JP2014148048A - 磁性膜構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鉄粉の持つ高い磁気吸着力の低下を極力防ぎつつ、鉄粉が錆びる不具合を防止する磁性膜構造を提供する。
【解決手段】 下地5に対し、塗料樹脂バインダー4内に、平均粒子径が20ミクロン以上の鉄粉2を100重量部と、粒子径平均が2ミクロン以上且つ上記鉄粉の平均粒子径の10分の1以下の亜鉛粉3を5〜30重量部含有させた材料を、塗装し硬化させてなる防錆型磁性塗料層1を形成する構成とした。なお、防錆型磁性塗料層1の上面や、防錆型磁性塗料層の下面と下地5との間に、上磁性バリアー層や下磁性バリアー層を形成するようにしてもよい。 該上・下の磁性バリアー層に特定の亜鉛粉を添加することはより好ましい。防錆型磁性塗料層や該上・下の磁性バリアー層は、脱気・減圧で塗料樹脂バインダーとそれ以外の材料とを初めて接触・混合させた磁性塗料を採用すると、更に好適である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、既存の壁や柱、戸、ボード、及びパーテーションなどの下地面に対し、永久磁石が磁気吸着可能な磁性面を塗装によって形成するものであって、より詳しくは、磁気吸着力(磁着力)を確保しつつ錆の発生を抑えた磁性膜構造に関するものである。
鉄粉を混ぜ込んだ塗料を壁面や板に数回塗布して、磁石が吸着する面を形成し(特許文献1)、或は鉄粉を混ぜ込む樹脂を接着剤とした提案(特許文献2)等が古くから数多くあった。
しかし、単に鉄粉等の磁性粉を混ぜ込むだけであり、同一塗料を数回塗布するのみで、その後も今日に至るまで技術的な進歩は無かった。
なお、特許文献3は、平均粒径が10〜60μm(ミクロン)の還元鉄粉を塗料に混入して塗膜を形成し、磁着面を形成するというものである。
実公昭42−009236号公報 実開昭63−144684号公報 特開2011−79996号公報
しかしながらこれらの特許文献1〜3の先行技術に拠る各塗装面は、大気中で水分と接触させると錆が発生してしまう。室外は論外だが、室内においても、結露や汚れを濡れ雑巾で拭くことや子供が水を掛けてしまうことなどが多く、早かれ遅かれ錆びてしまう。
錆の発生は、表面に近い鉄粉が先ず錆び始め、次第に内部へと拡大する。
他方、使用される鉄粉は、コストや磁着力向上の目的で比較的粒子径が大きいものが使用される。粒子径が150〜160ミクロンを超えるとその粗さが塗装面の粗さとなって次第に見栄えが悪くなると共に、粗い表面は磁性体が疎になるので磁着力が低下してしまう。
そこで見栄えを良くし磁着力を高める目的で、粗い磁性塗装表面を研磨して平坦としその上に非磁性の仕上げ塗装を行う場合が在るが、その塗装の厚さは磁着力を低下させないために薄くせざるを得ず、その結果水分や大気の浸透が早く錆の発生が早まってしまうと云う不都合があった。
塗装すべき下地表面への下塗りを行うことがある。下地を保護しつつ塗料が下地に十分に密着且つ接着させるためであるが、該下塗り材の樹脂組成は、本塗装の樹脂と同一又は異なる場合がある。
従来、該下塗りは磁性材を含まない塗料を採用していた。従い、下塗り材の厚み相当部は磁性材を含まないので、全体の塗装厚さで比較すると磁着力が劣ることになる。鉄粉を含む下塗り材を採用すれば磁着力は確保し易くなるが、下地表面近傍に鉄粉が多く存在するので、下地を通して水分や大気が供給されると鉄粉の錆が進行する。
そこで本発明は、鉄粉の持つ高い磁着力の低下を極力防ぎ、必要な磁着力を確保するとともに、鉄粉が錆びるという不具合を防止する磁性膜構造を提供することを課題とする。
課題を解決する為に本発明は、平均粒子径が20ミクロン以上の鉄粉100重量部と、平均粒子径が2ミクロン以上且つ上記鉄粉の平均粒子径の値の10分の1以下の亜鉛粉5〜30重量部とを、塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を、既存の壁や柱、戸、ボード、及びパーテーションなどの下地の表面に塗装し硬化させてなる防錆型磁性塗料層とした。
なおこの構成において、防錆型磁性塗料層の上面に、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉を塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を、塗装し硬化させてなる上磁性バリアー層を形成しても良い。
更に、防錆型磁性塗料層の上面を研磨したその上に、上磁性バリアー層を形成させても良い。
なお、防錆型磁性塗料層の厚さが、上磁性バリアー層の厚さの3倍以上であることか好ましい。
上磁性バリアー層に代えて、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉の他にさらに特定磁性粉の総重量100重量部に対して平均粒子径が2ミクロン以上且つ防錆型磁性塗料層に含まれる鉄粉の平均粒子径の10分の1以下の亜鉛粉7.5〜45重量部を塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を塗装し硬化させてなる防錆型上磁性バリアー層を形成しても良い。
さらに、防錆型磁性塗料層の下面と下地間に、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉を塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を塗装し硬化させた下磁性バリアー層を形成しても良く、また、上記特定磁性粉の他に、特定磁性粉の総重量100重量部に対して平均粒子径が2ミクロン以上且つ上記防錆型磁性塗料層に含まれる鉄粉の平均粒子径の10分の1以下の亜鉛粉7.5〜45重量部を塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を塗装し硬化させてなる防錆型下磁性バリアー層を形成しても良い
上記の防錆型磁性塗料層や上磁性バリアー層、下磁性バリアー層、防錆型上磁性バリアー層および防錆型下磁性バリアー層を形成するに当たって、それぞれの層に含有させる鉄粉や亜鉛粉或は特定磁性粉を乾燥させておき、予め脱気・減圧された容器内で塗料樹脂バインダーと初めて接触させ、その後圧力を大気圧に戻す工程を経た材料を用いる事が特に好適である。
本発明によれば、磁石をひきつける磁着力が高く且つ安価な軟磁性材である鉄粉を主成分とした塗料でもって、任意の下地面を磁性面とする事が出来るのみならず、鉄粉の高い磁着力の低下を押さえつつ、磁性層内の鉄粉の錆を防止することが出来る。
即ち、個々の鉄粉周辺に特定の粒子径の亜鉛粉を特定量存在させる事により、鉄粉表面において亜鉛の犠牲防食効果が発揮されて、鉄粉の錆の発生を防ぐ事が出来たと考えられる。
鉄粉を主成分とする防錆型磁性塗料層が磁着力を担う層とする一方で、更に、その防錆型磁性塗料層に接してその上面及び/又は下面を被覆するようにして、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、或はハードフェライト粉の群から選ばれる一種または複数種の混合物からなる特定磁性粉を主成分とする磁性のバリアー層(上磁性バリアー層及び/又は下磁性バリアー層)を設けることにより、磁着力を確保すると共に錆の原因である水分や空気(酸素)の進入を防ぐ効果が得られた。
なお、上磁性バリアー層や下磁性バリアー層に亜鉛粉を添加すると、防錆型磁性塗料層の上下の表面部分の鉄粉の周辺近傍に亜鉛粉がより確実に存在する事になる。特に、防錆型磁性塗料層表面の研磨によって表面が新たに暴露されて錆び易くなった鉄粉の近傍周辺にも、防錆型上磁性バリアー層の亜鉛粉が確実に存在することになるので、犠牲防食効果が確保されると考えられる。
即ち、防錆型上磁性バリアー層や防錆型下磁性バリアー層とすることで、磁着力の低下を抑えつつ該犠牲防食作用がより確実となった。
本発明で使用することが出来る還元鉄粉は、一般にその内部に空隙を有している。微小な鉄粉も存在しており、更に微小な亜鉛粉を加えるので、塗料樹脂バインダーとの混和が難しく気泡が残るのみならず、粉体表面と塗料樹脂バインダーとのなじみが悪く、結果として鉄粉が錆び易い原因となっていた。
そこで本発明は、鉄粉や亜鉛粉などと塗料樹脂バインダーとを初めて混合するに際して予め該鉄粉や亜鉛粉などを乾燥させておき、更に脱気・減圧下で塗料樹脂バインダーと初めて接触させた後常圧に戻す処理を行った結果、気泡を無くし、空隙を塗料樹脂バインダーで濡れさせることが出来て、鉄粉の錆の発生を更に防止する事が出来た。
本発明の基本的な実施態様を表したものであり、(a)は断面図、(b)は拡大断面図を示す。 本発明の他の実施態様の断面図を示す。 本発明の他の実施態様の断面図を示す。 本発明の他の実施態様の断面図を示す。 従来の構成の断面図を示す。 本発明の実施例で使用した還元鉄粉の電子顕微鏡写真。 本発明による実施例1の防錆型磁性塗料層の破断面の電子顕微鏡写真。 本発明の防錆型磁性塗料層用磁性塗料及び上磁性バリアー層用の磁性塗料を処理する減圧装置の略図を示す。
すなわち本発明は、鉄粉の表面の近くに特定の粒子径の亜鉛粉を特定量存在させる事によって、永久磁石に対して鉄粉が有している強い磁着力の低下を小さく抑えつつ、鉄粉の錆を抑制出来ることを見出して本発明を完成したもので、以下実施態様でもって詳しく説明する。
図1は、本発明の基本的な実施態様を表したものであり、図1(a)は断面図、図1(b)は拡大断面図を示している。本発明の特徴の1つは、図1(b)に示すような防錆型磁性塗料層1の構成にある。
具体的には、防錆型磁性塗料層1は、鉄粉2が100重量部に対して、平均粒子径が2ミクロン以上且つ該鉄粉の1/10以下である亜鉛粉3を5〜30重量部混合したものを塗料樹脂バインダー4に分散させた組成となっており、下地5に対して、塗装して硬化させた状態で形成している。
尚、本発明において鉄粉の平均粒子径は、多段篩でもって累積重量50%が通過する篩の目開きに相当する大きさとする。数十ミクロン以上の亜鉛粉も鉄粉と同様とする。
数ミクロンオーダーの微細な亜鉛粉は、レーザー回折式粒度分析計で測定することが出来る。
亜鉛粉3は数μ程度の微粉が市販されていて入手できる。この微粉状態の亜鉛粉3を鉄粉2とともに塗料樹脂バインダー4と混合すると、圧倒的多数の亜鉛粉が鉄粉の周辺近傍に分散し存在する。
更に、亜鉛粉の比表面積が大きいので、塗料に浸透してきた水分と接する機会と面積が大きく、電気化学的防食作用(犠牲防食)が進行し易いと考えられる。電気化学的防食作用は鉄と亜鉛とが近ければ近いほど好適と考えられるので、鉄粉粒子の周辺近傍に亜鉛粉末が存在する事が必要である。
図2は、他の実施態様を表した断面図であり、下地5に対し、防錆型磁性塗料層1を形成し、その防錆型磁性塗料層1の上面に、上磁性バリアー層6を形成して覆う構成となっている。
この上磁性バリアー層6は、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉を塗料樹脂バインダーに分散させた組成となっており、塗装して硬化させた状態で形成している。
尚、本発明では、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物を特定磁性粉と呼称する。
また、図3は、他の実施態様を表した断面図であり、下地5に対し、下磁性バリアー層7を形成し、その上面に、防錆型磁性塗料層1を塗装して硬化させた状態で形成する構成となっている。
なお、この下磁性バリアー層7も、上述した上磁性バリアー層6と同様に、それぞれの特定磁性粉を塗料樹脂バインダーに分散させた組成となっており、下地5に対して、塗装して硬化させた状態で形成されている。
さらに、図4は、他の実施態様を表した断面図を示している。即ち、下地5に対して、下磁性バリアー層7、防錆型磁性塗料層1、上磁性バリアー層6を順に形成した構成となっている。
上述した上磁性バリアー層6や下磁性バリアー層7の機能の主体は、文字通り、本発明の磁性膜構造が完成した後、防錆型磁性塗料層1内へ水分や酸素、或は他の化学成分が塗料膜中に進入する事を妨げるバリアー効果であり、防錆型磁性塗料層1内における鉄粉の錆の発生を大幅に遅らせる役割を有している。
但し、単なるバリアー用の非磁性樹脂のみで形成された層とは異なり、特定磁性粉を含有しているので、磁気特性を有するものとなっている。
但し、これらの上磁性バリアー層6や下磁性バリアー層7は、防錆型磁性塗料層1の機能を発揮させるための補助的な層であるため、厚さは必要最小限とするのが好ましいことになる。
塗布の均一性やピンホールの出来易さなどを考慮して、通常0.05〜0.1ミリメートル程度が好ましい。
本発明の磁性膜構造の典型的な用途は、薄くて軽いパンフレットやメモなどを磁石との間に挟んで掲示する事に使用するので、磁着力は0.15N(ニュートン)/cm(センチメートル平方)有れば十分である。
一方、磁気吸着させる磁石を例えば厚さ1.0mm、着磁ピッチ2.5mm、表面磁束密度が35〜40mT(ミリテスラー)の一般的なマグネットシートを採用すると、磁性主層の厚さは0.3mm程度以上でもって磁着力0.15N/cmを達成することが判った。
上述した実験事実を本発明に適用すると、防錆型磁性塗料層1の厚さは0.3mm以上で、且つ上磁性バリアー層の厚さとの比は、(0.3):(0.05〜0.1)なので、防錆型磁性塗料層1の厚さは上磁性バリアー層の厚さの3倍以上が好ましい。防錆型磁性塗料層1の厚さが大きくなれば磁気吸着力は強くなる。
尚、本発明の磁着力は以下の方法で測定した。30mm*30mmの正方形のマグネットシートサンプル(1.0mm厚、多極着磁ピッチ2.5mm、表面磁束密度35〜40mT)を準備し、5cm*5cmの大きさの磁性膜に磁気吸着させ、それぞれを平面に対して垂直方向に引き離す為に必要な力を測定した。
防錆型磁性塗料層1における鉄粉の平均粒子径は、20〜200ミクロンが好ましい。
200ミクロン以上の大きな平均粒子径を採用すると、鉄粉の粗さが塗装表面の粗さとなって見栄えが著しく悪くなるとともに、粗い表面は磁性成分が疎になって磁着力の低下を無視出来なくなるので好ましく無い。更に表面の粗さが大きいので、研磨が困難になってしまう。
また、塗料樹脂バインダー中に混合した状態では該鉄粉の沈降が顕著になって塗装作業性が悪化する。
鉄粉の平均粒子径が上記範囲内であれば、塗装表面をより平滑に仕上げたい場合や磁着力を高める目的で、表面を平滑に研磨することが可能である。本発明においてはその研磨された表面を、磁性粉を含有した上磁性バリアー層6で覆うことになるので、従来の単なる非磁性材料のコーティングやラミネートとは異なり、下述するように磁着力の低下を最小限に抑えることができる。
防錆型磁性塗料層は、主成分の鉄粉に対して、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物を添加しても良いが、鉄粉は80重量パーセント以上とする事が好ましい。鉄粉が少ない場合は、磁着力が大きく低下するので好ましく無い。
また、上述した上磁性バリアー層6や下磁性バリアー7をそれぞれ、亜鉛粉を含有させた防錆型上磁性バリアー層6a、防錆型下磁性バリアー層7aとすると、防錆型磁性塗料層1との接触する面における防錆を、より確実なものとすることができるので、より好ましい態様となる。
特に、防錆型の磁性塗料層1の表面を研磨して平滑にした後その上に、防錆型上磁性バリアー層6aを形成する場合には、研磨され暴露されて錆び易くなった鉄粉の表面近傍周辺に該亜鉛粉が存在することになるため、バリアー効果に加えて犠牲防食効果を発揮させることができる。
上磁性バリアー層6や防錆型上磁性バリアー層6aの磁気特性は、防錆型磁性塗料層1と比較して少し及ばないものの、しかし強い磁性を有している。
上磁性バリアー層6または防錆型上磁性バリアー層6aに磁石を近づけると、磁気回路の一部を形成して、防錆型磁性塗料層1の磁気特性を上磁性バリアー層6または防錆型上磁性バリアー層6aの外側表面に効率良く導く役割を果たす。このため、防錆型磁性塗料層の持つ強い磁着力を低下させることが少ない。
即ち、上磁性バリアー層6や防錆型上磁性バリアー層6aは、特定磁性粉を含まない場合に比して遥かに強い磁着力を示すことが出来る。
また、下磁性バリアー層7や防錆型下磁性バリアー層7aについては、含有されている特定磁性粉に拠って防錆型磁性塗料層1を厚くした効果があり、磁着力を向上させる。
なお、上述した以外に、上磁性バリアー層6、防錆型上磁性バリアー層6a、および、下磁性バリアー層7や防錆型下磁性バリアー層7aに含まれる特定磁性粉は、磁着力以外に、水分や酸素を通さない無機鉱物としてのバリアー機能を有している。亜鉛粉もまた、無機物としてのバリアー機能を有している。
本発明における防錆型磁性塗料層1、上磁性バリアー層6、防錆型上磁性バリアー層6a、下磁性バリアー層7、防錆型下磁性バリアー層7a、の形成に使用する各磁性塗料は、鉄粉、特定磁性粉、及び亜鉛粉と塗料樹脂バインダーとを大気圧下で単純に混合する他に、以下の方法で作製することが好適である。
即ち、予め脱気・減圧された容器内で、乾燥した鉄粉や亜鉛粉、特定磁性粉と塗料樹脂バインダーとを初めて接触させ、その後圧力を大気圧に戻すという脱気・減圧工程を経た磁性塗料を採用する。
脱気・減圧工程は、鉄粉、亜鉛粉、特定磁性粉・塗料樹脂バインダーに含まれるか或は表面に吸着している水分や酸素を除去する効果がある。更に、鉄粉、亜鉛粉、特定磁性粉の微細粉が凝集した内部や鉄粉内部の微細空隙が残留して、塗料樹脂バインダーとの濡れが不十分となり気泡が残留し又分散を悪くするという不具合を減少させる効果がある。また、鉄粉、亜鉛粉、特定磁性粉と塗料樹脂バインダーとのなじみを良くして塗膜硬化後の空隙の発生を防止するので、塗装後のピンホールの発生を無くしてバリアー効果を高めると共に塗装部分の機械特性の低下を防ぐ効果があり、好適である。
大気圧下で鉄粉と塗料樹脂バインダーとを混合後減圧脱気する従来の方法は、鉄粉奥部の微細な空隙や微粉が凝集した奥深くまで脱気出来ず、効果は少ない。
鉄粉、亜鉛粉、特定磁性粉と塗料樹脂バインダーとを混合後に混練する工程の採用は、本発明の脱気・減圧工程の有無に関わらず混和や分散を促進して好適である。
本発明で採用する磁性粉は、鉄粉、砂鉄粉、或はMn−Znフェライト粉などのソフトフェライト粉であり、さらに、保磁力が2千数百〜3千数百エルステッド程度のストロンチュームフェライト粉やバリウムフェライト粉などのハードフェライト粉を含む。
ハードフェライト粉は、保磁力が3千程度なので軟磁性粉には分類されないが、同じ種類の永久磁石やそれ以上の強い磁石で磁化し磁気回路を形成することが出来るので、本発明の上磁性バリアー層6、防錆型上磁性バリアー層6a、下磁性バリアー層7、及び防錆型下磁性バリアー層7aに採用する事が出来る。
ハードフェライト粉は錆無い。
鉄粉の種類は、インゴットの粉砕粉、アトマイズ粉(水−アトマイズ、及びガス−アトマイズ)、及び還元鉄粉があり、いずれも粉砕や分級工程を追加する場合がある。
磁鉄鉱(四酸化三鉄=マグネタイト)は天然には砂鉄として産出する。軟磁性粉なので磁着性がある。比較的安価且つ錆びないという特徴がある。
ソフトフェライトの代表的なマンガンジンク(Mn−Zn)フェライト、及びニッケルジンク(Ni−Zn)フェライトは軟磁性であり錆びない。
砂鉄は採取されたあと粉砕され、選別・分級されて粒度を調整する。ソフトフェライト粉は、例えばトランスなどの他の用途に使用済を回収した安価な焼結体を粉砕・分級して望みの粒度を得て、使用する事が出来る。
ハードフェライト粉は、ボンドマグネット用の粉体として市販されている粉体を入手する事が出来る。また、他の用途に使用済みを回収した安価な焼結体を消磁後粉砕・分級して望みの粒度を得る事が出来る。
還元鉄粉DG(DOWA IP CREATION社製、平均粒子径は約125ミクロン)100グラムに対して亜鉛粉末(ハクスイテック株式会社が販売。銘柄F末。粒径3〜5ミクロン)を10.0グラム添加した混合粉末と、塗料樹脂バインダー(ガーデニングカラー・クリアー、アトムサポート株式会社が販売)の45.0グラムとを、コップ状容器内で良く混合して防錆型磁性塗料層用磁性塗料を得た。
次に防錆型磁性塗料層用磁性塗料を刷毛で木の板に塗り、乾燥後塗るという作業を3回繰り返して乾燥後の厚さが、0.4mmの防錆型磁性塗料層を得た。(図1(a))
使用した還元鉄粉DGの電子顕微鏡写真を図6に示す。倍率は200倍であり10目盛(黒い指標全長)が500ミクロンである。
また、防錆型の磁性塗料層1の破断面の電子顕微鏡写真を図7に示す。倍率は500倍、10目盛が200ミクロンである。
防錆型の磁性塗料層1の磁着力は、比較例1を100とした場合94だった。これらの磁着力のデータや錆の発生の観察結果は、以下の実施例、比較例を含めて表1に示す。
錆の発生日数の観察は以下の方法で実施した。
磁性面を水平に保ち、その表面に水道水を十分に吸収させたキッチンペーパー(5cm*5cm)を載せて、乾燥しないように水分を補給しながら磁性面表面を毎日観察して、赤錆の発生が肉眼で確認出来た最初の日を記録した。
尚、上記評価方法は、新鮮な水に連続して接触させる過酷な促進試験であり、本評価方法で錆発生日が10日以内であればさび易く、これを超えれば錆び難いと判断した。
後述する比較例1の錆発生日が2日目であったのに対して、本実施例の錆発生日はそれよりはるかに遅延して、27日目に初めて錆と思われる点状の変色を視認出来た。該変色の色や大きさはその後数十日経過しても殆ど変化せず、また該変色点の数は殆ど増加しなかった。
亜鉛粉末の添加量を25グラムとし、塗料樹脂バインダーを51.5グラムとした事以外は実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが0.4mmの防錆型磁性塗料層1を得た。
実施例1と同様にして、磁着力は83、錆の発生は32日であった。さらに、該変色と該変色点の数がその後十日以上経過しても殆ど拡大・増加しなかったことは、実施例1と同様であった。
図2は本実施例を示しており、符号1は実施例1と同様にして形成した防錆型磁性塗料層であり、符号6は該防錆型磁性塗料層の上に刷毛で塗布・形成された厚さ0.1mmの上磁性バリアー層である。
該上磁性バリアー層6を形成するための磁性塗料は、鉄粉100グラムに替えて砂鉄粉(280メッシュアンダー、粒子径が53ミクロン以下)を66.7グラムと、実施例1で用いた塗料樹脂バインダー45.0グラムとを混合して作製した。
実施例1と同様にして、磁着力は90、錆の発生は40日であった。さらに、該変色と害変色点の数がその後十日以上経過しても殆ど拡大・増加しなかったことは、実施例1と同様であった。
図2は本実施例を示しており、符号1は実施例1と同様にして形成した防錆型磁性塗料層であり、符号6aは実施例1と同様にして防錆型磁性塗料層の上に形成された厚さ約0.1mmの防錆型上磁性バリアー層である。
防錆型上磁性バリアー層6aを形成するための磁性塗料は、鉄粉100グラムに替えて砂鉄粉66.7グラムとしたこと以外は実施例1の防錆型磁性塗料層用磁性塗料を作製する方法と同様にして作製した。該砂鉄粉は、実施例3で用いた砂鉄粉と同様の物を使用した。
磁着力は90、錆発生日は45日であった。さらに、変色とその変色点の数がその後十日経過しても殆ど拡大・増加しなかったことは、実施例1と同様であった。
実施例4において、防錆型磁性塗料層を形成後、その表面を先ず150番のサンドペーパー、次いで400番のサンドペーパーで研磨した。
次に該研磨面の上に、実施例4と同様にして、厚さ0.1mmの防錆型上磁性バリアー層6aを形成した。
磁着力は向上して93、錆発生日は44日であった。変色とその変色点の数がその後十日経過しても殆ど拡大・増加しなかったことは、実施例1と同様であった。
防錆型上磁性バリアー層用磁性塗料と、防錆型下磁性バリアー層用磁性塗料とを兼ねて、実施例4と同様にして磁性塗料を作製し、次いで、図4に示す本実施例の磁性膜構造を次の手順で作製した。
下地5の上に防錆型下磁性バリアー層7a用磁性塗料を刷毛で塗り、硬化後の厚さが0.08mmの防錆型下磁性バリアー層7aを得た。
以下実施例4と同様にして防錆型磁性塗料層1、次いでその上に防錆型上磁性バリアー層6aを形成した。
磁着力は90、錆発生日は45日であった。変色とその変色点の数がその後十日経過しても殆ど拡大・増加しなかったことは、実施例1と同様であった。
防錆型磁性層用の磁性塗料を作製するために、実施例6と同様の鉄粉、亜鉛粉及び塗料樹脂バインダーをそれぞれ秤量し準備した。また、防錆型上磁性バリアー層用磁性塗料を作製するために、実施例6と同様の磁鉄鉱粉、亜鉛粉及び塗料樹脂バインダーをそれぞれ秤量し準備した。
次いで、それぞれを図8に示す脱気・減圧装置内で処理した。
即ち、透明な真空容器9の中に、乾燥した磁性粉(鉄粉または砂鉄粉)と亜鉛粉との混合粉10を収納した容器11を設置し、その上方に漏斗12を配置した。漏斗12は塗料樹脂バインダー13が所定量満たされてバルブ14で真空容器内とつながっている。真空ポンプ15で容器9の内部を少なくとも数百Pa(パスカル)まで減圧して数分後、真空ポンプ15を作動させながらバルブ14をゆっくりと開いて、塗料樹脂バインダー13を容器11内へ垂らし、磁性粉と亜鉛粉との混合粉10を濡らした。塗料樹脂バインダーは発泡した泡が破裂しながら滴下した。
続いて、塗料樹脂バインダー所定量を注いだ後バルブ14を閉め、更に真空ポンプバルブ16を閉めてから通気バルブ17をゆっくり開けて、容器9の内部を大気圧に戻した。
この処理中に塗料樹脂バインダー中の溶媒(水)が真空容器9内に蒸発したが、冷却トラップ(図示せず)するとともに、容器9を大気圧に戻した後、蒸発した量に相当する溶媒(水)を容器11に加えて撹拌して粘度を調整した。
次に、図4に示す本実施例の磁性膜構造を次の手順で作製した。
実施例6と同様に、下地5の上に脱気・減圧工程を経ていない防錆型下磁性バリアー層7a用の磁性塗料を刷毛で塗って、硬化後の厚さが0.08mmの防錆型下磁性バリアー層7aを得た。
以下、上記の方法で脱気・減圧処理した防錆型磁性層用磁性塗料、及び、上記の方法で脱気・減圧処理した防錆型上磁性バリアー層用磁性塗料を用いて、実施例6と同様に、防錆型磁性塗料層、次いでその上に防錆型上磁性バリアー層6aを形成した。
表1に示す様に、磁着力が向上すると共に錆発生日は飛躍的に伸びている。
該効果は、鉄粉表面や内部空隙の空気(酸素)を除去し、塗料樹脂バインダーとの濡れを促進した結果と考えられる。また、微細な亜鉛粉の圧倒的多数個の集まりに拠る空気の巻き込みや、膨大な表面積の空気や水分の悪影響を削除した効果だと考えられる。
(比較例1)
還元鉄粉DRを100グラムと塗料樹脂バインダー45.0グラムとをコップ状容器内で良く混合して、亜鉛粉を添加しない磁性塗料層用磁性塗料を得た。
図5は従来の構成でなる本比較例を示す断面図であり、実施例1と同様の方法で磁性塗料層用磁性塗料を下地5の上に塗布し、硬化後の厚さ0.4mmの磁性塗料層8を形成している。
磁着力の実測値は、平方センチメートル当り0.185Nであった。該磁着力を基準の100とした。この場合、好ましい磁着力は0.15(ニュートン/平方センチ)以上なので、相対値は81.1以上が好ましい。
錆発生日は2日目に点状の微かな錆変色が数ケ所現れ、以降は1個1個の変色域の大きさが次第に拡大する一方、その数が次第に増えた。
(比較例2)
亜鉛粉の添加量を3.0グラムとしたこと以外は実施例1と同様にして、乾燥後の厚さが0.4mmの磁性膜を作製した。
磁着力は高いものの、錆発生は目標の10日に及ばなかった。亜鉛粉の量が少ないために、犠牲防食作用が有効に発揮できなかったと考えられる。
(比較例3)
亜鉛粉の添加量を35グラム、塗料樹脂バインダーを56.0グラムとしたこと以外は実施例2と同様にして、磁性塗料層用磁性塗料を作製し0.4mm厚の磁性塗料層を作成することが出来た。
錆の発生は37日で良好だったが、磁着力は大幅に低下し目標を下回った。
非磁性である亜鉛粉末の比率が無視出来ず、相対的に鉄粉の比率が大幅に低下した結果と考えられる。本比較例において鉄粉の体積含率は、43%と計算できる。
また、鉄粉に比較して高価な亜鉛粉を増やす事は好ましく無い。
(比較例4)
多段篩で累積重量50%が通過する篩の目開きに相当する大きさが40ミクロンであって、45ミクロンを通過しない重量が43.4%、75ミクロンを通過しない重量が2.3%の大きさの粒子のアトマイズ亜鉛粉に変更したこと以外は実施例1と同様にして厚さ0.4mmの磁性塗料層を得た。
錆の発生までの日数が目標に届かなかった。亜鉛粉の粒子が大きいためにその存在が一部分に偏り、犠牲防食作用が有効に発揮できなかった為と考えられる。
表1で明らかな様に、本発明に拠れば、磁性塗料表面の磁着力を確保しつつ鉄粉の錆を防ぐ事が出来た。
磁性塗料を塗装・硬化させた面の磁着力は、磁性塗料の固形成分中の磁性材料の体積比率が大きい程好適である。したがって、本発明においては塗料に使用する組成は、他の顔料、着色剤等は使用を必要最小限に控え、塗膜としての必要特性、および作業性を確保しつつ、乾燥後の磁性材料の含有率を高める必要がある。
一般に個体粒子が液体に分散している系では、充填粉に粒度分布を持たせると体積充填率が高い割には粘度の増加を抑えられることが知られている。
この事実は、相対的に大きな粒子が充填されたその隙間に小さな粒子が充填されるモデルで説明される。典型的な数学モデルでは、単一直径球が接して充填されている隙間に内接する最大球の直径を求める命題に帰するが、現実的には粒度分布が異なる2つの系を混合し、2つの系の粒径比や量の比を適切化する。本発明においても該手段は排除しない。
本発明において、亜鉛粉は磁性粉ではないので磁気吸着力に寄与せず、むしろ、磁性粉の充填可能比率を下げる。そこで本発明においては亜鉛粉の平均粒子径と充填量とが、磁性粉(鉄粉)の平均粒子径及びその量に対して重要となる。
即ち、鉄粉の体積充填率を大幅に低下させる事無く、且つ犠牲防食効果を発揮するために、鉄粉の表面近傍に亜鉛微粉末が多数存在することが重要となる。
亜鉛粉末はその粒子径が小さい程、同量の添加で亜鉛粉末の数が飛躍的に増えるので、鉄粉の周辺且つ近傍に存在する事が可能となり、本発明には好適である。
なお検討の結果、亜鉛粉末の平均粒子径が鉄粉の平均粒子径の10分の1以下の場合が好適であった。鉄粉粒子間に小さな亜鉛粉が入り易くなるので、鉄粉周辺且つ近傍に亜鉛粉が存在する状態を作る事が出来たと考えられる。
また、亜鉛粉の添加量についての検討の結果、鉄粉の平均粒子径が20ミクロン以上であって、該平均粒子径の10分の1以下の平均粒子径の亜鉛粉の添加量は、鉄粉100重量部に対して5重量部以上でもって防錆効果があった。
鉄粉の数に対して圧倒的多数の微小な亜鉛粉が鉄粉の周辺・近傍に存在する事となり、防錆効果が発揮されると考えられる。
亜鉛粉の粒径が小さければ小さいほど、重量当たりの粒子の数、表面積が飛躍的に増えるので、本発明の犠牲防食効果の観点から好ましいものの、他方で価格が高くなり、取り扱い性の困難さが増加し、さらに酸化され易くなるという欠点が現れる。数ミクロンが好適である。
亜鉛粉の粒径が相対的に大きくなれば防錆の目的からは極めて多量の添加を必要として、その場合は塗料中の亜鉛の比率が極めて大きくなり相対的に鉄粉の比率を減少させざるを得ないので、磁着力が低下して好ましく無い。
本発明において、鉄粉100重量部に対して亜鉛粉末は30部以下が好ましい。30部を過ぎると、非磁性である亜鉛粉の体積が大きくなり、相対的に防錆型磁性塗料層中の鉄粉の量を少なくせざるを得ないので、磁着力が大きく低下して好ましく無い。
塗料樹脂バインダーが少ないと粘度が高くなり塗装が困難になるとともに、乾燥後の防錆型塗料層内に空隙が発生して好ましく無い。
塗料樹脂バインダーやその溶媒成分が多過ぎると粘度が著しく低くなり、鉄粉の沈殿が無視できず塗装が困難になるとともに、乾燥後の防錆型塗料層内の鉄粉の量が少なくなり、目標とする磁着力の確保が難しくなる。
尚、塗料樹脂バインダーの比重や塗料樹脂バインダー中の溶媒と固形成分の比率とそれぞれの密度、及び塗料樹脂バインダーと磁性粉と亜鉛粉との比率やそれらの密度を勘案すれば、混合重量比率と体積比率とを対応付けることが出来る。
上・下磁性バリアー層及び防錆型上・下バリアー層についても、亜鉛粉の有無に関わらず、体積基準では上述した防錆型磁性塗料層用磁性塗料と全く同様であった。
上磁性バリアー層や下磁性バリアー層の磁性粉の粒度は小さい方が好ましい。一般に粉砕法で得られた粉体は形状が不定形で角が鋭い。ハードフェライト粉は、ボンドマグネット用としてその粒径をミクロンオーダーでコントロールされているので好適である。
磁性粉の粒径が小さいと、磁性塗料の磁性粉の沈降や分離が発生しづらく好ましいのみならず、塗装表面が滑らかとなって好都合である。
ノズル詰まりが改善されるので、スプレー塗装の実施が可能となる。
スプレー塗装は、0.05〜0.1mmの薄い層を比較的均一に塗装することが出来るので、本発明の上磁性バリアー層、防錆型上磁性バリアー層、及び下磁性バリアー層、防錆型下磁性バリアー層の塗装には好適である。
本発明における磁性塗料に分散剤や沈降防止剤などを必要最小限添加することは、磁性塗料の安定性や塗布の作業性から好ましい実施態様である。例えば、日本エアロジル社の親水性或は疎水性シリカや、ビックケミー・ジャパン社のBYK−425などが有り、適宜選択する事が出来る。
本発明の防錆型磁性塗料層や上磁性バリアー層、または、防錆型上磁性バリアー層の上に、非磁性表装塗装を行っても良い。磁性層表面の凹凸を隠して滑らかにし、或はカラー表装する事は従前から実施されている。
但し、これら非磁性表装層は磁性塗装面の磁気吸着力を大きく低下させる。
本発明では、説明の便宜上「塗料」である事を前提に説明したが、印刷法でもって本発明の磁性面を形成することが可能なことは容易に類推できる。或は塗装と印刷とを組み合わせて本発明の磁性膜構造が形成できることは明らかである。
本発明の磁性膜は、簡単な塗装でもって永久磁石が強く磁気吸着する磁性面を形成せしめたものであり、下地面は、既存の壁や柱、戸、ボード、及びパーテーションなど多くの部材に使用することができる。
なお防錆性に優れるため、一時的に水に濡れる場所や湿気が多くなる場所でも使用することが出来る。
1 防錆型磁性塗料層
2 鉄粉
3 亜鉛粉
4 塗料樹脂バインダー
5 下地
6 上磁性バリアー層
6a 防錆型上磁性バリアー層
7 下磁性バリアー層
7a 防錆型下磁性バリアー層
8 磁性塗料層
9 真空容器
10 磁性粉、又は磁性粉と亜鉛粉との混合物
11 容器
12 漏斗
13 塗料樹脂バインダー
14 バルブ
15 真空ポンプ
16 真空ポンプバルブ
17 通気バルブ

Claims (16)

  1. 平均粒子径が20ミクロン以上の鉄粉100重量部と、平均粒子径が2ミクロン以上且つ上記鉄粉の平均粒子径の10分の1以下の亜鉛粉5〜30重量部とを、塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を、下地の表面に塗装し硬化させてなる防錆型磁性塗料層を形成したことを特徴とする磁性膜構造。
  2. 請求項1に記載の防錆型磁性塗料層の上に、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉を塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を、塗装し硬化させてなる上磁性バリアー層を形成したことを特徴とする磁性膜構造。
  3. 請求項2に記載の磁性膜構造において、防錆型磁性塗料層の上面を研磨した後に、該研磨面に上磁性バリアー層を形成させたことを特徴とする磁性膜構造。
  4. 防錆型磁性塗料層の厚さが、上磁性バリアー層の厚さの3倍以上であることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項に記載の磁性膜構造。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の磁性膜構造において、上磁性バリアー層に代えて、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉と、該特定磁性粉の総重量100重量部に対して平均粒子径が2ミクロン以上且つ防錆型磁性塗料層に含まれる鉄粉の平均粒子径の10分の1以下の亜鉛粉7.5〜45重量部とを、塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を塗装し硬化させてなる防錆型上磁性バリアー層を形成したことを特徴とする磁性膜構造。
  6. 請求項1に記載の磁性膜構造における防錆型磁性塗料層の下面と下地間に、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉を塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を、塗装し硬化させた下磁性バリアー層を形成したことを特徴とする磁性膜構造。
  7. 請求項2〜請求項4のいずれかに記載の磁性膜構造における防錆型磁性塗料層の下面と下地間に、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉を塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を、塗装し硬化させた下磁性バリアー層を形成したことを特徴とする磁性膜構造。
  8. 請求項5に記載の磁性膜構造における防錆型磁性塗料層の下面と下地間に、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉を塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を、塗装硬化させた下磁性バリアー層を形成したことを特徴とする磁性膜構造。
  9. 請求項6に記載の磁性膜構造において、下磁性バリアー層に代えて、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉と、該特定磁性粉の総重量100重量部に対して平均粒子径が2ミクロン以上且つ防錆型磁性塗料層に含まれる鉄粉の平均粒子径の10分の1以下の亜鉛粉7.5〜45重量部とを、塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を塗装硬化させてなる防錆型下磁性バリアー層を形成したことを特徴とする磁性膜構造。
  10. 請求項7に記載の磁性膜構造において、下磁性バリアー層に代えて、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉と、該特定磁性粉の総重量100重量部に対して平均粒子径が2ミクロン以上且つ防錆型磁性塗料層に含まれる鉄粉の平均粒子径の10分の1以下の亜鉛粉7.5〜45重量部とを、塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を塗装硬化させてなる防錆型下磁性バリアー層を形成したことを特徴とする磁性膜構造。
  11. 請求項8に記載の磁性膜構造において、下磁性バリアー層に代えて、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉と、該特定磁性粉の総重量100重量部に対して平均粒子径が2ミクロン以上且つ防錆型磁性塗料層に含まれる鉄粉の平均粒子径の10分の1以下の亜鉛粉7.5〜45重量部とを、塗料樹脂バインダー内に含有させた材料を塗装硬化させてなる防錆型下磁性バリアー層を形成したことを特徴とする磁性膜構造。
  12. 請求項2〜請求項4又は請求項7又は請求項10のいずれかに記載の磁性膜構造における上磁性バリアー層を形成するに当たって、予め脱気・減圧された容器内で、乾燥した、ソフトフェライト粉,磁鉄鉱粉,ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉に塗料樹脂バインダーを初めて接触させ、その後圧力を大気圧に戻す工程を経た材料を用いることを特徴とする磁性膜構造。
  13. 請求項5又は請求項8又は請求項11のいずれかに記載の磁性膜構造における防錆型上磁性バリアー層を形成するに当たって、予め脱気・減圧された容器内で、乾燥した、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉と、乾燥した亜鉛粉とに塗料樹脂バインダーを初めて接触させ、その後圧力を大気圧に戻す工程を経た材料を用いることを特徴とする磁性膜構造。
  14. 請求項6〜請求項8のいずれかに記載の磁性膜構造における下地性バリアー層を形成するに当たって、予め脱気・減圧された容器内で、乾燥した、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉に塗料樹脂バインダーを初めて接触させ、その後圧力を大気圧に戻す工程を経た材料を用いることを特徴とする磁性膜構造。
  15. 請求項9〜請求項11のいずれかに記載の磁性膜構造における防錆型下磁性バリアー層を形成するに当たって、予め脱気・減圧された容器内で、乾燥した、ソフトフェライト粉、磁鉄鉱粉、ハードフェライト粉の群から選ばれる1種又は複数種の混合物からなる特定磁性粉と、乾燥した亜鉛粉とに塗料樹脂バインダーを初めて接触させ、その後圧力を大気圧に戻す工程を経た材料を用いることを特徴とする磁性膜構造。
  16. 請求項1〜請求項15のいずれかに記載の磁性膜構造における防錆型磁性塗料層を作製するに当たって、予め脱気・減圧された容器内で、乾燥した鉄粉と亜鉛粉とに、塗料樹脂バインダーを初めて接触させ、その後圧力を大気圧に戻す工程を経た材料を用いることを特徴とする磁性膜構造。
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