JP7246642B2 - 白色水性磁性塗料及びそれを用いた白色磁性シート - Google Patents

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Description

本発明は、軟磁性・硬磁性に関わらず磁性を有する粉体を主成分とする塗料及び、その塗料から作られるシートに関わる。
本発明の塗装、塗装物及びシートは、軟磁性の磁気的特性を有しながら白くて柔らかく、且つ錆びる事が無い。
建材や建装材に磁性を付与する技術は、磁性材を後から塗装したり、磁性シートを貼り付けたりしていた。
さらに磁性材は、軟質・硬質に関わらず一般に黒い色をしていて、建材や建装材は黒い色になってしまうので、再度カラー塗装、又は表装シートを貼る必要があった。
他方で、塗料やパテに採用されて最も一般的な軟磁性材は鉄粉であるが、安価で安定して確保できる還元鉄粉は、水分に拠って錆びるという欠点がある。
特許文献1は、10μに満たない小さな磁性粒子表面を非磁性材で被覆して黒以外の色にするという提案であるが、比表面積が大きいので非磁性材体積が無視出来ず、本発明の分野では磁気特性の低下が大きい。更に、コストも多大となってしまう。
特許文献2は砂鉄又は四三酸化鉄などの錆びない材料を軟磁性粉として採用し、アクリル樹脂系合成樹脂に混ぜ込んでシートを成型している。しかし、得られたシートに改めて接着剤や粘着剤を新たに塗布してから、壁面などに貼着する必用があった。
色は黒い。
特開昭63―222324号公報 特開2004―167819号公報
本発明は、錆びの心配が無く黒色では無く白い磁性壁面を目指し、壁面に塗装する白い磁性塗料、及び壁面等に装着する白い磁性シートを提案する。
更に従来の磁性シートは、成型工程を経由した磁性シートの少なくとも片面に別工程で粘着剤層を形成させる工程、若しくは施工前に接着剤を塗布する作業が必要だったが、本発明は該工程を省略する事が出来る。
他方で従来の磁性シートはシートしての最低限の柔軟性はあるものの、手で触った感触は硬く、折り曲げに弱くてクラックが発生し易かった。
更に、ハサミで切断する場合などには黒く小さな粒子や破片が周囲を汚す、いわゆる“粉落ち現象”や、ハンドリング時にシートの角を白い室内の壁面に当ててしまった際には、白い壁面に黒いスジ状の跡が付いてしまうことが多かった。
本発明は、四三酸化鉄、ソフトフェライト、ハードフェライトの群から選ばれる1種又は複数の混合物であり且つ、粒子径が30μ以上110μ以下の磁性粉を、白色顔料を含有する白色水性樹脂塗料に分散して白色水性磁性塗料とすることで実施できる。
白色水性樹脂塗料はエマルジョン樹脂塗料である事が好ましく、更に、エマルジョン樹脂塗料が、アクリル樹脂系合成樹脂エマルジョン塗料若しくはシリコンアクリル樹脂系合成樹脂エマルジョン塗料であればより好ましい。
白色磁性シートは、前記白色水性磁性塗料をシート状部材の片面に塗布し乾燥させても良く、また、シート状に成型し乾燥させても良い。
該白色磁性シートの裏面に粘着剤層が形成されていることは好ましい。他方、白色磁性塗料を両面粘着シートの片面に塗布し乾燥させた白色磁性シートであっても良い。
本発明の白色水性磁性塗料は建装材に塗布・乾燥させて白い軟磁性建装材とする事が出来る。また、壁面に直接塗布し乾燥させると、永久磁石が吸着する白い壁面が得られる。これらの白い磁性面は錆びる事が無い。
また、本発明の白色水性磁性塗料を両面粘着シートの片面に直接塗布し乾燥させると、裏面に粘着剤を具備する白い磁性シートが得られる。該磁性シートは裏面の粘着剤によって簡単に貼り付ける事が出来て、錆びず、白く、永久磁石が吸着する壁面を形成する。
本発明の実施例1を模式的に説明する図である。 本発明の実施例2を説明する斜視図である。 本発明の実施例2で作成した白色磁性シートの斜視図である。 本発明の実施例2で作成した白色磁性シートを壁面に貼った模式図である。 本発明の実施例3及び実施例4を説明する斜視図である。 本発明の実施例3で作成した白色磁性シート単体の斜視図である。 本発明の実施例4を説明する模式図である。 本発明の実施例で採用した砂鉄粉体の電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例で採用した等方性フェライト粉体の電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例6で作成した磁性シートの断面の電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例8で作成した磁性シートの断面の電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例5で作成した磁性シートの表面の電子顕微鏡写真である。
本発明において磁性粉の粒子径が重要である。
粉体の粒子径を工業的にコントロールする為には篩による分級操作が採用されるが、本発明で採用した、ブランド名;サンポーの篩(研究&業務用)では、各篩の網の隙間の大きさ(開口)を、「OPENING」の数値で表している。例えば OPENING32μ。
OPENING32μの篩を例にとると、粒子径が32μより小さいものは網を通過するが、小さくても凝集するか、大きな粒子に付着すると通過しないで網の上に残る。さらに32μより大きくても、粒子の形状に拠っては通過してしまうことがある。
そこで本発明では、OPENING32μの篩を通過した粉体を「32μ↓」と表現し、ふるいの網の上に残った粉体を「32μ↑」と表すものとする。他のOPENING数値についても同様で、この場合「106μ↓&32μ↑」は、OPENING106μの篩を通過し、且つOPENING32μの篩を通過しない粉体を意味している事とする。
尚、以下の実施例ではステンレス製の網を張った「TEST SIEVE]を用いた。
白色顔料として酸化チタンを含む水性樹脂塗料(株式会社アサヒペンが販売。アクリル樹脂系合成樹脂エマルション塗料;名称=水性多用途EX)5ccと、入手した砂鉄(シマダ鉱業から購入。ニュージーランド・タハロ産)から選別した粉体106μ↓&32μ↑を14.6グラム加えて良く混合して白色水性磁性塗料を得た。
次に、得られた白色水性磁性塗料を図1の様に、室内の非磁性の壁面1にコテで塗布し、自然乾燥させたところ、磁性層2の厚さは大略0.4mmだった。水性塗料であり有害物質が含まれていないので、特別な換気対策は必要無かった。
非磁性壁面は、コンクリート、石膏ボード、及び壁紙の何れも塗る事が出来た。色は白く、そのままの室内で壁面に違和感は無かった。
磁石が吸引するので磁気フックを壁面に磁着させ、小物を飾る棚を磁石で任意の位置に留める事が出来た。
尚、本実施例で採用した砂鉄の電子顕微鏡砂写真を図8に、以下の実施例2で採用するフェライト粉の電子顕微鏡写真を図9に示す。図8、図9共に、(a)は106μ↑の粉体、(b)は106μ↓&32μ↑の粉体、(c)は32μ↓の粉体である。フェライトの粒子は焼結体をハンマーで粉砕したので、鋭利な角と不定形な形状をしている。
等方性BaフェライトTF(東京フェライト製造株式会社製)焼結体をハンマーで粉砕し、106μ↓&32μ↑の粉体13.8グラムを確保し、白色顔料として酸化チタンを含む水性樹脂塗料(株式会社アサヒペンが販売。シリコンアクリル樹脂系エマルション合成樹脂塗料;名称=水性多用途カラー(白))5ccに加えてよく撹拌して、白色水性磁性塗料を得た。
尚、実施例1の砂鉄の比重を5.18、本実施例のフェライトの比重を略4.90として、体積換算で略同等に成る量とした。
次に、図2に示す様に、両面粘着テープ:NITOMS PRO SELFの「カーペット用強弱両面テープ」9の片面の離型紙(はくり紙)3をそのまま残し、粘着剤層4の他の表面に、クリアランスが略0.7mmのスペーサー5を介してバー(バーコーター)6で該白色水性磁性塗料7を塗布し、得られた未乾燥の磁性層8を放置乾燥した。
水分が乾燥後は、図3に示す様に、塗料の固形成分が粘着テープの粘着剤4に粘着した状態になっていて、固形成分層(磁性シート層10)と粘着剤層4との剥離は困難だった。あたかも、別途作成した磁性シートの表面に両面粘着シートの片面を強く貼着させた状態だった。こうして、白い磁性シートの裏面に粘着剤層が形成され、その粘着剤表面を保護する離型紙3を備えた白色磁性シート11が得られた。
得られた磁性シート11の裏面の離型紙3を剥がして垂直な壁面1に、粘着剤層を貼着させた。図4がその模式図である。
該白色磁性シートは磁性成分がハードフェライトではあるが、永久磁石を磁気吸着させる性質があるので、磁性成分が砂鉄の場合と同様、磁気フックなどを掲留する事が出来た。
また、シートを着磁する通常の方法で持って予め多極着磁して、その後壁面に貼着しても良い。
因みに、本発明で採用した両面粘着テープの何れの粘着面も水道水をはじく。更に本発明の白色磁性シートの磁性層表面もまた、水道水をはじく。しかし、該両面粘着層の表面に、本発明の白色水性磁性塗料を塗布し乾燥すると粘着しているのである。
一方、図3の白色磁性シートの離型紙3を取り除き、その粘着剤層表面に、本発明の白色水性磁性塗料を塗布し乾燥させれば、2倍の厚さで表裏両面が磁性層表面である白色磁性シートを得る事が出来る。
本方法は、厚い磁性シートが必要だが複数回塗りが困難な場合に有効である。
実施例1の白色水性磁性塗料を、図5に示す様に実施例2と類似の方法で、離型性を有するート部材12の片面に塗布・乾燥後剥離すると、図6に示すように単体としての白色磁性シート18を得られた。
なお、図5における、14はスペーサー、15はバー(バーコーター)、16は白色水性磁性塗料、17は乾燥前の磁性層を表しており、実施例2を説明した図2におけるスペーサー5、バー(バーコーター)6、白色水性磁性塗料7、乾燥前の磁性層8に相当するものとなっている。
本白色磁性シート18は白くしなやかであり、後付けの接着剤や粘着剤で壁面に貼り白い軟磁性壁面を形成する事が出来た。また任意に切断して、白い軟磁性片として使用出来た。
また実施例3において、白色磁性塗料を壁紙13の裏面に塗布し乾燥させると、軟磁性の性質を有する壁紙が得られた。壁紙と磁性層との粘着は良好で、該磁性層19付き壁紙13を後付けの粘着剤又は接着剤20で壁面1に貼着すると、永久磁石が磁気吸着する装飾壁面とする事が出来た。図7にその模式図を示す。
実施例1の白色水性磁性塗料を、実施例2と同様に但し両面粘着テープの片面の離型紙(はくり紙)をそのまま残し、他の面の粘着剤表面に塗布し乾燥させたところ、磁性シート層と粘着剤との粘着は良好だった。
得られた磁性シート表面の電子顕微鏡写真を図12に示す。表面は小さな凹凸の連続だが塗料樹脂で被覆されている。
また、シート表面の白さの程度を数値化する目的で、日本電色工業(株)の簡易型分光色差計NF-333で測定した結果、L*=62.27、Wi10(CIE)=41.89であった。サンプルのデータは、1枚に付き3ヶ所*1~2枚を測定し、その測定数値の算術平均を採った。
ここに、「L*」は明度(明るさ)であり、「WI 10(CIE)」は紙の白色度を示す尺度の1つである。相対的に数値が大きい方が明るいか又は白い。
厚紙の台紙に、実施例2で用いた両面粘着テープの離型紙をつけたまま他の面(巻き内面)を貼着しておいて、その後離型紙を剥がしたその粘着剤層の上に、実施例1と同様の白色水性磁性塗料を、コテ状の板でスペーサーの厚さに塗り付けた。但し磁性粉の粒子径を、106μ↑、106μ↓&32μ↑、及び32μ↓の3種類に区分した。
図10(a)~(c)は、106μ↓&32μ↑の粉体の場合の、断面の電子顕微鏡写真であり、それぞれ異なる視野で倍率を変更している。撮影装置の台座25に撮影の為の導電性両面粘着テープ層24で磁性層23を貼着している。磁性シート層23は、両面粘着シート22を介して台紙21と一体化している。塗料樹脂は磁性粉を把持している。
(d)は、粉体粒径が32μ↓の場合である。
実施例6において、水性樹脂塗料を水性多用途EXに代えて水性多用途カラー(白)を採用し、砂鉄粒径は106μ↓&32μ↑を14.6グラム採用した白色水性磁性塗料を用いて白色磁性シートを得た。
塗料の固形成分が粘着テープの粘着剤に粘着した状態になっていて、固形成分層(磁性シート層)と粘着剤層との粘着は、実施例6と同様に良好だった。
厚紙の台紙に、実施例2で用いた両面粘着テープの離型紙をつけたまま他の面(巻き内面)を貼着しておいて、その後離型紙を剥がしたその上に、実施例1と同様の白色水性磁性塗料を、コテ状の板でスペーサーの厚さに塗り付けた。但し磁性粉を、実施例2で採用した等方性Baフェライトに変更し、その焼結体を粉砕、分級した;106μ↑、及び106μ↓&32μ↑の2種類に区分した。添加量はそれぞれ、白色水性樹脂塗料=5ccに対して、13.8グラムとした。
図11(a)~(c)は、106μ↓&32μ↑の粉体の場合の、断面の電子顕微鏡写真であり、それぞれ異なる視野で倍率を変更している。
水性磁性塗料が乾燥した固形成分としての磁性層が、両面粘着剤層と一体化している事が判る。実際に指先で剥がす事はなかなか厄介だったのは、実施例6で採用した白色水性磁性塗料の場合と同様であった。
(d)は、粉体粒径が106μ↑の場合である。
実施例8において、水性樹脂塗料を水性多用途EXに代えて水性多用途カラー(白)を採用し、等方性BaフェライトTFの粒径は106μ↓&32μ↑を採用した白色水性磁性塗料を用いて白色磁性シートを得た。
塗料の固形成分が粘着テープの粘着剤に粘着した状態になっていて、固形成分層(磁性シート層)と粘着剤層との粘着は良好だった。
実施例5と同様に、本実施例6~9で作成した台紙付き磁性シートの磁性層表面の明度と白色度を測定した。その結果を表2に纏めた。
比較の為に、白い表面と軟磁性の特性を有する「吉野石膏株式会社製タイガーFeボード(登録商標)」、及び「ニチレイマグネット株式会社製軟磁性内装材ブルテンスティーリー・ライトグレーBS09-08K」の測定結果を表1に示している。

Figure 0007246642000001

Figure 0007246642000002
本発明の実施例で採用した粒度;即ち「OPENING32μ↑」でもって、軟磁性シート表面の明度や白色度は既存の実績がある白い内装材に匹敵しているので、「白い内装」として採用出来る。そして、粒子径が大きいとより白っぽくなり、小さいと暗く黒っぽくなる事が示されている。
一方、磁性粉の種類にも依存していて、それは粒子形状や分布が影響していると考えられるが、上記傾向は変わらない。更に、白い水性樹脂塗料の種類に拠っても明度や白色度が異なっている。これは、エマルション樹脂の性質や酸化チタンの量に依存していると考えられる。
しかし、明るさや白さを左右するのは、添加量が最も多い磁性粉の粒子径である。
他方で磁性粒子の径が大きい「OPENING106μ↑」と、パサパサ・ごろごろとした塗料となる。塗料を乾燥させたシートの表面は、径が小さいと比較的なだらかとなるが色の黒くなり、径が大きいと白っぽさが増すがごつごつとして採用出来ない。
即ち磁性粉の粒子径は「OPENING106μ↓」が好ましい。
他方で、篩を用いた分級操作では粒子径を厳密に区分する事が出来ない。[OPENING]の数値より小さい径の粒子が篩上に残り、数値より大きい径の粒子が篩を通過する事は避けられない。更に各篩のメーカーでは、網を編むワイヤーの径や編み方が異なる事があり、ASTM規格やタイラー規格によっても「OPENING」の数値は異なる。
以上から、磁性粉の粒子径は「110μ↓&30μ↑を主成分とする」事が、白い塗料を確保する為に好ましい。
本発明の実施例では、市販されている白色水性樹脂塗料をベース塗料として採用した。
この塗料は、アクリル樹脂系若しくはシリコンアクリル樹脂系の合成樹脂エマルジョン型の水性塗料であるが、本発明がこの塗料に必ずしも限定されることは無い。
環境や人の健康にやさしい水性塗料であって、粘着剤層の表面に塗布・乾燥させると、塗料層と粘着剤層とが貼着され一体化することが、本発明の特徴の1つである。或いは塗布・乾燥後の密着性が有れば良い。それは、塗料樹脂の種類を選定する事で達成出来る。
白色顔料としては酸化カルシウムなどが有るが、酸化チタンは好適である。粒径が小さく光の反射率も高い。白さを増すために酸化チタンの添加量を増やしても良い。酸化チタンの添加量を、磁性粉を加える前の規準で25%或いは30%を越えるまで増やしても、本発明の組成物からなる磁性層の磁気吸着力の低下は少ない。
本発明は、組成物そのものが白いことが特徴の1つであるが、ベースとなる組成物が白い故に、本発明によって始めて他の顔料や染料の添加効果を引き出すことが出来る、という特徴がある。即ち本発明に拠って、カラー例えばベージュ色や緑色などの着色が可能となった。
本発明の他の特徴は、軟磁性シート層が比較的柔軟な事である。例えば実施例3では、軟磁性層の厚さが略0.4mmのシートを直径20mmの円筒状に曲げても、クラックが発生することは無かった。
また、その軟らかさから、手触りが良いという特徴がある。
本発明の軟磁性シートを壁面に施工中、誤って既設の他の壁面に接触しても、粉落ちや破損、或いは汚れが発生することは殆ど無い。
従来の磁性シートは塩素化ポリエチレン樹脂をバインダーとしていたので、粉落ちがあり、接触面に黒い筋が付くことが多かったが、本発明はその様な懸念は無くなるのである。軟らかくて粘着性が高いバインダーが、磁性粉粒子を強く捉えているからだと考えられる。
またシート自体が白いので、万が一多少の粉落ち・付着が発生しても、殆ど目立たないのである。
本発明において実施例4とは別に、裏面に粘着剤層を備えた表装シートの該粘着剤層の上に、本発明の軟磁性塗料を塗布・乾燥しても良い。得られた軟磁性シートは、例えばマグネットシートを貼ってある壁面に軟磁性面を磁着させて、壁面を簡単に装飾することが出来る。
勿論、該表装面に永久磁石を磁気吸着させることが出来る。
本発明の水性の軟磁性組成物は、一定のクリアランスを有するコーターで塗ることが出来る。磁性粉の添加量や水による希釈によって変わるが、塗布・乾燥後の厚さは、クリアランスの大略1/2~1/1.5程度である。必要に応じて複数回塗りは可能である。
又、コテで塗る事も出来る。
本発明でハードフェライト粉を採用した白色磁性シートに永久磁石を磁気吸着させた場合、壁面の白色磁性シートが着磁される。しかしその着磁は弱く、別の永久磁石が磁気吸着する事が出来る。この現象はハードフェライト磁石の抗磁力が低い事が原因であるが、本発明ではハードフェライト磁性粉が軟磁性粉としての性質も併せ持つのである。
本発明の白色磁性塗料は、壁面に直接塗布し自然乾燥させることでもって、内装に好適な艶消しの白い色と、磁石が磁気吸着する機能を有する壁面を確保する事が出来る。水性塗料なので有害物は発生しない。
更に本発明の磁性シートは単層の白い磁性シートとしての活用の他に、裏面に粘着剤層を備える事が出来るので、離型紙を剥がすだけで所定の面に貼着させる事が出来て、簡単に白い磁性面を形成する事が出来る建装材として、重宝される。
1 壁面
2 磁性層
3 離型紙
4 両面粘着剤層
5 スペーサー
6 バー(バーコーター)
7 白色水性磁性塗料
8 磁性層(乾燥前)
9 両面粘着テープ
10 磁性層
11 白色磁性シート
12 離型性シート
13 壁紙
14 スペーサー
15 バー(バーコーター)
16 白色水性磁性塗料
17 磁性層(乾燥前)
18 白色磁性シート
19 磁性層
20 粘着剤層又は接着剤層
21 台紙層
22 両面粘着テープ層
23 磁性層
24 導電性両面粘着テープ層
25 台座

Claims (7)

  1. 四三酸化鉄、ソフトフェライト、ハードフェライトの群から選ばれる1種又は複数の混合物であり且つ、粒子径が30μ以上110μ以下の磁性粉を、白色顔料を含有する白色水性樹脂塗料に分散し、磁性面の作成を自身の単層塗布のみで行う白色水性磁性塗料。
  2. 白色水性樹脂塗料がエマルジョン系塗料であることを特徴とする請求項1に記載の白色水性磁性塗料。
  3. エマルジョン系塗料が、アクリル樹脂系エマルジョン塗料若しくはシリコンアクリル樹脂系エマルジョン塗料であることを特徴とする請求項2に記載の白色水性磁性塗料。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の白色水性磁性塗料を、シート状部材の片面に塗布し乾燥させてなることを特徴とする白色磁性シート。
  5. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の白色水性磁性塗料を、シート状に成型し乾燥させてなることを特徴とする白色磁性シート。
  6. 裏面に粘着剤層が形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の白色磁性シート。
  7. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の白色水性磁性塗料を、両面粘着シートの片面に塗布し乾燥されてなることを特徴とする白色磁性シート。
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