JP5678461B2 - 化粧板及び化粧板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、壁材や家具等に使用することができる化粧板及びそのような化粧板の製造方法の改良に関し、特に、低コストで信頼性、装飾性に優れた化粧板を提供することに関するものである。
化粧板は、表面が硬く、耐熱性や耐汚染性に優れ、意匠性においても美しい外観を有し、更に豊富な色調、色柄の中から選択できることから、家具テーブル、会議用テーブル、事務デスク等の天板、あるいは住宅やオフィスビルの天井や壁、流し台等の内装材として、幅広く使用されている。
このような化粧板の中でも、例えば、熱硬化性樹脂化粧板は、一般に、紙基材に熱硬化性樹脂を溶解した樹脂ワニスを含浸させた複数のプリプレグを順次積層してコア層とし、その表面に化粧層を積層したものを、ステンレス等のプレスプレート等を備えた平板プレス装置により加熱加圧して、製造される。このコア層を構成する紙基材に含浸させる熱硬化性樹脂としては、従来、一般に、フェノール樹脂が使用されてきた。しかし、フェノール樹脂は、その固有の色彩として茶系の色彩を有しているため、化粧板を側面から見た場合に、外観上茶色く見えたり、表面の化粧層の模様や色彩がぼやけることがあり、樹脂量比率(RC)を上げると、表面の化粧層の外観色調を変化させるおそれがあった。このため、特に、その側面(切断面)が露出する場合には、表面の化粧層による意匠性を損い、別途、目隠し材を貼付する等しなければ、充分な装飾性を付与することができなかった。
この点、コア層に使用する熱硬化性樹脂として、メラミン樹脂を使用すれば、コア層の透明性、反射性を高めることができ、表面の化粧層とコア層とを比較的同色一体に見せることができると考えられる(例えば、特許文献1参照)。しかし、コア層への含浸樹脂としてメラミン樹脂を使用した場合、樹脂含浸紙全体の重量に対する樹脂含浸率が48重量%程度を超えると、コア層の加熱加圧時に樹脂フローが生じ、樹脂が含浸された紙基材の線膨張が大きくなり、クラック等が発生するおそれがある(特許文献1)。
このため、コア層の含浸樹脂としてメラミン樹脂を使用した場合には、コア層の樹脂含有率を48重量%以下に抑える必要があるが、一方で、樹脂含有率が低いと、層間強度が低下する結果、層間剥離が生ずるおそれが生じ、また、ある程度の厚みや強度を確保して充分な信頼性を得るためには、少なくとも3枚以上のプリプレグを積層する必要が生じ、製造に手間とコストと時間を要する問題が生じる。
特開2006247935号公報 特開平1−56539号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、コア層への樹脂含有率を高めても充分に信頼性、装飾性も確保することができるとともに、低コストで簡易に製造することができる化粧板及びそのような化粧板の製造方法を提供するものである。
(1.化粧板)
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、コア層と、このコア層に積層された化粧層とを加熱加圧して形成された化粧板であって、コア層は、熱硬化性樹脂が含浸された複数の晒しクラフト紙を積層して成り、熱硬化性樹脂は、メラミン樹脂にアクリル樹脂が添加され微粉シリカは添加されない組成物であって、熱硬化性樹脂が含浸されたコア層100重量%に対して48重量%超54重量%以下の割合で含浸されていることを特徴とする化粧板を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、コア層は、2枚の熱硬化性樹脂が含浸された晒しクラフト紙を積層して成ることを特徴とする化粧板を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、コア層は、加熱加圧後において2mm以下の厚みを有することを特徴とする化粧板を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第1乃至第3のいずれかの解決手段において、メラミン樹脂とアクリル樹脂との混合比率が、固形分の重量%の比率で、メラミン樹脂:アクリル樹脂=9:1〜5:5の範囲内であることを特徴とする化粧板を提供するものである。
(2.化粧板の製造方法)
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、コア層に化粧層を積層した上で加熱加圧して化粧板を製造する化粧板の製造方法であって、複数の晒しクラフト紙に熱硬化性樹脂を含浸し積層してコア層を形成し、熱硬化性樹脂として、メラミン樹脂にアクリル樹脂が添加され微粉シリカは添加されない組成物を使用し、熱硬化性樹脂を熱硬化性樹脂が含浸されたコア層100重量%に対して48重量%超54重量%以下の割合で含浸することを特徴とする化粧板の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第5の解決手段において、2枚の熱硬化性樹脂が含浸された晒しクラフト紙を積層してコア層を形成することを特徴とする化粧板の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第5又は第6のいずれかの解決手段において、加熱加圧後のコア層を2mm以下の厚みに形成することを特徴とする化粧板の製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第5乃至第7のいずれかの解決手段において、メラミン樹脂とアクリル樹脂との混合比率を、固形分の重量%の比率で、メラミン樹脂:アクリル樹脂=9:1〜5:5の範囲内とすることを特徴とする化粧板の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、上記のように、メラミン樹脂にアクリル樹脂が添加された組成物をコア層に含浸させているため、コア層の透明性、反射性を維持して優れた意匠性を確保することができるのは勿論のこと、樹脂含有率を高めても加熱加圧時に樹脂が流れ出ることがなく、寸法変化率を抑制して、クラックや層間剥離の発生等を防止することができ、信頼性の高い化粧板とすることができる実益がある。
また、本発明によれば、上記のように、樹脂含有率を高めても樹脂フローが生じない結果、層間強度を高めることができ、従来は3枚以上の紙基材を使用する必要があったことと比較して、2枚の熱硬化性樹脂が含浸された晒しクラフト紙を積層するだけで、厚みを変えることなく、充分な強度を有する化粧板とすることができ、製造の手間とコストを低減しつつ、信頼性に優れる化粧板とすることができる実益がある。
本発明の化粧板の断面図である。
本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明すると、図1は、本発明の化粧板10を示し、この化粧板10は、図1に示すように、コア層12と、このコア層12に積層された化粧層14とから成っている。この化粧板10は、コア層12、化粧層14を各々形成した後、これらを重ね合わせて加熱加圧成形して、図1に示すように、各層を積層することにより製造することができる。
なお、図示の実施の形態では、コア層12の両面に化粧層14が積層されているのが示されているが、図示の実施の形態と異なり、化粧層14は、装飾が必要な意匠面(片面)側にのみ積層することもできる。即ち、化粧層14がコア層12の少なくとも一方の面(意匠面)にのみ積層されている形態とすることもできる。この場合、コア層12の他の面(コア層12の化粧層14とは反対側の面)には、必要に応じて、図示しない芯材層、バック層等を積層することもできる。
<1.コア層>
コア層12は、化粧板10全体の厚み調整や、化粧板10に、剛性や、また、添加剤の種類によっては湿気に対するバリア性、不燃性等の機能性を付与するために用いられる。このコア層12は、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を含有する液状のワニスを調製し、これを紙基材に含浸させた後、約50℃〜60℃程度で加熱乾燥により溶剤を除去して、熱硬化性樹脂を半硬化させた状態のプリプレグを積層して形成することができる。なお、この場合、ワニスを紙基材に含浸させる方法にも、特に限定はなく、通常行われるキスコーターを用いる方法を採ることもできるし、ディップによる方法を採ることもできる。
この場合、基材としては、例えば、クラフト紙を使用することができる。このクラフト紙としては、化粧板10の側面(断面)の意匠性を高めるためには、特に、晒しクラフト紙を使用することが望ましい。晒しクラフト紙は、漂白により、その固有の色彩として白色を有しているため、コア層12の透明性、反射性を確保して、化粧層14と同系色を表現するのに適しているからである。この場合の坪量は特に限定されないが、通常、50〜250g/m2のものを使用することができる。なお、その他、目的に応じて、天然有機繊維、ガラス等の無機繊維、ポリエステル等の合成繊維などを単独もしくは混紡、混抄により複数種用いた紙、織布、あるいは不織布等を使用することもできる。
また、これらの基材に含浸させるワニスに含有させる樹脂成分としては、本発明においては、メラミン樹脂にアクリル樹脂が添加された組成物とする。これは、メラミン樹脂は、透明性が高く化粧板10の側面の意匠性を高める上では好適ではあるが、メラミン樹脂のみを使用すると、樹脂含浸率を高めた場合に加熱加圧時に樹脂フローが生じ、クラック等が生ずる原因となるからである。即ち、メラミン樹脂にアクリル樹脂を添加して使用すると、後述する実施例からわかるように、樹脂含浸率を高めても、加熱加圧時に樹脂が流れ出すことを防止することができる。なお、メラミン樹脂は、通常メラミンに対するホルムアルデヒドのモル比(以下、単にモル比という)が1.0〜4.0のものが使用されるが、必ずしも、この範囲に限定されるものではない。但し、樹脂ワニスとしての保存性等の点からは、1.0〜2.0の範囲とすることが好ましく、また、酸性の硬化剤を適宜配合することができる。
この場合、具体的には、熱硬化性樹脂が含浸されたコア層100重量%に対して48重量%超54重量%以下の割合、即ち、樹脂量比率(RC)を48重量%超54重量%以下に調整して、樹脂を基材に含浸させる。48重量%以下では、基材となる晒しクラフト紙に樹脂成分が充分に行き渡らずに、層間強度が低下する結果、層間剥離が生ずるおそれが生じるからである。一方で、54重量%超とすると、アクリル樹脂を添加しても、加熱加圧時に、樹脂フローが生じるおそれがあるからである。
ここに、樹脂量比率(RC)は、樹脂含浸紙の全体重量から基材原紙重量を差し引いた重量(=樹脂固形分+揮発分)の、含浸紙の全体重量に対する比率であって、具体的には、樹脂量比率(RC)=(含浸紙全体重量−基材原紙重量)×100/含浸紙全体重量で求めることができ、メラミン樹脂とアクリル樹脂との混合樹脂を基材に含浸させる際に、その含浸量を調整することにより、上記48重量%超54重量%以下の範囲内の樹脂量比率(RC)とすることができる。
また、この樹脂量比率は、基材となる複数の晒しクラフト紙の全てにおいて、全く同一の比率に設定する必要はなく、上記48重量%超54重量%以下の範囲内で、必要に応じて、複数の晒しクラフト紙間で異なる値に設定することもできる。また、複数の晒しクラフト紙の表裏で、層間強度の確保等を目的として、異なる値に設定することもできる。具体的には、例えば、化粧層14との接着面側については、層間強度を高めるためメラミン樹脂として樹脂量比率(RC)=52.5%のものを100g使用し、晒しクラフト紙同士の接着面側については樹脂量比率(RC)=50.0%のものを100g使用すること等ができる(コア層12全体におけるメラミン樹脂の固形分は102.5g)。
また、この場合の、メラミン樹脂とアクリル樹脂との混合比率を、固形分(揮発分を除いた成分)の重量%の比率で、メラミン樹脂:アクリル樹脂=9:1〜5:5の範囲内に設定することが好ましい。具体的には、メラミン樹脂とアクリル樹脂の合計の固形分100重量%に対し、例えば、メラミン樹脂が90重量%である場合にはアクリル樹脂10重量%、メラミン樹脂が60重量%である場合にはアクリル樹脂40重量%、メラミン樹脂が50重量%である場合にはアクリル樹脂50重量%に設定する。これは、アクリル樹脂の比率が50重量%を超えると、メラミン樹脂によるコア層12の透明性、反射性に影響を与える一方、10重量%未満では加熱加圧時に樹脂が流れ出るおそれがあるためである。この場合、メラミン樹脂による意匠性とアクリル樹脂による樹脂フローのバランスを考慮すると、より好ましくは、アクリル樹脂20重量%〜40重量%とすることが望ましい。具体的には、例えば、メラミン樹脂(固形分)102.5gに対し、アクリル樹脂(固形分)30.75g(メラミン樹脂77重量%、アクリル樹脂23重量%)とすることができる。
更に、この場合、コア層12における樹脂量比率を、上記のように、比較的高い値に設定しても樹脂フローが生じるのを防止することができる結果、従来は3枚以上の基材から構成されていたコア層12を、図1に示すように、2枚の熱硬化性樹脂が含浸された晒しクラフト紙12A、12Bのみから形成しても、厚みを変えることなく、充分な強度を有する化粧板10とすることができ、製造の手間とコストを低減しつつ、信頼性に優れる化粧板10とすることができる。具体的には、2枚の熱硬化性樹脂が含浸された晒しクラフト紙12A、12Bから形成したコア層12であっても、加熱加圧後において2mm以下の厚みとすることができ、この場合であっても、強度等の信頼性を充分に確保することができる。
<2.化粧層>
一方、化粧層14は、その本来の材質には、特に限定はなく、本発明においても、通常の化粧層と同様に、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を含有する液状のワニスを調製し、これをグラビア印刷紙等の紙基材に含浸させた後、約50℃〜60℃程度で加熱乾燥により溶剤を除去して、熱硬化性樹脂を半硬化させた状態のプリプレグを使用することができる。なお、この場合、樹脂成分を含有したワニスの基材への含浸方法についても、コア層12の場合と同様の手段を採ることができる。
また、このワニスを含浸させる紙基材としては、セルロース(パルプ)に顔料(チタン白など)をすきこんだ抄造紙に模様を印刷した印刷紙を使用することができる。また、その坪量としても特に限定されないが、通常と同様、50〜150g/m2のものを用いることができる。
また、この紙基材に含浸させるワニスに含有させる樹脂としても、熱硬化性樹脂であれば特に限定はなく、通常使用されるメラミン樹の他、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂等、又は、これらを混合したもの等も必要に応じて使用することができる。これらの樹脂成分は、化粧層14の表面を硬化させると共に、化粧層14の表面に耐熱性や耐汚染性等の優れた性能を付与するものである。
<3.コア層と表面層の加熱加圧>
上記のコア層12と化粧層14は、通常の高圧樹脂化粧板10の場合と同様に、図1に示すように、コア層12の上に化粧層14を積層して加熱加圧することにより、化粧板10とすることができる。この加熱加圧の温度は、化粧層14に含浸された熱硬化性樹脂の種類等に応じて、当該樹脂の硬化に適した温度に適宜設定した上で、60〜100kg/cm2程度の圧力で加圧することが好ましい。
次に、本発明の化粧板10の実施例及びその効果を裏付けるために設定した比較例について説明する。具体的には、基材として坪量195g/m2の晒しクラフト紙(白色)を使用し、これにベースワニスとしての変性メラミン樹脂(ポストフォーム(2次曲面)加工用に可塑剤を配合した低モル比のもの:以下同じ)に可塑化変性剤としてのアクリル樹脂を添加した樹脂ワニスを含浸させて、コア層12を得た。この場合、(1)実施例1では、メラミン樹脂:アクリル樹脂を7:3の比率で混合し、樹脂量比率(RC)を48.7重量%(揮発量比率(VC)は3.9重量%)に調整した上で、3枚のプリプレグを重ね合わせてコア層12とし、(2)実施例2では、メラミン樹脂:アクリル樹脂を6:4の比率で混合し、樹脂量比率(RC)を49.1重量%(揮発量比率(VC)は4.0重量%)に調整した上で、3枚のプリプレグを重ね合わせてコア層12とし、(3)実施例3では、メラミン樹脂:アクリル樹脂を7:3の比率で混合し、樹脂量比率(RC)を49.5重量%(揮発量比率(VC)は3.8重量%)に調整した上で、2枚のプリプレグを重ね合わせてコア層12とした。
一方、次の各種比較例も設定した。具体的には、(5)比較例1として、メラミン樹脂にアクリル樹脂を添加しないケース、即ち、実施例1〜3と同じ基材である坪量195g/m2の晒しクラフト紙(白色)に汎用メラミン樹脂(ポストフォーム(2次曲面)加工用の可塑剤が配合されていないもの高モル比のもの:以下同じ)を含浸させて、樹脂量比率(RC)を49.5重量%に調整した上で、2枚のプリプレグを重ね合わせてコア層12としたものを、(6)比較例2として、樹脂量比率(RC)を48重量%以下に設定したケース、即ち、同じく基材である坪量195g/m2の晒しクラフト紙(白色)に、ベースワニスである汎用メラミン樹脂にアクリル樹脂をメラミン樹脂:アクリル樹脂=7:3の割合で添加した樹脂ワニスを含浸させて、樹脂量比率(RC)を47.2重量%(揮発量比率VCは4.2重量%)に調整した上で、3枚のプリプレグを重ね合わせてコア層12としたものを、(7)比較例3として、同じく樹脂量比率(RC)を48重量%以下に設定したケース、即ち、基材である坪量145g/m2の晒し原紙(酸化チタン含有の化粧紙)に、ベースワニスである変性メラミン樹脂にアクリル樹脂をメラミン樹脂:アクリル樹脂=7:3の割合で添加した樹脂ワニスを含浸させて、樹脂量比率(RC)を46.0重量%(揮発量比率(VC)は4.3重量%)に調整する代わりに、4枚のプリプレグを重ね合わせてコア層12としたものを、(8)比較例4として、透過率を高めるために微粉シリカを添加したケース、即ち、実施例1〜3と同じ基材である坪量195g/m2の晒しクラフト紙(白色)に、ベースワニスである変性メラミン樹脂にアクリル樹脂をメラミン樹脂:アクリル樹脂=9:1の割合で添加した樹脂ワニスに、樹脂ワニス全体の重量に対し8重量%の割合で微粉シリカを添加したものを含浸させて、樹脂量比率(RC)を48.4重量%(揮発量比率(VC)は4.2重量%)に調整した上で、3枚のプリプレグを重ね合わせてコア層12としたものを、それぞれ設定した。
その他、(9)比較例5として、従前の一般的な化粧板10、即ち、基材として坪量195g/m2の未晒しクラフト紙(茶色)を使用し、これにフェノール樹脂を含浸させて、樹脂量比率(RC)を32重量%(揮発量比率(VC)は7.0重量%)に調整した上で、3枚のプリプレグを重ね合わせてコア層12としたものを設定した。なお、本発明の実施例1〜3及び比較例1〜4については、上記各コア層12の表面に変性メラミン樹脂を含浸した化粧層14を、裏面にメラミン樹脂を含浸したバック層を設置し、比較例5については、上記各コア層12の表面に変性メラミン樹脂を含浸した化粧層14を、裏面にフェノール樹脂を含浸したバック層を設置して、化粧板10とした。以上の実施例、比較例で得られた各試料について各種試験を行い、その評価結果を表1に示す。
Figure 0005678461
(1.クラック安全率)
まず、この表1から解るように、アクリル樹脂を添加しなかった比較例1では、樹脂量比率が高い結果、クラックが生じ、また、寸法変化率も大きく、充分なクラック安全率を達成することができなかった。同様に、アクリル樹脂を添加しても、樹脂量比率(RC)が48重量%以下とした比較例2についても、比較的寸法変化率が大きく、同様に充分なクラック安全率を達成することができなかった。この点、本発明の実施例1〜3については、いずれも、クラックは発生せず、また、寸法変化率が小さく、充分なクラック安全率を達成できていることが解る。この場合、特に、共に樹脂量比率が49.5重量%で、かつ、2枚のプリプレグからコア層を形成した実施例3と比較例1とを比べると、メラミン樹脂にアクリル樹脂を添加すれば、樹脂量比率(RC)を48重量%超に設定しても、樹脂フローを抑制でき、良好な耐クラック性を得られることができ、2枚のプリプレグでも充分な強度を確保することができることが立証された。なお、これらの比較例1、2については、ベースワニスとして、ホルマリン/メラミンのモル比が高い汎用メラミン樹脂を使用したことから、ホルマリンの放散量が大きい点でも問題があった。
(2.コスト)
また、アクリル樹脂を添加したものの樹脂量比率(RC)を48重量%以下に抑える代わりに、4枚のプリプレグを積層した比較例3については、積層数が増加する結果手間とコストが高騰し、また、耐煮沸性試験においても、層間強度が低下するためか、若干の膨れが生じる等の問題があった。また、透過性を高めるために微粉シリカを添加した比較例4についても、フィラーを添加する分、コストが高騰すると共に、耐煮沸性においても、微粉シリカが水分を吸収するためか重量増加率が激しく、膨れが生じる問題があった。この点、本発明の実施例1〜3については、コストを高騰させることなく、良好な耐煮沸性も確保することができ、特に、実施例3のように、比較例3の半分の2枚のプリプレグとしても、充分な耐煮沸性を確保できていることから、良好なコストパフォーマンスを維持しつつ、高性能を確保することができたといえる。
(3.意匠性)
更に、この表1から解るように、従前からのフェノール樹脂を使用した比較例5については、樹脂量比率(RC)を抑えた結果、コスト的には申し分ないが、やはり、化粧板の断面の意匠性を確保することはできなかった。一方、本発明の実施例1〜3では、断面の意匠性が良好であるのは勿論であること、特に、コスト面に着目すると、特に、本発明の実施例3については、樹脂量比率(RC)を高めつつも、コア層12を2枚のプリプレグから形成しているため、良好なコストパフォーマンスを実現させることができたといえる。
(4.まとめ)
以上より、本発明の実施例では、メラミン樹脂を用いて良好な意匠性を確保する場合において、充分な層間強度を確保するために樹脂量比率(RC)を高めても、樹脂フローが生じてクラックが生じることがなく、また、強度が高まる結果、2枚のプリプレグからコア層を形成しても、高性能を確保することができる点で、コストパフォーマンスにも優れる化粧板を実現できることが実証された。
本発明は、例えば、壁材等の住宅等の内装材や、家具等に広く適用することができる。
10 化粧板
12 コア層
12A、12B 熱硬化性樹脂が含浸された晒しクラフト紙
14 表面層

Claims (8)

  1. コア層と、前記コア層に積層された化粧層とを加熱加圧して形成された化粧板であって、前記コア層は、熱硬化性樹脂が含浸された複数の晒しクラフト紙を積層して成り、前記熱硬化性樹脂は、メラミン樹脂にアクリル樹脂が添加され微粉シリカは添加されない組成物であって、前記熱硬化性樹脂が含浸されたコア層100重量%に対して48重量%超54重量%以下の割合で含浸されていることを特徴とする化粧板。
  2. 請求項1に記載された化粧板であって、前記コア層は、2枚の前記熱硬化性樹脂が含浸された晒しクラフト紙を積層して成ることを特徴とする化粧板。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された化粧板であって、前記コア層は、加熱加圧後において2mm以下の厚みを有することを特徴とする化粧板。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された化粧板であって、前記メラミン樹脂と前記アクリル樹脂との混合比率が、固形分の重量%の比率で、メラミン樹脂:アクリル樹脂=9:1〜5:5の範囲内であることを特徴とする化粧板。
  5. コア層に化粧層を積層した上で加熱加圧して化粧板を製造する化粧板の製造方法であって、複数の晒しクラフト紙に熱硬化性樹脂を含浸し積層して前記コア層を形成し、前記熱硬化性樹脂として、メラミン樹脂にアクリル樹脂が添加され微粉シリカは添加されない組成物を使用し、前記熱硬化性樹脂を前記熱硬化性樹脂が含浸されたコア層100重量%に対して48重量%超54重量%以下の割合で含浸することを特徴とする化粧板の製造方法。
  6. 請求項5に記載された化粧板の製造方法であって、2枚の前記熱硬化性樹脂が含浸された晒しクラフト紙を積層して前記コア層を形成することを特徴とする化粧板の製造方法。
  7. 請求項5又は請求項6のいずれかに記載された化粧板の製造方法であって、加熱加圧後の前記コア層を2mm以下の厚みに形成することを特徴とする化粧板の製造方法。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載された化粧板の製造方法であって、前記メラミン樹脂と前記アクリル樹脂との混合比率を、固形分の重量%の比率で、メラミン樹脂:アクリル樹脂=9:1〜5:5の範囲内とすることを特徴とする化粧板の製造方法。
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