JP4441237B2 - 電磁波吸収シート - Google Patents

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本発明は、各種電子機器において装置内部から発生する電磁波及び外部から伝搬される電磁波を吸収する電磁波吸収シートにかかり、特に、界面剥離が生じず、顕著な難燃性を有し、焼却時に有毒なハロゲン系ガスを発生しない電磁波吸収シートに関する。
近年、携帯電話やデジタルカメラ等の各種電子機器から発生される電磁波ノイズが、心臓ペースメーカーや航空機の制御機器等の他の電子機器に影響を及ぼし、誤作動を招く原因となり、大きな問題となっている。これらを抑制する素材として、ゴム又はプラスチック等の有機結合剤中に磁性粉末を混合させ、シート状に成形加工した様々な電磁波シールド材が広く用いられている。
前記電磁波シールド材には、不要な電磁波を吸収又は抑制させる性能に加えて、難燃性が要求されている。これらの要求特性を満たすために、例えば有機結合剤として燃焼し難く成形性に優れた塩素化ポリエチレンが用いられていた。また、塩素化ポリエチレン等のハロゲン元素を含まない有機結合剤を用いたものでも、難燃剤としてハロゲン化合物を混合したものが用いられていた。そのため、従来の電磁波シールド材は、廃棄物となったときに焼却処理すると、有害なダイオキシンを発生する恐れがあり、このような環境に対する影響の観点から、他の材料への転換が図られている。
この課題に対し、特許文献1では、有機結合剤としてのアクリルゴム中に軟磁性金属粉末を分散させ、難燃剤として水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム、さらに難燃助剤として赤燐を配合した電磁波吸収シートが提案されている。
特開2001−308583号公報
しかしながら、この電磁波吸収シートは、薄く燃えやすい軟磁性金属粉末を配合した組成物に難燃性を持たせるため、多量の難燃剤を配合させなければならなかった。多量の難燃剤を配合すると、軟磁性金属粉末の効果である電磁波吸収性が低下するという新たな課題が発生した。また、この電磁波吸収シートを携帯電話等の小さい筐体の内側に貼り付けるためには、200μm〜400μm以下の厚みで形成されなければならない。単に薄く成形すると、シートとしての強度が維持されないため、剛性のある合成樹脂を基材として採用することが考えられる。
しかしながら、単に基材を採用し、当該基材に多量の難燃剤を含有する難燃層を塗工すると、有機結合剤より遙かに大量の難燃剤が悪影響を及ぼして密着力が悪く、難燃層と基材の界面や、難燃層と軟磁性層の界面が貼付時の曲折により剥離したり、場合によっては密着しなかったりするという課題があった。
本発明の目的は、前記課題を克服して、曲折しても界面で剥離することがなく各層同士が密着し、さらに従来から要求される難燃性(UL94 V−2以上の規格)を達成し、良好な電磁波吸収性を有する電磁波吸収シートを提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決する手段を鋭意検討した結果、シート状の基材と、基材の一方の面に積層した軟磁性層を有し、軟磁性層の両面に積層されて当該軟磁性層を挟むように内部難燃層及び表面難燃層を積層した電磁波吸収シートであって、軟磁性層が軟磁性金属粉末と有機結合剤を有する組成物から形成され、内部難燃層及び表面難燃層が難燃剤と有機結合剤を有する組成物から形成され、基材と内部難燃層の間に粘着剤層、さらに内部難燃層と軟磁性層の間に粘着剤層を積層されたことを特徴とする電磁波吸収シートである。
本発明の電磁波吸収シートを用いると、曲折しても界面で剥離することがなく、さらに従来から要求される難燃性UL94 V−2以上の規格を達成し、良好な電磁波吸収性が得られる。
本発明の最良の形態を、図1を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の電磁波吸収シートの最良の形態を模式的に示した説明図であり、基材1、粘着剤層2、内部難燃層3、粘着剤層4、軟磁性層5及び表面難燃層6からなる積層体である。
本発明では難燃層として、軟磁性層5を挟むように内部難燃層3及び表面難燃層6を形成した。これは、電磁波吸収性と難燃性の両方をバランスよく発揮させるためである。
粘着剤層として、基材1と内部難燃層3の間、内部難燃層3と軟磁性層5の間に積層したのは、両者の界面剥離を防止するためである。本形態にあっては、界面剥離の可能性として、(A)基材1・内部難燃層3間、(B)内部難燃層3・軟磁性層5間、(C)軟磁性層5・表面難燃層6間の順に界面剥離が生じやすいことがわかったこと及びシート全体の薄さを追求するため、当該(C)間に粘着剤層を積層しなかった。当該(C)の間に粘着剤層を積層することによって、より界面剥離が生じなくなるという効果を有する。
当該粘着剤層2、4としては、上記基材と難燃層、軟磁性層と難燃層を強固に粘着させるものであれば適宜選択でき、具体的にはアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ホットメルト系粘着剤又は天然ゴム系粘着剤がある。耐火時における粘着力の安定性と信頼性からアクリル系粘着剤が好ましい。また、粘着剤に難燃性を付与するためは、粘着剤に赤燐を配合するのが好ましい。赤燐を採用したのは、単に公知の金属水酸化物等の難燃剤を粘着剤に配合すると粘着力を阻害して粘着力が低下してしまうが、この赤燐であると、粘着剤として粘着力を維持しながら難燃性を維持するのを見出したためである。赤燐を配合する際には、粘着剤100質量部に対して5乃至20質量部配合するのが好ましい。かかる粘着剤には、粘着力を調整するため、粘着付与樹脂、硬化剤、充填剤等を適宜配合することができる。
内部難燃層3と表面難燃層6は、難燃剤と有機結合剤を有する組成物で形成される。当該難燃剤としては、金属水酸化物が好ましく、さらに好ましくは水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムが好ましい。水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムが好ましいのは、かかる物質は有機結合剤に高充填でき、これにより高い難燃性を発揮させることができるためである。当該難燃剤の添加量は、有機結合剤100質量部に対して1000〜3000質量部が好ましい。1000質量部未満では磁性層厚さを200μm以上に積層したときに難燃性が得られない恐れがあり、3000質量部を超えると積層したときにシートの柔軟性が不十分となる可能性があるためである。
内部難燃層3や表面難燃層6に難燃助剤としての赤燐を追加配合することで、難燃性を向上させることができる。赤燐を採用したのは、赤燐が難燃助剤の中でも環境規制の対象外のものであると共に難燃効果が高いためである。赤燐の配合量は、有機結合剤100質量部に対して10〜100質量部が好ましい。10質量部未満の配合量では難燃助剤を配合した効果(さらなる難燃性)が得られず、100質量部を超えると配合量では積層したときに製造された電磁波吸収シートの柔軟性が不十分となる可能性があるためである。
難燃性の効果を調整するには、難燃層の厚さ、難燃剤や難燃助剤の配合量を変えることにより達成することができる。
内部難燃層3及び表面難燃層6の組成物として配合される有機結合剤としては、難燃剤や軟磁性粉の高充填が可能でかつ柔軟性を有し、かつ凝集破壊の起こらないものから選択される。具体的には、天然ゴム系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、これらの変性樹脂またはこれらの複合体を用途に応じて適宜選択する。但し、耐候性、柔軟性及び高充填性から判断すると、アクリル系樹脂が好ましい。また、必要に応じて、硬化剤、分散剤、顔料等の添加剤を含有してもよい。
難燃剤と有機結合剤を混合する方法は、均一に混合できる方法であれば特に限定されず、例えば公知の混練機としてのテーブルミキサー、バンバリーミキサー等を用いて混合すれば良い。この混合物を予め基材1上に塗工された粘着剤層の上に均一に塗布し、乾燥させることにより、層化することができる。塗布方法としては、公知の塗布方法を適宜選択でき、乾燥後の厚さを薄くするためには、ロールコーターを用いるのが好ましい。また、予めセパレータに難燃層を積層し、基材と難燃層を粘着剤で貼り合わせ、その後、難燃層のセパレータを剥離することもできる。
この電磁波吸収シート乾燥後の難燃層の厚さは20〜100μmが好ましく、さらに好ましくは20〜70μmである。この厚さが20μm未満では、難燃層を積層したときに難燃性が得られない恐れがあり、100μmを超えると、難燃性は得られるが、曲げ等に弱くなり、表面にクラックが発生する恐れがあり、全体の薄さを考えると70μm以下が好ましい。
本発明において、軟磁性層5を採用したのは、電磁波吸収シートに電磁波吸収性を持たせるためである。当該軟磁性層は、軟磁性金属粉末と有機結合剤を有する組成物から形成される。
前記軟磁性金属粉末は、有機結合材と共にシート化されても電磁波吸収性を発揮されるものであり、Fe(鉄)を主成分として軟磁性を確保するものであれば、組成は特に限定されない。具体的にはソフトフェライト、Fe−Si−Al、Fe−Cr−Al、Fe−Cr−Ni、Fe−Si、Fe−Si−Cr−Ni、Fe−Cr−Ni−Al又はFe−Cr−Ni−Si−Al等がある。これらの素材のうち、平均粒径10μm以上及びアスペクト比10以上の扁平状をなしている粉末が好適である。粒径が小さい又はアスペクト比が小さい場合、反磁界の影響が著しくなりシート化した際に設定される電磁波吸収性値を得る調整が困難になるためである。好適なものとしてFe−Si−Cr−Niがある。
前記軟磁性金属粉末は、平均粒径が10μm以上であると共に前記軟磁性層の層厚の80%以下であり、さらにアスペクト比10以上の扁平形状のものであるのが好ましい。これは、平均粒径が10μm未満であると電磁波吸収効果が発揮され難く、平均粒径が軟磁性層全体の層厚の80%を超えると当該軟磁性金属粉末が軟磁性層の表面に現れやすくなって表面に凹凸が生じやすくなるためである。また、アスペクト比が10未満であると、電磁波吸収効果が発揮され難くなる。アスペクト比の上限は、あまりに大きいと製造上困難となると共に平均粒径の最大値との関係で特定される。当該軟磁性金属粉末は、アトマイズ法等により、予め粒状粉末を作製し、ボールミルやアトライター等で扁平化した後、歪みを取り除くための熱処理を施し、製造される。
軟磁性金属粉末の充填量は、有機結合剤100質量部に対して600〜1200質量部であることが望ましい。600質量部未満ではシート化した際に設定される電磁波吸収性値を得る調整が困難になり、1200質量部より多く充填させても電磁波吸収性が頭打ちになり、製造コストが高くなるだけだからである。
軟磁性層5の組成物の一つである有機結合剤は、前記難燃層と同様の有機結合剤を用いればよい。
軟磁性層5の組成物である軟磁性金属粉末と有機結合剤を混合する方法は、前記内部難燃層3、表面難燃層6と同様の方法で行われる。
この混合物を層化する方法としては、内部難燃層3の上に予め積層された粘着剤層4の上に均一に塗布し、乾燥させることにより、層化することができる。塗布方法としては、公知の塗布方法により適宜選択でき、乾燥後の厚さを薄くするためにはロールコーターを用いるのが好ましい。また、予めシート状のセパレータに軟磁性層5を積層し、基材1、粘着剤層2及び内部難燃層3の順で積層されたシートのうちの内部難燃層3の表面と軟磁性層5を、粘着剤層4で貼り合わせ、その後、軟磁性層5のセパレータを剥離してもよい。
この電磁波吸収シートの乾燥後の厚さは、200〜1000μmが好ましく、さらに好ましくは200〜700μmである。この厚さが200μm未満ではシート化したときに電磁波吸収性が得られない恐れがあり、1000μmを超えると、シート化したときに難燃性が得られない恐れがあるためである。
本発明の電磁波吸収シートの基材1は、電磁波吸収シートの機械的強度を保つために採用されたものであり、機械的強度を有する各種の熱可塑性樹脂フィルム、繊維の不織布や織物等を適宜選択して用いることができ、好ましくは薄肉であっても優れた機械強度を有し、平滑な表面であるPET(ポリエチレンテレフタレート)の延伸フィルムが良い。この基材1の厚さは特に限定されるものではないが、前記PETの延伸フィルムの場合は8μm以上が好ましい。
本発明にかかる電磁波吸収シートにおける電磁波吸収性は、Sパラメータ法による1GHzにおける複素透磁率の実数項値が3以上、虚数項値が4以上であることが好ましい。また、難燃性は、UL94 V規格に基づいた試験でV−2以上の難燃性であることが好ましく、使用目的に応じて、難燃層の厚さを変えて難燃性の値を制御することもできる。
以下、実施例・比較例を用い、図1及び表を参照しつつ、本発明を具体的に説明する。表1及び表2は本発明にかかる実施例・比較例の構成とその特性値を表したものである。
表の構成における数値は、組成物への配合量であり単位は質量部である。表の特性値における「複素透磁率(1GHz)」は電磁波吸収性に関する値であり、「UL94 V」は難燃性の値である。
当該複素透磁率(1GHz)は、磁化し易さを表し、透磁率が高いものほど物質中に磁束が通り易いため、電磁波吸収の特性が大きくなる。電磁波吸収性そのものは電磁波吸収シートの使用形態によっても大きく変化するため、透磁率によって電磁波吸収シート自体の特性を表す方法が広く取られている。当該複素透磁率の具体的な測定方法は、外径7mm、内径3mmの円柱に加工した電磁波吸収シートを、Aglient社製Sパラメータネットワークアナライザ8753ESを用い、Sパラメータ法にしたがって、10MHz〜6GHzの周波数域で複素比透磁率を測定し、1GHzのときの実数項と虚数項である。
前記「UL94 V」にあっては、各実施例及び各比較例の試料をUL94 V規格に準拠して測定した。
Figure 0004441237
実施例1にかかる電磁波吸収シートは、図1に示すように、厚さ16μmのPET製シート状基材1と、当該基材1の一方の面に積層した厚さ200μmの軟磁性層5を有し、軟磁性層5の両面に積層されて当該軟磁性層5を挟むように内部難燃層3(厚さ40μm)及び表面難燃層6(厚さ40μm)を積層した電磁波吸収シートである。基材1と内部難燃層3の間と内部難燃層3と軟磁性層5の間には、粘着剤層2、4(綜研化学社アクリル樹脂系粘着剤1717)を厚さ10μmで積層した。軟磁性層5は、表1に示すように、有機結合剤としてのアクリルゴム(日本ゼオン社Nipol AR72LS)100質量部と軟磁性金属粉末800質量部を有する組成物で形成した。この軟磁性粉末は、ジェムコ社「JEM−S」を採用し、平均粒径20μm、保持力350A/m、飽和磁束1.1Wb/mを有するものである。内部難燃層3及び表面難燃層6は、有機結合剤としてのアクリルゴム(日本ゼオン社Nipol AR72LS)100質量部と難燃剤としての水酸化アルミニウム(昭和電工社ハイジライト)2000質量部と難燃助剤としての赤燐(日本化学工業社ヒシガード)20質量部を有する組成物から形成されている。
本実施例1にかかる電磁波吸収シートは、次の工程によって製造されたものである。難燃剤としてアクリルゴムと水酸化アルミニウム及び赤燐を、表1に示す配合比で混練し、この混練物をシート状のセパレータ(図示せず)の上に塗工し、60℃で乾燥させ、厚さ40μmになるように内部難燃層3を作成した。シート化された難燃剤層3と基材1を、粘着剤層2を介して貼り合わせ、その後、前記セパレータを難燃層3から剥離した。同様に、図示外のセパレータ上に表面難燃層6を作成した後、当該表面難燃層6の表面に軟磁性層5をロールコーターにより塗工して積層した。最後に基材1・粘着剤層2・内部難燃層3からなるシートと、難燃層6・軟磁性層5からなるシート同士を難燃剤層3と軟磁性層5が相対向するように粘着剤層4によって貼り合わせた。軟磁性層5は、軟磁性粉末及びアクリルゴムを、表1に示す配合比により混練し、軟磁性組成物として塗工したものである。表面難燃層6は、水酸化アルミニウムと赤燐及びアクリルゴムを表1に示す配合比で混練した混練物をセパレータ(図示せず)の表面にロールコーターにより塗布後、60℃で乾燥させ、厚さ40μmになるようにしたものである。なお、内部難燃層3と表面難燃層6を形成する組成物は同じものであり、共に表1の「難燃層」の欄に記載された配合量の組成物で形成されたものである。後に説明する他の実施例、比較例にあっては、特に言及しない部分は、実施例1と同様の構成で同様に形成されたものである。
本実施例1にかかる電磁波吸収シートは、表1に示すように、前記のUL94 V規格でV−1相当であり、複素透磁率は1GHzの複素透磁率の実数項値で7.4、虚数項値で6.1であり、電磁波吸収性と難燃性の両方に優秀なものであった。
実施例2乃至4にかかる電磁波吸収シートは、実施例1に対し、軟磁性粉末の平均粒径とアスペクト比を表1に示す値に変更した上、軟磁性層5における軟磁性粉末の配合量と内部難燃層3と表面難燃層6の赤燐の配合量を表1に示す値に変更したものである。実施例2乃至4は、電磁波吸収性が実施例1より低下したが、製品として採用される範囲内の値であり、軟磁性粉末の配合量の増加に伴い電磁波吸収性が向上し、赤燐の配合量の増加に伴い難燃性が向上した。実施例5は、実施例2に対し、粘着剤層2、4に赤燐を配合したものである。本実施例5にあっては、実施例2よりも難燃性が向上した。実施例6は、実施例1に対し、粘着剤層2、4に赤燐を配合したものである。本実施例6にあっては、実施例1よりも難燃性が向上した。
<比較例>
表へは記載しなかったが、基材1上への内部難燃層3の積層を塗工により行ったら、密着性が弱く、数回の折り曲げによって、基材1と内部難燃層3の界面で剥離が生じた。内部難燃層3と軟磁性層5の貼り合わせを、内部難燃層3に直接軟磁性層5を塗工し、その後軟磁性層5の表面に表面難燃層6を塗工した電磁波吸収シートを作成したら、当該電磁波吸収シートを数回折り曲げただけで、内部難燃層3と軟磁性層5の界面で剥離が生じた。
本発明は、各種電子機器において装置内部から発生する電磁波及び外部から伝搬される電磁波を吸収する電磁波吸収シートにかかり、特に、曲折しても界面で剥離することがなく、さらに従来から要求される難燃性UL94 V−2以上の規格を達成し、良好な電磁波吸収性が得られる電磁波吸収シートに関する。
本発明の電磁波吸収シートの最良の形態を模式的に示した説明図である。
符号の説明
1 基材
2、4 粘着剤層
3 内部難燃層
5 軟磁性層
6 表面難燃層

Claims (4)

  1. シート状の基材(1)と、基材(1)の一方の面に積層した軟磁性層(5)を有し、軟磁性層(5)の両面に積層されて当該軟磁性層(5)を挟むように内部難燃層(3)及び表面難燃層(6)を積層した電磁波吸収シートであって、軟磁性層(5)がアクリル系樹脂100質量部、軟磁性金属粉末600〜1200質量部からなる組成物から形成され、軟磁性金属粉末が、その平均粒径が10μm以上であると共に軟磁性層(5)全体の層厚の80%以下であり、さらにアスペクト比10以上の扁平形状金属磁性粉末であり、内部難燃層(3)及び表面難燃層(6)がアクリル系樹脂100質量部、水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウム1000〜3000質量部、赤燐を10〜100質量部を有する組成物から形成され、基材(1)と内部難燃層(3)の間に粘着剤層(2)、さらに内部難燃層(3)と軟磁性層(5)の間に粘着剤層(4)を積層され、粘着剤層(2、4)を構成する組成物がアクリル系粘着剤で形成されたことを特徴とする電磁波吸収シート。
  2. 粘着剤層(2、4)を構成する組成物が、アクリル系粘着剤及び赤燐を有するものであることを特徴とする請求項1記載の電磁波吸収シート。
  3. 粘着剤層(2、4)を構成する組成物が、アクリル系粘着剤、赤燐及び粘着付与樹脂を有するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電磁波吸収シート。
  4. Sパラメータ法による1GHzにおける複素透磁率の実数項値が3以上、虚数項値が4以上であることを特徴とする請求項1乃至3記載の電磁波吸収シート。
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