JP2001330636A - ノイズ測定システム、ノイズ測定方法およびノイズ測定用プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

ノイズ測定システム、ノイズ測定方法およびノイズ測定用プログラムを記録した記録媒体

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JP2001330636A JP2000150796A JP2000150796A JP2001330636A JP 2001330636 A JP2001330636 A JP 2001330636A JP 2000150796 A JP2000150796 A JP 2000150796A JP 2000150796 A JP2000150796 A JP 2000150796A JP 2001330636 A JP2001330636 A JP 2001330636A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転するターンテーブルに載置された供試体
から放射される電磁波ノイズの測定を効率的に且つ精度
よく行う。 【解決手段】 ノイズ測定システムは、供試体21が載
置され、回転するターンテーブル11と、供試体21か
ら所定の距離の位置に配置され、供試体21から放射さ
れるノイズを検出するアンテナ13と、ターンテーブル
11等を制御するコントローラ15とを備えている。コ
ントローラ15は、供試体21から放射されるノイズが
周期性のある不連続ノイズである場合に、ノイズの性質
に対応したパラメータに基づいてターンテーブル11の
回転速度を決定し、決定された回転速度でターンテーブ
ル11を回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転するターンテ
ーブルに載置された供試体から放射される電磁波ノイズ
を測定するためのノイズ測定システム、ノイズ測定方法
およびノイズ測定用プログラムを記録した記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電磁的適合性(Electro-Magn
etic Compatibility;以下、EMCと記す。)対策の一
つとして、電子機器から放射される電磁波ノイズ(以
下、単にノイズとも言う。)を抑える電磁妨害(Electr
o-Magnetic Interference;以下、EMIと記す。)対
策が行われている。このEMI対策を行う際には、電子
機器から放射されるノイズを測定するEMI測定が行わ
れる。このEMI測定は、一般的に、電波暗室またはオ
ープンサイトにおいて、回転するターンテーブルに載置
された供試体(測定対象物)から放射されるノイズを、
供試体から所定の距離の位置に配置されたアンテナを用
いて測定することによって行われる。また、EMI測定
では、例えばスペクトラムアナライザを用いて、所定の
周波数の範囲において、各周波数毎にノイズの強度(例
えば電界強度)を測定する。また、EMI測定では、タ
ーンテーブルによって供試体を回転させながらノイズを
測定することによって、各周波数毎に、供試体を中心と
した放射方向毎のノイズの強度を測定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際のEM
I対策作業では、供試体から放射されるノイズが所定の
規格に適合するようになるまで、予備のEMI測定(以
下、予備測定とも言う。)と、この予備測定の結果に基
づいたノイズ低減対策とが繰り返し行われ、その後に、
精密なEMI測定である最終測定が行われる。最終測定
を行うまでには、例えば平均5〜6回の予備測定が行わ
れる。また、従来は、予備測定に例えば十数分の時間を
要していた。
【0004】このように、従来のEMI対策作業では、
予備測定に多くの時間を要していたため、EMI対策作
業全体としても多くの時間を要するという問題点があっ
た。また、その結果、従来は、EMI対策作業のために
電波暗室やオープンサイトを占有する時間が長くなり、
電波暗室やオープンサイトの使用に伴う費用が増大した
り、電波暗室やオープンサイトの利用の効率が悪くなる
という問題点があった。
【0005】そこで、予備測定の時間を短縮するため
に、ターンテーブルの回転速度を大きくすることが考え
られる。しかしながら、この場合には、以下のような問
題点がある。
【0006】供試体から放射されるノイズには、連続的
に放射される連続ノイズと、不連続的に放射される不連
続ノイズとがある。不連続ノイズには、更に周期的のあ
るものとないものとがある。供試体から放射されるノイ
ズが連続ノイズである場合には、測定器の性能等にもよ
るが、ターンテーブルの回転速度を大きくしても測定精
度の低下は比較的小さい。しかし、供試体から放射され
るノイズが不連続ノイズである場合には、ターンテーブ
ルの回転速度を大きくしていくと、その不連続ノイズの
放射源が、アンテナによってノイズを検出可能な位置範
囲にある期間と、放射源からノイズが放射されない期間
とが一致してしまってノイズが測定されない場合が生じ
得る。このようにノイズが測定されない場合が発生する
確率は、ターンテーブルの回転速度が大きくなるほど、
大きくなる。このように、従来は、供試体から放射され
るノイズが不連続ノイズである場合にターンテーブルの
回転速度を大きくすると、測定精度が低下するという問
題点があった。
【0007】そのため、従来は、供試体から放射される
ノイズが不連続ノイズである場合には、ターンテーブル
の回転速度を大きくすることは困難と考えられており、
ターンテーブルの回転速度は1〜3rpm(回転/分)
程度の小さな値に設定されていた。その結果、予備測定
の時間を短縮することはできなかった。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、回転するターンテーブルに載置され
た供試体から放射される電磁波ノイズの測定を、効率的
に且つ精度よく行うことができるようにしたノイズ測定
システム、ノイズ測定方法およびノイズ測定用プログラ
ムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のノイズ測定シス
テムは、供試体から放射される電磁波ノイズを、放射方
向に対応させて測定するためのノイズ測定システムであ
って、供試体が載置され、回転するターンテーブルと、
供試体から所定の距離の位置に配置され、供試体から放
射される電磁波ノイズを検出する検出手段と、ターンテ
ーブルを制御する制御手段とを備え、制御手段は、供試
体から放射される電磁波ノイズが周期性のある不連続ノ
イズである場合に、電磁波ノイズの性質に対応したパラ
メータに基づいてターンテーブルの回転速度を決定し、
決定された回転速度でターンテーブルを回転させるもの
である。
【0010】本発明のノイズ測定システムでは、供試体
から放射される電磁波ノイズが周期性のある不連続ノイ
ズである場合には、制御手段によって、電磁波ノイズの
性質に対応したパラメータに基づいてターンテーブルの
回転速度が決定され、決定された回転速度でターンテー
ブルが回転される。
【0011】本発明のノイズ測定システムにおいて、パ
ラメータは、電磁波ノイズの放射時間、非放射時間、強
度が所定値以上となる放射方向の範囲のうちの少なくと
も一つを含んでいてもよい。この場合、パラメータは、
少なくとも電磁波ノイズの非放射時間を含んでいてもよ
い。また、制御手段は、パラメータを取得する手段を有
していてもよい。
【0012】本発明のノイズ測定方法は、回転するター
ンテーブルに載置された供試体から放射される電磁波ノ
イズを、供試体から所定の距離の位置に配置された検出
手段を用いて検出することによって、放射方向に対応さ
せて電磁波ノイズを測定するノイズ測定方法であって、
供試体から放射される電磁波ノイズが周期性のある不連
続ノイズである場合に、電磁波ノイズの性質に対応した
パラメータに基づいてターンテーブルの回転速度を決定
する手順と、決定された回転速度でターンテーブルを回
転させ、ターンテーブルに載置された供試体から放射さ
れる電磁波ノイズを測定する手順とを備えたものであ
る。
【0013】本発明のノイズ測定方法では、供試体から
放射される電磁波ノイズが周期性のある不連続ノイズで
ある場合には、電磁波ノイズの性質に対応したパラメー
タに基づいてターンテーブルの回転速度が決定され、決
定された回転速度でターンテーブルが回転される。
【0014】本発明のノイズ測定方法において、パラメ
ータは、電磁波ノイズの放射時間、非放射時間、強度が
所定値以上となる放射方向の範囲のうちの少なくとも一
つを含んでいてもよい。この場合、パラメータは、少な
くとも電磁波ノイズの非放射時間を含んでいてもよい。
また、ノイズ測定方法は、ターンテーブルの回転速度を
決定する手順の前にパラメータを取得する手順を備えて
いてもよい。
【0015】本発明のノイズ測定用プログラムを記録し
た記録媒体は、回転するターンテーブルに載置された供
試体から放射される電磁波ノイズを、供試体から所定の
距離の位置に配置された検出手段を用いて検出すること
によって、放射方向に対応させて電磁波ノイズを測定す
るノイズ測定システムに用いられ、供試体から放射され
る電磁波ノイズが周期性のある不連続ノイズである場合
に、電磁波ノイズの性質に対応したパラメータに基づい
てターンテーブルの回転速度を決定する手順と、決定さ
れた回転速度でターンテーブルを回転させ、ターンテー
ブルに載置された供試体から放射される電磁波ノイズを
測定する手順とをコンピュータに実行させるための測定
用プログラムを記録したものである。
【0016】本発明の記録媒体に記録された測定用プロ
グラムによれば、供試体から放射される電磁波ノイズが
周期性のある不連続ノイズである場合には、電磁波ノイ
ズの性質に対応したパラメータに基づいてターンテーブ
ルの回転速度が決定され、決定された回転速度でターン
テーブルが回転される。
【0017】本発明の記録媒体に記録された測定用プロ
グラムにおいて、パラメータは、電磁波ノイズの放射時
間、非放射時間、強度が所定値以上となる放射方向の範
囲のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。この場
合、パラメータは、少なくとも電磁波ノイズの非放射時
間を含んでいてもよい。また、測定用プログラムは、タ
ーンテーブルの回転速度を決定する手順の前にパラメー
タを取得する手順をコンピュータに実行させてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1および
図2を参照して、本発明の一実施の形態におけるノイズ
測定システムの構成について説明する。図1は本実施の
形態におけるノイズ測定システムの構成を示す斜視図、
図2は本実施の形態におけるノイズ測定システムの構成
を示すブロック図である。
【0019】本実施の形態におけるノイズ測定システム
は、EMC対策、特にEMI対策のために、例えば図1
に示した電波暗室1または図示しないオープンサイトで
行われるEMI測定に用いられる。EMI測定では、供
試体から放射される電磁波ノイズ(以下、単にノイズと
も言う。)を、放射方向に対応させて測定するようにな
っている。以下、電波暗室1で行われるEMI測定に適
用される場合を例にとって、本実施の形態におけるノイ
ズ測定システムについて説明する。
【0020】電波暗室1は、床、四方の壁および天井を
有し、これら全てに電磁波遮蔽板が設けられている。壁
および天井の室内側の面には電波吸収体が取り付けられ
ている。図1に示した例では、電波暗室1に隣接するよ
うに計測室2が設けられている。
【0021】ノイズ測定システムは、電波暗室1の床に
設けられたターンテーブル11と、電波暗室1内におい
て、ターンテーブル11から所定の距離の位置に配置さ
れたアンテナポジショナー12と、このアンテナポジシ
ョナー12に取り付けられたアンテナ13とを備えてい
る。ターンテーブル11には、例えばテーブル20を介
して、供試体21が載置されるようになっている。アン
テナポジショナー12は、後述するコントローラ15の
制御により、アンテナ13の高さ方向の位置を変えるこ
とができるようになっている。アンテナ13は、供試体
21から所定の距離の位置に配置され、供試体21から
放射されるノイズを検出するようになっている。アンテ
ナ13としては、バイコニカルアンテナや、ログペリオ
デックアンテナや、これらの機能を併せ持つバイログア
ンテナ等を用いることができる。
【0022】ノイズ測定システムは、更に、計測室2内
に配置された測定器14およびコントローラ15を備え
ている。測定器14は、アンテナ13に接続され、この
アンテナ13の出力信号を入力し、所定の周波数の範囲
において、各周波数毎にノイズの強度(例えば電界強
度)を測定するようになっている。測定器14として
は、例えばスペクトラムアナライザが用いられる。コン
トローラ15は、測定器14とターンテーブル11とア
ンテナポジショナー12とに接続されている。アンテナ
13と測定器14との間、ターンテーブル11とコント
ローラ15との間、およびアンテナポジショナー12と
コントローラ15との間は、それぞれ、例えば光ファイ
バ16によって信号の送受信が可能なように接続されて
いる。
【0023】コントローラ15は、ターンテーブル1
1、アンテナポジショナー12および測定器14を制御
するようになっている。コントローラ15としては、例
えばコンピュータが用いられる。
【0024】後で詳しく説明するが、コントローラ15
は、供試体21から放射されるノイズが周期性のある不
連続ノイズである場合に、ノイズの性質に対応したパラ
メータに基づいてターンテーブル11の回転速度を決定
し、決定された回転速度でターンテーブル11を回転さ
せるようになっている。
【0025】本実施の形態において、アンテナ13は本
発明における検出手段に対応し、コントローラ15は本
発明における制御手段に対応する。また、ターンテーブ
ル11とコントローラ15は、本実施の形態におけるノ
イズ測定用ターンテーブルシステムを構成する。
【0026】図3は、コントローラ15の構成の一例を
示すブロック図である。この例におけるコントローラ1
5は、主制御部31と、この主制御部31に接続された
記憶装置32と、主制御部31に接続された入出力制御
部33と、この入出力制御部33に接続された入力装置
34、表示装置35および出力装置36を備えている。
主制御部31は、CPU(中央処理装置)、ROM(リ
ードオンリメモリ)およびRAM(ランダムアクセスメ
モリ)を有している。記憶装置32は、情報を記憶でき
るものであれば、その形態は問わないが、例えばハード
ディスク装置、光ディスク装置、フロッピー(登録商
標)ディスク装置等である。また、記憶装置32は、記
録媒体37に対して情報を記録し、また記録媒体37よ
り情報を再生するようになっている。記録媒体37は、
情報を記憶できるものであれば、その形態は問わない
が、例えばハードディスク、光ディスク、フロッピーデ
ィスク等である。
【0027】主制御部31内のCPUは、主制御部31
内のRAMを作業領域として、記録媒体37または主制
御部31内のROMに記録されたプログラムを実行する
ことにより、コントローラ15としての機能を発揮する
ようになっている。
【0028】本実施の形態において、ターンテーブル1
1は、回転速度が可変である。ターンテーブル11は、
駆動手段として例えばサーボモータを含んでいる。ター
ンテーブル11は、回転速度の最大値が少なくとも15
rpmであり、回転速度が15rpm以下の範囲内で回
転速度のばらつきが2%以下であることが好ましい。ま
た、ターンテーブル11は、回転速度が15rpm以下
の範囲内で停止時の位置ずれが2°以下であることが好
ましい。また、ターンテーブル11は、ロータリーエン
コーダ等の回転位置検出手段を含んでいる。この回転位
置検出手段の検出精度、すなわち分解能は0.1°以下
であることが好ましい。また、ターンテーブル11は回
転位置検出手段の検出結果をコントローラ15に送信す
る機能を有している。コントローラ15は、ターンテー
ブル11から受信した回転位置検出手段の検出結果を表
示装置35に表示するようになっている。この場合、回
転位置の表示の分解能は0.1°以下であることが好ま
しい。
【0029】次に、本実施の形態におけるノイズ測定シ
ステムおよびノイズ測定用ターンテーブルシステムの作
用、ならびに本実施の形態におけるノイズ測定方法につ
いて説明する。始めに、図4の流れ図を参照して、ノイ
ズ測定システムが用いられるEMI対策作業の流れにつ
いて説明する。
【0030】EMI対策作業では、まず、各機器の設置
や設定等の準備作業を行う(ステップS101)。次
に、予備のEMI測定である予備測定を行う(ステップ
S102)。次に、供試体21から放射されるノイズが
所定の規格に適合するか否かを判断する(ステップS1
03)。適合しない場合(N)には、ノイズ低減対策
(ステップS104)を行った後、ステップS102に
戻り、再度、予備測定を行う。供試体21から放射され
るノイズが所定の規格に適合する場合(ステップS10
3;Y)には、精密なEMI測定である最終測定を行っ
て(ステップS105)、EMI対策作業を終了する。
【0031】次に、本実施の形態におけるノイズ測定方
法が適用される予備測定について詳しく説明する。予備
測定では、供試体21をターンテーブル11に載置し、
ターンテーブル11を回転させながら、供試体21から
放射されるノイズをアンテナ13によって検出する。な
お、始めに、アンテナ13はアンテナポジショナー12
によって所定の高さの位置に配置される。アンテナ13
の出力信号は測定器14に入力され、この測定器14に
よって、所定の周波数の範囲において、各周波数毎にノ
イズの強度を測定する。測定器14としてスペクトラム
アナライザーを用いる場合には、測定器14は、所定の
周期で、所定の周波数の範囲を掃引することによって、
各放射方向毎に、周波数に対するノイズの強度分布を測
定する。
【0032】コントローラ15は、測定器14の測定デ
ータに基づいて、各周波数毎に、供試体21を中心とし
た放射方向についてのノイズの強度分布を求める。放射
方向は、所定の基準の方向からの角度で表される。以
下、放射方向についてのノイズの強度分布を角度−強度
パターンと言う。予備測定では、この角度−強度パター
ンより、ノイズの強度が最大となる放射方向を求める。
以下、ノイズの強度が最大となる放射方向を最大放射角
度と言う。
【0033】予備測定では、アンテナ13の高さ方向の
所定の位置について最大放射角度が得られたら、その最
大放射角度において、アンテナポジショナー12によっ
てアンテナ13の高さ方向の位置を変えて、供試体21
から放射されるノイズを測定して、ノイズの強度が最大
となるアンテナ13の高さ方向の位置を求める。以下、
この位置を最大アンテナ位置と言う。このようにして予
備測定では、最大放射角度および最大アンテナ位置にお
けるノイズの強度を求める。
【0034】予備測定の後では、最大放射角度および最
大アンテナ位置におけるノイズの強度が、所定の規格に
適合するか否かを判断する。ノイズが所定の規格に適合
しない場合には、供試体21に対してノイズフィルタや
シールド部材を設ける等のノイズ低減対策を行った後、
再度、予備測定を行う。供試体21から放射されるノイ
ズが所定の規格に適合するようになったら、最終測定を
行う。最終測定では、予備測定よりも精密なEMI測定
を行う。
【0035】本実施の形態では、予備測定において、供
試体21から放射されるノイズが周期性のある不連続ノ
イズである場合には、コントローラ15が、ノイズの性
質に対応したパラメータに基づいてターンテーブル11
の回転速度を決定し、決定された回転速度でターンテー
ブル11を回転する。また、コントローラ15は、上記
パラメータを取得する手段を有している。
【0036】このように、本実施の形態におけるノイズ
測定方法は、供試体21から放射されるノイズが周期性
のある不連続ノイズである場合に、ノイズの性質に対応
したパラメータに基づいてターンテーブル11の回転速
度を決定する手順と、決定された回転速度でターンテー
ブル11を回転させ、ターンテーブル11に載置された
供試体21から放射されるノイズを測定する手順とを備
えている。また、本実施の形態におけるノイズ測定方法
は、ターンテーブル11の回転速度を決定する手順の前
にパラメータを取得する手順を備えている。
【0037】本実施の形態では、上記各手順をコンピュ
ータに実行させるための測定用プログラムを、図3にお
けるコンピュータ読み取り可能な記録媒体37に格納
し、このプログラムに従ってコンピュータ(コントロー
ラ15)が上記各手順を実行するようにしてもよい。
【0038】以下、ターンテーブル11の回転速度の決
定方法について詳しく説明する。本実施の形態では、タ
ーンテーブル11の回転速度を決定するためのパラメー
タとして、ノイズの周期に関わるパラメータであるノイ
ズの放射時間および非放射時間と、ノイズの強度が所定
値以上となる放射方向の範囲(以下、放射範囲と言
う。)のうちの少なくとも一つを用いる。以下、これら
のパラメータについて説明する。
【0039】まず、図5を参照して、ノイズの放射時間
および非放射時間について説明する。図5は、周期性の
ある不連続ノイズの強度レベルの時間的変化の一例を示
している。この不連続ノイズでは、高レベルの状態と低
レベルの状態とが交互に周期的に現れている。ノイズの
放射時間とは、ノイズが高レベル状態の期間の時間を言
い、以下、記号TONで表す。ノイズの非放射時間とは、
ノイズが低レベル状態の期間の時間を言い、以下、記号
OFFで表す。
【0040】次に、図6および図7を参照して、放射範
囲について説明する。図6は、ノイズの角度−強度パタ
ーンの一例を示している。図6において、複数の同心円
はノイズの強度レベルを表しており、外側ほど高いレベ
ルを表している。同心円の周方向の位置は、供試体21
を中心とした放射方向に対応している。図6において符
号41はノイズの角度−強度パターンを表している。ま
た、A点は、ノイズの強度レベルが最大となる放射方向
およびその放射方向における強度を示している。
【0041】図7は、図6におけるA点の近傍における
放射方向とノイズの強度レベルとの関係を示したもので
ある。本実施の形態では、ノイズの強度レベルが、最大
値から一定値(例えば1dB(dBμV/m))を引い
た値以上となる角度範囲を放射範囲とする。図7に示し
た例では、放射範囲は、35°(deg)となってい
る。
【0042】実験から、ターンテーブル11の回転速度
を決定するためのパラメータとしては、放射時間、非放
射時間、放射範囲のうち、少なくとも非放射時間を用い
るのが好ましいことが分かった。以下、図8および図9
を参照して、実験とその結果について説明する。
【0043】この実験では、供試体21の代わりに、任
意の放射時間TONおよび非放射時間TOFFで既知の強度
レベルのノイズを放射するノイズ放射源を用いてEMI
測定を行い、ノイズの真のレベルと測定によって得られ
たノイズのレベルとの差(以下、誤差と言う。)と、放
射時間TONおよび非放射時間TOFFとの関係を求めた。
また、この実験では、誤差と放射時間TONおよび非放射
時間TOFFとの関係を、ターンテーブル11の複数の回
転速度毎に求めた。言うまでもなく、誤差が小さいほ
ど、測定の精度が高い。
【0044】実験結果の一例として、ターンテーブル1
1の回転速度が5rpmのときの誤差と放射時間TON
よび非放射時間TOFFとの関係を図8に示し、ターンテ
ーブル11の回転速度が15rpmのときの誤差と放射
時間TONおよび非放射時間T OFFとの関係を図9に示
す。
【0045】図8において、符号51は誤差が0dB以
上、0.5dB未満の範囲を示し、符号52は誤差が
0.5dB以上、1dB未満の範囲を示し、符号53は
誤差が1dB以上、1.5dB未満の範囲を示し、符号
54は誤差が1.5dB以上、2dB未満の範囲を示し
ている。
【0046】図9において、符号61は誤差が0dB以
上、1dB未満の範囲を示し、符号62は誤差が1dB
以上、2dB未満の範囲を示し、符号63は誤差が2d
B以上、3dB未満の範囲を示し、符号64は誤差が3
dB以上、4dB未満の範囲を示し、符号65は誤差が
4dB以上、5dB未満の範囲を示し、符号66は誤差
が5dB以上、6dB未満の範囲を示し、符号67は誤
差が6dB以上、7dB未満の範囲を示し、符号68は
誤差が7dB以上、8dB未満の範囲を示し、符号69
は誤差が8dB以上、9dB未満の範囲を示している。
【0047】図8および図9から、非放射時間TOFF
長くなると誤差が大きくなって精度が低下することと、
ターンテーブル11の回転速度が大きくなると誤差が大
きくなって精度が低下することが分かる。これは、非放
射時間TOFFが長くなるほど、あるいはターンテーブル
11の回転速度が大きくなるほど、ノイズの放射源が、
アンテナ13によってノイズを検出可能な位置範囲にあ
る期間と、放射源からノイズが放射されない期間とが一
致してしまってノイズが測定されない場合が発生する確
率が大きくなるためと考えられる。しかし、図9から分
かるように、非放射時間TOFFが300ms(ミリ秒)
程度以下であれば、ターンテーブル11の回転速度が1
5rpmのように大きくしても、誤差を1dB程度以下
に小さくすることができる。これらのことから、非放射
時間TOFFに応じてターンテーブル11の回転速度の上
限値を決定すれば、誤差を許容限度(例えば1dB)内
に留めながら、できるだけターンテーブル11の回転速
度を大きくすることができることが分かる。
【0048】そこで、本実施の形態では、ターンテーブ
ル11の回転速度を決定するためのパラメータとして少
なくとも非放射時間TOFFを用い、ターンテーブル11
の回転速度を、誤差が許容限度内となる最大回転速度と
なるように決定する。非放射時間TOFFと決定するター
ンテーブル11の回転速度との対応関係は、例えば上述
のような実験の結果から統計的手法を用いて決定するこ
とができる。大まかに言うと、非放射時間TOFFと決定
する回転速度との対応関係は、非放射時間TOFFが長い
ほど、決定する回転速度が小さくなるような関係とな
る。
【0049】ここで、非放射時間TOFFと決定するター
ンテーブル11の回転速度との対応関係の一例を次の式
(1)に示す。
【0050】Y=−AX+B …(1)
【0051】式(1)において、Xは非放射時間
OFF、Yは決定するターンテーブル11の回転速度、
A、Bは定数である。ただし、Yの上限値および下限値
は、ターンテーブル11の実際の回転速度の上限値およ
び下限値によって規定される。
【0052】次に、ターンテーブル11の回転速度を決
定するためのパラメータの一つとして放射時間TONを用
いる場合について説明する。この場合には、図8および
図9からも分かるように、放射時間TONが長いほど、決
定する回転速度が大きくなるようにすればよい。これ
は、放射時間TONが長くなるほど、ノイズの放射源が、
アンテナ13によってノイズを検出可能な位置範囲にあ
る期間と、放射源からノイズが放射されない期間とが一
致してしまってノイズが測定されない場合が発生する確
率が小さくなると考えられるからである。
【0053】次に、ターンテーブル11の回転速度を決
定するためのパラメータの一つとして放射範囲を用いる
場合について説明する。この場合には、放射範囲が大き
いほど、決定する回転速度が大きくなるようにすればよ
い。これは、放射時間TONの場合と同様に、放射範囲が
大きくなるほど、ノイズの放射源が、アンテナ13によ
ってノイズを検出可能な位置範囲にある期間と、放射源
からノイズが放射されない期間とが一致してしまってノ
イズが測定されない場合が発生する確率が小さくなると
考えられるからである。
【0054】なお、測定器14としてスペクトラムアナ
ライザーを用いる場合には、不連続ノイズを測定するた
めには、スペクトラムアナライザーの連続掃引時間(連
続的に掃引を行う場合の掃引の周期)が不連続ノイズの
放射時間TONよりも短いことが必要である。また、連続
掃引時間が短いほど、不連続ノイズの放射時間TON内で
ノイズを測定できる確率が大きくなるので、連続掃引時
間は短いほどよい。連続掃引時間は20ms以下が好ま
しい。また、スペクトラムアナライザーの連続掃引時間
を、ターンテーブル11の回転速度を決定するためのパ
ラメータに加えてもよい。この場合には、連続掃引時間
が短いほど、決定する回転速度が大きくなるようにすれ
ばよい。
【0055】また、ターンテーブル11の回転速度を大
きくすると、単位時間当たりの測定データ量が増えるの
で、測定器14として用いるスペクトラムアナライザー
のデータ転送時間は短いほどよい。
【0056】次に、コントローラ15においてパラメー
タを取得する手段および手順について説明する。コント
ローラ15は、例えば図3における入力装置34よりパ
ラメータを取得する。パラメータとしての放射時間TON
や非放射時間TOFFは、それらが予め分かっている場合
には、そのまま入力装置34によってコントローラ15
に入力すればよい。放射時間TONや非放射時間TOFF
予め分かっていない場合には、オシロスコープやスペク
トルアナライザー等を用いて、放射時間TONや非放射時
間TOFFを測定した後、その測定値を入力装置34によ
ってコントローラ15に入力すればよい。また、コント
ローラ15が、放射時間TONや非放射時間TOFFを測定
する機能を有していてもよい。この場合には、コントロ
ーラ15は、測定によって得られた放射時間TONや非放
射時間TOFFをパラメータとして取得する。
【0057】同様に、パラメータとしての放射範囲は、
それが予め分かっている場合には、そのまま入力装置3
4によってコントローラ15に入力すればよい。放射範
囲が予め分かっていない場合には、スペクトルアナライ
ザーまたはその他の測定器を用いて、放射範囲を測定し
た後、その測定値を入力装置34によってコントローラ
15に入力すればよい。また、コントローラ15が、放
射範囲を測定する機能を有していてもよい。この場合に
は、コントローラ15は、測定によって得られた放射範
囲をパラメータとして取得する。
【0058】ところで、ターンテーブル11の回転速度
を大きくすると、回転速度のばらつきによる測定精度の
低下、特に、最大放射角度の検出精度の低下が顕著にな
る。そのため、測定精度をあまり低下させずにターンテ
ーブル11の回転速度を大きくするためには、ターンテ
ーブル11の回転速度のばらつきが小さいことが必要で
ある。ターンテーブル11の回転速度のばらつきは、回
転速度が15rpm以下の範囲内で2%以下であること
が好ましい。
【0059】また、前述のように、予備測定では、アン
テナ13の高さ方向の所定の位置について最大放射角度
が得られたら、その最大放射角度において、最大アンテ
ナ位置を求める。従って、最大放射角度が得られた後
に、速やかに、ターンテーブル11を最大放射角度に対
応する位置で停止させて最大アンテナ位置を求める作業
に移行できるように、ターンテーブル11の停止時の位
置ずれは小さい方がよい。ターンテーブル11の停止時
の位置ずれは、回転速度が15rpm以下の範囲内で2
°以下であることが好ましい。
【0060】また、EMI測定における放射方向の分解
能を向上させるためには、ターンテーブル11における
回転位置検出手段の検出精度、すなわち分解能は小さい
方がよく、前述のように0.1°以下であることが好ま
しい。同様に、回転位置の表示の分解能は0.1°以下
であることが好ましい。
【0061】以下、本実施の形態におけるノイズ測定シ
ステムおよび方法を用いた予備測定の精度を評価するた
めに行った実験について説明する。
【0062】始めに、図10および図11を参照して、
供試体21から放射されるノイズが連続ノイズである場
合における予備測定の精度を評価するための実験につい
て説明する。この実験では、ターンテーブル11の回転
速度が1rpm、5rpm、10rpm、15rpmの
各場合について、既知の最大放射角度において既知の強
度レベルのノイズを放射するノイズ放射源を用いてEM
I測定を行い、最大放射角度とその最大放射角度におけ
るノイズのレベルとを求めた。なお、測定器14として
はスペクトラムアナライザーを用い、その連続掃引時間
は20msとした。EMI測定は、回転速度が1rp
m、5rpm、10rpm、15rpmの各場合につい
て、それぞれ10回ずつ行った。実験では、回転速度が
1rpmのときには十分な測定精度が得られたので、回
転速度が1rpmのときに測定によって得られたノイズ
のレベル(平均値)を基準として、回転速度が1rpm
のときに測定によって得られたノイズのレベル(平均
値)と、回転速度が5rpm、10rpm、15rpm
のときに測定によって得られたノイズのレベル(平均
値)との差(以下、レベル差と言う。)を求めた。ま
た、実験では、回転速度が1rpm、5rpm、10r
pm、15rpmの各場合について、測定によって得ら
れたノイズのレベルのばらつき(標準偏差σ)を求め
た。図10は、複数の周波数における上記レベル差とば
らつきとを示している。
【0063】図10から、本実施の形態によれば、供試
体21から放射されるノイズが連続ノイズである場合に
は、ターンテーブル11の回転速度を15rpmまで大
きくしても、ノイズのレベルに関して十分な測定精度が
得られることが分かる。
【0064】また、供試体21から放射されるノイズが
連続ノイズである場合における実験では、回転速度が5
rpm、10rpm、15rpmのときに測定によって
得られた最大放射角度(以下、取得角度と言う。)の、
真の最大放射角度に対するずれと、各取得角度の割合
(以下、取得角度率と言う。)とを求めた。なお、測定
は、回転速度が5rpm、10rpm、15rpmの場
合につき、それぞれ45回ずつ行った。図11は、上記
取得角度のずれと取得角度率との関係を示している。
【0065】図11から、本実施の形態によれば、供試
体21から放射されるノイズが連続ノイズである場合に
は、ターンテーブル11の回転速度を15rpmまで大
きくしても、最大放射角度を精度よく検出できることが
分かる。
【0066】次に、図12および図13を参照して、供
試体21から放射されるノイズが不連続ノイズである場
合における予備測定の精度を評価するための実験につい
て説明する。この実験では、ターンテーブル11の回転
速度が1rpm、5rpm、10rpm、15rpmの
各場合について、既知の最大放射角度において既知の強
度レベルのノイズを放射するノイズ放射源を用いてEM
I測定を行い、最大放射角度とその最大放射角度におけ
るノイズのレベルとを求めた。なお、測定器14として
のスペクトラムアナライザーの連続掃引時間は20ms
とした。EMI測定は、回転速度が1rpm、5rp
m、10rpm、15rpmの各場合について、それぞ
れ5回ずつ行った。実験では、回転速度が1rpmのと
きには十分な測定精度が得られたので、回転速度が1r
pmのときに測定によって得られたノイズのレベル(平
均値)を基準として、回転速度が1rpmのときに測定
によって得られたノイズのレベル(平均値)と、回転速
度が5rpm、10rpm、15rpmのときに測定に
よって得られたノイズのレベル(平均値)との差(以
下、レベル差と言う。)を求めた。また、実験では、回
転速度が5rpm、10rpm、15rpmの各場合に
ついて、測定によって得られたノイズのレベルのばらつ
き(標準偏差σ)を求めた。図12は、複数の周波数に
おける上記レベル差とばらつきとを示している。
【0067】図12から、本実施の形態によれば、供試
体21から放射されるノイズが不連続ノイズである場合
でも、ターンテーブル11の回転速度を15rpmまで
大きくしても、ノイズのレベルに関して十分な測定精度
が得られることが分かる。
【0068】また、供試体21から放射されるノイズが
不連続ノイズである場合における実験では、回転速度が
5rpm、10rpm、15rpmのときに測定によっ
て得られた最大放射角度である取得角度の、真の最大放
射角度に対するずれと、各取得角度の割合である取得角
度率とを求めた。なお、測定は、回転速度が5rpm、
10rpm、15rpmの場合につき、それぞれ45回
ずつ行った。図13は、上記取得角度のずれと取得角度
率との関係を示している。
【0069】図13から、本実施の形態によれば、供試
体21から放射されるノイズが不連続ノイズである場合
であっても、ターンテーブル11の回転速度を15rp
mまで大きくしても、最大放射角度を精度よく検出でき
ることが分かる。
【0070】次に、図13および図14を参照して、タ
ーンテーブル11の回転速度のばらつきが測定精度に与
える影響について説明する。図13に示したデータを得
るために用いたターンテーブル11について、回転速度
の目標値が5rpm、10rpm、15rpmの各場合
における実際の回転速度を、それぞれ30回ずつ測定し
た。その結果、平均速度、最大速度、最小速度(いずれ
も0.1rpm未満は四捨五入)および速度のばらつき
幅は、以下の表に示す通りであった。なお、速度のばら
つき幅は、(最大速度−最小速度)/平均速度として算
出した。
【0071】
【表1】
【0072】なお、上記ターンテーブル11における停
止時の位置ずれは、回転速度が5rpm、10rpm、
15rpmのいずれの場合においても0°(0.1°未
満は四捨五入)であった。
【0073】本実施の形態との比較のために、本実施の
形態におけるターンテーブル11の代わりに、回転速度
のばらつきの大きい従来のターンテーブルを用いて、図
13の場合と同様に最大放射角度の検出を行った。
【0074】なお、従来のターンテーブルについても、
回転速度の目標値が5rpm、10rpm、15rpm
の各場合における実際の回転速度を、それぞれ30回ず
つ測定した。その結果、平均速度、最大速度、最小速度
(いずれも0.1rpm未満は四捨五入)および速度の
ばらつき幅は、以下の表に示す通りであった。
【0075】
【表2】
【0076】また、従来のターンテーブルにおける停止
時の位置ずれは、回転速度が5rpmの場合において1
9.5°、10rpmの場合において42.2°、15
rpmの場合において102.7°(いずれも0.1°
未満は四捨五入)であった。
【0077】上記の従来のターンテーブルを用いて、図
13の場合と同様に最大放射角度の検出を行った結果よ
り得られた、取得角度のずれと取得角度率との関係を図
14に示す。
【0078】図13と図14とを比較すると、ターンテ
ーブル11の回転速度のばらつきが小さい方が測定精度
が向上することが分かる。
【0079】次に、ターンテーブル11の回転速度とE
MI対策作業に要する時間との関係について説明する。
ターンテーブル11の回転速度をMrpm(Mは1より
大きい)とすると、ターンテーブル11の回転速度が1
rpmの場合に比べて、1回の予備測定に要する時間を
約M分の1に短縮することができる。
【0080】また、従来は、例えば30MHz〜1GH
zの周波数範囲のEMI測定を行うためには、周波数帯
域に応じてアンテナを交換して測定を行う必要があっ
た。これに対し、アンテナ13としてバイログアンテナ
を用いた場合には、アンテナ13を交換することなく、
30MHz〜1GHzの周波数範囲のEMI測定を行う
ことができる。この場合には、2種類のアンテナを交換
して測定を行う場合に比べて、1回の予備測定に要する
時間を約2分の1に短縮することができる。
【0081】図15は、ターンテーブル11の回転速度
が1rpmの場合と15rpmの場合のそれぞれについ
て、計算によって求めた、予備測定回数とEMI対策作
業に要する時間との関係の一例を示している。この計算
では、準備および最終測定に要する合計時間を90分と
している。また、図15に示した例では、回転速度が1
rpmの場合には2種類のアンテナを交換して測定を行
い、回転速度が15rpmの場合にはバイログアンテナ
を用いて測定を行うものとしている。従って、図15に
示した例では、回転速度が15rpmの場合には、回転
速度が1rpmの場合に比べて、1回の予備測定に要す
る時間が約30分の1に短縮されている。
【0082】図15から、ターンテーブル11の回転速
度を大きくすることによりEMI対策作業の時間を短縮
することができ、その効果は、予備測定回数が増えるに
従って顕著になることが分かる。
【0083】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、供試体21から放射されるノイズが周期性のある不
連続ノイズである場合に、ノイズの性質に対応したパラ
メータに基づいてターンテーブル11の回転速度を決定
し、決定された回転速度でターンテーブル11を回転す
るようにしたので、回転するターンテーブル11に載置
された供試体21から放射されるノイズの測定を、効率
的に且つ精度よく行うことができる。
【0084】また、本実施の形態において、ターンテー
ブル11が、回転速度の最大値が少なくとも15rpm
で、回転速度が15rpm以下の範囲内で回転速度のば
らつきが2%以下であるものとした場合には、ターンテ
ーブル11の回転速度を大きくしても測定精度を高く維
持できるので、回転するターンテーブル11に載置され
た供試体21から放射されるノイズの測定を、効率的に
且つ精度よく行うことができる。
【0085】また、本実施の形態において、ターンテー
ブル11が、回転速度が15rpm以下の範囲内で停止
時の位置ずれが2°以下であるものとした場合には、最
大放射角度が得られた後に、速やかに、ターンテーブル
11を最大放射角度に対応する位置で停止させて最大ア
ンテナ位置を求める作業に移行することができるので、
ノイズの測定をより効率的に行うことができる。
【0086】また、本実施の形態において、ターンテー
ブル11が、回転位置検出手段を含み、この回転位置検
出手段の検出精度が0.1°以下である場合には、EM
I測定における放射方向の分解能を向上させることがで
きる。
【0087】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、種々の変更が可能である。例えば、供試体21から
放射されるノイズが周期性のある不連続ノイズである場
合に、コントローラ15は、ノイズの性質に対応したパ
ラメータに基づいて、選択可能なターンテーブル11の
最大回転速度を決定し、使用者が最大回転速度以下の回
転速度を選択し、コントローラ15は選択された回転速
度でターンテーブル11を回転させるようにしてもよ
い。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のノイズ測
定システム、ノイズ測定方法またはノイズ測定用プログ
ラムを記録した記録媒体によれば、供試体から放射され
る電磁波ノイズが周期性のある不連続ノイズである場合
に、電磁波ノイズの性質に対応したパラメータに基づい
てターンテーブルの回転速度を決定し、決定された回転
速度でターンテーブルを回転するようにしたので、回転
するターンテーブルに載置された供試体から放射される
電磁波ノイズの測定を、効率的に且つ精度よく行うこと
ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるノイズ測定シス
テムの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるノイズ測定シス
テムの構成を示すブロック図である。
【図3】図2におけるコントローラの構成の一例を示す
ブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態におけるノイズ測定シス
テムが用いられるEMI対策作業を示す流れ図である。
【図5】周期性のある不連続ノイズの強度レベルの時間
的変化の一例を示す波形図である。
【図6】ノイズの角度−強度パターンの一例を示す特性
図である。
【図7】図6におけるA点の近傍における放射方向とノ
イズの強度レベルとの関係を示す特性図である。
【図8】本発明の一実施の形態においてターンテーブル
の回転速度が5rpmのときの誤差と放射時間および非
放射時間との関係を示す特性図である。
【図9】本発明の一実施の形態においてターンテーブル
の回転速度が15rpmのときの誤差と放射時間および
非放射時間との関係を示す特性図である。
【図10】本発明の一実施の形態において供試体から放
射されるノイズが連続ノイズである場合における予備測
定の精度を評価するための実験の結果を示す特性図であ
る。
【図11】本発明の一実施の形態において供試体から放
射されるノイズが連続ノイズである場合における予備測
定の精度を評価するための実験の結果を示す特性図であ
る。
【図12】本発明の一実施の形態において供試体から放
射されるノイズが不連続ノイズである場合における予備
測定の精度を評価するための実験の結果を示す特性図で
ある。
【図13】本発明の一実施の形態において供試体から放
射されるノイズが不連続ノイズである場合における予備
測定の精度を評価するための実験の結果を示す特性図で
ある。
【図14】本発明の一実施の形態との比較のために行っ
た実験の結果を示す特性図である。
【図15】ターンテーブルの回転速度が1rpmの場合
と15rpmの場合のそれぞれについて、計算によって
求めた、予備測定回数とEMI対策作業に要する時間と
の関係の一例を示す特性図である。
【符号の説明】
1…電波暗室、2…計測室、11…ターンテーブル、1
2…アンテナポジショナー、13…アンテナ、14…測
定器、15…コントローラ、21…供試体。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供試体から放射される電磁波ノイズを、
    放射方向に対応させて測定するためのノイズ測定システ
    ムであって、 供試体が載置され、回転するターンテーブルと、 前記供試体から所定の距離の位置に配置され、前記供試
    体から放射される電磁波ノイズを検出する検出手段と、 前記ターンテーブルを制御する制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記供試体から放射される電磁波ノイ
    ズが周期性のある不連続ノイズである場合に、前記電磁
    波ノイズの性質に対応したパラメータに基づいて前記タ
    ーンテーブルの回転速度を決定し、決定された回転速度
    で前記ターンテーブルを回転させることを特徴とするノ
    イズ測定システム。
  2. 【請求項2】 前記パラメータは、前記電磁波ノイズの
    放射時間、非放射時間、強度が所定値以上となる放射方
    向の範囲のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とす
    る請求項1記載のノイズ測定システム。
  3. 【請求項3】 前記パラメータは、少なくとも前記電磁
    波ノイズの非放射時間を含むことを特徴とする請求項2
    記載のノイズ測定システム。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記パラメータを取得
    する手段を有することを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載のノイズ測定システム。
  5. 【請求項5】 回転するターンテーブルに載置された供
    試体から放射される電磁波ノイズを、供試体から所定の
    距離の位置に配置された検出手段を用いて検出すること
    によって、放射方向に対応させて前記電磁波ノイズを測
    定するノイズ測定方法であって、 前記供試体から放射される電磁波ノイズが周期性のある
    不連続ノイズである場合に、前記電磁波ノイズの性質に
    対応したパラメータに基づいて前記ターンテーブルの回
    転速度を決定する手順と、 決定された回転速度で前記ターンテーブルを回転させ、
    前記ターンテーブルに載置された供試体から放射される
    電磁波ノイズを測定する手順とを備えたことを特徴とす
    るノイズ測定方法。
  6. 【請求項6】 前記パラメータは、前記電磁波ノイズの
    放射時間、非放射時間、強度が所定値以上となる放射方
    向の範囲のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とす
    る請求項5記載のノイズ測定方法。
  7. 【請求項7】 前記パラメータは、少なくとも前記電磁
    波ノイズの非放射時間を含むことを特徴とする請求項6
    記載のノイズ測定方法。
  8. 【請求項8】 更に、前記ターンテーブルの回転速度を
    決定する手順の前に前記パラメータを取得する手順を備
    えたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記
    載のノイズ測定方法。
  9. 【請求項9】 回転するターンテーブルに載置された供
    試体から放射される電磁波ノイズを、供試体から所定の
    距離の位置に配置された検出手段を用いて検出すること
    によって、放射方向に対応させて前記電磁波ノイズを測
    定するノイズ測定システムに用いられ、 前記供試体から放射される電磁波ノイズが周期性のある
    不連続ノイズである場合に、前記電磁波ノイズの性質に
    対応したパラメータに基づいて前記ターンテーブルの回
    転速度を決定する手順と、 決定された回転速度で前記ターンテーブルを回転させ、
    前記ターンテーブルに載置された供試体から放射される
    電磁波ノイズを測定する手順とをコンピュータに実行さ
    せるための測定用プログラムを記録したコンピュータ読
    み取り可能な記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記パラメータは、前記電磁波ノイズ
    の放射時間、非放射時間、強度が所定値以上となる放射
    方向の範囲のうちの少なくとも一つを含むことを特徴と
    する請求項9記載の記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記パラメータは、少なくとも前記電
    磁波ノイズの非放射時間を含むことを特徴とする請求項
    10記載の記録媒体。
  12. 【請求項12】 前記測定用プログラムは、前記ターン
    テーブルの回転速度を決定する手順の前に前記パラメー
    タを取得する手順をコンピュータに実行させることを特
    徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の記録媒
    体。
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