JP2020052221A - 保護フィルム付き光学フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】防汚性に優れ、かつ使用前における表面保護フィルムの剥離や貼り合わせ界面への気泡の混入が抑制された保護フィルム付き光学フィルムを提供する。【解決手段】保護フィルム付き光学フィルム(100)は、最表面に防汚層(4)を備える光学フィルム(10)と、光学フィルムの防汚層に仮着された表面保護フィルム(70)とを含む。防汚層の水接触角は100°以上である。保護フィルムはフィルム基材(7)上に粘着剤層(8)を備える。光学フィルムの防汚層と、表面保護フィルムの粘着剤層との接着力は、0.07N/50mm未満である。粘着剤層の厚みは16μm以上が好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、表面保護フィルムが仮着された光学フィルムに関する。
画像表示装置の最表面に配置される反射防止フィルム、タッチパネルの位置検出用フィルム、窓ガラスやショーウィンドウに貼り合わせられるウインドウフィルム等は、外部から接触可能な状態で使用されるため、指紋、手垢、埃等による汚染の影響を受けやすい。そのため、外部環境からの汚染防止や、付着した汚染物質の除去を容易とする目的で、防汚層が設けられている(例えば特許文献1および特許文献2)。
これらの光学フィルムは、加工や輸送等の使用前の状態での傷付きや汚染等を防止するために表面保護フィルムが仮着される(例えば特許文献3)。表面保護フィルムは、フィルム基材の主面に粘着剤層を備え、この粘着剤層を介して、保護対象の表面に貼り合わせられる。表面保護フィルムは工程材であるため、低粘着性で被着体から容易に剥離可能であり、被着体への糊残りが生じないことが求められる。
特開2015−69008号公報 特開2017−117666号公報 特開2008−151996号公報
防汚層は、水分や油分を撥きやすいため、防汚層の表面に表面保護フィルムを貼り合わせると、防汚層と粘着剤層との密着性が低く、輸送や加工等の光学フィルムの使用前の状態において、光学フィルムの表面から表面保護フィルムが剥離したり、貼り合わせ界面に気泡が混入する等の不具合が生じやすい。特に、防汚層の防汚特性が高い場合にはその傾向が顕著である。一方、表面保護フィルムの密着性を高めるために、粘着剤層の接着力を高めると、光学フィルムから表面保護フィルムを剥離した際に、防汚層の表面への糊残り等に起因する汚染が生じやすい。
本発明者らは、所定の粘着剤層を備える表面保護フィルムを用いることにより、防汚特性が高い防汚層に対して十分な密着性を有し、かつ表面保護フィルムの剥離時の糊残りが生じ難いことを見出した。
本発明は、最表面層として防汚層を備える光学フィルムと、光学フィルムの防汚層に仮着された表面保護フィルムとを含む保護フィルム付き光学フィルムに関する。表面保護イルムは、フィルム基材上に粘着剤層を備え、光学フィルムの防汚層と表面保護フィルムの粘着剤層とが接している。
光学フィルムの防汚層は、水接触角が100°以上である。表面保護フィルムの粘着剤層は厚みが16μm以上であることが好ましい。本発明の保護フィルム付き光学フィルムにおいて、光学フィルムの前記防汚層と表面保護フィルムの粘着剤層との接着力は、0.07N/50mm未満である。
粘着剤層の表面硬度は600kPa以下が好ましい。防汚層の動摩擦係数は0.15以下が好ましい。防汚層の材料の例として、パーフルオロポリエーテル骨格を有するフッ素系樹脂等が挙げられる。
光学フィルムは、フィルム基材と防汚層との間に、少なくとも1層の無機薄膜を備えていてもよい。無機薄膜は、屈折率の異なる複数の無機薄膜からなる反射防止層であってもよい。
光学フィルムは、フィルム基材上にハードコート層を備えていてもよい。フィルム基材上のハードコート層は、微粒子を含有する防眩性ハードコート層であってもよい。光学フィルムは、防汚層の表面の算術平均粗さが0.1〜2.5μmであってもよい。
本発明の保護フィルム付き光学フィルムでは、光学フィルムの最表面に設けられた防汚層の水接触角が100°以上であるため、防汚性に優れる。また、光学フィルムと表面保護フィルムとの接着力が所定範囲であるため、貼り合わせ界面への気泡の混入や、光学フィルムの使用前における表面保護フィルムの剥離を防止できる。
保護フィルム付き反射防止フィルムの積層構成を示す断面図である。
本発明の保護フィルム付き光学フィルムは、光学フィルムと表面保護フィルムとの積層体である。光学フィルムは、フィルム基材の一主面上に少なくとも防汚層を備え、表面保護フィルムは、フィルム基材上に粘着剤層を備える。防汚層は光学フィルムの最表面に設けられている。保護フィルム付き光学フィルムにおいては、光学フィルムの防汚層に表面保護フィルムの粘着剤層が貼り合わせられる。
図1は、光学フィルムの一実施形態である反射防止フィルム10の表面に表面保護フィルム70が仮着された保護フィルム付き反射防止フィルム100の構成を示す断面図である。反射防止フィルム10は、フィルム基材1上に反射防止層3を備え、反射防止層3上に防汚層4を備える。表面保護フィルム70は、フィルム基材7上に粘着剤層8を備える。防汚層4は反射防止フィルム10の最表面層であり、この防汚層4に表面保護フィルム70の粘着剤層8が貼り合わせられている。
以下では、図1に示す保護フィルム付き反射防止フィルムの好ましい形態に沿って、各層の材料や特性等ついて順に説明する。
[反射防止フィルム]
反射防止フィルム10は、フィルム基材1の第一主面上に、最表面層として防汚層4を備え、フィルム基材1と防汚層4の間に反射防止層3を備える。フィルム基材1の第一主面上にはハードコート層2が設けられていてもよい。
<フィルム基材>
フィルム基材1としては、例えば、透明フィルムが用いられる。透明フィルムの可視光透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。透明フィルムを構成する樹脂材料としては、例えば、透明性、機械強度、および熱安定性に樹脂材料が好ましい。樹脂材料の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。
フィルム基材1には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、造核剤、充填剤、顔料、界面活性剤、帯電防止剤等が含まれていてもよい。フィルム基材の表面には、易接着層、易滑層、ブロッキング防止層、帯電防止層、反射防止層、オリゴマー防止層等が設けられていてもよい。
フィルム基材の厚みは特に限定されないが、強度や取扱性等の作業性、薄層性等の観点から、5〜300μm程度が好ましく、10〜250μmがより好ましく、20〜200μmがさらに好ましい。
(ハードコート層)
フィルム基材1の表面には、ハードコート層2が設けられていることが好ましい。フィルム基材1の反射防止層3形成面側にハードコート層2が設けられることにより、反射防止フィルムの表面硬度や耐擦傷性等の機械特性を向上できる。
ハードコート層2を構成する硬化性樹脂としては、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等が挙げられる。硬化性樹脂の種類としてはポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、アミド系、シリコーン系、シリケート系、エポキシ系、メラミン系、オキセタン系、アクリルウレタン系等の各種の樹脂が挙げられる。これら硬化性樹脂は、一種または二種以上を、適宜に選択して使用できる。
これらの中でも、硬度が高く、紫外線硬化が可能で生産性に優れることから、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、およびエポキシ系樹脂が好ましく、中でもアクリルウレタン系樹脂が好ましい。紫外線硬化型樹脂には、紫外線硬化型のモノマー、オリゴマー、ポリマー等が含まれる。好ましく用いられる紫外線硬化型樹脂は、例えば紫外線重合性の官能基を有するもの、中でも当該官能基を2個以上、特に3〜6個有するアクリル系のモノマーやオリゴマーを成分として含むものが挙げられる。
反射防止フィルムに、防眩性およびギラツキ防止性を持たせるために、ハードコート層2に防眩性を持たせてもよい。防眩性ハードコート層としては、例えば、上記の硬化性樹脂マトリクス中に、微粒子を分散させたものが挙げられる。樹脂マトリクス中に分散させる微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等の各種金属酸化物微粒子、ガラス微粒子、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル−スチレン共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン、ポリカーボネート等の各種透明ポリマーからなる架橋又は未架橋の有機系微粒子、シリコーン系微粒子等の透明性を有するものを特に制限なく使用できる。微粒子の平均粒子径は20〜5000nmが好ましく、2000〜4000nmがさらに好ましい。微粒子の割合は特に制限されないが、マトリックス樹脂100重量部に対し2〜40重量部が好ましく、3〜20重量部がより好ましい。微粒子の平均粒子径および含有量が上記範囲であれば、ハードコート層2の表面に光散乱に適した凹凸が形成され、良好な防眩性を付与できる。
ハードコート層2上に形成される反射防止層3および防汚層4は厚みが小さいため、防汚層4の表面形状は、ハードコート層2の表面形状に依存する。後述のように、防汚層4の表面の算術平均粗さは、0.1〜2.5μmが好ましい。防汚層4の表面の算術平均粗さを上記範囲とするためには、ハードコート層2の算術平均粗さが0.1〜2.5μmであることが好ましい。算術平均粗さRaは、レーザー顕微鏡を用いた100μm×100μmの観察像から、JIS B0601:1994に準じて算出される。ハードコート層に含まれる微粒子の粒子径や含有量を調整することにより、ハードコート層2の表面の凹凸形状を調整できる。
ハードコート層は、例えば、フィルム1上に、硬化性樹脂を含有する溶液を塗布することにより形成できる。ハードコート層を形成するための溶液には、紫外線重合開始剤が配合されていることが好ましい。微粒子を含む防眩性ハードコート層を形成するためには、硬化性樹脂に加えて上記の微粒子を含有する溶液を透明フィルム上に塗布することが好ましい。溶液中には、レベリング剤、チクソトロピー剤、帯電防止剤等の添加剤を含有させてもよい。防眩性ハードコート層の形成においては、溶液中にチクソトロピー剤(例えば、粒子径0.1μm以下のシリカ、マイカ等の粒子)を含有させることにより、ハードコート層の表面において、突出粒子により微細凹凸構造を容易に形成できる。
ハードコート層2の厚みは特に限定されないが、高い硬度を実現するためには、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。塗布による形成の容易性を考慮すると、ハードコート層の厚みは15μm以下が好ましく、12μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。
ハードコート層2上に反射防止層3を形成する前に、ハードコート層2と反射防止層3との密着性のさらなる向上等を目的として、ハードコート層2の表面処理が行われてもよい。表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、オゾン処理、プライマー処理、グロー処理、アルカリ処理、酸処理、カップリング剤による処理等の表面改質処理が挙げられる。表面処理として真空プラズマ処理を行ってもよい。真空プラズマ処理により、ハードコート層の表面粗さを調整することもできる。例えば、高放電電力で真空プラズマ処理を行えば、ハードコート層表面のRaが大きくなる傾向がある。真空プラズマ処理(例えば、アルゴンプラズマ処理)の放電電力は、0.5〜10kW程度であり、好ましくは1〜5kW程度である。
<反射防止層>
一般に、反射防止層は、入射光と反射光の逆転した位相が互いに打ち消し合うように、薄膜の光学膜厚(屈折率と厚みの積)が調整される。屈折率の異なる複数の薄膜の多層積層体により、可視光の広帯域の波長範囲において、反射率を小さくできる。反射防止層3を構成する薄膜の材料としては、金属の酸化物、窒化物、フッ化物等が挙げられる。反射防止層3は、好ましくは、高屈折率層と低屈折率層の交互積層体である。防汚層との界面での反射を低減するために、反射防止層3の最外層として設けられる薄膜34は、低屈折率層であることが好ましい。
高屈折率層31,33は、例えば屈折率が1.9以上、好ましくは2.0以上である。高屈折率材料としては、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等が挙げられる。中でも、酸化チタンまたは酸化ニオブが好ましい。低屈折率層32,34は、例えば屈折率が1.6以下、好ましくは1.5以下である。低屈折率材料としては、酸化シリコン、窒化チタン、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化ハフニウム、フッ化ランタン等が挙げられる。中でも酸化シリコンが好ましい。特に、高屈折率層としての酸化ニオブ(Nb)薄膜31,33と、低屈折率層としての酸化シリコン(SiO)薄膜32,34とを交互に積層することが好ましい。低屈折率層と高屈折率層に加えて、屈折率1.6〜1.9程度の中屈折率層が設けられてもよい。
高屈折率層および低屈折率層の膜厚は、それぞれ、5〜200nm程度であり、15〜150nm程度が好ましい。屈折率や積層構成等に応じて、可視光の反射率が小さくなるように、各層の膜厚を設計すればよい。例えば、高屈折率層と低屈折率層の積層構成としては、フィルム基材側から、光学膜厚25nm〜55nm程度の高屈折率層31、光学膜厚35nm〜55nm程度の低屈折率層32、光学膜厚80nm〜240nm程度の高屈折率層33、および光学膜厚120nm〜150nm程度の低屈折率層34の4層構成が挙げられる。
反射防止層3は、好ましくは、ハードコート層2と接する面にプライマー層30を備え、その上に、高屈折率層および低屈折率層を備える。
プライマー層30を構成する材料としては、例えば、シリコン、ニッケル、クロム、スズ、金、銀、白金、亜鉛、チタン、タングステン、アルミニウム、ジルコニウム、パラジウム等の金属;これらの金属の合金;これらの金属の酸化物、フッ化物、硫化物または窒化物;等が挙げられる。中でも、プライマー層の材料は酸化物が好ましく、酸化シリコンが特に好ましい。酸化シリコンは屈折率が小さいため、ハードコート層2とプライマー層30との界面での可視光の反射を低減できる。
プライマー層30は、好ましくは、化学量論組成よりも酸素量が少ない無機酸化物層である。非化学量論組成の無機酸化物の中でも、組成式SiOx(0.5≦x<2)で表される酸化シリコンが好ましい。
プライマー層30の厚みは、例えば、1〜20nm程度であり、好ましくは3〜15nmである。プライマー層の膜厚が上記範囲であれば、ハードコート層2との密着性と高い光透過性とを両立できる。
反射防止層3を構成する薄膜の成膜方法は特に限定されず、ウェットコーティング法、ドライコーティング法のいずれでもよい。膜厚が均一な薄膜を形成できることから、真空蒸着、CVD,スパッタ、電子線蒸等のドライコーティング法が好ましい。中でも、膜厚の均一性に優れ、緻密な膜を形成しやすいことから、スパッタ法が好ましい。
スパッタ法では、ロールトゥーロール方式により、長尺のフィルム基材を一方向(長手方向)に搬送しながら、薄膜を連続成膜できる。スパッタ法では、アルゴン等の不活性ガス、および必要に応じて酸素等の反応性ガスをチャンバー内に導入しながら成膜が行われる。スパッタ法による酸化物層の成膜は、酸化物ターゲットを用いる方法、および金属ターゲットを用いた反応性スパッタのいずれでも実施できる。高レートで金属酸化物を成膜するためには、金属ターゲットを用いた反応性スパッタが好ましい。
<防汚層>
反射防止フィルム10は、フィルム基材1の第一主面上の最表面層として防汚層4を備える。最表面に防汚層が設けられることにより、外部環境からの汚染(指紋、手垢、埃等)の影響を低減できるとともに、表面に付着した汚染物質の除去が容易となる。汚染防止性および汚染物質の除去性を高めるために、防汚層4の水接触角は100°以上が好ましく、102°以上がより好ましく、105°以上がさらに好ましい。水接触角が大きいほど撥水性が高く、汚染物質の付着防止効果や汚染物質除去性が向上する傾向がある。
一方、水接触角度が過度に大きいと、濡れ性が低いために、防汚層表面に表面保護フィルムを貼り合わせた際に、粘着剤層との密着性が低く、搬送・加工時の保護フィルムの剥離や、貼り合わせ界面への気泡の混入等の不具合が生じる場合がある。そのため、防汚層4の水接触角は130°以下が好ましく、125°以下がより好ましく、120°以下がさらに好ましい。
防汚層4の動摩擦係数は、0.15以下が好ましく、0.13以下がより好ましく、0.11以下がさらに好ましい。動摩擦係数が小さいほど、滑り性が良好であり、表面への傷が生じ難く耐擦傷性が向上する傾向がある。一方、動摩擦係数が過度に小さいと、フィルムの搬送やハンドリングに支障をきたす場合があるため、防汚層4の動摩擦係数は0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上がさらに好ましい。
動摩擦係数は、防汚層を形成する材料、および防汚層の表面形状に依存する。動摩擦係数を上記範囲とするために、防汚層4の算術平均粗さは、0.1〜2.5μmが好ましく、0.5〜2.2μmがより好ましく、0.8〜1.8μmがさらに好ましい。
反射防止層3および防汚層4は厚みが小さいため、防汚層4の表面には、ハードコート層2の表面形状を反映した凹凸形状が形成されやすい。そのため、防汚層4の表面の算術平均粗さを上記範囲とするためには、ハードコート層2に粒子を含有させて表面凹凸を形成することが好ましい。また、ハードコート層2に真空プラズマ処理等の表面処理を施すことにより表面形状を調整してもよい。
反射防止層3の反射防止特性を維持するために、防汚層4は、反射防止層3の最表面の低屈折率層34との屈折率差が小さいことが好ましい。防汚層4の屈折率は、1.6以下が好ましく、1.55以下がより好ましい。
防汚層4の材料としては、フッ素含有化合物が好ましい。フッ素含有化合物は、防汚性を付与するとともに、低屈折率化にも寄与し得る。中でも、撥水性に優れ、高い防汚性を発揮できることから、パーフルオロポリエーテル骨格を含有するフッ素系ポリマーが好ましい。防汚性を高める観点から、剛直に並列可能な主鎖構造を有するパーフルオロポリエーテルが特に好ましい。パーフルオロポリエーテルの主鎖骨格の構造単位としては、炭素数1〜4の分枝を有していてもよいパーフルオロアルキレンオキシドが好ましく、例えば、パーフルオロメチレンオキシド、(−CFO−)、パーフルオロエチレンオキシド(−CFCFO−)、パーフルオロプロピレンオキシド(−CFCFCFO−)、パーフルオロイソプロピレンオキシド(−CF(CF)CFO−)等が挙げられる。
防汚層は、リバースコート法、ダイコート法、グラビアコート法等のウエット法や、CVD法等のドライ法等により形成できる。防汚層の厚みは、通常、2〜50nm程度である。防汚層4の厚みが大きいほど、水接触角度が大きくなる傾向がある。防汚層4の水接触角を100°以上とするためには、防汚層4の厚みは7nm以上が好ましい。
[表面保護フィルム]
表面保護フィルム70は、フィルム基材7の一主面上に粘着剤層8を備える。表面保護フィルム70を反射防止フィルム10の表面に貼り合わせることにより、輸送や加工等のプロセスにおいて、反射防止フィルム10の表面を保護して、防汚層4の傷付きや汚染を防止できる。
<フィルム基材>
保護フィルム70は、反射防止フィルム10の表面を保護する工程材であり、反射防止フィルム10の使用時には剥離除去される。そのため、保護フィルム70のフィルム基材7は、表面を保護するための機械強度を有していれば、その材料や厚みは特に限定されない。フィルム基材7としては、反射防止フィルム10のフィルム基材1に関して先に例示した樹脂材料や厚みを有するものが好ましく用いられる。
<粘着剤層>
水接触角の大きい防汚層に対する接着力を高め、表面保護フィルムの剥離や貼り合わせ界面への気泡の混入等を抑制する観点から、粘着剤層8の厚みは16μm以上が好ましく、18μm以上がより好ましく、20μm以上がさらに好ましい。粘着剤層の硬度を高め、糊残りを低減する観点から、粘着剤層8の厚みは50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、35μm以下がさらに好ましい。
粘着剤層8を構成する粘着剤の組成は特に限定されず、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系等のポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、接着性および光学的透明性に優れることから、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
アクリル系粘着剤のアクリル系ベースポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのモノマー単位を主骨格とするものが好適に用いられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜20である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適に用いられる。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸イソトリドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸イソテトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸アラルキル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量に対して40重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。アクリル系ポリマーは、複数の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体であってもよい。構成モノマー単位の並びはランダムであっても、ブロックであってもよい。
アクリル系ポリマーは、共重合成分として、架橋可能な官能基を有するモノマー成分を含有することが好ましい。架橋可能な官能基を有するモノマーとしてはヒドロキシ基含有モノマーや、カルボキシ基含有モノマーが挙げられる。中でも、共重合成分として、ヒドロキシ基含有モノマーを含有することが好ましい。ヒロドキシ基やカルボキシ基は、後述の架橋剤との反応点となる。ベースポリマーに架橋構造が導入されることにより、粘着剤の凝集力が向上し、被着体に対する適度の接着力を示すとともに、被着体から表面保護フィルムの再剥離が容易となり、糊残り等に起因する汚染を抑制できる傾向がある。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等が挙げられる。カルボキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等が挙げられる。
アクリル系ポリマーは、上記以外に、共重合モノマー成分として、酸無水物基含有モノマー、アクリル酸のカプロラクトン付加物、スルホン酸基含有モノマー、燐酸基含有モノマー等を用いることもできる。また、改質モノマーとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等のグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステル系モノマー等も使用することができる。
アクリル系ポリマー中の共重合モノマー成分の比率は特に制限されないが、例えば架橋点を導入する目的で共重合モノマー成分としてヒロドキシ基含有モノマーやカルボキシ基含有モノマーを用いる場合、ヒロドキシ基含有モノマーとカルボキシ基含有モノマーの含有量の合計は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量に対して、1〜20%程度が好ましく、2〜15%程度がより好ましい。
上記モノマー成分を、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の各種公知の方法により重合することにより、アクリル系ポリマーが得られる。粘着剤の接着力、保持力等の特性のバランスや、コスト等の観点から、溶液重合法が好ましい。溶液重合の溶媒としては、酢酸エチル、トルエン等が用いられる。溶液濃度は通常20〜80重量%程度である。重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系等の各種公知のものを使用できる。分子量を調整するために、連鎖移動剤が用いられていてもよい。反応温度は通常50〜80℃程度、反応時間は通常1〜8時間程度である。
アクリル系ポリマーの分子量は、粘着剤層8が所期の接着力を有するように適宜に調整されるが、例えば、ポリスチレン換算の重量平均分子量が5万〜200万程度、好ましくは7万〜180万程度、より好ましくは10万〜150万程度、さらに好ましくは20万〜100万程度である。なお、アクリル系ベースポリマーに架橋構造が導入される場合、架橋構造導入前のポリマーの分子量が上記範囲であることが好ましい。
粘着剤層8の接着力の調整等を目的として、ベースポリマーに架橋構造を導入してもよい。例えば、アクリル系ポリマーを重合後の溶液に架橋剤を添加し、必要に応じて加熱を行うことにより、架橋構造が導入される。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。中でも、アクリル系ポリマーのヒドロキシ基やカルボキシ基との反応性が高く、架橋構造の導入が容易であることから、イソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤が好ましい。これらの架橋剤は、ポリマー中に導入されたヒドロキシ基やカルボキシ基等の官能基と反応して架橋構造を形成する。
イソシアネート系架橋剤としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが用いられる。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類;トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(例えば、東ソー製「コロネートL」)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(例えば、東ソー製「コロネートHL」)、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(例えば、三井化学製「タケネートD110N」、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(例えば、東ソー製「コロネートHX」)等のイソシアネート付加物等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物が用いられる。エポキシ系架橋剤のエポキシ基はグリシジル基であってもよい。エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ系架橋剤として、ナガセケムテックス製の「デナコール」、三菱ガス化学製の「テトラッドX」「テトラッドC」等の市販品を用いてもよい。
重合後のアクリル系ポリマーに架橋剤を添加することにより、架橋構造が導入される。架橋剤の使用量は、ポリマーの組成や分子量、目的とする接着特性等に応じて適宜に調整すればよい。粘着剤に適度の凝集力を持たせ、被着体から保護フィルムを剥離する際の剥離力を適切な範囲に調整するためには、架橋剤の使用量は、アクリル系ポリマー100重量部に対して、1.5重量部以上が好ましく、2重量部以上がより好ましく、2.5重量部以上がさらに好ましい。被着体に対する適度の接着性を持たせるためには、架橋剤の使用量は、アクリル系ポリマー100重量部に対して、12重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、8重量部以下がさらに好ましい。
架橋剤の使用量の増加に伴って粘着剤層の硬度が高くなり粘性が低下する傾向がある。そのため、架橋剤の使用量の増加に伴って、反射防止フィルム10から保護フィルム70を剥離した際の防汚層4表面への糊残りが抑制される傾向がある。一方、架橋剤の使用量が増加すると、粘着剤層の硬度が過度に上昇し、接着性が低下するため、搬送・加工時の保護フィルムの剥離や、貼り合わせ界面への気泡の混入等の不具合が生じる場合がある。特に、防汚層4の水接触角が100°以上である場合には、粘着剤が防汚層に濡れ広がり難いため、架橋剤の使用量が過度に大きい場合は、密着性が低下しやすい。また、架橋剤の使用量が増加すると、未反応の架橋剤が粘着剤層8の表面にブリードして、防汚層4の表面を汚染する原因となる場合がある。
粘着剤層の硬さを適切な範囲とし、かつ架橋剤に起因する防汚層の汚染を抑制する観点から、アクリル系ポリマーの架橋可能な官能基と、架橋剤の反応性官能基の比率を調整することが好ましい。架橋剤の添加量は、架橋剤の反応性官能基のモル当量が、アクリル系ポリマーの架橋可能な官能基のモル当量の0.3〜1.2倍の範囲内となるように調整することが好ましい。例えば、イソシアネート系架橋剤を用いる場合は、イソシアネート基のモル当量が、ポリマーの水酸基のモル当量の0.3〜1.2倍となるように、架橋剤の量を調整することが好ましい。エポキシ系架橋剤を用いる場合は、エポキシ基のモル当量が、ポリマーのカルボキシ基のモル当量の0.3〜1.2倍となるように、架橋剤の量を調整することが好ましい。架橋剤の反応性官能基のモル当量は、ポリマーの架橋可能な官能基のモル当量の0.4〜1.0倍がより好ましく、0.5〜0.9倍がさらに好ましい。
粘着剤層を形成するための粘着剤組成物は、ベースポリマー、および必要に応じて架橋剤および溶媒を含有する。粘着剤組成物は、重合触媒、架橋触媒、シランカップリング剤、粘着性付与剤、可塑剤、軟化剤、劣化防止剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、帯電防止剤等の添加剤を、本発明の特性を損なわない範囲で含有していてもよい。
粘着剤組成物を、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコート等により、基材上に塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥除去することにより粘着剤層が形成される。乾燥方法としては、適宜、適切な方法が採用され得る。加熱乾燥温度は、好ましくは40℃〜200℃、より好ましくは50℃〜180℃、さらに好ましくは70℃〜170℃である。乾燥時間は、好ましくは5秒〜20分、より好ましくは5秒〜15分、さらに好ましくは10秒〜10分、特に好ましくは10秒〜5分である。
粘着剤組成物が架橋剤を含有する場合は、溶媒の乾燥と同時、または溶媒の乾燥後に、加熱またはエージングにより架橋を進行させることが好ましい。粘着剤組成物がベースポリマーの構成モノマー成分を含む場合には、加熱またはエージングにより重合を行うことが好ましい。加熱温度や加熱時間は、使用するモノマーや架橋剤の種類によって適宜設定され、通常、20℃〜160℃の範囲で、1分から7日程度である。溶媒を乾燥除去するための加熱が、重合または架橋のための加熱を兼ねていてもよい。
フィルム基材7上に粘着剤層8を積層することにより、表面保護フィルムが得られる。粘着剤層8は、フィルム基材7上に直接形成してもよく、他の基材上でシート状に形成された粘着剤層をフィルム基材7上に転写してもよい。表面保護フィルムは、反射防止フィルム等の被着体と貼り合わせるまでの間、粘着剤層8の表面を保護するために、セパレータを付設することが好ましい。
前述のように、水接触角の大きい防汚層に対する接着性を確保する観点から、フィルム基材7上に設けられた粘着剤層8の厚みは18μm以上が好ましい。また、防汚層に対する接着性をより高める観点から、粘着剤層8の表面硬度は、600kPa以下が好ましく、400kPa以下がより好ましく、300kPa以下がさらに好ましく、200kPa以下が特に好ましい。一方、防汚層への糊残りを抑制する観点から、フィルム基材7上に設けられた粘着剤層8の表面硬度は、20kPa以上が好ましく、30kPa以上がより好ましく、40kPa以上がさらに好ましく、50kPa以上が特に好ましい。粘着剤層の表面硬度はナノインテンデーションにより測定される。
水接触角の大きい防汚層に対する適度の接着性を確保し、かつ適度な硬さを持たせて粘着剤の移着等に起因する防汚層の汚染を抑制する観点から、粘着剤層8のゲル分率は、85〜95%が好ましい。粘着剤層8のゲル分率が過度に大きいと、被着体に対する濡れ性が低下し、接着力が不十分となる場合がある。一方、ゲル分率が過度に小さいと、粘着剤の硬度が低下し、防汚層の汚染の原因となる場合がある。ゲル分率は、酢酸エチル等の溶媒に対する不溶分として求めることができ、具体的には、粘着剤層を酢酸エチル中に23℃で7日間浸漬した後の不溶成分の、浸漬前の試料に対する重量分率(単位:重量%)として求められる。一般に、ポリマーのゲル分率は架橋度に等しく、ポリマー中の架橋された部分が多いほど、ゲル分率が大きくなる。
粘着剤層8に適度な硬さを持たせて、反射防止フィルム10から保護フィルム70を剥離する際の剥離力を小さくする観点から、粘着剤層2の23℃における貯蔵弾性率G’は、5.0×10Pa以上が好ましく、7.5×10Pa以上がより好ましく、1.0×10Pa以上がさらに好ましい。粘着剤層8の貯蔵弾性率が過度に大きいと、防汚層に対する濡れ性が低下し、接着力が不十分となる場合がある。そのため、粘着剤層2の23℃における貯蔵弾性率G’は、5.0×10Pa以下が好ましく、2.5×10Pa以下がより好ましく、1.0×10Pa以下がさらに好ましい。貯蔵弾性率G’は、動的粘弾性測定装置(例えばレオメトリックス社製「ARES」)を用い、周波数1Hz,温度範囲−70℃〜150℃、昇温速度5℃/minの条件でせん断モードにて粘弾性測定を行うことにより求められる。
[反射防止フィルムと表面保護フィルムの積層]
反射防止フィルム10の防汚層4上に、表面保護フィルム70の粘着剤層8を貼り合わせることにより、保護フィルム付き反射防止フィルム100が得られる。貼り合わせ方法は特に限定されず、例えばロールラミネータ等を用いた一般的な貼り合わせ法を採用できる。
反射防止フィルム10と表面保護フィルム70の接着力は、0.07N/50mm未満が好ましい。両者の接着力が0.07N/50mm未満であれば、表面保護フィルムを剥離後の防汚層4の表面への糊残り等に起因する汚染を防止できる。糊残り等に起因する汚染をより確実に防止する観点から、反射防止フィルム10と表面保護フィルム70の接着力は、0.06N/50mm以下がより好ましく、0.05N/50mm以下がさらに好ましい。接着力は、引張速度0.3m/分で180°剥離試験を行った際の剥離力である。
貼り合わせ界面への気泡の混入や反射防止フィルムの使用前の表面保護フィルムの剥離を防止する観点から、反射防止フィルム10と表面保護フィルム70の接着力は、0.01N/50mm以上が好ましく、0.02N/50mm以上がより好ましい。前述のように、粘着剤層8の形成に用いられる粘着剤組成物における架橋剤の使用量を調整し、粘着剤層8の硬度を適切な範囲とすることにより、接着力を上記範囲内に調整できる。
[反射防止フィルム以外への適用]
最表面に防汚層4を備える反射防止フィルム10の表面に表面保護フィルム70を貼り合わせる例について説明したが、表面保護フィルム70による保護対象である光学フィルムは、フィルム基材の最表面に、水接触角が100°以上の防汚層を備えるものであれば、反射防止フィルムに限定されない。
光学フィルムは、フィルム基材上に防汚層のみを備える防汚フィルムでもよい。また、光学フィルムは、フィルム基材と防汚層の間に各種の機能層を有する機能性光学フィルムでもよい。防汚フィルムや機能性光学フィルムは、フィルム基材上にハードコート層や防眩層等を備えていてもよい。
機能性光学フィルムとしては、タッチパネルの位置検出等に用いられる導電性フィルム、窓ガラスやショーウィンドウに貼り合わせられる日射遮蔽フィルムや遮熱・断熱フィルム等が挙げられる。このような機能性光学フィルムの機能層としては、金属や金属化合物(金属または半金属の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物等)等の無機薄膜が挙げられる。機能層は、導電性でも絶縁性でもよく、半導体でもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[反射防止フィルムの作製]
<反射防止フィルムA>
バインダー樹脂としてのペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学製「ビスコート♯300」)50重量部およびウレタンアクリレートプレポリマー(新中村化学工業製「UA−53H−80BK」)50重量部;シリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製「トスパール130」、重量平均粒径:3μm)3.5重量部;有機粘土である合成スメクタイト(コープケミカル製「ルーセンタイトSAN」)2重量部;光重合開始剤(BASF製「イルガキュア907」)3重量部;ならびにレベリング剤(DIC製「PC4100」、固形分10%)0.2を混合し、トルエン/シクロペンタノン混合溶媒(重量比70/30)で希釈して、固形分濃度33重量%のハードコート層形成用組成物を調製した。なお、有機粘土は、トルエンで固形分が6重量%になるよう希釈して用いた。この組成物を、厚み40μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ製「KC4UA」)に、コンマコーター(登録商標)を用いて塗布し、80℃で1分間加熱した。その後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射し、塗布層を硬化させて厚み:6.3μmの防眩性ハードコート層を形成した。
(反射防止層の形成)
ハードコート層が形成されたトリアセチルセルロースフィルムを、ロールトゥートール方式のスパッタ成膜装置に導入し、フィルムを走行させながら、防眩性ハードコート層形成面にボンバード処理(Arガスによるプラズマ処理)を行った後、密着性向上層として、3.5nmのSiO層(x<2)を成膜し、その上に、10.1nmのNb層、27.5nmのSiO層、105.0nmのNb層および83.5nmのSiO層を順に成膜した。密着性向上層およびSiO層の成膜にはSiターゲット、Nb層の成膜にはNbターゲットを用いた。SiO層の成膜およびNb層の成膜においては、プラズマ発光モニタリング(PEM)制御により、成膜モードが遷移領域を維持するように導入する酸素量を調整した。
(防汚層の形成)
主鎖骨格に−(CF−CF−O)−および−(CF−O)−を含むパーフルオロエーテルを含有するフッ素系樹脂溶液(防汚材料1)を、反射防止層の表面SiO層上に、乾燥後厚みが9nmとなるように塗布し、トップコート層としての防汚層を形成した。
<反射防止フィルムB,C>
反射防止フィルムBおよび反射防止フィルムCは、防汚層の構成が異なること以外は反射防止フィルムAと同様に作製した。反射防止フィルムBでは、防汚層の材料を、主鎖骨格に−(O−CF(CF)−CF)−を含むパーフルオロエーテルを含有するフッ素系樹脂溶液(防汚材料2)に変更し、防汚層の厚みを6nmとした。反射防止フィルムCでは防汚層の厚みを4nmに変更した。
[粘着剤組成物の調製]
<粘着剤組成物Aの調製>
温度計、攪拌機、冷却器および窒素ガス導入管を備える反応容器内に、モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)96重量部、およびヒドロキシエチルアクリレート(HEA)4重量部、ならびに重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部を酢酸エチル150重量部とともに仕込み、23℃で緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換を行った。その後、液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、アクリルポリマーの溶液(濃度40重量%)を得た。
アクリルポリマーの溶液250重量部(ポリマー100重量部)に、トルエン73重量部およびアセチルアセトン10重量部を加え、濃度30重量%に希釈した。この溶液に、架橋剤としてトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート三量体付加物の75%酢酸エチル溶液(東ソー製「コロネートL」)5.3重量部(固形分4.0重量部)、および架橋触媒としてジオクチルスズラウレートの0.5%溶液(東京ファインケミカル製「エンビライザー OL−1)4重量部 (固形分0.02重量部)を加えて攪拌し、アクリル系粘着剤溶液Aを調製した。この組成物における架橋剤のイソシアネート当量は、ポリマーの水酸基当量の0.69倍であった。
<粘着剤組成物Bの調製>
架橋剤をヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(東ソー製「コロネートHX」)4.0重量部に変更したこと以外は、粘着剤組成物Aの調製と同様にして、アクリル系粘着剤溶液Bを調製したこの組成物における架橋剤のイソシアネート当量は、ポリマーの水酸基当量の0.73倍であった。
<粘着剤組成物Cの調製>
温度計、攪拌機、冷却器および窒素ガス導入管を備える反応容器内に、モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート54重量部、酢酸ビニル(VAC)43重量部、およびアクリル酸(AA)3重量部、ならびに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(BPO)0.2重量部を酢酸エチル233重量部とともに仕込み、23℃で緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換を行った。その後、液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、アクリルポリマーの溶液(濃度30重量%)を調製した。
アクリルポリマーの溶液333重量部(ポリマー100重量部)に、メチルエチルケトン67重量部を加え、濃度25重量%に希釈した。この溶液に、架橋剤として4官能エポキシ系化合物(三菱ガス化学製「テトラッドC」)10重量部を加えて撹拌し、アクリル系粘着剤溶液Cを調製した。この組成物における架橋剤のエポキシ当量は、ポリマーのカルボキシ基当量の1.46倍であった。
[表面保護フィルムの作製]
<表面保護フィルム1>
片面に帯電防止層が設けられた厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ケミカル製「ダイアホイルT100G38」の帯電防止層が設けられていない面に、上記の粘着剤組成物Aを塗布し、130℃で2分間乾燥して、厚さ21μmの粘着剤層を形成した。粘着剤層の表面に、セパレータ(片面がシリコーン離型処理された厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム)の離型処理面を貼り合わせた。
<表面保護フィルム2>
粘着剤組成物Aに代えて粘着剤組成物Bを用いたこと以外は、表面保護フィルム1の作製と同様にして、表面保護フィルム2を作製した。
<表面保護フィルム3>
粘着剤組成物Aに代えて粘着剤組成物Cを用い、粘着剤層の厚みを23μmに変更したこと以外は、表面保護フィルム1の作製と同様にして、表面保護フィルム3を作製した。
<表面保護フィルム4>
表面保護フィルム4として、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み15μmのアクリル系粘着剤層を備え、粘着剤層の表面にセパレータが仮着された市販の粘着フィルム(サンエー化研製「SAT−2038T10−JSL」)を用いた。
[保護フィルム付き反射防止フィルムの作製]
表面保護フィルム1〜4のセパレータを剥離し、ロールラミネータを用いて、反射防止フィルムA〜Cの防汚層の表面に表面保護フィルムの粘着剤層を貼り合わせて、表1に示す実施例1,2および比較例1〜4の保護フィルム付き反射防止フィルムを作製した。
[評価方法]
以下の測定および評価は、いずれも、23℃、相対湿度50%の環境(以下「標準環境」)下で実施した。
<反射防止フィルムの水接触角>
接触角測定装置(協和界面化学社製「DMo-701」)を用いて、表面保護フィルムを貼り合わせる前の反射防止フィルムの防汚層表面に、約5.0μLの水を滴下した。滴下から2秒後に、防汚層の表面と液滴端部の接線との角度を測定した。実施例1および実施例2については、反射防止フィルムの表面に保護フィルムを貼り合わせて、温度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽で250時間静置した後、表面保護フィルムを剥離し、再度、標準環境下で反射防止フィルムの水接触角(湿熱試験後の水接触角)を測定した。
<反射防止フィルムの動摩擦係数>
表面性測定基 (新東科学製「トライボギア TYPE:14)を用いて、滑り片として10mmφのフェルトを使用し、荷重500g、速度300mm/分、長さ50mmの条件で防汚層の表面を一方向に擦過し、摩擦係数(摩擦力/荷重)の平均値を反射防止フィルム(防汚層)の動摩擦係数とした。
<反射防止フィルムの表面粗さ>
レーザー顕微鏡(キーエンス製「VK−X200」)を用い、倍率10倍での観察像(100μm×100μm)から、算術平均粗さRaを求めた。
<粘着剤の表面硬度>
表面保護フィルムの粘着剤層付設面を上向きにして、ナノインデンテーションシステム(Hysitron製「TI950 TriboIndenter」)のステージ上に固定した。バーコピッチ(三角錐)型のダイヤモンド製圧子(先端の曲率半径:0.1μm)を用いて、徐々に荷重を印加し、深さ1500nmまで押し込んだ際の押込硬度(押込荷重/圧子と試料の投影接触面積)を算出した。なお、圧子と試料の投影接触面積は、特開2005−195357号公報に記載の方法により算出した。
<表面保護フィルムの接着力>
保護フィルム付き反射防止フィルムを幅50mm×長さ100mmに切り出し、標準環境下で30分間静置した後、反射防止フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルム側の面を両面粘着テープを用いてアクリル板に固定した。試料の長さ方向の端部の表面保護フィルムを剥離し、剥離角度180°、引張速度0.3m/分でピール試験を行った。
<保護フィルムの密着性>
反射防止フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルム側の面にガラス板を貼り合せ、50℃、0.5MPaのオートクレーブで15分間処理を実施した。その後、標準環境下で30分間静置した後、保護フィルムと反射防止フィルムとの界面での気泡の有無を目視にて確認した。気泡が確認されたものを「接着不良(×)」、気泡がみられなかったものを「接着性良好(〇)」とした。
<汚染性>
反射防止フィルムのポリエチレンテレフタレートフィルム側の面に黒色アクリル板を貼り合せ、温度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽で250時間した後、表面保護フィルムを剥離した。反射防止フィルムの一部の領域の表面に粘着テープを貼り合わせた後剥離して、表面の付着物質を除去した。その後、三波長蛍光灯を設置した暗室下で、反射防止フィルムからの反射光を目視にて観察し、テープにより付着物質を除去した領域と他の領域との差の有無を確認した。目視による反射光の差がみられたものを「汚染あり(×)」、反射光の差がみられなかったものを「汚染なし(〇)」とした。
上記の実施例および比較例における反射防止フィルムの防汚層の構成、および表面保護フィルムにおける粘着剤層の構成、ならびに評価結果を表1に示す。
Figure 2020052221
実施例1および実施例2では、反射防止フィルムの防汚層と表面保護フィルムとの貼り合わせ界面に気泡が見られず良好な密着性を示し、かつ表面保護フィルムを剥離後の防汚層の表面に汚染がみられなかった。また、反射防止フィルムに表面保護フィルムを貼り合わせた状態で湿熱試験を行った後も、防汚層の水接触角に大きな変化はみられず、表面保護フィルムの粘着剤による汚染が生じていないことが分かる。
実施例1と同一の表面保護フィルムを用いた比較例4では、実施例1と同様に良好な密着性および耐汚染性を示したが、防汚層の水接触角が小さく、防汚性に劣っていた。表面硬度の高い粘着剤層を備える表面保護フィルムを用いた比較例1および比較例3では、表面保護フィルムを剥離する際の剥離力が大きく、表面保護フィルムを剥離後の防汚層に汚染がみられた。表面保護フィルムとして市販の粘着剤付きフィルムを用いた比較例2では、表面保護フィルムの剥離力は実施例1と同等であったが、粘着剤層の厚みが小さいために、防汚層と表面保護フィルムとの密着性が劣っていた。また、比較例2では、表面保護フィルムを剥離後の防汚層に汚染がみられた。
以上の結果から、所定の粘着剤層を備える表面保護フィルムを用いることにより、水接触角が大きく防汚性の高い防汚層を備える光学フィルムに対しても、十分な密着性を示し、かつ粘着剤に起因する汚染を防止できることが分かる。
10 光学フィルム(反射防止フィルム)
1 フィルム基材
2 ハードコート層
3 反射防止層
30 プライマー層
31,33 低屈折率層
32,34 高屈折率層
4 防汚層
70 表面保護フィルム
7 フィルム基材
8 粘着剤層

Claims (9)

  1. 第一フィルム基材の第一主面上に最表面層として防汚層が設けられた光学フィルムと、前記光学フィルムの前記防汚層に仮着された表面保護フィルムとを含み、
    前記表面保護フィルムは第二フィルム基材上に粘着剤層を備え、
    前記粘着剤層の厚みが16μm以上であり、
    前記防汚層の水接触角が100°以上であり、
    前記防汚層と前記粘着剤層とが接しており、
    前記光学フィルムの前記防汚層と、前記表面保護フィルムの前記粘着剤層との接着力が、0.07N/50mm未満である、保護フィルム付き光学フィルム。
  2. 前記粘着剤層の表面硬度が600kPa以下である、請求項1に記載の保護フィルム付き光学フィルム。
  3. 前記防汚層の動摩擦係数が0.15以下である、請求項1または2に記載の保護フィルム付き光学フィルム。
  4. 前記防汚層がパーフルオロポリエーテル骨格を有するフッ素系樹脂を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護フィルム付き光学フィルム。
  5. 前記光学フィルムは、前記第一フィルム基材と前記防汚層との間に、少なくとも1層の無機薄膜を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の保護フィルム付き光学フィルム。
  6. 前記無機薄膜は、屈折率の異なる複数の無機薄膜からなる反射防止層である、請求項5に記載の保護フィルム付き光学フィルム。
  7. 前記光学フィルムは、前記第一フィルム基材の第一主面上にハードコート層を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の保護フィルム付き光学フィルム。
  8. 前記ハードコート層が、微粒子を含有する防眩性ハードコート層である、請求項7に記載の保護フィルム付き光学フィルム。
  9. 前記防汚層の表面の算術平均粗さが0.1〜2.5μmである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の保護フィルム付き光学フィルム。

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