JP2020048401A - ブラシレスモータ、ブラシレスモータの制御方法およびワイパ装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、累積ポイント値が閾値S2未満(所定の第2の閾値未満)となった場合は、指令部12eは、高負荷対応処理として、ブラシレスモータ1aの通電パターンを第2通電パターン(矩形波通電パターン)から第1通電パターン(フリーレス通電パターン)に切り替える。
なお、高負荷検出方法は、上述の通り、ロータの負荷に応じて決定される負荷積算値が、閾値S1、S2を超えるか超えないかのタイミングで通電制御を切り替える処理によって行っている。しかしながら、シャント抵抗をモータ給電ラインに設置し、接地されたシャント抵抗を流れるモータ電流値から判定する手法により行ってもよい。
ここで、図7、図9および図11においては、ホールセンサ15u、15vおよび15wが出力した位置検出信号Hu、HvおよびHwと、インバータ回路6の通電制御における進角および通電角の一例を説明するための説明図である。図7、図9および図11は、位置検出信号Hu、HvおよびHwとスイッチング素子VHがオンされる角度領域との対応関係を示す。横軸は、ブラシレスモータ1aのロータの磁極の回転位置を電気角で表す。位置検出信号Hu、HvおよびHwは、電気角360°を1周期として、互いに120°の位相差を有し、180°毎にHまたはLレベルに変化する。本実施形態では、位置検出信号HuのLからHへの変化をホールエッジHE1と称し、HからLへの変化をホールエッジHE4と称する。また、位置検出信号HvのLからHへの変化をホールエッジHE3と称し、HからLへの変化をホールエッジHE6と称する。また、位置検出信号HwのLからHへの変化をホールエッジHE5と称し、HからLへの変化をホールエッジHE2と称する。ホールセンサ15u、15vおよび15wが出力した位置検出信号Hu、HvおよびHwが誤差を含んでいないとすると(図3に示す例は位置検出信号Hu、HvおよびHwが誤差を含んでいない場合である)、各ホールエッジ間の電気角は60°である。また、ホールエッジHE1とホールエッジHE2の間をホールステージ1(以下、単にステージ1という(以下、同様))と称し、ホールエッジHE2とホールエッジHE3の間をステージ2と称し、ホールエッジHE3とホールエッジHE4の間をステージ3と称する。また、ホールエッジHE4とホールエッジHE5の間をステージ4と称し、ホールエッジHE5とホールエッジHE6の間をステージ5と称し、ホールエッジHE6とホールエッジHE1の間をステージ6と称する。
通電パターンは、各スイッチング素子UH、UL、VH、VL、WHおよびWLが、継続的にオンされた状態(「ON」)もしくは継続的にオフ「OFF」された状態(「ON」または「PWM」以外の期間であって、フリー相の期間とも言う)または一定の周期でオンまたはオフに制御された状態(PWM制御された状態)(「PWM」)のいずれかの組み合わせである。各ステージ1〜6は、さらに3つの区間A’、B’およびC’にそれぞれ区分されている。区間A’、B’およびC’に対しては個別に通電パターンが設定されている。区間A’、B’およびC’の期間(電気角)は、進角の値と通電角の値によって変化する。
(1)第1状態:各スイッチング素子UH、UL、VH、VL、WHおよびWLが、継続的にオンされた状態(「ON」)にある。
(2)第2状態:各スイッチング素子UH、UL、VH、VL、WHおよびWLが、継続的にオフ「OFF」された状態(「ON」または「PWM」以外の期間)にある。
(3)第3状態:各スイッチング素子UH、UL、VH、VL、WHおよびWLが、一定の周期でオンまたはオフに制御された状態(PWM制御された状態)(「PWM」)にある。
(4)第4状態:第1状態を、第3状態でのPWM制御よりも大きな最大デューティ比のPWM信号によりPWM制御された第4状態(以下、「PL」状態と言う)へと変更する。
(5)第5状態:第3状態を、第3状態でのPWM制御よりも小さな最小デューティ比のPWM信号によりPWM制御された第5状態(以下、「PS」状態と言う)へと変更する。
(6)第6状態:第2状態を、最大デューティ比と最小デューティ比と間の中間のデューティ比のPWM信号によりPWM制御された第6状態(以下、「PM」状態と言う)へと変更する。
つまり、フリーレス通電パターンにおいてU相、V相およびW相のコイルがそれぞれPM状態(第6状態)となるタイミングは、矩形波通電パターンにおいてU相、V相およびW相のコイルがそれぞれOFF相のコイル(第2状態)となるタイミングと同じである。
これにより、通電パターンが第1状態から第2状態へ切り替わる際に、ブラシレスモータの入力端子に負電圧が発生したときに、スイッチング素子を駆動する制御回路(制御部12)が誤動作するという問題に対応できる。また、120°矩形波通電ではフリーとなるタイミング(相開放期間:第2状態にある期間)においても、第6状態のようにPWM制御することにより、結果的に180°通電となり、転流時の電流波形が滑らかになることで駆動音が静かになる(モータ作動音を低減する)効果が期待できる。
例えば、指示デューティ比が80%の場合、中間のデューティ比は予め50%に設定されているため、最大デューティ比は50+80÷2により90%となり、最小デューティ比は50−80÷2により10%となる。
なお、指示デューティ比は、予めユーザーにより制御部12が有するROMに記憶される構成としておけばよい。
ここで、負極側のスイッチング素子UL、VLおよびWLは、正極側のスイッチング素子UH、VHおよびWHに入力されるPWM信号とは逆相のPWM信号が入力される。そこで、対をなすスイッチング素子を駆動するPWM信号のデューティ比は、正極側と負極側とでは異なるが、本実施形態においては、正極側のスイッチング素子を駆動するPWM信号のデューティ比を、対をなすスイッチング素子を駆動するPWM信号のデューティ比という。
なお、PWM制御された状態において各スイッチング素子UH、UL、VH、VL、WHおよびWLはそれぞれONとOFFとを繰り返すため、正確には波形は複数の凹凸を有する矩形波状となるが、図9および後述の図11では便宜上、各スイッチング素子UH、UL、VH、VL、WHおよびWLのON/OFFを明記せず、「PWM相」と表記した。ここで、図9において、「PL」状態を「PWM相(MAX Duty)」、「PS」状態を「PWM相(MIN Duty)」、「PM」状態を「PWM相(Duty=50)」と表記する。
(7)第7状態:第1状態を維持し、各スイッチング素子UH、UL、VH、VL、WHおよびWLが、継続的にオンされた状態(「ON」)とする。
(8)第8状態:第3状態を、外部から入力される指示デューティ比のPWM信号によりPWM制御された第8状態(以下、「P1 」状態と言う)へと変更する。
(9)第9状態:第2状態を、外部から入力される指示デューティ比の1/2のデューティ比のPWM信号によりPWM制御された第9状態(以下、「P2」状態と言う)へと変更する。
つまり、フリーレス通電パターンにおいてU相、V相およびW相のコイルがそれぞれP2状態(第9状態)となるタイミングは、矩形波通電パターンにおいてU相、V相およびW相のコイルがそれぞれOFF相のコイル(第2状態)となるタイミングと同じである。
これにより、通電パターンが第1状態から第2状態へ切り替わる際に、ブラシレスモータの入力端子に負電圧が発生したときに、スイッチング素子を駆動する制御回路(制御部12)が誤動作するという問題に対応できる。また、120°矩形波通電ではフリーとなるタイミング(相開放期間:第2状態にある期間)においても、第9状態のようにPWM制御することにより、結果的に180°通電となり、転流時の電流波形が滑らかになることで駆動音が静かになる(モータ作動音を低減する)効果が期待できる。
すなわち、第1実施形態および第2実施形態のどちらのフリーレス通電パターンによる駆動・通電方法を用いても、同様の効果が期待できる。
具体的には、制御部12は、ブラシレスモータ1aに対して、ワイパスイッチのONのスイッチ情報が入力されたか否かを判定する。
ワイパONの状態にない場合(ステップS11−No)、格納・停止処理が実施される(ステップS12)。
具体的には、制御部12は、ワイパアーム3aおよび3bを、払拭範囲5aおよび5bの下反転位置の下方に設けられた格納位置に格納し、ブラシレスモータ1aを停止状態にする。
具体的には、制御部12におけるポイント値比較部12dは、累積ポイント値(負荷積算値)が閾値S1(所定の第1の閾値)以上であるか否かを判定する。なお、このときの累積ポイント値算出の際には、デューティ比としては、第1実施形態のフリーレス通電パターンにおいては、第4状態(「PL」状態)、第5状態(「PS」状態)および第6状態(「PM」状態)での3つのデューティ比のステージ1〜6期間での時間的な平均値が用いられる。もっとも、例えば、フリーレス通電パターンの第6状態(「PM」状態)でのデューティ比を用いてもよい。
また、第2実施形態のフリーレス通電パターンにおいては、第7状態、第8状態(「P1」状態)および第9状態(「P2」状態)での3つのデューティ比のステージ1〜6期間での時間的な平均値や、第9状態(「P2」状態)でのデューティ比用いて、累積ポイント値算出を行ってもよい。
累積ポイント値が閾値S1未満(所定の第1の閾値未満)の場合(ステップS13−No)、フリーレス通電制御を継続する(ステップS14)。具体的には、制御部12における指令部12eは、現在切り替えている通電パターンであるフリーレス通電パターンを継続する(ステップS14)。
ここで、通電パターンの変更タイミング(切り替えタイミング)は、ワイパアーム3aおよび3bを、払拭途中で切り替えすると、挙動異常となる可能性があるため、ワイパアーム3aおよび3bが、払拭範囲5aおよび5bの反転位置(下反転位置、上反転位置)に位置したタイミングである。
具体的には、制御部12におけるポイント値比較部12dは、累積ポイント値(負荷積算値)が閾値S2(第1の閾値より小さい所定の第2の閾値)未満か否かを判定する。なお、このときの累積ポイント値算出の際には、デューティ比としては、矩形波通電パターンの第1状態(「ON」状態、デューティ比として100%となる)、第2状態(「OFF」状態、デューティ比として0%となる)および第3状態(「PWM」状態、デューティ比として0〜100%となる)での3つのデューティ比のステージ1〜6期間での時間的な平均値が用いられる。もっとも、例えば、矩形波通電パターンの第3状態(「PWM」状態)でのデューティ比を用いてもよい。
また、ロータ13の負荷が同じである場合、矩形波通電パターンのデューティ比の時間的な平均値、或いは第3状態(「PWM」状態)でのデューティ比は、フリーレス通電パターンのデューティ比の時間的な平均値、或いは第6状態(「PM」状態)でのデューティ比より小さい値となるため、矩形波通電の方がフリーレス通電よりモータ特性が向上する。
このステップS11の判定結果により、ステップS11−Noの場合、上述したステップS12の処理(格納・停止処理)を行う。
一方、ステップS11−Yesの場合、このときは累積ポイント値が閾値S1未満(所定の第1の閾値未満)であるので、ステップS13の結果(ステップS13−No)により、ステップS14の処理(フリーレス通電制御)を行う。
すなわち、矩形波通電制御の終了タイミングは、ロータ13の負荷が低負荷となり、その後にフリーレス通電制御となる場合や、払拭終了のタイミングである。
すなわち、本発明の実施形態によれば、ロータの負荷に応じて決定される負荷積算値に応じて適切にフリーレス通電制御と矩形波通電制御とを切り替えることができる。
また、ステップS16において、矩形波通電制御からフリーレス通電制御へ切り替える際の累積ポイント値の閾値S2を、閾値S1より小さい値とすることで、負荷の変動が激しい場合であっても、通電パターンの切り替え頻度を下げ、乗員に与える違和感を緩和できる。
矩形波通電パターンによる払拭回数が0回でなく、所定値以上でもない場合(ステップS17−No)、ステップS11に戻り現在実行中の通電パターンを継続する。
矩形波通電パターンによる払拭回数が0回または所定値以上の場合(ステップS17−Yes)、制御部12は、ワイパブレード4a、4bが下反転位置にあるか否かを判定する(ステップS18)。
ワイパブレード4a、4bが下反転位置にない場合(ステップS18−No)、ワイパブレード4a、4bが下反転位置に到達するまで現在実行中の通電パターンを継続する。
ワイパブレード4a、4bが下反転位置にある場合(ステップS18−Yes)、ステップS13へ移行する。ステップS13において、累積ポイント値が閾値S1以上(所定の第1の閾値以上)である場合(ステップS13−Yes)、矩形波通電制御(ステップS15)を行い、ステップS16へ移行する。
10 ワイパ装置
100a、100b モータ装置
11 インバータ
UH、UL、VH、VL、WH、WL スイッチング素子
12 制御部
12a ポイント値算出部
12b 負荷ポイントマップ
12c ポイント値累積部
12d ポイント値比較部
12e 指令部
13 ロータ
14 ステータ
14u、14v、14w 巻線
15u、15v、15w ホールセンサ
Claims (8)
- 三相巻線を有するステータと、
永久磁石を有し、前記ステータに対向した状態で回転するロータと、
複数のスイッチング素子を有し、前記複数のスイッチング素子をオンまたはオフすることで前記三相巻線に交流電流を通電するインバータと、
前記ロータの回転に応じた前記三相巻線の各相の通電状態の変化を表す通電パターンをフリーレス通電パターンまたは矩形波通電パターンに切り替えて前記複数のスイッチング素子のオンまたはオフの状態を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記ロータの負荷に応じて決定される負荷積算値が所定の第1の閾値未満の場合に前記通電パターンを前記フリーレス通電パターンに切り替え、前記負荷積算値が前記所定の第1の閾値以上の場合に前記通電パターンを前記矩形波通電パターンに切り替える、
ブラシレスモータ。 - 前記矩形波通電パターンは、前記スイッチング素子が継続的にオンされた状態である第1状態、若しくは前記スイッチング素子が継続的にオフされた状態である第2状態、またはPWM制御された状態である第3状態のいずれかの組み合わせである通電パターンを含み、
前記フリーレス通電パターンは、前記スイッチング素子が前記第3状態でのPWM制御よりも大きな最大デューティ比のPWM信号によりPWM制御された状態である第4状態、若しくは前記スイッチング素子が前記第3状態でのPWM制御よりも小さな最小デューティ比のPWM信号によりPWM制御された状態である第5状態、または前記最大デューティ比と前記最小デューティ比との間の中間のデューティ比のPWM信号によりPWM制御された状態である第6状態のいずれかの組み合わせである通電パターンを含む、
請求項1に記載のブラシレスモータ。 - 前記矩形波通電パターンは、前記スイッチング素子が継続的にオンされた状態である第1状態、若しくは前記スイッチング素子が継続的にオフされた状態である第2状態、またはPWM制御された状態である第3状態のいずれかの組み合わせである通電パターンを含み、
前記フリーレス通電パターンは、前記スイッチング素子が継続的にオンされた状態である第7状態、若しくは前記スイッチング素子が外部から入力される指示デューティ比のPWM信号によりPWM制御された状態である第8状態、または前記指示デューティ比の1/2のデューティ比のPWM信号によりPWM制御された状態である第9状態のいずれかの組み合わせである通電パターンを含む、
請求項1に記載のブラシレスモータ。 - 前記制御部は、
前記負荷積算値が前記所定の第1の閾値以上になったのちに、前記負荷積算値が前記所定の第1の閾値より小さい所定の第2の閾値未満の場合になった場合に前記通電パターンを前記フリーレス通電パターンに切り替える、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のブラシレスモータ。 - 前記負荷積算値は、前記インバータに供給される電源電圧と、前記ロータの回転速度と、フリーレス通電パターンまたは矩形波通電パターンを構成する通電状態のうちPWM制御された状態でのPWM信号のデューティ比と、を所定の間隔で検出し、検出した3つの値に基づいて算出される負荷ポイント値を累積した値である、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のブラシレスモータ。 - 三相巻線を有するステータと、
永久磁石を有し、前記ステータに対向した状態で回転するロータと、
複数のスイッチング素子を有し、前記複数のスイッチング素子をオンまたはオフすることで前記三相巻線に交流電流を通電するインバータと、
前記ロータの回転に応じた前記三相巻線の各相の通電状態の変化を表す通電パターンをフリーレス通電パターンまたは矩形波通電パターンに切り替えて前記複数のスイッチング素子のオンまたはオフの状態を制御する制御部と、
を備えたブラシレスモータの制御方法であって、
前記制御部は、
前記ロータの負荷に応じて決定される負荷積算値が所定の第1の閾値未満の場合に前記通電パターンを前記フリーレス通電パターンに切り替え、前記負荷積算値が前記所定の第1の閾値以上の場合に前記通電パターンを前記矩形波通電パターンに切り替える、
ブラシレスモータの制御方法。 - 請求項6に記載のブラシレスモータと、
前記ブラシレスモータにより揺動されるワイパアームと、
前記ワイパアームに接続され、車両の払拭領域を往復払拭するワイパブレードと、
を備えたワイパ装置の制御方法であって、
前記制御部は、前記ワイパブレードの位置が前記払拭領域中の反転位置にあるとき、前記通電パターンを切り替える、
ワイパ装置の制御方法。 - 請求項7に記載のワイパ装置の制御方法であって、
さらに、前記制御部は、前記矩形波通電パターンにおけるワイパブレードの払拭回数をカウントし、前記払拭回数が所定値以上の場合に前記矩形波通電パターンから前記フリーレス通電パターンに切り替える、
ワイパ装置の制御方法。
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