動力により、過給機138のコンプレッサが活性ガスを圧縮して冷却器140に送出する。活性ガスは、酸素、オゾン等の酸化剤、または、その混合気(例えば空気)を含む。冷却器140は、圧縮された活性ガスを冷却する。冷却された活性ガスは、掃気溜142に送出される。掃気溜142は、掃気室144に連通する。
掃気室144は、シリンダジャケット114の内部に形成される。シリンダ110の他端側は、掃気室144内に位置する。シリンダ110のうち、掃気室144内に位置する部位には、掃気ポート146が形成される。掃気ポート146は、掃気室144に開口する。
掃気ポート146は、シリンダ110の内周面から外周面まで貫通する。掃気ポート146は、シリンダ110の周方向(以下、単に周方向という)に離隔して複数設けられる。掃気ポート146は、シリンダ110のうち、ピストン116の下死点よりも上死点側に位置する。
ピストン116の冠面が掃気ポート146よりも下死点側に移動したとき、掃気室144とシリンダ110内圧との差圧により、掃気ポート146からシリンダ110の内部空間Sに、活性ガスが吸入される。
シリンダ110のうち、シリンダジャケット114よりも鉛直上側(ピストン116の上死点側)には、取付孔148が形成される。取付孔148は、シリンダ110の内周面から外周面まで貫通する。取付孔148は、シリンダ110の中心軸を挟んで2つ設けられる。それぞれの取付孔148には、燃料噴射装置150が設けられる。図1では、燃料噴射装置150を簡略化して示す。
ここでは、燃料噴射装置150が2つ設けられる場合について説明した。ただし、燃料噴射装置150は、周方向に離隔して3つ以上設けられてもよい。この場合、シリンダ110には、燃料噴射装置150と同数の取付孔148が形成される。
燃料噴射装置150は、シリンダ110の内部空間Sに吸入された活性ガスに、燃料ガスを噴射する。燃料ガスは、例えば、LNG(液化天然ガス)をガス化して生成されるものとする。燃料ガスは、LNGに限らず、例えば、LPG(液化石油ガス)、軽油、重油等をガス化したものが用いられてもよい。
燃料ガスは、活性ガスと混合されながら、ピストン116の上昇に伴って燃焼室130に向って流れつつ圧縮される。シリンダヘッド112には、不図示のパイロット噴射弁が設けられる。パイロット噴射弁から燃料油が燃焼室130内に噴射される。燃料油は、燃焼室130内のガスの熱で気化する。燃料油が気化して自然着火し、燃焼室130の温度が上昇する。そして、燃料ガスと活性ガスの混合気が燃焼する。ピストン116は、燃料ガスの燃焼による膨張圧によって往復移動する。
図2(a)は、図1のうち、左側の燃料噴射装置150近傍の抽出図である。図2(b)は、取付孔148を、シリンダ110の径方向の内側から見た図である。図2(a)に示すように、シリンダ110の外周面には、窪み部110aが形成される。窪み部110aは、シリンダ110の外周面における周囲の部位よりも、シリンダ110の径方向の内側に窪んでいる。取付孔148は、窪み部110aに開口する。
燃料噴射装置150は、ノズル部材160を有する。ノズル部材160の本体部162は、大凡円柱形状である。本体部162のうち、シリンダ110の径方向の内側の端面164は、シリンダ110の内部空間Sに臨む(面する)。本体部162には、2つの第1噴射孔166が形成される。第1噴射孔166の開口部166aは、端面164に開口する。
本体部162のうち、シリンダ110の径方向の外側(端面164と反対側)の端面168には、大穴170が開口する。大穴170のうち、シリンダ110の径方向の内側は、先細りの円錐形状となっている。第1噴射孔166のうち、シリンダ110の径方向の外側(開口部166aと反対側)の端部は、大穴170に開口する。
本体部162の端面168は、窪み部110aの底面よりもシリンダ110の径方向の外側に突出する。本体部162の外周面のうち、窪み部110aの底面よりも突出した部位は、歯車となっている。
カバー部材180は、大凡円筒形状である。カバー部材180のうち、シリンダ110の径方向の外側の端部には、フランジ部182が形成される。フランジ部182は、環状であり、カバー部材180の外周面からカバー部材180の径方向の外側に突出する。フランジ部182は、窪み部110aに嵌め込まれる。図2(a)では、カバー部材180のうち、フランジ部182を含む上側の一部を破断させて図示を省略する。
カバー部材180は、収容穴184を有する。収容穴184は、カバー部材180のうち、シリンダ110の径方向の外側の端面186に開口する。収容穴184のうち、シリンダ110の径方向の内側には、底面部188が設けられる。底面部188は、収容穴184の底面を形成する。底面部188は、ストローク方向の中心側が、シリンダ110の径方向の内側に突出する向きに湾曲する。
カバー部材180は、取付孔148に挿通されて取り付けられる。カバー部材180の収容穴184には、ノズル部材160が挿通される。ノズル部材160の端面164は、カバー部材180の底面部188から離隔する。ノズル部材160は、カバー部材180(収容穴184)に対して回転可能である。ここでは、ノズル部材160の回転軸方向(以下、単に回転軸方向という)は、ストローク方向に対して垂直な方向であり、シリンダ110の径方向である。
図2(b)に示すように、底面部188は、被覆部188aを有する。被覆部188aは、ノズル部材160の端面164に、シリンダ110の径方向の内側から対向する。被覆部188aには、貫通孔188bが形成される。以下の図では、貫通孔188bをクロスハッチングで示す。貫通孔188bは、底面部188を回転軸方向に貫通する。
蓋部材190は、大凡円板形状である。蓋部材190の外径は、フランジ部182の外径と大凡等しい。図2(a)では、蓋部材190のうち、上側の一部を破断させて図示を省略する。蓋部材190には、連通孔192が形成される。連通孔192は、蓋部材190を回転軸方向に貫通する。連通孔192は、ノズル部材160の大穴170に対向する。
ガス弁200には、不図示の燃料配管が連結される。ガス弁200のうち、シリンダ110の径方向の内側の端部には、窪みが形成され、蓋部材190が嵌め込まれる。ガス弁200のうち、蓋部材190の連通孔192に対向する部位には、不図示の噴射口が形成される。燃料配管から供給された燃料ガスは、開弁時、噴射口から連通孔192に流出する。
ガス弁200の上側には、アクチュエータ210が設けられる。アクチュエータ210は、電動式や油圧式が用いられる。アクチュエータ210の出力軸212は歯車となっており、第1歯車220に噛合する。第1歯車220は、第2歯車222に噛合する。第2歯車222は、上記のノズル部材160の外周面の歯車に噛合する。第1歯車220、第2歯車222は、蓋部材190およびフランジ部182に軸支される。
アクチュエータ210の回転動力は、第1歯車220、第2歯車222を介してノズル部材160に伝達される。アクチュエータ210の回転動力を受けて、ノズル部材160は、カバー部材180の収容穴184内で回転する。
上記のノズル部材160の第1噴射孔166は、開口部166aから回転軸方向に対して傾斜する方向に延在する。そのため、アクチュエータ210の回転動力によってノズル部材160が回転すると、第1噴射孔166の傾斜の向きが変わる。
図3は、第1噴射孔166の傾斜の変化を説明するための図である。図2(a)では、第1噴射孔166は、開口部166aに向かうほど、下側(ピストン116の下死点側)に近づく向きに傾斜する。この状態から、例えば、ノズル部材160が180度回転したとする。この場合、図3に示すように、第1噴射孔166は、開口部166aに向かうほど、上側(ピストン116の上死点側)に近づく向きに傾斜することになる。
上記のように、燃料噴射装置150では、第1噴射孔166が、開口部166aから回転軸方向に対して傾斜する方向に延在する。そのため、ノズル部材160を回転させる簡易な構造で燃料の噴射方向を可変とすることが可能となる。
例えば、低負荷時、燃料ガスの噴射方向が反スワール方向となる向きに、第1噴射孔166を配置してもよい。この場合、第1噴射孔166は、開口部166aに向かうほど、スワール方向の後方側となる向きに傾斜することになる。また、燃料ガスの噴射方向は、スワール方向および反スワール方向に向かわずにシリンダ110の中心軸に向かっていてもよい。いずれにしても、低負荷時、燃料ガスが拡散し難く、少ない燃料量でも着火性が改善する。
また、高負荷時、燃料ガスの噴射方向が水平対向よりも下側となる向きに、第1噴射孔166を配置してもよい。この場合、第1噴射孔166は、開口部166aに向かうほど、下側となる向きに傾斜することになる。このとき、燃料ガスの噴射方向がスワール方向となる向きに、第1噴射孔166を配置してもよい。この場合、第1噴射孔166は、開口部166aに向かうほど、スワール方向の前方側となる向きに傾斜することになる。
上記の制御により、高負荷時、燃料ガスが拡散し易く、燃料量が多くても、燃料ガスが活性ガス中に拡散して異常燃焼を抑制できる。また、第1噴射孔166は、開口部166aに向かうほど下側となる向きに傾斜する方が、上側となる向きに傾斜する場合よりも、排気ポート132からの燃料ガスの吹き抜けが抑制される。
また、第1噴射孔166は、回転軸方向に対する傾きを異にして、1のノズル部材160に2つ形成される。そのため、高負荷時、燃料ガスが活性ガス中に拡散して異常燃焼を抑制できる。ここで、第1噴射孔166は、3つ以上設けられてもよい。
図4は、被覆部188aの作用を説明するための図である。ノズル部材160の回転角度が、図2(b)に示す角度(以下、第1角度という)のとき、2つの第1噴射孔166の開口部166aは、いずれも、貫通孔188bに臨んでいる(面している、対向している)。2つの開口部166aは、いずれも、シリンダ110の内部空間Sに露出している。この状態から、図2(b)中、反時計回りに大凡125度、ノズル部材160が回転すると、図4に示す状態となる(以下、第2角度という)。
図4では、ノズル部材160の径方向の外側の第1噴射孔166(以下、単に外側の第1噴射孔166という)の開口部166aは、貫通孔188bに臨んでいる。一方、ノズル部材160の径方向の内側の第1噴射孔166の開口部166a(以下、単に内側の第1噴射孔166という)は、被覆部188aに臨んでいる。すなわち、内側の第1噴射孔166の開口部166aは、シリンダ110の内部空間Sに露出せずに、閉じられている。
このように、被覆部188aは、ノズル部材160の回転角度が第1角度のときには、内側の第1噴射孔166に対して非対向であり、回転角度が第2角度のときには、内側の第1噴射孔166に対して対向する。すなわち、被覆部188aは、ノズル部材160の回転角度に応じ、内側の第1噴射孔166を開閉する。
例えば、高負荷時、図2(b)に示すように、被覆部188aが開口部166aをいずれも閉じず、多量の燃料ガスが拡散して噴射される。低負荷時、図4に示すように、被覆部188aが一方の開口部166aのみを閉じて、少量の燃料ガスがまとまって噴射される。こうして、負荷に応じた燃料噴射が可能となる。
図5は、2つの燃料噴射装置150を示す図である。上記のように、ユニフロー掃気式2サイクルエンジン100には、2つの燃料噴射装置150が設けられる。図5中、左側の燃料噴射装置150の第1噴射孔166と、右側の燃料噴射装置150の第1噴射孔166とでは、傾斜の向きが異なっている。この場合、燃料ガスが拡散され易い。また、2つの燃料噴射装置150の第1噴射孔166の傾斜の向きが、同じ向きとなるように、アクチュエータ210が作動してもよい。この場合、燃料ガスが拡散され難い。
図6(a)は、第1変形例における図2(a)に対応する部位の図である。図6(b)は、第1変形例における図2(b)に対応する部位の図である。図6(a)、図6(b)に示すように、内側の第1噴射孔166は、上述した実施形態と同様である。そして、ノズル部材160には、外側の第1噴射孔166の代わりに、第2噴射孔266が設けられる。
第2噴射孔266の開口部266aは、ノズル部材160の端面164に開口する。第2噴射孔266は、開口部266aから回転軸方向(ストローク方向に垂直な方向、シリンダ110の径方向)に延在する。第2噴射孔266は、第1噴射孔166と同様、大穴170に開口する。
第2噴射孔266は、回転軸方向に延在することから、ノズル部材160が回転しても、噴射方向が変わらない。例えば、シリンダ110の大凡中心軸側に向かって第2噴射孔266から燃料が噴射されることで、燃料ガスの拡散が抑制される。
また、第2噴射孔266の開口部266aは、上記の外側の第1噴射孔166の開口部166aと同様、第2角度のときでも、被覆部188aによって閉じられない。そのため、低負荷時、第2角度として内側の第1噴射孔166を閉じたうえで、第2噴射孔266からのみ燃料ガスが噴射されることになる。その結果、燃料ガスの拡散が一層抑制される。また、第2噴射孔266は、1のノズル部材160に2つ以上形成されていてもよい。
図7(a)は、第2変形例における図2(a)に対応する部位の図である。図7(b)は、第2変形例における図2(b)に対応する部位の図である。図7(a)、図7(b)に示すように、外側の第1噴射孔166は、上述した実施形態と同様である。そして、ノズル部材160には、内側の第1噴射孔166の代わりに、第2噴射孔366が設けられる。
第2噴射孔366は、第2噴射孔266と同様の構成である。第2噴射孔366の開口部366aは、ノズル部材160の端面164に開口する。第2噴射孔366は、開口部366aから回転軸方向に延在する。第2噴射孔366は、大穴170に開口する。
また、第2噴射孔366の開口部366aは、上記の内側の第1噴射孔166の開口部166aと同様、第2角度のとき、被覆部188aによって閉じられる。このとき、外側の第1噴射孔166のみから、燃料ガスが噴射されることとなる。また、第2噴射孔366は、1のノズル部材160に2つ以上形成されていてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態および各変形例では、ユニフロー掃気式2サイクルエンジン100を例に挙げて説明した。しかし、ユニフロー掃気式2サイクルエンジン100に限らず、他のエンジン(例えば、4サイクルエンジンなど)に、上述した燃料噴射装置150の構成が用いられてもよい。
また、上述した実施形態および各変形例では、内側の第1噴射孔166、および、第2噴射孔366が、第2角度で被覆部188aに閉じられ、外側の第1噴射孔166、および、第2噴射孔266が、第2角度でも被覆部188aに閉じられない場合について説明した。ただし、内側の第1噴射孔166、および、第2噴射孔366が、第2角度でも被覆部188aに閉じられないで、外側の第1噴射孔166、および、第2噴射孔266が、第2角度で被覆部188aに閉じられてもよい。
また、上述した実施形態および各変形例では、カバー部材180に被覆部188aおよび貫通孔188bが形成される場合について説明した。しかし、被覆部188aおよび貫通孔188bは必須の構成ではない。
本開示は、エンジンに利用することができる。
100 ユニフロー掃気式2サイクルエンジン(エンジン)
110 シリンダ
112 シリンダヘッド
150 燃料噴射装置
160 ノズル部材
164 端面
166 第1噴射孔
166a 開口部
168 端面
180 カバー部材
186 端面
188a 被覆部
188b 貫通孔
266 第2噴射孔
266a 開口部
366 第2噴射孔
366a 開口部
S 内部空間

Claims (4)

  1. シリンダと、
    前記シリンダの一端に設けられたシリンダヘッドと、
    前記シリンダまたは前記シリンダヘッドに回転可能に設けられ、前記シリンダの内部空間に端面を臨ませたノズル部材、および、前記ノズル部材に形成され、前記端面に開口する開口部から、前記ノズル部材の回転軸方向に対して傾斜する方向に延在する第1噴射孔を少なくとも一つ有する燃料噴射装置と、
    を備えるエンジン。
  2. 前記第1噴射孔は、前記回転軸方向に対する傾きを異にして、1の前記ノズル部材に複数形成される請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記燃料噴射装置は、
    前記ノズル部材に設けられ、前記端面に開口する開口部から前記ノズル部材の回転軸方向に延在する第2噴射孔
    を少なくとも一つ備える請求項1または2に記載のエンジン。
  4. 前記燃料噴射装置は、
    前記端面に対向する被覆部、および、前記被覆部に形成され前記回転軸方向に貫通する貫通孔を有するカバー部材
    を備える請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジン。
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