JP5988133B2 - 磁着性塗料用混合物および磁着性塗料 - Google Patents

磁着性塗料用混合物および磁着性塗料 Download PDF

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Description

本発明は磁着性塗料用混合物および磁着性塗料に係り、特に、磁性のない壁等の面に塗って磁石がつくように磁性を帯びさせる塗料である磁着性塗料において、塗装後の錆の発生を有効に、かつ低コストで防止することのできる、磁着性塗料用混合物および磁着性塗料に関するものである。
従来、鉄の錆防止技術は多くの方法がある。
アノード側:Fe→Fe2++2e・・・・・・・<式1>
カソード側:1/2O+HO+2e→2OH・・・<式2>
式1および式2に示すように、水と酸素が存在することでアノードとカソードの間で電子の授受が行われ、鉄はイオンとして溶け出し、酸化してFe(OH)、Fe(OH)、FeOOH、Fe等の錆成分に変化する。したがって、基本的には水か酸素のどちらかを浸入させないようにすれば、錆の反応は進まない。
そのため、鉄表面の水を拭き取ってから油を塗り水と酸素から遮断する方法、吸湿剤を近くにおいて水分を少なくする方法は、広く行われている簡易な防錆(防食)方法であり、一般家庭でも行われている。また、電流を外部から付加して表面の電位を腐食しない範囲の電位にすることで錆の進行を防ぐ電気防食、鉄よりもイオン化傾向の大きい金属(鉄の場合は亜鉛が主)をめっきして、腐食環境下でも鉄よりも優先的に溶かすことで鉄を保護し犠牲防食する方法は、工業的に一般化されている。このように鉄の防食方法は多種あり、原理的には解明されているので、その用途、使用環境、要求コストに応じてどの方法を選択するのか、見極める必要がある。
鉄粉の錆防止については、後掲特許文献1において、「10〜60μmで鉄粉防錆加工を施してあり」との記載開示があるものの、具体的な防錆方法については明記されていないため、これを実施することはできず、実際に使用することができない。また特許文献2には、1〜数百μmの鉄粉等の強磁性粒子を含むペイント、コーティングが開示されているが、鉄粉の防錆方法は不明であり、これも実施不可能である。
また、塗装という観点での防錆技術については、ローバル株式会社の常温亜鉛めっき、あるいはジンクリッチペイントがある。これらは亜鉛粉末を練り込んだ塗料であり、鉄板に塗ることで防錆効果を得るというものである。また、塗料に金属粉を混ぜた技術として特許文献3開示技術があるが、これは亜鉛末を含む粉体塗料を鉄骨に塗るというものである。
また、特許文献4には、リン酸塩系防錆顔料、亜リン酸塩系防錆顔料及び縮合リン酸塩系防錆顔料から選択された1種以上の防錆顔料と、鱗片状アルミニウム顔料と、および樹脂組成物とを含有する水性塗料組成物であって、該1種以上の元素が、亜鉛、カルシウム、アルミニウム、チタン、珪素、マグネシウム、マンガン、ストロンチウム、バリウム、鉄、ジルコニウムおよびセリウムから選択された1種または2種以上の元素である水性塗料組成物が開示されている。
さらに、塗料分野ではないが、磁着性のシートという観点からは、後掲特許文献5および6開示技術が挙げられる。これらは、磁性物を混入させることによって磁石が吸着するシートである。なお、その他、鉄粉自体に亜鉛めっきするという方法も、不可能なことではない。
特開2011−79996号公報「塗料、該塗料を塗布した磁性基板および被磁着面の形成方法」 出願番号AU20020100052 20020124 2002−02−21「Paint with magnetic or magnet attracting properties」 特開2007−50369号公報「亜鉛末を含む粉体塗料を使用した粉体塗装方法及びその塗装品」 特開2008−248073号公報「水性塗料組成物、防錆顔料分散体及び水性塗料組成物の製造方法」 特開2004−167819号公報「磁性物吸着シートおよびその製造方法」 実用新案登録3131414号号公報「磁性物吸着性板材」
さて、磁性のない壁等の面に塗って磁石がつくように磁性を帯びさせる塗料すなわち磁着性塗料においては、塗料中に鉄粉を入れるため、塗装後に錆が発生してしまうという問題があった。しかも、磁着性塗料が水溶性の場合には、錆はさらに発生しやすく、有効な防錆方法が求められる現状である。しかも、経営規模の比較的小さい一般の塗装業においても使用可能な、低コストの防錆方法が求められている。なお、磁着性のステンレス粉は錆防止に有効であるが、コスト面で不利であるため、対象外とした。
上述のように、塗料の防錆や磁着性の塗料・シートについては、従来から複数の技術的提案がなされている。しかし、特許文献1、2開示技術はいずれも、鉄粉の防錆方法が不明であり、実際に使用可能な技術ではない。また、ジンクリッチペイント等や特許文献3開示技術は、本発明の技術分野であるところの磁着性塗料とは無関係の技術である。
また特許文献4開示技術は、貯蔵時にアルミニウム顔料と水との反応による水素ガスの発生を抑制するのが目的であり、たとえ鉄と亜鉛が同時に入っている構成であっても、防錆効果を得ることはできない。さらに磁着性のシートに関する特許文献5および6開示技術においては、防錆の必要性が全く言及も示唆もされていない。また、鉄粉に亜鉛めっきする方法は特殊であって、専門業者でなくては実施不可能であり、しかもコストが高くなるため、一般の塗装業においては採用不能であるなど、産業上利用性が極めて乏しい。
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の状況・限界を踏まえ、磁着性塗料において、塗装後の錆の発生を有効に、かつ低コストで防止することのできる、磁着性塗料用混合物および磁着性塗料を提供することである。特に、水溶性の磁着性塗料であっても、塗装後の錆の発生を有効に、かつ低コストで防止することのできる、磁着性塗料用混合物および磁着性塗料を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、鉄粉に、亜鉛など鉄よりイオン化傾向の大きい金属を1種以上混ぜた混合物を、磁着性塗料の原料として用いることによって課題を解決できることを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
(1) 磁性のない面への塗布後にその面に磁石を磁着させることのできる磁性を帯びさせるための磁着性塗料を得るために用いられる磁着性塗料用混合物であって、鉄系粉体およびその表面に付着している金属粉体からなり、該金属粉体は亜鉛、マグネシウムまたはアルミニウムの少なくともいずれかであり、該鉄系粉体の平均粒径は10μm以上130μmであり、該金属粉体の平均粒径は3μm以上50μm以下であり、該鉄系粉体に対する該金属粉体の重量比が3%以上20%以下であり、撹拌し均一な厚さに敷いて平面観察した際に、該金属粉体の占める面積に対する該鉄系粉体の占める面積が6倍以上9倍以下であことを特徴とする、磁着性塗料用混合物。
(2) 磁性のない面への塗布後にその面に磁石を磁着させることのできる磁性を帯びさせるための磁着性塗料を得るために用いられる磁着性塗料用混合物であって、鉄系粉体およびその表面に付着している金属粉体からなり、該金属粉体は亜鉛、マグネシウムまたはアルミニウムの少なくともいずれかであり、該鉄系粉体の平均粒径は10μm以上130μmであり、該金属粉体の平均粒径は3μm以上50μm以下であり、該鉄系粉体に対する該金属粉体の重量比が3%以上20%以下であり、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、存在する前記鉄系粉体が一定個数範囲内となる一定倍率の観察視野を複数抽出し、各観察視野において測定された前記金属粉体の占める面積に対する該鉄系粉体の占める面積が平均6倍以上9倍以下であことを特徴とする、磁着性塗料用混合物。
(3) (1)または(2)に記載の磁着性塗料用混合物を塗料に分散してなる、磁着性塗料。
(4) 塗布後に平面観察した際に、前記磁着性塗料に係る金属粉体の占める面積に対する鉄系粉体の占める面積が6倍以上9倍以下であることを特徴とする、(3)に記載の磁着性塗料。
(5) 走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、存在する前記鉄系粉体が一定個数範囲内となる一定倍率の観察視野を複数抽出し、各観察視野において測定された前記金属粉体の占める面積に対する該鉄系粉体の占める面積が平均6倍以上9倍以下であることを特徴とする、(4)に記載の磁着性塗料。
(6) 前記塗料は水溶性塗料であることを特徴とする、(3)ないし(5)のいずれかに記載の磁着性塗料。
(7) (3)ないし(6)のいずれかに記載の磁着性塗料であって、使用前後に亘り防錆効果を備えている防錆塗料でもあることを特徴とする、磁着性塗料。
(8) (3)ないし(7)のいずれかに記載の磁着性塗料が塗られることにより磁石が吸い付く磁着性塗膜が形成されていることを特徴とする、壁。
(9) (3)ないし(7)のいずれかに記載の磁着性塗料が塗られることにより磁石が吸い付く磁着性塗膜が形成されていることを特徴とする、面。
(10) (1)または(2)に記載の磁着性塗料用混合物を塗料に分散することにより行う、磁着性塗料製造方法。
本発明の磁着性塗料用混合物および磁着性塗料は上述のように構成されるため、これによれば、塗装後の錆の発生を有効に、かつ低コストで防止することができる。たとえ磁着性塗料が水溶性のものであっても、十分な防錆効果を得ることができる。これにより、塗装後も錆のない美しい外観を保持することができ、磁着性塗料の利用を拡大することができる。
磁着性塗料用混合物の製造も、それを用いた磁着性塗料の製造・調製も、特殊な装置等を必要とせずに低コストかつ簡単な方法で行うことができる。すなわち本願発明によれば、めっきを用いることなく、単に粉を混ぜ合わせるだけで簡単に効果的な錆防止が可能となるため、極めて便利である。
また、磁着性塗料用混合物と通常の塗料とを分けて提供し、使用者において適宜、塗料に磁着性塗料用混合物を分散させることで、必要時に磁着性塗料を調製するという利用法も可能となり、磁着性塗料の利用を拡大することができる。
磁着性塗料は、壁に塗料を塗るだけで磁石が吸い付く壁とし、これにより紙類等を磁石で貼り付けることができるため、画鋲使用を不要とする塗料である。したがって、画鋲を踏みつけたり、飲み込んだりするといった事故がなくなるため、特に幼児やお年寄りの暮らす生活空間には最適である。もちろんそれ以外の者にとっても、画鋲を用いるよりも容易に紙等を壁に貼り付けることができ、便利である。そして、画鋲使用の場合には避けられなかった壁への穴空きが発生しないため、美観や耐久性の点でも有利である。本願発明は、このように多くの利点がある磁着性塗料の普及を、一層拡大できるものである。
鉄粉に対して亜鉛粉を5重量%混合して調製した、本発明の磁着性塗料用混合物の電子顕微鏡写真である。 鉄粉に対して亜鉛粉を10重量%混合して調製した、本発明の磁着性塗料用混合物の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の磁着性塗料用混合物は、塗布後の面に磁石を磁着させることのできる磁着性塗料を得るための混合物であって、鉄系粉体、および鉄よりイオン化傾向の大きい1種以上の金属粉体とが混合されてなることを、主たる構成とする。混合する金属粉体は1種類のみでも、また2種類以上であってもよい。
鉄系粉体は、本発明に係る磁着性塗料を磁石が吸い付くようにするための磁性体物質として用いるものであり、本発明においては金属鉄または他の金属元素が添加された合金鉄であって粉状の形態をとるものを、鉄系粉体という。鉄系サイズは、特に限定されるものではない。
金属粉体としては、水中でも容易に溶解しやすい亜鉛粉が最も効果的である。すなわち、鉄に対する亜鉛の犠牲防食作用を利用した手段の一つといえるが、本発明が従来の犠牲防食と顕著に異なる点は、めっきでなくて、ただ粉体同士を混ぜ合わせるだけで、十分に実用性のある防錆効果を得られることである。
なお、イオン化傾向は、Li>K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>Cu>Hg>Ag>Pt>Au であり、鉄より大きい金属は、Li、K、Ca、Na、Mg、Al、Znである。しかしながら、Li、K、Ca、Naは反応性が大きく金属として扱うには危険を伴うため、本発明においては、Mg、Al、Znのいずれかが、磁着性塗料用混合物を構成するための金属粉体として、適している。このうち、Mg,Alは大気中では酸化しやすいため、Znが最も扱いやすく、本発明の効果を最大限に得ることができる。
本発明の磁着性塗料用混合物は、鉄系粉体に対する金属粉体の重量比が3%以上20%以下となるように両者を混合して得るものとすることができる。混合する金属粉体の重量が、鉄系粉体重量に対して3%未満であると、金属粉体による鉄に対する犠牲防食作用が十分に発揮できないため、錆びやすくなり、所期の効果を十分に得られない。一方20%を超えると、犠牲防食作用は十分に得られるものの、金属粉体の量が多過ぎて鉄の磁石吸着力が低下してしまうため、磁着性塗料としては好ましくない。
したがって、鉄系粉体に対する金属粉体の重量比が3%以上20%以下となるよう両者を混合することが、本磁着性塗料用混合物では望ましい。なお、金属粉体として亜鉛を用いる場合も3%以上20%以下の範囲で混合することが望ましいが、最低5%以上とすれば、より優れた効果を得ることができる。また、鉄系粉体と金属粉体の混合は、できる限り均一に行うことが望ましい。
図1は、鉄粉に対して亜鉛粉を5重量%混合して調製した、本発明の磁着性塗料用混合物の電子顕微鏡写真である。また、
図2は、鉄粉に対して亜鉛粉を10重量%混合して調製した、本発明の磁着性塗料用混合物の電子顕微鏡写真である。いずれの写真でも、大きな角張った粒子が鉄で、小さな球状の粒子が亜鉛である。
本発明磁着性塗料用混合物における鉄系粉体と金属粉体の混合態様については、特に次のようにも規定することができる。すなわち、磁着性塗料用混合物の一定量を撹拌して均一な厚さに敷き、これを平面観察した際に、金属粉体の占める面積に対する鉄系粉体の占める面積が6倍以上9倍以下となるものを特に、本発明の磁着性塗料用混合物と規定するものとすることができる。換言すれば、平面観察された範囲内における金属粉体の占める面積比率が10%以上、約14%以下となるように金属粉体と鉄系粉体が混合されてなるものを、本発明磁着性塗料用混合物と規定することができる。なお、このような鉄系粉体と金属粉体の混合態様の特定がなされないものであっても、本発明の範囲内である。
なお、上述の混合態様の規定において用いた数比(6倍以上9倍以下)の根拠は以下のとおりである。6倍未満では、金属粉体の量が多過ぎることとなって鉄の磁石吸着力が比較的低下してしまい、一方、9倍を超えると金属粉体の量が不足して鉄に対する犠牲防食作用効果が低下し、比較的錆びやすさが増すからである。すなわち、6倍以上9倍以下とすることによって、磁石吸着力および犠牲防食効果の双方を、より十分に得られる。
一般的に粉体には、粒度分布が存在するため、重量比によって混合態様を規定しても、塗料に用いられ塗布されて面状に展開された場合、面上の局所においては、混ざり具合に必ずばらつきが生じる。したがって、かかる面積比による規定方法もまた、技術的に意義を有するところである。
なお、鉄系粉体に対する混ぜる金属粉体の重量比3〜20%という規定方法はマクロ的な見地から編み出されたものであり、一方、鉄系粉体の面積が金属粉体の面積に対し6〜9倍であるという規定方法は、具体的には、後述するように電子顕微鏡で観察するミクロ的な見地から編み出されたものである。したがって、いずれか一方のみによる本発明磁着性塗料用混合物の規定であっても、それぞれに技術的意義を有するが、両規定方法を併用して規定することにより、本発明の一層望ましく効果的な実施形態を特定することができる。
面積比を用いた本発明の規定方法は、具体的には走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、次のような大まかな手順によって行うことができる。
〔1〕観察視野の倍率決定_当該視野中に存在する鉄系粉体が一定個数範囲内となるような、一定の倍率を決定する。なお、SEM観察におけるその他の条件(試料の前処理方法、使用装置、加速電圧、他)は一定とする。
〔2〕観察視野の抽出_決定した倍率で、観察視野を複数個抽出する。
〔3〕面積測定_各観察視野において、金属粉体の占める面積と鉄系粉体の占める面積を測定する。
〔4〕面積比の算出_各観察視野において、各測定面積から面積比を算出し、統計的に処理する。
〔5〕評価_最終的に得られた、鉄系粉体/金属粉体の面積比が平均6倍以上9倍以下の磁着性塗料用混合物試料は、本発明の磁着性塗料用混合物であると評価する。
上記手順について、さらに説明する。
観察倍率は、当該磁着性塗料用混合物を構成する鉄系粉体と金属粉体の具体的な大きさ範囲に合わせて、適宜の倍率を検討し、一つの倍率を決定することができる。観察視野中に存在する鉄系粉体の個数が一定個数範囲内となるような倍率を目安とすればよい。一定個数範囲としては、5個以上10個以下とすることが望ましい。4個以下では視野が狭すぎて統計処理には不十分であり、一方、11個以上となると金属粉体の個数が相当多くなって、その大きさ・面積が測定しにくくなり、実用的でないからである。
観察視野の抽出は、SEM写真としてでも、あるいは画像としてでもよいが、以下は写真の場合の具体例を説明する。抽出する観察視野数は10とし、10葉の写真を用い、写真上で鉄系粉体と金属粉体それぞれの面積を測定する。測定には、コンピューターによる二値化処理等の画像処理は用いず、定規等を用いて各粉体を計測し、それに基づいておよその面積を算出する方法が、結局便宜である。各粉体の形状は一様ではないが、およそ球状なのであれば円と仮定して面積を算出し、また、角張った形状であれば三角形や四角形として面積を算出するか、それらの多角形に分割して算出した各面積を合算して、各粉体のおよその面積を求めればよい。
なお、上記の測定例において画像処理を利用しない理由は、鉄系粉体の上に金属粉体が乗っていて鉄系粉体の一部または全部が隠れた場合に、金属粉体が乗った部分の面積が鉄系粉体の面積から差し引かれてしまうことになり、本発明の磁着性塗料用混合物における両粉体の混合態様を規定する趣旨上、好ましくないからである。また、統計処理を行う以上、ある程度の観察視野数は必要であるが、10視野を超えると作業時間が長大となる上、時間をかけた程には測定精度が向上しない結果であったため、上記測定例では抽出数を10視野とした。
本発明の磁着性塗料用混合物は、これを構成する金属粉体として、特に、平均粒径が3μm以上50μm以下のものを用いるものとすることができる。平均粒径3μm未満では、金属粉体同士の凝集が発生しやすくなるため、鉄系粉体表面への付着が使用量程にはなされず、一方、50μmを超えるサイズでは大き過ぎるため鉄系粉体に付着しにくくなる。したがって、鉄系粉体に効果的に付着せしめる金属粉体の粒度としては、3〜50μmが最適である。なお、金属粉体の平均粒径は、レーザ回折・散乱光を利用した粒度分布測定方法あるいはふるいによる分級方法等によって測定することができる。
粉体は、粒度が小さくなると凝集エネルギーが増す。本発明の特徴は、めっき等の表面処理技術を用いずに、粉体の凝集エネルギーを利用して鉄系粉体に金属粉体を接触させ、犠牲防食作用を利用して鉄系粉体の錆を防ぐものである。それに最適な金属粉体粒径が3〜50μmの範囲であり、金属粉体が鉄系粉体に対して凝集しやすい粒径範囲である。3μm未満では凝集エネルギーが金属粉体同士にはたらき、一方50μmを超えると凝集エネルギーの利用性が低くなる。
以上説明した磁着性塗料用混合物を、適宜の塗料に分散させることによって、磁着性塗料を製造・調製することができ、かかる磁着性塗料も本発明の範囲内である。塗料としては水溶性塗料を用いることができる、という利点がある。本磁着性塗料は、これを壁などの塗布対象面に塗布した場合に、塗布後の平面観察において磁着性塗料に係る金属粉体の占める面積に対する鉄系粉体の占める面積が6倍以上9倍以下となるような性状を備えている塗料を、特に指すものとすることができる。
塗布後の面の観察・面積測定は、試験的に塗布した面を切除して観察試料とし、上述したように走査型電子顕微鏡(SEM)を用いたSEM観察、および面積測定方法によって行うことができる。
水溶性の磁着性塗料は通常、非水溶性のものと比べて錆が発生しやすい。しかし本発明では混合された金属粉体の犠牲防食作用により、優れて実用的な防錆効果を得ることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明がかかる実施例に限定されるものではない。なお、本発明完成に到る実験経過の一部をもって、実施例とする。
<1.実験方法>
粒径10〜130μmの鉄粉10gに、粒径3〜50μmの金属粉1種類または複数種類を加え、ミキサーで均一になるよう撹拌して磁着性塗料用混合物とし、これを水溶性塗料5gに混ぜて磁着性塗料とし、木板に均一に塗った。金属粉の種類、鉄粉に対する金属粉の重量比、および金属粉に対する鉄粉の面積比を種々変えて磁着性塗料を調製し(実施例、比較例。詳細は後掲の表を参照。)、塗布後、室温(10〜15℃)、相対湿度40〜50%の室内にて乾燥させた。
塗布処理から1日後に、各木板の塗布面における錆発生状況を、1名の観察者による目視観察で判定した。錆発生がない場合を○、発生した場合を×とした。なお、木板の形状は長方形で、サイズは200×70(mm)×厚さ2(mm)、用いた塗料はトウペ社製、型名トアVフリーハイベストで、色は白色、塗布方法はハケを用いて3回塗り、塗布した面積は105cm、目視観察の際の目と木板表面との距離は30cm、観察者の視力は右1.0、左1.0である。
さらに、壁に塗布した際の磁石吸着力を判断するための試験を行った。各磁着性塗料試料(実施例、比較例)を、壁を模して床面に対し垂直に立てた木製板上に塗布、乾燥させた後、重り500gを吊したフェライト磁石をその壁に磁着させ、磁着後10秒以内に自然にずり下がり始めた場合を×、10秒以内にはずり下がり始めず10秒間壁上に保持された場合を○とした。なお、各試料の塗布面積は105cm、フェライト磁石は重量15g、形状は長方形で、サイズは15×20(mm)×厚さ約2mmである。
また、鉄粉/金属粉の面積比は、走査電子顕微鏡で観察した平均値を用いた。使用装置は日本電子社製・型名JSM−7600F、観察倍率は500倍とし、各試料とも10視野のSEM観察写真により、上述の手順に則って各試料の面積比を算出した。なお、粉体が粒度分布を持っているために、当然ながら観察場所によって算出値は異なったものとなったが、平均値を求めてそれぞれの面積比とした。また、鉄粉に対する金属粉の重量比が同じであっても、面積比は異なる結果となる場合もあった。
<2.実験結果>
実施例1〜11の主な条件および評価結果を表1に、また比較例1〜16については表2に示す。金属粉としてMg、AlまたはZnを単独でもしくは組み合わせて用い、かつ鉄粉に対する金属粉の重量を3〜20%(3.2〜19.5%)の範囲内とし、かつ鉄粉/金属粉の面積比を6〜9(6.1〜8.7)の範囲内とした実施例1〜11はいずれも、表1に示すように、錆発生が無く、かつ良好な磁石吸着力を備える磁着性塗料であった。なお、実施例7〜11は複数の金属粉を用いた例であるが、実施例7、11のように一種の金属粉が3〜20%範囲外の場合であっても、合計が3〜20%範囲内に入っていれば、良好な結果が得られた。
一方、比較例1〜16は表2に示すように、防錆効果または磁石吸着力のいずれかが欠ける結果となった。これらについて、個別に説明する。
比較例1、3は、鉄粉に混ぜた金属が、鉄よりイオン化傾向の小さいNi、Cuであって鉄の犠牲防食作用のないものであり、錆が発生した。
比較例2は、金属粉を混ぜない鉄粉のみによる磁着性塗料であり、錆が発生した。
比較例3は、鉄粉に混ぜた金属が鉄よりイオン化傾向の小さいCuであって鉄の犠牲防食作用のないものであり、錆が発生した。
比較例4は、鉄粉に混ぜた金属が鉄よりイオン化傾向の大きいZnであるが、鉄粉に対する金属粉の重量比が3〜20%の範囲外であり(2.5%)、錆が発生した。
比較例5は、鉄粉に混ぜた金属が鉄よりイオン化傾向の大きいZnであるが、鉄粉に対する金属粉の重量比が3〜20%の範囲外であり(22%)、磁性の弱いZnが表面に集まり、鉄粉の磁石への吸着力が弱まった。
比較例6は、鉄粉に混ぜた金属が鉄よりイオン化傾向の大きいZnであるが、鉄粉/金属粉の面積比が6〜9の範囲外であり(9.2)、鉄に対する亜鉛の量が不足しており、錆びが発生した。
比較例7は、鉄粉に混ぜた金属が鉄よりイオン化傾向の大きいZnであるが、鉄粉/金属粉の面積比が6〜9の範囲外であり(5.5)、鉄に対する亜鉛の量が過剰になり、比較例5同様に鉄粉の磁石への吸着力が弱まった。
比較例8は、Znの代わりにMgを用いた例であり、比較例4と同様である。
比較例9は、Znの代わりにMgを用いた例であり、比較例5と同様である。
比較例10は、Znの代わりにMgを用いた例であり、比較例6と同様である。
比較例11は、Znの代わりにMgを用いた例であり、比較例7と同様である。
比較例12は、Znの代わりにAlを用いた例であり、比較例4と同様である。
比較例13は、Znの代わりにAlを用いた例であり、比較例5と同様である。
比較例14は、Znの代わりにAlを用いた例であり、比較例6と同様である。
比較例15は、Znの代わりにAlを用いた例であり、比較例7と同様である。
比較例16は、ZnとMgがそれぞれ3〜20%内であるが、合計すると20%を超えており、磁着性が弱まった。このように、複数種類の金属粉を用いる場合は、合計重量比が3〜20%内となるようにするのがよい。
本発明の磁着性塗料用混合物および磁着性塗料によれば、磁石が吸い付く壁等の面における錆の発生を有効に防止でき、美観に優れた面を提供することが可能になる。したがって、内装工事・塗装業を初めとして、関係する各種産業分野に亘って、利用性が高い発明である。

Claims (10)

  1. 磁性のない面への塗布後にその面に磁石を磁着させることのできる磁性を帯びさせるための磁着性塗料を得るために用いられる磁着性塗料用混合物であって、
    鉄系粉体およびその表面に付着している金属粉体からなり、
    該金属粉体は亜鉛、マグネシウムまたはアルミニウムの少なくともいずれかであり、
    該鉄系粉体の平均粒径は10μm以上130μmであり、
    該金属粉体の平均粒径は3μm以上50μm以下であり、
    該鉄系粉体に対する該金属粉体の重量比が3%以上20%以下であり、
    撹拌し均一な厚さに敷いて平面観察した際に、該金属粉体の占める面積に対する該鉄系粉体の占める面積が6倍以上9倍以下であ
    ことを特徴とする、磁着性塗料用混合物。
  2. 磁性のない面への塗布後にその面に磁石を磁着させることのできる磁性を帯びさせるための磁着性塗料を得るために用いられる磁着性塗料用混合物であって、
    鉄系粉体およびその表面に付着している金属粉体からなり、
    該金属粉体は亜鉛、マグネシウムまたはアルミニウムの少なくともいずれかであり、
    該鉄系粉体の平均粒径は10μm以上130μmであり、
    該金属粉体の平均粒径は3μm以上50μm以下であり、
    該鉄系粉体に対する該金属粉体の重量比が3%以上20%以下であり、
    走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、存在する前記鉄系粉体が一定個数範囲内となる一定倍率の観察視野を複数抽出し、各観察視野において測定された前記金属粉体の占める面積に対する該鉄系粉体の占める面積が平均6倍以上9倍以下であ
    ことを特徴とする、磁着性塗料用混合物。
  3. 請求項1または2に記載の磁着性塗料用混合物を塗料に分散してなる、磁着性塗料。
  4. 塗布後に平面観察した際に、前記磁着性塗料に係る金属粉体の占める面積に対する鉄系粉体の占める面積が6倍以上9倍以下であることを特徴とする、請求項3に記載の磁着性塗料。
  5. 走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、存在する前記鉄系粉体が一定個数範囲内となる一定倍率の観察視野を複数抽出し、各観察視野において測定された前記金属粉体の占める面積に対する該鉄系粉体の占める面積が平均6倍以上9倍以下であることを特徴とする、請求項4に記載の磁着性塗料。
  6. 前記塗料は水溶性塗料であることを特徴とする、請求項3ないし5のいずれかに記載の磁着性塗料。
  7. 請求項3ないし6のいずれかに記載の磁着性塗料であって、使用前後に亘り防錆効果を備えている防錆塗料でもあることを特徴とする、磁着性塗料。
  8. 請求項3ないし7のいずれかに記載の磁着性塗料が塗られることにより磁石が吸い付く磁着性塗膜が形成されていることを特徴とする、壁。
  9. 請求項3ないし7のいずれかに記載の磁着性塗料が塗られることにより磁石が吸い付く磁着性塗膜が形成されていることを特徴とする、面。
  10. 請求項1または2に記載の磁着性塗料用混合物を塗料に分散することにより行う、磁着性塗料製造方法。
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