JP7016303B2 - 放射電力推定方法 - Google Patents
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Description
本発明は、空間に放射された電波の全放射電力を推定する放射電力推定技術に関する。
特定方向において強い放射強度となる指向性を持たせるアレーアンテナシステムでは、アンテナと送信機が一体化されたアクティブアンテナが用いられる場合がある。アクティブアンテナにおいて送信機の出力端子にモニタ用のコネクタが装備されていない場合、送信電力測定はアンテナから空間に放射された全放射電力を測定することによって行われる。空間に放射された全放射電力を測定する方法はOver The Air(OTA)測定法と呼ばれ、OTA測定システムが用いられる。例えば非特許文献1にOTA測定システムが開示されている。
図1を参照して、基地局装置91の送信電力を測定する従来のOTA測定システム900および測定方法を説明する。OTA測定システム900は、基地局装置91と、基地局装置91に接続されている送信アンテナ92と、送信アンテナ92が載せられた回転台96(この例では基地局装置91も回転台96に載せられている)と、送信アンテナ92から所定の距離だけ離れた位置に設置されている受信アンテナ93と、受信アンテナ93が受信した電波の電力を測定する電力測定器95を含む。
受信アンテナ93は、送信アンテナ92から受信アンテナ93に向けて放射された電波を受信する。電力測定器95は、受信アンテナ93で受信した電波の電力を測定する。受信アンテナ93の利得および送信アンテナ92と受信アンテナ93との間の距離から伝搬損が求められる。したがって、電力測定器95で受信電力を測定することによって、受信アンテナ93の利得と伝搬損から送信アンテナ92から放射された電波の電力を推定できる。全放射電力を測定する場合には、送信アンテナ92を中心とする球面上で受信アンテナ93を移動させ、電力測定器95で測定された受信電力から各方向での放射電力を推定し、各方向の放射電力の和を求める。または、受信アンテナ93を固定し、回転台96を水平方向と垂直方向の組み合わせで2軸回転させ、電力測定器95で測定された受信電力から各方向での放射電力を推定し、各方向の放射電力の和を求めてもよい。
一般的に、回転台96の動作として連続回転とステップ回転がある。連続回転は、回転を停止させずに一定の速度で連続的に回転する回転方法である。ステップ回転は、角度標本ごとで回転を一時的に止める回転方法である。連続回転は或る角度から次の角度に移動するまでの時間が一定であるため、或る角度における受信電力測定は回転台96が次の角度に到達するまでに終える必要がある。
また、移動体通信のように情報伝送を行う場合、基地局装置から送信される信号は帯域幅を有する変調信号(以下、帯域信号と呼称する)である。帯域信号電力は帯域内の積分電力である。しかし、一般的に、測定精度を一定とした場合、広帯域信号であればあるほど測定に時間を要する。
東陽テクニカ、"OTA測定システム(電波暗室)"、[online]、東陽テクニカ、[平成30年8月2日検索]、インターネット〈URL:http://www.toyo.co.jp/emc/products/detail/id=1754〉
従来のOTA電力測定システム900によると、全放射電力を測定する場合、送信アンテナ92を中心とする球面上の複数の測定点のそれぞれで放射電力を測定する必要がある。回転台96が連続回転する場合、広帯域信号の積分電力の測定に長い時間を要するので、連続回転速度を低下させる必要がある。また、測定精度を確保するため、球面上の多数の測定点で測定する必要があるが、ステップ回転での測定は球面上をスキャンするのに必要な時間が長くなるため現実的ではない。
そこで本発明は、短時間で効率的に且つ高精度に全放射電力を推定できる放射電力推定技術を提供することを目的とする。
本発明の放射電力推定方法は、基地局装置と、基地局装置に接続されている送信アンテナと、送信アンテナを回転させる回転台と、送信アンテナから到来する電波を受信する受信アンテナと、受信した電波の電力を測定する電力測定器とを含む測定システムにおいて送信アンテナの全放射電力を推定する放射電力推定方法であって、電力測定器が、回転台が連続回転する間に、予め定められた角度標本のそれぞれにおいて、送信アンテナが送信し且つ受信アンテナが受信した信号の帯域内の一部での電力を測定する第1ステップと、電力測定器が、電力の最大値に対する各角度標本で得られた電力の比が予め定めた閾値以上である角度標本を特定する第2ステップと、電力測定器が、特定された角度標本で、信号の帯域の全体での電力を測定する第3ステップと、第3ステップで得られた電力から全放射電力を推定する第4ステップを有する。
本発明によると、短時間で効率的に且つ高精度に全放射電力を推定できる。
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
<実施形態1>
以下、実施形態1の全放射電力推定方法について説明する。実施形態1の放射電力推定方法は、図1に示す従来のOTA電力測定システム900において、後述する手順で全方向における全放射電力(Total Radiated Power: TRP)を推定する方法である。
以下、実施形態1の全放射電力推定方法について説明する。実施形態1の放射電力推定方法は、図1に示す従来のOTA電力測定システム900において、後述する手順で全方向における全放射電力(Total Radiated Power: TRP)を推定する方法である。
EIRP(θ,φ)は、等価等方輻射電力(Effective Isotropic Radiated Power)であり、送信電力Ptについて、アンテナの指向性が等方性であるとき、送信源から距離rにおける放射電力密度がPt/4πr2となることに基づき定義されたものである。EIRP(θ,φ)は、θ,φ方向の電界成分を測定することで得られるEIRPθ(θ,φ)およびEIRPφ(θ,φ)を用いて式(2)で表される。
全放射電力の評価には、全ての方向に関する、すなわち図2に示す球面座標系の極角θおよび方位角φに関するEIRPの和を求める。実際の測定では離散的な測定点(角度標本)でEIRPを求めるから、全放射電力TRPは、θおよびφの方向の分割数をそれぞれNθおよびNφとすると、式(3)で表される。ここで、θi=(i-1)Δθ,φj=(j-1)Δφ,Δθ=π/Nθ,Δφ=2π/Nφである。このため、角度標本の総数NはN=NθNφである。
また、θおよびφの回転角度を得るために回転台96は2軸の回転機構を備える。このような回転機構は周知であるから説明を省略する。各軸について連続回転とステップ回転が可能である。上述のとおり、連続回転は、回転を停止させずに一定の速度で連続的に回転する回転方法であり、ステップ回転は、角度標本ごとで回転を一時的に止める回転方法である。つまり、1回転に費やす時間は連続回転よりもステップ回転の方が長い。
各角度標本において電力測定を行う時、電力測定には所定の時間が必要となるが、この時間は測定信号種別や測定精度によって異なり、広帯域信号になるほど、また高い精度であるほど長い測定時間を要する。具体的には、電力測定器95で帯域信号を測定する場合、精度を確保するため分解能帯域幅(RBW;resolution bandwidth)の設定を適切に行うことが重要である。任意のRBWを設定でき、RBWを小さくするほど周波数分解能が向上し、スペクトラムの細部をより忠実に測定できる。また、RBWを小さくするとノイズのパワーも減るのでノイズレベルが下がりダイナミックレンジが向上する。すなわち、小さい電力まで精度良く測定できる。しかし、RBWを小さくすると応答が遅くなるため、緩やかに周波数掃引しなければならず、このため測定に時間がかかる。つまり、測定信号が広帯域信号の場合、精度を上げるためにRBWを小さくすると、長い測定時間が必要である。
さらに、測定時間は回転台96の動作の影響も受ける。測定時間の短縮のため一回転に必要な時間が短い連続回転とした場合、或る角度標本での電力測定は、回転台96が次の角度に到達する前に完了しなければならない。完了できない場合、当該角度標本における測定電力は正確でないため、全放射電力推定に大きな誤差が生じる。他方、連続回転の回転速度を下げる、または、ステップ回転を採用する場合、両方とも測定に要する時間が長くなる。ステップ回転を採用した場合、或る角度標本で電力測定を完了してから回転台96を次の角度標本に回転させることによって、どの角度標本においても受信電力を正確に測定できる。しかし、一般的に、ステップ回転の場合、角度標本の数が増えるほどTRP測定精度は向上するが、測定時間は角度標本の数に比例して増加する。
ここで、図3に実際の基地局装置から放射されるEIRPの角度分布の一例を示す。一般的に、基地局装置91の送信アンテナ92のメインローブは、エリアの方向に放射電力が最大となるように設計されるので、EIRPの角度分布は特定方向で最大となる。その他の方向ではサイドローブによる電力放射があるが、サイドローブの放射電力はメインローブの放射電力より小さい。
表1は、異なる放射パターンにおける、各角度標本におけるEIRPと最大EIRPとの比が閾値以上となる角度標本の数の角度標本の総数に対する割合(測定標本率)とその際の測定誤差を示している。誤差の基準は全ての角度標本から求めたTPRである。表1から、閾値が大きくなるほど(つまり閾値を最大EIRPに近づけるほど)測定標本率が小さくなるとともに測定誤差が大きくなり、閾値が小さくなるほど(つまり閾値を最大EIRPから遠ざけるほど)測定標本率が大きくなるとともに測定誤差が小さくなることがわかる。閾値が例えば-10dBの時、測定標本率は基地局装置Aでは7%であり基地局装置Bでは3%であるが、測定誤差がそれぞれ-0.8dB,-1.2dBである(つまり、閾値が-10dBの時、測定標本率は十分に小さいが測定誤差が大きい)のに対して、閾値が例えば-40dBの時、測定誤差は基地局装置A,Bでは0dBであるが、測定標本率が基地局装置Aでは91%であり、基地局装置Bでは81%である(つまり、閾値が-40dBの時、測定誤差は十分に小さいが測定標本率が大きい)。したがって、短時間で効率的に且つ高精度に全放射電力を推定するためには、できるだけ小さい測定標本率でできるだけ小さい測定誤差を達成できる閾値を設定するのが良い。閾値は、測定システム900の構成や測定条件(例えば要求される精度)などによって変更できるが、好ましくは、測定標本率が50%以下であり且つ測定誤差が-0.3dB以上であることを満足する値として設定されるのが好ましい。表1からは、閾値は、-15dB以下かつ-30dB以上の所定の値であるのが好ましい。閾値が-20dB程度であれば誤差は非常に小さく、且つ、測定標本率が20%(全体の1/5程度)になっている。このように、閾値は、いくつかのシミュレーションモデルにおける測定標本率と測定誤差とのトレードオフに基づいて事前に決定される。なお、シミュレーションモデルは、実際の測定システムを前提に作られたものでなくてもよい。
このような特徴に鑑みて、実施形態1では、まず、電力測定器95が、回転台96が一定速度で連続回転する間に、予め定められた角度標本のそれぞれにおいて、送信アンテナ92が送信し且つ受信アンテナ93が受信した信号の帯域内の一部での受信電力EIRP(θ,φ)を測定する(ステップS1)。この時の角度分解能は測定精度に影響するので、比較的小さい分解能であることが好ましい。基地局装置91からの送信信号が帯域信号である場合、連続回転では上述したように全帯域の信号電力を測定することができない場合があるため、信号帯域内の一部の帯域のみの電力を測定する。電力を測定できなかった場合には、例えば測定帯域幅を半分に更新し、電力測定器95が再度、連続回転で各角度標本の受信電力を測定する。このプロセスを一回転分の電力測定結果を得るまで実行する。
次に、電力測定器95は、連続回転で得られたEIRP(θ,φ)の最大値を求め、EIRP(θ,φ)の最大値に対する各角度標本のEIRP(θ,φ)の比を計算し、比が予め設定した閾値以上である角度標本を特定する(ステップS2)。ここでは、特定された角度標本の座標を(θi,φj),(i,j)∈{(ap,bq)|ap∈{a1,a2,…,an},bq∈{b1,b2,…,bm}},ak∈{1,2,…,Nθ},bh∈{1,2,…,Nφ},k∈{1,2,…,n},h∈{1,2,…,m}と書くことにする。ただし、(i,j)は集合(ap,bq)の全ての元を亘るとは限らない。
そして、電力測定器95は、回転台96のステップ回転において、ステップS2の処理で特定した角度標本のそれぞれにおいて信号帯域の全体での電力を測定する(ステップS3)。この処理で得られた各角度標本での電力をEIRP(θi,φj),(i,j)∈{(ap,bq)|ap∈{a1,a2,…,an},bq∈{b1,b2,…,bm}},ak∈{1,2,…,Nθ},bh∈{1,2,…,Nφ},k∈{1,2,…,n},h∈{1,2,…,m}とする。
最後に、電力測定器95は、ステップS3の処理で求めた各角度標本での全帯域電力測定結果EIRP(θi,φj),(i,j)∈{(ap,bq)|ap∈{a1,a2,…,an},bq∈{b1,b2,…,bm}},ak∈{1,2,…,Nθ},bh∈{1,2,…,Nφ},k∈{1,2,…,n},h∈{1,2,…,m}と式(4)を用いてTRPを求める(ステップS4)。ただし、Δθ=π/Nθ,Δφ=2π/Nφである。
放射電力は帯域によらず送信アンテナ92と受信アンテナ93との離隔距離に応じた一定の減衰を受けるので、帯域信号の角度依存性と、帯域信号内の一部の帯域信号の角度依存性は等しい。つまり、送信アンテナ92による放射電力の角度分布は帯域内の一部の帯域の放射電力の角度分布と等しく、両者において最大EIRPに対する各角度標本のEIRPの比も等しい。また、一定強度以上のEIRPを測定すれば精度の高いTRPを推定できるため、精度を保ちつつ角度標本数の削減による測定時間の短縮が可能となる。
実施形態1の推定法によると、連続回転で帯域内の一部の放射電力分布を短時間で測定し、TRPへの寄与が大きい角度標本を選択し、当該角度標本での全帯域の放射電力をステップ回転で正確に取得することによって短時間で精度の高いTRP推定が可能である。
<実施形態2>
実施形態2では、ステップS1の処理にて、基地局装置91からの送信信号が帯域信号である場合、電力測定器95が帯域中心周波数での電力を測定する。この場合、電力測定器95は帯域内電力を積分する必要が無い。また、ピーク電力をサーチし、その電力を測定するから、測定精度が向上するとともに、高ダイナミックレンジの推定を構築できる。特に受信電力が小さい場合に有効である。
実施形態2では、ステップS1の処理にて、基地局装置91からの送信信号が帯域信号である場合、電力測定器95が帯域中心周波数での電力を測定する。この場合、電力測定器95は帯域内電力を積分する必要が無い。また、ピーク電力をサーチし、その電力を測定するから、測定精度が向上するとともに、高ダイナミックレンジの推定を構築できる。特に受信電力が小さい場合に有効である。
なお、各実施形態において閾値を-20dBに設定することによって、角度標本数を1/5以下にでき、且つ、測定時間を1/5以下にできる。
<補遺>
明細書と特許請求の範囲において、処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。
明細書と特許請求の範囲において、処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。
明細書と特許請求の範囲において、入力あるいは出力された情報等は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理されてもよい。入力あるいは出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は必要に応じて他の装置へ送信されてもよい。
明細書と特許請求の範囲において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
上述の実施形態において、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うことに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)に行われてもよい。
明細書と特許請求の範囲において、「システム」という用語と「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。
明細書と特許請求の範囲では、「接続された」という用語とこのあらゆる語形変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的な接続を意味し、互いに「接続」された2つの要素の間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素と要素との接続は、物理的接続であっても、論理的接続であっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。明細書と特許請求の範囲で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブルおよび/またはプリント電気接続を使用することによって、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することによって、互いに「接続」されると考えることができる。
明細書と特許請求の範囲では、序数詞(例えば、接頭辞「第」に漢数詞または算用数字を組み合わせた「第○」)は、特段の断りが無い限り、助数詞の定義にもかかわらず、序数詞で修飾されるまたは助数詞と結合する要素を当該要素の順序または当該要素の量で限定することを意図しない。助数詞の使用は、特段の断りが無い限り、単に、2つ以上の要素を互いに区別する便利な表現方法として使用される。したがって、例えば語句「第1のX」と語句「第2のX」は、2つのXを区別するための表現であり、Xの総数が2であることを意味するものでは必ずしもなく、あるいは、第1のXが第2のXに先行しなければならないことを意味するものでは必ずしもない。
明細書と特許請求の範囲では、用語「含む」とその語形変化は非排他的表現として使用されている。例えば、「XはAとBを含む」という文は、XがAとB以外の構成要素(例えばC)を含むことを否定しない。また、明細書と特許請求の範囲において或る文が用語「含む」またはその語形変化が否定辞と結合した語句を含む場合、当該文は用語「含む」またはその語形変化の目的語について言及するだけである。したがって、例えば「XはAとBを含まない」という文は、XがAとB以外の構成要素を含む可能性を認めている。さらに、明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または」は排他的論理和ではないことが意図される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更と変形が許される。選択され且つ説明された実施形態は、本発明の原理およびその実際的応用を解説するためのものである。本発明は様々な変更あるいは変形を伴って様々な実施形態として使用され、様々な変更あるいは変形は期待される用途に応じて決定される。そのような変更および変形のすべては、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲に含まれることが意図されており、公平、適法および公正に与えられる広さに従って解釈される場合、同じ保護が与えられることが意図されている。
Claims (4)
- 基地局装置と、当該基地局装置に接続されている送信アンテナと、当該送信アンテナを回転させる回転台と、当該送信アンテナから到来する電波を受信する受信アンテナと、受信した当該電波の電力を測定する電力測定器とを含む測定システムにおいて当該送信アンテナの全放射電力を推定する放射電力推定方法であって、
前記電力測定器が、前記回転台が連続回転する間に、予め定められた角度標本のそれぞれにおいて、前記送信アンテナが送信し且つ前記受信アンテナが受信した信号の帯域内の一部での電力を測定する第1ステップと、
前記電力測定器が、前記電力の最大値に対する各前記角度標本で得られた前記電力の比が予め定めた閾値以上である前記角度標本を特定する第2ステップと、
前記電力測定器が、特定された前記角度標本で、前記信号の帯域の全体での電力を測定する第3ステップと
前記第3ステップで得られた前記電力から全放射電力を推定する第4ステップと
を有する放射電力推定方法。 - 請求項1に記載の放射電力推定方法において、
前記第1ステップにおいて、前記一部は中心周波数である
ことを特徴とする放射電力推定方法。 - 請求項1または請求項2に記載の放射電力推定方法において、
前記閾値は、事前のシミュレーションモデルにおいて、各角度標本における等価等方輻射電力と最大等価等方輻射電力との比が閾値以上となる角度標本の数の角度標本の総数に対する割合である測定標本率と、全ての角度標本から求めた全放射電力に対する測定誤差と、のトレードオフに基づいて予め決定されている
ことを特徴とする放射電力推定方法。 - 請求項1または請求項2に記載の放射電力推定方法において、
前記閾値は、-15dB以下かつ-30dB以上の所定の値である
ことを特徴とする放射電力推定方法。
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