JP2020050582A - 光学ガラス及び光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熔解時間が長くとも、ガラスの諸特性の変動が少ない光学ガラスを提供することを目的とする。【解決手段】 少なくともF−とAl3+を含み、F−/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際、nd、νd、Pg,F、D、ng−nF等の単位時間あたりの変化量が極めて低い、光学ガラスである。光学ガラスの構成成分として、好ましくはO2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)は3.0以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、光学ガラス及びそれからなる光学素子に関する。
従来、光学ガラスは熔解窯に原料を投入及び熔解し、型に流し込むポット熔解が行われていたが、現在は、連続的に光学ガラスを製造できる連続熔解で製造することが主流である。
連続熔解は、滞留時間は一定であり、ポットごとの格差がないことから、ガラス特性を一定に調整しやすいというメリットがある。
しかしながら、ガラスの組成のよっては、連続熔解によっても、ガラス特性が変動しやすいものもある。例えば、揮発しやすいガラス成分が含まれている場合は、熔解時間が長くなることにより揮発が進み、組成が変わってしまうため、ガラス特性が変動してしまう。
特に、フツリン酸ガラスは、優れた光学特性を有するが、ガラスを熔融、成形する高温のプロセスにおいて、著しい揮発性を示す。熔融、成形過程でガラス熔融からの揮発が発生することは、ガラスの変質、光学特性の変動、ガラスの均質性低下といった現象が発生する原因となり得る。
特許文献1は、ガラス特性の変動を抑制するガラス組成が記載されているが、さらに長時間ガラス特性の変動を抑制するような技術が望まれている。
特開2007−76958号公報
したがって、本発明は、熔解時間が長くとも、ガラスの諸特性の変動が少ない光学ガラスを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、所定の組成にすることにより、得られるガラスは熔解時間によって特性値の変動が少ないものであるという知見を見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 少なくともFとAl3+を含み、F/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際、ndの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が0.00050未満である、光学ガラス、
[2] 前記光学ガラスのPg,Fが下記式(1)を満たす、[1]に記載の光学ガラス、
Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
[3] Ti4+、Nb5+及びW6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含む、[1]または[2]に記載の光学ガラス、
[4] O2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上である、[1]乃至[3]のいずれかに記載の光学ガラス、
[5] 少なくともFとAl3+を含み、F/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際、νdの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が1.50未満である、光学ガラス、
[6] 前記光学ガラスのPg,Fが下記式(1)を満たす、[5]に記載の光学ガラス、
Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
[7] Ti4+、Nb5+及びW6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含む、[5]または[6]に記載の光学ガラス、
[8] O2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上である、[5]乃至[7]のいずれかに記載の光学ガラス、
[9] 少なくともFとAl3+を含み、F/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際、Pg,Fの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が0.0025未満である、光学ガラス、
[10] 前記光学ガラスのPg,Fが下記式(1)を満たす、[9]に記載の光学ガラス、
Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
[11] Ti4+、Nb5+及びW6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含む、[9]または[10]に記載の光学ガラス、
[12] O2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上である、[9]乃至[11]のいずれかに記載の光学ガラス、
[13] 少なくともFとAl3+を含み、F/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際の0分から90分にかけての質量変化が1.5%未満である、光学ガラス、
[14] 前記光学ガラスのPg,Fが下記式(1)を満たす、[13]に記載の光学ガラス、
Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
[15] Ti4+、Nb5+及びW6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含む、[13]または[14]に記載の光学ガラス、
[16] O2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上である、[13]乃至[15]のいずれかに記載の光学ガラス、
[17] 少なくともFとAl3+を含み、F/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際、D(nF−nC)の変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が0.00015未満である、光学ガラス、
[18] 前記光学ガラスのPg,Fが下記式(1)を満たす、[17]に記載の光学ガラス、
Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
[19] Ti4+、Nb5+及びW6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含む、[17]または[18]に記載の光学ガラス、
[20] O2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上である、[17]乃至[19]のいずれか一項に記載の光学ガラス、
[21] 少なくともFとAl3+を含み、F/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際、ng−nFの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が0.00010未満である、光学ガラス、
[22] 前記光学ガラスのPg,Fが下記式(1)を満たす、[21]に記載の光学ガラス。
Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
[23] Ti4+、Nb5+及びW6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含む、[21]または[22]に記載の光学ガラス、
[24] O2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上である、[21]乃至[23]のいずれか一項に記載の光学ガラス、
[25] [1]乃至[24]のいずれかに記載の光学ガラスからなる光学素子。
本発明の光学ガラスは、熔解による、ガラスの諸特性の変動が少ないものである。
以下、本発明について説明するが、本発明は、発明を実施するための形態に限定されるものではない。
まず、本発明のガラス特性及び光学ガラスの組成について説明する。本明細書において、カチオン成分の含有量及び合計含有量は、特記しない限り、カチオン%(cation%)で表示するものとし、アニオン成分(本明細書では、O2−、F、Cl、Br、I)の含有量及び合計含有量は、特記しない限り、アニオン%(anion%)で表示するものとする。
ここで、カチオン%とは、「(注目するカチオンの個数/ガラス成分のカチオン総数)×100」で算出される値であって、注目するカチオン量のカチオン成分の総量に対するモル百分率を意味する。
また、アニオン%とは、「(注目するアニオンの個数/ガラス成分のアニオン総数)×100」で算出される値であって、注目するアニオン量のアニオン成分の総量に対するモル百分率を意味する。
カチオン成分同士の含有量の比は、注目するカチオン成分のカチオン%表示による含有量の比に等しく、アニオン成分同士の含有量の比は、注目するアニオン成分のアニオン%表示による含有量の比に等しい。
カチオン成分の含有量とアニオン成分の含有量の比は、モル比(カチオンとアニオンの和を100とした場合のそれぞれの原子のモル比)で計算する。例えば、O2−/P5+の場合は、カチオン及びアニオンを合計したものを100としたときに、そのときのP5+の割合とO2−の割合を用いて算出されるものである。カチオン成分の含有量とアニオン成分の含有量の比は、実施例であれば、表2に示す割合から計算される。
また、ガラス構成成分の含有量は、公知の方法、例えば、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)等の方法で定量することができ、本発明において、ガラス構成成分の含有量が0%とは、この構成成分を実質的に含まないことを意味し、当該成分が不可避的不純物レベルで含まれることを許容するものである。
各波長の屈折率は、JIS B 7071に従って小数第六位まで測定し、小数第五位で表記する。主分散nF−nC(本明細書では、nF−nCを「D」として表記する場合がある。)、及びng−nFも、小数第五位で表記する。したがってnd、D、ng−nFの変化量は小数第五位で表記する。
アッベ数νdは、小数第二位で表記し、アッベ数の変化量も小数第二位で表記する。
Pg,Fは、小数第四位で表記し、Pg,Fの変化量も小数第四位で表記する。
[光学ガラス特性]
本明細書において、光学ガラスのnd、νd、Pg,F、D、ng−nFの通常の値は特に断りがない限り、熔解時間1.5時間の値である。単位時間あたりの変化量を調べるときは、2時間熔解したときの値と4時間熔解しときの値から算出する。
本発明の光学ガラスの屈折率ndは特に限定はなく、下限については1.30000以上であってもよく、1.40000以上、1.50000以上、1.60000以上、1.70000以上、1.80000以上、1.90000以上、2.00000以上、2.10000以上、2.20000以上であってもよい。屈折率ndの上限については、2.70000以下であってもよく、2.60000以下、2.50000以下、2.40000以下、2.30000以下、2.20000以下、2.10000以下、2.00000以下、1.90000以下、1.80000以下、1.70000以下、1.60000以下、1.50000以下、1.40000以下であってもよい。
本発明の光学ガラスの特徴の一つとして、熔解時間にかかわらず、ndの値が変動しにくいことが挙げられる。具体的には、所定の温度における、ndの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が0.00050未満である。ndの変化量が0.00050未満であれば、製造工程中何らかの原因により熔解時間に変動が起きても、所望の範囲内のndを有する光学ガラスが得られ、歩留まりが向上する。ndの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値の好ましい上限は、例えば0.00040未満、0.00030未満、0.00020未満、0.00010未満、0.00005未満とすることができる。
本発明の光学ガラスのアッベ数νdは特に制限はなく、下限については、10.00以上であってもよく、15.00以上、20.00以上、25.00以上、30.00以上、35.00以上、40.00以上、45.00以上、50.00以上、55.00以上、60.00以上、65.00以上、70.00以上、75.00以上、80.00以上、85.00以上、90.00以上、95.00以上、100.00以上であってもよい。アッベ数νdの上限については、150.00以下であってもよく、140.00以下、130.00以下、120.00以下、110.00以下、100.00以下、95.00以下、90.00以下、85.00以下、80.00以下、75.00以下、70.00以下、65.00以下、60.00以下、55.00以下、50.00以下、45.00以下、40.00以下、35.00以下、30.00以下、25.00以下、20.00以下であってもよい。
本発明の光学ガラスの特徴の一つとして、熔解時間にかかわらず、νdの値が変動しにくいことが挙げられる。具体的には、νdの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が1.50未満である。νdの変化量が1.50未満であれば、製造工程中何らかの原因により熔解時間に変動が起きても、所望の範囲内のνdを有する光学ガラスが得られ、歩留まりが向上する。νdの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値の好ましい上限は、例えば、1.40未満、1.30未満、1.20未満、1.10未満、1.00未満、0.90未満、0.80未満、0.70未満、0.60未満、0.50未満、0.40未満、0.30未満、0.20未満、0.10未満とすることができる。
本発明の光学ガラスは、異常分散性を有することができる。正の異常分散性を示す場合、光学ガラスのPg,Fは、下記の式(1)を満たすPg,Fであることが好ましい。
Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
式(1)を満たす光学ガラスは、高次の色収差補正用の光学ガラスとして好適である。そして、式(1)を満たすような光学ガラスの組成は、通常揮発成分が多いため、ガラス特性の変動が小さいと歩留まりが向上し、製造上非常に有利である。
ここで、Pg,Fとは、部分分散比であり、異常分散性を示す指標である。Pg,Fは、F線(波長486.13nm)における屈折率nF、C線(波長656.27nm)における屈折率nC並びにg線(波長435.84nm)における屈折率ngを用い、次式(2)のように表される。
Pg,F=(ng−nF)/(nF−nC)・・・(2)
本発明の光学ガラスが異常分散性を有する場合は、Pg,Fの下限値としては、例えば、0.5300以上、0.5350以上、0.5400以上、0.5450以上、0.5500以上とすることができる。
本発明の光学ガラスの特徴の一つとして、熔解時間にかかわらず、Pg,Fの値が変動しにくいことが挙げられる。具体的には、Pg,Fの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が0.0025未満である。Pg,Fの変化量の絶対値が0.0025未満であれば、製造工程中何らかの原因により熔解時間に変動が起きても、所望の範囲内のPg,Fを有する光学ガラスが得られ、歩留まりが向上する。Pg,Fの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値の好ましい上限は、例えば、0.0020未満、0.0015未満、0.0010未満、0.0005未満とすることができる。
本発明の光学ガラスの主分散Dは特に制限はなく、下限については、0.00400以上であってもよく、0.00450以上、0.00500以上とすることができる。Dの上限については、0.01600以下であってもよく、0.01500以下、0.01400以下であってもよい。
本発明の光学ガラスの特徴の一つとして、熔解時間にかかわらず、Dの値が変動しにくいことが挙げられる。具体的には、Dの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が0.00015未満である。Dの絶対値の変化量が0.00015未満であれば、製造工程中何らかの原因により熔解時間に変動が起きても、所望の範囲内のDを有する光学ガラスが得られ、歩留まりが向上する。Dの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値の好ましい上限は、例えば、0.00013未満、0.00010未満、0.00009未満、0.00008未満、0.00007未満、0.00006未満、0.00005未満とすることができる。
なお、Dの変化量の絶対値が小さいということは、高分散成分が優先的に揮発しないということを意味する。また、主分散Dは、D=(nd−1)/νdの関係がある。
本発明の光学ガラスのng−nFは特に制限はなく、下限については、0.00100以上であってもよく、0.00150以上、0.00170以上とすることができる。ng−nFの上限については、0.10000以下であってもよく、0.09000以下、0.08000以下であってもよい。
本発明の光学ガラスの特徴の一つとして、熔解時間にかかわらず、ng−nFの値が変動しにくいことが挙げられる。具体的には、ng−nFの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が0.00010未満である。ng−nFの変化量の絶対値が0.00010未満であれば、製造工程中何らかの原因により熔解時間に変動が起きても、所望の範囲内のng−nFを有する光学ガラスが得られ、歩留まりが向上する。ng−nFの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値の好ましい上限は、例えば、0.00008未満、0.00007未満、0.00006未満、0.00005未満とすることができる。
なお、ng−nFの変化量の絶対値が小さいということは、高分散成分が優先的に揮発しないということを意味する。
さらに、本発明の光学ガラスの特徴の一つとして、熔解時間にかかわらず、ガラス質量の値が変動しにくいことが挙げられる。具体的には、0分から90分の熔解時間を経た場合、質量の変化量の絶対値が1.5%未満であることが好ましい。質量変化量は、例えば、1.4%未満、1.3%未満、1.2%未満、1.1%未満、そして、1.0%未満である。
ここで熔解時間0分とは、バッチ原料(ガラスの粉体原料)に含まれる炭酸塩、硝酸塩、水酸化物等が分解され、CO、NO、SO、HO等がガスとして発生した後の、想定されるガラス質量である。
なお、本発明の光学ガラスは、ガラス原料(粉体等)から熔融した場合であっても、あるいはガラス原料をガラス化したもの(カレット)を再度熔融する場合であっても、熔解によるnd、νd、Pg,F、ガラス質量、D、ng−nF等のガラス特性の変化が小さいガラスである。すなわち、本発明の光学ガラスの諸特性の測定値は、そのガラスの原料状態(粉体原料から熔融する場合、カレットから熔融する場合等)に影響されにくい。
[光学ガラス組成]
本発明の光学ガラスは、FとAl3+を少なくとも含み、FとAl3+のモル比(F/Al3+)が3.0以上である光学ガラスである。熔解時間によるガラス特性の変動を抑制する観点からは、F/Al3+の下限は、例えば3.1以上、3.2以上、3.3以上、3.4以上、3.5以上、3.6以上、3.7以上、3.8以上、3.9以上、4.0以上とすることができる。また、F/Al3+の上限は、例えば、8.0未満、7.0未満、6.0未満とすることができる。
以下、本発明の光学ガラスに含有することができるガラス成分について説明する。
本発明の光学ガラスの成分として、Si4+、P5+及びB3+成分は、ガラスの骨格を構成する成分であり、ガラスの熱安定性を改善する成分である。また、低屈折率、低分散に寄与する成分である。Si4+、P5+及びB3+成分のそれぞれの含有量は特に制限はなく、任意の含有量にすることできる。Si4+、P5+及びB3+各成分の上限は、例えば、それぞれ99%以下、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下であってもよく、下限は、例えばそれぞれ0%以上、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%、90%以上であってもよい。
また、Si4+、P5+及びB3+成分の含有量の合計(Si4++P5++B3+)についても特に制限はなく、任意の値をとることができ、Si4++P5++B3+の上限は、例えば、99%以下、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下であってもよい。下限は、例えば0%以上、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上であってもよい。なお、Si4+、P5+、B3+はそれぞれ単独で用いてもよいし、任意に組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明の光学ガラスは好ましくは、P5+を含有する。P5+成分は、光学ガラスをフツリン酸ガラスにするためには必須の成分である。P5+成分は揮発しやすい成分であるため、熔解時間によるガラスの特性の変動を抑制できれば、非常に効果が高い。
5+含有量は、カチオン%で5〜50%が好ましい。
本発明の光学ガラスにP5+成分を含有させる場合は、O2−成分とP5+成分のモル比(O2−/P5+)の上限は例えば、4.4以下、4.2以下、4.0以下であり、下限は、2.8以上、3.0以上であることが好ましい。
本発明の光学ガラス中には、Li、Na、K、Rb及びCs成分(これらの成分を以下「アルカリ金属成分」と称する場合がある。)の一種又は複数種を含有することができる。中でもLi成分はガラスの熔融性を改善する成分であり、ガラスの熱安定性を改善させる場合がある。また、ガラスの転移温度を低下させる成分である。Li、Na、K、Rb及びCs成分の含有量は、特に制限されず、任意の含有量とすることができる。Li、Na、K、Rb及びCs成分の含有量のそれぞれの上限としては、例えば、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7.5%以下、5.0%以下、4.0%以下、3.5%以下、3.0%以下、2.5%以下、2.0%以下、1.5%以下、1.0%、0.5%である。下限は、例えば、0%、0%以上、0.1%以上、0.5%以上、1.0%以上、1.5%以上、2.0%以上、2.5%以上、3.0%以上、3.5%以上、4.0%以上、5.0%以上、7.5%以上、10.0%以上、15.0%以上、20.0%以上、25.0%以上、30.0%以上、35.0%以上、40.0%以上、45.0%以上、50.0%以上、60.0%以上、70.0%以上、80.0%以上である。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+成分は、ガラスの熔融性を改善する成分であり、ガラスの熱的安定性を改善させる場合がある。また、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+成分は、ガラス転移温度を低下させる成分であり、Li、Na、K、Rb及びCs成分よりも屈折率を高める場合がある。Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+成分のそれぞれの含有量についても特に制限はない。Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+成分のそれぞれの含有量の上限は、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下であってもよい。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+成分のそれぞれの含有量の下限は、例えば、0%以上、1%以上、3%以上、5%以上、7%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上であってもよい。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+成分のそれぞれの含有量の合計(Mg2++Ca2++Sr2++Ba2++Zn2+)についても特に制限はなく、Mg2++Ca2++Sr2++Ba2++Zn2+の上限は、例えば、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下であってもよい。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+成分のそれぞれの含有量の合計(Mg2++Ca2++Sr2++Ba2++Zn2+)の下限は、例えば、0%以上、1%以上、3%以上、5%以上、7%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上であってもよい。
La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+成分は、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+成分に比べて屈折率を高める成分であり、高屈折率、低分散に寄与する成分である。La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+成分を導入することによりガラスの熱的安定性を改善させる場合もある。La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+成分のそれぞれの含有量は特に制限はなく、La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+成分のそれぞれの含有量の上限は、例えば、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下であってもよい。
La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+成分のそれぞれの含有量の下限は、例えば、0%以上、1%以上、3%以上、5%以上、7%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上であってもよい。
La3+、Gd3+、Y3+及びYb3+成分の含有量の合計(La3++Gd3++Y3++Yb3+)も特に制限されず、La3++Gd3++Y3++Yb3+の上限は、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下あってもよい。
La3++Gd3++Y3++Yb3+成分の含有量の合計(La3++Gd3++Y3++Yb3+)の下限は、0%以上、1%以上、3%以上、5%以上、7%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上であってもよい。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+及びBi3+成分は、高屈折率、高分散に寄与する成分であり、また、ネットワーク形成成分としてガラスの熱的安定性を改善させる場合がある。Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+及びBi3+成分のそれぞれの含有量は特に制限されず、Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+及びBi3+成分のそれぞれの含有量の上限は、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下であってもよい。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+及びBi3+成分の含有量のそれぞれの下限は、0%以上、1%以上、3%以上、5%以上、7%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上であってもよい。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+及びBi3+成分のそれぞれの含有量の合計(Ti4++Nb5++Ta5++W6++Bi3+)も特に制限されず、例えば、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下であってもよい。
Ti4+、Nb5+、Ta5+、W6+及びBi3+成分のそれぞれの含有量の合計(Ti4++Nb5++Ta5++W6++Bi3+)の下限は、例えば、0%以上、1%以上、3%以上、5%以上、7%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上であってもよい。
なお、本発明の光学ガラスにおいては、Ti4+、Nb5+、W6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含むことが好ましい。Ti4+、Nb5+、W6+は、異常分散性を有する光学ガラスの場合、これらを添加することによりPg,Fを高めることができる場合がある。これらの成分を加えることにより、上記式(1)よりも高いPg,Fにすることができる場合があるため、好ましい。
本発明の光学ガラスにP5+成分とTi4+成分を含有させる場合は、O2−成分とP5+成分+Ti4+成分とのモル比(O2−/(P5++Ti4+))の下限は、ガラスの熔融状態において成分の揮発を抑制する観点から、2.8以上、3.0以上であること好ましい。なお、上限は例えば、4.0以下、3.8以下、3.6以下、3.4以下であることが好ましい。
本発明の光学ガラスにP5+成分とNb5+成分を含有させる場合は、O2−成分とP5+成分+Nb5+成分とのモル比(O2−/(P5++Nb5+))の下限は、ガラスの熔融状態において成分の揮発を抑制する観点から2.8以上、3.0以上であることが好ましい。なお、上限は例えば、4.0以下、3.8以下、3.6以下、3.4以下であることが好ましい。
本発明の光学ガラスにP5+成分とW6+成分を含有させる場合は、O2−成分とP5+成分+W6+成分とのモル比(O2−/(P5++W6+))の下限は、ガラスの熔融状態において成分の揮発を抑制する観点から2.8以上、3.0以上であることが好ましい。上限は例えば、4.0以下、3.8以下、3.6以下、3.4以下であることが好ましい。W6+の添加は、Pg,Fには効果があるが、過剰に含めると比重が大きくなりすぎてしまう恐れがある。
上記したように、O2−/(P5++Ti4+)、O2−/(P5++Nb5+)、及びO2−/(P5++W6+)を所定の値以上であれば、ガラスの熔融状態において成分の揮発を抑制することができる。これは、Ti4+、Nb5+、W6+といったカチオンが、リン酸ネットワークに入り込みやすくなるためであると考えられる。
したがって、成分の揮発の観点からは、O2−成分が、P5+、Ti4+、Nb5+、W6+の合計量に対し、所定の割合以上であることが好ましい。具体的には、O2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上であることが好ましい。O2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が、3.0以上であれば、ガラス融液からの揮発を低減する点で好ましい。O2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)は、より好ましくは3.1以上、さらに好ましくは3.15以上、特に好ましくは3.2以上である。
また、O2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)の上限は、特に制限されることはないが、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.8以下、さらに好ましくは3.6以下、さらに一層好ましくは3.4以下である。
Zr4+及びAl3+成分は、化学的耐久性を改善させる成分であり、導入することでガラスの熱安定性を改善させる場合がある。また、Al3+は加工性を改善する働きがある場合もある。Zr4+及びAl3+成分のそれぞれの含有量も特に制限されず、Zr4+及びAl3+成分のそれぞれの含有量の上限は、例えば、60%以下、50%以下、40%以下、35%以下、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下であってもよい。
Zr4+及びAl3+成分のそれぞれの含有量の下限は、例えば、0%以上、1%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、15%以上、20%以上、30%以上、35%以上、40%以上、50%以上であってもよい。
特に、Al3+は本発明の光学ガラスにおいて重要な成分であり、上記範囲の中でも、カチオン%で5〜50%であることが好ましい。
本発明の光学特性の変動を抑制する技術は、光学ガラス全般に応用可能なものであるが、特にP5+、Al3+、O2−、Fを含む光学ガラスにおいて、その特性が容易に確認できる。
なお、P5+とAl3+との割合については、特に制限されるものではなく、P5+が比較的多い光学ガラスにも、Al3+が比較的多いガラスにも効果が確認できる。
必要に応じ、As、Sb及びSnの少なくとも一種のカチオンをガラスに加えることができる。As、Sb及びSnのカチオンは、ガラス熔融時における清澄効果、及び得られるガラス中の白金ブツを低減させる効果がある。また、ガラスの酸化・還元状態の調整することができる場合もある。As、Sb及びSnのカチオンの含有量は、特に制限されるものではないが、As、Sb及びSnのカチオンのそれぞれの含有量の上限は、1%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、0.1%以下、0.09%以下、0.08%以下、0.07%以下、0.06%以下、0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、0.02%以下、0.01%以下、0.009%以下、0.008%以下、0.007%以下、0.006%以下、0.005%以下、0.004%以下、0.003%以下、0.002%以下、0.001%以下であってもよい。また、As、Sb及びSnのカチオンのそれぞれの含有量の下限は、0%以上、0.001%以上、0.002%以上、0.003%以上、0.004%以上、0.005%以上、0.006%以上、0.007%以上、0.008%以上、0.009%以上、0.01%以上、0.02%以上、0.03%以上、0.04%以上、0.05%以上、0.06%以上、0.07%以上、0.08%以上、0.09%以上、0.1%以上、0.2%以上、0.3%以上、0.4%以上、0.5%以上、0.6%以上、0.7%以上、0.8%以上、0.9%以上であってもよい。
本発明のO2−は、ガラスの熱的安定性を維持する働きをする。O2−の含有量の上限は、アニオン成分の合計量に対し90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下であってもよい。
2−の含有量の下限は、アニオン成分の合計量に対し、例えば、0%以上、1%以上、3%以上、5%以上、7%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上であってもよい。
2−は、下記ハロゲンイオンを導入しない系では、通常100%である。一方、フツリン酸系ガラスの場合は、例えば、アニオン%で10〜80%とすることができる。
本発明の光学ガラスには、アニオン成分として、F、Cl、Br、I等のハロゲンイオンを加えることができる。F、Cl、Br、Iの含有量の上限は、それぞれ90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下であってもよい。
、Cl、Br、I成分のそれぞれの含有量の下限は、アニオン成分の合計量に対し、例えば、0%以上、1%以上、3%以上、5%以上、7%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上であってもよい。
特に本発明において重要な成分であるFは、アニオン%で20〜90%であることが好ましい。
これらの中でも、F及びClは、導入することにより、低分散化するとともに、ガラスの異常分散性を付与する働きや、ガラス転移温度を低下させる働きや、化学的耐久性を改善させる働きがある。
なお、用途により材料に放射性物質が含まれることが問題になる場合は、放射性同位体の含有率を一定量以下に抑える、或いは意図的に含有しないことが好ましい(ただし不純物としての混入を妨げない)。
[光学ガラスの製造方法]
本発明の光学ガラスは、例えば、所定の特性が得られるようにガラス原料の調合、熔融、成形することにより得ることができる。ガラス原料としては、例えば、リン酸塩、フッ化物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物を用いればよい。ガラスの熔融法、成形法については公知の方法を用いればよい。
なお、本発明の熔解の「所定の温度」とは、ガラスが完全に熔解できる温度である。具体的な所定の温度は、(A)950℃、又は、(B)ガラスの液相温度(以下、LTと表記するときがある)+150℃〜400℃で熔解した温度(LTに150℃を加えた温度〜LTに400℃を加えた温度)である。したがって、所定の温度は、前記(A)又は(B)のいずれかを満たす。具体的な所定の温度としては、下限として、650℃、700℃以上、750℃以上、800℃以上、850℃以上、900℃以上であり、一方上限は、例えば、1500℃以下、1450℃以下、1400℃、1350℃、1300℃、1250℃、1200℃、1150℃、1100℃、1050℃、1000℃、950℃である。例えば、本発明の光学ガラスがフツリン酸系のガラスであれば、「所定の温度」としては、例えば、850、900℃、950℃、1000℃、1050℃、1100℃、1150℃が挙げられる。
本明細書において、所定の温度を決定するときのLTは、以下のように、決定させる。
(1)まず白金坩堝に、12.5ml±2.0mlの体積を有する所定の組成物のガラスカレットを入れ、N雰囲気で十分熔解できる温度で2時間保持する。2時間保持した後のガラスを観察し、結晶析出が無いのを確認する。
(2)50℃刻みで温度を低下させ、同様の実験を行い結晶の析出が確認されなかった最低の温度をLTとする。たとえば、800℃は「結晶あり」、850℃は「結晶なし」、900℃は「結晶なし」とした場合、850℃がLTということになる。
結晶の析出の有無は、ガラスと白金坩堝界面及びガラス内部に結晶が光学顕微鏡で確認されるか否かで判断する。結晶サイズは、10μm以上の結晶が確認された場合は、「結晶あり」と判断する。
なお、例えば白金坩堝には下底の内径が30mm〜60mmのものを使用すればよい。白金坩堝の形状は、円柱、円錐台などとすることができる。
ガラスカレットを熔解した後のガラス融液は、白金坩堝ごと冷却して、試料をるつぼから取り出すことなく光学顕微鏡で観察できるようにすることが好ましい。したがって、このガラス試料の厚みは、室温で1〜10mmであることが好ましく、2〜5mmであることがより好ましい。
本発明の光学ガラスの熔解における雰囲気は、光学ガラスの材料に応じて、適宜変更することができる。例えば、Si4+を主成分とするガラスや、B3+とLa3+を主成分とするガラスや、B3+、La3+、Nb5+を主成分とするガラスであれば、大気下、非酸化性雰囲気、還元雰囲気下などとすることができ、また、フツリン酸ガラスの場合は、非酸化性雰囲気(具体的にはN雰囲気、Ar雰囲気等)などで熔解することができる。
以下、実施例を用いて、本発明を詳細に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
(光学ガラス特性の測定)
光学ガラス級の高純度の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、フッ化物、硫酸塩等の原料を使用し、表1の各実施例・比較例の組成を有するガラスが得られるように原料を秤量して混合し、調合原料とした。次に各調合原料を、それぞれ白金坩堝に入れ、上記したような所定の温度に加熱し、窒素雰囲気下で、熔解開始から2時間又は4時間熔融した後、撹拌し均質化を行った後、静置し清澄を行った後、鋳型に流し込んだ。ガラスが固化した後、次いでガラスの徐冷点近くに加熱しておいた電気炉内に移し、室温まで徐冷した。このようして各実施例・比較例のガラスからなるブロックを作製した。得られた各ガラスブロックから測定に必要なテストピースを切り出し、研磨加工を施して特性評価を行った。各特性の変化についての結果を表4に示す。
(1)nd、ng、nF、nC及びアッベ数νdの測定
降温速度−30℃/時間で降温して得られたガラスについて、JIS B 7071の屈折率測定法によって、屈折率nd、ng、nF、nC及びアッベ数νdの測定をした。
(2)部分分散比Pg,Fの測定
上記(1)で得られたnd、ng、nF、nCから、部分分散比Pg,Fを算出した。
(ガラス質量変化の測定)
ガラスバッチとして、収量Aが150〜200gとなるようにガラスのバッチ原料を用意し、バッチ原料を白金坩堝の中に入れ、白金製の蓋をし、バッチ原料、白金坩堝および蓋の質量を測定した。その後、バッチ原料が入った白金坩堝に蓋をし、バッチ原料を坩堝ごとガラス熔解炉に入れ、900℃、950℃、1050℃又は1100℃で1.5時間(90分)、加熱してガラスを熔解した。1.5時間(90分)経過後、白金製の蓋をした状態で白金坩堝の質量を内容物(熔融ガラス)ごとに測定した。
なお、ガラス熔解前の白金坩堝、白金製の蓋、バッチ原料の質量の合計をB、バッチ原料の質量をC、ガラス熔解後の白金坩堝、白金製の蓋、熔融ガラスの質量の合計をDとすると、熔解中に坩堝中の熔融ガラスから揮発により失われるガラス成分の質量は、{B−(C−A)}−Dとなる。C−Aは加熱によりバッチ原料が熱分解して発生するガスの質量である。このガスはガラス成分ではなく、例えばバッチ原料に炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物等を使用したときにこれらが熱分解したときに発生するCO、NO、SO、HO等である。これらのガスの発生量は、周知の方法で算出することができる。本明細書においては、B−(C−A)を熔解時間0時間のガラス質量とする。
熔解前後におけるガラス成分の揮発減少量は、熔解中に坩堝中の熔融ガラスから揮発により失われるガラス成分の質量({B−(C−A)}−D)をガラスの収量で割った値、即ち、[{B−(C−A)}−D]/Aの百分率として求めた。ガラス質量変化の結果を、表3に示す。
実施例、比較例で使用したガラスの組成を表1(カチオン%及びアニオン%で表記)、表2(元素比で表記)に示す。各ガラスの基準となるガラス特性を表3に示す。なお、表3中のnd、νd、Pg,F、D,ng−nFの値は、ガラスを1.5時間熔解したときの値である。
なお、表3中のLTは、明細書中に記載した方法で測定した値である。なお、測定に使用したガラスは、いずれも50gであり、ガラス体積としては、12.5ml±2.0mlの範囲にあった。

実施例・比較例からわかるように、Al3+/Fを所定の範囲にすることにより、nd、νd、Pg,F、ガラス質量、D、ng−nFといったガラス特性は、熔解時間を2時間から4時間(ガラス質量に関しては0分から90分)に増加させても、変動がわずかであることがわかった。
本発明の光学ガラスは、光学素子の材料として利用することができる。

Claims (25)

  1. 少なくともFとAl3+を含み、F/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際、ndの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が0.00050未満である、光学ガラス。
  2. 前記光学ガラスのPg,Fが下記式(1)を満たす、請求項1に記載の光学ガラス。
    Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
  3. Ti4+、Nb5+及びW6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含む、請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. 2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  5. 少なくともFとAl3+を含み、F/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際、νdの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が1.50未満である、光学ガラス。
  6. 前記光学ガラスのPg,Fが下記式(1)を満たす、請求項5に記載の光学ガラス。
    Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
  7. Ti4+、Nb5+及びW6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含む、請求項5または6に記載の光学ガラス。
  8. 2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上である、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  9. 少なくともFとAl3+を含み、F/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際、Pg,Fの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が0.0025未満である、光学ガラス。
  10. 前記光学ガラスのPg,Fが下記式(1)を満たす、請求項9に記載の光学ガラス。
    Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
  11. Ti4+、Nb5+及びW6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含む、請求項9または10に記載の光学ガラス。
  12. 2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上である、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  13. 少なくともFとAl3+を含み、F/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際の0分から90分にかけての質量変化が1.5%未満である、光学ガラス。
  14. 前記光学ガラスのPg,Fが下記式(1)を満たす、請求項13に記載の光学ガラス。
    Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
  15. Ti4+、Nb5+及びW6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含む、請求項13または14に記載の光学ガラス。
  16. 2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上である、請求項13乃至15のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  17. 少なくともFとAl3+を含み、F/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際、D(nF−nC)の変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が0.00015未満である、光学ガラス。
  18. 前記光学ガラスのPg,Fが下記式(1)を満たす、請求項17に記載の光学ガラス。
    Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
  19. Ti4+、Nb5+及びW6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含む、請求項17または18に記載の光学ガラス。
  20. 2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上である、請求項17乃至19のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  21. 少なくともFとAl3+を含み、F/Al3+が3.0以上であって、所定の温度で熔解した際、ng−nFの変化量(1時間あたりの変化量)の絶対値が0.00010未満である、光学ガラス。
  22. 前記光学ガラスのPg,Fが下記式(1)を満たす、請求項21に記載の光学ガラス。
    Pg,F>−0.0004νd+0.5718・・・(1)
  23. Ti4+、Nb5+及びW6+からなる群から選ばれる成分を少なくとも一種含む、請求項21または22に記載の光学ガラス。
  24. 2−/(P5++Ti4++Nb5++W6+)が3.0以上である、請求項21乃至23のいずれか一項に記載の光学ガラス。
  25. 請求項1乃至24のいずれか一項に記載の光学ガラスからなる光学素子。
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