JP2013024047A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Yukio Okano
幸雄 岡野
Kenichi Hanamoto
健一 花本
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Abstract

【課題】通常の燃料噴射弁と同等サイズで液体燃料を異なる噴射量で噴射する。
【解決手段】ガスモード時には、燃料供給室24にガスモードに応じて制御された圧力の重油を供給してニードルバルブ28の圧力作用面30に噴射圧を作用させ、ニードルバルブ28をリフト量L1だけ上方に移動させる。その結果、上記重油は1本の第1燃料噴射口26のみからマイクロパイロット着火に必要な噴射量で且つ良好な噴霧で噴射される。ディーゼルモード時には、燃料供給室24にディーゼルモードに応じて制御された圧力の重油を供給して圧力作用面30に作用させ、ニードルバルブ28をリフト量L2だけ上方に移動させる。その結果、上記重油は1本の第1燃料噴射口26と複数本の第2燃料噴射口27とからディーゼル燃焼に必要な噴射量で且つ良好な噴霧で噴射される。こうして、通常の燃料噴射弁と同等サイズの燃料噴射弁で、重油を異なる噴射量で噴射できる。
【選択図】図2

Description

この発明は、デュアルフューエルディーゼルエンジン等に用いると好適な燃料噴射弁に関する。
従来より、船舶用機関として重油を燃料とするディーゼルエンジンが通常使用されている。しかしながら、近年の地球環境問題に対処するため、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)や、酸性雨の原因となる硫黄酸化物(SOx)や、人体に有害な窒素酸化物(NOx)等に対する規制が、段階的に強化されつつある。そのため、このような規制に対して不利である重油に変わって、上記規制に有利な天然ガス等を燃料とするガスエンジンが注目されている。
このようなガスエンジンとしては、マイクロパイロット式ガスエンジンが負荷変動や低負荷運転への対応に優れている。このマイクロパイロット式ガスエンジンでは、燃焼室内に混合気(燃焼室に導入される前に天然ガス等の気体燃料と空気とを適正な割合で混合した気体)を供給し、微少の重油等のパイロット液体燃料を着火剤として噴射して、上記混合気を着火・燃焼させる。
このマイクロパイロット式ガスエンジンにおいては、上記パイロット液体燃料は、発熱量換算で主燃料である上記気体燃料の約1%と微量であるため、専用の噴射インジェクタが必要である。このパイロット液体燃料用の噴射インジェクタは、概ねシリンダヘッドに配置される。これに対し、上記気体燃料の噴射弁は、上記シリンダヘッドより上流側の各気筒毎の給気管に設置される。
ところで、上述した地球環境問題に対処するための規制は、施行される区域が設定されている。したがって、船舶が上記区域外にある場合にはディーゼルエンジンが使用可能である。そこで、船舶の位置が上記区域内の場合と上記区域外の場合とで、上記ガスを主燃料とする上記マイクロパイロット式ガスエンジンの機能と上記重油を主燃料とするディーゼルエンジンの機能とを切り換え可能にしたデュアルフューエルディーゼルエンジン(例えば、特開2010‐133337号公報(特許文献1))がある。尚、デュアルフューエルディーゼルエンジンを使用することによって、上記主燃料としての重油を上記ガスで補完することができる。
このデュアルフューエルディーゼルエンジンにおいては、上記天然ガス等の気体燃料を主燃料とするガスモードと上記重油等の液体燃料を主燃料とするディーゼルモードとの2つの運転モードがある。図5は、上記マイクロパイロット式のガスモード時におけるエンジン動作を示すシリンダヘッドの概略断面図である。
上記ガスモードにおいては、先ず、図5(a)に示すように、吸気弁1が開いてピストン2が下降すると、吸気ポート3に介設されたガス供給器4から供給された上記気体燃料が吸気ポート3内で空気と混合されて上記混合気となり、吸気ポート3を通って燃焼室5内に吸入される。次に、図5(b)に示すように、吸気弁1が閉じてピストン2が上昇して、燃焼室5内の上記混合気が圧縮される。そして、図5(c)に示すように、ピストン2が最上位付近まで上昇すると、燃料噴射インジェクタ6から燃焼室5内にパイロット液体燃料として重油が噴射されて、噴射された重油が圧縮混合気によって自然着火し、これを火種として燃焼室5内の上記高圧の混合気が着火燃焼される。
図6は上記ディーゼルモード時におけるエンジン動作を示すシリンダヘッドの概略断面図である。
上記ディーゼルモードにおいては、先ず、図6(a)に示すように、吸気弁1が開いてピストン2が下降すると吸気ポート3を通って空気が燃焼室5内に吸入される。次に、図6(b)に示すように、吸気弁1が閉じてピストン2が上昇して、燃焼室5内の空気が圧縮される。そして、図6(c)に示すように、ピストン2が最上位付近まで上昇すると、燃料噴射インジェクタ7から燃焼室5内に主燃料として重油が噴射されて自然着火される。
しかしながら、上記従来のマイクロパイロット式のデュアルフューエルディーゼルエンジンには、以下のような問題がある。
すなわち、上記デュアルフューエルディーゼルエンジンにおいて、上記ガスモードはマイクロパイロット着火方式であるため、パイロット液体燃料としての重油の噴射量は、上記ディーゼルモード時における主燃料としての重油の噴射量の約1%程度であり、上記ガスモードでの重油の噴射量と上記ディーゼルモードでの重油の噴射量とには大きな差がある。したがって、一つの燃焼室5に対して、上記ディーゼルモード時に使用されるディーゼル用燃料噴射インジェクタ7と、上記ガスモード時に使用されるマイクロパイロット用燃料噴射インジェクタ6とを、個別に設ける必要がある。
しかしながら、上記ディーゼル用燃料噴射インジェクタ7とマイクロパイロット用燃料噴射インジェクタ6とを、限られたスペースのシリンダヘッド内に配置することは非常に困難であるという問題がある。
そこで、特開平2‐33463号公報(特許文献2)に開示された二元燃料噴射弁のごとく、2種類のインジェクタを1つにまとめた燃料噴射弁が提案されている。上記特許文献2に開示された二元燃料噴射弁においては、図7に示すように、弁下部本体11に設けられた主燃料噴射口12を開閉する大針弁13と、この大針弁13内に同軸に挿入されて大針弁13の下部本体14に設けられたパイロット燃料噴射口15を開閉する小針弁16とを備えている。
しかしながら、上記特許文献2に開示された二元燃料噴射弁の場合でも、大針弁13内に小針弁16を同軸に挿入しているため、燃料噴射弁は通常のディーゼルエンジン用の燃料噴射弁よりも太さが太くなり、やはりシリンダヘッド内に配置することは非常に困難であるという問題がある。
特開2010‐133337号公報 特開平2‐33463号公報
そこで、この発明の課題は、ガスモードとディーゼルモードとで異なる噴射量の液体燃料を良好な噴霧で噴射でき、且つ通常のディーゼルエンジン用の燃料噴射弁と同等のサイズを有する燃料噴射弁を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の燃料噴射弁は、
気体燃料を主燃料とするガスモードと液体燃料を主燃料とするディーゼルモードとの2つの運転モードを有するデュアルフューエルディーゼルエンジンの燃焼室内に上記液体燃料を噴射する燃料噴射弁であって、
弁本体と、
上記弁本体の先端に上記燃焼室内に突出して設けられると共に、上記弁本体から供給される液体燃料を上記燃焼室内に噴射する燃料噴射口が設けられた突出部と、
上記弁本体内に上記突出部の位置まで進退可能に挿通されて、上記突出部に設けられた上記燃料噴射口を開閉するニードルバルブと、
上記ニードルバルブを、上記突出部側に向けて第1弾性力で付勢する第1弁バネと、
上記ニードルバルブを、上記突出部側に向けて第2弾性力で付勢する第2弁バネと、
を備え、
上記突出部には、上記ニードルバルブの先端部が挿通されるサック部が設けられると共に、先端に形成されて上記サック部に連通する第1燃料噴射口と、側面に形成されて上記サック部に連通する第2燃料噴射口とが、設けられており、
上記ニードルバルブの先端部には、開弁時に上記弁本体から供給された上記液体燃料を上記サック部に供給するために、外周面に形成された環状溝と、両端が上記環状溝内に開口している貫通孔と、上記貫通孔と上記サック部とを連通する燃料供給孔とが設けられており、
上記ガスモード時には、上記ニードルバルブは、上記第1弁バネの付勢力に抗して上記突出部側とは反対側に向けて移動して開弁すると共に、上記第1燃料噴射口を開放する一方、上記第2燃料噴射口を閉鎖して、上記第1燃料噴射口のみから上記液体燃料を噴射させ、
上記ディーゼルモード時には、上記ニードルバルブは、上記第1弁バネと上記第2弁バネとの合成付勢力に抗して上記突出部側とは反対側に向けて移動して開弁すると共に、上記第1燃料噴射口と上記第2燃料噴射口とを開放して、上記第1燃料噴射口と上記第2燃料噴射口との全てから上記液体燃料を噴射させる
ようになっていることを特徴としている。
上記構成によれば、弁本体の突出部におけるニードルバルブの進退方向の2箇所に燃料噴射口を配置し、気体燃料を主燃料とするガスモード時には、第1弁バネの付勢力に抗して上記突出部側とは反対側に向けて移動するニードルバルブによって、上記突出部の先端に形成された第1燃料噴射口のみを開放する一方、液体燃料を主燃料とするディーゼルモード時には、第2弁バネの付勢力に抗して上記突出部側とは反対側に向けて移動するニードルバルブによって、上記第1燃料噴射口と上記突出部の側面に形成された第2燃料噴射口とを開放するようにしている。したがって、上記ガスモード時には、マイクロパイロット着火に必要な噴射量に応じて、上記第1燃料噴射口のみから上記液体燃料を噴霧で噴射させる一方、上記ディーゼルモード時には、ディーゼル燃焼に必要な噴射量に応じて、上記第1燃料噴射口と上記第2燃料噴射口との全てから上記液体燃料を噴霧で噴射させることができる。
その場合に、上記弁本体,上記ニードルバルブおよび上記弁バネ等の基本構成は、通常のディーゼルエンジン用の燃料噴射弁と略同様である。したがって、この発明によれば、ガスモードとディーゼルモードとで異なる噴射量の液体燃料を良好な噴霧で噴射でき、且つ通常のディーゼルエンジン用の燃料噴射弁と同等のサイズを有する燃料噴射弁を提供できる。
また、1実施の形態の燃料噴射弁では、
上記ガスモード時における上記ニードルバルブの移動量をL1とし、上記ディーゼルモード時における上記ニードルバルブの移動量を上記L1よりも大きいL2とした場合に、
上記第1弁バネは、上記ニードルバルブに常時付勢力を作用し
上記第2弁バネは、上記ニードルバルブが移動量L1だけ移動した後に、上記ニードルバルブに付勢力を作用する
ようになっている。
この実施の形態によれば、上記ニードルバルブを、上記第1弾性力以上であり、且つ上記第1弾性力と第2弾性力との合成力未満の力で付勢すれば、上記ニードルバルブの移動量をL1にできる。これに対し、上記ニードルバルブを、上記第1弾性力と第2弾性力との合成力以上の力で付勢すれば、上記ニードルバルブの移動量を上記L1よりも大きいL2にすることが可能になる。
また、1実施の形態の燃料噴射弁では、
上記ニードルバルブは、
上記液体燃料の圧力が作用する圧力作用面を有しており、
上記ガスモード時に上記圧力作用面に作用する上記液体燃料の圧力が、上記第1弾性力以上であり、且つ上記第1弾性力と第2弾性力との合成力未満である場合には、上記第1弁バネの付勢力に抗して上記移動量L1だけ移動し、
上記ディーゼルモード時に上記圧力作用面に作用する上記液体燃料の圧力が、上記第1弾性力と第2弾性力との合成力以上である場合には、上記第1弁バネと上記第2弁バネとの合成付勢力に抗して上記移動量L2だけ移動する
ようになっている。
この実施の形態によれば、上記ガスモード時に上記ニードルバルブの圧力作用面に作用させる上記液体燃料の圧力と、上記ディーゼルモード時に上記圧力作用面に作用させる上記液体燃料の圧力とによって、上記ニードルバルブの移動量(リフト量)を、上記ガスモード時にはマイクロパイロット着火に必要な噴射量に応じたリフト量L1とする一方、上記ディーゼルモード時にはディーゼル燃焼に必要な噴射量に応じたリフト量L2とすることができる。したがって、燃料噴射弁の構成を簡単にして、サイズの拡大を抑制することができる。
以上より明らかなように、この発明の燃料噴射弁は、弁本体の突出部におけるニードルバルブの進退方向の2箇所に燃料噴射口を配置し、ガスモード時には、第1弁バネの付勢力に抗して移動するニードルバルブによって、上記突出部の先端に形成された第1燃料噴射口のみを開放する一方、ディーゼルモード時には、第2弁バネの付勢力に抗して移動するニードルバルブによって、上記第1燃料噴射口と上記突出部の側面に形成された第2燃料噴射口とを開放するので、上記ガスモード時には、上記第1燃料噴射口のみからマイクロパイロット着火に必要な噴射量の上記液体燃料を良好な噴霧で噴射させる一方、上記ディーゼルモード時には、上記第1燃料噴射口と上記第2燃料噴射口との全てからディーゼル燃焼に必要な噴射量の上記液体燃料を良好な噴霧で噴射させることができる。その場合に、上記弁本体,上記ニードルバルブおよび上記弁バネ等の基本構成は、通常のディーゼルエンジン用の燃料噴射弁と略同様である。
したがって、この発明によれば、ガスモードとディーゼルモードとで異なる噴射量の液体燃料を良好な噴霧で噴射できる通常のディーゼルエンジン用の燃料噴射弁と同等のサイズを有する燃料噴射弁を提供できる。
この発明の燃料噴射弁における弁体の断面図である。 図1に示す弁体の動作説明図である。 ニードルバルブ駆動部の動作説明図である。 図3とは異なるニードルバルブ駆動部の動作説明図である。 デュアルフューエルディーゼルエンジンのガスモード時におけるエンジン動作の説明図である。 デュアルフューエルディーゼルエンジンのディーゼルモード時におけるエンジン動作の説明図である。 2種類のインジェクタを同軸に配置した従来の燃料噴射弁の断面図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の燃料噴射弁における先端に位置する弁本体の断面図である。尚、本実施の形態においては、上記燃料噴射弁を、燃料として重油を用いるマイクロパイロット式のデュアルフューエルディーゼルエンジンに適用した場合を例に挙げて説明する。
図1において、円筒状の弁本体21の先端には、燃焼室内に突出する弁本体21より小径の突出部22が設けられている。そして、弁本体21内には、中心軸に沿って延在するニードルバルブ挿通孔23が形成されている。さらに、ニードルバルブ挿通孔23の先端には燃料供給室24が設けられている。
また、上記突出部22内には、中心軸に沿って延在すると共に、燃料供給室24に連通するニードルバルブ挿通孔23よりも小径であり、且つ有底のサック部25が形成されている。そして、突出部22の先端部には、中心軸に沿って延在すると共に、サック部25と上記燃焼室とを連通する第1燃料噴射口26が形成されている。さらに、第1燃料噴射口26よりも燃料供給室24側(反燃焼室側)におけるサック部25の周囲には、先端に向かって斜めに延在すると共に、サック部25と上記燃焼室とを連通する複数の第2燃料噴射口27が放射状に形成されている。
また、上記燃料供給室24とサック部25との境界には、ニードルバルブ28が着座する円錐形状の面を有する弁座29が設けられている。
上記ニードルバルブ28は、ニードルバルブ挿通孔23に挿通される本体部28aと、本体部28aよりも小径であってサック部25に挿通される先端部28bと、燃料供給室24に挿通されると共に、本体部28aよりも小径であって先端部28bよりも大径の中間部28cとを有している。
上記ニードルバルブ28の本体部28aと中間部28cとの境界には円錐形状の面を有する段部が形成されており、燃料供給室24に供給された燃料の圧力が作用する圧力作用面30を構成している。さらに、中間部28cと先端部28bとの境界には円錐形状の面を有する段部が形成されており、弁座29に着座する座面31を構成している。
上記ニードルバルブ28の先端部28bには、上部の外周面に環状溝32が形成されている。この環状溝32は、後に詳述するようにニードルバルブ28が反燃焼室側(上方)に移動して開弁状態になると、燃料供給室24に連通するようになっている。さらに、先端部28bの中心軸と直交して先端部28b内を貫通すると共に、両端が環状溝32内に開口している貫通孔33が形成されている。さらに、先端部28bの中心軸に沿って、貫通孔33とサック部25とを連通する燃料供給孔34が形成されている。
また、上記弁本体21には、液体燃料としての重油を燃料供給室24に供給するための燃料供給通路35が設けられている。この燃料供給通路35には、燃料噴射ポンプ(図示せず)によって、ピストン圧縮行程上死点付近のタイミングで加圧された重油が供給される。また、上記燃料噴射ポンプで加圧される重油の量は、エンジンの運転負荷に応じてガバナによって増減制御される。すなわち、ガスモード時において上記燃料噴射ポンプで加圧される重油の量は、上記ガバナによってディーゼルモード(負荷100%)時に対して1%となるように制御される。したがって、ディーゼルモード時においては、燃料供給通路35(燃料噴射弁)に供給される重油の量は多くて圧力が高いのに対して、ガスモード時においては、燃料供給通路35(燃料噴射弁)に供給される重油の量は少なくて圧力が低い。
上記構成を有する弁本体21は、以下のように動作する。図2は、上記弁本体21の動作説明図である。但し、図2(a)は閉弁状態であり、図2(b)はガスモード時での開弁状態であり、図2(c)はディーゼルモード時での開弁状態である。
図2(a)においては、上記ニードルバルブ28は、最も先端側に位置している。その結果、ニードルバルブ28における中間部28cと先端部28bとの境界に設けられた座面31が、弁本体21における燃料供給室24とサック部25との境界に設けられた弁座29に密着して、ニードルバルブ28の先端部28bにおける環状溝32と燃料供給室24との間が閉鎖されている。
図2(a)の状態において、上記ガスモード時(噴射時)には、燃料供給通路35から燃料供給室24に、ガスモードに応じて制御された量と圧力で重油が供給される。そうすると、ニードルバルブ28における本体部28aと中間部28cとの境界に設けられた圧力作用面30に、燃料供給室24に供給された重油の圧力が作用する。その結果、図2(b)に示すように、ニードルバルブ28は、図2(a)の状態からリフト量L1だけ反燃焼室側に移動する。その場合、上記リフト量L1は、ニードルバルブ28の先端部28bが、第2燃料噴射口27を開放できない距離である。
その結果、上記ニードルバルブ28の座面31が弁本体21の弁座29から離間して、ニードルバルブ28の環状溝32に、燃料供給室24から重油が供給される。そして、環状溝32に供給された重油は、貫通孔33および燃料供給孔34を経由してサック部25に供給される。こうして、サック部25に供給された重油は、開放されている1本の第1燃料噴射口26のみから上記燃焼室内に、マイクロパイロット着火に必要な噴射量で且つ良好な噴霧で噴射されるのである。
上記ディーゼルモード時(噴射時)には、上記燃料供給通路35から燃料供給室24に、ディーゼルモードに応じて制御された上記ガスモード時よりも多い量と高い圧力とで重油が供給され、図2(c)に示すように、ニードルバルブ28は、図2(a)の状態からリフト量L2だけ反燃焼室側に移動する。その場合、上記リフト量L2は、ニードルバルブ28の先端部28bが、第2燃料噴射口27を開放できる距離である。
その結果、上記燃料供給室24からニードルバルブ28の環状溝32に供給された重油は、貫通孔33および燃料供給孔34を経由してサック部25に供給され、開放されている1本の第1燃料噴射口26と複数本の第2燃料噴射口27とから上記燃焼室内に、上記ディーゼル燃焼に必要な噴射量で且つ良好な噴霧で噴射されるのである。
以下、上記ガスモード時にはニードルバルブ28を上記リフト量L1だけ反燃焼室側に移動させる一方、上記ディーゼルモード時にはニードルバルブ28を上記リフト量L2だけ反燃焼室側に移動させるニードルバルブ駆動部について説明する。
図3は、上記ニードルバルブ駆動部の動作説明図である。但し、図3(a)は閉弁状態であり、図3(b)はガスモード時での開弁状態であり、図3(c)はディーゼルモード時での開弁状態である。
上記ニードルバルブ駆動部においては、上記円筒状の弁本体21の反燃焼室側の端(上端)に、円筒状の駆動部本体36が接続されている。駆動部本体36には、弁本体21との接続面に開口を有する所定深さの窪み37が形成されている。さらに、窪み37の底面に開口を有する窪み37の内径よりも小径の穴38が形成されている。さらに、穴38の底面に開口を有する穴38の内径よりも小径の小径穴39が形成されている。以下、穴38を大径穴38と言う。窪み37,大径穴38および小径穴39は円形の横断面を有しており、夫々は共通の中心軸を有している。
上記ニードルバルブ28の本体部28aにおける反燃焼室側の端面(上端面)28dには、その中心に、柱状体40の一端が取り付けられている。そして、柱状体40は、ニードルバルブ28の中心軸に沿って、駆動部本体36の窪み37および大径穴38を貫通して小径穴39内の開口部付近まで延在している。
上記柱状体40の先端には第1円板41が取り付けられており、第1円板41と小径穴39の底面39aとの間には、第1弁バネ42が縮装されている。
上記駆動部本体36における大径穴38と小径穴39との境界の段部には、大径穴38の内径と略同じ外径の第2円板43が設置されており、この第2円板43の中心に設けられた穴に柱状体40が移動可能に挿通されている。また、上記駆動部本体36における窪み37内には、大径穴38の内径および弁本体21のニードルバルブ挿通孔23(図1参照)の内径よりも大径であって窪み37の内径よりも小径の第3円板44が設置されており、この第3円板44の中心に設けられた穴に柱状体40が移動可能に挿通されている。そして、第2円板43と第3円板44との間には、第2弁バネ45が縮装されている。
また、上記駆動部本体36には、弁本体21の燃料供給通路35に連通する燃料供給通路46が形成されている。
また、図3(a)において、上記第1弁バネ42の弾性力は、上記ガスモード時にニードルバルブ28の圧力作用面30に作用する重油の圧力よりも小さく設定されている。さらに、ニードルバルブ28における本体部28aの端面28dと駆動部本体36における弁本体21との接続面との間には、上記リフト量L1の間隔が設けられている。さらに、第3円板44は弁本体21における駆動部本体36との接続面に当接しており、第3円板44と窪み37の底面との間には「リフト量L2−リフト量L1」の間隔が設けられている。
また、図3(b)において、上記第1弁バネ42と第2弁バネ45との合成弾性力は、上記ディーゼルモード時にニードルバルブ28の圧力作用面30に作用する重油の圧力よりも小さく設定されている。
尚、上記ニードルバルブ駆動部が図3(a)の状態にある場合には、上記燃料噴射弁は図2(a)の状態にある。
上記構成を有するニードルバルブ駆動部は、以下のように動作する。
図3(a)においては、上記燃料供給通路46,35から燃料供給室24に重油が供給されていない。その場合には、ニードルバルブ28の圧力作用面30に作用する重油の圧力は第1弁バネ42の弾性力よりも低く、ニードルバルブ28は第1弁バネ42の弾性力によって燃焼室側に押圧されて、最も先端側に位置している。したがって、図2(a)に示すように、第1燃料噴射口26および第2燃料噴射口27から重油が上記燃焼室内に噴射されることはない。
図3(a)の状態において、上記燃料供給通路46,35から燃料供給室24に、ガスモードに応じて制御された圧力で重油が供給されると、ニードルバルブ28の圧力作用面30に作用する重油の圧力は第1弁バネ42の弾性力よりも大きくなり、ニードルバルブ28は第1弁バネ42の弾性力に抗して反燃焼室側に移動し始める。こうして、ニードルバルブ28は、リフト量L1だけ移動すると、ニードルバルブ28の端面28dが駆動部本体36における弁本体21との接続面に至って第3円板44に当接して、図3(b)の状態となる。
図3(b)においては、上記ニードルバルブ28の圧力作用面30に作用する重油の圧力は第1弁バネ42と第2弁バネ45との合成弾性力よりも小さく、ニードルバルブ28はリフト量L1だけ移動した位置で停止する。その結果、図2(b)に示すように、上記重油は、1本の第1燃料噴射口26のみから上記燃焼室内に、マイクロパイロット着火に必要な噴射量で且つ良好な噴射で噴射されるのである。
図3(a)の状態において、上記燃料供給通路46,35から燃料供給室24に、ディーゼルモードに応じて制御された圧力で重油が供給されると、先ず上記ガスモードの場合と同様に、ニードルバルブ28はリフト量L1だけ移動して図3(b)の状態となる。
さらに、上記ニードルバルブ28の圧力作用面30に作用する重油の圧力は第1弁バネ42と第2弁バネ45との合成弾性力よりも大きいため、ニードルバルブ28は第1弁バネ42と第2弁バネ45との合成弾性力に抗して反燃焼室側に移動し始める。こうして、ニードルバルブ28がさらに「リフト量L2−リフト量L1」だけ第3円板44と一体に移動すると、第3円板44が駆動部本体36の窪み37に当接してニードルバルブ28は停止し、図3(c)の状態となる。こうして、ニードルバルブ28は、図3(a)の状態からリフト量L2だけ反燃焼室側に移動する。その結果、図2(c)に示すように、上記重油は、1本の第1燃料噴射口26と複数本の第2燃料噴射口27とから上記燃焼室内に、上記ディーゼル燃焼に必要な噴射量で且つ良好な噴霧で噴射されるのである。
図4は、図3とは異なる上記ニードルバルブ駆動部の動作説明図である。尚、図4(a)は閉弁状態であり、図4(b)はガスモード時での開弁状態であり、図4(c)はディーゼルモード時での開弁状態である。
図4に示すニードルバルブ駆動部は、図3に示すニードルバルブ駆動部では第1弁バネ42と第2弁バネ45とが直列に配置されているのに対して、一方の弁バネが他方の弁バネを内嵌して配置されている。
すなわち、図4に示すニードルバルブ駆動部においては、上記円筒状の弁本体21の反燃焼室側の端(上端)に円筒状の駆動部本体51が接続されている。この駆動部本体51には、弁本体21との接続面に開口を有する所定深さの第1窪み52が形成されている。さらに、第1窪み52の底面に開口を有する第1窪み52の内径よりも小径の穴53が形成されている。さらに、穴53の底面に開口を有する穴53の内径よりも小径の第2窪み54が設けられている。第1窪み52,穴53および第2窪み54は円形の横断面を有しており、夫々は共通の中心軸を有している。
上記ニードルバルブ28の本体部28aにおける反燃焼室側の端面(上端面)28dには、その中心に、棒状体55の一端が取り付けられている。そして、棒状体55の先端には第1円板56が取り付けられており、第1円板56と第2窪み54の底面との間には、第1弁バネ57が縮装されている。また、駆動部本体51における第1窪み52内には、穴53の内径および弁本体21のニードルバルブ挿通孔23(図1参照)の内径よりも大径であって第1窪み52の内径よりも小径の第2円板58が設置されており、この第2円板58の中心に設けられた穴に棒状体55が移動可能に挿通されている。そして、穴53の底面における第2窪み54の周囲と第2円板58との間には、第2弁バネ59が縮装されている。その場合に、第2弁バネ59は第1弁バネ57を内嵌するように配置されている。
また、上記駆動部本体51には、弁本体21の燃料供給通路35に連通する燃料供給通路60が形成されている。
また、図4(a)において、上記第1弁バネ57の弾性力は、上記ガスモード時にニードルバルブ28の圧力作用面30に作用する重油の圧力よりも小さく設定されている。さらに、ニードルバルブ28における本体部28aの端面28dと駆動部本体36における弁本体21との接続面との間には、上記リフト量L1の間隔が設けられている。さらに、第2円板58は弁本体21における駆動部本体51との接続面に当接しており、第2円板58と第1窪み52の底面との間には「リフト量L2−リフト量L1」の間隔が設けられている。
また、図4(b)において、上記第1弁バネ57と第2弁バネ59との合成弾性力は、上記ディーゼルモード時にニードルバルブ28の圧力作用面30に作用する重油の圧力よりも小さく設定されている。
尚、上記ニードルバルブ駆動部が図4(a)の状態にある場合には、上記燃料噴射弁は図2(a)の状態にある。
上記構成を有するニードルバルブ駆動部は、以下のように動作する。
図4(a)においては、上記燃料供給通路60,35から燃料供給室24に重油が供給されていない。その場合には、図3(a)の場合と同様に、ニードルバルブ28は第1弁バネ57の弾性力によって燃焼室側に押圧されて、最も先端側に位置している。したがって、図2(a)に示すように、第1燃料噴射口26および第2燃料噴射口27から重油が上記燃焼室内に噴射されることはない。
図4(a)の状態において、上記燃料供給通路60,35から燃料供給室24に、ガスモードに応じて制御された圧力で重油が供給されると、図3(b)の場合と同様に、ニードルバルブ28は第1弁バネ57の弾性力に抗してリフト量L1だけ移動して図4(b)の状態で停止する。その結果、図2(b)に示すように、上記重油は、1本の第1燃料噴射口26のみから上記燃焼室内に、マイクロパイロット着火に必要な噴射量で且つ良好な噴霧で噴射される。
図4(a)の状態において、上記燃料供給通路60,35から燃料供給室24にディーゼルモードに応じて制御された圧力で重油が供給されると、ニードルバルブ28はリフト量L1だけ移動して図4(b)の状態となり、図3(c)の場合と同様に、さらに第1弁バネ57と第2弁バネ59との合成弾性力に抗して「リフト量L2−リフト量L1」だけ移動して図4(c)の状態で停止する。こうして、ニードルバルブ28は、図4(a)の状態からリフト量L2だけ反燃焼室側に移動する。その結果、図2(c)に示すように、上記重油は、1本の第1燃料噴射口26と複数本の第2燃料噴射口27とから上記燃焼室内に、上記ディーゼル燃焼に必要な噴射量で且つ良好な噴霧で噴射されるのである。
以上のごとく、本実施の形態においては、燃料噴射弁は、弁本体21とこの弁本体21の先端に燃焼室内に突出する突出部22とを含んでいる。そして、突出部22には、中心軸に沿って延在する第1燃料噴射口26と、第1燃料噴射口26よりも反燃焼室側に位置して放射状に配置された複数の第2燃料噴射口27とを形成している。
上記弁本体21のニードルバルブ挿通孔23および突出部22のサック部25に挿通されるニードルバルブ28には、燃料供給室24に供給された燃料の圧力が作用する圧力作用面30、および、弁本体21側の弁座29に着座する座面31を設けている。また、ニードルバルブ28の先端部28bには、開弁状態になると燃料供給室24をサック部25に連通させる環状溝32,貫通孔33および燃料供給孔34を形成している。
そして、上記ガスモード時には、上記燃料供給室24にガスモードに応じて制御された圧力で重油が供給されてニードルバルブ28の圧力作用面30に圧力が作用し、ニードルバルブ28はリフト量L1だけ反燃焼室側に移動する。その結果、燃料供給室24に供給された重油が、環状溝32,貫通孔33,燃料供給孔34およびサック部25を介して、1本の第1燃料噴射口26のみからマイクロパイロット着火に必要な噴射量で且つ良好な噴霧で上記燃焼室内に噴射される。
一方、上記ディーゼルモード時には、上記燃料供給室24にディーゼルモードに応じて制御された圧力で重油が供給されてニードルバルブ28の圧力作用面30に作用し、ニードルバルブ28はリフト量L2だけ反燃焼室側に移動する。その結果、燃料供給室24に供給された重油が環状溝32,貫通孔33,燃料供給孔34およびサック部25を介して、1本の第1燃料噴射口26と複数本の第2燃料噴射口27とからディーゼル燃焼に必要な噴射量で且つ良好な噴霧で上記燃焼室内に噴射される。
このように、本実施の形態においては、通常のディーゼルエンジン用の燃料噴射弁と同様の構造を有する燃料噴射弁の先端部に、ニードルバルブ28の移動方向の2箇所に第1燃料噴射口26と第2燃料噴射口27とを設け、ニードルバルブ28の移動量を液体燃料の圧力によって制御することによって、第1燃料噴射口26のみからの液体燃料の噴射と第1,第2燃料噴射口26,27からの液体燃料の噴射とを個別に行うことができる。
したがって、上記液体燃料を異なる2つの噴射量で且つ着火燃焼に良好な噴霧で噴射でき、且つ通常のディーゼルエンジン用の燃料噴射弁と同等のサイズを有する燃料噴射弁を提供することができるのである。
また、本実施の形態においては、上記燃料噴射弁の弁本体21における反燃焼室側の端面に接続される駆動部本体36,51を設ける。そして、駆動部本体36,51における弁本体21との接続面に開口を有する所定深さの窪み37,52を形成し、この窪み37,52内に円板44,58を設置する。
上記燃料噴射弁の閉弁状態で、上記ニードルバルブ28の反燃焼室側の端面28dと弁本体21における駆動部本体36,51との接続面との間に、上記リフト量L1の間隔を設ける。さらに、上記円板44,58は弁本体21における駆動部本体36,51との接続面に当接しており、円板44,58と窪み37,52の底面との間に「リフト量L2−リフト量L1」の間隔を設ける。
さらに、上記駆動部本体36,51には、ニードルバルブ28の反燃焼室側の端面28dを付勢する第1弁バネ42,57と、円板44,58を付勢する第2弁バネ45,59とを設ける。すなわち、第1弁バネ42,57はニードルバルブ28に常時付勢力を作用し、第2弁バネ45,59はニードルバルブ28が上記リフト量L1だけ移動した後に、ニードルバルブ28に付勢力を作用するのである。ここで、第1弁バネ42,57は、上記ガスモード時にニードルバルブ28の圧力作用面30に作用する重油の圧力よりも小さい弾性力で、ニードルバルブ28の端面28dを付勢する。また、第2弁バネ45,59が円板44,58を付勢する弾性力は、第1弁バネ42,57と第2弁バネ45,59との合成弾性力が上記ディーゼルモード時(噴射時)にニードルバルブ28の圧力作用面30に作用する重油の圧力よりも小さくなるように設定する。
そして、上記ガスモード時(噴射時)には、上記燃料供給室24にガスモードに応じて制御された圧力で重油を供給する。その場合、ニードルバルブ28の圧力作用面30に作用する重油の圧力は第1弁バネ42,57の弾性力よりも大きく、且つ第1弁バネ42,57と第2弁バネ45,59との合成弾性力よりも小さくなり、ニードルバルブ28はリフト量L1だけ移動した位置で停止する。その結果、図2(b)に示すように、上記重油は、1本の第1燃料噴射口26のみから上記燃焼室内に、マイクロパイロット着火に必要な噴射量で且つ良好な噴霧で噴射される。
一方、上記ディーゼルモード時(噴射時)には、上記燃料供給室24にディーゼルモードに応じて制御された圧力で重油を供給する。その場合、ニードルバルブ28の圧力作用面30に作用する重油の圧力は、第1弁バネ42,57と第2弁バネ45,59との合成弾性力よりも大きくなるので、ニードルバルブ28は上記リフト量L2だけ移動した位置で停止する。その結果、図2(c)に示すように、上記重油は、1本の第1燃料噴射口26と複数本の第2燃料噴射口27とから上記燃焼室内に、上記ディーゼル燃焼に必要な噴射量で且つ良好な噴霧で噴射される。
したがって、上記駆動部本体36,51に、円板44,58と第1弁バネ42,57と第2弁バネ45,59とを設けるだけの簡単な構成で、ニードルバルブ28の移動量を重油の圧力によって2段階に切り換え制御することができるのである。
その際に、上記第1弁バネ42と第2弁バネ45とを図3に示すごとく直列に配置することにより、駆動部本体36における弁バネの設置領域を細くすることができる。また、図4に示すごとく、第2弁バネ59が第1弁バネ57を内嵌するように配置することにより、上記駆動部本体36における弁バネの設置領域を短くすることができる。何れの場合にも、デュアルフューエルディーゼルエンジンを小型に形成することが可能になる。
尚、上記実施の形態においては、上記第1燃料噴射口26の数が1つであるとして説明している。しかしながら、重油を良好な噴霧状態で噴射できるのであれば、複数であっても一向に構わない。
21…弁本体、
22…突出部、
23…ニードルバルブ挿通孔、
24…燃料供給室、
25…サック部、
26…第1燃料噴射口、
27…第2燃料噴射口、
28…ニードルバルブ、
28a…本体部、
28b…先端部、
28c…中間部、
28d…本体部の端面、
29…弁座、
30…圧力作用面、
31…座面、
32…環状溝、
33…貫通孔、
34…燃料供給孔、
35,46,60…燃料供給通路、
36,51…駆動部本体、
37…窪み、
38…大径穴、
39…小径穴、
40…柱状体、
41,56…第1円板、
42,57…第1弁バネ、
43,58…第2円板、
44…第3円板、
45,59…第2弁バネ、
52…第1窪み、
53…穴、
54…第2窪み、
55…棒状体。

Claims (3)

  1. 気体燃料を主燃料とするガスモードと液体燃料を主燃料とするディーゼルモードとの2つの運転モードを有するデュアルフューエルディーゼルエンジンの燃焼室内に上記液体燃料を噴射する燃料噴射弁であって、
    弁本体と、
    上記弁本体の先端に上記燃焼室内に突出して設けられると共に、上記弁本体から供給される液体燃料を上記燃焼室内に噴射する燃料噴射口が設けられた突出部と、
    上記弁本体内に上記突出部の位置まで進退可能に挿通されて、上記突出部に設けられた上記燃料噴射口を開閉するニードルバルブと、
    上記ニードルバルブを、上記突出部側に向けて第1弾性力で付勢する第1弁バネと、
    上記ニードルバルブを、上記突出部側に向けて第2弾性力で付勢する第2弁バネと、
    を備え、
    上記突出部には、上記ニードルバルブの先端部が挿通されるサック部が設けられると共に、先端に形成されて上記サック部に連通する第1燃料噴射口と、側面に形成されて上記サック部に連通する第2燃料噴射口とが、設けられており、
    上記ニードルバルブの先端部には、開弁時に上記弁本体から供給された上記液体燃料を上記サック部に供給するために、外周面に形成された環状溝と、両端が上記環状溝内に開口している貫通孔と、上記貫通孔と上記サック部とを連通する燃料供給孔とが設けられており、
    上記ガスモード時には、上記ニードルバルブは、上記第1弁バネの付勢力に抗して上記突出部側とは反対側に向けて移動して開弁すると共に、上記第1燃料噴射口を開放する一方、上記第2燃料噴射口を閉鎖して、上記第1燃料噴射口のみから上記液体燃料を噴射させ、
    上記ディーゼルモード時には、上記ニードルバルブは、上記第1弁バネと上記第2弁バネとの合成付勢力に抗して上記突出部側とは反対側に向けて移動して開弁すると共に、上記第1燃料噴射口と上記第2燃料噴射口とを開放して、上記第1燃料噴射口と上記第2燃料噴射口との全てから上記液体燃料を噴射させる
    ようになっていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    上記ガスモード時における上記ニードルバルブの移動量をL1とし、上記ディーゼルモード時における上記ニードルバルブの移動量を上記L1よりも大きいL2とした場合に、
    上記第1弁バネは、上記ニードルバルブに常時付勢力を作用し
    上記第2弁バネは、上記ニードルバルブが移動量L1だけ移動した後に、上記ニードルバルブに付勢力を作用する
    ようになっていることを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項2に記載の燃料噴射弁において、
    上記ニードルバルブは、
    上記液体燃料の圧力が作用する圧力作用面を有しており、
    上記ガスモード時に上記圧力作用面に作用する上記液体燃料の圧力が、上記第1弾性力以上であり、且つ上記第1弾性力と第2弾性力との合成力未満である場合には、上記第1弁バネの付勢力に抗して上記移動量L1だけ移動し、
    上記ディーゼルモード時に上記圧力作用面に作用する上記液体燃料の圧力が、上記第1弾性力と第2弾性力との合成力以上である場合には、上記第1弁バネと上記第2弁バネとの合成付勢力に抗して上記移動量L2だけ移動する
    ようになっていることを特徴とする燃料噴射弁。
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