JP2006272822A - 化粧パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 化粧板10は、コア層12と、このコア層12に積層される化粧層14と、コア層12の化粧層14とは反対側の面に積層される最下層16とから成っている。これらの化粧板10を構成する各層のうち、少なくともいずれか一層には、ソフトフェライトが含有されている。ソフトフェライトを含有する層は、平均粒子径が1〜10μmのソフトフェライトを、基材に含浸される樹脂100重量部に対して10〜150重量部添加して形成される。
【選択図】 図1
Description
表面に配置される化粧層14は、その本来の材質には、特に限定はなく、本発明においても、通常の化粧板10と同様に、熱硬化性樹脂を含有する液状のワニスを調製し、これをグラビア印刷紙などの紙基材に含浸させた後、加熱乾燥により溶剤を除去して、熱硬化性樹脂を半硬化させた状態のプリプレグを使用することができる。なお、この場合、ワニスを紙基材に含浸させる方法も、特に限定はなく、通常行われるキスコーターを用いる方法を採ることもできるし、ディップによる方法を採ることもできる。
コア層12は、化粧板10全体の厚み調整や、化粧板10に、剛性や、また、添加剤の種類によっては湿気に対するバリア性、不燃性等を付与するために用いられる。このコア層12も、特に、その本来の材質に限定はないが、化粧層14と同様に、基材に樹脂ワニスを含浸させた後、樹脂成分を半硬化させたプリプレグを使用することができる。
最下層16は、バック層となるもので、化粧板10の設置箇所や化粧板10を取り付ける対象の性質等に合わせて適宜設定することができる。図示の実施の形態では、最下層16は、基材、ワニスに含有される樹脂等を、化粧層14と同じく設定したものを使用している。なお、この最下層16は必ずしも設ける必要はなく、必要に応じて適宜設定すれば足りる。
本発明の化粧板10は、上記の化粧板10を構成する各層のうち、少なくとも化粧層14に、ソフトフェライトが含有されている。この場合、ソフトフェライトを含有させる層は、少なくとも、いずれか一層以上であれば、、吸着強度等の設定等の必要に応じて、1)化粧層14のみ、2)コア層12のみ、あるいは、3)化粧層14とコア層12、4)化粧層14と最下層16、あるいは、5)化粧層14、コア層12、最下層16の全て、のうちのいずれとすることもできる。これらのソフトフェライトを含有すべき層の選択は、外部磁石に対する吸着性を考慮すると、少なくとも化粧層14とすることが好ましいが、化粧層14の有する装飾性に幅を持たせたい場合等には、コア層12のみとすることもでき、必要に応じて、適宜決定することができる。
(1)化粧層
ワニス中に含有させる樹脂として、1)モル比が1.6、数平均分子量が230、不揮発分が52%、粘度が40cP/20℃のポストフォーム用水溶性メラミン樹脂の100重量部に、不揮発分比率で、2)固形分45%、粘度35cP/20℃の水性アクリル樹脂エマルジョンを20重量部混合したものを使用した。この樹脂を水で粘度20cP/25℃に調整した後、触媒を添加して含浸用変性メラミン樹脂ワニスを得た。このワニスに、磁性材料として、ワニス中のメラミン樹脂と水性アクリル樹脂エマルジョンの成分100重量部に対し10重量部のMn−Zn系ソフトフェライト(戸田工業株式会社製「KNS−415」)を添加して、混合した。なお、このソフトフェライトの平均粒子径は、1.8μmであった。一方、基材としては、通常の化粧紙(米坪130g/m2の単色抄き込み紙)を使用し、この化粧紙に、上記のソフトフェライトが添加されたワニスを、スプレーノズル(アトマックス株式会社製の「アトマックスノズルBN型」)が装着されたスプレー装置にて霧状にして吹き付けて含浸させて、樹脂量52%、揮発分5%に乾燥調整して、変性メラミン樹脂の化粧層14を形成した。
ワニスとして、一般のメラミン化粧板の生産に使用されるホルムアルデヒド(F)とフェノール(P)とを反応モル比(P/F)が1.3となるように配合して反応させた水溶性レゾール型フェノール樹脂ワニスを得た。一方、基材として、米坪190g/m2 の未晒クラフト紙を使用し、このクラフト紙に、上記のワニスを、ディップ法で含浸させ、樹脂量30%、揮発分6%に乾燥調整して、フェノール樹脂のコア層12を形成した。なお、このコア層12は、通常の化粧板におけるフェノール樹脂含浸紙に比べ、樹脂分を5%増加し、揮発分を25%低下させたものである。
化粧層14と同じ基材に、化粧層14と同じ変性メラミン樹脂ワニスを含浸させて、樹脂量60%、揮発分7%に乾燥調整して、変性メラミン樹脂の最下層16を形成した。なお、ワニスの含浸は、コア層12と同じく、ディップ法により行った。
上記(1)〜(3)の化粧層14、コア層12、最下層16を所定枚数重ね合わせ、通常の高圧メラミン樹脂化粧板の熱圧成形方法に準じて、製品最高温度が135℃〜140℃の範囲内に入るようにして、加熱加圧し、図1に示す形態の化粧板10を成形した。成形後の化粧板10は、厚さが0.78mm 、含水率は4.6%であった。
(1)化粧層
ワニス及びこのワニスを含浸させる基材として、実施例1と同じものを使用し、このワニスに添加する磁性材料として、ワニス中のメラミン樹脂と水性アクリル樹脂エマルジョンの成分100重量部に対し150重量部のMn−Zn系ソフトフェライト(戸田工業株式会社製「BSF−029」)を添加して、混合した。なお、このソフトフェライトの平均粒子径は、8.1μmであった。このソフトフェライトが添加されたワニスを、バットに入れ、基材にディップ法により含浸させて、樹脂量52%、揮発分5%に乾燥調整して、変性メラミン樹脂の化粧層14を形成した。
その他、コア層12、最下層16として、実施例1と同じものを使用し、これらの化粧層14、コア層12、最下層16を所定枚数重ね合わせ、通常の高圧メラミン樹脂化粧板の熱圧成形方法に準じて、製品最高温度が135℃〜140℃の範囲内に入るようにして、加熱加圧し、図1に示す形態の化粧板10を成形した。成形後の化粧板10は、厚さが0.78mm 、含水率は4.6%であった。即ち、この実施例2は、化粧層14において、ワニス中に添加するソフトフェライトの平均粒子径及び樹脂成分に対する重量部並びにワニスの基材への含浸方法の点においてのみ、実施例1と設定が異なり、その他の点においては、実施例1と同様とした。
<3.比較例1>
(1)化粧層
ワニス及びこのワニスを含浸させる基材として、実施例1と同じものを使用し、このワニスに添加する磁性材料として、ワニス中のメラミン樹脂と水性アクリル樹脂エマルジョンの成分100重量部に対し10重量部の鉄粉(関東化学株式会社製/鹿一級)を使用した。この鉄粉が添加されたワニスを、実施例1と同じスプレーノズルで基材に含浸させて、樹脂量52%、揮発分5%に乾燥調整して、変性メラミン樹脂の化粧層14を形成した。
その他、コア層12、最下層16として、実施例1と同じものを使用し、また、各層の積層方法についても、実施例1と同様に設定して、化粧板10を成形した。成形後の化粧板10は、厚さが0.77mm 、含水率は4.5%であった。即ち、この比較例1は、化粧層14において、ワニス中に添加する磁性材料として、ソフトフェライトの代わりに鉄粉を使用した点においてのみ、実施例1と設定が異なり、その他の点においては、実施例1と同様とした。
(1)化粧層
ワニス及びこのワニスを含浸させる基材として、実施例1と同じものを使用し、このワニスを、バットに入れ、基材にディップ法により含浸させて、樹脂量52%、揮発分5%に乾燥調整して、変性メラミン樹脂の化粧層14を形成した。
その他、コア層12、最下層16として、実施例1と同じものを使用し、また、各層の積層方法についても、実施例1と同様に設定して、化粧板10を成形した。成形後の化粧板10は、厚さが0.78mm 、含水率は4.7%であった。即ち、この比較例2は、化粧層14において、ワニス中に磁性材料を添加しない点において、実施例1と設定が異なり、その他の点においては、ワニスの含浸方法を除き、実施例1と同様とした。
以上の実施例1、2及び比較例1、2として得られたメ化粧板10(メラミン樹脂化粧板)について、その特性を測定した結果を、次の表1に示す。
1)寸法変化率:JISK69022に準拠して測定した。
2)表面鉛筆硬度:JISK5401の塗膜鉛筆引っ掻き試験に準拠して測定した。
3)外部磁石吸着性:コクヨ株式会社製磁石(カラーマグネットマク−20NR)を化粧板10に吸着させ、この磁石と化粧板10との間にA4のコピー用紙を2枚挟んで、磁石でこれらのコピー用紙を止めることができるかの評価を行った。
4)加工性:化粧板10を、チェーンソーで切断し、切断面から火花が飛散するかを目視にて確認した。
12 コア層
14 化粧層
16 最下層
Claims (8)
- コア層と前記コア層に積層される化粧層とを少なくとも備えた化粧板において、前記化粧板を構成する各層のうち、少なくともいずれか一層以上に、ソフトフェライトが含有されていることを特徴とする化粧板。
- 請求項1に記載された化粧板であって、前記コア層の前記化粧層とは反対側の面に更に最下層が積層されていることを特徴とする化粧板。
- 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された化粧板であって、前記ソフトフェライトの平均粒子径が1〜10μmであることを特徴とする化粧板。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された化粧板であって、前記化粧板を構成する各層のうち、前記ソフトフェライトを含有する層は、基材に含浸される樹脂100重量部に対して10〜150重量部のソフトフェライトを添加して形成されていることを特徴とする化粧板。
- コア層に、少なくとも化粧層を積層して化粧板を製造する化粧板の製造方法において、前記化粧板を構成する各層のうち、少なくともいずれか一層以上に、ソフトフェライトを含有させることを特徴とする化粧板の製造方法。
- 請求項5に記載された化粧板の製造方法であって、前記コア層の前記化粧層とは反対側の面に更に最下層を積層することを特徴とする化粧板の製造方法。
- 請求項5又は請求項6のいずれかに記載された化粧板の製造方法であって、平均粒子径が1〜10μmである前記ソフトフェライトを含有させることを特徴とする化粧板の製造方法。
- 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載された化粧板の製造方法であって、前記化粧板を構成する各層のうち前記ソフトフェライトを含む層を、基材に含浸される樹脂100重量部に対して10〜150重量部のソフトフェライトを添加して、前記基材に含浸して形成することを特徴とする化粧板の製造方法。
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