JP2011057942A - 水性防錆塗料 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、水性防錆塗料を塗装してからその水性防錆塗料が乾燥塗膜となるまでの間の錆の発生を抑制できる水性防錆塗料を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の水性防錆塗料は、合成樹脂エマルションとジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩とを含有する水性防錆塗料であって、B形粘度計で回転数2rpm、塗料温度23℃の条件下で測定した粘度が10000〜200000mPa・sであり、且つTi値(塗料温度23℃で回転数2rpmにおける粘度/塗料温度23℃で回転数20rpmにおける粘度)が3〜15であることを特徴とする。なお、ノニルナフタレンスルホン酸の金属塩の中でも、前記金属が周期表第2族元素であるものが好ましく、前記金属がバリウムであるジノニルナフタレンスルホン酸バリウムが特に好ましい。
【選択図】なし
本発明は、水性防錆塗料を塗装してからその水性防錆塗料が乾燥塗膜となるまでの間の錆の発生を抑制できる水性防錆塗料を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の水性防錆塗料は、合成樹脂エマルションとジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩とを含有する水性防錆塗料であって、B形粘度計で回転数2rpm、塗料温度23℃の条件下で測定した粘度が10000〜200000mPa・sであり、且つTi値(塗料温度23℃で回転数2rpmにおける粘度/塗料温度23℃で回転数20rpmにおける粘度)が3〜15であることを特徴とする。なお、ノニルナフタレンスルホン酸の金属塩の中でも、前記金属が周期表第2族元素であるものが好ましく、前記金属がバリウムであるジノニルナフタレンスルホン酸バリウムが特に好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、鉄鋼等の金属の錆の発生を防止する防錆塗料であって、結合材として合成樹脂エマルションを用いた水性防錆塗料に関するものである。
従来、建築物や土木構造物等に用いられる鋼材の錆の発生を防止する防錆塗料のほとんどがシンナーを希釈剤とする溶剤塗料であったため、揮発した溶剤が大気中へ放出されることが大気汚染の原因の一となっていた。
これらの問題を解決するために、安全性の高い防錆塗料として、合成樹脂エマルション結合材として含有する水性防錆塗料が提案されている。
水性防錆塗料としては、例えば、下記の特許文献1、特許文献2などがある。
特許文献1には、水性樹脂エマルションと水溶性シランカップリング剤を含む水性結合剤溶液中に有効量の金属アルミニウム粉末を含む鱗片状亜鉛粉末を防錆顔料として分散させた水性金属防錆塗料が記載されている。
特許文献1には、水性樹脂エマルションと水溶性シランカップリング剤を含む水性結合剤溶液中に有効量の金属アルミニウム粉末を含む鱗片状亜鉛粉末を防錆顔料として分散させた水性金属防錆塗料が記載されている。
特許文献2には、合成樹脂エマルションを主成分とする水系塗料用ビヒクルに、水溶液中のトリポリリン酸ナトリウムと水可溶性多価金属塩との水難溶性反応生成物よりなる防錆顔料組成物を分散させてなる水系防錆塗料が記載されている。
また、防錆剤としてジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩を含有する組成物として、特許文献3などがある。
特許文献3には、石油スルホン酸カルシウムとジノニルナフタレンスルホン酸バリウムが10:35〜20:45重量比で混合された防錆添加剤を含有する防錆ワックス組成物が記載されている。
特許文献3には、石油スルホン酸カルシウムとジノニルナフタレンスルホン酸バリウムが10:35〜20:45重量比で混合された防錆添加剤を含有する防錆ワックス組成物が記載されている。
合成樹脂エマルションを塗膜形成成分とし、ジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩を防錆剤として含有する水性防錆塗料は、錆の発生要因となる水を含有するため、金属に塗装された水性防錆塗料中に水が存在する期間、即ち水性防錆塗料を塗装してからその水性防錆塗料が乾燥塗膜となるまでの間に錆が発生しやすく、乾燥塗膜が錆色になるという問題点があった。
本発明者は、前記水性防錆塗料を塗装してからその水性防錆塗料が乾燥塗膜となるまでの間の錆の発生を抑制することができる塗料を得るために鋭意、改良を重ね、水性防錆塗料の粘度とTi値を調整することで錆の発生を抑制することができることを見出し、本発明に至った。
本発明は、水性防錆塗料を塗装してからその水性防錆塗料が乾燥塗膜となるまでの間の錆の発生を抑制できる水性防錆塗料を提供することを目的とする。
前記課題を解決した本発明の水性防錆塗料は、合成樹脂エマルションとジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩とを含有する水性防錆塗料であって、該塗料が、B形粘度計で回転数2rpm、塗料温度23℃の条件下で測定した粘度が10000〜200000mPa・sであり、且つTi値(塗料温度23℃で回転数2rpmにおける粘度/塗料温度23℃で回転数20rpmにおける粘度)が3〜15であることを特徴とする。
なお、ジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩として、前記金属が周期表第2族元素であるジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩を含有していることが好ましく、前記金属がバリウムであるジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩を含有していることが特に好ましい。
本発明の水性防錆塗料は、水性防錆塗料を塗装してからその水性防錆塗料が乾燥塗膜となるまでの間の錆の発生を抑制することができる。
また、ジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩の金属が周期表第2族元素であればより防錆性に優れ、この金属がバリウムであれば特に防錆性に優れる。
本発明の水性防錆塗料は、合成樹脂エマルションとジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩とを含有し、B形粘度計で回転数2rpm、塗料温度23℃の条件下で測定した粘度が10000〜200000mPa・sであり、且つTi値(塗料温度23℃で回転数2rpmにおける粘度/塗料温度23℃で回転数20rpmにおける粘度)が3〜15であることを特徴とする。
粘度及びTi値がこの範囲にあることで、初期錆の発生を抑制することができる。
なお、本明細書において、初期錆とは、水性防錆塗料を塗装してからその水性防錆塗料が乾燥塗膜となるまでの間に発生する錆のことをいう。
なお、本明細書において、初期錆とは、水性防錆塗料を塗装してからその水性防錆塗料が乾燥塗膜となるまでの間に発生する錆のことをいう。
前記合成樹脂エマルションは、前記水性防錆塗料の結合材となるものであって、乾燥、硬化することで塗膜を形成できる成分である。なお、合成樹脂エマルションの合成樹脂は任意に設定することができる。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2以上を混合して用いても良い。また、これらを構成するモノマーを共重合させて用いても良い。
前記合成樹脂エマルションの合成樹脂はアクリル樹脂又はシリコーン樹脂およびこれらの共重合樹脂であることが好ましい。合成樹脂がアクリル樹脂又はシリコーン樹脂およびこれらの共重合樹脂であることにより、水性防錆塗料によって形成される塗膜が耐候性に優れたものとなる。そのため、例えば、防錆塗膜の保護のために設けた上塗塗膜が剥がれて防錆塗膜が露出した場合、或いは上塗塗膜を設けなかった場合でも防錆塗膜の劣化を抑制することができ、防錆性能を維持することができる。
また、前記合成樹脂エマルションの合成樹脂のガラス転移点(Tg)は、−20〜40℃が好ましく、−10〜30℃がより好ましく、0〜20℃が特に好ましい。ガラス転移点がこの範囲にあるとき、柔軟で強靭な塗膜を形成することがでる。ガラス転移点が高すぎる場合には、塗膜が硬すぎて、水性防錆塗料を塗装した金属の熱膨張に塗膜が追従できずに、塗膜にクラックが入ってしまう場合がある。逆に、ガラス転移点が低すぎる場合には、塗膜が軟らかすぎて、塗膜表面に外力が加わった場合に塗膜が変形してしまうおそれがある。
前記ジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩は、錆の発生を抑える防錆剤である。ジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩としては、ジノニルナフタレンスルホン酸亜鉛、ジノニルナフタレンスルホン酸カルシウム、ジノニルナフタレンスルホン酸バリウム、ジノニルナフタレンスルホン酸マグネシウム、ジノニルナフタレンスルホン酸リチウム、ジノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジノニルナフタレンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
ジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩を防錆剤として用いることで、防錆性に優れた水性防錆塗料を得ることができる。また、ジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩は前記合成樹脂エマルションと容易に混合することができる。また、ジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩は界面活性剤としても作用し、水性防錆塗料に酸化チタン等の着色顔料や体質顔料を分散させやすくなるため、水性防錆塗料に添加する界面活性剤の量を減らすことができ、耐水性等の塗膜物性を向上させることができる。
ジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩の中でも、前記金属が周期表第2族元素であるものが好ましく、前記金属がバリウムであるものが特に好ましい。なお、前記金属が周期表第2族元素のものとしては、入手が容易なことから、ジノニルナフタレンスルホン酸マグネシウム、ジノニルナフタレンスルホン酸カルシウム、ジノニルナフタレンスルホン酸バリウムを用いることが好ましい。
前記金属が周期表第2族元素であればより防錆性に優れた水性防錆塗料が得られ、前記金属がバリウムであれば特に防錆性に優れた水性防錆塗料が得られる。
前記金属が周期表第2族元素であればより防錆性に優れた水性防錆塗料が得られ、前記金属がバリウムであれば特に防錆性に優れた水性防錆塗料が得られる。
前記水性防錆塗料における前記ジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩の含有量は、水性防錆塗料の固形分100質量部に対して、1〜6質量部であることが好ましく、1.5〜5質量部であることがより好ましく、2〜3.5質量部であることが特に好ましい。含有量がこの範囲にあれば、防錆性能に優れた水性防錆塗料を得ることができる。前記含有量が少なすぎると、水性防錆塗料に十分な防錆性能をもたせることができない。逆に、前記含有量が多すぎると、水性防錆塗料によって形成される塗膜の耐水性等の物性が低下し、塗膜の防錆性能が低下してしまう。
なお、本発明の水性防錆塗料には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて通常の塗料用添加剤、水性防錆塗料等を含有させることができる。例えば、増粘剤等の粘性調整剤、分散剤、消泡剤、造膜助剤、湿潤剤、凍結防止剤、着色顔料、体質顔料、架橋剤、酸化防止剤、レベリング剤、シランカップリング剤等が挙げられる。
水性防錆塗料の粘度及びTi値は、これらの添加剤の種類や添加量に影響を受ける。特に、粘性調整剤による影響が大きく、粘性調整剤の種類や添加量の選択・設定によって、粘度及びTi値を調整することができる。
粘性調整剤としては、例えば、水溶性ケイ酸アルカリ、モンモリロナイト、コロイド状アルミナ等の無機系化合物、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素誘導体系化合物、プルロニックポリエーテル、ポリエーテルジアルキルエステル、ポリエーテルジアルキルエーテル、ポリエーテルウレタン変性物、ポリエーテルエポキシ変性物等のポリエーテル系化合物、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリアクリル酸系化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルベンジルアルコール共重合物等のポリビニル系化合物、カゼイン酸ソーダ、カゼイン酸アンモニウム等のタンパク質誘導体、ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合物の部分エステル、乾性油脂肪酸アリルアルコールエステル−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記水性防錆塗料に必要な粘性調整剤の種類や添加量は、前記合成樹脂エマルションの種類や粘性調整剤以外の添加剤や充填材の種類や添加量、塗料中の水の含有率等にも影響を受ける。従って、粘性調整剤の種類や添加量は適宜選択・設定すればよいが、水性防錆塗料に配合する合成樹脂エマルション中の合成樹脂成分100質量部に対して0.5〜10質量部の範囲の添加量で粘性調整剤の種類を調整すれば、下記の粘度及びTi値の水性防錆塗料を得ることができる。
前記水性防錆塗料の粘度及びTi値は、B形粘度計で回転数2rpm、塗料温度23℃の条件下で測定した粘度が10000〜200000mPa・sであり、且つTi値が3〜15であることが好ましい。粘度及びTi値がこの範囲にあることによって、初期錆の発生を抑えることができる。
なお、本明細書におけるTi値とは、B形粘度計を用いて、塗料温度23℃で回転数2rpmにおける粘度と、塗料温度23℃で回転数20rpmにおける粘度とを測定し、「Ti値=“2rpmにおける粘度/20rpmにおける粘度”」の計算式によって求めた値である。
なお、本明細書におけるTi値とは、B形粘度計を用いて、塗料温度23℃で回転数2rpmにおける粘度と、塗料温度23℃で回転数20rpmにおける粘度とを測定し、「Ti値=“2rpmにおける粘度/20rpmにおける粘度”」の計算式によって求めた値である。
Ti値が前記の範囲にあれば、初期錆の発生を抑制することができる。Ti値が小さすぎると、初期錆が発生しやすい。逆に、Ti値が大きい水性防錆塗料は、初期錆の発生は抑制できるものの、所定のTi値をもつ塗料を得るために水性防錆塗料に添加する粘性調整剤等の添加剤の量が多くなってしまい、水性防錆塗料によって形成される塗膜の耐水性等の物性が低下し、塗膜の防錆性能が低下してしまう。また、Ti値が大きすぎると、水性防錆塗料を均一な厚みに塗装することが困難となり、均一に塗装できない場合には塗装の厚みが薄くなった部分に初期錆が発生しやすい。
また、Ti値が前記範囲にあっても、前記回転数2rpm、塗料温度23℃の条件下で測定した粘度が低すぎると、水性防錆塗料を十分な厚みに塗装することが困難となり防錆性に優れた塗膜を得難く、また、初期錆が発生しやすい。逆に、Ti値が前記範囲にあるときに前記粘度が高すぎると、水性防錆塗料を均一な厚みに塗装することが困難であり、均一に塗装できない場合には塗装の厚みが薄くなった部分に初期錆が発生しやすい。
なお、初期錆の発生を抑えるためには、より好ましい粘度及びTi値は、B形粘度計で回転数2rpm、塗料温度23℃の条件下で測定した粘度が30000〜150000mPa・sであり、且つTi値が4〜10である。
以上のように構成された水性防錆塗料は、基材となる金属又は合金に塗装することで、基材に錆が発生するのを防止できる。基材は任意に設定することができ、例えば、H形鋼材、角形鋼材、丸形鋼材、L形鋼材、線鋼材、鋼板等が挙げられる。また、鉄鋼に限らず、アルミニウム等の他の金属でも良く、ステンレス、トタン等の合金でも良い。基材は、金属又は合金であれば、その用途、形状等は特に限定されない。
前記水性防錆塗料は基材に直接塗装しても良いし、亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき等のめっき処理をした後に塗装しても良い。また、基材の表面をショットブラスト、ケレン、サンディング等の処理をしてから塗装しても良い。
前記水性防錆塗料は、通常の塗装に用いる方法で塗装すればよく、例えば、刷毛、スプレー、ロールコーター、フローコーター等の塗装機、ハケ、多孔質ローラー、ウールローラー、鏝等を用いて塗装すればよい。
前記水性防錆塗料の乾燥条件は、自然乾燥に限らず、電熱器やヒーターなどによって環境を高温にして乾燥時間を早める強制乾燥でも良い。また、乾燥時間も乾燥条件によって任意に設定することができる。
なお、前記水性防錆塗料の塗装厚みは、乾燥後の塗膜の厚みが好ましくは50〜1000μmであり、より好ましくは80〜500μmであり、特に好ましくは100〜300μmである。乾燥後の塗膜の厚みがこの範囲にあるとき、防錆性に優れた防錆塗膜を得ることができる。塗膜の厚みが薄すぎる場合には十分な防錆性をもつ塗膜が得られない場合がある。逆に、塗膜の厚みが厚すぎると、乾燥塗膜によって十分な防錆性は得られるものの水性防錆塗料が乾燥して塗膜を形成する際の乾燥が遅くなり、初期錆が発生しやすい。塗膜の厚みが1000μm以下でも十分な防錆性が得られるので、塗膜の厚みは1000μm以下であることが好ましい。
基材に水性防錆塗料を塗装した後には、任意の上塗塗料を塗装してもよい。上塗塗料は基材を希望する仕上がりにすることができる塗料を適宜選択すればよい。また、上塗塗料の塗装厚みは、使用する塗料に応じて適宜設定すればよい。
以下に水性防錆塗料の実施例および比較例を示す。
実施例および比較例としての水性塗料(色調:白)を製造し、これらの塗料を鉄板に塗装して初期錆の発生の状況を評価した。
実施例および比較例としての水性塗料(色調:白)を製造し、これらの塗料を鉄板に塗装して初期錆の発生の状況を評価した。
初期錆の発生の評価は以下の手順で行った。
まず、15cm×20cmの鉄板の表面を電動工具(サンダー)を用いてケレンし、脱脂したものを基材とした。
まず、基材を2枚準備し、気温23℃、湿度80%の環境下で、基材の表面に水性塗料を乾燥後の膜厚が200μm程度になるように刷毛で塗装した。
水性塗料を塗装して直ぐに、塗装した2枚の基材のうち、片方は塗装面を水平にして設置し、もう片方は塗装面を垂直にして設置し、気温23℃、湿度80%の環境下で2日間養生した。
まず、15cm×20cmの鉄板の表面を電動工具(サンダー)を用いてケレンし、脱脂したものを基材とした。
まず、基材を2枚準備し、気温23℃、湿度80%の環境下で、基材の表面に水性塗料を乾燥後の膜厚が200μm程度になるように刷毛で塗装した。
水性塗料を塗装して直ぐに、塗装した2枚の基材のうち、片方は塗装面を水平にして設置し、もう片方は塗装面を垂直にして設置し、気温23℃、湿度80%の環境下で2日間養生した。
その後、試験体の錆の発生の有無を確認し、以下の基準で評価した。
○:錆の発生なし。
△:試験体の表面に直径1mm未満の点状の錆色の斑点模様が1〜5個所みられた。
×:試験体全体に錆が発生し、塗膜が錆色になった、又は塗膜に錆色の斑点模様が多数みられた。
○:錆の発生なし。
△:試験体の表面に直径1mm未満の点状の錆色の斑点模様が1〜5個所みられた。
×:試験体全体に錆が発生し、塗膜が錆色になった、又は塗膜に錆色の斑点模様が多数みられた。
実施例1〜13及び比較例1〜6として、アクリル系合成樹脂エマルション(Tg5℃、固形分50質量%、樹脂分50質量%)、酸化チタン、粘性調整剤、防錆剤(ジノニルナフタレンスルホン酸バリウム50質量%)、その他の添加剤(粘性調整剤、防錆剤を除いた添加剤)、及び水を以下の配合で混合して水性塗料を製造した。なお、粘性調整剤としては、繊維素誘導体系化合物、ポリエーテルウレタン変性物、ポリビニル系化合物を単独、若しくは2種類以上を組み合わせて配合した。
粘性調整剤の種類、配合量、及び水の配合量を以下の範囲内で調整して、粘度及びTi値の異なる実施例1〜13及び比較例1〜6の水性塗料を得た。
粘性調整剤の種類、配合量、及び水の配合量を以下の範囲内で調整して、粘度及びTi値の異なる実施例1〜13及び比較例1〜6の水性塗料を得た。
<水性塗料の配合>
合成樹脂エマルション 200質量部
酸化チタン 60質量部
粘性調整剤 0.5〜10質量部
防錆剤 10質量部
その他の添加剤 10質量部
水 5〜20質量部
合成樹脂エマルション 200質量部
酸化チタン 60質量部
粘性調整剤 0.5〜10質量部
防錆剤 10質量部
その他の添加剤 10質量部
水 5〜20質量部
また、上記の水性塗料の配合から防錆剤を除いた配合で混合して水性塗料を製造し、比較例7とした。
これらの実施例1〜13及び比較例1〜7の水性塗料の粘度を以下の条件で測定した。また、測定した粘度を基にTi値を求めた。
粘度測定は、水性塗料の温度を23℃とし、B形粘度計(形式:BH、東京計器製)を用いて行った。
粘度測定は、水性塗料の温度を23℃とし、B形粘度計(形式:BH、東京計器製)を用いて行った。
まず、B形粘度計に5号ローターを取り付け、回転数を2rpmにセットして水性塗料の2rpmにおける粘度を測定した。ただし、このとき粘度が200000mPa・sを超えたものについては、6号ローターを用いて粘度を測定した。
このように測定した数値を回転数2rpmにおける水性塗料の粘度とした。
このように測定した数値を回転数2rpmにおける水性塗料の粘度とした。
次に、B形粘度計に5号ローターを取り付け、回転数を20rpmにセットして水性塗料の20rpmにおける粘度を測定した。ただし、このとき粘度が20000mPa・sを超えたものについては、B形粘度計に6号ローターを用いて粘度を測定した。
次に、6号ローターを用いて20rpmにおける粘度を測定した塗料については、6号ローターを用いて2rpmにおける粘度も測定した。
次に、2rpmにおける粘度と20rpmにおける粘度のどちらもが5号ローターを用いて測定できたものについては、5号ローターを用いて測定した2rpmの粘度を5号ローターを用いて測定した20rpmの粘度で除してTi値を求めた。また、2rpmにおける粘度と20rpmにおける粘度のいずれか又は両方が5号ローターを用いて測定できなかったものについては、6号ローターを用いて測定した2rpmの粘度を6号ローターを用いて測定した20rpmの粘度で除してTi値を求めた。
実施例1〜13の水性塗料の粘度及びTi値、これらの水性塗料の初期錆の発生の評価結果を表1、表2に示す。
また、比較例1〜7の水性塗料の粘度及びTi値、これらの水性塗料の初期錆の発生の評価結果を表3に示す。
また、比較例1〜7の水性塗料の粘度及びTi値、これらの水性塗料の初期錆の発生の評価結果を表3に示す。
上記表1〜3をみると、2rpmの粘度が低すぎるもの(比較例1)や高すぎるもの(比較例5,6)には初期錆が発生しやすかった。また、2rpmの粘度が低すぎも高すぎもしないものでも、Ti値が低すぎるもの(比較例2〜4)も初期錆が発生しやすかった。また、比較例1〜7は初期錆の発生の評価が同じ「×」となったが、この中でも比較例7は錆の発生が特に顕著であり、比較例1〜6にも防錆剤を添加した効果はみられた。
また、2rpmの粘度が10000〜200000mPa・sでTi値が3〜15のものは初期錆の発生をかなり抑えられていた。また、2rpmの粘度が30000〜150000mPa・sでTi値が4〜10のものは、初期錆の発生が見られなかった。
Claims (3)
- 合成樹脂エマルションとジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩又はアミン塩とを含有する水性防錆塗料であって、B形粘度計で回転数2rpm、塗料温度23℃の条件下で測定した粘度が10000〜200000mPa・sであり、且つTi値(塗料温度23℃で回転数2rpmにおける粘度/塗料温度23℃で回転数20rpmにおける粘度)が3〜15であることを特徴とする水性防錆塗料。
- ジノニルナフタレンスルホン酸の金属塩を含有し、前記金属が周期表第2族元素であることを特徴とする請求項1に記載の水性防錆塗料。
- 前記周期表第2族元素がバリウムであることを特徴とする請求項2に記載の水性防錆塗料。
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