JP2020051919A - 放射妨害波測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射妨害波試験で測定された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得るか否かを判定すること。【解決手段】放射妨害波測定装置は、放射妨害波の放射源を囲む面上に設定された複数の測定点における所定の周波数帯域の電界強度を第1サンプリング時間で測定することにより、前記面上における電界強度分布を測定する第1測定部と、複数の前記測定点のうち所定の電界強度が測定された前記測定点において、第2サンプリング時間ごとに電界強度を測定することにより、電界強度時間波形を測定する第2測定部と、前記電界強度分布にメディアンフィルタを適用する演算部と、前記メディアンフィルタが適用された前記電界強度分布に対するスパイクノイズの許容率を算出し、前記電界強度時間波形に基づいて長周期ノイズが測定された確率を算出する算出部と、前記長周期ノイズが測定された確率が前記許容率以下であるか否かを判定する判定部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、放射妨害波測定装置に関する。
一般に、電子機器は、周囲の電子機器や通信機器に影響を及ぼす放射妨害波を放射することがある。このため、現在では、電子機器が市場へ出荷される前に、放射妨害波の電界強度が国際的に定められた規格の許容値以下であることを確認する放射妨害波試験を行う必要がある。例えば、特許文献1には、放射妨害波の電界強度を測定する電磁界測定装置が開示されている。
特許第4915050号公報
しかし、この電磁界測定装置は、電磁波の最大値を取得した際の受信アンテナ高さを、周波数及び偏波別にデータベース化された電波伝搬特性と照合し、その照合結果に基づいて、最大値が適切に取得できたか否かの信頼性を検証する。このため、この電磁界測定装置は、データベースが完全でない場合、放射妨害波試験で測定された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得るか否かを判定し得ないことがある。
そこで、本発明は、放射妨害波試験で測定された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得るか否かを判定することができる放射妨害波測定装置を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、放射妨害波の放射源を囲む面上に設定された複数の測定点における所定の周波数帯域の電界強度を第1サンプリング時間で測定することにより、前記面上における電界強度分布を測定する第1測定部と、複数の前記測定点のうち所定の電界強度が測定された前記測定点において、第2サンプリング時間ごとに電界強度を測定することにより、電界強度時間波形を測定する第2測定部と、前記電界強度分布にメディアンフィルタを適用する演算部と、前記メディアンフィルタが適用された前記電界強度分布に対するスパイクノイズの許容率を算出し、前記電界強度時間波形に基づいて長周期ノイズが測定された確率を算出する算出部と、前記長周期ノイズが測定された確率が前記許容率以下であるか否かを判定する判定部と、を備える放射妨害波測定装置である。
本発明によれば、放射妨害波試験で測定された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得るか否かを判定することができる。
実施形態に係る放射妨害波測定装置の構成の一例を示す図である。 実施形態に係る放射妨害波測定装置が測定した電界強度分布の一例を示す図である。 実施形態に係る放射妨害波測定装置が測定した電界強度時間波形の一例を示す図である。 実施形態に係る制御部のハードウエア構成の一例を示す図である。 実施形態に係る放射妨害波測定装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る放射妨害波測定装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
[実施形態]
図1から図4を参照しながら、実施形態に係る放射妨害波測定装置の構成の一例について説明する。図1は、実施形態に係る放射妨害波測定装置の構成の一例を示す図である。
図1に示した放射妨害波測定装置1は、例えば、EMC規格に従って、供試体である放射源100から放射される放射妨害波を測定する放射妨害波試験に利用される装置である。放射妨害波測定装置1は、グランドプレーンを形成している金属床面を備える電波暗室内に配置される。電波暗室の内壁のうち金属床面を除いた壁面には、電波吸収体が貼り付けられている。また、ここで言う放射源100は、例えば、放射妨害波を放射する電子機器である。
図1に示すように、放射妨害波測定装置1は、アンテナ11と、アンテナマスト12と、ターンテーブル13と、駆動制御部14と、第1測定部21と、第2測定部22と、制御部30とを備える。
アンテナ11は、放射源100が放射する放射妨害波を受信する。また、アンテナ11は、アンテナマスト12に昇降可能な形態で支持されており、放射源100から所定の間隔をおいて配置される。ターンテーブル13は、グランドプレーンに設けられた円盤状の回転台であり、グランドプレーンに垂直な軸を中心として回転することができる。放射源100は、ターンテーブル13に載置されたテーブル200の上に載置される。駆動制御部14は、アンテナマスト12を駆動することにより、アンテナ11を昇降させ、ターンテーブル13を駆動することにより、放射源100及びテーブル200を回転させる。
第1測定部21は、例えば、スーパーヘテロダイン方式のスペクトルアナライザ、FFTベースのスペクトルアナライザである。第1測定部21は、放射妨害波の放射源100を囲む面上に設定された複数の測定点における所定の周波数帯域の電界強度を第1サンプリング時間で測定することにより、面上における電界強度分布を測定する。
具体的には、第1測定部21は、それぞれの測定点において、第1サンプリング時間ごとに電界強度を測定する周波数帯域を掃引しながら、電界強度の周波数スペクトルを測定する。ここで、第1サンプリング時間は、各周波数帯域における電界強度の測定時間であり、電界強度を測定する周波数帯域の数で全ての周波数帯域を掃引するために必要な時間を割った時間である。そして、第1測定部21は、各周波数帯域について、電界強度を横軸がターンテーブル13の方位角であり縦軸がアンテナ11の高さである平面上にマッピングする。これにより、第1測定部21は、例えば、図2に示した電界強度分布を測定する。
図2は、実施形態に係る放射妨害波測定装置が測定した電界強度分布の一例を示す図である。図2に示した電界強度分布は、電界強度が等しい点を連ねた線により、放射源100を囲む面上に設定された複数の測定点における所定の周波数帯域の電界強度を表示している。これらの測定点は、図2に示した格子点各々に対応する。また、第1測定部21は、図2に示した電界強度分布と同種の電界強度分布を周波数帯域ごとに測定する。
また、図2に示した電界強度分布に複数表示されている正方形Sは、当該測定点において、スパイクノイズが測定されたことを示している。ここで言うスパイクノイズは、第1測定部21又は後述する第2測定部22により測定することができないことが稀にあるノイズであり、第1測定部21又は後述する第2測定部22による放射妨害波の測定に失敗した場合に測定される。
スパイクノイズは、メディアンフィルタにより除去され得る。メディアンフィルタは、フィルタを適用する注目点の値及び当該注目点と隣接する点の値の中央値を抽出し、当該注目点の値を当該中央値に置き換えるフィルタである。
第2測定部22は、第2サンプリング時間ごとに連続して電界強度を測定可能な測定装置、例えば、リアルタイムスペクトルアナライザ、ゼロスパンモードに設定されたスペクトルアナライザ、EMIレシーバーである。第2測定部22は、予め定められた時間の間、複数の測定点のうち所定の電界強度が測定された測定点において、第2サンプリング時間ごとに電界強度を測定することにより、電界強度時間波形を測定する。この予め定められた時間は、監視時間とも呼ばれる。
ここで言う所定の電界強度は、例えば、これら複数の測定点において測定された電界強度の中で最大の電界強度であり、所定の閾値を超える大きさの電界強度であってもよい。また、ここで言う所定の電界強度が測定された測定点は、第1測定部21により測定された電界強度が所定の電界強度閾値を超えている測定点である。なお、第1測定部21により測定された電界強度が所定の電界強度閾値以下である測定点は、ヌル点とも呼ばれる。さらに、第2サンプリング時間は、第1サンプリング時間と同一の長さであることが好ましい。
図3は、実施形態に係る放射妨害波測定装置が測定した電界強度時間波形の一例を示す図である。例えば、図3に示すように、電界強度時間波形は、電界強度が約60dBμV/mとなっている点と電界強度が20〜25dBμV/mとなっている点とを含む。電界強度が約60dBμV/mとなっている点は、第2測定部22を使用してノイズを測定することに成功している点である。一方、電界強度が20〜25dBμV/mとなっている点は、第2測定部22を使用してノイズを測定することに失敗している点、すなわち第2測定部22がスパイクノイズを測定している点である。
なお、第2測定部22の周波数分解能帯域幅は、第1測定部21の周波数分解能帯域幅と同一であることが好ましい。また、第2測定部22が電界強度を測定する検波方式は、第1測定部21が電界強度分布を測定する検波方式と同一であることが好ましい。
制御部30は、演算部301と、算出部302と、判定部303とを備える。
演算部301は、第1測定部21により測定された電界強度分布にメディアンフィルタを適用する。例えば、演算部301は、この電界強度分布の各測定点にメディアンフィルタを適用する。また、演算部301は、第1測定部21により測定された電界強度分布に平滑化フィルタを適用する。平滑化フィルタは、例えば、ローパスフィルタ、移動平均フィルタであり、補足率を上げた場合に比肩する線形で正確な電界強度分布を得るために適用される。
算出部302は、メディアンフィルタが適用された電界強度分布に対するスパイクノイズの許容率を算出する。具体的には、算出部302は、次に説明する原理に基づいて当該許容率を算出する。
長周期ノイズが測定される確率をX、放射源100を囲む面上に設定された測定点の数をNとした場合、長周期ノイズがN個測定される確率は、次の式(1)で表される。ここで言う長周期ノイズは、第1測定部21又は第2測定部22により測定することができることが稀にあるノイズであり、発生する周期が第1測定部21の第1サンプリング時間よりも長い。また、式(1)は、メディアンフィルタが適用される前の電界強度分布にスパイクノイズがN個測定される確率とも解釈され得る。
一次元のメディアンフィルタを使用した場合、演算部301は、注目点及び当該注目点に隣接する点の値の中央値を抽出し、当該注目点の値を当該中央値に置き換える。このため、演算部301は、スパイクノイズが隣接していない場合、スパイクノイズを除去することができる。ここで、スパイクノイズが隣接する確率は、次の式(2)で表される。
第1測定部21により測定された電界強度分布にスパイクノイズがN個発生し、かつ、スパイクノイズが隣接する確率は、次の式(3)で表される。式(3)は、式(1)と式(2)との積である。
演算部301によりメディアンフィルタが適用された電界強度分布において、スパイクノイズがN個以下測定される確率P(X)は、次の式(4)で表される。
算出部302は、スパイクノイズがN個以下測定される確率P(X)が与えられている場合、式(4)を使用した数値計算により、長周期ノイズが測定される確率Xをメディアンフィルタが適用された電界強度分布に対するスパイクノイズの許容率Xとして算出する。
また、算出部302は、第2測定部22により測定された電界強度時間波形に基づいて長周期ノイズが測定された確率Xを算出する。例えば、算出部302は、監視時間の間に第2サンプリング時間ごとに電界強度をN回測定する場合、N回分の電界強度の測定値の統計値、例えば、平均値、中央値を算出する。また、ここでは、第2サンプリング時間ごとに測定された電界強度が当該統計値から所定の閾値を超えて外れている場合にスパイクノイズが発生していると判定することを目的としている。このため、算出部302は、例えば、当該所定の閾値を当該統計値の1/2の値に設定する。そして、算出部302は、監視時間の間に第2サンプリング時間ごとに電界強度をN回測定した際に電界強度が当該所定の閾値以下となった回数NSPを計数し、長周期ノイズが測定された確率X=NSP/Nを算出する。
この場合、判定部303は、長周期ノイズが測定された確率Xが許容率X以下であるか否かを判定する。長周期ノイズが測定された確率Xが許容率X以下であると判定された場合、第1測定部21により測定された電界強度分布は、最大放射位置の推定に使用され得る。一方、長周期ノイズが測定された確率Xが許容率Xを超えていると判定された場合、第1測定部21により測定された電界強度分布は、最大放射位置の推定に使用され得ない。
さらに、算出部302は、第2サンプリング時間ごとの電界強度の統計値、第2サンプリング時間ごとの電界強度と当該統計値との差及び許容率Xと第2測定部22が第2サンプリング時間ごとに電界強度を測定する回数Nとの積である回数閾値を算出してもよい。ここで言う統計値は、例えば、平均値、中央値である。また、ここでは、第2サンプリング時間ごとに測定された電界強度が当該統計値から所定の閾値を超えて外れている場合にスパイクノイズが発生していると判定することを目的としている。このため、算出部302は、第2サンプリング時間ごとの電界強度と当該統計値との差に対する差分閾値を当該統計値の1/2の値に設定する。
この場合、判定部303は、第2測定部22により測定された第2サンプリング時間ごとの電界強度と、第2サンプリング時間ごとの電界強度の統計値との差が所定の差分閾値を超える回数が、回数閾値以下であるか否かを判定する。この差が所定の差分閾値を超える回数が、回数閾値以下であると判定された場合、第1測定部21により測定された電界強度分布は、最大放射位置の推定に使用され得る。一方、この差が所定の差分閾値を超える回数が、回数閾値を超えていると判定された場合、第1測定部21により測定された電界強度分布は、最大放射位置の推定に使用され得ない。
図4は、実施形態に係る制御部のハードウエア構成の一例を示す図である。図4に示すように、制御部30は、主制御部310と、入力装置320と、出力装置330と、記憶装置340と、バス350とを備える。
主制御部310は、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)を備えており、入力装置320、出力装置330及び記憶装置340の間でのデータの送受信を制御し、出力装置330及び記憶装置340の動作を制御する。
入力装置320は、放射妨害波測定装置1の操作に必要なデータを入力するために使用される装置、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルである。
出力装置330は、放射妨害波測定装置1の動作に関連する情報を出力するために使用される装置、例えば、ディスプレイである。
記憶装置340は、データを記憶させるために使用される装置、例えば、ハードディスク装置、光ディスク装置である。また、記憶装置340は、記憶媒体345を備えており、記憶媒体345にデータを格納し、記憶媒体345からデータを読み出す。記憶媒体345は、データを記憶させるために使用される記憶媒体、例えば、ハードディスク、光ディスクである。また、記憶媒体345は、演算部301、算出部302及び判定部303それぞれを実現するプログラムを記憶していてもよい。この場合、主制御部310は、これらのプログラムを読み出して実行することにより、演算部301、算出部302及び判定部303それぞれの機能を実現させる。
バス360は、主制御部310、入力装置320、出力装置330及び記憶装置340を相互に通信可能に接続している。
次に、図5及び図6を参照しながら実施形態に係る放射妨害波測定装置の動作の一例を説明する。図5及び図6は、実施形態に係る放射妨害波測定装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS10において、制御部30は、第1測定部21により電界強度分布を測定する際の測定条件の入力を受け付ける。ここで言う測定条件は、例えば、電界強度分布を測定する周波数帯域、グランドプレーンを基準とする高さ方向の測定範囲、高さ方向における測定点の間隔、方位角方向の測定範囲、方位角方向における測定点の間隔、第1サンプリング時間、第2サンプリング時間、第1測定部21及び第2測定部22それぞれの検波方式、周波数分解能帯域幅及び監視時間、メディアンフィルタが適用された電界強度分布において許容されるスパイクノイズの数N、スパイクノイズがN個以下測定される確率P(X)、差分閾値である。
ステップS20において、算出部302は、メディアンフィルタが適用された電界強度分布に対するスパイクノイズの許容率Xを算出する。この場合、算出部302は、ステップS10で入力を受け付けたメディアンフィルタが適用された電界強度分布において許容されるスパイクノイズの数N及びスパイクノイズがN個以下測定される確率P(X)を当該算出に使用する。
ステップS30において、制御部30は、ステップS10で入力を受け付けた第1サンプリング時間、検波方式及び周波数分解能帯域幅で電界強度分布の測定を実行するように第1測定部21を設定する。
ステップS40において、制御部30は、駆動制御部14を制御してアンテナマスト12を駆動させ、ステップS10で入力が受け付けられた高さ方向の測定範囲の下限の測定点の電界強度を測定することができる位置にアンテナ11を移動させる。また、ステップS40において、制御部30は、駆動制御部14を制御し、ステップS10で入力が受け付けられた方位角方向の測定範囲の下限の測定点の電界強度を測定することができる方位角までターンテーブル13を回転させる。
ステップS50において、制御部30は、現在のアンテナ11の高さを示すデータ及びターンテーブル13の方位角を示すデータを駆動制御部14から取得し、第1測定部21により測定された電界強度を取得する。ステップS50で取得されたアンテナ11の高さを示すデータ、ターンテーブル13の方位角を示すデータ及び電界強度は、相互に対応付けられて記憶装置340に記憶される。
ステップS60において、制御部30は、駆動制御部14を制御し、ステップS10で入力が受け付けられた方位角方向における測定点の間隔分だけターンテーブル13を回転させる。
ステップS70において、制御部30は、現在のターンテーブル13の方位角を示すデータを駆動制御部14から取得し、現在のターンテーブル13の方位角がステップS10で入力が受け付けられた方位角方向の測定範囲の上限であるか否かを判定する。制御部30は、現在のターンテーブル13の方位角が方位角方向の測定範囲の上限であると判定した場合(ステップS70:Yes)、処理をステップS80に進め、現在のターンテーブル13の方位角が方位角方向の測定範囲の上限ではないと判定した場合(ステップS70:No)、処理をステップS50に戻す。
ステップS80において、制御部30は、駆動制御部14を制御してアンテナマスト12を駆動させ、ステップS10で入力が受け付けられた高さ方向における測定点の間隔分だけアンテナ11を上昇させる。
ステップS90において、制御部30は、現在のアンテナ11の高さを示すデータを駆動制御部14から取得し、現在のアンテナ11の高さがステップS10で入力が受け付けられた高さ方向の測定範囲の上限であるか否かを判定する。制御部30は、現在のアンテナ11の高さが高さ方向の測定範囲の上限であると判定した場合(ステップS90:Yes)、処理をステップS100に進め、現在のアンテナ11の高さが高さ方向の測定範囲の上限ではないと判定した場合(ステップS90:No)、処理をステップS50に戻す。
放射妨害波測定装置1は、上述したステップS10からステップS90までの処理により、放射妨害波の放射源100を囲む面上に設定された複数の測定点における所定の周波数帯域の電界強度分布を測定する。すなわち、放射妨害波測定装置1は、最大電界強度を測定することができる位置を探索するために、アンテナ11の高さ及びターンテーブル13の方位角を変化させながら、放射源100を取り囲む面上における電界強度分布を測定する。
ステップS100において、演算部301は、各周波数帯域の電界強度分布にメディアンフィルタ及び平滑化フィルタを適用する。
ステップS110において、制御部30は、判定周波数帯域の入力を受け付ける。ここで言う判定周波数帯域は、メディアンフィルタが適用された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得るか否かを判定する周波数帯域である。
ステップS120において、制御部30は、判定周波数帯域における電界強度分布の中で最大電界強度が測定されたアンテナ11の高さ及びターンテーブル13の方位角を特定し、当該高さを示すデータ及び当該方位角を示すデータを記憶装置340に記憶させる。
ステップS130において、制御部30は、駆動制御部14を制御してアンテナマスト12を駆動させ、ステップS120で特定された高さにアンテナ11を移動させる。また、ステップS130において、制御部30は、駆動制御部14を制御し、ステップS120で特定された方位角までターンテーブル13を回転させる。
ステップS140において、制御部30は、ステップS10で入力を受け付けた第2サンプリング時間、検波方式及び周波数分解能帯域幅で電界強度分布の測定を実行するように第2測定部22を設定する。
ステップS150において、制御部30は、第2測定部22により、監視時間の間、第2サンプリング時間ごとに電界強度を測定し、電界強度時間波形を測定する。ステップS150で測定された電界強度時間波形は、記憶装置340に記憶される。
ステップS160において、算出部302は、第2サンプリング時間ごとの電界強度の統計値、第2サンプリング時間ごとの電界強度と当該統計値との差及びステップS20で算出した許容率と第2測定部22が第2サンプリング時間ごとに電界強度を測定する回数との積である回数閾値を算出する。算出部302が算出した統計値、差及び回数閾値は、記憶装置340に記憶される。
ステップS170において、判定部303は、第2測定部22により測定された第2サンプリング時間ごとの電界強度と、第2サンプリング時間ごとの電界強度の統計値との差が所定の差分閾値を超える回数が、回数閾値以下であるか否かを判定する。判定部303は、この差が所定の差分閾値を超える回数が回数閾値以下であると判定した場合(ステップS170:Yes)、処理をステップS180に進め、この差が所定の差分閾値を超える回数が回数閾値を超えていると判定した場合(ステップS170:No)、処理をステップS190に進める。
ステップS180において、制御部30は、出力装置330に、メディアンフィルタが適用された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得ることを示す情報を表示させ、処理を終了させる。
ステップS190において、制御部30は、出力装置330に、メディアンフィルタが適用された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得ないことを示す情報を表示させ、処理を終了させる。
なお、複数の判定周波数で上述した判定を行う場合、放射妨害波測定装置1は、ステップS110からステップS190までを繰り返せばよい。
以上、実施形態に係る放射妨害波測定装置1について説明した。放射妨害波測定装置1は、例えば、上述した式(4)を使用してメディアンフィルタが適用された電界強度分布に対するスパイクノイズの許容率Xを算出し、電界強度時間波形に基づいて長周期ノイズが測定された確率を算出し、長周期ノイズが測定された確率が許容率X以下であるか否かを判定する。すなわち、放射妨害波測定装置1は、メディアンフィルタが適用された電界強度分布との関係が明確なスパイクノイズの許容率Xを基準として当該判定を実行する。このため、放射妨害波測定装置1は、メディアンフィルタが適用された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得るか否かを正確に判定することができる。
また、放射妨害波測定装置1は、許容率Xと第2測定部22が第2サンプリング時間ごとに電界強度を測定する回数との積である回数閾値を算出し、第2測定部22により測定された第2サンプリング時間ごとの電界強度と、第2サンプリング時間ごとの電界強度の統計値との差が所定の差分閾値を超える回数が、回数閾値以下であるか否かを判定する。すなわち、放射妨害波測定装置1は、メディアンフィルタが適用された電界強度分布との関係が明確なスパイクノイズの許容率Xから直接的に導出された回数閾値を基準として当該判定を実行する。このため、放射妨害波測定装置1は、メディアンフィルタが適用された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得るか否かを正確に判定することができる。
また、放射妨害波測定装置1は、第2測定部22により電界強度時間波形を測定する測定点として、放射源100を囲む面上に設定された複数の測定点の中で最大の電界強度が測定された測定点を採用する。この場合、放射妨害波測定装置1は、S/N比が良好な電界強度時間波形を使用してメディアンフィルタが適用された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得るか否かを判定する。このため、放射妨害波測定装置1は、当該判定を更に正確に実行することができる。
また、放射妨害波測定装置1は、第2測定部22により電界強度時間波形を測定する測定点として、放射源100を囲む面上に設定された複数の測定点の中で第1測定部21により測定された電界強度が所定の電界強度閾値を超えている測定点を採用する。すなわち、放射妨害波測定装置1は、第2測定部22により電界強度時間波形を測定する測定点として、上述したヌル点以外の測定点を採用する。この場合、放射妨害波測定装置1は、S/N比が悪化する測定点以外の測定点で測定された電界強度時間波形を使用してメディアンフィルタが適用された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得るか否かを判定する。このため、放射妨害波測定装置1は、当該判定の精度が低下してしまうことを抑制することができる。
また、放射妨害波測定装置1は、第1測定部21の第1サンプリング時間と第2測定部22の第2サンプリング時間とを同一の長さにする。或いは、放射妨害波測定装置1は、第1測定部21の周波数分解能帯域幅と第2測定部22の周波数分解能帯域幅とを同一にする。したがって、放射妨害波測定装置1は、第1測定部21の設定と第2測定部22の設定とを同一にすることにより、判定対象である電界強度分布と当該判定に使用する許容率X又は回数閾値との相関関係を高め、メディアンフィルタが適用された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得るか否かの判定を更に正確に実行することができる。
また、放射妨害波測定装置1は、第1測定部21が電界強度分布を測定する検波方式と第2測定部が電界強度を測定する検波方式とを同一にする。このため、判定対象である電界強度分布と当該判定に使用する許容率X又は回数閾値との相関関係を高め、メディアンフィルタが適用された電界強度分布が最大放射位置の推定に使用され得るか否かの判定を更に正確に実行することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明したが、具体的な構成が上述した実施形態に限られるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更等も含まれる。
1…放射妨害波測定装置、11…アンテナ、12…アンテナマスト、13…ターンテーブル、14…駆動制御部、21…第1測定部、22…第2測定部、30…制御部、301…演算部、302…算出部、303…判定部、100…放射源、200…テーブル、310…主制御部、320…入力装置、330…出力装置、340…記憶装置、345…記憶媒体、350…バス、S…正方形

Claims (8)

  1. 放射妨害波の放射源を囲む面上に設定された複数の測定点における所定の周波数帯域の電界強度を第1サンプリング時間で測定することにより、前記面上における電界強度分布を測定する第1測定部と、
    複数の前記測定点のうち所定の電界強度が測定された前記測定点において、第2サンプリング時間ごとに電界強度を測定することにより、電界強度時間波形を測定する第2測定部と、
    前記電界強度分布にメディアンフィルタを適用する演算部と、
    前記メディアンフィルタが適用された前記電界強度分布に対するスパイクノイズの許容率を算出し、前記電界強度時間波形に基づいて長周期ノイズが測定された確率を算出する算出部と、
    前記長周期ノイズが測定された確率が前記許容率以下であるか否かを判定する判定部と、
    を備える放射妨害波測定装置。
  2. 前記算出部は、前記許容率と前記第2測定部が前記第2サンプリング時間ごとに電界強度を測定する回数との積である回数閾値を算出し、
    前記判定部は、前記第2測定部により測定された前記第2サンプリング時間ごとの電界強度と、前記第2サンプリング時間ごとの電界強度の統計値との差が所定の差分閾値を超える回数が、前記回数閾値以下であるか否かを判定する、
    請求項1に記載の放射妨害波測定装置。
  3. 前記算出部は、次の式(1)を使用して前記許容率を算出する、
    請求項1又は請求項2に記載の放射妨害波測定装置。
    X :長周期ノイズが測定される確率
    P(X):スパイクノイズがN個以下観測される確率
    :測定点の総数
  4. 前記所定の電界強度は、複数の前記測定点において測定された電界強度の中で最大の電界強度である、
    請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の放射妨害波測定装置。
  5. 前記所定の電界強度が測定された前記測定点は、前記第1測定部により測定された電界強度が所定の電界強度閾値を超えている前記測定点である、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射妨害波測定装置。
  6. 前記第2サンプリング時間は、前記第1サンプリング時間と同一の長さである、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の放射妨害波測定装置。
  7. 前記第2測定部の周波数分解能帯域幅は、前記第1測定部の周波数分解能帯域幅と同一である、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の放射妨害波測定装置。
  8. 前記第2測定部が電界強度を測定する検波方式は、前記第1測定部が前記電界強度分布を測定する検波方式と同一である、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の放射妨害波測定装置。
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