JP3740942B2 - 電磁波ノイズ測定装置、方法、及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波ノイズ測定装置、方法、及び記録媒体に係り、より詳しくは、電子機器から放射される電磁波ノイズを測定するための電磁波ノイズ測定装置、方法、及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気機器及び電子機器の普及に伴い電磁妨害(Electro Magnetic Interface)が社会的問題となっている。このため、各国で規格(VCCIやFCC)が設けられており、装置の販売に当たってはこれらの規格を満足する必要がある。
【0003】
電気機器及び電子機器がEMI規格に適合しているか否かを判断するためには、装置が放射する電磁波ノイズを測定し、測定値が規格値を下回っていることを確認する必要がある。この電磁波ノイズの測定は、通常30MHz〜1GHzの範囲で行われる。
【0004】
製品のEMI規格への適合判定は準尖頭値(Quasi−Peak)と呼ばれる測定結果によって判定されるが、この測定は一定の測定時間を要するため、30MHz〜1GHzの範囲に亘って準尖頭値測定を実施することは測定効率が低くなるためあまり使用されていない。
【0005】
一般的な電波測定設備(Open Field Test Site等)では、規制周波数範囲に亘って準尖頭値測定を実施する代わりに、スペクトラムアナライザなどにより尖頭値(Peak)測定を実施し、この尖頭値が該当する規格値に合致しないか、または許容値に十分なマージンを持たない妨害信号について準尖頭値を測定していた。
【0006】
このような測定設備では、電気機器や電子機器などの装置から放射される電磁波の最大値を測定するために、被測定装置を回転させる回転手段と被測定装置が放射する電磁波を受信するアンテナの昇降手段をさらに必要とする。
【0007】
また、従来の電磁波自動測定ソフトでは、その作業を効率化するために、受信アンテナをあるハイトパターンと呼ばれるアンテナを用いた計算式、又は送信・受信アンテナを用いた実測値に基づいて所定位置に固定し、装置の電磁波ノイズ測定を実施していた。
【0008】
しかしながら、電磁妨害波がアンテナの高さ方向に指向性が高い場合、アンテナを一定の高さにして電磁波の測定を行っていたのでは測定漏れを起こす場合がある。
【0009】
このような電波測定設備において使用する電波測定装置は、電気機器及び電子機器から発生する電磁妨害波を受信するアンテナ、該アンテナによって受信された各電磁波を増幅する増幅器、受信した電磁波の結果の表示を行うスペクトラム解析手段、電界強度計等が同軸ケーブルなどによって接続された構成となっており、電磁妨害波が規格値を下回っているか否かを確認する際には、各部における電磁妨害波入出力の利得やロス(ファクター)を各々算出し、各部において受信した各電磁波からファクターを相殺し測定値が規格値を下回っていることを確認する必要があった。また、被測定装置により異なる電磁波ノイズ信号の時間的な発生タイミングや、一時的なノイズの観測に関わる判定は行われていなかった。
【0010】
さらに、これらの利得やロスは、実際の被測定装置が放射している電磁波ノイズレベルとは大きくかけ離れた所定信号レベルで測定、管理されていた。この場合、入力の強弱の変化に対する出力のリニアリティは検査されず、一定の入力に対するファクターは正確となるが、入力変動に対するファクターは不正確となり、規格値との比較ができない場合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の電磁波ノイズに関する規格では、例えばQP(Quasi Peak:準尖頭値)測定を行い、このQP測定値が規格を満たしているか否かを判断する必要があるが、上記のような電磁妨害波の評価方法では、放射ノイズ測定、各周波数の電磁波のレベルを測定し、この測定結果から装置が有する複数の繰り返し信号のうち、特定の繰り返し信号の各高調波成分に対応する電磁波のレベルを自動抽出し、QP測定を自動で行ったときに、特定の繰り返し信号の各高調波成分が異なった繰り返し信号の各高調波と同一周波数で重なり合った場合やその高調波が隣接している場合、測定目的とした高調波についてQP測定を自動で行ったときに誤測定になってしまうことがある。
【0012】
また、測定システムが被測定装置が放射している電磁波ノイズのレベルと同等の信号強度を受信したとき、これらのシステムが必ずしも直線性を持った性能を示すとは限らず、測定結果にエラーを生じる場合がある。
【0013】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、電磁波ノイズの誤測定を防ぐと共に測定効率を向上させることができる電磁波ノイズ測定装置、方法、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、電子機器から放射される電磁波ノイズを測定する電磁波ノイズ測定装置において、前記電磁波ノイズを受信するアンテナと、前記アンテナで受信した所定周波数範囲の電磁波ノイズのピーク電界強度を測定するピーク電界強度測定手段と、前記アンテナで受信した予め定めた特定周波数における電磁波ノイズの準尖頭値を測定する準尖頭値測定手段と、前記特定周波数における前記ピーク電界強度と前記準尖頭値との差が所定値以上の場合に報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、例えばプリンタやコピー機、ファクシミリなどの電子機器から放射される電磁波ノイズをアンテナにより受信する。なお、電磁波ノイズを受信する際には、例えばアンテナを昇降させるアンテナ昇降手段により電磁波ノイズが最大となる位置にアンテナを移動させ、電子機器をターンテーブル上に載置し、このターンテーブルを回転させながら受信する。
【0016】
ピーク電界強度測定手段では、このアンテナで受信した所定周波数範囲の電磁波ノイズのピーク電界強度を測定する。このピーク電界強度測定手段には、例えば公知のスペクトラムアナライザを用いることができる。
【0017】
準尖頭値測定手段は、アンテナで受信した予め定めた特定周波数における電磁波ノイズの準尖頭値、すなわちQP値を測定する。この準尖頭値測定手段には、例えば公知の電界強度計(レシーバ)などを用いることができる。予め定めた特定周波数とは、例えばピーク電界強度が所定閾値を超えている電磁波ノイズの周波数であり、請求項2にも記載したように、設定手段をさらに設け、この設定手段により、ピーク電界強度測定手段で測定した電磁波ノイズのピーク電界強度と所定周波数範囲とに基づいて、準尖頭値測定手段の特定周波数を設定するようにしてもよい。この設定は、オペレータが手動で行っても良いし、ピーク電界強度が所定閾値を超えている電磁波ノイズの周波数を自動で検出して自動的に設定するようにしてもよい。
【0018】
ところで、QP測定では、規格で定められた所定時間以上継続しない鋭いピーク波形については測定できないため、何らかの原因によりピーク電界強度測定手段で測定したときと測定条件が異なってしまったような場合には、自動でQP測定を行ったときの準尖頭値測定手段によって測定した値が正しくなく、誤測定となる恐れがある。
【0019】
そこで、報知手段は、特定周波数におけるピーク電界強度と準尖頭値との差が所定値以上の場合には、例えば手動で測定を行うよう促す旨を示すエラーメッセージを表示手段に表示するなどして報知する。これにより、QP測定を自動測定する場合でも誤測定を防ぐことができる。
【0020】
なお、電子機器の各基板に搭載されたクロックのクロック周波数をクロックリストとして記憶手段に予め記憶させておき、このクロックリストから選択されたクロックの整数倍の周波数の波形、すなわ高調波と予め定めた特定周波数の波形とを重ね合わせて表示手段に表示させるようにしてもよい。これにより、どの基板のクロックがノイズ源となっているかを容易に特定することができる。
【0021】
また、表示手段に複数の周波数の波形を表示させると共に、予め定めた基本周波数の波形との差分を演算手段により演算して記憶手段に記憶するようにしてもよい。これにより、例えば電磁波ノイズ対策を施す前の基板で測定した電磁波ノイズの波形と電磁波ノイズ対策を施した後の基板で測定した電磁波ノイズの波形とを容易に比較することができる。また、基板の各ポイントの電磁波ノイズをレベルに応じて例えば色分けして3次元表示させるようにしてもよい。
【0022】
また、請求項3にも記載したように、電子機器から放射される電磁波ノイズを測定する電磁波ノイズ測定方法において、前記電磁波ノイズを受信し、前記アンテナで受信した所定周波数範囲の電磁波ノイズのピーク電界強度を測定し、前記アンテナで受信した電磁波ノイズの特定周波数における準尖頭値を測定し、前記特定周波数における前記ピーク電界強度と前記準尖頭値との差が所定値以上の場合に報知することにより、電磁波ノイズの誤測定を防ぐことができる。
【0023】
また、請求項4に記載したように、電子機器から放射される電磁波ノイズの測定について制御するためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記電磁波ノイズを受信させるステップと、前記アンテナで受信した所定周波数範囲の電磁波ノイズのピーク電界強度を測定させるステップと、前記アンテナで受信した電磁波ノイズの特定周波数における準尖頭値を測定させるステップと、前記特定周波数における前記ピーク電界強度と前記準尖頭値との差が所定値以上の場合に報知させるステップと、を含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体により上記の制御を実行させることにより、電磁波ノイズの誤測定を防ぐことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。
【0029】
図1には、電磁波ノイズ測定装置10が示されている。図1に示すように、電磁波ノイズ測定装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)12、電界強度計14、スペクトラムアナライザ16、プリアンプ18、コントローラ20、プリンタ22等を含んで構成されている。PC12と電界強度計14、スペクトラムアナライザ16、コントローラ20、プリンタ22は、各々GPIBケーブル24により接続されている。
【0030】
コントローラ20は、電磁波ノイズの測定対象である例えば複写機26などを回転させるためのターンテーブル28や複写機26から放射される電磁波ノイズを測定するためのアンテナ30を昇降するためのアンテナ昇降機32と接続されている。コントローラ20では、PC12の指示に従ってターンテーブル28やアンテナ昇降台32を制御する。
【0031】
次に、複写機26から放射される電磁波ノイズの測定(EMI測定)について説明する。
【0032】
図2には複写機26から放射される電磁波ノイズを測定する場合のEMI(Electro Magnetic Interface)ソフトウェアのフローチャートが示されている。
【0033】
図2に示すように、電磁波ノイズを測定する際には、オペレータがスペクトラムアナライザ16に所定の設定値をセットする(ステップ100)。
【0034】
次に、PC12の指示によりコントローラ20によりアンテナ昇降台32を制御し、アンテナ30を指定位置へ移動させる(ステップ102)。この指定位置とは、例えば複写機26から放射される電磁波ノイズの直接波及び床面で反射した反射波とを合成した電界強度が最大となる高さである。
【0035】
従って、この指定位置にアンテナ30をセットするために、例えばターンテーブル28を所定角度に設定した状態でアンテナ30を昇降させ、電界強度計14で測定された電磁波ノイズの電界強度が最大となる位置でアンテナ30の昇降を停止する。このようにして、複写機26からの電磁波ノイズが最大となる位置にアンテナ30を移動させる。
【0036】
このようにアンテナ30を移動させた後、PC12の指示によりコントローラ20によりターンテーブル28の回転を開始させる(ステップ104)。そして、回転角度を監視しながらスペクトラムアナライザ16から電磁波ノイズのスペクトラムデータを取得し、PC12内のメモリへ記憶させていくと同時に、図3に示すように、PC12のモニタ34に表示させる。
【0037】
そして、ターンテーブル28が360度回転したか否かを判断し(ステップ108)、360度回転した場合には、ターンテーブル28を停止させる(ステップ110)。
【0038】
そして、取得したスペクトラムアナライザ16のデータを解析し図4に示すようにPC12のモニタ34へ表示させる(ステップ112)。図4では、30MHz〜1GHzの周波数の波形を表示している。
【0039】
次に、図5に示すように、オペレータは図4に示すようにPC12のモニタ34上に表示されたスペクトラムデータを元に解析したい周波数の範囲をキーボードやマウスなどを用いて指定する(ステップ200)。これにより、指定された周波数範囲の波形が図6に示すように別のウィンドウ36に拡大表示される(ステップ202)。
【0040】
そして、オペレータは、ウィンドウ36に拡大表示された波形から解析したい周波数ポイント、例えば電界レベルが所定閾値以上の周波数ポイントを指定する(ステップ204)。これにより、指定されたポイントのデータが図6に示すポイントリスト38に表示される(ステップ206)。
【0041】
そして、スペクトラムアナライザ16を使用し、QP測定を行うポイント周波数を絞り込み(ステップ300)、絞り込んだ周波数のピークレベルを取得する(ステップ302)。
【0042】
そして、スペクトラムアナライザ16から取得したピークレベルをa、図5のステップ204で指定したポイントのピークレベルをb、予め設定した不確な値をcとしてa<b−cであるか否かを判定する(ステップ304)。そして、a<b−cである場合には、指定したポイントは時間的に変動した電磁波ノイズであり自動測定できないものであると判断し、手動で測定すべき旨をポイントリスト38のコメント欄へエラーメッセージを表示する(ステップ306)。これにより、誤測定を防ぐことができる。
【0043】
一方、a<b−cでない場合には、指定したポイントは自動測定可能な電磁波ノイズであると判断し、図8に示すようなQP測定を行う(ステップ308)。
【0044】
QP測定では、図8に示すように、まずターンテーブル28及びアンテナ30をそれぞれ電磁波ノイズが最大となる位置へ移動させる(ステップ400)。そして、電界強度計14又はスペクトラムアナライザ16でQP値を取得する(ステップ402)。
【0045】
そして、スペクトラムアナライザ16から取得したQPをa、図5のステップ204で指定したポイントのピークレベルをb、予め設定したマージン値をcとしてa<b−cであるか否かを判定する(ステップ404)。そして、a<b−cである場合には、指定したポイントは時間的に変動した電磁波ノイズであり自動測定できないものであると判断し、手動で測定すべき旨をポイントリスト38のコメント欄へエラーメッセージを表示する(ステップ406)。これにより、誤測定を防ぐことができる。一方、a<b−cでない場合にはリターンする。そして、上記のような動作を周波数ポイント分繰り返す。
【0046】
このように、指定したポイントが時間的に変動した電磁波ノイズであり自動測定できないものであるか否かを判断し、自動測定できないものであると判断した場合には、モニタ34上のエラーメッセージを表示するため、電磁波ノイズの誤測定を防ぐことができる。
【0047】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、電磁波測定装置10の電界強度計14、スペクトラムアナライザ16、プリアンプ18の入出力関係のリニアリティをチェックする場合について説明する。
【0048】
電磁波ノイズの測定は、例えば図9に示すような電波暗室40内に測定対象の複写機26やアンテナ30を設置して行われる。そして、測定機器のリニアリティのチェックを行うために、複写機26から放射される電磁波ノイズに代えて信号発生器(SG)42を設けている。
【0049】
信号発生器42からの信号は、アッテネータ(ATT)44を介してプリアンプ18に入力され、分配器46によりスペクトラムアナライザ16及び電界強度計14に入力される。リニアリティのチェックは、例えばプリアンプ18とスペクトラムアナライザ16、プリアンプ18と電界強度計(レシーバ)14について行う。
【0050】
以下、プリアンプ18とレシーバ14のリニアリティのチェックを行う場合について図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0051】
図10に示すように、まず各ハードウェアの設定及びチェックを行う(ステップ500)。そして、信号発生器42の出力レベルを許容値及びファクターから算出し(ステップ501)、信号発生器42のレベルをONにし(ステップ502)、信号発生器42のレベル及び周波数を設定する(ステップ504)。
【0052】
次に、レシーバ14の周波数を設定し(ステップ506)、レシーバ14の受信レベルを取得する(ステップ508)。そして、信号発生器42の発信レベルとレシーバ16の受信レベルとから比較結果を算出する(ステップ510)。
【0053】
そして、取得した比較値を図11に示すリスト48及びグラフ50に表示する(ステップ512)。そして、周波数ポイント分終了したか否かを判定し(ステップ514)、周波数ポイント分終了するまでステップ504からステップ512の動作を繰り返す。周波数ポイント分終了した場合には、信号発生器42のレベルをOFFし(ステップ516)する。
【0054】
次に、現在の信号発生器42の送信レベルにステップレベル(設定値、例えば2db)を加算した値を送信レベルとして設定する(ステップ518)。そして、この計算した送信レベルが予め定めた測定範囲(例えば測定値−10db〜測定値+10db)外になったか否かを判断し(ステップ520)、測定範囲内の場合には、上記の処理を繰り返し、測定範囲外になった場合には測定を終了する。
【0055】
これにより、周波数毎の各レベルの比較値(偏差)がグラフ50に表示され、周波数毎の各レベルの比較値の変動の様子、すなわちプリアンプ18とレシーバ14のリニアリティを把握することができる。このため、より精度の高い電磁波ノイズの測定を行うことができる。
【0056】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、複写機26のどの部分がノイズ発生源かを特定する場合について説明する。
【0057】
複写機26には、様々なクロックを持った基板が搭載されている。このため、PC12のメモリには、各基板に搭載されたクロックの周波数リストが予め記憶されている。このクロック周波数リストと測定した電磁波ノイズとに基づいてノイズ発生源を特定する。
【0058】
まず、第1実施形態で説明したように、図2,5に示すフローチャートに従って、複写機26から放射される電磁波ノイズを測定し、モニタ34に表示させる。そして、ポイントリスト38から解析する周波数を選択し、解析リスト(別ソフト)へ移動させる(図12に示すステップ600)。
【0059】
次に、オペレータは図14に示すように解析リストから解析したい1ポイントを選択する(ステップ602)。そして、選択されたポイントのデータを高調波解析プログラムへ送り(ステップ604)、高調波解析プログラムが起動される(ステップ606)。これにより、モニタ34には、図15に示すような画面となる。
【0060】
次に、スペクトラムアナライザ16に基本設定値をセットし(ステップ608)、スペクトラムアナライザ16のセンター周波数を解析リストで選択された周波数にセットする(ステップ610)。
【0061】
次に、基本クロックリストのファイルをロードし、図15に示すようにウィンドウ52に表示させる(ステップ614)。そして、スペクトラムアナライザ16の現在の波形を取得し、モニタ34上へ表示させる(ステップ614)。
【0062】
次に、周波数の上下移動ボタン54が押下されたか否かを判断し(ステップ616)、押された場合にはステップ617でセンター周波数を基本クロックリストから選択された基本クロック(周波数)分上下へずらす(ステップ617)。
【0063】
そして、スペクトラムアナライザ16の現在の波形を取得し、図16に示すように基本周波数の波形と重ね描きしてモニタ34上へ表示する(ステップ618)。このステップ616乃至618をオペレータの判断により繰り返す(ステップ620)。このように、基本クロックの高調波成分とスペクトラムアナライザ16の現在の波形とを重ね描きして表示するため、対策が必要となる電磁波ノイズの周波数がどの基本クロックの高調波成分となっているかを容易に特定することができ、ノイズ源を容易に特定することができる。
【0064】
次に、確定ボタンが押下されたか否かを判断し(ステップ622)、確定ボタンが押下された場合には、コメント用ウィンドウを表示させ(図13に示すステップ624)、解析した周波数をリスト表示する(ステップ626)。
【0065】
そして、高周波解析プログラムの終了が指示されたか否かを判断し(ステップ628)、終了が指示された場合には、EMIソフトウェアへ解析結果を送り(ステップ630)、解析リストのデータを更新する(ステップ632)。
【0066】
このように、基本クロックの高調波成分とスペクトラムアナライザ16の現在の波形とを重ね描きして表示するため、対策が必要となる電磁波ノイズの周波数がどの基本クロックの高調波成分となっているかを容易に特定することができ、ノイズ源を容易に特定することができる。
【0067】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態では、測定した電磁波ノイズの波形解析を行う場合について説明する。
【0068】
まず、第1実施形態で説明したように、図2に示すフローチャートに従って、複写機26から放射される電磁波ノイズを測定し、モニタ34に表示させる。そして、ポイントリスト38から解析する周波数を選択し、解析リスト(別ソフト)へ移動させる(図17に示すステップ700)。
【0069】
次に、オペレータは図14に示すように解析リストから解析したい1ポイントを選択する(ステップ702)。そして、選択されたポイントのデータを波形解析プログラムへ送り(ステップ704)、波形解析プログラムが起動される(ステップ706)。
【0070】
次に、スペクトラムアナライザ16に基本設定値をセットし(ステップ708)、スペクトラムアナライザ16の現在の波形(No1)を取得しモニタ34へ表示する(ステップ710)。
【0071】
次に、図18に示すようにデータNoを指定し(ステップ712)、指定されたデータNoの表示スイッチがONか否かを判断し(ステップ714)、OFFだった場合にはデータを消去する(ステップ716)。
【0072】
一方、指定されたデータNoの表示スイッチがONだった場合には、指定されたデータNoのデータを表示し(ステップ718)、スペクトラムアナライザ16のMAX−HOLD機能及びCLEAR−WRITE機能を用いてピークデータを取得する(ステップ720)。
【0073】
そして、取得したデータをモニタ34に図19に示すように重ね描きして表示する(ステップ722)。次に、確定ボタンが押下されたか否かを判断し(ステップ724)、押下された場合には、コメント入力用ウィンドウを表示させる(ステップ726)。そして、取得したデータを解析後、モニタ34に表示する。この時指定されているデータNoのデータを重ね描きする(ステップ728)。
【0074】
このように、複数のデータを重ね描きして表示できるため、例えばノイズ源と思われる基板に対して様々な対策を取ったものについて測定した複数のデータを同時に表示させることができ、これらを容易に比較することができる。
【0075】
そして、これらの中から基本データの番号を選択し(図20に示すステップ730)、演算データの番号を選択する(ステップ732)。次に、演算データの表示スイッチがONか否かを判断し(ステップ734)、OFFだった場合にはデータは表示せず(ステップ736)、表示スイッチがONだった場合には基本データの周波数を元に演算データのレベルを検索し、同一周波数でのレベルを引き算する(ステップ738)。これを周波数ポイント分繰り返す。そして、演算した結果を偏差データとして表示する(ステップ740)。このように、各データの差分データを演算して表示することができるため、ノイズ源と思われる基板に対策を施した場合に、容易に対策前と比較してどの程度効果があるのかを把握することができる。
【0076】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態では、測定した電磁波ノイズの波形分布解析を行う場合について説明する。
【0077】
まず、第1実施形態で説明したように、図2に示すフローチャートに従って、複写機26から放射される電磁波ノイズを測定し、モニタ34に表示させる。そして、ポイントリスト38から解析する周波数を選択し、解析リスト(別ソフト)へ移動させる(図21に示すステップ800)。
【0078】
次に、オペレータは解析リストから解析したい1ポイントを選択する(ステップ802)。そして、選択されたポイントのデータを分布測定プログラムへ送り(ステップ804)、分布測定プログラムが起動される(ステップ806)。
【0079】
次に、スペクトラムアナライザ16に基本設定値をセットする(ステップ808)。
【0080】
次に、図23に示すような例えば基板の表面を表示したビットマップ56から前記基板上の測定するポイントを選択し(図22に示すステップ810)、スペクラムアナライザ16から現在の波形を取得する(ステップ812)。そして、取得した波形を解析し図24に示すように3次元表示する(ステップ814)と共にグラフに表示する(ステップ816)。これは、例えばレベルが高い部分については赤、レベルが低い部分については青といったようにレベルに応じて色分けして3D表示することができる。
【0081】
そして、指定ポイント分終了したか否かを判断し(ステップ818)、指定ポイント分終了した場合には、分布測定の終了が指示されたか否かについて判断する(ステップ820)。そして、分布測定の終了が指示された場合にはEMIソフトウェアへ解析結果を送り(ステップ822)、解析リストのデータを更新する(ステップ824)。
【0082】
このように、基板上の各ポイントの取得した波形の波形分布を3次元表示することができるため、どの部分のレベルが高いかを容易に判断することができる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、電磁波ノイズの誤測定を防ぐと共に測定効率を向上させることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電磁波測定装置の概略構成図である。
【図2】 第1実施形態に係る電磁波測定のフローチャートである。
【図3】 第1実施形態に係る電磁波測定において表示される画面の一例である。
【図4】 第1実施形態に係る電磁波測定において表示される画面の一例である。
【図5】 第1実施形態に係る電磁波測定のフローチャートである。
【図6】 第1実施形態に係る電磁波測定において表示される画面の一例である。
【図7】 第1実施形態に係る電磁波測定のフローチャートである。
【図8】 第1実施形態に係る電磁波測定のフローチャートである。
【図9】 第2実施形態に係る電磁波測定装置の概略構成図である。
【図10】 第2実施形態に係るリニアリティ測定のフローチャートである。
【図11】 第2実施形態に係るリニアリティ測定において表示される画面の一例である。
【図12】 第3実施形態に係る電磁波測定のフローチャートである。
【図13】 第3実施形態に係る電磁波測定のフローチャートである。
【図14】 第3実施形態に係る電磁波測定において表示される画面の一例である。
【図15】 第3実施形態に係る電磁波測定において表示される画面の一例である。
【図16】 第3実施形態に係る電磁波測定において表示される画面の一例である。
【図17】 第4実施形態に係る電磁波測定のフローチャートである。
【図18】 第4実施形態に係る電磁波測定のフローチャートである。
【図19】 第4実施形態に係る電磁波測定において表示される画面の一例である。
【図20】 第4実施形態に係る電磁波測定のフローチャートである。
【図21】 第5実施形態に係る電磁波測定のフローチャートである。
【図22】 第5実施形態に係る電磁波測定のフローチャートである。
【図23】 第5実施形態に係る電磁波測定において表示される画面の一例である。
【図24】 第5実施形態に係る電磁波測定において表示される画面の一例である。
【符号の説明】
10 電磁波測定装置
12 PC
14 電界強度計
16 スペクトラムアナライザ
18 プリアンプ
20 コントローラ
22 プリンタ
24 GPIBケーブル
26 複写機
28 ターンテーブル
30 アンテナ
32 アンテナ昇降台
Claims (4)
- 電子機器から放射される電磁波ノイズを測定する電磁波ノイズ測定装置において、
前記電磁波ノイズを受信するアンテナと、
前記アンテナで受信した所定周波数範囲の電磁波ノイズのピーク電界強度を測定するピーク電界強度測定手段と、
前記アンテナで受信した予め定めた特定周波数における電磁波ノイズの準尖頭値を測定する準尖頭値測定手段と、
前記特定周波数における前記ピーク電界強度と前記準尖頭値との差が所定値以上の場合に報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする電磁波ノイズ測定装置。 - 前記ピーク電界強度測定で測定した電磁波ノイズのピーク電界強度と所定周波数範囲とに基づいて、前記準尖頭値測定手段の特定周波数を設定する設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の電磁波ノイズ測定装置。
- 電子機器から放射される電磁波ノイズを測定する電磁波ノイズ測定方法において、
前記電磁波ノイズを受信し、
前記アンテナで受信した所定周波数範囲の電磁波ノイズのピーク電界強度を測定し、
前記アンテナで受信した電磁波ノイズの特定周波数における準尖頭値を測定し、
前記特定周波数における前記ピーク電界強度と前記準尖頭値との差が所定値以上の場合に報知する
ことを特徴とする電磁波ノイズ測定方法。 - 電子機器から放射される電磁波ノイズの測定について制御するためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記電磁波ノイズを受信させるステップと、
前記アンテナで受信した所定周波数範囲の電磁波ノイズのピーク電界強度を測定させるステップと、
前記アンテナで受信した電磁波ノイズの特定周波数における準尖頭値を測定させるステップと、
前記特定周波数における前記ピーク電界強度と前記準尖頭値との差が所定値以上の場合に報知させるステップと、
を含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
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