JP2020050708A - 共役ジエン系重合体組成物のベール及び共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法 - Google Patents

共役ジエン系重合体組成物のベール及び共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法 Download PDF

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大祐 早田
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Abstract

【課題】本発明は、ベール製品として安定した品質を担保しつつ、かつシリカを含むゴム組成物とした場合に、極度な早期加硫を抑制でき、共役ジエン系重合体の構造への依存が少なく、優れたシリカの分散性を発現することで、優れた省燃費性能を有するゴム組成物を得ることが可能な、共役ジエン系重合体組成物のベール、及び共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対し非イオン界面活性剤を0.1〜10質量部含み、前記共役ジエン系重合体が窒素原子を有し、その窒素原子の含有量が、前記共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上である、共役ジエン系重合体組成物のベール。【選択図】なし

Description

本発明は、共役ジエン系重合体組成物のベール及び共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法に関する。
近年、自動車に対する省燃費化要求が高まり、自動車用タイヤ、特に地面と接するタイヤトレッドの材料として、転がり抵抗が小さい材料の開発が求められている。
一方、安全性の観点からは、湿潤路面でのブレーキ性能(ウェットスキッド抵抗性)に優れ、かつ引張特性や耐摩耗性にも優れたゴム材料の開発が求められている。
補強性充填剤として、従来多く用いられてきたカーボンブラックに替えてシリカを用いた場合、転がり抵抗性とウェットスキッド抵抗性とのバランスに優れたゴム組成物が得られることが知られている。
しかしながら、シリカの表面は親水性を有するため、疎水性の高い共役ジエン系重合体と組み合わせて組成物とすると、当該組成物中では、シリカ粒子同士が凝集し、良好な分散性が得られないという問題を有している。そのため、共役ジエン系重合体とシリカ表面との親和性を高め、組成物中でのシリカの分散性を改良して、転がり抵抗性をより優れた組成物にする試みが行われている。
例えば、特許文献1には、ゴム溶液にシリカ等のフィラーと、カップリング剤等の表面改質剤とを加えて混合し、分散させた後、乾燥することにより、シリカが分散したゴムマスターバッチを製造する方法が開示されている。
特表2016−538394号公報
特許文献1に記載されている方法のように、シリカ等のフィラーと、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、促進剤等とをゴム溶液に加えて混合することにより、フィラーの分散性を向上させることができると考えられる。
しかしながら、本発明者らが検討したところ、特許文献1に記載されている方法のように、共役ジエン系重合体を含むゴム溶液にシランカップリング剤を添加し、溶液中で混合し、乾燥させた製品を用いて、シリカ等との組成物とした場合、その保管中にシランカップリング剤による共役ジエン系重合体の架橋反応が進行し、そのため、得られるベール製品としてのゴム組成物が貯蔵生産性に劣ったりするという問題を有している。
そこで本発明においては、上述した従来技術が有する問題点に鑑みて、ベール製品として安定した品質を担保しつつ、かつシリカを含むゴム組成物とした場合に、極度な早期加硫を抑制でき、優れたシリカの分散性を発現することで、優れた省燃費性能を有するゴム組成物を得ることが可能な、共役ジエン系重合体組成物のベール、及び共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、所定の要件を満たす共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対し、非イオン界面活性剤を0.1〜10質量部含む共役ジエン系重合体組成物のベールにより、上記従来技術の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]
共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対し非イオン界面活性剤を0.1〜10質量部含み、
前記共役ジエン系重合体が窒素原子を有し、その窒素原子の含有量が、前記共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上である、共役ジエン系重合体組成物のベール。
[2]
前記共役ジエン系重合体が、下記一般式(A)又は(B)で表される、[1]に記載の共役ジエン系重合体組成物のベール。
(式(A)中、R21〜R24は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R25及びR26は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R27は、水素原子、炭化水素で置換されたシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を示す。a及びcは、各々独立して、1又は2の整数を示し、b及びdは、各々独立して、0又は1の整数を示し、(a+b)及び(c+d)は、各々独立して、2以下の整数を示し、(Polym)は、共役ジエン化合物、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを重合又は共重合することで得られる共役ジエン系重合体を示し、少なくともその一つの末端が、下記一般式(4)〜(7)のいずれかで表される官能基を示す。複数存在する場合のR21、及びR23、並びに複数存在する(Polym)は、各々独立している。)
(式(B)中、R28〜R33は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R34〜R36は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を示す。a、c、及びeは、各々独立して、1又は2の整数を示し、b、d、及びfは、各々独立して、0又は1の整数を示し、(a+b)、(c+d)、及び(e+f)は、各々独立して、2以下の整数を示し、(Polym)は、共役ジエン化合物、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを重合又は共重合することで得られる共役ジエン系重合体を示し、少なくともその一つの末端が、下記一般式(4)〜(7)のいずれかで表される官能基を示す。複数存在する場合のR28、R30、及びR32、並びに複数存在する(Polym)は、各々独立している。)
(式(4)中、R10及びR11は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示し、R10及びR11は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR10及びR11は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。)
(式(5)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示し、R12及びR13は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR12及びR13は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体を示す。)
(式(6)中、R15及びR16は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示し、R15及びR16は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR15及びR16は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。)
(式(7)中、R17は、炭素数が2〜10の炭化水素基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R18は、炭素数1〜12のアルキル基を示し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。)
[3]
(I)共役ジエン系重合体を含むゴム成分の溶液に、非イオン界面活性剤を、前記ゴム成分100質量部に対し0.1〜10質量部添加する工程と、
(II)前記工程(I)で得られた溶液を脱溶剤する工程と、
(III)前記工程(II)で得られた前記ゴム成分と非イオン界面活性剤とを含む共役ジエン系重合体組成物をベール状に成形する工程と、
を有し、
上記共役ジエン系重合体が窒素原子を有し、その窒素原子の含有量が、前記共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上である、共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法。
[4]
前記脱溶剤する工程(II)において、前記工程(I)で得られた溶液を、水に接触させずに脱溶剤する、[3]に記載の共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法。
[5]
(i)共役ジエン系重合体を含むゴム成分に、非イオン界面活性剤を、前記ゴム成分100質量部に対し0.1〜10質量部添加する工程と、
(ii)前記工程(i)で得られた前記ゴム成分と非イオン界面活性剤とを含む共役ジエン系重合体組成物をベール状に成形する工程と、
を有し、
上記共役ジエン系重合体が窒素原子を有し、その窒素原子の含有量が、前記共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上である、共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法。
[6]
前記共役ジエン系重合体が、下記一般式(A)又は(B)で表される、[3]〜[5]のいずれかに記載の共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法。
(式(A)中、R21〜R24は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R25及びR26は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R27は、水素原子、炭化水素で置換されたシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を示す。a及びcは、各々独立して、1又は2の整数を示し、b及びdは、各々独立して、0又は1の整数を示し、(a+b)及び(c+d)は、各々独立して、2以下の整数を示し、(Polym)は、共役ジエン化合物、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを重合又は共重合することで得られる共役ジエン系重合体を示し、少なくともその一つの末端が、下記一般式(4)〜(7)のいずれかで表される官能基を示す。複数存在する場合のR21、及びR23、並びに複数存在する(Polym)は、各々独立している。)
(式(B)中、R28〜R33は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R34〜R36は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を示す。a、c、及びeは、各々独立して、1又は2の整数を示し、b、d、及びfは、各々独立して、0又は1の整数を示し、(a+b)、(c+d)、及び(e+f)は、各々独立して、2以下の整数を示し、(Polym)は、共役ジエン化合物、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを重合又は共重合することで得られる共役ジエン系重合体を示し、少なくともその一つの末端が、下記一般式(4)〜(7)のいずれかで表される官能基を示す。複数存在する場合のR28、R30、及びR32、並びに複数存在する(Polym)は、各々独立している。)
(式(4)中、R10及びR11は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示し、R10及びR11は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR10及びR11は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。)
(式(5)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示し、R12及びR13は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR12及びR13は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体を示す。)
(式(6)中、R15及びR16は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示し、R15及びR16は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR15及びR16は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。)
(式(7)中、R17は、炭素数が2〜10の炭化水素基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R18は、炭素数1〜12のアルキル基を示し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。)
本発明によれば、ベール製品として経時変化が小さく安定した品質を担保しつつ、かつシリカを含むゴム組成物とした場合に、共役ジエン系重合体の構造への依存が少なく、優れたシリカの分散性を発現することで、優れた省燃費性能を有するゴム組成物を得ることが可能な、共役ジエン系重合体組成物のベール、及び共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。
なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
〔共役ジエン系重合体組成物のベール〕
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールは、
共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部と、
非イオン界面活性剤を0.1〜10質量部と、
を、含有する。
(ゴム成分)
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールは、共役ジエン系重合体を含むゴム成分を含有する。
(共役ジエン系重合体)
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールに用いるゴム成分は、共役ジエン系重合体を含有する。
本実施形態に用いる「共役ジエン系重合体」は、繰り返し単位に共役ジエン由来の構造を少なくとも1種類有する高分子量体であり、その分子内に窒素原子を有し、その窒素原子の含有量が、共役ジエン系重合体の総量に対して25質量ppm以上である。
共役ジエン系重合体は、共役ジエン単量体を重合することによって得られる単独重合体であってもよく、共役ジエン単量体と他の単量体との共重合体であってもよい。
共役ジエン単量体としては、重合可能な単量体であれば特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、及び1,3−ヘキサジエンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、及びイソプレンが好ましい。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記共役ジエン系重合体は、上記の共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体であってもよい。
芳香族ビニル単量体としては、共役ジエン単量体と共重合可能な単量体であれば特に限定されず、例えば、スチレン、m又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、及びジビニルベンゼンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共役ジエン系重合体中に、芳香族ビニル単量体単位を含む場合、結合した芳香族ビニル単量体の量(以下、単に「結合芳香族ビニル量」ともいう。)は、共役ジエン系重合体の総量(100質量%)に対して、5.0質量%以上70質量%以下であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
結合芳香族ビニル量がこのような範囲であると、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールをタイヤに加工した場合に、タイヤの転がり抵抗性とウェットスキッド抵抗性とのバランスがより優れる傾向にあり、耐摩耗性及び破壊強度も満足する共役ジエン系重合体組成物の加硫物を得られる傾向にある。
結合芳香族ビニル量は、具体的には、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、ここから結合共役ジエン量も求めることができる。
共役ジエン系重合体における共役ジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−又は3,4−結合)は、10モル%以上75モル%以下であることが好ましく、13モル%以上65モル%以下であることがより好ましい。
共役ジエン系重合体のビニル結合量が前記範囲であると、タイヤに加工した場合に低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスがより優れ、耐摩耗性及び破壊強度も満足する共役ジエン系重合体組成物の加硫物を得ることができる傾向にある。
共役ジエン系重合体がブタジエンの単独重合体である場合は、そのブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)は赤外分光光度計を用いた測定結果を、モレロ法にてデータ処理することで算出することができる。
なお、共役ジエン系重合体が共重合体である場合は、その共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。ここで、共役ジエン系重合体がブタジエンとスチレンの共重合体である場合には、ハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949))により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)を求めることができる。
ランダム共重合体としては、以下に限定されないが、例えば、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、及びブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体が挙げられる。
共重合体鎖中の各単量体の組成分布は、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、及び組成分布に勾配があるテーパー(勾配)ランダム共重合体が挙げられる。共役ジエン系重合体の結合様式、すなわち1,4−結合、1,2−結合等の組成は、分子鎖によって均一であってもよいし、異なっていてもよい。
ブロック共重合体としては、以下に限定されないが、例えば、ブロックが2個からなる2型ブロック共重合体、3個からなる3型ブロック共重合体、及び4個からなる4型ブロック共重合体挙げられる。ここで、スチレン等の芳香族ビニル単量体からなるブロックをSで表し、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン単量体からなるブロック及び/又は芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体との共重合体からなるブロックをBで表すと、S−B2型ブロック共重合体、S−B−S3型ブロック共重合体、及びS−B−S−B4型ブロック共重合体等の式で表される。
前記式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。例えば、ブロックBが芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体との共重合体の場合、ブロックB中の芳香族ビニル単量体は均一に分布していても、又はテーパー状に分布していてもよい。また、ブロックBに、芳香族ビニル単量体が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。さらに、ブロックBに、芳香族ビニル単量体含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。共重合体中にブロックS、ブロックBがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量及び組成の構造は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
共役ジエン系重合体の分子量の大きさは、シリカ系無機充填剤の分散性には直接的な影響は少ないが、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールをタイヤに利用する場合、共役ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、加工性や物性の観点から10万以上200万以下であることが好ましい。また、15万以上であることがより好ましく、20万以上であることがさらに好ましく、25万以上であることがさらにより好ましい。また、共役ジエン系重合体の重量平均分子量は、180万以下であることがより好ましく、150万以下であることがさらに好ましく、130万以下であることがさらにより好ましい。
共役ジエン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)(Mn:数平均分子量、Mw:重量平均分子量)は、1.02以上5.0以下であることが好ましく、1.05以上4.0以下であることがより好ましく、1.07以上3.0以下であることがさらに好ましい。共役ジエン系重合体の分子量分布が5.0以下であることにより、低ヒステリシスロス性が良好となる傾向にある。また、分子量分布が1.02以上であることにより、シリカ系無機充填剤の混合性及び加工性が良好となる傾向にある。
また、重量平均分子量及び数平均分子量は、標準ポリスチレン試料を用いた検量式として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と表す。)から求められる。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベール及びその成形体の耐摩耗性や強度の観点から、共役ジエン系重合体は、当該共役ジエン系重合体の総量(100質量%)に対して、分子量100万以上の成分の含有量が1.0質量%以上99質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがさらに好ましい。共役ジエン系重合体中の分子量100万以上の成分は、上述のように標準ポリスチレン試料を用いた検量式として、GPCにより測定することができる。
本実施形態に用いる共役ジエン系重合体は、伸展油を加えた油展重合体とすることができる。本実施形態の共役ジエン系共重合体組成物のムーニー粘度は、非油展であっても、油展であっても、20以上120以下であることが好ましく、30以上110以下であることがより好ましく、40以上100以下であることがさらに好ましい。共役ジエン系重合体組成物のムーニー粘度が120以下であることで、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの加工性が良好となる傾向にある上、シリカ系無機充填剤の混合性が良好となる傾向にある。また、共役ジエン系重合体組成物のムーニー粘度が20以上であることで、加硫物性が良好となる傾向にある。ムーニー粘度は、JIS K6300−1:2001に準拠した方法により測定でき、具体的には後述する実施例に記載する方法により測定できる。
本実施形態に用いる共役ジエン系重合体は、変性共役ジエン系重合体であることが好ましい。
本実施形態の効果をより奏する観点から、変性率(特定官能基を有する重合体(例えば、重合開始末端に窒素原子を有する重合体及び/又は後述する式(1)又は(2)で表される変性剤により変性されている共役ジエン系重合体)の量)は、75質量%以上、好ましくは78質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上、よりさらに好ましくは88質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上である共役ジエン系重合体となるように、製造することが好ましい。変性率は、官能基含有の変性成分と非変性成分を分離できるクロマトグラフィーによって測定することができる。このクロマトグラフィーを用いた方法としては、特定官能基を吸着するシリカ等の極性物質を充填剤としたゲル浸透クロマトグラフィー用のカラムを使用し、非吸着成分の内部標準を比較に用いて定量する方法が挙げられる。より具体的には、変性率は、試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液を、ポリスチレン系ゲルカラムで測定したクロマトグラムとシリカ系カラムで測定したクロマトグラムとの差分から、シリカカラムへの吸着量を測定する。さらに具体的には、変性率は、後述の実施例に記載の方法により測定する。
変性率を75質量%以上とするためには、変性剤の添加量及び反応によって制御することができる傾向にあり、例えば、重合開始剤に後述する分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を用いておいて重合する。
本実施形態に用いる共役ジエン系重合体は、共役ジエン系重合体の総量に対して、窒素原子を25質量ppm以上含有する。
窒素原子の含有量(以下、「窒素含有量」ともいう。)は、共役ジエン系重合体の窒素含有官能基、例えば、開始末端、主鎖中、終末端における窒素含有官能基の窒素原子総量である。
共役ジエン系重合体の窒素含有量は、加工性、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス、耐摩耗性、及び破壊特性の観点から、当該変性共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上であるものとし、40質量ppm以上であることが好ましく、50質量ppm以上であることがより好ましく、60質量ppm以上であることがさらに好ましい。また、加工性の観点から、500質量ppm以下であることが好ましく、400質量ppm以下であることがより好ましく、300質量ppm以下であることがさらに好ましく、250質量ppm以下であることがさらにより好ましい。
窒素原子の含有量は、酸化燃焼−化学発光法(JIS−2609:原油及び原油製品−窒素分試験法)から測定することができる。ベール状の組成物の場合、クロマトグラフィーを用いて共役ジエン系重合体成分を単離した後に測定することで、窒素原子の含有量を測定することができる。窒素原子の含有量は、より具体的に、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
前記窒素含有量は、変性剤の添加量及び反応方法を調整することによって制御することができる傾向にあり、この方法により、25質量ppm以上とすることができる。例えば、重合開始剤に後述する分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を用いて重合する方法、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する単量体を共重合する方法により得られる、窒素原子を有する共役ジエン系重合体に、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する変性剤を反応させる方法が挙げられる。
本実施形態に用いる共役ジエン系重合体は、粘度検出器付きゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)−光散乱法測定により求められる収縮因子(g’)(以下、単に「収縮因子(g’)」又は「収縮因子」ともいう。)が、0.86以下であることが好ましい。
収縮因子(g’)は、該共役ジエン系共重合体の分岐構造の指標となる。共役ジエン系重合体の収縮因子(g’)は、0.86以下であることが好ましく、0.81以下であることがより好ましく、0.77以下であることがさらに好ましい。また、収縮因子(g’)の下限は特に限定されず、検出限界値以下であってもよいが、0.02以上であることが好ましい。収縮因子(g’)が0.81以下であることで、本実施形態の効果がより確実に発現される。
収縮因子(g’)が0.86以下である共役ジエン系重合体を得るためには、例えば、リビング活性末端との反応点を4つ以上有する変性剤を、重合開始剤の総モル数に対して、3分の1以下のモル数添加する方法、すなわち3分岐以上の共役ジエン系共重合体を得ることが挙げられる。
粘度検出器付きGPC−光散乱法測定(以下、単に「粘度検出器付きGPC−光散乱法測定」又は「3D−GPC測定」ともいう。)により測定される収縮因子(g’)は、その共役ジエン系重合体の分岐数の指標ともなる。例えば、上記収縮因子(g’)が減少するにつれて、共役ジエン系重合体の分岐数(例えば、星形高分子の分岐数(「星形高分子の腕数」ともいう。))が増加する傾向にある。絶対分子量が等しい共役ジエン系重合体を比較する場合には、共役ジエン系重合体の分岐が多いほど収縮因子(g’)が小さくなるため、この場合の収縮因子(g’)は、分岐度の指標として用いることができる。
収縮因子(g’)は、3D−GPC測定を用いて測定される。固有粘度と分子量との関係式([η]=KMα([η]:固有粘度、M:分子量)における定数(K、α)を、logK=−3.883、α=0.771として、分子量Mの範囲を1000〜20000000まで入力し、標準固有粘度[η]0と分子量Mとの関係を作成した。この標準固有粘度[η]0に対して、3D−GPC測定で得られたサンプルの各分子量Mでの固有粘度[η]を標準固有粘度[η]0に対する固有粘度[η]の関係として[η]/[η]0を各分子量Mで算出し、その平均値を収縮因子(g’)とした。より具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定する。
共役ジエン系重合体は、少なくとも1つの末端に窒素原子を有し、窒素含有アルコキシシラン置換基を中心とする星形高分子構造を有することが好ましい。少なくとも1つの末端に窒素原子を有するためには、例えば、後述する製造方法に記載する重合工程において、重合開始剤に窒素を含有するものを用いることにより、達成することができる傾向にある。また、その窒素含有アルコキシシランは、変性剤由来の構造であることが好ましい。本明細書でいう「星形高分子構造」とは、1つの分岐点から線状分子鎖(腕)が複数結合している構造である。また、ここでいう一つの分岐点は、少なくとも窒素原子を含む線状分子鎖と、アルコキシシラン基を含む線状分子鎖と、結合している。
本実施形態に用いる共役ジエン系重合体は、下記一般式(A)又は(B)で表される、共役ジエン系重合体であることが好ましい。
式(A)中、R21〜R24は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R25及びR26は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R27は、水素原子、炭化水素で置換されたシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を示す。a及びcは、各々独立して、1又は2の整数を示し、b及びdは、各々独立して、0又は1の整数を示し、(a+b)及び(c+d)は、各々独立して、2以下の整数を示し、(Polym)は、共役ジエン化合物、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを重合又は共重合することで得られる共役ジエン系重合体を示し、少なくともその一つの末端が、下記一般式(4)〜(7)のいずれかで表される官能基を示す。複数存在する場合のR21、及びR23、並びに複数存在する(Polym)は、各々独立している。共役ジエン系重合体が有し得る、上述した星形高分子構造としては、例えば、式(A)で表される共役ジエン系重合体において、R25と結合しているSi原子を分岐点として、その分岐点は、線状分子鎖(腕)である、R25、(OR213-a-b、R22 b、及び(Polym)aと結合している構造が挙げられる。
式(B)中、R28〜R33は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R34〜R36は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を示す。a、c、及びeは、各々独立して、1又は2の整数を示し、b、d、及びfは、各々独立して、0又は1の整数を示し、(a+b)、(c+d)、及び(e+f)は、各々独立して、2以下の整数を示し、(Polym)は、共役ジエン化合物、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを重合又は共重合することで得られる共役ジエン系重合体を示し、少なくともその一つの末端が、下記一般式(4)〜(7)のいずれかで表される官能基を示す。複数存在する場合のR28、R30、及びR32、並びに複数存在する(Polym)は、各々独立している。共役ジエン系重合体が有し得る、上述した星形高分子構造としては、例えば、式(B)で表される共役ジエン系重合体において、R34と結合しているSi原子を分岐点として、その分岐点は、線状分子鎖(腕)である、R34、(OR283-a-b、R29 b、及び(Polym)aと結合している構造が挙げられる。
式(4)中、R10及びR11は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示す。R10及びR11は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR10及びR11は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。
式(5)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示す。R12及びR13は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR12及びR13は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体を示す。
式(6)中、R15及びR16は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示す。R15及びR16は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR15及びR16は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。
式(7)中、R17は、窒素原子とともに環状構造を形成し、合計の炭素数が2〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R18は、炭素数1〜12のアルキル基を示し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。
式(A)において、R21〜R24は、各々独立して、炭素数1〜8のアルキル基を示すことが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を示すことがより好ましい。R25及びR26は、各々独立して、炭素数1〜8のアルキレン基を示すことが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基を示すことがより好ましい。R27は、水素原子、又は炭素数0〜6のアルキル基を示すことが好ましく、水素原子を示すことがより好ましい。また、R21〜R24が示すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びイソブチル基が挙げられ、好ましくはメチル基、及びエチル基である。また、R25及びR26が示すものとしては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、及びペンチレン基が挙げられ、好ましくはエチレン基、プロピレン基、及びブチレン基である。R27が示すものとしては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びイソブチル基が挙げられ、好ましくは水素原子、メチル基、及びエチル基である。
式(A)において、(Polym)の数平均分子量は、特に制限されないが、250000以上1500000以下であることが好ましく、350000以上900000以下であることがより好ましい。
式(B)において、R28〜R33は、各々独立して、炭素数1〜8のアルキル基を示すことが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基を示すことがより好ましい。R34〜R36は、各々独立して、炭素数1〜8のアルキレン基を示すことが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基を示すことがより好ましい。また、R28〜R33が示すものとては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びイソブチル基が挙げられ、好ましくはメチル基、及びエチル基である。また、R34〜R36が示すものとしては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、及びペンチレン基が挙げられ、好ましくはエチレン基、プロピレン基、及びブチレン基である。
式(B)において、(Polym)の数平均分子量は、特に制限されないが、250000以上1500000以下であることが好ましく、350000以上900000以下であることがより好ましい。
式(4)において、R10及びR11が示すものがアルキル基の場合には、R10及びR11は、炭素数1〜6のアルキル基を示すことが好ましい。R10及びR11が示すものがシクロアルキル基の場合には、R10及びR11は、炭素数5〜7のシクロアルキル基を示すことが好ましい。R10及びR11が示すものがアラルキル基の場合には、R10及びR11は、炭素数6〜8のアラルキル基を示すことが好ましい。R10及びR11が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合には、R10及びR11は、炭素数5〜7のアルキル基を示すことが好ましい。また、R10及びR11が示すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びイソブチル基が挙げられ、好ましくはブチル基、及びイソブチル基である。R10及びR11が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合には、R10及びR11が示すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、及びへキシレン基が挙げられ、好ましくは、ブチレン基、ペンチレン基、及びへキシレン基である。
式(5)において、R12及びR13が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合には、R12及びR13は、炭素数1〜8のアルキル基を示すことが好ましい。また、R12及びR13が示すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びイソブチル基が挙げられ、好ましくは、ブチル基、及びイソブチル基である。R12及びR13が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合には、R12及びR13が示すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、及びへキシレン基が挙げられ、好ましくは、ブチレン基、ペンチレン基、及びへキシレン基である。
式(5)において、R14は、炭素数1〜8のアルキレン基を示すことが好ましい。また、R14が示すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、及びへキシレン基が挙げられ、好ましくは、エチレン基、プロピレン基、及びブチレン基である。
式(6)において、R15及びR16が示すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びイソブチル基が挙げられ、好ましくは、メチル基、及びエチル基である。
式(7)において、R17は、合計の炭素数4〜6のアルキル基を示すことが好ましい。R18は、炭素数1〜4のアルキル基を示すことが好ましい。また、R17が示すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、ブチレン基、ペンチレン基、及びへキシレン基が挙げられ、好ましくは、ペンチレン基、及びへキシレン基である。R18が表すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びイソブチル基が挙げられ、好ましくは、メチル基、及びエチル基である
(共役ジエン系重合体の製造方法)
共役ジエン系重合体の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、乳化重合法や溶液重合法等が挙げられるが、運転制御や分子構造制御、分子修飾(変性)の容易さから溶液重合法が好ましい。
溶液重合法を用いた共役ジエン系重合体の製造方法は、公知の方法を適用することができる。一般的には炭化水素溶媒中にて、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を重合開始剤として用い、共役ジエン単量体、又は共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体とを、重合又は共重合することで、活性末端を有する共役ジエン系重合体を得る重合工程、必要に応じて変性剤と反応させる変性工程、さらに炭化水素溶媒を揮発させ固形分(共役ジエン系重合体)を単離する脱揮工程から成る製法にて製造することができる。
<重合反応用溶剤>
溶液重合法を用いた共役ジエン系重合体の、重合工程における重合反応は、溶剤(以下、「重合反応用溶剤」ともいう。)中で重合する溶液重合の反応が好ましい。
重合反応用溶剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。
具体的な重合反応用溶剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;これらの混合物からなる炭化水素等が挙げられる。
後述する本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法における工程(I)において、共役ジエン系重合体が溶解した溶液に、非イオン界面活性剤を溶解させて、共役ジエン系重合体と非イオン界面活性剤とを含む混合溶液を得る場合においては、共役ジエン系重合体と非イオン界面活性剤が共に溶解しやすい溶媒を使用することにより、均一溶液となり製造工程における取扱いが容易になるため好ましい。
<重合開始剤>
溶液重合法を用いた共役ジエン系重合体の、重合工程における重合開始剤として用いるアルカリ金属化合物は、特に限定されないが、有機リチウム化合物が好ましい。
有機リチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、低分子化合物、可溶化したオリゴマーの有機リチウム化合物、有機基とリチウムとの結合様式において炭素−リチウム結合を有する化合物、錫−リチウム結合、窒素−リチウム結合を有する化合物等が挙げられる。
有機リチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等が挙げられる。
上記のモノ有機リチウム化合物に加え、多官能有機リチウム化合物を併用して、重合を行うこともできる。
前記多官能有機リチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,4−ジリチオブタン、sec−ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンとの反応物、1,3,5−トリリチオベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエン及びジビニルベンゼンとの反応物、n−ブチルリチウムとポリアセチレン化合物との反応物等が挙げられる。さらに、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書等に開示されている公知の有機アルカリ金属化合物も使用することができる。
有機リチウム化合物としては、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが好ましい。
これらの有機リチウム化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に用いる有機リチウム化合物は、変性率向上と省燃費性能向上との観点から、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有し、アニオン重合の重合開始剤として用いることが可能なものであり、下記一般式(14)〜(17)のいずれかで表される有機リチウム化合物を含むことが好ましい。
式(14)中、R10及びR11は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示す。R10及びR11は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR10及びR11は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。
式(15)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示す。R12及びR13は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR12及びR13は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体を示す。
式(16)中、R15及びR16は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示す。R15及びR16は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR15及びR16は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。
式(17)中、R17は、窒素原子とともに環状構造を形成し、合計の炭素数が2〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R18は、炭素数1〜12のアルキル基を示し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。
式(14)において、R10及びR11が示すものとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ベンジル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、3−フェニル−1−プロピル基、イソブチル基、デシル基、ヘプチル基、及びフェニル基が挙げられる。R10及びR11は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。溶媒への可溶性、後述する変性共役ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、ブチル基、及びへキシル基が好ましく、より好ましくはブチル基である。
式(14)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、エチルプロピルアミノリチウム、エチルブチルアミノリチウム、エチルベンジルアミノリチウム、ジブチルアミノリチウム、及びジヘキシルアミノリチウムが挙げられ、これらの中では、ジブチルアミノリチウム及びジヘキシルアミノリチウムが好ましく、ジブチルアミノリチウムがより好ましい。
式(14)において、R10及びR11が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合に、式(14)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、ピペリジノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウム、リチウムアザシクロオクタン、リチウム−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジノリチウム、及び3,5−ジメチルピペリジノリチウムが挙げられる。有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。重合開始剤の溶媒への可溶性、後述する変性共役ジエン系重合体の不快臭の低減の観点、及び連鎖移動反応の抑制の観点から、ピペリジノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウム、リチウムアザシクロオクタン、及びリチウム−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタンが好ましく、より好ましくはピペリジノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウム、及び3,5−ジメチルピペリジノリチウムであり、さらに好ましくはピペリジノリチウムである。
式(15)において、R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体を示す。該共役ジエン系重合体は、下記式(18)〜(20)のいずれかで表される繰り返し単位を有する共役ジエン系重合体を表すことが好ましい。
式(15)において、R14が炭素数1〜20のアルキレン基を表す場合、カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、R14は、炭素数2〜16のアルキレン基を表すことが好ましく、より好ましくは炭素数3〜10のアルキレン基を表すことである。また、R14が炭素数1〜20のアルキレン基を表す場合、式(15)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、(3−(ジメチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジエチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジプロピルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジブチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジペンチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジヘキシルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジオクチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(エチルへキシルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジデシルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(エチルプロピルアミノ−プロピル)リチウム、(3−(エチルブチルアミノ−プロピル)リチウム、(3−(エチルベンジルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(メチルフェネチルアミノ)−プロピル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−ブチル)リチウム、(5−(ジブチルアミノ)−ペンチル)リチウム、(6−(ジブチルアミノ)−ヘキシル)リチウム、(10−(ジブチルアミノ)−デシル)リチウムが挙げられる。有機リチウム化合物、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、(3−(ジブチルアミノ)−プロピル)リチウムがより好ましい。
式(15)において、R14が式(18)〜(20)のいずれかで表される繰り返し単位を有する共役ジエン系重合体を示す場合、式(15)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、(4−(ジメチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジプロピルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへプチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへキシルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジオクチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジ−2−エチルへキシルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジデシルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(エチルプロピルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(エチルブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(エチルベンジルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(メチルフェネチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジメチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジプロピルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへプチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへキシルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジメチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジプロピルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへプチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、及び(4−(ジへキシルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウムが挙げられる。有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。開始剤としての反応性の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、4−(ジメチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、及び(4−(ジブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウムが好ましく、より好ましくは(4−(ジブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウムである。
式(15)において、R12及びR13が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合に、式(15)で表される有機リチウム化合物としては、(3−(ピペリジニル)プロピル)リチウム、(3−(ヘキサメチンレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(ヘプタメチレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(オクタメチレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル)プロピル)リチウム、(3−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル)プロピル)リチウム、(2−(ヘキサメチンレンイミニル)エチル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)ブチル)リチウム、(5−(ヘキサメチンレンイミニル)ペンチル)リチウム、(6−(ヘキサメチンレンイミニル)ヘキシル)リチウム、(10−(ヘキサメチンレンイミニル)デシル)リチウム、(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘプタメチレンイミニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(オクタメチレンイミニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、及び(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−3−メチル−2−ブテニル)リチウムが挙げられる。有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、(3−(ピペリジニル)プロピル)リチウム、(3−(ヘキサメチンレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル)プロピル)リチウム、(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−ブテニル)リチウムが好ましく、より好ましくは(3−(ヘキサメチンレンイミニル)プロピル)リチウム、(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム、及び(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−ブテニル)リチウムが好ましく、より好ましくは(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウムである。
式(16)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジメチル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジメチル−p−トルイジノリチウム、N,N−ジエチル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジエチル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジエチル−p−トルイジノリチウム、N,N−ジプロピル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジプロピル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジプロピル−p−トルイジノリチウム、N,N−ジブチル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジブチル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジブチル−p−トルイジノリチウム、o−ピペリジノトルエノリチウム、p−ピペリジノトルエノリチウム、o−ピロリジノトルエノリチウム、p−ピロリジノトルエン、N,N,N′,N′−テトラメチルトルイレンジアミノリチウム、N,N,N′,N′−テトラエチルトルイレンジアミノリチウム、N,N,N′,N′−テトラプロピルトルイレンジアミノリチウム、N,N−ジメチルキシリジノリチウム、N,N−ジエチルキシリジノリチウム、N,N−ジプロピルキシリジノリチウム、N,N−ジメチルメシジノリチウム、N,N−ジエチルメシジノリチウム、(N,N−ジメチルアミノ)トルイルフェニルメチルアミノリチウム、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルナフタレノリチウム、及び1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルアントラセノリチウムが挙げられる。有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。重合活性の観点から、N,N−ジメチル−o−トルイジノリチウムがより好ましい。
式(17)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、2−(2−メチルピペリジニル)−1−エチルリチウム(例えば、FMC社製の商品名「AI−250」)が挙げられる。有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
重合工程前に、予め分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を調製しておいてもよく、その方法は既知のあらゆる方法で調製される。
他の有機アルカリ金属化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、有機ナトリウム化合物、有機カリウム化合物、有機ルビジウム化合物、有機セシウム化合物等が挙げられる。具体的には、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。その他にも、リチウム、ナトリウム及びカリウム等のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート等が挙げられる。また、他の有機金属化合物と併用してもよい。
重合工程における重合開始剤として用いるアルカリ土類金属化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機ストロンチウム化合物等が挙げられる。また、アルカリ土類金属のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート等の化合物を用いてもよい。これらの有機アルカリ土類金属化合物は、アルカリ金属化合物や、その他有機金属化合物と併用してもよい。
重合工程においては、極性化合物を添加してもよい。芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる傾向にある。また、重合反応の促進等にも効果がある傾向にある。
極性化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−tert−アミラート、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等を用いることができる。これらの極性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができるが、重合開始剤1モルに対して、0.01モル以上100モル以下であることが好ましい。このような極性化合物(ビニル化剤)は重合体共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて、適量用いることができる。多くの極性化合物は、同時に共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として用いることができる傾向にある。共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、特に限定されないが、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているような、スチレンの全量と1,3−ブタジエンの一部とで共重合反応を開始させ、共重合反応の途中に残りの1,3−ブタジエンを断続的に添加する方法を用いてもよい。
重合工程において得られる、反応工程前の共役ジエン系重合体は、好ましくは110℃で測定されるムーニー粘度が10以上90以下であり、より好ましくは15以上85以下であり、よりさらに好ましくは20以上60以下である。この範囲であると、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールは加工性及び耐摩耗性に優れる傾向にある。
<重合形態>
溶液重合法を用いた共役ジエン系重合体の重合様式としては、特に限定されないが、回分式(「バッチ式」ともいう。)、連続式等の重合様式で行うことができる。連続式においては、1個又は2個以上の連結された反応器を用いることができる。反応器は、撹拌機付きの槽型、管型等のものが用いられる。一般的に、バッチ式では槽内の滞留時間分布が狭いため分子量分布の狭いポリマーが生成し、一方連続式では槽内の滞留時間分布が広いため分子量分布の広いポリマーが生成する傾向にある。
本実施形態に用いる重合工程は、バッチ式、連続式のどちらの重合方式で重合してもよいが、高変性率、高分子量、及び高分岐の共役ジエン系重合体を安定的に生産する観点から、連続式で重合することが好ましく、1個の反応器又は2個以上の連結された反応器での連続式で重合することがより好ましい。このとき、変性率を75質量%以上にするためには、重合温度を45℃以上80℃以下、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下にし、また分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物の濃度を、炭化水素溶媒の容積に対して、0.010mol/L以下にすることが好ましい。また、変性率を78質量%以上にするためには、重合温度を50℃以上80℃以下の範囲に制御し、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下にし、また分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物の濃度を、炭化水素溶媒の容積に対して、0.010mol/L以下にすることが好ましい。さらに、変性率を80質量%以上にするためには、重合温度を50℃以上80℃以下の範囲に制御し、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下にすることが好ましい。また、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物の濃度を、炭化水素溶媒の容積に対して、0.0010mol/L以下にすることも好ましい。またさらに、変性率を85質量%以上にするためには、重合温度を50℃以上78℃以下の範囲に制御し、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下、かつ、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物の濃度を炭化水素溶媒の容積に対して、0.0010mol/L以下にすることが好ましい。さらにまた、変性率を88質量%以上にするためには、重合温度を55℃以上76℃以下、かつ、ソリッドコンテントを15.0質量%以下、かつ、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物の濃度を炭化水素溶媒に対して0.0008mol/L以下にすることが好ましい。より好ましくは、後述する連鎖移動反応を適切に制御し、変性率を90質量%以上、すなわち高変性率、高分子量、及び高分岐を達成する観点から、連続式の重合であり、重合温度が60℃以上72℃以下であり、ソリッドコンテントが14.0質量%以下であり、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物が連続的に添加され、有機リチウム化合物の濃度を炭化水素溶媒に対して0.00070mol/L以下にすることである。
本実施形態において、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系を用いて、共役ジエン系重合体が共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体となる重合を行う場合には、Makromol.chem 186.1335−1350(1985)に記載されている様に、重合開始剤系の分子内に少なくとも1つ窒素原子の影響により、連鎖移動反応が促進されることから、リビング末端活性末端が失活する傾向にあり、変性率を高めるためには、特定の製造条件が必要となる傾向にある。上述したように、例えば、重合温度が高くなると、連鎖移動速度又は連鎖移動率が高くなり、得られる重合体の数平均分子量は減少し、分岐度は増加し、分子量分布は広くなり、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロック部分が低下又は無くなる傾向にある。しかし、リビング活性末端の失活が促進されると推察され、製造条件を制御しない場合には、変性率は低下してしまう傾向にある。なお、バッチ式と連続式とのそれぞれの重合法では、連続式の重合法がより連鎖移動反応を進行させる傾向にある。
重合温度は、アニオン重合が進行し、連鎖移動反応が制御され、芳香族ビニル化合物単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ない又は無い範囲であれば、特に限定されないが、生産性の観点から、45℃以上であることが好ましく、連鎖移動反応を制御し、重合終了後の活性末端に対する変性剤の反応量を充分に確保する観点から、80℃以下であることがより好ましく、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ないという観点から、50℃以上78℃以下がさらに好ましく、60℃以上75℃以下がよりさらに好ましい。
重合工程において、上述の連鎖移動反応制御の観点から、共役ジエン系化合物及び芳香族ビニル化合物、並びに溶剤の総質量に対して、共役ジエン系化合物及び芳香族ビニル化合物類等の含有量であるソリッドコンテント(「モノマー濃度」ともいう。)が、16質量%以下である方が好ましく、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは14%質量以下である。また、ソリッドコンテントの下限は特に制限されないが、5.0質量%以上であることが好ましい。
重合工程において、連鎖移動反応制御及び活性末端失活抑制の観点から、重合方式が連続式であり、重合温度が45℃以上80℃以下であり、かつ、ソリッドコンテントが16質量%以下であることが好ましい。
(変性共役ジエン系重合体)
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールに含有されている共役ジエン系重合体は、その製造工程において変性されたもの(官能基を導入したもの)であってもよい。
本実施形態に用いる共役ジエン系重合体と、後述する非イオン界面活性剤との組み合わせで、シリカ系無機充填剤の分散性を改善する場合、共役ジエン系重合体中の窒素原子の効果を十分に発揮させられる点でメリットがある。
共役ジエン系重合体中の窒素原子は、従来、シリカ系無機充填剤と溶融混練する工程で窒素原子を含む官能基がシリカ系無機充填剤に作用することが想定されている。これにより、シリカ系無機充填剤の凝集を防ぎ、また共役ジエン系重合体鎖末端の動きを抑制することで、省燃費性向上していると考えられる。ところが、共役ジエン系重合体中の窒素原子が25質量ppm以上となるよう含む場合、例えば分子鎖の両末端に窒素を含む官能基を有する構造が典型的であるが、シリカ系無機充填剤同士をつなぐ橋掛け構造をとることも可能であり、その場合はシリカ系無機充填剤の分散性をむしろ悪化させる。すなわち、共役ジエン系重合体の窒素原子の効果の効果は、シリカ系無機充填剤の分散性が担保された上で効果的に発揮される。本実施形態においては、非イオン界面活性剤がシリカ系無機充填剤の分散性を担保することで、共役ジエン系重合体中の窒素原子の効果を最大化できていると想定される。
この観点からも、ベールが非イオン界面活性剤を含有するのが有意義であると考えられる。共役ジエン系重合体、シリカ系無機充填剤、非イオン界面活性剤の三者を同時に混練する場合、シリカ系無機充填剤に作用及び/又は反応するのが、共役ジエン系重合体中の官能基と、非イオン界面活性剤との競争になるためである。具体的に説明すると、従来、ベール状の共役ジエン系重合体とシリカ系無機充填剤とを混練する際に、非イオン界面活性剤も添加するということが行われるが、この場合、非イオン界面活性剤自身も混練機内で分散が進むため、シリカ系無機充填剤の分散と、シリカ系無機充填剤表面への作用及び/又は反応との競争になる。低分子であり、かつ極性基を持つ非イオン界面活性剤は、そのシリカ系無機充填剤との作用及び/反応が早く、シリカ系無機充填剤の分散が完全に進む前にその表面に作用及び/又は反応するため、シリカ系無機充填剤の分散性が担保されない。一方、非イオン界面活性剤を予め、シリカ系無機充填剤に被覆させた状態で混和機内に投入し、混練する方法も考えられるが、シリカ系無機充填剤の表面官能基がすべて非イオン界面活性剤で被覆された状態にあるため、共役ジエン系重合体やシランカップリング剤と作用及び/又は反応する点が失われてしまい、補強性に劣り引張特性や耐摩耗性が低下してしまう傾向にある。これに対し、ベールが非イオン界面活性剤を含有する場合、非イオン界面活性剤と共役ジエン系重合体とが好ましくは溶液中で十分に混合された状態になっているために、これにシリカ系無機充填剤を混練すると、非イオン界面活性剤によるシリカ系無機充填剤の分散作用が適度に発揮され、その状態で、共役ジエン系重合体中の窒素原子がシリカ系無機充填剤に作用及び/又は反応することが可能になると想定される。
一方、窒素原子を含む極性化合物は加硫促進効果を有することが知られており、シリカ系無機充填剤を含む組成物を加硫する際にスコーチタイムを短くすることから、加工性悪化に繋がりうるが、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールにおいては、極性化合物を用いた場合、予めゴム中に極性化合物が分散していることから、シリカ系無機充填剤を含む組成物において、その極性基が効率良くシリカ系無機充填剤表面に吸着ないし反応し、その結果加硫促進効果が抑制され、スコーチが短くなりすぎず加工性に優れると考えられる。
後述する本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法においては、共役ジエン系重合体と非イオン界面活性剤とを均一溶液とすることによって(工程(I))、あるいは、共役ジエン系重合体と非イオン界面活性剤とを押出機等の中で混合することによって(工程(i))、変性共役ジエン系重合体と非イオン界面活性剤とが均一に混合されたベールを製造できるため、シリカ系無機充填剤を含む組成物とした場合に、共役ジエン系重合体の官能基と非イオン界面活性剤中の親水性基の双方がより効率よく、均一に高い吸着性又は反応性を発揮できると想定される。このため、得られるシリカ系無機充填剤の組成物の効果を最大化できる傾向にある。
本実施形態に用いる変性剤としては、例えば、変性率が75質量%以上である変性共役ジエン系重合体を得るために、重合開始剤由来の共役ジエン系重合体における活性末端と反応することで、3分岐以上の多分岐構造、及び該変性工程により珪素原子に結合したアルコキシ基、ハロゲン基、及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を、共役ジエン系重合体に導入できる変性剤が好ましい。重合開始剤由来の共役ジエン系重合体における活性末端と反応する、上記変性剤が有する官能基としては、特に限定されないが、例えば、アルコキシシリル基、シラザン基、及びハロシリル基が挙げられる。上記多分岐構造の分岐数は、変性剤が有する上記官能基の数と変性剤の添加率とで調整することができ、3分岐以上の分岐数が好ましく、4分岐以上の分岐数がより好ましい。変性工程により、共役ジエン系重合体に導入できる官能基としては、珪素原子に結合したアルコキシ基、及びアミノ基がより好ましい。
変性剤の具体例としては、以下のものに限定されないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−トリメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタントリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、及びトリス(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミンが挙げられる。
省燃費性能の観点から、変性剤は、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される変性剤を含むことが好ましい。
式(1)中、R1〜R4は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R5は、炭素数1〜10のアルキレン基を示し、R6は、炭素数1〜20のアルキレン基を示す。mは、1又は2の整数を示し、nは、2又は3の整数を示し、(m+n)は、4以上の整数を示す。複数存在する場合のR1〜R4は、各々独立している。
式(2)中、R1〜R6は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R7〜R9は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を示す。m、n、及びlは、各々独立して、1〜3の整数を示し、(m+n+l)は、4以上の整数を示す。複数存在する場合のR1〜R6は、各々独立している。
式(3)中、R1〜R4は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R5及びR6は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を示し、m、及びnは、各々独立して、1〜3の整数を示し、(m+n)は、4以上の整数を示し、R7は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭化水素基で置換されたシリル基を示す。複数存在する場合のR1〜R4は、各々独立している。
式(1)で表される変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−トリメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、及び2−エトキシ,2−エチル−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが挙げられる。これらの中でも、変性剤の官能基とシリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点、並びに加工性の観点から、mが2、nが3を示すものが好ましい。具体的には、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、及び2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが好ましい。
式(1)で表される変性剤を、重合活性末端に反応させる際の、反応温度、反応時間等については、特に限定されないが、0℃以上120℃以下で、30秒以上反応させることが好ましい。式(1)で表される変性剤の化合物中のシリル基に結合したアルコキシ基の合計モル数が、重合開始剤のアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加モル数の0.6倍以上3.0倍以下となる範囲であることが好ましく、0.8倍以上2.5倍以下となる範囲であることがより好ましく、0.8以上2.0倍以下となる範囲であることがさらに好ましい。得られる変性共役ジエン系重合体が十分な変性率及び分子量と分岐構造を得る観点から、0.6倍以上とすることが好ましく、加工性改良のために重合体末端同士をカップリングさせ分岐状重合体成分を得ることが好ましいことに加え、変性剤コストの観点から、3.0倍以下とすることが好ましい。
式(2)で表される変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(トリメトキシシリルメチル)アミン、トリス(2−トリメトキシシリルエチル)アミン、及びトリス(4−トリメトキシシリルブチル)アミンが挙げられる。これらの中でも、変性剤の官能基とシリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点、並びに加工性の観点から、n、m、及びlが全て3を示すものであることが好ましい。好ましい具体例としては、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、及びトリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミンが挙げられる。
式(2)で表される変性剤を、重合活性末端に反応させる際の、反応温度、反応時間等については、特に限定されないが、0℃以上120℃以下で、30秒以上反応させることが好ましい。式(2)で表される変性剤の化合物中のシリル基に結合したアルコキシ基の合計モル数が、上述した重合開始剤系を構成するリチウムのモル数の0.6倍以上3.0倍以下となる範囲であることが好ましく、0.8倍以上2.5倍以下となる範囲であることがより好ましく、0.8倍以上2.0倍以下となる範囲であることがさらに好ましい。変性共役ジエン系重合体において十分な変性率及び分子量と分岐構造とを得る観点から、0.6倍以上とすることが好ましく、加工性改良のために重合体末端同士をカップリングさせ分岐状重合体成分を得ることが好ましいことに加え、変性剤コストの観点から、3.0倍以下とすることが好ましい。
式(3)で表される変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、ビス(3−(メチルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン、ビス(3−(エチルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン、ビス(3−(プロピルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン、及びビス(3−(ブチルアミノ)プロピル)トリメトキシシランが挙げられる。これらの中でも、変性剤の官能基とシリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点、並びに加工性の観点から、n、m、及びlが全て3で示すものであることが好ましい。好ましい具体例としては、ビス(3−(メチルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン、及びビス(3−(エチルアミノ)プロピル)トリメトキシシランが挙げられる。
式(3)で表される変性剤を、重合活性末端に反応させる際の、反応温度、反応時間等については、特に限定されないが、0℃以上120℃以下で、30秒以上反応させることが好ましい。
変性剤は、高変性率、高分子量、及び高分岐と、加硫物としたときの省燃費性能、加工性、及び耐摩耗性との優れたバランスを有する変性共役ジエン系重合体を得る観点から、式(1)で表される変性剤を含み、かつ式(1)におけるmは2を示しかつnは3を示し、又は、式(2)で表される変性剤を含み、かつ式(2)におけるm、n、及びlは全て3を示す、変性剤であることが好ましい。
式(3)で表される変性剤の化合物中のシリル基に結合したアルコキシ基の合計モル数が、重合開始剤のアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物の添加モル数の0.6倍以上3.0倍以下となる範囲であることが好ましく、0.8倍以上2.5倍以下となる範囲であることがより好ましく、0.8倍以上2.0倍以下となる範囲であることがさらに好ましい。得られる変性共役ジエン系重合体が十分な変性率及び分子量と分岐構造を得る観点から、0.6倍以上とすることが好ましく、加工性改良のために重合体末端同士をカップリングさせ分岐状重合体成分を得ることが好ましいことに加え、変性剤コストの観点から、3.0倍以下とすることが好ましい。
式(1)〜(3)で表される変性剤を、重合活性末端に反応させる際における混合は、機械的な攪拌、スタティックミキサーによる攪拌等のいずれでもよい。重合工程が連続式である場合は、上記工程も連続式であることが好ましい。反応工程における反応器は、特に限定されないが、例えば、撹拌機付きの槽型、管型の反応器が用いられる。変性剤は、不活性溶媒により希釈して反応器に連続的に供給してもよい。重合工程が回分式の場合は、重合反応器に変性剤を投入する方法でも、別の反応器に移送して反応工程を行ってもよい。
(共役ジエン系重合体以外のゴム成分)
上述した共役ジエン系重合体以外のゴム成分としては、特に限定されず、例えば、共役ジエン系重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合体又はその水素添加物、その他の共役ジエン系共重合体又はその水素添加物、非ジエン系重合体、天然ゴム等が挙げられる。
共役ジエン系重合体又はその水素添加物の具体例としては、特に限定されず、例えば、ブタジエンゴム又はその水素添加物、イソプレンゴム又はその水素添加物等が挙げられる。
共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体又はその水素添加物の具体例としては、特に限定されず、例えば、スチレン−ブタジエンゴム又はその水素添加物が挙げられる。
共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合体又はその水素添加物の具体例としては、特に限定されず、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体又はその水素添加物等のスチレン系エラストマーが挙げられる。
その他の共役ジエン系共重合体又はその水素添加物の具体例としては、特に限定されず、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はその水素添加物等が挙げられる。
また、非ジエン系重合体としては、特に限定されず、例えば、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−ヘキセンゴム、エチレン−オクテンゴム等のオレフィン系エラストマー、ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、α、β−不飽和ニトリル−アクリル酸エステル−共役ジエン共重合ゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等が挙げられる。
(非イオン界面活性剤)
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールは、共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対し、非イオン界面活性剤を0.1〜10質量部、含有しており、0.2〜9質量部含有することがより好ましく、0.3〜8質量部含有することがさらに好ましい。
非イオン界面活性剤とは、水に溶けた時、イオンに乖離しない親水基を持つ界面活性剤をいう。
非イオン界面活性剤の添加効果を十分に発現する観点から非イオン界面活性剤の含有量をゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上とすることが好ましく、一方で添加量が多すぎるとベール中でのブリードが生じてしまうため、10質量部以下とすることが好ましい。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールをシリカ系無機充填剤と配合した際に、非イオン界面活性剤はシリカ系無機充填剤表面を改質し、配合物中での再凝集を抑制することができるため、シリカ系無機充填剤の分散性が向上する。
非イオン界面活性剤としては、その分子内にシリカ系無機充填剤表面に吸着ないし反応する官能基(親水性基)と、シリカ系無機充填剤表面まわりに立体障害層を形成し、シリカ系無機充填剤同士の再凝集を防ぐ疎水性基とを有する化合物を使用することができる。
非イオン界面活性剤は、その構造にもよるが、一般的に溶媒への溶解がしやすく、後述する本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法において取扱いが容易である上、シリカ系無機充填剤を含む組成物とした場合、効果的にシリカ系無機充填剤表面に吸着し、シリカ系無機充填剤の凝集抑制効果を発現しやすい傾向にあるため好ましい。
本実施形態に適した非イオン界面活性剤を選択するために、共役ジエン系重合体との疎水性/親水性バランス近さの観点を利用するのが好ましい。例えば、疎水性の高い共役ジエン系重合体に対し、HLB値の小さい、すなわち疎水性の高い界面活性剤を適用すると、相溶性が上がる一方で、界面活性剤と共役ジエン系重合体の相溶性が高すぎると、シリカ系無機充填剤と配合物中において、界面活性剤が充填剤表面から剥がれてしまい、効果的に再凝集抑制効果を発揮しにくくなる傾向にある。他方、疎水性の高い共役ジエン系重合体に対し、HLB値の大きい、すなわち親水性の高い界面活性剤を適用すると、シリカ系無機充填剤と配合物中において、界面活性剤が効果的に充填剤表面に吸着ないし反応しやすくなるものの、共役ジエンとの相溶性が下がり、ベール表面に界面活性剤がブリードしてしまう、あるいはシリカ系無機充填剤との配合物中において立体障害層形成が効果的になされず、再凝集抑制効果を発揮しにくくなる傾向にある。
さらには、後述する本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法における工程(I)において、共役ジエン系重合体を含むゴム成分が溶解した溶液に、非イオン界面活性剤を添加して溶液を得る場合においては、非イオン界面活性剤そのものが、本実施形態で使用する溶媒に可溶であることが好ましい。
非イオン界面活性剤は、以上の観点から選定することができる。
共役ジエン系重合体の疎水性/親水性バランスの指標としては、例えば公知のHansenの溶解性パラメーターの計算方法を使用できる。
非イオン界面活性剤の疎水性/親水性バランスの指標としては、例えばGriffinらによって提唱されたHLB値(W,C.Griffin,J. Soc. Cosmet. Chem., 1, 311(1949))を使用でき、その値は実験的に決定されるほか、その構造の分析値から決定することができ、例えば多価アルコール脂肪酸エステルのHLB値は下記式(8)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル誘導体のHLB値は下記式(9)、界面活性剤を2種類組み合わせる場合の混合HLB値(HLBA,B)は下記式(10)でそれぞれ表される。
HLB = 20(1−SA) ・・・(8)
前記式(8)中、Sはエステルのケン化価、Aは脂肪酸の酸価を表す。
HLB = E/5 ・・・(9)
前記式(9)中、Eはオキシエチレン基の重量分率を表す。
HLBA,B = (HA・X+HB・Y)/(X+Y)・・・(10)
前記式(10)中、HA、HBはそれぞれ非イオン界面活性剤A及びBのHLB値を、X、Yは非イオン界面活性剤A及びBの混合量(g)を表す。
共役ジエン系重合体として、SBRやBR、天然ゴムを使用した場合、溶解度パラメーター(SP値[(cal/cm31/2])は、計算方法や測定方法にもよるが、SBRだと8.1から9.4、BRだと8.1から8.6、天然ゴムだと7.9から8.4程度である。これに対し、非イオン界面活性剤の溶解度パラメーターは、上述した観点から好ましくは0.1〜30、より好ましくは0.2〜25、さらに好ましくは0.3〜20のものを選択する。
非イオン界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、カルボン酸、カルボン酸エステル、ケトン、アルコール、アルデヒド、アミン、アミド、アミノアルコール、下記式(11)の化合物、下記式(12)の化合物、下記式(13)の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。
前記式(11)中、R1は、炭素数6〜26の不飽和結合を有する炭化水素基を表す。rは整数を表す。
前記式(12)中、R1及びR2は、同一もしくは異なっていてもよく、炭素数6〜26の不飽和結合を有する炭化水素基を表す。sは整数を表す。
前記式(13)中、t、u、vは整数を表す。
上記非イオン界面活性剤であるカルボン酸としては、飽和又は不飽和の脂肪酸(1価の鎖状カルボン酸)が好ましく、このような脂肪酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等のいわゆる高級脂肪酸が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤であるカルボン酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、上述した飽和又は不飽和の脂肪酸と多価アルコールとのエステルが挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、プロピレングリコール、ショ糖等が挙げられる。このようなカルボン酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、カルボン酸グリセリンエステル(モノグリセリド)が挙げられ、その具体例としては、以下に限定されるものではないが、ラウリン酸グリセリン、ステアリン酸グリセリン、リノレン酸グリセリン等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤であるケトンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、いわゆる高級ケトンが挙げられ、その具体例としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、2−ヘプタデカノン、2−オクタデカノン、2−ノナデカノン等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤であるアルコールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、いわゆる高級アルコールが挙げられ、その具体例としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤であるアルデヒドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラウリルアルデヒド、ミリスチルアルデヒド、セチルアルデヒド、ステアリルアルデヒド、パルミチルアルデヒド、オレイルアルデヒド等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤であるアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミンジ−2−エチルヘキシルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、シクロヘキシル−2−エチルヘキシルアミン、ベンジルシクロヘキシルアミン、ベンジル−2−エチルヘキシルアミン、ドデカメチレンイミン、テトラデカメチレンイミン、ヘキサデカメチレンイミン、ラウリルアミン、ジラウリルアミン、ラウリルメチルアミン、ジラウリルメチルアミン、ラウリルジメチルアミン、トリラウリルアミン、ミリスチルアミン、ジミリスチルアミン、ミリスチルメチルアミン、ジミリスチルメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、トリミリスチルアミン、パルミチルアミン、ジパルミチルアミン、パルミチルメチルアミン、ジパルミチルメチルアミン、パルミチルジメチルアミン、トリパルミチルアミン、ステアリルアミン、ジステアリルアミン、ステアリルメチルアミン、ジステアリルメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、トリステアリルアミン、オレイルアミン、ジオレイルアミン、オレイルメチルアミン、ジオレイルメチルアミン、オレイルジメチルアミン、トリオレイルアミン、ラウリルジエチルアミン、ミリスチルジエチルアミン、パルミチルジエチルアミン、ステアリルジエチルアミン、オレイルジエチルアミン、ラウリルジプロピルアミン、ミリスチルジプロピルアミン、パルミチルジプロピルアミン、ステアリルジプロピルアミン、オレイルジプロピルアミン、N−エチル−N−メチルステアリルアミン、N−エチル−N−プロピルステアリルアミン、N−メチル−N−プロピルステアリルアミン、N−ラウリルピロリジン、N−ミリスチルピロリジン、N−パルミチルピロリジン、N−ステアリルピロリジン、N−オレイルピロリジン、N−ラウリルピペリジン、N−ミリスチルピペリジン、N−パルミチルピペリジン、N−ステアリルピペリジン、N−オレイルピペリジン、ポリオキシエチレンオクチルアミン、ポリオキシエチレンデシルアミン、ポリオキシエチレンドデシルアミン(ポリオキシエチレンラウリルアミン)、ポリオキシエチレンテトラデシルアミン(ポリオキシエチレンミリスチルアミン)、ポリオキシエチレンヘキサデシルアミン(ポリオキシエチレンパルミチルアミン)、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン(ポリオキシエチレンステアリルアミン)、ポリオキシエチレンオクタデセニルアミン(ポリオキシエチレンオレイルアミン)、ジ(ポリオキシエチレン)オクチルアミン、ジ(ポリオキシエチレン)デシルアミン、ジ(ポリオキシエチレン)ドデシルアミン、ジ(ポリオキシエチレン)テトラデシルアミン、ジ(ポリオキシエチレン)ヘキサデシルアミン、ジ(ポリオキシエチレン)オクタデシルアミン(ジ(ポリオキシエチレン)ステアリルアミン)、ジ(ポリオキシエチレン)オクタデセニルアミン(ジ(ポリオキシエチレン)オレイルアミン)等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤であるアミンにおいて、ポリオキシエチレンを構造中に有する場合のポリオキシエチレンの平均付加モル数は、上述した疎水性/親水性のバランスの観点から適宜選択できるが、例えば、1以上であり、例えば、40以下、好ましくは、30以下である。
上記非イオン界面活性剤であるアミノアルコールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、エタノールアミン(モノエタノールアミン、2−アミノエタノール)、プロパノールアミン(モノプロパノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール)、1−アミノ−2−プロパノール、ブタノールアミン(モノブタノールアミン、4−アミノ−1−ブタノール)、2−アミノ−1−ブタノール、ペンタノールアミン(モノペンタノールアミン、5−アミノ−1−ペンタノール)、ヘキサノールアミン(モノヘキサノールアミン、6−アミノ−1−ヘキサノール)、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n−プロピルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−ペンチルエタノールアミン、N−ヘキシルエタノールアミン、N−ヘプチルエタノールアミン、N−オクチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−(β−アミノエチル)プロパノールアミン、ジエタノールアミン、2−(イソプロピルアミノ)エタノール、2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−エタノール、2−(t−ブチルアミノ)エタノール、N−(β−アミノエチル)イソプロパノールアミン、N−(3−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン、N−n−ブチル−N,N−ジエタノールアミン、N−t−ブチル−N,N−ジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N、N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N、N−ジエチルプロパノールアミン、N、N−ジエチルイソプロパノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン(2−(ジブチルアミノ)エタノール)、2−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]エタノール、N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)ニトロソアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ビス(2−アミノエチル)エーテル、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、2−(ジイソプロピルアミノ)エタノール、トリエタノールアミン等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤であるアミドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、オクタン酸モノエタノールアミド、オクタン酸モノイソプロパンプロパノールアミド、ポリオキシエチレンオクタン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミドなどのモノアルカノールアミド、例えば、オクタン酸ジエタノールアミド、オクタン酸ジイソプロパノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンオレイン酸ジエタノールアミド等のジアルカノールアミド等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤であるアミドにおいて、ポリオキシエチレンを構造中に有する場合のポリオキシエチレンの平均付加モル数は、上述した疎水性/親水性のバランスの観点から適宜選択できるが、1以上が好ましく、例えば、40以下、好ましくは30以下である。
上記式(11)で表される非イオン界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコールモノオレエート、エチレングリコールモノパルミエート、エチレングリコールモノバクセネート、エチレングリコールモノリノレート、エチレングリコールモノリノレネート、エチレングリコールモノアラキドネート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノセチルエート、エチレングリコールモノラウレート、(ポリオキシエチレン)モノオレエート、(ポリオキシエチレン)モノパルミエート、(ポリオキシエチレン)モノバクセネート、(ポリオキシエチレン)モノリノレート、(ポリオキシエチレン)モノリノレネート、(ポリオキシエチレン)モノアラキドネート、(ポリオキシエチレン)モノステアレート、(ポリオキシエチレン)モノセチルエート、(ポリオキシエチレン)モノラウレート等が挙げられる。
rは上述した疎水性/親水性のバランスの観点から適宜選択できるが、中でも、rとしては、好ましくは1〜40、より好ましくは1〜30、さらに好ましくは1〜25である。
上記式(12)で表される非イオン界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコールジオレエート、エチレングリコールジパルミエート、エチレングリコールジパルミテート、エチレングリコールジバクセネート、エチレングリコールジリノレート、エチレングリコールジリノレネート、エチレングリコールジアラキドネート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジセチルエート、エチレングリコールジラウレート、(ポリオキシエチレン)ジオレエート、(ポリオキシエチレン)ジパルミエート、(ポリオキシエチレン)ジパルミテート、(ポリオキシエチレン)ジバクセネート、(ポリオキシエチレン)ジリノレート、(ポリオキシエチレン)ジリノレネート、(ポリオキシエチレン)ジアラキドネート、(ポリオキシエチレン)ジステアレート、(ポリオキシエチレン)ジセチルエート、(ポリオキシエチレン)ジラウレート等が挙げられる。
sは上述した疎水性/親水性のバランスの観点から適宜選択できるが、中でも、sとしては、好ましくは1〜40、より好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜25である。
上記式(13)で表される非イオン界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、BASFジャパン(株)製のプルロニックシリーズ、三洋化成工業(株)製のニューポールPEシリーズ、旭電化工業(株)製のアデカプルロニックL又はFシリーズ、第一工業製薬(株)製エパンシリーズ、日油(株)製のプロノンシリーズ又はユニルーブ等が挙げられる。
t、u、vは上述した疎水性/親水性のバランスの観点から適宜選択できるが、中でも、非イオン界面活性剤のブリードを好適に制御でき、本発明の効果がより好適に得られるという観点から、uは好ましくは100以下であり、より好ましくは10〜70、さらに好ましくは10〜60、さらにより好ましくは20〜60、よりさらに好ましくは20〜45である。同様の観点から、t+vは、好ましくは100以下であり、より好ましくは3〜65、さらに好ましくは5〜55、さらにより好ましくは5〜40、よりさらに好ましくは10〜40である。
上述した非イオン界面活性剤の中でも、シリカ系無充填剤との配合物とした時のシリカの分散性及び加工性の観点から、特にステアリルジメチルアミン、ジ(ポリオキシエチレン)オクタデシルアミン(ジ(ポリオキシエチレン)ステアリルアミン)、式(11)で表されるエチレングリコールモノステアレート、式(12)で表されるエチレングリコールジステアレートが好ましい。
非イオン界面活性剤は、後述する共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法において、共役ジエン系重合体を含むゴム成分が溶解した溶液に、非イオン界面活性剤を添加して溶液を得る工程(工程(I))に記載のごとく、共役ジエン系重合体が溶解した溶液に、非イオン界面活性剤を、共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部添加するか、又は、共役ジエン系重合体を含むゴム成分に、非イオン界面活性剤を混合する工程(工程(i))に記載のごとく、共役ジエン系重合体に非イオン界面活性剤を、共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部添加することが好ましい。
かかる工程(I)及び工程(i)についての詳細は、後述する。
上述した配合量により非イオン界面活性剤を添加することにより、非イオン界面活性剤の添加効果を十分に発現でき、かつベール中でのブリードの発生を防止することができる。
(オイル)
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールは、共役ジエン系重合体を含有するゴム成分100質量部に対し、ゴム用軟化剤としてオイルを5〜50質量部を含んでいてもよい。
ゴム用軟化剤としては、鉱物油、又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が好適である。ゴムの軟化、増容、加工性の向上を図るために使用されているプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系、芳香族炭素数が30%を超えるものが芳香族系と呼ばれている。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールに用いるゴム用軟化剤としては、適度な芳香族含量を有するものが共役ジエン系重合体との馴染みがよい傾向にあるため好ましい。また、非イオン界面活性剤との相溶性に優れるものが、ブリードアウトを抑制できる傾向にあるため好ましく、さらに共役ジエン系重合体の溶液にオイルを添加する場合は、その溶媒に溶解しやすいものであることにより、均一溶液となり製造工程における取扱いが容易になるため好ましい。
添加されたオイルは、後述する工程(I)で得られた溶液を脱溶剤する工程(II)、及び共役ジエン系重合体を含むゴム成分に非イオン界面活性剤を混合する工程(i)においてトルクを下げる効果を有するとともに、溶液から溶剤を脱揮した後にも、脱揮されずに共役ジエン系重合体組成物と共に残存し、他の材料と混合加工する際に、加工性を改良する効果を有する。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールにおいて、オイルの添加は必須ではないが、添加する場合の配合量は、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールに由来する共役ジエン系重合体を含有するゴム成分100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、8〜48質量部がより好ましく、10〜45質量部がさらに好ましい。オイルの配合量がゴム成分100質量部に対して50質量部以下とすることにより、ブリードアウトを抑制でき、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの表面にベタツキを生ずることを防止することができる。
〔共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法(第一の製造方法)〕
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法においては、共役ジエン系重合体に、非イオン界面活性剤が分散した共役ジエン系重合体組成物のベールを製造する。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの第一の製造方法は、
(I)共役ジエン系重合体を含むゴム成分の溶液に、非イオン界面活性剤を、前記ゴム成分100質量部に対し0.1〜10質量部添加する工程と、
(II)前記工程(I)で得られた溶液を脱溶剤する工程と、
(III)前記工程(II)で得られた前記ゴム成分と非イオン界面活性剤とを含む共役ジエン系重合体組成物をベール状に成形する工程と、
を有し、
上記共役ジエン系重合体が窒素原子を有し、その窒素原子の含有量が、前記共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上である。
なお、前記工程(I)と前記工程(II)との間、又は工程(I)より前に、ゴム用軟化剤としてオイルや安定剤等を加える調整工程を実施してもよい。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物の製造方法においては、他の実施形態として、例えば後述する第二の製造方法の工程(i)のように、押出機内で共役ジエン系重合体と非イオン界面活性剤とを混練する工程を実施してもよい。
押出機内では、共役ジエン系重合体は溶融した高粘度状態である一方、非イオン界面活性剤は液状あるいは溶融した低粘度状態であることが多いが、一般的に、粘度が大きく異なる2相を均一混合するのは困難であることが知られている。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物の製造方法における工程(I)のように、溶液状態で、すなわち低粘度状態で、共役ジエン系重合体と非イオン界面活性剤とを混合し均一溶液とすることで、工程(II)により溶液を脱溶剤する工程を経て、最終的に得られる共役ジエン系重合体組成物のベール中において、非イオン界面活性剤の分散性が向上し、シリカ系無機充填剤と配合した際に、その混練物の物性改良効果を最大化できる傾向にある。
一方、第二の製造方法における工程(i)を採用する場合は、共役ジエン系重合体組成物中のポリマーとして、溶液重合以外の重合方法で製造された共役ジエン系重合体も採用できるという利点がある。
(工程(I))
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの第一の製造方法は、共役ジエン系重合体を含むゴム成分が溶剤に溶解した溶液(共役ジエン系重合体の溶液と記載する場合がある。)に、非イオン界面活性剤を、共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対し、0.1〜10質量部添加し、溶解させ、均一溶液を得る工程(I)を有する。
<共役ジエン系重合体の溶液>
工程(I)における共役ジエン系重合体を含むゴム成分が溶解した溶液は、共役ジエン系重合体と溶剤とを含む。
溶剤としては、特に限定されないが、例えば、C4〜C8の炭化水素溶剤、トルエン、キシレンが挙げられる。さらに、溶剤は環式の構造を有するものでもよく、不飽和結合又は分岐構造を有するものでもよい。沸点及び蒸気圧が製造工程上取り扱いやすいことから、C5又はC6の炭化水素溶剤が好ましく、ペンタン、ノルマルヘキサン、及びシクロヘキサンがより好ましい。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。
共役ジエン系重合体の溶液の製造方法としては、固形の共役ジエン系共重合体を、前記溶剤に溶解させてもよく、溶液重合法を用いて製造した共役ジエン系重合体の溶液をそのまま使用してもよい。
溶液重合法を用いて製造した共役ジエン系重合体の場合、製造プロセス簡素化の観点から、共役ジエン系重合体の重合工程で使用したものと同じ溶剤であることが好ましい。すなわち、重合反応や、必要に応じて変性反応を行った溶液から溶媒を除くことなくそのまま使用することができる。
共役ジエン系重合体と非イオン界面活性剤との双方が溶解し、均一溶液を得られるようにこれらの組合せと溶媒を選ぶことが、工程での取り扱いの観点から好ましい。非イオン界面活性剤が溶解しない又は溶解しにくい場合、例えば、非イオン界面活性剤の疎水性基/親水性基の量バランスを変えて、溶解性をコントロールし、溶解するものを選択することも好ましい態様である。
共役ジエン系重合体が溶解した溶液は、その共役ジエン系重合体溶液の総量(100質量%)に対して、溶剤を10質量%以上99質量%以下含むことが好ましく、より好ましくは30質量%以上98質量%以下、さらに好ましくは50質量%以上97質量%以下含む。溶剤を10質量%以上含むことにより、非イオン界面活性剤を混合する際の溶液粘度を低下させ、非イオン界面活性剤の均一分散性をより向上させる効果がある。一方、99質量%以下含むことで、後述する脱溶剤する工程(II)で揮発させる溶剤量を減らし、プロセスへの負荷を低減することができる。
<安定剤、オイル>
工程(I)においては、共役ジエン系重合体溶液に、共役ジエン系重合体に対して、保管中のゲルの生成を防止する観点、及び加工時の安定性を向上させる観点から、ゴム用安定剤を共存させてもよい。
ゴム用安定剤は、公知のものを用いることができ、以下に限定されるものではないが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤が好ましいものとして挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの第一の製造方法においては、上述した工程(I)で得られた、非イオン界面活性剤が溶解した共役ジエン系重合体の溶液に対し、必要に応じて上述したオイル、安定剤等を加える調整工程を実施することができる。
かかる調整工程においては、後述する工程(II)にて取り出す、共役ジエン系重合体組成物中の共役ジエン系重合体、界面活性剤、ゴム用軟化剤、安定剤等の組成を調整した溶液を作製する。
前記調整工程において添加するオイルとしては、ゴム用軟化剤(伸展油)が適用できる。これにより、後述する脱溶剤する工程(II)において、トルクを下げる効果を有するとともに、溶液から溶剤を脱揮した後にも、脱揮されずに共役ジエン系重合体組成物と共に残存し、他の材料と混合加工する際に、加工性を改良する効果を有する。
ゴム用軟化剤としては、鉱物油、又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が好適である。ゴムの軟化、増容、加工性の向上を図るために使用されているプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系、芳香族炭素数が30%を超えるものが芳香族系と呼ばれている。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールに用いるゴム用軟化剤としては、適度な芳香族含量を有するものが共役ジエン系重合体との馴染みがよい傾向にあるため好ましい。また、非イオン界面活性剤との相溶性に優れるものが、ブリードアウトを抑制できる傾向にあるため好ましく、更に、工程(I)において溶媒に溶解しやすいものであることにより均一溶液となり、製造工程における取扱いが容易になるため好ましい。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの第一の製造方法において、オイルを添加する調整工程を行うタイミングは特に限定されず、後述する脱溶剤する工程(II)よりも前の工程であればよく、工程(I)の前でもよく、工程(I)に続く工程として実施してもよい。
添加されたオイル、例えば、ゴム用軟化剤は、後述する脱溶剤する工程(II)においてトルクを下げる効果を有するとともに、溶液から溶剤を脱揮した後にも、脱揮されずに共役ジエン系重合体組成物のベールに残存し、他の材料と混合加工する際に、加工性を改良する効果を有する。
オイルの配合量は、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールに由来する共役ジエン系重合体を含有するゴム成分100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、8〜48質量部がより好ましく、10〜45質量部がさらに好ましい。オイルの配合量がゴム成分100質量部に対して50質量部以下とすることにより、ブリードアウトを抑制でき、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの表面にベタツキを生ずることを防止することができる。
前記調整工程において、共役ジエン系重合体に対して、保管中のゲルの生成を防止する観点、及び加工時の安定性を向上させる観点から、ゴム用安定剤を添加してもよい。ゴム用安定剤としては、公知のものを用いることができ、以下に限定されるものではないが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤が好ましい。
(工程(II))
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの第一の製造方法は、上記工程(I)で得られた、共役ジエン系重合体を含むゴム成分と非イオン界面活性剤との混合溶液を脱溶剤する工程(II)を有する。
工程(II)は、上述した工程(I)又は調整工程で得られた共役ジエン系重合体組成物の溶液から溶剤を揮発させ、固形分としての共役ジエン系重合体組成物を得る工程である。
<脱揮方法>
工程(II)における脱揮方法としては、例えば、スチームストリッピング、フラッシュタンク、薄膜型濃縮器、ドラムドライヤー、及び撹拌翼付き濃縮容器、脱揮二軸押出機等を用いる方法が挙げられるが、上述した工程(I)又は調整工程で得られた共役ジエン系重合体組成物の溶液を、水と接触させずに脱揮(脱溶剤)できる方法を適用することが好ましい。水と接触し脱溶剤するプロセスとして、例えば、スチームストリッピングによって溶媒を除去する場合、工程(I)又は調整工程で得られた共役ジエン系重合体組成物の溶液に含まれる非イオン界面活性剤が親水部を持つため、水に溶解し流出してしまい排水を汚染する上、添加した界面活性剤のロスが発生し効果が低減してしまうこと、あるいはスチームストリッピング工程において界面活性剤として作用し、同工程内で泡が生成し運転が困難になってしまう、あるいは得られる共役ジエン系重合体組成物の粒子サイズが小さく粉状になってしまい、下流工程の生産性が落ちてしまう等が考えられるが、脱揮二軸押出機等、水と接触しない脱溶剤プロセスを適用すると、非イオン界面活性剤をロスすることなく所望の組成物を得やすく、シリカ系無機充填剤との組成物とした場合の物性向上効果を最大化できる上に、排水への環境負荷低減という観点でも好ましく、更にはプロセスの安定性の観点からも好ましい。
脱揮された共役ジエン系重合体組成物の残揮発分量は、その組成物の総量(100質量%)に対して、0.001質量%以上5.0質量%以下であることが、組成物を製品に加工する際の作業性の観点から好ましい。残揮発分は、重合や溶剤などの原料、水分を含んでもよい。
(工程(III))
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの第一の製造方法は、前記工程(II)で得られた共役ジエン系重合体組成物をベール状に成形する工程(III)を有する。
工程(III)において、共役ジエン系重合体組成物をベール状に成形する方法としては、圧縮成形により直方体にする方法が挙げられる。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの第一の製造方法において、共役ジエン系重合体は、窒素原子を有し、その窒素原子の含有量(以下「窒素含有量」とも記す)が、前記共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上である。
共役ジエン系重合体の窒素含有量は、加工性、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス、耐摩耗性、及び破壊特性の観点から、当該変性共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上であるものとし、40質量ppm以上であることが好ましく、50質量ppm以上であることがより好ましく、60質量ppm以上であることがさらに好ましい。また、加工性の観点から、500質量ppm以下であることが好ましく、400質量ppm以下であることがより好ましく、300質量ppm以下であることがさらに好ましく、250質量ppm以下であることがさらにより好ましい。
前記窒素含有量は、上述したとおり、例えば、共役ジエン系重合体の製造の際に変性剤の添加量及び反応方法を調整することによって制御することができる傾向にあり、この方法により、25質量ppm以上とすることができる。例えば、重合開始剤に上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を用いて重合する方法、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する単量体を共重合する方法により得られる、窒素原子を有する共役ジエン系重合体に、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する変性剤を反応させる方法が挙げられる。
〔共役ジエン系重合体組成物の製造方法(第二の製造方法)〕
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの第二の製造方法は、
(i)共役ジエン系重合体を含むゴム成分に、非イオン界面活性剤を、前記ゴム成分100質量部に対し0.1〜10質量部添加する工程と、
(ii)前記工程(i)で得られた前記ゴム成分と非イオン界面活性剤とを含む共役ジエン系重合体組成物をベール状に成形する工程と、
を有し、
上記共役ジエン系重合体が窒素原子を有し、その窒素原子の含有量が、前記共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上である。
なお、前記工程(i)の前に、ゴム用軟化剤としてオイルや安定剤等を加える調整工程を実施してもよい。
(工程(i))
工程(i)は、共役ジエン系重合体を含むゴム成分に、非イオン界面活性剤を、共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対し0.1〜10質量部添加する工程である。
<添加方法>
工程(i)における添加方法としては、共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、非イオン界面活性剤とを混合できるプロセスであれば特に限定されず、例えば単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用い、共役ジエン系重合体を含むゴム成分の供給速度に応じて所定量の非イオン界面活性剤を添加し連続的に混合する方法、あるいはバンバリーミキサーやニーダー、ロール等を用い、共役ジエン系重合体を含むゴム成分と非イオン界面活性剤とを所定量ずつ、回分式に混合する方法等が挙げられる。
上記工程(I)にて記載の通り、粘度が大きく異なる2相を均一混合するのは困難であることから、その混合均一性は第一の製造方法に対し劣る傾向にある。さらに、運転中に共役ジエン系重合体を含むゴム成分の供給速度が乱れると、共役ジエン系重合体を含むゴム成分と非イオン界面活性剤との比率が乱れ、組成が均一でなくなる傾向にある。
<非イオン界面活性剤添加時の含水量>
工程(i)において、共役ジエン系重合体を含むゴム成分が水分を含んでいると、添加する非イオン界面活性剤と親和性を有するため、以降の工程内で水分を除去するのが困難となり、最終的にベール内に水分が残存してしまう傾向にある。一般的に、ベール内に残存する水分は、シリカ系無機充填剤との組成物とする際、その組成物の品質に大きく影響することから、極力低く抑えることが好ましく、そのベールの総量(100質量%)に対して、0.001質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。かかる観点から、工程(i)においては、共役ジエン系重合体を含むゴム成分に非イオン界面活性剤を添加する時点で、共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対する含水量が0.01〜30質量部であることが好ましく、0.02〜25質量部であることがより好ましく、0.03〜20質量部であることがさらに好ましい。
工程(i)及びその下流工程において、共役ジエン系重合体を含むゴム成分が含有する水を排出する排水機構が設けられている場合、添加した非イオン界面活性剤が排水へ流出し、排水を汚染する上、添加した非イオン界面活性剤のロスが発生し効果が低減してしまうことが考えられるが、かかる排水汚染や非イオン界面活性剤のロスの発生を防止する観点からも、共役ジエン系重合体を含むゴム成分に非イオン界面活性剤を添加する時点で、共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対する含水量が0.01〜30質量部であることが好ましく、0.02〜25質量部であることがより好ましく、0.03〜20質量部であることがさらに好ましい。
(工程(ii))
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの第二の製造方法は、前記工程(i)で得られた共役ジエン系重合体組成物をベール状に成形する工程(ii)を有する。
工程(ii)において、共役ジエン系重合体組成物をベール状に成形する方法としては、圧縮成形により直方体にする方法が挙げられる。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの第二の製造方法において、共役ジエン系重合体は、窒素原子を有し、その窒素原子の含有量(以下「窒素含有量」とも記す)が、前記共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上である。
共役ジエン系重合体の窒素含有量は、加工性、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランス、耐摩耗性、及び破壊特性の観点から、当該変性共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上であるものとし、40質量ppm以上であることが好ましく、50質量ppm以上であることがより好ましく、60質量ppm以上であることがさらに好ましい。また、加工性の観点から、500質量ppm以下であることが好ましく、400質量ppm以下であることがより好ましく、300質量ppm以下であることがさらに好ましく、250質量ppm以下であることがさらにより好ましい。
前記窒素含有量は、上述したとおり、例えば、共役ジエン系重合体の製造の際に変性剤の添加量及び反応方法を調整することによって制御することができる傾向にあり、この方法により、25質量ppm以上とすることができる。例えば、重合開始剤に上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を用いて重合する方法、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する単量体を共重合する方法により得られる、窒素原子を有する共役ジエン系重合体に、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する変性剤を反応させる方法が挙げられる。
〔用途〕
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールは、直方体に圧縮成形されたものであり、各種用途に適用することができる。
また、共役ジエン系重合体組成物のベールは、天然ゴム等の他のゴム材料、シリカ系無機充填剤、カーボン等の無機材料等と配合して、タイヤトレッド等のタイヤ用部材、前記タイヤトレッドを具備するタイヤ(空気入りである場合も含む)、各種工業用ベルト、履物等にも加工できる。
〔ゴム組成物、及びその成形体〕
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールは、上述した各種成分の他、必要に応じてその他の成分を配合することにより、所望の機能をもたせたゴム組成物、及びその成形体とすることができる。
(その他の成分)
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールは、ゴム成分として上述した共役ジエン系重合体以外のゴム成分を添加してもよい。このようなゴム成分については、上記において説明したものを適宜選択することができる。
また、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールは、加硫物として好適に用いられる。
加硫物は、例えば本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールを、必要に応じて、シリカ系無機充填剤やカーボンブラック等の有機充填剤、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物に含まれるゴム成分以外のゴム状重合体、シランカップリング剤、ゴム用軟化剤、加硫剤、加硫促進剤・助剤等と混合して組成物とした後、加熱して加硫することにより得ることができる。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールは、タイヤ等のゴム製品の製造に利用できる。
従来のタイヤ用ゴム組成物では、ゴム成分とシリカ系無機充填剤とを溶融混練しているが、シリカ表面の親水基のため、ゴム成分とシリカ系無機充填剤は相溶し難く、分散性を高めるのが難しい。これに対し、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールは、シリカ表面の親水基に作用する部分と共役ジエン系重合体に相溶しシリカ表面に吸着層を形成する部分とを持つ非イオン界面活性剤を含有しており、かつ共役ジエン系重合体中にあらかじめ均一分散しているので、目的の組成物中においてシリカ系無機充填剤の再凝集を抑制し微分散した状態になり易い。そのため、加硫物としたときに、シリカの分散性が良好となり、省燃費性能と引張特性及び耐摩耗性に優れ、かつその混練物の品質のばらつきが少なく生産安定性に優れたゴム組成物を提供できる。
(シリカ系無機充填剤)
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールを、シリカ系無機充填剤を含む加硫物として使用する際、共役ジエン系重合体を含有するゴム成分100質量部に対し、シリカ系無機充填剤を5〜150質量部を含むものとすることが好ましい。
シリカ系無機充填剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、SiO2、又はSi3Alを構成単位として含む固体粒子が好ましく、SiO2、又はSi3Alを構成単位の主成分とすることがより好ましい。ここで、主成分とは、シリカ系無機充填剤中に50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有される成分をいう。
シリカ系無機充填剤としては、具体的には、特に限定されず、例えば、シリカ、クレイ、タルク、マイカ、珪藻土、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、ガラス繊維等の無機繊維状物質等が挙げられる。
また、表面を疎水化したシリカ系無機充填剤や、シリカ系無機充填剤とシリカ系以外の無機充填剤との混合物も用いることができる。強度や耐摩耗性等の観点からは、シリカ及びガラス繊維が好ましく、シリカがより好ましい。例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、合成ケイ酸塩シリカ等が挙げられる。これらの中でも、加硫物とした際の破壊特性果並びにウェットスキッド抵抗性のバランスの観点から、湿式シリカが好ましい。ここでシリカ系無機充填剤は、表面改質されているものを用いてもよい。
シリカ系無機充填剤のBET吸着法で求められる窒素吸着比表面積としては、好ましくは100〜300m2/gであり、より好ましくは130〜280m2/gであり、さらに好ましくは150〜250m2/gである。
また必要に応じて、比較的比表面積が小さい(例えば、比表面積が200m2/g未満のシリカ)と、比較的比表面積の大きい(例えば、200m2/g以上のシリカ)と、を組み合わせて、窒素吸着比表面積が前記範囲となるように調整したシリカ系無機充填剤を用いることができる。これにより、良好な耐摩耗性、破断強度及び低発熱性を高度にバランスさせることができる。
シリカ系無機充填剤の一次粒径としては3〜100nmであることが好ましく、より好ましくは5〜50nm、さらに好ましくは10〜30nmである。3nm以上とすることにより、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールと混練する際にハンドリングが良好になる傾向にあり、100nm以下とすることにより良好な補強効果が発揮される傾向にある。
シリカ系無機充填剤の形状は特に限定されず、目標とする物性に応じて球状、真球状、無定形の粒状、針状、繊維状、板状のもの等を使用できるが、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールをタイヤ用に加工する場合、異方性が出にくい球状又は真球状のものを使用することが、応力集中の偏在が起きにくく好ましい。
シリカ系無機充填剤の配合比率(質量比)は、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールに由来する共役ジエン系重合体成分を含むゴム成分100質量部に対し、5〜300質量部含むものとすることが好ましく、10〜250質量部含むものがより好ましく、20〜200質量部含むものがさらに好ましい。シリカ系無機充填剤の添加効果が発現する観点から、シリカ系無機充填剤の合計量は5質量部以上とすることが好ましく、共役ジエン系重合体組成物の加工性や機械強度を実用的に十分なものとする観点からが300質量部以下とすることが好ましい。
<カーボンブラック>
カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、SRF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各クラスのカーボンブラックが使用できる。これらの中でも、窒素吸着比表面積が50m2/g以上、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が80mL/100gのカーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックの含有量は、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールに由来する共役ジエン系重合体成分を含むゴム成分100質量部に対し、0.5〜100質量部が好ましく、3〜100質量部がより好ましく、5〜50質量部がさらに好ましい。
カーボンブラックの含有量は、ドライグリップ性能や導電性等のタイヤ等の用途に求められる性能を発現する観点から、前記ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部以上とすることが好ましく、分散性の観点から、100質量部以下とすることが好ましい。
<その他の充填剤>
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールには、シリカ系無機充填剤やカーボンブラック以外に、金属酸化物や金属水酸化物をその他の充填剤として配合してもよい。
金属酸化物とは、化学式MxOy(Mは金属原子を表し、x及びyは各々1〜6の整数を表す。)を構成単位の主成分とする固体粒子のことをいい、例えばアルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等を用いることができる。
また金属酸化物と金属酸化物以外の無機充填剤の混合物も用いることができる。金属水酸化物としては、特に限定されず、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。
<シランカップリング剤>
シランカップリング剤は、ゴム成分とシリカ系無機充填剤との相互作用を緊密にする機能を有しており、ゴム成分及びシリカ系無機充填剤のそれぞれに対する親和性又は結合性の基を有しており、一般的には、硫黄結合部分とアルコキシシリル基、シラノール基部分を一分子中に有する化合物が用いられる。具体的には、特に限定されないが、例えば、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、ビス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−テトラスルフィド等が挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ系無機充填剤の合計100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1〜15質量部がさらに好ましい。シランカップリング剤の配合量が上記範囲であると、シランカップリング剤による上記添加効果を一層顕著なものにできる。
<ゴム用軟化剤>
本実施形態における共役ジエン系重合体組成物のベールを用いて加工する際、加工性の改良を図るために、ゴム用軟化剤をさらに含有させてもよい。
ゴム用軟化剤としては、鉱物油、又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が好適である。ゴムの軟化、増容、加工性の向上を図るために使用されているプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系、芳香族炭素数が30%を超えるものが芳香族系と呼ばれている。本実施形態に用いるゴム用軟化剤としては、適度な芳香族含量を有するものが共重合体との馴染みがよい傾向にあるため好ましい。また、非イオン界面活性剤との相溶性に優れるものが、得られる配合物の物性改良効果を最大化できることから好ましい。
ゴム用軟化剤の配合量は、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールに由来する共役ジエン系重合体を含有するゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部が好ましく、5〜80質量部がより好ましく、10〜50質量部がさらに好ましい。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールの製造工程において、ゴム用軟化剤を添加した場合は、それに由来するゴム用軟化剤との合計量が上記範囲内にあることが好ましい。ゴム用軟化剤の含有量がゴム成分100質量部に対して100質量部以下であることにより、ブリードアウトを生じることを防止でき、共役ジエン系重合体組成物のベール表面にベタツキを生ずることを防止できる。
<混練方法>
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールと、その他のゴム状重合体、シリカ系無機充填剤、カーボンブラックやその他の充填剤、シランカップリング剤、ゴム用軟化剤等の添加剤とを混合する方法については特に限定されるものではない。
例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法等が挙げられる。また、共役ジエン系重合体組成物と各種配合剤とを一度に混練する方法、複数の回数に分けて混合する方法のいずれも適用可能である。
ここで非イオン界面活性剤は、本実施形態においては予めベール内に均一分散した状態にあるが、一方で上記混練工程で加えることも可能ではある。しかしこの場合、混和機内では共役ジエン系重合体は溶融した高粘度状態であり、非イオン界面活性剤は液状あるいは溶融した低粘度状態であることが多く、一般的に粘度が大きく異なる2相を均一混合するのは困難であることが知られている上、非イオン界面活性剤以外にも、上述した様々な薬品類を同時に混練することから、シリカ系無機充填剤に対する吸着反応が阻害されやすい傾向にあることから、得られる混練組成物中においてその均一性が劣り、得られる組成物の物性改良効果が劣る傾向にある。
同様に、非イオン界面活性剤を予め、シリカ系無機充填剤に被覆させた状態で混和機内に投入し、混練する方法も考えられるが、上記同様に得られる混練組成物中においてその均一性が劣り、得られる組成物の物性改良効果が劣る傾向にある上、シリカ系無機充填剤の表面官能基がすべて非イオン界面活性剤で被覆された状態にあるため、共役ジエン系重合体やシランカップリング剤と結合する点が失われてしまい、補強性に劣り引張特性や耐摩耗性が低下してしまう傾向にある。
<加硫組成物>
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールは、加硫剤により加硫処理を施した加硫組成物としてもよい。
加硫剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、有機過酸化物及びアゾ化合物等のラジカル発生剤、オキシム化合物、ニトロソ化合物、ポリアミン化合物、硫黄、硫黄化合物が使用できる。硫黄化合物には、一塩化硫黄、二塩化硫黄、ジスルフィド化合物、高分子多硫化合物等が含まれる。
加硫剤の使用量は、通常は、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールに由来する共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対して0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜15質量部がより好ましい。加硫方法としては、従来公知の方法を適用でき、加硫温度は、好ましくは120〜200℃であり、より好ましくは140〜180℃である。
また、加硫に際しては、必要に応じて加硫促進剤を用いてもよい。加硫促進剤としては、従来公知の材料を用いることができ、以下に限定されるものではないが、例えば、スルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系等の加硫促進剤が挙げられる。
また、加硫助剤としては、亜鉛華、ステアリン酸等を使用できる。加硫促進剤の使用量は、通常、本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールに由来する共役ジエン系重合体を含有するゴム成分100質量部に対して0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜15質量部がより好ましい。
本実施形態の共役ジエン系重合体組成物のベールには、本実施形態の目的を損なわない範囲内で、上述した以外のその他の軟化剤や充填剤、さらに、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、滑剤等の各種添加剤を用いてもよい。その他の軟化剤としては、公知の軟化剤を用いることができる。その他の充填剤としては、具体的には、特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。上記の耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、潤滑剤としては、それぞれ公知の材料を用いることができる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて、本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、各種特性の評価方法は以下のとおりである。
(評価1)ブタジエン部分のミクロ構造(1,2−ビニル結合量)
後述する試料A〜Rの共役ジエン系重合体50mgを10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとした。
溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600〜1000cm-1の範囲で測定して所定の波数における吸光度により、全てハンプトンの方法の計算式に従いブタジエン部分のミクロ構造を求めた(日本分光社製、フーリエ変換赤外分光光度計「FT−IR230」)。
下記表中、測定結果を「Vinyl(% in Bd)」として示す。
(評価2)結合スチレン量
後述する試料A〜Rの共役ジエン系重合体をクロロホルムで100mLにメスアップ、溶解して測定サンプルとした。
スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所社製、分光光度計「UV−2450」)。
下記表中、測定結果を「St (wt%)」として示す。
(評価3)ムーニー粘度
後述する試料A〜Rを試料として、ムーニー粘度計(上島製作所社製、「VR1132」)を用い、JIS K6300(ISO289−1)に準拠し、測定温度100℃においてムーニー粘度を測定した。
まず、試料を1分間予熱した後、2rpmでローターを回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML1+4)とした。
試料のムーニー粘度は、試料生産時及び生産30日後の2種類を測定した。
(評価4)変性率
後述する試料A〜Rを試料として、シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに、変性した塩基性重合体成分が吸着する特性を応用することにより、測定した。試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液を、ポリスチレン系カラムで測定したクロマトグラムと、シリカ系カラムで測定したクロマトグラムと、の差分よりシリカ系カラムへの吸着量を測定し、変性率を求めた。具体的には、以下に示すとおりとした。
試料溶液の調製:試料10mg及び標準ポリスチレン5mgを20mLのテトラヒドロフラン(以下「THF」とも記す)に溶解させて、試料溶液とした。
ポリスチレン系カラムを用いたGPC測定条件:東ソー社製の商品名「HLC−8320GPC」を使用して、THFを溶離液として用い、試料溶液10μLを装置に注入し、カラムオーブン温度40℃、THF流量0.35mL/分の条件で、示差屈折率(以下「RI」とも記す)検出器を用いてクロマトグラムを得た。
カラムは、東ソー社製の商品名「TSKgel SuperMultiporeHZ−H」を3本接続し、その前段にガードカラムとして東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperMP(HZ)−H」を接続して使用した。THFを溶離液として用い、試料溶液200μLを装置に注入して測定した。
カラムは、ガードカラム:東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperH−H」、カラム:東ソー社製の商品名「TSKgel SuperH5000」、「TSKgel SuperH6000」、「TSKgel SuperH7000」を使用した。カラムオーブン温度40℃、THF流量1.0mL/分の条件で、RI検出器(東ソー社製 HLC8020)を用いて測定しクロマトグラムを得た。
シリカ系カラムを用いたGPC測定条件:東ソー社製の商品名「HLC−8320GPC」を使用して、THFを溶離液として用い、試料溶液50μLを装置に注入し、カラムオーブン温度40℃、THF流量0.5ml/分の条件で、RI検出器を用いてクロマトグラムを得た。カラムは、商品名「Zorbax PSM−1000S」、「PSM−300S」、「PSM−60S」を接続して使用し、その前段にガードカラムとして商品名「DIOL 4.6×12.5mm 5micron」を接続して使用した。
変性率の計算方法:ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、下記式より変性率(%)を求めた。
変性率(%)=[1−(P2×P3)/(P1×P4)]×100
(ここで、P1+P2=P3+P4=100である。)
(物性5)窒素含有量(質量ppm)
後述する試料A〜Rを試料として、まず分取GPCにより共役ジエン系重合体を単離した。その後、JIS−2609:原油及び石油製品−窒素分試験方法、化学発光法に準拠して、微量全窒素分析装置(三菱化学アナリテック社製 「TN−2100H」)を用い、アルゴンガスの流通下、試料中を熱分解した後に酸素ガスにより燃焼酸化して生成する一酸化窒素を脱水分条件下でオゾンガスと酸化反応をさせて検出される590〜2500nmにおける発光強度を測定し、その発光強度の面積値から窒素含有量を求めた。
(物性6)収縮因子(g’)
後述する試料A〜Rを試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結した粘度検出器付き、GPC−光散乱測定装置を使用して、クロマトグラムを測定し、溶液粘度及び光散乱法に基づいて分子量を求めた。溶離液はテトラヒドロフランとトリエチルアミンとの混合溶液(THF in TEA:トリエチルアミン5mLをテトラヒドロフラン1Lに混合させ調整した。)を使用した。カラムは、ガードカラム:東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn HHR−H」と、カラム:東ソー社製の商品名「TSKgel G6000HHR」、「TSKgel G5000HHR」、「TSKgel G4000HHR」とを接続して使用した。オーブン温度40℃、THF流量1.0mL/分の条件で粘度検出器付き、GPC−光散乱測定装置(マルバーン社製の商品名「Viscotek TDAmax」)を用いた。測定用の試料10mgを20mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液200μLをGPC測定装置に注入して測定した。得られた測定サンプルの固有粘度と分子量を、固有粘度と分子量との関係式([η][η]=KMα([η]:固有粘度、M:分子量)における定数(K、α)を、logK=−3.883、α=0.771として、分子量Mの範囲を1000〜20000000まで入力して作成した標準固有粘度[η]0と分子量Mとの関係に対して、各分子量Mでの固有粘度[η]を標準固有粘度[η]0に対する固有粘度[η]の関係として[η]/[η]0を各分子量Mで算出し、その平均値を収縮因子(g’)とした。
(物性7)溶解度パラメーター
共役ジエン系重合体の溶解度パラメーター(SP値[(cal/cm31/2])は、Fedorsらの方法(R.F.Fedors:Polym. Eng. Sci., 14〔2〕, 147−154(1974))に従い、変性共役ジエン系重合体の分子構造から凝集エネルギーΣEcoh(cal/mol)とモル分子容ΣV(cm3/mol)を算出し、δ= [ΣEcoh/ΣV] 1/2 式に基づきSP値δ(cal/cm31/2を得た。
(非イオン界面活性剤)
非イオン界面活性剤として、以下の2種類を使用した。
非イオン界面活性剤1:ジ(ポリオキシエチレン)ステアリルアミン
(ポリオキシエチレンの平均付加モル数は5、HLB値は12.5)
非イオン界面活性剤2:エチレングリコールモノステアレート
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤として、エボニック デグサ社製の商品名「Si69」(ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)を使用した。
〔実施例1〜13、比較例1〜5〕
(実施例1)
内容積10Lで、内部の高さと直径の比(L/D)が4であり、底部に入り口、頂部に出口を有し、撹拌機及び温度調整用のジャケットを有するオートクレーブ(反応器)を2基直列に連結した。さらに、2基目の反応器出口下流にスタティックミキサーを1基連結した。
予め、水分等の不純物を除去した、1,3−ブタジエンを15.6g/分、スチレンを8.4g/分、n−ヘキサンを147.4g/分の条件で混合した。この混合溶液が1基目の反応器に入る直前で、不純物不活性化処理用のn−ブチルリチウムを0.056mmol/分でスタティックミキサーで混合した後、1基目反応器の底部に連続的に供給した。更に、極性化合物として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.0148g/分の速度で、重合開始剤(開始変性)として、予め調整したリチウムアミドとしてピペリジノリチウム(「1−リチオピペリジン」ともいう。表中、「LA−1」と略す。)とn−ブチルリチウムとの混合溶液(ピペリジノリチウム:n−ブチルリチウム(モル比)=0.75:0.25)を0.195mmol/分の速度で、1基目反応器の底部へ供給し、反応器の内温が67℃となるように保持した。1基目反応器頂部より重合体溶液を連続的に抜き出し、2基目反応器の底部に連続的に供給し72℃で反応を継続し、さらに2基目の頂部よりスタティックミキサーへ供給した。
スタティックミキサー中に連続的に流れる共重合体溶液に、表1−1に示す変性剤(末端変性)としてトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(表中、「AS−1」と略す。)を0.022mmol/分の速度で添加し、変性(カップリング)反応を実施した。
スタティックミキサーから流出した重合体溶液に酸化防止剤(BHT)を変性共役ジエン系重合体100gあたり0.2gとなるように0.048g/分(n−ヘキサン溶液)で連続的に添加し、変性反応を終了させ、変性共役ジエン系重合体の14質量%溶液を得た。
更に、オイルとしてS−RAE(JX日鉱日石エネルギー社製の商品名「プロセスNC140」)を変性共役ジエン系重合体100gあたり23.0g、非イオン界面活性剤1を、変性共役ジエン系重合体100gあたり2.0gとなるように混合した後、ジャケットを具備した二軸の脱揮押出機により溶媒を除去して、ベール状に成形し、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料A)を得た。
試料Aの性状を表1−1に示す。
(実施例2)
添加する非イオン界面活性剤の種類を、非イオン界面活性剤2とした以外の条件は(実施例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物(試料B)を得た。
試料Bの性状を表1−1に示す。
(実施例3)
変性剤としてトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(AS−1)の代わりに2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中、「AS−2」と略す。)とし、その添加速度を0.033mmol/分とした以外の条件は(実施例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料C)を得た。
試料Cの性状を表1−1に示す。
(実施例4)
添加する非イオン界面活性剤の種類を、非イオン界面活性剤2とした以外の条件は(実施例3)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料D)を得た。
試料Dの性状を表1−1に示す。
(実施例5)
添加する非イオン界面活性剤1の量を、変性共役ジエン系重合体100gあたり5.0g、更に添加するオイル(S−RAE)の量を、変性共役ジエン系重合体100gあたり20.0gとなるように混合した以外の条件は(実施例3)と同様にして、非変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料E)を得た。
試料Eの性状を表1−1に示す。
(実施例6)
添加する非イオン界面活性剤1の量を、変性共役ジエン系重合体100gあたり8.0g、更に添加するオイル(S−RAE)の量を、変性共役ジエン系重合体100gあたり17.0gとなるように混合した以外の条件は(実施例3)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料F)を得た。
試料Fの性状を表1−1に示す。
(実施例7)
添加するオイル(S−RAE)の量を、変性共役ジエン系重合体100gあたり35.5gとなるように混合した以外の条件は(実施例3)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料G)を得た。
試料Gの性状を表1−1に示す。
(実施例8)
添加するオイル(S−RAE)の量を、変性共役ジエン系重合体100gあたり8.0gとなるように混合した以外の条件は(実施例3)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料H)を得た。
試料Hの性状を表1−2に示す。
(実施例9)
ピペリジノリチウムを(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム(表中、「LA−2」と略す。)とした以外の条件は(実施例3)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料I)を得た。
試料Iの性状を表1−2に示す。
(実施例10)
(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウムとn−ブチルリチウムとのモル比((4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム:n−ブチルリチウム)を0.30:0.70とした以外の条件は(実施例9)と同様にして、変性共役ジエン系重合体の組成物のベール(試料J)を得た。
試料Jの性状を表1−2に示す。
(実施例11)
溶媒の除去を、ジャケットを具備した二軸の脱揮押出機の代わりにスチームストリッピングとした以外の条件は(実施例3)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料K)を得た。
試料Kの性状を表1−2に示す。
(実施例12)
変性共役ジエン系重合体の14質量%溶液を得るまでの条件は(実施例3)と同様にして、非イオン界面活性剤1を加えない状態で、ジャケットを具備した二軸の脱揮押出機で溶媒の除去を行った後、単軸の押出機内に、得られた変性共役ジエン系重合体と非イオン界面活性剤1とを、質量比で、変性共役ジエン系重合体:非イオン界面活性剤1=100:2となるよう連続的に供給して、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料L)を得た。
試料Lの性状を表1−2に示す。
(実施例13)
溶媒の除去を、ジャケットを具備した二軸の脱揮押出機の代わりにスチームストリッピングとした以外の条件は(実施例12)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料M)を得た。
試料Mの性状を表1−2に示す。
(比較例1)
ピペリジノリチウムとn−ブチルリチウムとのモル比(ピペリジノリチウム:n−ブチルリチウム)を0.05:0.95とした以外の条件は(実施例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料N)を得た。
試料Nの性状を表1−3に示す。
(比較例2)
変性剤としてトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(AS−1)の代わりに2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(AS−2)とし、その添加速度を0.033mmol/分とした以外の条件は(比較例1)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料O)を得た。
試料Oの性状を表1−3に示す。
(比較例3)
重合開始剤として、ピペリジノリチウムとn−ブチルリチウムとの混合溶液の代わりにn−ブチルリチウムを使用した以外の条件は(比較例2)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物(試料P)を得た。
試料Pの性状を表1−3に示す。
(比較例4)
非イオン界面活性剤1を加えなかった以外の条件は(実施例3)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料Q)を得た。
試料Qの性状を表1−3に示す。
(比較例5)
非イオン界面活性剤1の代わりにシランカップリング剤(エボニック デグサ社製の商品名「Si69」)を使用した以外の条件は(実施例3)と同様にして、変性共役ジエン系重合体組成物のベール(試料R)を得た。
試料Rの性状を表1−3に示す。
表1−1〜表1−3に示すとおり、非イオン界面活性剤を含む実施例1〜13のベールは、シランカップリング剤を含む比較例5のベールに比べ、生産時から30日間のムーニー粘度変化が小さく、貯蔵安定性に優れることが確認された。
〔実施例14〜26、比較例6〜13〕
以下に示すベール試料及び試薬を用いて、表2−1〜表2−3に示す配合組成に従い、それぞれの試料を含有するゴム組成物を得た。
なお、すべての実施例及び比較例において、変性共役ジエン系重合体とシリカ系無機充填剤との含有量の比率を統一するため、試料A〜Q由来の変性共役ジエン系重合体100質量部に対し、シリカ系無機充填剤が75質量部、オイルと非イオン界面活性剤との合計が42質量部となるよう決定した。
シリカ(エボニック デグサ社製の商品名「Ultrasil 7000Gr」窒素吸着比表面積170m2/g)
表面処理シリカ1〜2:Ultrasil 7000Grを予め以下の非イオン界面活性剤1〜2で表面処理したもの。ここで、表面処理に使用した非イオン界面活性剤量は、シリカ75質量部に対し2質量部とした。
表面処理シリカ1:ジ(ポリオキシエチレン)ステアリルアミン
(ポリオキシエチレンの平均付加モル数は5)
表面処理シリカ2:エチレングリコールモノステアレート
オイル:S−RAE(JX日鉱日石エネルギー社製の商品名「プロセスNC140」)
(上述の試料A〜Rにて使用したもの)
非イオン界面活性剤1〜2:上述の試料A〜Pにて使用したもの
また、表2−1〜表2−3に示す組成に加えて、下記の材料を添加した。
シランカップリング剤:エボニック デグサ社製の商品名「Si75」(ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド):6.0質量部
カーボンブラック(東海カーボン社製、シーストKH(N339)):5.0質量部
亜鉛華:2.5質量部
ステアリン酸:1.0質量部
老化防止剤(N−(1,3−ジメチルブチル)−N‘−フェニル−p−フェニレンジアミン):2.0質量部
硫黄:2.2質量部
加硫促進剤1(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド):1.7質量部
加硫促進剤2(ジフェニルグアニジン):2.0質量部
合計:239.4質量部
上記した材料を下記の方法により混練してゴム組成物を得た。
温度制御装置を具備する密閉混練機(内容量0.3L)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数50/57rpmの条件で、(変性)共役ジエン系重合体組成物のベール(試料A〜Q)、シリカ系無機充填剤、非イオン界面活性剤、オイル(S−RAE)、カーボンブラック、シランカップリング剤、亜鉛華、ステアリン酸を混練した。このとき、密閉混合機の温度を制御し、排出温度は155〜160℃でゴム組成物(配合物)を得た。
次に、第二段の混練として、上記で得た配合物を室温まで冷却後、老化防止剤を加え、再度混練した。この場合も、混合機の温度制御により、配合物の排出温度を155〜160℃に調整した。
冷却後、第三段の混練として、70℃に設定したオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤を加えて混練した。その後、成型し、160℃で20分間、加硫プレスにて加硫した。
加硫後、ゴム組成物の物性を測定した。
物性測定結果を表2−1〜表2−3に示す。
ゴム組成物の物性は、下記の方法により測定した。
((1)配合物ムーニー粘度)
硫黄及び加硫促進剤を加えて混練した後の試料を測定対象とし、ムーニー粘度計を使用し、JIS K6300−1に準拠して、130℃、1分間の予熱を行った後に、ローターを毎分2回転で4分間回転させた後の粘度を測定した。
各々の測定値は、比較例13の値を100として指数(INDEX)化してあり、値が小さいほど加工性に優れることを示す。
((2)スコーチタイム)
硫黄及び加硫促進剤を加えて混練した後の試料を測定対象とし、JIS K6300−1:2013に準じ、L形ロータを使用し、試験温度125℃の条件で、スコーチタイムを測定した。
各々の測定値は、比較例13の値を100として指数化してあり、ムーニースコーチの指数が85〜105である場合、スコーチタイムが長く、耐スコーチ性が優れ、加工性に優れる。
((3)粘弾性パラメーター)
加硫後のゴム組成物を測定試料とし、レオメトリックス・サイエンティフィック社製の粘弾性試験機「ARES」を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメーターを測定した。
各々の測定値は、比較例13の値を100として指数化した。
50℃において周波数10Hz、ひずみ3%で測定したtanδを省燃費特性の指標(表2−1〜表2−3中、50℃ tanδ (歪み 3%)と表記した。)とした。
値が小さいほど省燃費性能が良好であることを示す。
更に、50℃、周波数10Hzの条件下で、ひずみ0.1%で測定したG’の値と、ひずみ10%で測定したG’の値の差分(ペイン効果)をシリカの分散性の指標(表2−1〜表2−3中、ペイン効果ΔG’と表記した。)とした。値が小さいほど、シリカの分散
性が良好であることを示す。
((4)引張強度)
加硫後のゴム組成物を測定試料とし、JIS K6251の引張試験法に準拠し引張強度を測定し、比較例13の結果を100として指数化した。指数が大きいほど引張強度が良好であることを示す。
((5)耐摩耗性)
加硫後のゴム組成物を測定試料とし、アクロン摩耗試験機(安田精機製作所社製)を使用し、JIS K6264−2に準拠して、荷重44.4N、3000回転の摩耗量を測定し、比較例13の結果を100として指数化した。指数が大きいほど耐摩耗性が良好であることを示す。
表2−1〜表2−3に示す通り、実施例14〜26のゴム組成物は、比較例13のゴム組成物と比較して、配合物ムーニー粘度が良好であり加工性に優れる上、早期加硫を抑制でき、50℃のtanδが低く、タイヤの低転がり抵抗性が実現されているとともに、50℃のペイン効果ΔG’が低く、シリカの分散性に優れ、さらに、引張特性や耐摩耗性に
も優れることが判った。
また表2−1〜表2−3に示す通り、非イオン界面活性剤を含むベールとした実施例16〜17と、非イオン界面活性剤を溶融混練時に添加した比較例11〜12とを比べ、非イオン界面活性剤は予め(変性)共役ジエン系共重合体組成物のベール中に含有させておいた方が、上記物性のバランスが優れることが確認された。
さらに表2−1〜表2−3に示す通り、非イオン界面活性剤を含むベールとした実施例16〜17と、非イオン界面活性剤によりシリカ表面を被覆した状態で溶融混練した比較例9〜10とを比べ、非イオン界面活性剤は予め(変性)共役ジエン系共重合体組成物のベール中に含有させておいた方が、上記物性のバランスが優れることが確認された。
またさらに表2−1〜表2−3に示す通り、実施例14〜26のゴム組成物は、比較例6〜8のゴム組成物と比較して、(変性)共役ジエン系重合体が特定量の窒素原子を含有しているため、配合物ムーニー粘度が良好であり加工性に優れる上、早期加硫を抑制でき、50℃のtanδが低く、タイヤの低転がり抵抗性が実現されているとともに、50℃のペイン効果ΔG’が低く、シリカの分散性に優れ、さらに、引張特性や耐摩耗性にも優
れることが判った。
本発明の共役ジエン系重合体組成物のベールは、タイヤ用ベーストレッド及びタイヤの材料として、産業上の利用可能性を有している。

Claims (6)

  1. 共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対し非イオン界面活性剤を0.1〜10質量部含み、
    前記共役ジエン系重合体が窒素原子を有し、その窒素原子の含有量が、前記共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上である、共役ジエン系重合体組成物のベール。
  2. 前記共役ジエン系重合体が、下記一般式(A)又は(B)で表される、請求項1に記載の共役ジエン系重合体組成物のベール。
    (式(A)中、R21〜R24は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R25及びR26は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R27は、水素原子、炭化水素で置換されたシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を示す。a及びcは、各々独立して、1又は2の整数を示し、b及びdは、各々独立して、0又は1の整数を示し、(a+b)及び(c+d)は、各々独立して、2以下の整数を示し、(Polym)は、共役ジエン化合物、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを重合又は共重合することで得られる共役ジエン系重合体を示し、少なくともその一つの末端が、下記一般式(4)〜(7)のいずれかで表される官能基を示す。複数存在する場合のR21、及びR23、並びに複数存在する(Polym)は、各々独立している。)
    (式(B)中、R28〜R33は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R34〜R36は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を示す。a、c、及びeは、各々独立して、1又は2の整数を示し、b、d、及びfは、各々独立して、0又は1の整数を示し、(a+b)、(c+d)、及び(e+f)は、各々独立して、2以下の整数を示し、(Polym)は、共役ジエン化合物、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを重合又は共重合することで得られる共役ジエン系重合体を示し、少なくともその一つの末端が、下記一般式(4)〜(7)のいずれかで表される官能基を示す。複数存在する場合のR28、R30、及びR32、並びに複数存在する(Polym)は、各々独立している。)
    (式(4)中、R10及びR11は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示し、R10及びR11は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR10及びR11は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。)
    (式(5)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示し、R12及びR13は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR12及びR13は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体を示す。)
    (式(6)中、R15及びR16は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示し、R15及びR16は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR15及びR16は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。)
    (式(7)中、R17は、炭素数が2〜10の炭化水素基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R18は、炭素数1〜12のアルキル基を示し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。)
  3. (I)共役ジエン系重合体を含むゴム成分の溶液に、非イオン界面活性剤を、前記ゴム成分100質量部に対し0.1〜10質量部添加する工程と、
    (II)前記工程(I)で得られた溶液を脱溶剤する工程と、
    (III)前記工程(II)で得られた前記ゴム成分と非イオン界面活性剤とを含む共役ジエン系重合体組成物をベール状に成形する工程と、
    を有し、
    上記共役ジエン系重合体が窒素原子を有し、その窒素原子の含有量が、前記共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上である、共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法。
  4. 前記脱溶剤する工程(II)において、前記工程(I)で得られた溶液を、水に接触させずに脱溶剤する、請求項3に記載の共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法。
  5. (i)共役ジエン系重合体を含むゴム成分に、非イオン界面活性剤を、前記ゴム成分100質量部に対し0.1〜10質量部添加する工程と、
    (ii)前記工程(i)で得られた前記ゴム成分と非イオン界面活性剤とを含む共役ジエン系重合体組成物をベール状に成形する工程と、
    を有し、
    上記共役ジエン系重合体が窒素原子を有し、その窒素原子の含有量が、前記共役ジエン系重合体の総量に対して、25質量ppm以上である、共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法。
  6. 前記共役ジエン系重合体が、下記一般式(A)又は(B)で表される、請求項3〜5のいずれか一項に記載の共役ジエン系重合体組成物のベールの製造方法。
    (式(A)中、R21〜R24は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R25及びR26は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R27は、水素原子、炭化水素で置換されたシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を示す。a及びcは、各々独立して、1又は2の整数を示し、b及びdは、各々独立して、0又は1の整数を示し、(a+b)及び(c+d)は、各々独立して、2以下の整数を示し、(Polym)は、共役ジエン化合物、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを重合又は共重合することで得られる共役ジエン系重合体を示し、少なくともその一つの末端が、下記一般式(4)〜(7)のいずれかで表される官能基を示す。複数存在する場合のR21、及びR23、並びに複数存在する(Polym)は、各々独立している。)
    (式(B)中、R28〜R33は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示し、R34〜R36は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキレン基を示す。a、c、及びeは、各々独立して、1又は2の整数を示し、b、d、及びfは、各々独立して、0又は1の整数を示し、(a+b)、(c+d)、及び(e+f)は、各々独立して、2以下の整数を示し、(Polym)は、共役ジエン化合物、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを重合又は共重合することで得られる共役ジエン系重合体を示し、少なくともその一つの末端が、下記一般式(4)〜(7)のいずれかで表される官能基を示す。複数存在する場合のR28、R30、及びR32、並びに複数存在する(Polym)は、各々独立している。)
    (式(4)中、R10及びR11は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示し、R10及びR11は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR10及びR11は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。)
    (式(5)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示し、R12及びR13は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR12及びR13は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体を示す。)
    (式(6)中、R15及びR16は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を示し、R15及びR16は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR15及びR16は、炭素数5〜12のアルキル基を示し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。)
    (式(7)中、R17は、炭素数が2〜10の炭化水素基を示し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R18は、炭素数1〜12のアルキル基を示し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。)
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