JP2727735B2 - 軽量弗燐酸塩光学ガラス - Google Patents

軽量弗燐酸塩光学ガラス

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JP2727735B2 JP2117386A JP11738690A JP2727735B2 JP 2727735 B2 JP2727735 B2 JP 2727735B2 JP 2117386 A JP2117386 A JP 2117386A JP 11738690 A JP11738690 A JP 11738690A JP 2727735 B2 JP2727735 B2 JP 2727735B2
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/12Silica-free oxide glass compositions
    • C03C3/23Silica-free oxide glass compositions containing halogen and at least one oxide, e.g. oxide of boron
    • C03C3/247Silica-free oxide glass compositions containing halogen and at least one oxide, e.g. oxide of boron containing fluorine and phosphorus

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、比重3.6以下の軽量弗燐酸塩光学ガラスに
関するものであり、その光学恒数は、屈折率nd=1.42〜
1.50、アッベ数ν=80〜97に及ぶ。
本発明の弗燐酸塩光学ガラスは、異常部分分散性を有
し、レンズ設計に際して二次スペクトルの修正を可能に
するところから、光学系に極めて重要で、かつ軽量であ
るところから、大口径写真レンズ、テレビカメラ用レン
ズ部品としての利用価値が高い。
〔従来の技術〕
異常部分分散性を有し、かつ軽量な低分散光学材料と
して、従来からの結晶性の蛍石(CaF2)が知られてお
り、その光学恒数及び比重Sg.は次の通りである。
nd =1.4338 ν=95.3 Sg. =3.18 しかし蛍石は、へき開性があり、脆いため、加工性が
悪いという欠点がある。さらに近年、レンズの大口径化
に対する要求が高まりつつある中で、均質な大きな結晶
塊を得難く、非常に高価なものにしていた。
そこで、蛍石に代わる光学材料として、様々な弗燐酸
塩光学ガラスが開発され(例えば、特公昭54−34768号
公報、特開平1−270537号公報、特公昭57−44618号参
照)、市販品として硝種名FK01、FCD1、FK02、FCD10、C
aFK95が入手できる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来のガラスは、蛍石に比べて比重が
大きく、レンズの大口径化に伴う光学機器用光学材料と
して使用するには望ましくなかった。
また、特公昭57−44618号の発明は、失透に対する安
定性を高め、成形時を粘性を上げるために、Siを必須成
分として添加している。しかし、ガラス中にSiが含まれ
ると、大型のレンズ形状に加工するプレス工程で、Siを
結晶核とした失透が発生しやすく、大口径レンズを得る
ことは非常に困難であった。
従って、本発明の目的は、上述のごとき問題点を克服
し、比重が3.6以下にあり、屈折率ndが1.42〜1.50、ア
ッベ数νが80〜97の範囲にあり、異常部分分散性を有
し、加工性に優れ、大口径レンズを得る際にも失透に対
して安定で、工業的規模での生産が可能な、軽量弗燐酸
塩光学ガラスを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明(請求項第1項)は、 「陰イオンとして弗素イオンF-と、酸素イオンO2-とを
含み、ガラス中の陽イオンを弗化物として表記した場
合、モル%で、 PF5 5.0〜30.0% AlF3 19.0〜40.0% CaF2 28.0〜56.0% MgF2 0〜20.0% SrF2 0〜 9.0% BaF2 0〜18.0% ZnF2 0〜10.0% NaF 0〜 4.0% KF 0〜 4.0% YF3 0〜13.0% LaF3 0〜 7.0% の組成範囲を有し、ガラス中におけるF-/O2-(酸素イオ
ン数に対する弗素イオン数の比)が1.4〜13.0の範囲に
あり、比重が3.6以下であることを特徴とする軽量弗燐
酸塩光学ガラス」 を提供する。
〔作用〕
本発明のガラスは、本質的には、P−Al−Ca−F−O
系ガラスから構成されているが、本発明は、従来の弗燐
酸塩光学ガラスよりも、Caを多量に含むガラス化領域を
見いだすことによって、目的とする軽量ガラスを得た点
に特徴がある。
以下に、各成分の組成範囲を決めた理由を述べる。
ガラス中に、燐酸成分、たとえばP2O5が存在すると、
P2O5はガラス形成酸化物として働き、構造の安定化すな
わち失透に対する安定性を増す。PF5として5.0モル%未
満ではその効果が得られず、30.0モル%を越えると、分
散が大きくなり、目的とする光学恒数が得られない。
AlF3は、失透析出温度を下げ、ガラスを安定化させる
効果が大きく、さらに化学的耐久性を高めるため、19.0
〜40.0モル%の範囲で必須である。この範囲外の量で
は、ガラスの失透に対する安定性が得られない。
アルカリ土類金属の内、原子番号の小さい金属の弗化
物は、分散を小さくするとともに、比重を小さくする効
果がある。特にCaF2はガラスの粘性を高める効果がある
ので必須である。その量は28.0モル%未満では十分な効
果が得られず、逆に56.0モル%を越えると失透しやすく
なる。
ガラス中における弗素イオン数と酸素イオン数の比F-
/O2-は、ガラスの分散、失透に対する安定性に大きな影
響を与える。この比が1.4未満では分散が大きくなり過
ぎ、逆に13.0を越えると失透傾向が高まる。
上記のごときP−Al−Ca−F−O系で、目的とする光
学ガラスを得ることができるが、他の成分を適量添加す
ることによって、光学恒数範囲をさらに拡大でき、ガラ
スの軽量化、また失透に対する安定性をさらに向上させ
ることができる。
MgF2を添加すると、ガラスの比重を小さくし、さらに
分散を小さくすることができる。但し、20.0モル%を越
えると失透しやすくなる。
SrF2及びBaF2は、失透に対する安定性を高める効果が
大きい。但し、適量を越えるとガラスの比重が大きくな
り過ぎるので、SrF2は9.0モル%以下、BaF2は18モル%
以下で用いるべきである。
ZnF2を添加すると、失透に対する安定性が増す場合が
ある。適量を越えて添加すると、目的の低分散が得られ
なくなるので、10.0モル%以下で用いるべきである。
アルカリ金属弗化物を添加すると、粘性が低下し、大
口径化に必要な均質性が得られなくなるので、添加して
はならない。
YF3及び希土類元素の弗素物、たとえばLaF3を少量添
加することによって、化学的耐久性、失透に対する安定
性の向上、さらに光学特性の拡大を図ることができる。
適量を越えて添加するとかえって失透しやすくなるの
で、YF3は13.0モル%以下、LaF3は7.0モル%以下で用い
るべきである。但し、NdF3は、ガラスを着色するので、
光学ガラスとしては適当ではなく、添加してはならな
い。
異常の第1の組成範囲(請求項第1項)のうち特にPF
5、NaF及びKFの組成範囲が、モル%で、 PF5 8.0〜30.0% NaF 0 KF 0 であり、ガラス中におけるF-/O2-(酸素イオン数に対す
る弗素イオン数の比)が、1.4〜9.0の範囲にあるガラス
(請求項第2項)は、成形時の粘性が高く、大口径レン
ズを得る目的に適している。
更に、第2の組成範囲(請求項第2項)のうち特にMg
F2及びBaF2の組成範囲が、モル%で、 MgF2 0.5〜20.0% BaF2 0〜13.0% であるガラス(請求項第3項)は、比重が3.55以下であ
り、より軽い。
第3の組成範囲(請求項第3項)のうち特にAlF3及び
CaF2の組成範囲が、モル%で、 AlF3 20.0〜36.0% CaF2 28.0〜48.0% であるガラス(請求項第4項)は、失透に対してより安
定である。
本発明のガラスを製造する場合、リン原料には、H3PO
4やP2O5や各種金属リン酸塩を用いることができる。通
常、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はアルミニウ
ムのメタ燐酸塩を用いるのが良い。
その他の成分については、通常、成分陽イオンを含む
金属弗化物を原料として用いるが、ガラス中におけるF-
/O2-が所定の範囲内において、金属酸化物、金属炭酸塩
等の酸素化合物を併用することもできる。
その外、原料として、上記成分陽イオンを含む金属塩
化物、臭化物、沃化物等を少量程度併用することも可能
である。
また、As、Sb、Ti、Pb、Zr、Yb、Gd、Ce等の各金属元
素を、これらの元素の弗化物、弗素錯塩及び酸化物等を
原料として添加することにより、ガラス中にそれぞれ4
モル%程度まで含有させてもよい。これにより、ガラス
のソラリゼーションの向上や、光学特性の多様化を図る
ことができる。
尚、原料中の不純物遷移金属元素、特にCr、Mn、Fe、
Co、Ni及びCu元素の重量含有率を、合計で3ppm以下とし
たガラスは、紫外域で高い光線透過率を得ることがで
き、250nmでの光線透過率(厚さ10mmの試料の表面反射
を除いた内部透過率)は、80%以上に及ぶ。
以下に、本発明における光学ガラスの実施例の組成
(モル%表示)、屈折率nd、アッベ数ν及び比重Sg.
を、それぞれ第1表に示す。第1表において、上段は弗
化物としての表記、下段は上段の組成に対応する原料と
しての表記であり、ともにモル%で示してある。
また、第2表では、市販の弗燐酸塩光学ガラスの比重
と、それとほぼ等しい光学恒数値を持つ本発明のガラス
の比重とを比較した。
本発明の第1表の実施例に掲げたガラスは、下段に記
載の原料を所望の割合に秤取、混合して、900〜1100℃
の電気炉中、白金坩堝に入れて溶融、清澄、撹拌、均質
化してから鋳込み、徐冷して製造することができる。
〔発明の効果〕 以上の通り、本発明によれば、比重が3.6以下と軽く
(同一光学恒数のガラスで比較すると必ず軽い)、屈折
率ndが1.42〜1.50、アッベ数νが80〜97の範囲にあ
り、異常部分分散性を有し、加工性に優れ、大口径レン
ズを得る際にも失透に対して安定で、工業的規模での生
産が可能な、軽量弗燐酸塩光学ガラスが得られる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰イオンとして弗素イオンF-と、酸素イオ
    ンO2-とを含み、ガラス中の陽イオンを弗化物として表
    記した場合、モル%で PF5 8.0〜30.0% AlF3 19.0〜40.0% CaF2 28.0〜56.0% MgF2 0.5〜20.0% SrF2 0〜 9.0% BaF2 0〜13.0% ZnF2 0〜10.0% YF3 0〜13.0% LaF3 0〜 7.0% の組成範囲を有し、ガラス中におけるF-/O2-(酸素イオ
    ン数に対する弗素イオン数の比)が1.4〜9.0の範囲にあ
    り、比重が3.55以下であることを特徴とする軽量弗燐酸
    塩光学ガラス。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の弗燐酸塩光学
    ガラスにおいて、AlF3及びCaF2の組成範囲が、モル%
    で、 AlF3 20.0〜36.0% CaF2 28.0〜48.0% であることを特徴とするガラス。
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