JP2020050841A - バッテリー用クッション材 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオンバッテリー等のバッテリー内に配置されたセルの膨脹及び収縮に追従することができ、且つセルがバッテリーの筐体内で移動しないように固定することができるバッテリー用クッション材を提供する。【解決手段】ゴム系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる1種以上のエラストマー成分と、発泡剤とを含有する発泡性樹脂シートを発泡させてなる発泡体を少なくとも一部に有するバッテリー用クッション材であり、前記バッテリー用クッション材の一方の面と他方の面のそれぞれのピール密着力が1.0〜5.0N/25mmであることを特徴とするバッテリー用クッション材。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオンバッテリー等のバッテリー内部のセル固定用クッション材として使用されるバッテリー用クッション材に関する。
現在、土木、建築、電気、エレクトロニクス、及び車両等の各種分野において、各種構造物の間隙を埋め、部材の固定するための発泡体からなる固定部材が広く使用されている。このような固定部材は、圧縮された状態で被着部分に配置され、その圧縮状態から形状回復しようとする反発応力によって、被着部分の界面に隙間なく密着するように構成されている。したがって、固定部材の圧縮柔軟性が低いと、固定部材の反発応力が強くなり過ぎて被着部分が変形し、被着部分と固定部材との密着性が不十分になるという問題が生じる。
このような問題を解決する方法として、例えば、特許文献1及び2には、アクリロニトリル成分を特定量含有するアクリロニトリル−ブタジエンゴムを用い、独立気泡を有するゴム系樹脂独立気泡発泡体シートが提案されている。
特開2009−242615号公報 国際公開2011/039877号
ところで、近年、環境問題や石油の枯渇問題へ対応するため、電気自動車及びそれに用いるリチウムイオンバッテリー等のバッテリーの開発が盛んに行われている。電気自動車に用いるバッテリーは内部に複数のセルを有しており、充放電時に膨脹及び収縮を繰り返している。よって、複数のセルの間には、当該膨脹及び収縮に追従することができる柔軟なバッテリー用クッション材を配置することが望まれている。また、前記クッション材は、セル同士を適度な粘着力で固定する必要があるが、これらの要求を満たすクッション材は今のところ開発さていない。
本発明は、上記従来の課題を鑑みてなされたものであり、リチウムイオンバッテリー等のバッテリー内に配置されたセルの膨脹及び収縮に追従することができ、且つセルがバッテリーの筐体内で移動しないように固定することができるバッテリー用クッション材を提供する。
本発明は下記[1]〜[7]を要旨とする。
[1] ゴム系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる1種以上のエラストマー成分と、発泡剤とを含有する発泡性樹脂シートを発泡させてなる発泡体を少なくとも一部に有するバッテリー用クッション材であり、前記バッテリー用クッション材の一方の面と他方の面のそれぞれのピール密着力が1.0〜5.0N/25mmであることを特徴とするバッテリー用クッション材。
[2] 前記エラストマー成分がアクリロニトリル成分を33.5〜50質量%含有するアクリロニトリル−ブタジエンゴムである、[1]に記載のバッテリー用クッション材。
[3] 前記発泡体の50%圧縮応力が50〜600kPaである、[1]又は[2]に記載のバッテリー用クッション材。
[4] 前記発泡体の独立気泡率が70%以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載のバッテリー用クッション材。
[5] 前記発泡体の発泡倍率が5〜15倍である、[1]〜[4]のいずれかに記載のバッテリー用クッション材。
[6] 前記発泡体の見掛け密度が15〜500kg/mである、[1]〜[5]のいずれかに記載のバッテリー用クッション材。
[7] 前記発泡体の一方の面と他方の面のそれぞれに密着層を有し、前記密着層のピール密着力が1.0〜5.0N/25mmである、[1]〜[6]のいずれかに記載のバッテリー用クッション材。
本発明によれば、リチウムイオンバッテリー等のバッテリー内に配置されたセルの膨脹及び収縮に追従することができ、且つセルがバッテリーの筐体内で移動しないように固定することができるバッテリー用クッション材を提供することができる。
本発明のバッテリー用クッション材を示す模式的な断面図である。
[バッテリー用クッション材]
本発明のバッテリー用クッション材は、ゴム系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる1種以上のエラストマー成分と、発泡剤とを含有する発泡性樹脂シートを発泡させてなる発泡体を少なくとも一部に有し、バッテリー用クッション材の一方の面と他方の面のそれぞれのピール密着力が1.0〜5.0N/25mmである。
本発明においては、バッテリー用クッション材の一方の面と他方の面のそれぞれが前記ピール密着力を有するため、これをリチウムイオンバッテリー等のバッテリーのセルとセルとの間に配置した場合、バッテリー用クッション材とセルとを微粘着力により密着させることができ、セルを固定することが可能になる。また、本発明のバッテリー用クッション材は前記エラストマー成分を主成分とする発泡体を一部に有するものであるため柔軟性に優れており、バッテリーの充放電時にセルが膨脹及び収縮を繰り返しても追従することが可能になる。
本発明のバッテリー用クッション材の使用態様の一例について図1を用いて説明する。図1はラミネート型リチウムイオンバッテリー10を示す模式的な断面図である。ラミネート型リチウムイオンバッテリー10は、バッテリー用クッション材11A〜11Cと、セル12A及び12Bとが交互に積層された積層体と、これを挟むように積層された2枚の金属板13A及び13Bと、金属板13A及び13Bと筐体10Aとの間に配置された緩衝材14A及び14Bとで構成されている。
本発明のバッテリー用クッション材は、通常、筐体10A内においてセルと交互に積層されている。図1においては、バッテリー用クッション材11A〜11Cと、セル12A及び12Bとが交互に合計5層積層されているが、積層数は任意の数とすることができる。本発明のバッテリー用クッション材は発泡体を一部に有するものであって適度な柔軟性を有しているため、セルとセルとの間に隙間なく配置され、これにより、筐体内でセルが移動しにくくなっている。特に本発明のバッテリー用クッション材は、一方の面と他方の面、すなわち、両面のそれぞれが前記ピール密着力を有するため、その微粘着力によりバッテリー用クッション材とセルとが密着し、セルの移動を効果的に抑制している。更に、本発明のバッテリー用クッション材は適度な柔軟性を有しているため、バッテリーの充電時にセルが膨脹した場合であっても破損することなく、セルとセルとの間に存在することができる。一方、バッテリーの放電時にセルが収縮した場合であっても、バッテリー用クッション材がセル表面に追従するように密着して膨脹するため、セルの移動を抑制することができる。
なお、図1のラミネート型リチウムイオンバッテリー10は、筐体10Aと金属板13B及び13Bとの間に緩衝材14A及び14Bを有するものであるが、本発明のバッテリー用クッション材は、緩衝材14A及び14Bとして用いるもことが可能である。
<バッテリー用クッション材のピール密着力>
本発明のバッテリー用クッション材は、一方の面と他方の面のそれぞれのピール密着力が1.0〜5.0N/25mmである。本発明のバッテリー用クッション材は一方の面と他方の面のそれぞれのピール密着力が1.0〜5.0N/25mmであるので、リチウムイオンバッテリー等のバッテリー内のセルとセルとを、その微粘着力により固定することができる。また、ピール密着力が極端に強くないため、製造時等における再貼付(リワーク性)が容易である。これらの観点から、ピール密着力は、好ましくは1.3〜4.3N/25mm、より好ましくは1.8〜4.0N/25mmである。なお、ピール密着力は実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明においてはバッテリー用クッション材が、ゴム系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる1種以上のエラストマー成分と、発泡剤とを含有する発泡性樹脂シートを発泡させてなる発泡体の1層のみからなる場合は、前記発泡体の一方の面と他方の面のそれぞれが前記ピール密着力を備えればよい。一方、本発明のバッテリー用クッション材が前記発泡体と後述する密着層との積層体(密着層付き発泡体)である場合は、密着層が前記ピール密着力を有すればよい。
本発明のバッテリー用クッション材は、前記のとおりセルとセルとの間に配置されるため、バッテリー用クッション材の両面のピール密着力が前記範囲を満たすことが好ましいが、一方の面と他方の面とがピール密着力であっても、相違するピール密着力であってもよい。両面のピール密着力が前記範囲を満たすことにより、セルの移動をより効果的に抑制することができる。
以下、本発明に用いる各成分について詳細に説明する。
<エラストマー成分>
本発明に用いる発泡体を構成するエラストマー成分は、ゴム系樹脂、及びオレフィン系樹脂から選ばれる1種以上である。
〔ゴム系樹脂〕
ゴム系樹脂としては、室温でゴム弾性(rubber elasticity)を有しているもの、具体的には20℃及び1気圧(1.01×10−1MPa)下にて液状ではなく、ゴム弾性を有しているものを用いる。ゴム系樹脂は、発泡体の成形性及び圧縮柔軟性を向上させる観点から、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)が好ましい。アクリロニトリル−ブタジエンゴムを用いた場合、特に発泡体の微粘着性が向上し、発泡体とリチウムイオンバッテリー内のセルとの密着性が高まるため好ましい。
本発明においては、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとして、アクリロニトリル−ブタジエンゴム中におけるアクリロニトリル成分の含有量が、好ましくは33.5〜50質量%、より好ましくは35〜50質量%であるものを用いる。アクリロニトリル−ブタジエンゴム中におけるアクリロニトリル成分の含有量が33.5質量%以上であると、粘着力が向上し、発泡体とセルとを密着させるのに十分な粘着性を得ることができる。一方、アクリロニトリル成分の含有量が50質量%以下であると、発泡体の粘着力(ピール密着力)を適度な範囲にすることができ、また、発泡体の柔軟性も向上する。
発泡性樹脂シートは、アクリロニトリル−ブタジエンゴムの他に、常温にて液状のゴム系樹脂(以下、「液状ゴム系樹脂」という)を含んでいてもよい。液状ゴムは、常温、具体的には、20℃及び1気圧(1.01×10−1MPa)の条件下にて流動性を有するゴム系樹脂をいう。発泡性樹脂シート中に液状ゴム系樹脂を含有させることにより、後述する発泡性樹脂シートの混練負荷を低減させることができる。
液状ゴム系樹脂は、例えば、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状NBR)、液状の水素化されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状HNBR)、液状のカルボキシル化されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状XNBR)、液状アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレンゴム(液状NBIR)、液状アクリロニトリル−イソプレンゴム(液状NIR)、及び、アクリロニトリルとブタジエンと老化防止機能等を有する機能性モノマーとの液状三元共重合体等の液状アクリロニトリル系ゴム;液状イソプレンゴム(液状IR)等が挙げられ、密着性に優れる発泡体を得る観点から、液状アクリロニトリル系ゴムが好ましく、液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状NBR)がより好ましい。液状アクリロニトリル−ブタジエンゴム(液状NBR)中におけるアクリルニトリル成分の含有量は特に制限されない。なお、液状ゴム系樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状アクリロニトリル−ブタジエンゴムを含有する場合、その含有量は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部であり、より好ましくは1〜5質量部であり、特に好ましくは2〜4質量部である。液状アクリロニトリル−ブタジエンゴムの含有量が、上記範囲内であると、混練時の負荷が小さくなり、容易に混練することができる。
〔ポリオレフィン系樹脂〕
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらの中でも、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂から選ばれる1種以上が好ましい。
≪ポリエチレン樹脂≫
ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(0.93g/cm以下、LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(0.930g/cmより大きく0.942g/cm未満、MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(0.942g/cm以上、HDPE)が挙げられる。また、低密度ポリエチレン樹脂の好適な具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)が挙げられる。
これらの中では、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂がより好ましい。これらの樹脂を使用することで、発泡体の圧縮強度を低くしやすくなる。
なお、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の密度は、好ましくは0.90g/cm以上であり、より好ましくは0.91g/cm以上0.93g/cm以下である。また、高密度ポリエチレン樹脂の密度は、好ましくは0.98g/cm以下であり、より好ましくは0.95g/cm以上0.97g/cm以下である。高密度ポリエチレン樹脂や直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の密度をこれら範囲内とすることで、発泡体の柔軟性を損なうことなく、圧縮強度等を低くしやすくなる。
ポリエチレン樹脂は、エチレンのホモポリマーでもよいが、エチレンを主成分(全モノマーの好ましくは75質量%以上、より好ましくは90質量%以上)とした、エチレンと少量のα−オレフィンの共重合体等でもよい。α−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12、より好ましくは炭素数4〜10のものが挙げられ、具体的には、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。なお、共重合体において、これらのα−オレフィンは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ポリエチレン樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
≪ポリプロピレン樹脂≫
ポリプロピレン樹脂としては、プロピレンの単独重合体であるホモポリプロピレンでもよいし、プロピレンを主成分(全モノマーの好ましくは75質量%以上、より好ましくは90質量%以上)とした、プロピレンと少量のエチレン及びプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
プロピレンと、エチレン及びプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体等が挙げられるが、これらの中でも、ランダム共重合体(すなわち、ランダムポリプロピレン)が好ましい。
プロピレン以外のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等の炭素数4〜10程度のα−オレフィン等が挙げられるが、これらの中でも、成形性及び耐熱性の観点から、エチレンが好ましい。なお、共重合体において、これらのα−オレフィンは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ポリプロピレン樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
≪エチレン−酢酸ビニル共重合体≫
ポリオレフィン系樹脂として使用するエチレン−酢酸ビニル共重合体は、例えば、エチレン由来の構成単位を50質量%以上含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。エチレン−酢酸ビニル共重合体の密度は、好ましくは0.92g/cm以上、より好ましくは0.93g/cm以上、更に好ましくは0.94g/cm以上であり、そして、好ましくは0.97g/cm以下、より好ましくは0.96g/cm以下である。エチレン−酢酸ビニル共重合体の密度をこれら範囲内とすることで、発泡体の柔軟性を損なうことなく、圧縮強度等を低くしやすくなる。
本発明においては、チーグラー・ナッタ化合物、メタロセン化合物、酸化クロム化合物等の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はこれらの混合物のいずれを用いてもよい。メタロセン化合物の重合触媒により得られた、ポリエチレン樹脂、特に直鎖状低密度ポリエチレンを用いることにより、柔軟性が高く、高い衝撃吸収性を有する発泡体を得やすくなる。
本発明において発泡体中のエラストマー成分の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。エラストマー成分の含有量が、前記範囲内であると柔軟で機械強度に優れる発泡体を得ることができる。
更に、発泡性樹脂シートは添加剤が含有してもよい。このような添加剤としては、例えば、石油樹脂系粘着付与剤、難燃剤、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、防カビ剤、発泡助剤、難燃助剤等が挙げられる。
石油樹脂系粘着付与剤としては、後述する密着層に用いることができる石油樹脂系粘着付与剤を用いることができる。これを用いることにより、発泡体表面の微粘着性を調整することが可能になる。
発泡体が石油樹脂系粘着付与剤を含有する場合、その含有量は、エラストマー成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは1.5〜15質量部である。石油樹脂系粘着付与剤の含有量が、前記下限値以上であると、セルを固定するのに十分な密着性を得ることができ、前記上限値以下であると押出成形性が向上する。
難燃剤としては、特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物の他に、デカブロモジフェニルエーテル等の臭素系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム等のリン系難燃剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、難燃剤としては、例えば、アルベマール日本株式会社から商品名「SAYTEX8010」で市販されている臭素系難燃剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられ、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、酸化防止剤としては、例えば、BASFジャパン株式会社から商品名「IRGANOX 1010」で市販されているフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
充填剤としては、特に限定されず、例えば、タルク、炭酸カルシウム、ベントナイト、カーボンブラック、フュームドシリカ、アルミニウムシリケート、アセチレンブラック、アルミニウム粉等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<発泡体の製造方法>
次に、本発明に用いる発泡体の製造方法について説明する。発泡体の製造方法としては、例えば、ゴム系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる1種以上のエラストマー成分と発泡剤とを含有する発泡性樹脂シートに電離性放射線を照射して発泡性樹脂シートを架橋した後、架橋された発泡性樹脂シートを加熱して発泡剤を発泡させることにより製造する方法が挙げられる。
〔発泡性樹脂シートの製造方法〕
発泡性樹脂シートの製造方法としては、例えば、ゴム系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる1種以上のエラストマー成分、発泡剤、及び任意成分をバンバリーミキサーや加圧ニーダ等の混練り機を用いて混練した後、押出機、カレンダー、コンベアベルトキャスティング等により連続的に混練する方法が挙げられる。
〔発泡性樹脂シートの架橋方法〕
発泡性樹脂シートを架橋する方法としては、電離性放射線による架橋が好ましい。電離性放射線により架橋処理することにより均一に架橋された発泡性樹脂シートが得られ、この均一に架橋された発泡性樹脂シートを発泡させることにより径が小さく均一な気泡を有する発泡体を得ることができるからである。このような径が小さく均一な気泡を有する発泡体は、その表面が平滑であって、後述する密着層に対する接触面積が大きくなるため、密着層と発泡体の密着性が向上する。
電離性放射線の発泡性樹脂シートへの照射量は、ゴム系樹脂の特性によって適宜調整すればよいが、0.5〜10Mradが好ましく、0.7〜5.0Mradがより好ましい。
発泡性樹脂シートに配合する発泡剤としては、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられ、アゾジカルボンアミドが好ましい。発泡剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡剤の含有量は、エラストマー成分100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましく、3〜10質量部が更に好ましい。発泡剤の含有量が前記下限値以上であると十分に発泡した発泡体を得ることができ、所望形状の発泡体を得やすい。一方、発泡剤の含有量が前記上限値以下であると、異常発泡や破泡等の発生を抑制することができる。
〔発泡性樹脂シートの発泡方法〕
発泡性樹脂シートを発泡させる方法としては、オーブンのようなバッチ方式や、発泡性樹脂シートを長尺のシート状とし、連続的に加熱炉内を通す連続発泡方式を挙げることができる。
発泡性樹脂シートを発泡させる際の温度は、使用する発泡剤の種類にもよるが、好ましくは200〜300℃、より好ましくは220〜260℃である。
<発泡体の厚み>
発泡体の厚みは、好ましくは1.5〜10mm、より好ましくは1.8〜7mm、更に好ましくは2〜5mmである。厚みが前記範囲内であるとバッテリー内に配置されたセルの充放電時の膨脹及び収縮に追従しやすくなると共に、適度な機械強度を備える発泡体になる。
<発泡体の50%圧縮応力>
発泡体の50%圧縮応力は、好ましくは50〜600kPa、より好ましくは80〜500kPa、更に好ましくは100〜400kPaである。発泡体の50%圧縮応力が前記範囲内であると、バッテリー内に配置されたセルの充放電時の膨脹及び収縮に追従しやすくなり、発泡体とセルとの密着性も向上する。また、加工性が良好になり、組み付け性が向上する。なお、50%圧縮応力は実施例に記載の方法により測定することができる。
<発泡体の見掛け密度>
発泡体の見掛け密度は、発泡体の柔軟性を向上させ、セルの膨脹及び収縮に追従しやすくする観点から、15〜500kg/mが好ましく、より好ましくは20〜400kg/m、更に好ましくは80〜200kg/mである。見掛け密度が前記範囲内であると、反発力が高くなりすぎないため、施工性が良好になる。なお、見掛け密度は実施例に記載の方法で測定することができる。
<発泡倍率>
発泡体の発泡倍率は、5〜15倍が好ましく、6〜13倍がより好ましく、7〜12倍が更に好ましい。発泡倍率を前記下限値以上とすることにより柔軟性を向上させることができ、セルの膨脹及び収縮に追従しやすくなる。一方、発泡倍率を前記上限値以下とすることにより、柔軟性を維持しつつ、せん断強度が高い発泡体を得ることが可能になる。せん断強度が高いと、セル同士が互いに異なる水平方向に移動して発泡体にせん断力が加わった場合でも発泡体が破壊することなくセルを固定することが可能になる。なお、発泡倍率は実施例に記載の方法で測定することができる。
<発泡体の独立気泡率>
発泡体は、バッテリーを固定する必要があり、反発力が必要という観点から独立気泡であってもよく、その場合の独立気泡率は70%以上が好ましい。この観点から、好ましくは70〜100%、より好ましくは90〜100%、更に好ましくは85〜100%である。本発明に用いる発泡体は、その気泡が全て独立気泡である必要はなく、気泡の一部に連続気泡が含まれていてもよい。
本発明における独立気泡率は、下記の要領で測定されたものをいう。
まず、発泡体から一辺が5cmの平面正方形状で且つ一定厚みの試験片を切り出す。そして、試験片の厚みを測定して試験片の見掛け体積Vを算出すると共に、試験片の重量Wを測定する。
次に、気泡の占める体積Vを下記式に基づいて算出する。なお、試験片を構成している樹脂の密度はρg/cmとする。
気泡の占める体積V=V−W/ρ
続いて、試験片を23℃の蒸留水中に水面から100mmの深さに沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。その後、試験片を蒸留水中から取り出して、試験片の表面に付着した水分を除去して試験片の重量Wを測定し、下記式に基づいて連続気泡率F及び独立気泡率Fを算出する。
連続気泡率F(%)=(W−W)/V×100
独立気泡率F(%)=100−F
<密着層>
本発明のバッテリー用クッション材は、前記発泡体の1層のみからなってもよく、また、前記発泡体と密着層との積層体(密着層付き発泡体)であってもよい。以下、本発明に用いる密着層について説明する。
本発明のバッテリー用クッション材は、前記発泡体の一方の面及び他方の面の両面に密着層を有することが好ましい。密着層を有することによりバッテリー用クッション材の表面の密着力を調整しやすくなる。
密着層のピール密着力は1.0〜5.0N/25mmであることが好ましい。密着層のピール密着力を前記範囲とすることにより、リチウムイオンバッテリー等のバッテリー内に配置されたセルとバッテリー用クッション材との密着性が高まり、セルを固定しやすくなる。
なお、密着層のピール密着力の好適範囲は、前記バッテリー用クッション材のピール密着力の好適範囲と同じである。
本発明に用いる密着層は、ブチルゴム(a1)及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(a2)の合計含有量が80質量%以上であるゴム成分(A)及び石油樹脂系粘着付与剤(B)を含むものが好ましい。前記ゴム成分(A)及び石油樹脂系粘着付与剤(B)を併用することにより密着層のピール粘着力を前記範囲に調整しやすくなる。
〔ゴム成分(A)〕
ゴム成分(A)は、ブチルゴム(a1)及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(a2)の合計含有量が80質量%以上である。ブチルゴム(a1)及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(a2)の合計含有量が80質量%以上であると、密着層とセルとの密着性が向上し、密着層(バッテリー用クッション材)がセルの充放電時の膨脹及び収縮に追従しやすくなる。
ゴム成分(A)中に含まれるブチルゴム(a1)及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(a2)の合計含有量は、バッテリー用クッション材とセルとの密着性を向上させる観点から、80質量%以上であり、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
ゴム成分(A)は、前記ブチルゴム(a1)に対する前記エチレン−プロピレン−ジエンゴム(a2)の質量比[(a2)/(a1)]は0/100〜95/5が好ましい。質量比[(a2)/(a1)]が前記範囲内であると、バッテリー用クッション材とセルとの密着性が向上し、また密着層の成形性も向上する。この観点から、質量比[(a2)/(a1)]は、好ましくは1/99〜93/7、より好ましくは1/99〜90/10、更に好ましくは1/99〜85/15である。
(ブチルゴム(a1))
本発明に用いるブチルゴムとしては、ブチルゴム(IIR)の他に、ハロゲン化されたブチルゴムを用いることもできる。ハロゲン化されたブチルゴムとしては、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等が挙げられる。これらの中でも、密着層の密着性を向上させる観点、密着層の柔粘性を向上させる観点から、ブチルゴム(IIR)が好ましい。
ブチルゴムの125℃におけるムーニー粘度ML(1+8)は、好ましくは20〜60、より好ましくは25〜55、更に好ましくは25〜40である。ムーニー粘度が、前記範囲内であれば凝集力が向上するため成形体の強度が向上し、混練時の混練装置にかかる負荷を低くすることができるため成形性が向上する。
(エチレン−プロピレン−ジエンゴム(a2))
エチレン−プロピレン−ジエンゴムとしては、エチレンとプロピレンとの共重合体であるエチレンプロピレンゴムに、少量の第3成分を導入し、ポリマーに二重結合をもたせたものである。前記第3成分としては、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、及びジシクロペンタジエン等が挙げられる。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム(a2)中のジエン含有量は、押出混練時の発熱防止及び伸び率等の機械的特性の向上の観点から、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜12質量%、更に好ましくは3〜10質量%である。
エチレン−プロピレン−ジエンゴム(a2)の125℃におけるムーニー粘度ML(1+4)は、好ましくは15〜70、より好ましくは15〜60、更に好ましくは20〜50、より更に好ましくは24〜30である。エチレン−プロピレン−ジエンゴム(a2)の125℃におけるムーニー粘度が、前記下限値以上であると凝集力が高くなるため成形体の強度が向上し、前記上限値以下であると混練時に混練装置にかかる負荷が低くなるため成形性が向上する。
エチレン−プロピレン−ジエンゴムの市販品としては、EP21、EP22及びEP33(JSR株式会社製)、エスプレン567(住友化学株式会社製)、及びEPT3045(三井化学株式会社製)等が例示される。
ゴム成分(A)は、ブチルゴム(a1)及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(a2)以外のゴムを含有していてもよい。その他のゴムとしては、室温(25℃)でゴム弾性(rubber elasticity)を有するものであれば特に制限はなく、例えば、クロロプレンゴ
ム(CR)、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、及びシリコーンゴム等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<石油樹脂系粘着付与剤(B)>
本発明においては、バッテリー用クッション材とセルとの密着性を向上させることを目的として、密着層に石油樹脂系粘着付与剤(B)を用いることが好ましい。本発明において、石油樹脂系粘着付与剤(B)とは、石油ナフサ等の熱分解により得られる不飽和炭化水素を含む留分をカチオン重合した粘着付与剤をいう。
従来、ゴム成型体に対して粘着付与剤を配合することは行われていたが、通常使用される粘着付与剤では、リワーク性、及び被着面との密着性を高い水準に向上させることは困難であった。石油ナフサ等の熱分解により得られる不飽和炭化水素を含む留分をカチオン重合した粘着付与剤は、リワーク性が良好であり、被着面との密着力が高い密着層を得ることができる。
本発明において石油樹脂系粘着付与剤(B)を用いると、バッテリー用クッション材とセルとの密着性が向上する理由は明らかではないが、石油樹脂系粘着付与剤のゴム成分に対する分散性が良好であることに起因すると考えられる。
石油樹脂系粘着付与剤(B)としては、C5系石油樹脂粘着付与剤、C9系石油樹脂粘着付与剤、C5−C9共重合系石油樹脂粘着付与剤、クマロン樹脂粘着付与剤、クマロン−インデン系樹脂粘着付与剤、ピュアモノマー樹脂粘着付与剤、ジシクロペンダジエン系石油樹脂粘着付与剤、及びこれらの水素化物からなる粘着付与剤が挙げられる。
これらの中でも、バッテリー用クッション材とセルとの密着性を向上させる観点、及びゴム成分(A)との相溶性の観点から、C5系石油樹脂粘着付与剤、C9系石油樹脂粘着付与剤、C5−C9共重合系石油樹脂粘着付与剤が好ましく、C5系石油樹脂粘着付与剤がより好ましい。
ゴム成分(A)100質量部に対する石油樹脂系粘着付与剤(B)の含有量は、バッテリー用クッション材のセルとの密着性を向上させる観点から、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは1.5〜15質量部、更に好ましくは3〜12質量部である。ゴム成分(A)100質量部に対する石油樹脂系粘着付与剤(B)の含有量が、前記下限値以上であると、セルを固定するのに十分な密着性を得ることができ、前記上限値以下であると押出成形性が向上する。
<密着層に用いられる添加剤>
密着層は、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、難燃剤、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、防カビ剤、発泡助剤、滑剤、不活性化剤及び難燃助剤等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物の他に、デカブロモジフェニルエーテル等の臭素系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム等のリン系難燃剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
充填剤としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、ベントナイト、カーボンブラック、フュームドシリカ、アルミニウムシリケート、アセチレンブラック、アルミニウム粉等が挙げられる。これらの添加剤は、単独でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
密着層に添加剤を配合する場合、その配合量は、ゴム成分(A)100質量部に対して好ましくは0.5〜15質量部、より好ましくは1〜10質量部、更に好ましくは2〜8質量部である。ゴム成分(A)100質量部に対する添加剤の含有量が前記範囲内であると十分な密着性を維持しつつ各種添加剤の効果を得ることができる。
<密着層の厚み>
密着層の厚みは、好ましくは0.01〜2.0mm、より好ましくは0.03〜1.0mm、更に好ましくは0.05〜0.5mmである。厚みが前記範囲内であると十分な機械強度及び密着性を備えた密着層が得られる。
<密着層の製造方法>
密着層の製造方法に特に制限はないが、ゴム成分(A)、石油樹脂系粘着付与剤(B)、及び添加剤を押出機にて溶融混練した後、押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形、又は樹脂を溶液状に溶かした後に蒸発させ樹脂だけを抽出する溶液キャスト成形を行うことにより得ることができる。前記成形方法としては、生産性等の観点から、押出成形が好ましい。
<バッテリー用クッション材の製造方法>
本発明のバッテリー用クッション材が、ゴム系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる1種以上のエラストマー成分と、発泡剤とを含有する発泡性樹脂シートを発泡させてなる発泡体の1層のみからなる場合は、その製造方法は、前記発泡体の製造方法と同じである。
一方、本発明のバッテリー用クッション材が前記発泡体と後述する密着層との積層体(密着層付き発泡体)である場合は、例えば、前記方法により製造した発泡体と、前記方法により製造した密着層とを発泡体の両面にラミネートすることにより製造することができる。
具体的には、単軸又は二軸の押出機に対して、前述の密着層の各材料を連続的に供給し、混練部において樹脂の融点以上の温度で混練後、溶融樹脂の樹脂圧を80〜250kg/cm、ピンチ圧を0.1〜10.0kg/cm、ピンチロール温度を10〜50℃として押出成形しながら発泡体の両面に貼り合わせる方法により製造することができる。
<バッテリー用クッション材の厚み>
バッテリー用クッション材の厚みは、好ましくは1.3〜10.2mm、より好ましくは1.5〜7.2mm、更に好ましくは2〜5mmである。厚みが前記範囲内であるとバッテリー内に配置されたセルの充放電時の膨脹及び収縮に追従しやすくなると共に、適度な機械強度を備えるバッテリー用クッション材になる。
<バッテリー用クッション材の用途>
本発明のバッテリー用クッション材は、前記のとおり微粘着力を有しているため、バッテリー内に積層された複数のセル間に配置することによりセル同士を固定することができる。また、本発明のバッテリー用クッション材は適度な柔軟性を有しているため、バッテリー内のセルが充放電時に膨脹及び収縮した場合であっても、密着した状態で追従することができる。よって、本発明のバッテリー用クッション材は、このような構成を採用するラミネート型リチウムイオンバッテリーに特に好適に用いることができる。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で使用した材料は以下のとおりである。
<発泡体の材料>
・アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)
アクリロニトリル−ブタジエンゴム:日本ゼオン株式会社製「Nipol 1041」アクリロニトリル成分の含有量:40.5質量%
・ADCA(アゾジカルボンアミド)
大塚化学株式会社製「SO−L」
・フェノール系酸化防止剤(1)
BASFジャパン株式会社製「IRGANOX 1010」
<密着層の材料>
・ブチルゴム(IIR)
ブチルゴム:JSR株式会社製「BUTYL065」
ムーニー粘度ML(1+8)125℃=32
・エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)
エチレン−プロピレン−ジエンゴム:JSR株式会社製「EP21」
ムーニー粘度ML(1+4)125℃=26
・石油樹脂系粘着付与剤
石油樹脂系粘着付与剤:日本ゼオン株式会社製「QuintoneR-100」
・フェノール系酸化防止剤(2)
株式会社ADEKA製「アデカスタブAO−50」
・硫黄系酸化防止剤
大内新興化学工業株式会社製「ノクラック400S」
・カーボンブラック
旭カーボン株式会社製「#60」
実施例1
<発泡体のみからなる発泡体(バッテリー用クッション材)の製造>
アクリロニトリル−ブタジエンゴム100質量部、ADCA5質量部及び粉体状のフェノール系酸化防止剤(1)0.1質量部からなる発泡性樹脂組成物を加圧ニーダにより混練した。
次に、この発泡性樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練した後、押出機から溶融状態の発泡性樹脂組成物を押出速度50kg/時間にて押出すことにより発泡性樹脂シートを製造した。アクリロニトリル−ブタジエンゴムは、20℃及び1気圧(1.01×10−1MPa)下にて液状ではなくゴム弾性(rubber elasticity)を有していた。
続いて、発泡性樹脂シートの両面に加圧電圧500keVにて電離性放射線にて1.2Mrad照射することにより、発泡性樹脂シートを架橋した状態とした。
そして、架橋した状態の発泡性樹脂シートを発泡炉中に供給し240℃にて加熱することにより、発泡性樹脂シート中の発泡剤を発泡して、見掛け密度100kg/m、独立気泡率92%、厚み2.0mmの発泡体(バッテリー用クッション材)を得た。
実施例2
<密着層付き発泡体(バッテリー用クッション材)の製造>
ブチルゴムを30質量部、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを70部、フェノール系酸化防止剤(2)0.7質量部、硫黄系酸化防止剤0.3質量部、カーボンブラック3.0質量部、石油樹脂系粘着付与剤5.0質量部を配合した混合物を押出機に連続して投入して押出機にて溶融混練した。前記溶融樹脂の樹脂圧を250kg/cm、ピンチ圧を0.1kg/cm、ピンチロール温度を50℃として実施例1と同様に作製した発泡体の両面に貼り合わせする方法(押出成形)により密着層付き発泡体(バッテリー用クッション材)を得た。なお、密着層の厚みは0.15mmであった。
実施例3〜4及び比較例1〜3
表1に記載の配合としたこと以外は、実施例2と同様の方法により密着層付き発泡体(バッテリー用クッション材)を得た。
[測定方法]
本実施例における各物性の測定方法は、次の通りである。
<見掛け密度>
発泡体の見掛け密度は、JIS K7222:2005に準拠して測定した。
<発泡倍率>
発泡倍率は、発泡前の発泡性シートの密度を、発泡後の発泡体の密度(見掛け密度)で除することで算出した。
<独立気泡率>
明細書に記載の前記方法により測定した。
[評価]
前記実施例及び比較例で製造したバッテリー用クッション材について、ピール密着力、50%圧縮応力、及び密着層の押出成形性の評価を行った。結果を表1に示す。
<ピール密着力評価>
・評価方法
実施例及び比較例で得られたバッテリー用クッション材を幅25mm、長さ300mにカットして試験片を作製した。この試験片をアクリル板に貼り付けた後、10mmの厚みの塗装鋼板にて50%圧縮し、23℃にて1時間放置した。1時間後圧縮を開放し、試験片の掴みしろを持って180°折り返した。180°折り返した試験片の掴みしろを万能材料試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、テンシロン万能材料試験機、RTF−1310)で把持し、引張り速度5.0±0.2mm/秒で引張り試験機を動かして、測定を開始した。測定を開始後、最初の25%の長さの測定値を無視し、その後、アクリル板から引き剥がされた50%の長さの粘着力の測定値を平均し、180°方向のピール粘着力(ピール密着力(N/25mm))を測定した。
<50%圧縮応力評価>
・測定方法
実施例及び比較例で得られたバッテリー用クッション材を長さ30mm、幅30mmに切断して試験片を作製し、この試験片を厚み25mmの直方体にするために積層して試料を作製した。試料よりも大きな面積の板で試料を挟み、23℃の温度下で10mm/分の速度で試料を圧縮させ12.5mm(もとの厚みの50%分に圧縮)になったときの応力(歪み)を万能材料試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、テンシロン万能材料試験機、RTF−1310)にて測定した。
<粘着性評価>
・評価方法
A:ピール密着力(N/25mm)が1.0〜5.0の場合
B:ピール密着力(N/25mm)が0.1〜1.0未満及び5.0超〜9.9の場合
C:ピール密着力(N/25mm)がA、Bの範囲以外の場合
表1に示す結果から明らかなように、本発明によれば、適度な圧縮柔軟性及びリワーク性を維持しつつ、ピール密着力(N/25mm)が1.0〜5.0程度の適度な微粘着性を有するバッテリー用クッション材を得ることができた。密着層の成分を変更することにより、密着力を調整することができるが、これらの実施例も比較例と比べて、良好な密着力をえることができた。
10 ラミネート型リチウムイオンバッテリー
10A 筐体
11A,11B,11C バッテリー用クッション材
12A,12B セル
13A,13B 金属板
14A,14B 緩衝材

Claims (7)

  1. ゴム系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる1種以上のエラストマー成分と、発泡剤とを含有する発泡性樹脂シートを発泡させてなる発泡体を少なくとも一部に有するバッテリー用クッション材であり、前記バッテリー用クッション材の一方の面と他方の面のそれぞれのピール密着力が1.0〜5.0N/25mmであることを特徴とするバッテリー用クッション材。
  2. 前記エラストマー成分がアクリロニトリル成分を33.5〜50質量%含有するアクリロニトリル−ブタジエンゴムである、請求項1に記載のバッテリー用クッション材。
  3. 前記発泡体の50%圧縮応力が50〜600kPaである、請求項1又は2に記載のバッテリー用クッション材。
  4. 前記発泡体の独立気泡率が70%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバッテリー用クッション材。
  5. 前記発泡体の発泡倍率が5〜15倍である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバッテリー用クッション材。
  6. 前記発泡体の見掛け密度が15〜500kg/mである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバッテリー用クッション材。
  7. 前記発泡体の一方の面と他方の面のそれぞれに密着層を有し、前記密着層のピール密着力が1.0〜5.0N/25mmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のバッテリー用クッション材。
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