JP2020055249A - ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法 - Google Patents

ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の優れた特性の喪失や製造の煩雑化を防ぎ、コストを低減できるポリアリーレンエーテルケトン樹脂用成形方法を提供する。【解決手段】ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を、貯蔵弾性率(E’)がポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で、一旦2.0×108Pa以下に低下する凹部になる部分を有し、かつ相対結晶化度が80%未満の樹脂シートとし、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を、その〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲で予備加熱した後、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を、そのガラス転移点(Tg)以上融点未満の温度範囲の成形金型72で熱成形する。【選択図】図1

Description

本発明は、機械的性質、耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性、耐放射線性、耐加水分解性、低吸水性、ガスバリア性、リサイクル性、軽量性、摺動性、及び成形加工性等に優れるポリアリーエーテルケトン樹脂シート用成形方法に関するものである。
ポリアリーレンエーテルケトン(芳香族ポリエーテルケトンとも言う、PAEK)樹脂は、機械的性質、耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性、耐放射線性、耐加水分解性、低吸水性、リサイクル性等に優れた熱可塑性の結晶性樹脂である。この優れた性質に鑑み、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、自動車分野、エネルギー分野、半導体分野、医療分野、航空・宇宙分野等の広範囲な分野で使用が提案され、利用されている。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の成形品は、その大部分が射出成形される。しかしながら、多様な成形品を多量に、しかも、低価格で成形するため、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形等で熱成形する場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂を用いた押出成形により、一旦ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを成形し、その後、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを使用して熱成形するのが一般的である。
しかし、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを熱成形する場合、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂のような結晶性樹脂は、溶融張力が小さいため、ドローダウン(垂れ下がり現象)しやすく、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形等の熱成形が困難である。
係るドローダウンの発生を防止するため、従来においては、(1)例えば熱可塑性エンジニアリング樹脂にアクリルポリマーを添加する方法(特許文献1参照)、(2)メタ−キシリレンジアミンとジカルボン酸とのポリ縮合で得られるポリアミドの少なくとも1種と、メチルメタクリレートとアクリル酸及び/又はメタクリル酸の共重合体の少なくとも1種を含む組成物を調製する方法(特許文献2参照)、(3)ポリアミド系樹脂(A)85〜99.9質量部及び不飽和酸単位0.5〜5質量%を含有し、質量平均分子量が10万〜140万であるアクリル系共重合体(B)0.1〜15質量部(ポリアミド系樹脂(A)とアクリル系共重合体(B)との合計が100質量部)を含有するポリアミド系樹脂組成物を調製する方法(特許文献3参照)が提案されている。
特開平1‐268761号公報 特開平8‐67815号公報 特開2008‐255215号公報
しかしながら、(1)、(2)、(3)の方法を採用する場合には、ドローダウンをある程度抑制し、熱成形することができるものの、アクリルポリマーや所定の共重合体の添加により、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の優れた特性の喪失を招くという大きな問題が新たに生じることとなる。また、アクリルポリマーは耐熱性に劣るため、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂に添加すると、成形材料の調製時に分解してしまうという問題が生じる。さらに、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの製造が煩雑となるので、コストの増大を招くこととなる。
本発明は上記に鑑みなされたもので、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の優れた特性の喪失を招くことが少なく、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの製造の煩雑化を防ぎ、コストを低減することのできるポリアリーレンエーテルケトン樹脂用成形方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを用いて所定の成形品を成形するポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法であって、
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、貯蔵弾性率(E’)がポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で、一旦2.0×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有し、かつ相対結晶化度が80%未満のポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートとしてその厚さを1μm以上1000μm以下とし、
このポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲で予備加熱し、その後、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートのガラス転移点(Tg)以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの融点未満の温度範囲の金型により熱成形することを特徴としている。
なお、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の成形材料をポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の熱分解温度未満の温度範囲で溶融混練し、この成形材料をポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の熱分解温度未満の温度範囲に設定したダイスから連続的に押し出してポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを成形し、このポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕以下に冷却することが好ましい。
また、ダイスから連続的に押し出して成形したポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕以下の冷却ロールと圧着ロールとに挟持させることができる。
また、予備加熱したポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、金型の雌型内に中空の雄型により挿入し、雄型に気体を圧送して雌型内を減圧することにより、所定の成形品を熱成形することができる。
ここで、特許請求の範囲におけるポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートには、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの他、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂フィルムが含まれる。このポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートには、必要に応じてコロナ処理、プラズマ処理、酸処理、火炎処理、イトロ処理、コーティング処理等の表面処理が施される。また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの成形材料は、不活性ガスを供給しながら溶融混練することができる。
熱成形には、少なくとも型の孔等を通じ、この型とポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートとの空間を真空にし、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを吸着して成形する真空成形、圧縮空気によりポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを型に圧着して成形する圧空成形、真空圧空成形、プレス成形等が含まれる。また、冷却ロールと圧着ロールの下流には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用の巻取機を設置することができる。冷却ロール及び圧着ロールと巻取機との間には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートにスリットを形成する刃と、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートにテンションを作用させる回転可能なテンションロールとを配設することが可能である。
本発明によれば、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを使用して所定の成形品を成形する場合には、先ず、用意したポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを予備加熱する。この際、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲で予備加熱して軟化させる。
こうしてポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを予備加熱したら、このポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを金型により熱成形することにより、所定の成形品を得ることができる。この熱成形の際、金型の温度を、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートのガラス転移点(Tg)以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの融点未満の範囲に設定すれば、熱成形中の結晶化度を進行させることができる。
本発明によれば、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の優れた特性の喪失を招くことが少なく、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの製造の煩雑化を防ぎ、コストの低減を図ることができるという効果がある。また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートが1μm以上1000μm以下の厚さなので、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの機械的強度が低下するのを防ぐことができる。
請求項2記載の発明によれば、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを溶融押出成形法により成形するので、ハンドリング性を向上させたり、設備の簡略化を図ることができる。また、溶融混練時の温度とダイスの押し出し時の温度とがそれぞれポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の熱分解温度未満の範囲なので、円滑な溶融押出成形が期待でき、しかも、成形材料中のポリアリーレンエーテルケトン樹脂が分解するおそれも少ない。
また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートをポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕以下の温度で冷却するので、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの結晶化を抑制し、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを用いた熱成形が困難になるのを防ぐことができる。
請求項3記載の発明によれば、冷却ロールと圧着ロールとをポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕以下の温度に調整してポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートに接触させるので、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの結晶化の進行を抑制し、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートによる熱成形が困難になるのを防ぐことが可能になる。
また、冷却ロールにポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを圧着ロールにより押し付けて密着させることができるので、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの厚さを1μm以上1000μm以上の範囲で高精度に制御することができ、しかも、ハンドリング性を向上させたり、設備の簡略化を図ることが可能となる。
請求項4記載の発明によれば、金型内のキャビティに変形したポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを密着させ、高精度の成形品等を熱成形することが可能となる。また、熱成形するので、射出成形と比べ、少ない製作日数で設計から生産まで対応することが容易となる。
本発明に係るポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法の実施形態におけるポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの製造装置を模式的に示す全体説明図である。 本発明に係るポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法の実施形態における相対結晶化度が27%のポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの貯蔵弾性率(E’)を模式的に示すグラフである。 本発明に係るポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法の実施形態における相対結晶化度が100%のポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの貯蔵弾性率(E’)を模式的に示すグラフである。 本発明に係るポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法の実施形態におけるポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを予備加熱する状態を模式的に示す断面説明図である。 図4のポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを成形金型の雌型内に雄型のプラグにより挿入する状態を模式的に示す断面説明図である。 図5のポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを雄型のプラグにより圧縮する状態を模式的に示す断面説明図である。 図6の雄型のプラグに圧気して雌型内を減圧する状態を模式的に示す断面説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態におけるポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法は、図1ないし図7に示すように、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を溶融押出成形し、このポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度で予備加熱した後、この予備加熱したポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1のガラス転移点(Tg)以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の融点未満の温度の成形金型72で熱成形するようにしている。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1は、溶融押出成形法、カレンダー成形法、あるいはキャスティング法等の公知の製造法により製造可能であるが、ハンドリング性や設備の簡略化の観点からすると、溶融押出成形法により連続的に薄く押出成形されることが好ましい。ここで、溶融押出成形法とは、図1に示すポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の製造装置の溶融押出成形機10を使用して成形材料2を溶融混練し、溶融押出成形機10のTダイス20からポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を連続的に押し出して製造する方法である。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の製造装置としては、特に限定されるものではないが、例えば図1に示すように、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の成形材料2を使用して厚さ1μm以上1000μm以下のポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を製造する装置であり、成形材料2を溶融混練する溶融押出成形機10と、この溶融押出成形機10に装着されてポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を押し出すTダイス20と、このTダイス20から押し出されたポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を冷却する冷却ロール30と、Tダイス20から押し出されたポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1に接触して冷却ロール30に圧接する一対の圧着ロール40と、冷却ロール30により冷却されたポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を巻き取る巻取機60とを備えて構成される。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1は貯蔵弾性率(E’)が重要であり、貯蔵弾性率(E’)がポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+50℃以下〕の温度範囲中で一旦2×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有する樹脂シートである必要がある(図2参照)。
これは、例えば係る温度範囲中の一旦2.0×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有しない場合(図3参照)には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が軟化しないので、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を用いた後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形等の熱成形が非常に困難になるからである。
なお、図2と図3は、押出方向の貯蔵弾性率(E’)を示すが、幅方向(押出方向の直角方向)の貯蔵弾性率(E’)も略同様である。
ポリポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の相対結晶化度は、80%未満、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%が良い。これは、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の相対結晶化度が80%以上の場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が軟化しないので、後の熱成形性が低下するからである。ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の相対結晶化度の下限は、特には限定されないが、5%以上が良い。ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の結晶化は、相対結晶化度により表すことができる。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の相対結晶化度は、示差走査熱量計を用いて10℃/分の昇温速度で測定した熱分析結果に基づき、以下の式により算出される。
相対結晶化度(%)={1−(ΔHc/ΔHm)}×100
ΔHc:再結晶化ピークの熱量(J/g)
ΔHm:結晶融解ピークの熱量(J/g)
以上の点に鑑み、後の熱成形で軟化するポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の製造に際しては、製造装置の溶融押出成形機10、Tダイス20、冷却ロール30、一対の圧着ロール40のうち、少なくとも冷却ロール30の温度が重要となり、冷却ロール30の温度が所定の温度に調整される必要がある。
ポリポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の成形材料2であるポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、アリーレン基、エーテル基、及びカルボニル基からなる結晶性樹脂であり、例えば特許5709878号公報や特許第5847522号公報に記載された樹脂があげられる。このポリアリーレンエーテルケトン樹脂の具体例としては、例えば、化学式(1)で表される化学構造式を有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、化学式(2)で表される化学構造を有するポリエーテルケトン(PEK)樹脂、化学式(3)で表される化学構造を有するポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、化学式(4)で表される化学構造を有するポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)樹脂、あるいは化学式(5)で表される化学構造を有するポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)樹脂等があげられる。
Figure 2020055249
Figure 2020055249
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ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、1種単独でも良いし、2種以上を混合して使用しても良い。また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、化学式(1)〜(5)で表される化学構造を2つ以上有する共重合体であっても良い。ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、通常、粉状、顆粒状、ペレット状等の成形加工に適した形態で使用される。
これらポリアリーレンエーテルケトン樹脂の中では、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とポリエーテルケトンケトン樹脂とが、易入手性、コスト、樹脂シート1の成形性、及び発泡体の成形性の点で好ましい。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、ビクトレック社製の製品名:Victrex Powderシリーズ、Victrex Granulesシリーズ、ダイセル・エボニック社製の製品名:ベスタキープシリーズ、ソルベイスペシャルティポリマーズ社製の製品名:キータスパイア PEEKシリーズがあげられる。また、ポリエーテルケトンケトン樹脂の具体例としては、アルケマ社製の製品名:KEPSTANシリーズが該当する。
成形材料2は、少なくともポリアリーレンエーテルケトン樹脂が含有されるが、このポリアリーレンエーテルケトン樹脂の他、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリイミド(PI)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂等のポリイミド樹脂、ポリアミド4T(PA4T)樹脂、ポリアミド6T(PA6T)樹脂、変性ポリアミド6T(変性PA6T)樹脂、ポリアミド9T(PA9T)樹脂、ポリアミド10T(PA10T)樹脂、ポリアミド11T(PA11T)樹脂、ポリアミド6(PA6)樹脂、ポリアミド66(PA66)樹脂、ポリアミド46(PA46)樹脂等のポリアミド樹脂、ポリサルホン(PSU)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリフェニレンサルホン(PPSU)樹脂等のポリサルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリフェニレンスルフィドケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィドスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィドケトンスルホン樹脂等のポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂等のポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピル共重合体(FEP)樹脂、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)樹脂、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)樹脂、フッ化ビニリデン・テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂等のフッ素樹脂ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、液晶ポリマー(LCP)等が必要に応じ、添加される。
成形材料2には、本発明の特性を損なわない範囲において、上記樹脂の他、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱向上剤、無機化合物、有機化合物等が選択的に添加される。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の製造装置の溶融押出成形機10は、例えば単軸押出成形機や二軸押出成形機等からなり、投入された成形材料2を溶融混練するよう機能する。この溶融押出成形機10の上部後方には、成形材料2用の原料投入口11が設置され、この原料投入口11には、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガス(図1の矢印参照)を必要に応じて供給する不活性ガス供給管12が接続されており、この不活性ガス供給管12による不活性ガスの流入により、成形材料2の酸化劣化や酸素架橋が有効に防止される。
溶融押出成形機10の溶融混練時におけるポリアリーレンエーテルケトン樹脂の温度は、溶融可能で、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂が分解しない温度であれば、特に制限されるものではないが、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の熱分解温度未満の範囲が良い。具体的には、320℃以上450℃以下、好ましくは360℃以上420℃以下、さらに好ましくは380℃以上400℃以下の範囲が良い。これは、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点未満の場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の成形材料2を溶融押出成形することができず、逆に熱分解温度を越える場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂が激しく分解するおそれがあるからである。
Tダイス20は、溶融押出成形機10の先端部に連結管21を介して装着され、溶融した成形材料2を薄い帯形のポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1に成形して連続的に下方に押し出すよう機能する。このTダイス20の上流には、連結管21に装着されたギアポンプ22が位置し、このギアポンプ22が成形材料2を一定速度で、かつ高精度にTダイス20に移送する。Tダイス20とギアポンプ22との間には、溶融した成形材料2のゲルあるいは異物等を分離する目的でフィルタ(図示せず)が選択的に設置される。
Tダイス20の押し出し時の温度は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の熱分解温度未満、具体的には、320℃以上450℃以下、好ましくは360℃以上420℃以下、さらに好ましくは380℃以上400℃以下の範囲に調整される。これは、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点未満の場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の成形材料2の溶融押出成形が困難化し、逆に熱分解温度を越える場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂が激しく分解するおそれがあるという理由に基づく。
冷却ロール30は、例えば一対の圧着ロール40よりも拡径の金属ロールからなり、Tダイス20の下方に回転可能に軸支されて押し出されたポリアリールエーテルケトン樹脂シート1を圧着ロール40との間に挟持し、圧着ロール40と共にポリアリールエーテルケトン樹脂シート1を短時間で冷却しながらその厚さを所定の範囲内に制御する。
冷却ロール30は、一対の圧着ロール40と同様、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕以下、好ましくはポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1のガラス転移点(Tg)以下、より好ましくは50℃以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以下の温度に調整され、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1に摺接する。
冷却ロール30の温度がポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕以下の温度に調整されるのは、冷却ロール30の温度がポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕を越える場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の相対結晶化度が80%以上となり、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が軟化しないので、後の熱成形性が低下するという理由に基づく。また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲で、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の貯蔵弾性率(E’)が、一旦2×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有しないため、好ましくないという理由に基づく。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の貯蔵弾性率(E’)が、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲で、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の貯蔵弾性率(E’)が、一旦2×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有しない場合、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が軟化せず、その結果、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を利用した真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形等の熱成形が非常に困難になるので、留意する必要がある。
また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の製造中にポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が冷却ロール30に貼り付き、破断するおそれがある。逆に、冷却ロール30が50℃未満の場合には、冷却ロール30の結露を招くので、好ましくない。
冷却ロール30の温度調整や冷却方法としては、特に限定されるものではないが、例えば空気、水、オイル等の熱媒体による方法、あるいは電気ヒータや誘電加熱等の方法が該当する。
一対の圧着ロール40は、冷却ロール30を挟持するようTダイス20の下方に回転可能に軸支される。この一対の圧着ロール40とその下流に位置する巻取機60の巻取管61との間には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の側部にスリットを形成するスリット刃50が少なくとも昇降可能に配置され、このスリット刃50と巻取管61との間には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1にテンションを作用させて円滑に巻き取るためのテンションロール51が回転可能に必要数軸支される。
各圧着ロール40の周面には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1と冷却ロール30との密着性を向上させる観点から、少なくとも天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ノルボルネンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム層が必要に応じて被覆形成され、このゴム層には、シリカやアルミナ等の無機化合物が選択的に添加される。これらの中では、耐熱性に優れるシリコーンゴムやフッ素ゴムの採用が好ましい。
圧着ロール40は、表面が金属の金属弾性ロールが必要に応じて使用され、この金属弾性ロールが使用される場合には、表面が平滑性に優れるポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の成形が可能となる。この金属弾性ロールの具体例としては、金属スリーブロール、エアーロール(ディムコ社製 製品名)、UFロール(日立造船社製 製品名)が該当する。
このような一対の圧着ロール40は、冷却ロール30と同様、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕以下、好ましくはポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1のガラス転移点(Tg)以下、より好ましくは50℃以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以下の温度に調整され、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1に摺接してこれを冷却ロール30に圧接する。
圧着ロール40の温度が係る温度範囲なのは、圧着ロール40の温度がポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕を越える場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の結晶化が進行し、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の相対結晶化度が80%以上となり、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の軟化に支障を来し、後の熱成形性の低下を招くからである。また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲で、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の貯蔵弾性率(E’)が、一旦2×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有しなくなるからである。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の貯蔵弾性率(E’)が、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上〔ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1のガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の貯蔵弾性率(E’)が、一旦2×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有しない場合、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が軟化せず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を利用した真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形等の熱成形がきわめて困難になるので、留意すべきである。
また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の製造中にポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が圧着ロール40に貼り付き、破断を招くおそれがある。逆に、圧着ロール40が50℃未満の場合には、圧着ロール40が結露するため、好ましくない。
圧着ロール40の温度調整や冷却方法としては、冷却ロール30と同様、限定されるものではなく、例えば空気、水、オイル等の熱媒体による方法、あるいは電気ヒータや誘電加熱等があげられる。
上記構成において、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を製造する場合には、先ず、溶融押出成形機10の原料投入口11に成形材料2を投入してこの成形材料2を溶融混練し、Tダイス20からポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を連続的に帯形に押し出す。この際、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の溶融混練前における含水率は、2000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下に調整される。
これは、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の溶融混練前における含水率が2000ppmを越える場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂が発泡するおそれがあるからである。ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の溶融混練前の含水率の下限は、特に限定されるものでないが、100ppm以上が好ましい。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を押し出したら、冷却ロール30、一対の圧着ロール40、テンションロール51、巻取機60の巻取管61に順次巻架するとともに、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を冷却ロール30に摺接させて短時間で冷却し、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の両側部をスリット刃50でそれぞれカットして体裁を整え、巻取機60の巻取管61に順次巻き取れば、ポリアリーレンエーテル樹脂シート1を製造することができる。
この際、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の相対結晶化度と貯蔵弾性率(E’)とは、Tダイス20より押し出されたポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を直ちに冷却することで調整することができる。また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を冷却ロール30に密着させる方法としては、ハンドリング性や設備の簡略化の観点から、圧着ロール40により、冷却ロール30にポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を押し付けて密着させるタッチロール法の採用が好ましい。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1と冷却ロール30との密着時間は、特に限定されるものではないが、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を瞬時に冷却する観点からすると、0.1秒以上120秒以下、好ましくは0.5秒以上40秒以下、より好ましくは1秒以上30秒以下が最適である。
冷却されたポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の厚さは、用途により適宜選択されるが、1μm以上1000μm以下、好ましくは5μm以上750μm以下の範囲が好適である。これは、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の厚さが1μm未満の場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の機械的強度が著しく低下するので、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の成形が困難になるという理由に基づく。逆に、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の厚さが1000μmを越える場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の成形中にポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の結晶化が進行し、相対結晶化度が80%未満のポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を成形することが困難となるからである。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の表面には、本発明の効果を失わない範囲で微細な凹凸を形成し、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1表面の摩擦係数を低下させることができる。
この微細な凹凸の形成方法としては、(1)ポリアリーレンエーテルケトン樹脂を溶融押出成形機10により溶融混練し、この溶融混練したポリアリーレンエーテルケトン樹脂をTダイス20から微細な凹凸を周面に備えた冷却ロール30上に吐き出して密着させ、圧着ロール40との間にポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を挟み、微細な凹凸を形成する方法、(2)ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1に微小なジルコニア、ガラス、ステンレス等の無機化合物、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、あるいは植物の種等の有機化合物を吹き付けて微細な凹凸を形成する方法、(3)ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を微細な凹凸を備えた金型でプレス成形し、微細な凹凸を形成する方法があげられる。
これらの方法の中では、設備の簡略化、凹凸サイズの精度、凹凸形成の均一化、あるいは凹凸形成の容易化、連続的に凹凸の形成が可能な観点から、(1)の方法が最適である。
(1)の方法をさらに詳細に説明すると、(1−1)ポリアリーレンエーテルケトン樹脂を溶融押出成形機10のTダイス20から微細な凹凸を周面に備えた冷却ロール30上に吐き出すとともに、この吐出物を冷却ロール30と微細な凹凸を周面に備えた圧着ロール40とで挟み、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の溶融押出成形と同時に成形する方法、(1−2)成形したポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を微細な凹凸を周面に備えた冷却ロール30と微細な凹凸を周面に備えた圧着ロール40とで挟み、凹凸を形成する方法があげられる。これらの中では、設備の簡略化の観点から、(1−1)の方法が好ましい。
次に、製造したポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を図4に示す治具70にセットして張架し、ヒータ71等に接近させて所定の時間予備加熱する。ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を予備加熱する時間は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が軟化するのであれば、特に限定されるものではないが、一般的には1秒以上600秒以下、好ましくは5秒以上60秒以下、より好ましくは30秒前後が良い。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の予備加熱は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲、好ましくはポリアーレンエーテルケトン樹脂シート1のガラス転移点(Tg)以上ポリアーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+30℃〕以下、より好ましくはポリアリーレンエーテルケトン樹脂のガラス転移点(Tg)以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の〔ガラス転移点(Tg)+20〕以下の温度範囲が良い。これは、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の予備加熱温度が、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕未満の場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が軟化せず、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形等の熱成形が困難になるという理由に基づく。
また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕を越える場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の結晶化が熱成形前に進行し、相対結晶化度80%以上となり、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の貯蔵弾性率(E’)がポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で、一旦2×10Pa以下に低下する凹部になる部分が消失するため、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が軟化せず、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形等の熱成形が困難になるからである。
なお、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の融点以上の温度でポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を予備加熱する場合、ドローダウンを招き、成形不能となるので、留意する必要がある。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を予備加熱したら、この予備加熱したポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を、用意した成形金型72の雌型73内に雄型の中空のプラグ74により挿入(図5参照)し、この雄型のプラグ74で圧縮(図6参照)して型締めし、その後、中空のプラグ74内に空気等の気体を圧気して成形金型72の雌型73内を真空ポンプで減圧(図7参照)すれば、金型内のキャビティに変形したポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が密着し、所定の成形品を熱成形することができる。成形金型72は、例えば雌型73が有底筒形等に形成され、雄型のプラグ74が中空の柱形や錐台形等に形成される。
熱成形の際、成形金型72の雌型73とプラグ74のうち、少なくとも雌型73の温度は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1のガラス転移点(Tg)以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の融点未満の範囲、好ましくはポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+30℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔融点−50℃〕以下、より好ましくはポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔ガラス転移点(Tg)+30℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の〔融点−100℃〕以下の温度範囲に設定される。これは、雌型73の温度がポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1のガラス転移点(Tg)以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の融点未満の範囲の場合には、熱成形中に結晶化が進行するので、低吸水性、機械的強度、電気絶縁特性、耐熱性、耐薬品性、ガスバリア性、耐放射線性、耐加水分解性、摺動性、軽量性等の特性に優れた成形品を得ることができるからである。
これに対し、雌型73の温度がポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1のガラス転移点(Tg)未満の場合には、成形品の結晶化が進行せず、得られる成形品の低吸水性、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、ガスバリア性、耐放射線性、耐加水分解性、摺動性、軽量性等の特性が低下することとなる。また、成形品の使用温度がポリアリーレンエーテルケトン樹脂成形品のガラス転移点(Tg)を越える場合には、使用中に結晶化が局部的に進行し、成形品が変形してしまう原因となる。また、雌型73の温度が融点を越える場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が溶融し、成形品が得られないからである。
なお、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1のガラス転移点(Tg)未満の温度で熱成形した成形品を、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂成形品のガラス転移点(Tg)以上融点未満の温度範囲で加熱して結晶化を進行させる方法の採用も考えられるが、この場合には、局部的に結晶化が進行するので、成形品の変形等が生じ、好ましくない。
成形品の成形時間は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の結晶化が充分に進行し、相対結晶化度が100%に達する時間であれば特に限定されるものではないが、一般的には、0.1秒以上600秒以下、好ましくは0.5秒以上120秒以下、より好ましくは1秒以上60秒以下、さらに好ましく3秒以上30秒以下が良い。
上記によれば、成形材料2にアクリルポリマーや所定の共重合体を何ら添加する必要がないので、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の優れた特性、具体的には耐熱性、低吸水性、機械的強度、電気絶縁性、耐薬品性、耐加水分解性、ガスバリア性、摺動性、成形加工性、及び軽量性の喪失を招くことがない。また、優れた特性を有するポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を熱成形して多品種の成形品を安定させて安価に製造することができる。
また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1の製造の煩雑化を防止し、コスト削減を図ることができる。また、熱成形中にポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の成形品の結晶化を促進することが可能なので、熱成形後の熱処理を省略することができる。さらに、例えポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1が長尺でも、容易な成形が期待できる。
なお、上記実施形態では冷却ロール30にポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を圧着ロール40により、押し付けて密着させたが、何らこれに限定されるものではない。例えば、例えば静電印加法(ピンニング法)やエアーナイフを採用して冷却ロール30にポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を密着させても良い。また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を冷却する場合には、金属ベルト等にポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を密着させたり、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1に水を噴霧したり、あるいは水中にポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート1を投入する方法等を採用しても良い。
以下、本発明に係るポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法の実施例を比較例と共に説明する。
〔実施例1〕
先ず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂として、市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製 製品名:キータスパイアPEEK KT−851NL SP(以下、「KT−851NL SP」と略す〕を用意し、このポリエーテルエーテルケトン樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機で12時間乾燥させた。
乾燥させたポリエーテルエーテルケトン樹脂の含分率が300ppm以下であることを確認し、乾燥させたポリエーテルエーテルケトン樹脂を図1に示す幅900mmのTダイスを備えたφ40mmの単軸溶融押出成形機にセットして溶融混練し、この溶融混練したポリエーテルエーテルケトン樹脂を単軸溶融押出成形機のTダイスから連続的に押し出し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に成形した。
この際、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の含水率は、微量水分測定装置〔三菱化学社製、商品名:CA‐100型〕を用い、カールフィッシャー滴定法により測定した。また、単軸溶融押出成形機は、L/D=32、圧縮比:2.5、スクリュー:フルフライトスクリュータイプとした。
単軸溶融押出成形機の温度は380〜400℃、Tダイスの温度は400℃、これら単軸溶融押出成形機とTダイスとを連結する連結管の温度は400℃に調整した。また、溶融したポリエーテルエーテルケトン樹脂の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、397℃であった。単軸押出成形機にポリエーテルエーテルケトン樹脂を投入する際、不活性ガス供給管により、窒素ガスを18L/分で供給した。
こうしてポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを押出成形したら、連続したポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの両端部をスリット刃で裁断して巻取機の巻取管に順次巻き取り、長さ100m、幅650mmのポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを製造した。この際、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートは、周面に凹凸を備えた130℃の冷却ロール、シリコーンゴム製の一対の圧着ロール、及びこれらの下流に位置する6インチの巻取管に順次巻架し、冷却ロールと圧着ロールとに狭持させた。圧着ロールの温度を非接触式の温度計で測定したところ、131℃であった。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートが得られたら、このポリエーテルエーテル樹脂シートのシート厚、相対結晶化度、ガラス転移点(Tg)、貯蔵弾性率(E’)と融点を測定し、その結果を表1に記載した。
次に、製造したポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを用い、プレス成形法によりカップ状の成形品を成形した。プレス成形は、有底円筒形の雌型(直径20mm、深さ10mm)を成形金型として使用し、成形金型の雄型の中空のプラグを用いて実施した。ここで、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートのプレス成形は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの予備加熱温度:155℃、成形金型温度:200℃、プラグ温度:200℃、成形圧力:200kPa、成形時間:30秒間の条件で実施した。カップ状の成形品を成形したら、成形品のプレス成形性、相対結晶化度、及び耐熱性を評価し、その結果を表1に記載した。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートのシート厚
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの厚さについては、マイクロメータ(ミツトヨ社製 製品名:クーラントプルーフマイクロメータ 符号MDC−25PJ)を使用して測定した。測定に際しては、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの幅方向(押出方向の直角方向)任意の10箇所測定し、その平均値をシート厚とした。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの相対結晶化度
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの相対結晶化度については、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートから測定試料約8mgを秤量し、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジーズ社製 製品名:EXSTAR7000シリーズ X−DSC7000)を使用して昇温速度10℃/分、測定温度範囲20℃から380℃の条件で測定した。このときに得られる結晶融解ピークの熱量(J/g)、再結晶化ピークの熱量(J/g)から以下の式を用いて算出した。
相対結晶化度(%)={1−(ΔHc/ΔHm)}×100
ここで、ΔHcはポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの10℃/分の昇温条件下での再結晶化ピークの熱量(J/g)を表し、ΔHmはポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの10℃/分の昇温条件下での結晶融解ピークの熱量(J/g)を表す。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートのガラス転移点(Tg)
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートのガラス転移点(Tg)については、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの損失弾性率(E”)を測定し、その値が極大になった温度をガラス転移点とした。損失弾性率は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの押出方向で測定した。具体的には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを押出方向60mm×幅方向6mmの大きさに切り出し、粘弾性スペクトロメータ(ティー・エス・インスツルメント・ジャパン社製 製品名:RSA−G2)を用いた引張モードにより、周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、測定温度範囲60℃から360℃以下、チェック間21mmの条件で測定した。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの貯蔵弾性率(E’)
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの貯蔵弾性率(E’)は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの押出方向において引張モードにより測定した。具体的には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを押出方向60×幅方向6mmの大きさに切り出し、粘弾性スペクトロメータ(ティー・エス・インスツルメント・ジャパン社製 製品名:RSA−G2)を用いた引張モードにより、周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、測定温度範囲60℃から360℃、チェック間21mmの条件で測定し、○×表記した。
○:ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以
上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕
以下の温度範囲中で、一旦2.0×10Pa以下に低下する凹部の部分を有する
場合
×:ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以
上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕
以下の温度範囲中で、一旦2.0×10Pa以下に低下する凹部の部分を有しな
い場合
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの融点
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの融点については、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートから測定試料約8mgを秤量し、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジーズ社製 製品名:EXSTAR7000シリーズ X−DSC 7000)を使用して昇温速度10℃/分、測定温度範囲20℃から380℃の条件で測定した。このときに得られる熱量曲線から吸熱ピークの極大値を融点とした。
・成形品のプレス成形性
カップ状の成形品を目視により、観察・評価した。
・成形品の相対結晶化度
成形品の相対結晶化度は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの相対結晶化度と同様の方法により算出した。
・成形品の耐熱性
得られたカップ状の成形品を288℃のはんだ浴に10秒間浮かべ、室温まで冷却した後、成形品に変形やシワの発生を目視により観察し、○×表記した。
ここで、○:変形無し、×:変形有とした。
〔実施例2〕
先ず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂として、実施例1で用いた市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂を用意し、実施例1と同様の方法により、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に成形し、この押出成形した樹脂シートのシート厚さ、相対結晶化度、ガラス転移点(Tg)、貯蔵弾性率(E’)と融点を実施例1と同様の方法により評価してその結果を表1に記載した。溶融したポリエーテルエーテルケトン樹脂の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、397℃であった。また、圧着ロールの温度を非接触式の温度計で測定した結果、130℃であった。
次に、得られたポリエーテルエーテルケトン樹脂シートをプレス成形法により、カップ状の成形品に成形した。プレス成形に使用した成形金型は、実施例1と同様とした。ここで、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートのプレス成形は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの予備加熱温度:150℃、成形金型温度:170℃、プラグ温度:170℃、成形圧力:100kPa、成形時間:90秒間の条件で実施した。カップ状の成形品を成形したら、その成形性、相対結晶化度、及び耐熱性を評価してその結果を表1に記載した。
〔実施例3〕
先ず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂として、実施例1で用いた市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂を用意し、実施例1と同様の方法により、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に成形し、この押出成形した樹脂シートのシート厚さ、相対結晶化度、ガラス転移点(Tg)、貯蔵弾性率(E’)と融点を実施例1と同様の方法により評価してその結果を表1に記載した。溶融したポリエーテルエーテルケトン樹脂の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、398℃であった。また、冷却ロールは70℃に調整した。また、圧着ロールの温度を非接触式の温度計で測定した結果、115℃であった。
次に、得られたポリエーテルエーテルケトン樹脂シートをプレス成形法により、カップ状の成形品に成形した。プレス成形に使用した成形金型は、実施例1と同様とした。ここで、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートのプレス成形は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの予備加熱温度:160℃、成形金型温度:230℃、プラグ温度:230℃、成形圧力:250kPa、成形時間:45秒間の条件で実施した。カップ状の成形品を成形したら、その成形性、相対結晶化度、及び耐熱性を評価してその結果を表1に記載した。
〔実施例4〕
先ず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂として、市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂〔ダイセル・エボニック社製、製品名:ベスタキープ 3300G(以下、「3300G」と略す)〕を用意し、実施例1と同様の方法により、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に押出成形し、この押出成形した樹脂シートの厚さ、相対結晶化度、ガラス転移点(Tg)、貯蔵弾性率(E’)と融点を実施例1と同様の方法で評価し、その結果を表1に記載した。溶融したポリエーテルエーテルケトン樹脂の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、399℃であった。また、冷却ロール温度は110℃に調整した。圧着ロールの温度を非接触式の温度計で測定したところ、127℃の値を示した。
次に、得られたポリエーテルエーテルケトン樹脂シートをプレス成形法でカップ状の成形品に成形した。プレス成形に使用したプレス金型は、実施例1と同様とした。ここで、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートのプレス成形は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの予備加熱温度:165℃、成形金型温度:190℃、プラグ温度:190℃、成形圧力:200kPa、成形時間:90秒間の条件で実施した。カップ状の成形品を成形したら、その成形性、相対結晶化度、及び耐熱性を評価してその結果を表1に記載した。
〔実施例5〕
先ず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂として、市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂〔ビクトレック社製、製品名:Victrex Granules 450G〕を用意し、実施例1と同様の方法でポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に押出成形し、この押出成形した樹脂シートの厚さ、相対結晶化度、ガラス転移点(Tg)、貯蔵弾性率(E’)を実施例1と同様の方法により評価し、その結果を表1に記載した。溶融したポリエーテルエーテルケトン樹脂の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、398℃の値を示した。また、冷却ロール温度は140℃に調整した。また圧着ロールの温度を非接触式の温度計で測定した結果、141℃であった。
次に、得られたポリエーテルエーテルケトン樹脂シートをプレス成形法でカップ状の成形品に成形した。プレス成形に使用した成形金型は、実施例1と同様とした。ここで、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートのプレス成形は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの予備加熱温度:160℃、成形金型温度:200℃、プラグ温度:200℃、成形圧力:200kPa、成形時間:10秒間の条件で実施した。カップ状の成形品を成形したら、その成形性、相対結晶化度、及び耐熱性を評価してその結果を表1に記載した。
〔実施例6〕
先ず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂として、市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂〔ビクトレックス社製、製品名:Victrex Granules 381G〕を用意し、実施例1と同様の方法でポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に押出成形し、この押出成形した樹脂シートの厚さ、相対結晶化度、ガラス転移点(Tg)、貯蔵弾性率(E’)と融点を実施例1と同様の方法により評価し、その結果を表1に記載した。
溶融したポリエーテルエーテルケトン樹脂の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、398℃の値を示した。また、冷却ロール温度は150℃に調整した。圧着ロールの温度を非接触式の温度計で測定した結果、152℃であった。
次に、得られたポリエーテルエーテルケトン樹脂シートをプレス成形法でカップ状の成形品に成形した。プレス成形に使用した成形金型は、実施例1と同様とした。ここで、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートのプレス成形は、予備加熱温度:155℃、成形金型温度:190℃、プラグ温度:190℃、成形圧力:150kPa、成形時間5秒間の条件で実施した。カップ状の成形品を成形したら、その成形性、相対結晶化度、及び耐熱性を評価してその結果を表1に記載した。
〔実施例7〕
先ず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂として、市販のポリエーテルケトンケトン樹脂〔アルケマ社製 製品名:KEPSTAN 8002(以下、「8002」と略する〕を用意し、このポリエーテルケトンケトン樹脂を160℃に加熱した熱風乾燥機で12時間乾燥させた。
ポリエーテルケトンケトン樹脂を12時間乾燥させたら、乾燥したポリエーテルケトンケトン樹脂の水分率を実施例1と同様の方法で測定して含水率が300ppm以下であるのを確認後、乾燥させたポリエーテルケトンケトン樹脂を、幅900mmのTダイスを備えたφ40mmの単軸押出成形機にセットして溶融混練し、この溶融混練したポリエーテルケトンケトン樹脂を単軸押出成形機のTダイスから連続的に押し出してポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に押出成形した。
単軸溶融押出成形機とスクリューについては、実施例1と同様とした。また、単軸溶融押出成形機の温度は380〜400℃、Tダイスの温度は400℃、これら単軸溶融押出成形機とTダイスとを連結する連結管の温度は400℃に調整した。こうしてポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートを押出成形したら、連続したポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートの両端部をスリット刃で裁断して巻取機の巻取管に順次巻き取り、長さ100m、幅650mmのポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートを製造した。
冷却ロールは150℃に調整した。また、圧着ロールの温度を非接触式の温度計で測定したところ、152℃であった。ポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートが得られたら、この樹脂シートの厚さ、比重、相対結晶化度、ガラス転移点(Tg)、貯蔵弾性率(E’)と融点を評価してその結果を表1に記載した。
次に、製造したポリエーテルケトンケトン樹脂シートを用い、プレス成形法によりカップ状の成形品を成形した。プレス成形は、底部を有する円筒状の雌型金型(直径20mm、深さ10mm)を成形金型として使用し、雄型の金型のプラグを用いて実施した。ここで、ポリエーテルケトンケトン樹脂シートのプレス成形は、シートの予備加熱温度:185℃、成形金型温度:250℃、プラグ温度:250℃、成形圧力:200kPa、成形時間:600秒間の条件で実施した。カップ状の成形品を成形したら、成形品のプレス成形性、相対結晶化度、及び耐熱性を評価し、その結果を表1に記載した。
Figure 2020055249
〔比較例1〕
実施例1と同様のポリエーテルエーテルケトン樹脂を使用し、冷却ロールの温度を210℃に変更した以外、実施例1と同様の条件でポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを押出成形した。ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを押出成形したら、このポリエーテルエーテルケトン樹脂シートのシート厚、相対結晶化度、ガラス転移点(Tg)と貯蔵弾性率(E’)と融点を測定してその結果を表2に記載した。
次に、得られたポリエーテルエーテルケトン樹脂シートをプレス成形法により、カップ状の成形品に成形しようと試みた。プレス成形に使用した成形金型は、実施例1と同様とした。ここで、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートのプレス成形は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの予備加熱温度:160℃、成形金型温度:200℃、プラグ温度:200℃、成形圧力:200kPa、成形時間:30秒間の条件で実施した。
〔比較例2〕
実施例1で成形したポリエーテルエーテルケトン樹脂シートをプレス成形法により、カップ状の成形品に成形しようと試みた。プレス成形法に使用した成形金型は、実施例1と同様とした。ここで、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートのプレス成形は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの予備加熱温度:210℃、成形金型温度:230℃、プラグ温度:230℃、成形圧力:200kPa、成形時間:30秒間の条件で実施した。
〔比較例3〕
実施例1で成形したポリエーテルエーテルケトン樹脂シートをプレス成形法により、カップ状の成形品に成形しようと試みた。プレス成形法に使用した成形金型は、実施例1と同様とした。ここで、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートのプレス成形は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの予備加熱温度:155℃、成形金型温度:380℃、プラグ温度:280℃、成形圧力:200kPa、成形時間:30秒間の条件で実施した。
〔比較例4〕
実施例1で成形したポリエーテルエーテルケトン樹脂シートをプレス成形法により、カップ状の成形品に成形した。プレス成形法に使用した成形金型は、実施例1と同様とした。ここで、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートのプレス成形は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの予備加熱温度:160℃、成形金型温度:110℃、プラグ温度:110℃、成形圧力:200kPa、成形時間:30秒間の条件で実施した。
Figure 2020055249
〔結 果〕
各実施例の場合、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で一旦2.0×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有するポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを製造し、使用したので、プレス成形性が実に良好であった。また、プレス成形中に結晶化度が増大し、相対結晶化度が100%となり、耐熱性に優れる成形品を得ることができた。
これに対し、比較例1の場合、冷却ロールの温度がポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕を越える210℃なので、結晶化が進行し、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で一旦2.0×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有しないポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートとなった。したがって、予備加熱によりポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを軟化させることができず、成形品を成形することができなかった。
比較例2の場合、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートをポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕を越える温度で予備加熱したので、予備加熱中にポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの結晶化が進行し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートが軟化せず、成形品を成形することができなかった。
比較例3の場合、成形金型の温度を、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの融点を越える温度に設定してプレス成形を試みたが、成形金型内でポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートが溶融してしまい、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートが軟化せず、成形品を成形できなかった。
比較例4の場合、成形金型の温度を、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートのガラス転移点未満の温度に設定してプレス成形した。その結果、成形品の成形性は良好であったものの、プレス成形中に成形品の結晶化を充分に進行させることができず、成形品の耐熱性に問題が生じた。
本発明に係るポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法は、例えば医薬、医療用機器、食品、機械、包装資材、電気、電子、家電機器、音楽機器、情報機器、自動車、宇宙・航空機等の製造分野で使用される。
1 ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート
2 成形材料
10 溶融押出成形機
20 Tダイス(ダイス)
30 冷却ロール
40 圧着ロール
60 巻取機
72 成形金型(金型)
73 雌型
74 プラグ(雄型)

Claims (4)

  1. ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを用いて所定の成形品を成形するポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法であって、
    ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、貯蔵弾性率(E’)がポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で、一旦2.0×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有し、かつ相対結晶化度が80%未満のポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートとしてその厚さを1μm以上1000μm以下とし、
    このポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)−10℃〕以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲で予備加熱し、その後、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートのガラス転移点(Tg)以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの融点未満の温度範囲の金型により熱成形することを特徴とするポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法。
  2. ポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の成形材料をポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の熱分解温度未満の温度範囲で溶融混練し、この成形材料をポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点以上ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の熱分解温度未満の温度範囲に設定したダイスから連続的に押し出してポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを成形し、このポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕以下に冷却する請求項1記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法。
  3. ダイスから連続的に押し出して成形したポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕以下の冷却ロールと圧着ロールとに挟持させる請求項2記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法。
  4. 予備加熱したポリアリーレンエーテルケトン樹脂シートを、金型の雌型内に中空の雄型により挿入し、雄型に気体を圧送して雌型内を減圧することにより、所定の成形品を熱成形する請求項1、2、又は3記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート用成形方法。
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