JP2020045465A - 磁性塗料組成物、磁性塗料、磁性パテ及びこれらを用いた建装材 - Google Patents

磁性塗料組成物、磁性塗料、磁性パテ及びこれらを用いた建装材 Download PDF

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Abstract

【課題】壁紙や石膏ボードなどの建装材の表面に塗布することにより、磁石が吸着する白い室内壁面とすることができ、錆の発生も大幅に抑えられる、黒色ではなく白っぽい、少なくともネズミ色の軟磁性水性塗料の提供。【解決手段】平均粒子径が20μm以上の鉄粉100重量部と、平均粒子径が2μm以上かつ前記鉄粉の平均粒子径の1/10以下の亜鉛粉5〜30重量部とを主成分とする混合粉体を、酸化チタンを白色顔料として含む水性樹脂塗料に分散することにより、白色磁性塗料組成物となる。前記組成物には、水性樹脂塗料100重量部に対して半水石膏の5〜30重量部を、最後に添加・混合してもよい。該水性磁性塗料を表面に具備した内装材は、白っぽい色で磁石が吸引する壁面となり、錆に対して強い抵抗を示す。【選択図】図2

Description

本発明は、軟磁性粉を分散・含有させた磁性塗料組成物であり、永久磁石が吸着すると共に白い磁性塗料なので、建装材表面に塗布して白い磁性内装材として採用される。
建材や建装材に軟磁性を付与する技術は、軟磁性材を後から積層したり貼り付けたり、あるいは軟磁性塗料を塗装する方法の他、建材や建装材そのものに磁性を持たせる方法等がある。
さらに、軟磁性材は一般に黒い色をしていて、建材や建装材は黒い色になってしまい、内装材としては好ましく無い場合が多かった。そこで、黒い軟磁性材の上に再度塗装、又は表装シートを貼る必要があった。
他方で、最も一般的な軟磁性材は鉄粉であるが、安価で安定して確保できる還元鉄粉は、水分に拠って錆びるという致命傷があった。
例えば特許文献1に示されている様に、鉄粉を分散させた水溶性樹脂塗料の防錆は、鉄よりイオン化傾向が大きな金属を混合することが提案されている。
しかし、特許文献1は、液体の水に接した状態あるいは浸漬されるという過酷な試験を実施すると、やはり錆の発生が認められ長期な信頼性に欠ける。
その塗料の色は黒く、内装材に塗布乾燥後塗装等の仕上げが無ければ、そのまま内装材として使用するには不向きであった。
特開2013−203867号公報
上記課題に鑑み本発明は、黒色では無く白っぽい、少なくともネズミ色の軟磁性塗料であって、液体の水に接し続けるかあるいは水中に浸漬するという過酷な条件でも、錆の発生を大幅に抑えられる軟磁性水性塗料を提供する。
本発明の軟磁性塗料を壁紙や石膏ボードなどの表面に塗布すれば、磁石が吸着する白い室内壁面を確保できる。
本発明は、平均粒子径が20μm以上の鉄粉100重量部と、平均粒子径が2μm以上かつ前記鉄粉の平均粒子径の1/10以下の亜鉛粉5〜30重量部とを主成分とする混合粉体を、酸化チタンを白色顔料として含有する水性樹脂塗料に分散させた組成物とする。
より好ましくは、前記鉄粉の重量は水性樹脂塗料バインダーの重量の2〜5倍である。
また、鉄粉の重量が水性樹脂塗料の重量の2倍より低いと、磁性石膏層内の鉄粉の比率が低く、磁気吸着力が弱くなってしまう。
他方で、5倍より高いと相対的に樹脂バインダーの量が少なくなり、鉄粉間をつなぐバインダーとしての役割が果せなくなってしまう。
前記鉄粉が還元鉄粉であることはより好ましい。還元鉄粉は安価であるとともに、その形状が本発明にとって好ましい。すなわち、粉体形状に鋭利な角が無く丸っぽいので、石膏や亜鉛粉、及び他の粉体と水とのスラリーを形成した際の流動性が良く、混合性が良く、塗布する場合にも好都合である。
さらに、還元鉄粉表面の凹凸部に樹脂バインダーが絡みつき、あるいはアンカー効果をもたらして機械的強度の確保に好都合である。
前記組成物は、ハードフェライト粉、ソフトフェライト粉、四三酸化鉄粉の群から選ばれる1種又は複数の磁性粉が添加されていても良い。上述した3種類の磁性粉は、錆びることが無く、かつ永久磁石を引き付ける。そして、比較的大きな粒径の鉄粉の隙間を埋めるので、好適である。
本発明の組成物は、水性樹脂塗料に亜鉛粉を加えて混合しておき、その後鉄粉を加えて混合された磁性塗料組成物がより好ましい。
また、亜鉛粉を加えた水性樹脂塗料に鉄粉を加えるに当って、大気圧より低い気圧の環境下で実施されてなる磁性樹脂塗料がより好ましい。
本発明の磁性塗料組成物に、半水石膏を添加しても良い。半水石膏は、水性樹脂塗料100重量部に対して5〜30重量部が好ましい。
半水石膏は添加・混合の最後に行なうと、作業可能な時間を最も長く確保することができる。
添加され半水石膏が再結晶して針状又は棒状の2水石膏になる際、還元鉄粉の凹凸や塗布された建装材表面の繊維や凹凸と絡んで好適である。
本発明の水性軟磁性樹脂塗料を既存の壁、壁紙などの上に塗布すれば、磁石を吸着する白い壁面が完成する。
石膏ボードや合板などの建装材表面に塗布すれば、磁石を吸引する白い内装材となる。
本発明によれば、一般的な任意の建装材表面、壁面などに塗装可能な磁性塗料を提供することができる。塗装により、磁石が吸着可能な白い、少なくともネズミ色の壁面が出現する。この磁性塗料は水性であり、取り扱いが容易であり、ホルムアルデヒドの放散が無い。
本発明の実施例1の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させた層の断面電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例2の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させた層の表面の電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例1及び実施例2で採用した亜鉛粉末の電子顕微鏡写真である。 本発明の比較例1の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させた層の断面の電子顕微鏡写真である。 本発明の比較例2の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させた層の表面の電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例1の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させ、乾燥させたものを、水道水に略150〜160時間浸漬させた磁性層表面の電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例2の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させ、乾燥させたものを、水道水に略150〜160時間浸漬させた磁性層表面の電子顕微鏡写真である。 本発明の比較例1の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させ、乾燥させたものを、水道水に略150〜160時間浸漬させた磁性層表面の電子顕微鏡写真である。 本発明の比較例2の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させ、乾燥させたものを、水道水に略150〜160時間浸漬させた磁性層表面の電子顕微鏡写真である。 図9の視野の中の下段中央のやや左部分を、撮影モードを『標準』から『影付き』へ変更して、倍率を上げて撮影した写真である。 実施例1の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させ、乾燥させたものを、水道水に略20〜22時間浸漬させた磁性層表面の写真である。 比較例1の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させ、乾燥させたものを、水道水に略20〜22時間浸漬させた磁性層表面の写真である。 実施例1の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させ、乾燥させたものを、水道水に略70時間浸漬させた磁性層表面の写真である。 比較例1の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させ、乾燥させたものを、水道水に略70時間浸漬させた磁性層表面の写真である。 実施例2の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させ、乾燥させたものを、水道水に略96時間浸漬させた磁性層表面の写真である。 実施例1の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させ、乾燥させたものを、水道水に略150〜160時間浸漬させた磁性層表面の写真である。 比較例1の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させ、乾燥させたものを、水道水に略150〜160時間浸漬させた磁性層表面の写真である。 実施例2の磁性塗料を、紙表面に塗布・硬化させ、乾燥させたものを、水道水に略150〜160時間浸漬させた磁性層表面の写真である。 「市販の壁材」と「市販されている他の壁材」と「本発明の実施例2で作成した壁材」の白さの具合を比較した写真である。
本発明は、白くて磁石を吸引する軟磁性樹脂塗料組成物であって、錆に強く、建装材に塗布することでもって、そのまま内装材として使用することが可能である。
また、本発明の軟磁性樹脂塗料組成物を軟磁性水性塗料や軟磁性水性パテに含ませると、黒色では無く白っぽい、少なくともネズミ色の、錆の発生も大幅に抑えられる軟磁性水性塗料や軟磁性水性パテとなる。
本発明の軟磁性樹脂塗料組成物は、広く採用されている石膏ボード、加工木材、壁紙などの建装材に塗装することができる。
また、同様に、本発明の軟磁性樹脂塗料組成物を含む軟磁性水性塗料は、広く採用されている石膏ボード、加工木材、壁紙などの建装材に塗装することができる。
以下実施例でもって説明する。
<実施例1>
白色顔料として酸化チタンを10〜20重量%含む白色水性樹脂塗料(株式会社アサヒペンが販売;水性多用途EX)5cc(約6グラム)に亜鉛粉(銘柄はF末。粒子径3〜5ミクロン。ハクスイテック株式会社が販売。)2グラムの割合で投入して撹拌した。その後、還元鉄粉(銘柄はDR−C2、平均粒子径は75ミクロン以上程度、DOWA IP CREATION社製)を20グラムの割合で加えて撹拌した。
以下の実施例及び比較例の各組成の数値は、実施例1と同様、何れも相対的な比率で表わすこととする。
次に厚紙の上に、0.3mm、0.6mm、又は0.7mm程度のクリアランスで塗り付けた。その後、室温が30〜35℃の室内で2〜3日間放置して乾燥させた。
ハサミでカットした断面の電子顕微鏡写真を図1に示す。
鉄粉に樹脂塗料が絡み付き、鉄粉同士、及び紙繊維に絡み付いている。そして、小さな亜鉛粒子が散在している。
<実施例2>
実施例1と同様の手順で各組成を混合し、厚紙の上に塗りつけてサンプルを得た。
ただし、塗料5ccに水道水を2cc加えて混合し、その後亜鉛粉2グラムを加えた。鉄粉を加えて混合後、焼き石膏(家庭化学工業社製高級工作石膏)を0.5グラム加えて混合し、比較的粘度が高い組成物を実施例1と同様に厚紙の上に塗り付けた。
実施例1と同様に乾燥後、磁性層表面を撮影した電子顕微鏡写真を図2に示す。
実施例1と同様に、樹脂塗料が鉄粉に絡み付いて覆い、鉄粉どうしを強固につないでいる。
亜鉛粉が散在し、石膏と思われる結晶が観察できる。
使用した亜鉛粉の電子顕微鏡写真を図3に示す。
<比較例1>
亜鉛粉の添加を零としたこと以外は実施例1と同様にして、厚紙の上に組成物を塗り付け、乾燥した。
磁性層の断面の電子顕微鏡写真を図4に示す。亜鉛粉が存在しないこと以外は、実施例1の図1と同様であった。
<比較例2>
実施例2と同様の手順で組成物を得て、厚紙の上に塗料を塗り付けた。
ただし、加える水道水は3.5ccとし、亜鉛粉はゼロとし、焼き石膏を5グラムとした。
磁性層表面の電子顕微鏡写真を図5に示す。
以上の実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2の組成を表1に示す。
上述した実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2の試験片の一部を切り取り、それぞれはプラスチック製のコップに入れられた水道水の中に完全に浸漬させた。これらの試験片は、当該組成物がそれぞれ厚紙に塗り付けられ、乾燥している。
これらのコップは、室温が30〜35℃のエアコンの無い室内に放置し、錆の発生状況を肉眼で観察すると共に、一部を写真に撮った。この観察結果は表2に示している。
また、磁性層の表面の電子顕微鏡写真を撮った。
図A(a)は、実施例1のサンプルを略20時間水に浸漬した後の写真である。肉眼上全く変化が無い。他方で、図A(b)は、同条件下の比較例1のサンプルである。
同様に、図Bは実施例1の略70時間後で、よく観察すると錆が認められるが、写真では判らない。同様に図Cは比較例1の略70時間後であるが、錆は進行している。
図Dは、実施例2のサンプルを略96時間浸漬させた後の写真である。肉眼上でも、写真で見ても、両方とも錆と断定できる変化は認め難い。
図E(a)は、実施例1の略160時間後である。一部に錆が目立ち始めている。
図E(b)は、比較例1の同様の時間後である。肉眼で見れば赤褐色の錆が全面を覆っているが、写真でもその状態が示されている。
図Fは、実施例2の、略150時間後の写真である。赤褐色の錆は殆ど目立たない。
図6は、実施例1のサンプルを水道水に略160時間浸漬後の磁性層表面の電子顕微鏡写真である。磁性層表面が斑に変質していることは明らかだが、褐色の錆と考えられる部分が視野の中に数箇所以上認められる。砂状物がモクモクと盛り上がっている様に見える部分である。
図7は、実施例2のサンプルを水道水に略150時間浸漬後の磁性層表面の電子顕微鏡写真である。磁性層表面の変質は実施例1の図6より少ない。また、砂状物が盛り上がっている状態は観察されなかった。
図8は、比較例1のサンプルの略160時間浸漬後の磁性層表面の電子顕微鏡写真である。視野の大部分が砂状物の盛り上がりで覆われている。肉眼で見れば、ほぼ全域が赤褐色となっている。
図9は、比較例2のサンプルを、略150時間水に浸漬した後の磁性層表面の電子顕微鏡写真である。同視野の中央下段のヤヤ左の部分を5倍拡大し、撮影モードを『標準』から『影付き』へ変更した電子顕微鏡写真が図10である。図10からは、砂状物の盛り上がりが全面に広がっていることがわかる。
比較例2のサンプルの錆の発生は激しく、実施例との差があまりに大きいので比較の光学写真を撮っていないが、この電子顕微鏡写真から、最も錆び易く、錆が進行していることが明らかである。
本発明の組成物に、ハードフェライト粉、ソフトフェライト粉、及び四三酸化鉄の群から選ばれる1種以上の磁性粉を添加しても良い。
「錆びない」という特徴に加えて、比較的大きな粒径である鉄粉間の隙間を埋めることが可能なので、好適である。
添加量は、鉄粉100重量部に対して30部以下、より好ましくは20部以下がよい。
これを越えると、金属鉄の磁気吸着力に比べて低い磁性成分が無視出来なくなり、低下してしまうからである。
本発明の組成物は組成を加える順序が重要である。本発明では安価で安定して入手できる還元鉄粉を採用するが、還元鉄粉は表面に凹凸が多く且つ氷河のクレパスのような深く狭い空間が存在する。その部分に液体状の水が接触し満たされると、直ちに酸化反応、すなわち錆の発生が開始される。その後から鉄よりイオン化傾向が強い亜鉛が添加されても、亜鉛イオンの到達・作用が遅れるのである。
そこで、少なくとも鉄粉を添加する前に、亜鉛粉を水性塗料に添加すると良い。
鉄粉を添加するに際して、大気圧より低い気圧下、即ち減圧下で、亜鉛粉を添加済みの水性塗料に鉄粉を加えることが好ましい。
還元鉄粉の空僻などの空気が殆ど除去されるので、奥深い凹み部分にまで塗料樹脂が行き渡り、また亜鉛粉が該部分の近傍に散在することができる。
半水石膏(例えば焼き石膏)を組成物に添加する場合は最後が良い。
2水石膏として再結晶を開始すると粘度が上昇し、あるいはパサパサとなり、あるいは塗布が出来なくなってしまう。そこで、半水石膏の添加は塗料として使用する直前が良い。組成物の可使時間を長くする目的で少量の薬剤を加えても良い。
本発明の実施例では、市販されている白色水性樹脂塗料をベース塗料として採用した。
この塗料は、アクリル樹脂系のエマルジョン型の水性塗料であるが、本発明がこの塗料に限定されることは無い。
ただし、顔料としての酸化チタンは必須である。白さを増すために酸化チタンの添加量をふやしても良い。酸化チタンの添加量を25%から30%まで増やしても、本発明の組成物からなる磁性層の磁気吸着力の低下は少ない。
本発明は、磁性塗料そのものが白いことに特徴がある。
日本電色工業(株)の簡易型分光色差計NF−333で測定した、明るさを表すL*(最大は100)は、図Gの「市販の壁材1」が63.12、「市販されている他の壁材2」のL*は78.82である。「市販の壁材1」と「本発明の実施例2で作成した壁材3」を肉眼で観察し比較すると、「本発明の実施例2で作成した壁材3」は「市販の壁材1」とほぼ同じ明るさを有していた。このことから、おそらく「本発明の実施例2で作成した壁材3」のL*は「市販の壁材1」と同等の63程度と考えられる。
本発明では還元鉄粉を採用するが、還元鉄粉の粒径が20μmより小さいと高価であり、採用出来ない。粒径が大きいことは本発明には重要では無いが、本発明の組成物を塗料として塗布した後の表面の粗さが許容される範囲を考慮して決定する。
鉄粉と亜鉛粉のそれぞれの粒経、及び重量比は重要である。それは亜鉛イオンによる防錆効果が有効になるか否かを支配していると考えられる。
鉄粉と亜鉛粉とのそれぞれの総表面積の比が重要であるが、鉄粉と亜鉛粉がバインダー中に散在することも必要であると考えられる。
また、図1及び図2の視野を詳細に観察すると、亜鉛粉はランダムに分布していて、さらに局部的には濃淡がある。しかし、表2や光学写真から、防錆効果があることが判る。亜鉛粉は鉄粉の表面にのみ存在している訳では無く、見かけ上の写真での面積は鉄粉の1/10をはるかに下回っている。
実施例2の組成物は実施例1に較べて水分が略1.8倍に増え、焼き石膏が添加されている。該焼き石膏0.5グラムが再結晶する際に新たに取り込む水は理論上、約0.1グラムに過ぎない。実施例2の様に過剰な水分は、組成物の粘度を考慮して決められるが、しかし、表2から明らかな様に、実施例1に比べて明らかに防錆性が高いことがわかる。
期待した以上の防錆効果は、石膏、鉄、亜鉛、そして塗料樹脂などが何か特別な作用をもたらした結果だと考えられる。
一方、再結晶して生成する2水石膏は紙の繊維に絡み合い、そして還元鉄粉表面の凹凸に絡んで、塗料の樹脂成分共々、塗装部の機械強度を強めている。
本発明の水性の磁性樹脂塗料は、コーター塗りやコテ塗りが可能である。また、パテとしての用途に採用することができる。
本発明は、永久磁石を自在に吸着させることが可能な磁性表面を具備する建材・建装材に適用することができる。その磁性表面は、白く且つ錆に強い抵抗を持っている。
1 市販の壁材
2 市販されている他の壁材
3 本発明の実施例2で作成した壁材

Claims (13)

  1. 平均粒子径が20μm以上の鉄粉100重量部と、平均粒子径が2μm以上かつ前記鉄粉の平均粒子径の1/10以下の亜鉛粉5〜30重量部とを主成分とする混合粉体を、酸化チタンを白色顔料として含有する水性樹脂塗料に分散した磁性塗料組成物。
  2. 前記鉄粉の重量は水性樹脂塗料の重量の2〜5倍である請求項1の磁性塗料組成物。
  3. 前記鉄粉は還元鉄粉である請求項1又は請求項2の磁性塗料組成物。
  4. ハードフェライト粉、ソフトフェライト粉、四三酸化鉄粉、の群から選ばれる1種又は複数の磁性粉が添加されている請求項1から請求項3までのいずれかの磁性塗料組成物。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかの磁性塗料組成物に半水石膏を添加した磁性塗料組成物。
  6. 前記半水石膏は水性樹脂塗料100重量部に対して5〜30重量である請求項1から請求項5までのいずれかの磁性塗料組成物。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかの磁性塗料組成物を含有する磁性塗料。
  8. 請求項1から請求項6までのいずれかの磁性塗料組成物を含有する磁性パテ。
  9. 請求項1から請求項6までのいずれかの磁性塗料組成物を塗布した建装材。
  10. 請求項7の磁性塗料を塗布した建装材。
  11. 水性樹脂塗料に亜鉛粉を加えて混合する工程と、亜鉛粉が混合された水性樹脂塗料に鉄粉を加えて混合する工程とを含む磁性塗料組成物の製造方法。
  12. 水性樹脂塗料に亜鉛粉を加えて混合する工程と、亜鉛粉が混合された水性樹脂塗料に鉄粉を加えて混合する工程と、半水石膏を添加し混合する工程とを含む磁性塗料組成物の製造方法。
  13. 亜鉛粉が混合された水性樹脂塗料に鉄粉を加えて混合する工程は減圧状態である請求項11又は請求項12の磁性塗料組成物の製造方法。
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