JP2020045513A - 珪化バリウム系バルク多結晶体及びその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
(1) クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)の元素からなる群の少なくとも1種の元素を含有する珪化バリウムバルク多結晶体。
(2) 元素の総含有量が2atm%以上10atm%以下である上記(1)に記載の珪化バリウムバルク多結晶体。
(3) 元素がMn,Fe,Co,Niからなる群の少なくとも1種である上記(1)又は(2)に記載の珪化バリウムバルク多結晶体。
(4) 多結晶体の重量が10g以上である上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の珪化バリウムバルク多結晶体。
(5) 元素金属の結晶相が検出されないことを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の珪化バリウムバルク多結晶体。
(6) 密度が3.0g/cm3以上である上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の珪化バリウムバルク多結晶体。
(7) クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)の元素からなる群の少なくとも1種の元素を含む珪化バリウム合金の粉末を600℃以上110℃以下でホットプレス処理するホットプレス工程を有する上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の珪化バリウムバルク多結晶体の製造方法。
(8) 上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の珪化バリウムバルク多結晶体からなるスパッタリングターゲット。
なお、ドープ元素含有量はICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)やEDS(エネルギー分散型X線分析)を用いて測定する。
本発明の製造方法は、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)の元素からなる群の少なくとも1種の元素を含む珪化バリウム合金の粉末を製造する際には、バリウム源、珪素源、及び、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)の元素からなる群の少なくとも1種の元素を含むドープ元素源を含む原料を合金化する合金化工程を有する方法が好ましい。合金化方法は特に限定はなく、極力酸素を含有させないような方法が好ましく、そのためには容器などに酸素を含有する機材をなるべく使用しない装置であるアーク溶解法が好ましい。アーク溶解法とは電極から放電させることで被処理物質を局所的に加熱し溶融する手法である。この方法は簡便に高温処理が可能となり、合金化工程として優れている。また、雰囲気制御もできるために、不活性ガス雰囲気中などで処理が可能であり、得られる合金の含有する酸素量をより低酸素量とすることが可能となる。例えば、バリウム源に金属バリウム、珪素源にシリコンを用いた場合、バリウムの融点が約700℃、シリコンの融点が約1400℃であることから、双方を均一に溶融するためにも、高速で昇温が可能であるアーク溶解炉は有効である。さらに、アーク溶解は高速でドープ元素も含めて溶融させる効果を有する。そのため、溶融状態で珪化バリウムのシリコン部分をドープ元素に置き換えることができ、キャリアを発生するようになる、すなわち、伝導率を向上させることが可能となる。
本発明の製造方法は、合金化工程で得られたドープ元素含有合金を粉砕する粉砕工程を有することが好ましい。この工程では、粉砕して粉末状とする。当該合金の酸素含有量を増加させないため、合金化工程から粉砕工程の間において、珪化バリウム合金、及びドープ元素含有合金は、不活性ガス、又は乾燥ガス雰囲気化に曝した状態であることが好ましく、粉砕も窒素、アルゴン等の不活性ガス、乾燥ガス雰囲気で行うことが好ましい。ドープ元素含有合金の粉末表面の酸化を防ぎ、酸素含有量を低く抑えることができるからである。粉砕は、乳鉢を使用する方法、ボールミルを使用する方法、ビーズミルを使用する方法を例示することができる。
(結晶性の確認方法)
XRD装置一般的な粉末X線回折装置(装置名:UltimaIII、リガク社製)を用いた。XRD測定の条件は以下のとおりである。
測定モード : 2θ/θスキャン
測定間隔 : 0.01°
発散スリット: 0.5deg
散乱スリット: 0.5deg
受光スリット: 0.3mm
計測時間 : 1.0秒
測定範囲 : 2θ=20°〜80°
XRDパターンの同定分析には、XRD解析ソフトウェア(商品名:JADE7、MID社製)を用いた。
(添加元素量の確認方法)
ICP−AESを用いて、元素分析を実施し、添加元素の含有率を計算した。
(酸素含有量の確認方法)
対象物を抽出炉に仕込み、ヘリウム気流中で直流電流をかけて3000℃まで昇温することで熱分解させ、酸素・窒素・水素分析装置(Leco社製)を用いて酸素量を熱伝導度法により測定した
(かさ密度の測定方法)
多結晶体の重量並びに寸法を測定することで密度を測定した。
まず先にバリウム、シリコンのみの当該混合物をアーク溶解し、珪化バリウム合金を作製した。すなわち、バリウム(純度99.9%)とシリコン粉末(純度5N 平均粒径2mm)を原子量比が1:2になるように混合し、当該混合物を100g秤量した。そして、銅製の水冷鋳型に混合物を約10gずつ投入し、真空処理後、アルゴンを封入し、100Aで3分間、アーク放電することで珪化バリウム合金を作製した。次に金属コバルトをバリウム、シリコン、コバルトの原子量の合計に対し4atm%となるように秤量し珪化バリウム合金に添加した後、放電を200mAの条件にしたこと以外は先と同じ条件で3分間アーク溶解を行なった。得られたコバルト含有珪化バリウム合金を、窒素ガス雰囲気下でメノウ乳鉢を用いて粉砕した。
Coの添加量を変更した以外は実施例1と同様の方法で珪化バリウムバルク多結晶体を作製した。多結晶体の組成、酸素含有量、かさ密度、結晶相を表1に示す。
添加物をFeに変更し添加量を変更した以外は実施例1と同様の方法で珪化バリウムバルク多結晶体を作製した。多結晶体の組成、酸素含有量、かさ密度、結晶相を表1に示す。
添加元素を加えない以外は実施例1と同様の方法で珪化バリウムバルク多結晶体を作製した。多結晶体の組成、酸素含有量、かさ密度、結晶相を表1に示す。
実施例1と同様の方法で作製したコバルト含有珪化バリウム粉末30gを50mmΦの金属製金型を用いて30MPaにて成型を行い、得られた珪化バリウム成型体を更に300MPaにて1分間CIP装置により加圧することによって得られたCIP成型体を、電気炉を用いて900℃1時間大気雰囲気焼成を行った以外は実施例1と同様の方法で作製した。割れのある多結晶体が得られ、多結晶体の組成、酸素含有量、結晶性のみ測定した。結果を表1に示す。
(参考例2)
バリウム、シリコンのみの当該混合物をアーク溶解し、珪化バリウム合金を作製した。すなわち、バリウム(純度99.9%)とシリコン粉末(純度5N 平均粒径2mm)を原子量比が1:2になるように混合し、当該混合物を100g秤量した。そして、銅製の水冷鋳型に混合物を約10gずつ投入し、真空処理後、アルゴンを封入し、100Aで3分間、アーク放電することで珪化バリウム合金を作製した。その後、珪化バリウム合金を窒素ガス雰囲気下でメノウ乳鉢を用いて粉砕後、コバルト(100メッシュ品)をバリウム、シリコン、コバルトの原子量の合計に対し4atm%となるように秤量した後に混合し作製したコバルト含有珪化バリウム合金粉末35gを50mmφのカーボン製の金型を用いてホットプレス処理を行なった。加熱前の真空度は0.1Paであった。200℃/hにて昇温し、最終的に900℃まで温度を増加させ、その際の加圧条件は900℃保持の際に40MPaまで上昇させ、保持時間1時間にてホットプレス処理を行った。降温は5時間で約50℃まで降温し、金型を取り出し、バルク多結晶体の回収を行なった。割れのある多結晶体が得られ、多結晶体の組成、酸素含有量、結晶性のみ測定した。結果を表1に示す。
Claims (8)
- クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)の元素からなる群の少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする珪化バリウムバルク多結晶体。
- 元素の総含有量が2atm%以上10atm%以下であることを特徴とする請求項1に記載の珪化バリウムバルク多結晶体。
- 元素がFe,Co,Niからなる群の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の珪化バリウムバルク多結晶体。
- 多結晶体の重量が10g以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の珪化バリウムバルク多結晶体。
- 元素金属の結晶相が検出されないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の珪化バリウムバルク多結晶体。
- 密度が3.0g/cm3以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の珪化バリウムバルク多結晶体。
- クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)の元素からなる群の少なくとも1種の元素を含む珪化バリウム合金の粉末を600℃以上110℃以下でホットプレス処理するホットプレス工程を有すことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の珪化バリウムバルク多結晶体の製造方法。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の珪化バリウムバルク多結晶体からなるスパッタリングターゲット。
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