JP7490200B2 - Nd磁性粉含有水性塗料組成物並びにそれを用いた磁性面及び磁性シート - Google Patents

Nd磁性粉含有水性塗料組成物並びにそれを用いた磁性面及び磁性シート Download PDF

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Description

本発明は、希土類元素の1種類であるNd(ネオジウム)を主成分とする硬質磁性の粉体(以下「Nd磁性粉」と記述する)を、水性樹脂塗料に添加した組成物並びにそれを塗布した磁性塗装面(以下「磁性面」と言う)及び磁性シートに関する。より詳しくは、著しく錆び易いと言われているNd磁性粉を水性塗料に添加した組成でありながらも、錆びない塗装面及びシートを実現する技術である。
更に、塗料をカラー化する技術である。
従来から、平面や曲面を磁性化する試みの1つに、磁性粉を塗料化してそれを塗布する方法があった。錆びる磁性粉の典型的な例である鉄粉の場合は、例えば下記特許文献1が、その様な課題(錆)を解決する1つの方法を開示している。すなわち、鉄よりイオン化傾向の大きな金属亜鉛の粒子を一定量添加することで防錆機能を発揮させている。
また、特許文献2は、塗料に添加した組成間で化学反応させて防錆性に優れたコーティング塗料とする技術を提案している。
特開2020―045465号公報 特開2016―003259号公報
ところで、特許文献1において、亜鉛粉の添加量と防錆性とは正の相関が想定されるが、本文献の実施例では鉄100重量部に対して10重量部と、比較的多量に添加している。
他方で、粒子径が小さく且つ揃った亜鉛粉体は高価であり、使用量は少ない程好ましいのである。
また、金属亜鉛が希土類金属の磁性粉、特にNd磁性粉に効果が有るか否かが具体的には検討されていない。
さらに、Nd磁性粉の場合は特に錆び易く、着磁すると強力な磁石になるという特長が活かされなかった。
特許文献2の提案は本発明の目的とは異なり、塗料組成物その物が磁性を有していないので、非磁性面に塗布しても磁性面に成らない。まして磁性シートを形成することは出来ない。
また、希土類金属磁性粉、特にNd磁性粉にどの様な効果が有るか否かは検討されていない。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、磁気特性が高いが非常に錆び易いNd磁性粉を使用しながら、錆に対して強い抵抗を有するNd磁性粉含有水性塗料並びにそれを用いた磁性面及び磁性シートを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段をとる。
即ち、エマルジョン系樹脂塗料とNd磁性粉とで構成された水性磁性塗料において、珪酸塩水溶液及び金属亜鉛粒子の少なくとも一つを添加し、珪酸塩水溶液の添加量がNd磁性粉100重量部に対して5重量部以上であるNd磁性粉含有水性塗料組成物とする。
そして、エマルジョン系樹脂塗料が、アクリル樹脂系エマルジョン塗料、シリコンアクリル樹脂系エマルジョン塗料、及びエチレングリコールとジエチレングリコールモノブチルエーテルとの混合系エマルジョン塗料の、3種類の少なくとも1種を含むことが好ましく、白色を含めてカラーであっても良い。
珪酸塩が、珪酸ソーダ及び/又は珪酸リチュームであることは好ましい。
金属亜鉛粒子の平均粒子径が2μ以上且つNd磁性粉の平均粒子径の1/10以下であることは好ましく、また、珪酸塩水溶液の添加量がNd磁性粉100重量部に対して5重量部以上であると共に、金属亜鉛粒子の添加量がNd磁性粉100重量部に対して5重量部以上を併せて添加することは好ましい態様である。
Nd磁性粉が、着磁を施すことで高い磁気特性を有するNd-Fe―B系のNd磁石である事は好ましく、その粒子径が略110μ以下であれば塗布し易い粘性を確保し、且つ塗布表面の大きな凹凸を抑えて塗装面としての少なくとも最低限の品質を確保することが出来る。
本発明の水性塗料組成物を磁性又は非磁性を問わず壁面やボードに塗布し乾燥させると、未着磁のNd磁性面が得られる。
また、磁性または非磁性のシートに塗布し乾燥させればNd磁性シートが得られる。
該シートの裏面に粘着剤層が形成されていると簡単な貼る操作でNd磁性シート面が確保出来る。そして前記裏面に粘着剤層が形成されているシートは、両面粘着シートの片面に本発明のNd磁性粉含有水性塗料組成物を塗布し乾燥させることでもって、得ることが出来る。
本発明に依れば、磁気特性が高いが非常に錆び易いNd磁性粉を使用しながら、錆に対して強い抵抗を有するNd磁性粉含有水性塗料が得られる。
任意の面に塗布することが出来る他に、裏面に粘着剤付きのシートを直接得ることが出来る。白や緑や赤のカラーの壁を実現出来るのみならず、該壁面を着磁すれば、磁石の壁として各種掲示物を留めることが出来る。
本発明の塗料は水性なので取り扱いが容易で、且つ有害有機物が発散することは無い。
本発明の組成物を評価する為のサンプルシートを作成する方法を説明する図 図1の方法で得られた、評価用のサンプルシート 裏面に粘着剤付きの磁性シートを製作する方法を説明する図 図3の方法で得られた、粘着剤付き磁性シート 図3の方法で得られたシートを着磁(多極着磁)した状態を説明する図 Nd磁性粉の電子顕微鏡写真 金属亜鉛粉の電子顕微鏡写真 実施例3のサンプルシート断面の電子顕微鏡写真 実施例3のサンプルシート表面の電子顕微鏡写真 実施例6のサンプルシート断面の電子顕微鏡写真 実施例9のサンプルシート断面の電子顕微鏡写真 実施例11のサンプルシート断面の電子顕微鏡写真 比較例2のサンプルシート断面の電子顕微鏡写真
本発明は磁性塗料組成物に関し、特に磁性粉成分としてNd(ネオジウム)磁性粉を採用している。これは未着磁の硬磁性(ハード磁性)粉である。
Nd磁性粉は幾つかの種類があるが、その中の1つの「MQパウダー」はマグネクエンチ社で製造・販売されていて入手出来るとともに、強力な永久磁石となる事が可能である。また、その製造方法は良く知られている様に「急冷薄帯」として得られた薄い帯状の金属を粉砕している。そこで本発明では、入手したMQパウダーを篩で分級することでもって、塗料としての重要特性である粘度特性や塗装後の表面状態が好適になる粒度を確保している。
篩に依る分級操作では、篩に装着した網の隙間の大きさ(開口と言う)を通過するか否かでもって区分するが、本発明では「開口106μ」の篩を通過した(「106μ↓」と表示する。)粉体を採用した。因に「106μ↑」は篩の網を通過せず、網上に残ったことを意味している。
開口が106μであっても粉体の形状や物理的な力に依って106μを超える大きさの粒子が通過することは想定される。しかし極少量に限られる。更にまた、106μに満たない大きさであっても、凝集や付着という現象でもって網を通過しないことは有りえるのである。
図6は、本発明で採用したNd磁性粉の電子顕微鏡写真である。「106μ↓」であり、著しく小さな粉は殆ど無い。
以下、上記Nd磁性粉を用いた実施例と比較例で説明する。
シリコンアクリル樹脂系合成樹脂エマルジョンペイントである、「水性多用途カラー(白)」(株式会社アサヒペンが販売)5グラムに、珪酸ソーダ水溶液の1種類である水ガラス1号(日本化学工業株式会社が販売)を1.0グラム加えて混合し、更にNd磁性粉(MQパウダー)を19.4グラム加えて良く混合して、Nd磁性粉含有水性塗料組成物を得た。本組成は、表1の組成No.1である。
次いで、図1に示す方法で該塗料組成物を両面粘着テープ1の片面に塗布した。すなわち、ニトムスプロセルフ・カーペット用強弱両面テ―プ(日東電工株式会社製)を台紙(厚紙)4に粘着させ、離型紙(保護紙)2を取り去って新たに表れた粘着剤層3の表面に前記塗料組成物を適量乗せ、スペーサー5のクリアランスになる様に、バー(バーコーター)6を矢印Aの方向に移動させて、一定厚のシート状磁性塗料層7を得た。
得られたシートを室内で自然乾燥させると、図2に示すように、台紙4の上に粘着シート層3があり、その上にシート状磁性塗料層7が形成された評価用磁性シート8が得られた。
両面粘着シートの粘着剤層表面は水をはじき疎水性を示すが、本発明の水性塗料組成物を塗布し水分が乾燥後の評価用磁性シート8では、シート状磁性塗料層7が粘着シート層3と強固に粘着している。
本発明の実施例及び比較例いずれの組成物も同様で、また、前記両面粘着テープの他の粘着剤層面も同様であった。
次に、プラスチック製カップ容器に十分満たした水道水に前記評価用磁性シート8全体を浸漬させ、二十℃前後の室内に放置して定期的にシートを肉眼及びルーペで観察した。
錆発生テスト開始後丸3日後及び丸10日経過後におけるサンプルの状態を観察したところ、シート表面及び事前にハサミで切断した破断面の両者共に錆の発生は認められなかった。
観察結果を表3に示す。表1は、実施例1及び他の実施例と比較例の組成物の内容の一覧表である。また、シートの色を定量化すべく、コニカミノルタ社の分光測色計(CM-700d)でシート(錆発生テスト前)表面の明るさ(L*)とa*軸(+は赤、-は緑で、絶対値が大きい程彩度が高い)について測定を実施した。表2がその結果の一覧表である。
Figure 0007490200000001
Figure 0007490200000002
Figure 0007490200000003
実施例1と同様にして、実施例2~実施例10を実施した。それぞれの組成を表1に示し、分光測色結果を表2に、錆発生テストの結果を表3に纏めている。
実施例2では、実施例1に対して、水ガラス1号を2.0グラムとした。
実施例3では、実施例1に対して、亜鉛粉を1.0グラム加えた。
実施例4では、実施例1に対して、水ガラス1号に替えて珪酸リチューム35を2.0グラム加えた。
実施例5では、実施例1に対して、水ガラス1号に替えて珪酸リチューム35を1.0グラム加えるとともに、亜鉛粉を1.0グラム加えた。
実施例6では、実施例1に対して、更に珪酸リチューム35を1.0グラム加えた。
実施例7では、実施例1に対して、更に珪酸リチューム35を1.0グラム加えるとともに、亜鉛粉を1.0グラム加えた。
実施例8では、実施例1に対して、「水性多用途カラー(白)」に替えて「オールマイティネオ(白)」を5.0グラム加えた。
実施例9では、実施例1に対して、「水性多用途カラー(白)」に替えて「オールマイティネオ(白)」を5.0グラム加えるとともに、亜鉛粉を1.0グラム加えた。
実施例10では、実施例1に対して、水ガラス1号を加えることなく、亜鉛粉を2.0グラム加えた。
ここに、「オールマイティネオ(白)」は、アトムサポート株式会社の合成樹脂エマルジョン塗料で、樹脂成分としてジエチレングリコールモノブチルエーテルとエチレングリコールを含んでいる。
珪酸リチューム35は、日本化学工業が販売している珪酸塩水溶液の1種類である。亜鉛粉は、九州白水株式会社のグレードF(粒子径3~5μ、平均3.8μ)を用いた。図7は本発明で採用した亜鉛粉末の電子顕微鏡写真である。
本発明で採用したNd磁性粉をそのまま水道水中に浸漬すると、数時間で色が変わり始め、丸一日を経る前に赤褐色の錆になってしまう。対して本発明の実施例1~10においてはシート表面の色がやや変化した様に見えることはあっても、明らかに錆が発生・進行していると考えられる変化は一切確認することが出来なかった。
〔比較例1〕
水性多用途カラー(白)5グラムに、Nd磁性粉(MQパウダー)を19.4グラム加えて良く混合した。以下実施例1と同様に評価用試験シートを作成し、錆発生テストを実施した。浸漬3日後には全面に赤褐色の錆が拡大し、その後時間とともに進行した。
試験結果を表2及び表3に示す。
同様に、比較例2~比較例4を実施した。その組成内容を表1に、分光測色結果を表2に、錆発生テストの結果を表3に纏めている。
表3から明らかなように珪酸塩の添加量は、Nd磁性粉100重量部に対して2.6重量部程度では防錆効果が少ない。5.1重量部程度で効果が顕著となる。
亜鉛粉単独の場合もNd磁性粉100重量部に対して2.6重量部程度では防錆効果が少ない。5.1重量部程度で効果が顕著である。
更に、珪酸塩と亜鉛粉の両者を併用(添加)すると、亜鉛粉の添加量が少ないにも拘らず試験シート表面の状態が殆ど変化せず、水に浸漬していないシート表面に近い明るさや色を維持している。相乗効果と考えられる。
多用途カラー(白)5グラムの塗料に替えて、多用途カラー(緑)5グラムの塗料としたこと以外は実施例3と同様の組成物を準備し、試験用サンプルシートを実施例1と同様の方法で製作し、分光測色測定と錆発生テストとを実施した。
組成内容を表1に、分光測色結果を表2に、錆発生テストの結果を表3に示した。
本実施例は本発明の組成物がカラー化出来ることを実証した例である。
緑色の程度を示す「a*」軸は、マイナス側が緑であり、絶対値が大きい程緑色が強い(彩度が高い)ことを表わしている。
本実施例では明度(L*)が36.7程度とやや暗いので鮮やかでは無いものの、緑色の数値はマイナス8.22(本実施例)であり、肉眼では深みの在る重厚な緑色である。磁性粉を砂鉄に替えた比較試験を実施すると「a*」=マイナス7.93であり、本実施例の方がより強い緑色を示すことが判った。但し砂鉄の粒子径は「106μ↓&32μ↑」を採用しており、色を黒っぽくする微粉は分級操作で取り除いている。
本発明で採用しているエマルジョン塗料(白)は、酸化チタンが配合されていて白色を呈している。少なくともグレーで、「黒」では無い明るさがある。
以上の様に、本発明では白色を含め、緑やその他のカラー化が可能である。また、塗料メーカーからは赤や黄色、その他の色の水性エマルジョン塗料が市販されていて、本発明のベース組成として採用することが出来る。追加の顔料等を添加しても良い。
図8から図13はそれぞれ、実施例3の評価用シートの断面とその表面の電子顕微鏡写真。及び実施例6、実施例9、実施例11、及び比較例2の評価用シートの断面の電子顕微鏡写真である。
塗料樹脂がNd磁性粉に絡みつき、塗料層が粘着シート層表面に密着していることが判る。
また図9ではシート表面を塗料樹脂が覆っていることが判る。
実施例6(表1の組成No.6)の塗料組成物を準備し、図3の方法で裏面にアクリル樹脂系の粘着剤付きの磁性シートを得た。
すなわち、両面粘着シート9の離型紙2を付けたまま、巻凹面に前記塗料組成物を適量乗せ、スペーサー5のクリアランスになる様に、バー(バーコーター)6を矢印Aの方向に移動させて、一定厚のシート状磁性塗料層7を得た。
得られたシートを乾燥させると、図10に示すように、裏面を離型紙2に保護された粘着シート層3の上にシート状磁性塗料層7が形成された磁性シート10が得られた。
所定の大きさ及び形状にカットした前記磁性シートの離型紙を取り除き、永久磁石に変えたい壁面部分に簡単に貼ることが出来た。更に該壁面に着磁ヨークを押し当ててヨークのコイルに電流を流すことで永久磁石の壁面に変えることが出来た。
また、磁性シート10の離型紙を付けたまま1対の着磁ヨークで挟み、且つ一定幅の磁極N・Sが交互に繰り返す様に且つ異なる磁極が向かい合うヨーク構成として着磁すると、多極着磁シート11(図5)が得られたので、その離型紙2をはがして任意の壁面または表面に粘着剤で容易に貼り付けることが出来た。
このようにして得られた壁面は、MQパウダーを含有しているので強い永久磁石となり、メタリー(ニチレイマグネット株式会社の登録商標)シートや軟磁性体を強力に磁気吸着するので、各種の掲示が出来る。
また着磁ピッチが同じである多極着磁シートを磁着部分に採用した係留フックを強固に磁気吸着する。該係留フックは磁気吸着力に比例した重量を係留することが出来る。
図5は、多極着磁マグネットシートを説明する為の図である。破線12は着磁されてシート表面に形成された磁極同士が隣り合う境界(肉眼では見えない=仮想)を示している。また、多極着磁された磁極のN又はSは、着磁シート11の表面に一定幅で交互に並んでいる。
本発明では防錆の対象をNd磁性粉としているが、他の錆び易い金属を添加した組成物でもその錆を防ぐことが出来るのは言うまでもない。もちろん、比較的錆に強いSm-Fe―N系磁石やSm-Co系磁石、更にアルニコ等についてはより確実にその錆を防ぐことが出来る。軟磁性であり錆易い鉄粉を添加しても良い。
鉄粉と同様に軟磁性であるソフトフェライト粒子を添加しても良く、ハードフェライト粉を本発明の組成物に添加しても良い。
また、本実施例や比較例では「珪酸塩水溶液」を採用しているが、水溶性の珪酸塩粒子を添加しても同様の結果が得られることは言うまでもない。併用しても良い。
本発明で採用したNd磁性粉は数μ程度以下の微粉が殆ど存在しないが、磁性塗料のカラー化を実現する為には微粉は少ない程好ましい。多いと黒っぽい色になってしまうからである。特にハードフェライト、ソフトフェライト、砂鉄(マグネタイト)、鉄粉等の他の磁性粉を添加する場合はその粒子径範囲をNd磁性粉のそれに準じることが好ましい。
例えば10μ程度未満の微粒子は組成物の色を黒くする作用があるので、分級操作等でカット(除去)すること、少なくとも減少させることが好ましい。より好ましくは数十μ以下をカットすると更に色が鮮やかとなる。平均粒子径が20μ以上であれば、黒くならないことの効果は十分に期待できる。
一方、大粒子(より好ましくは110μよりも大きいもの)をカットすれば塗料としての粘性の確保が可能で、塗装表面の凹凸が抑えられて好ましいのである。
本発明の組成物は水性であり、取り扱い方法は従来の水性塗料と同等である。もちろん水道水を採用することが出来る。
有害物質が発生せず、F☆☆☆☆(Fフォースター、JIS規格のホルムアルデヒド等級の最上位規格)を確保している。
上記実施例で示した亜鉛粉は、平均粒子径3.8μであるが、2μ以上且つ、鉄粉の1/10以下であれば、防錆効果の向上は十分に期待できる。
本発明のNd磁性粉含有水性塗料組成物は、壁面等に直接塗布し乾燥させることでもって高磁力の磁性面を形成することが出来る。該ハード磁性面は、例えば電磁石式着磁ヨークで多極着磁すると永久磁石の壁面を作ることが出来る。
或いは裏面に粘着剤を有するハード磁性シートを製作し、そのハード磁性シートを予め通常の方法で着磁してから、ボード等の面に簡単に貼り付けることが出来る。
塗料は白色を含めてカラフルなラインアップが可能である。
更に水性なので、作業や後始末が簡単で且つ環境問題をクリアーしている。
1 両面粘着テープ
2 離型紙
3 粘着剤層
4 台紙
5 スペーサー
6 コーター
7 シート状磁性塗料層(シート状のNd磁性粉含有水性塗料組成物の層)
8 評価用磁性シート
9 両面粘着シート
10 タッキー(粘着剤)付きの磁性シート
11 多極着磁シート
12 隣接する磁極と磁極の境界を表わす仮想線
13 台紙
14 両面粘着テープ層
15 磁性塗料層(Nd磁性粉含有水性塗料組成物の層)
16 導電性両面粘着テープ層(評価用磁性シートを装置へ固定する役割)
A バーコーターを移動させる方向を表わす矢印

Claims (15)

  1. エマルジョン系樹脂塗料とNd磁性粉とで構成された水性磁性塗料において、金属亜鉛粒子を添加し、金属亜鉛粒子の添加量がNd磁性粉19.4重量部に対して2重量部以上であることを特徴とする、Nd磁性粉含有水性塗料組成物。
  2. 金属亜鉛粒子の平均粒子径が2μ以上且つNd磁性粉の平均粒子径の1/10以下であることを特徴とする、請求項1に記載のNd磁性粉含有水性塗料組成物。
  3. エマルジョン系樹脂塗料とNd磁性粉とで構成された水性磁性塗料において、珪酸塩水溶液を添加し、珪酸塩水溶液の添加量がNd磁性粉100重量部に対して5重量部以上であることを特徴とする、Nd磁性粉含有水性塗料組成物。
  4. 平均粒子径が2μ以上且つNd磁性粉の平均粒子径の1/10以下である金属亜鉛粒子を添加することを特徴とする、請求項3に記載のNd磁性粉含有水性塗料組成物。
  5. Nd磁性粉100重量部に対して5重量部以上の金属亜鉛粒子を添加することを特徴とする、請求項3または請求項4に記載のNd磁性粉含有水性塗料組成物。
  6. エマルジョン系樹脂塗料が、アクリル樹脂系エマルジョン塗料、シリコンアクリル樹脂系エマルジョン塗料、及びエチレングリコールとジエチレングリコールモノブチルエーテルとの混合系エマルジョン塗料の、3種類の少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のNd磁性粉含有水性塗料組成物。
  7. エマルジョン系樹脂塗料が、白色を含めてカラーであることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のNd磁性粉含有水性塗料組成物。
  8. 珪酸塩が、珪酸ソーダ及び/又は珪酸リチュームであることを特徴とする、請求項3乃至請求項7のいずれか1項に記載のNd磁性粉含有水性塗料組成物。
  9. Nd磁性紛が、着磁を施すことでNd-Fe―B系の永久磁石になるハード磁性紛であることを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のNd磁性粉含有水性塗料組成物。
  10. Nd磁性粉の粒子径が略110μ以下であることを特徴とする、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のNd磁性粉含有水性塗料組成物。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のNd磁性粉含有水性塗料組成物を、磁性又は非磁性の壁面又はボードに塗布し乾燥させてなることを特徴とする磁性面。
  12. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のNd磁性粉含有水性塗料組成物を、磁性又は非磁性シート状部材の少なくとも片面に塗布し乾燥させてなることを特徴とする磁性シート。
  13. 裏面に粘着剤層が形成されていることを特徴とする請求項12に記載の磁性シート。
  14. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のNd磁性粉含有水性塗料組成物を、両面粘着シートの片面に塗布し乾燥させてなることを特徴とする、請求項13に記載の磁性シート。
  15. 請求項12乃至請求項14のいずれか1項に記載の磁性シートを、磁性又は非磁性の面に貼着させてなることを特徴とする磁性面。
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