JP6960124B2 - カラー水性磁性塗料を用いたカラー磁性シート及びカラー磁性面 - Google Patents

カラー水性磁性塗料を用いたカラー磁性シート及びカラー磁性面 Download PDF

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Description

本発明は、カラー水性磁性塗料を用いたカラー磁性シート及びカラー磁性面に関する。より詳しくは、軟磁性・硬磁性に関わらず磁性を有する粉体を主成分とするカラー水性磁性塗料から作られるカラー磁性シート及びカラー磁性面に関する。
近年、強磁性体を装着した表示片或いは棚等の物品を磁力によって壁面上に吸着保持できる室内磁性壁が人気をよんでいる。
このような室内磁性壁は、例えば非磁性壁の壁面に磁性シートを貼着することで製作できる。ここで磁性シートは、磁粉と、粘結材となる有機高分子エラストマーとを原料としたシート状の磁性体である(例えば特許文献1参照)。
特開2004―167819号公報
ところで、磁粉に用いられる磁性材は、軟質・硬質に関わらず一般に黒色であり、これを原料とする上記のような磁性シートも黒いため、非磁性壁の壁面に磁性シートを貼着した場合、黒色の壁面となってしまい違和感が生じる。そこで違和感のない室内磁性壁に仕上げるために、この壁面に黒くない塗料を新たに塗布したり、黒色を隠す壁紙を貼着したりする必要がある。また、非磁性壁の壁面に磁性シートを貼着する際には、磁性シートの一方の面または壁面に接着剤を塗布する必要がある。
このように、室内磁性壁の製作には、施工に多くの手間と労力を要する。
他方で従来の磁性シートは、ハサミ等の切断具で切断する場合に磁性材の黒く小さな粒子や破片が周囲を汚す、いわゆる“粉落ち現象”を起こすことがある。また、ハンドリング時に磁性シートの角を室内の白い壁面に当ててしまった際には、黒いスジ状の跡が付いてしまうことが多い。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、磁性壁面の施工作業の手間と労力が軽減されるカラー水性磁性塗料を用いたカラー磁性シート及びカラー磁性面の提供を課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段をとる。
即ち、本発明の態様は、四三酸化鉄、ソフトフェライト、ハードフェライトの群から選ばれる1種又は複数の混合物であり且つ、粒子径が32μ以上106μ以下の磁性粉をカラー水性樹脂塗料に分散してなるカラー水性磁性塗料を、両面粘着テープの離型紙面を下にして広げた時の粘着剤層の表面に塗布し、自然乾燥させたことを特徴とするカラー磁性シートとする。
本態様のカラー水性磁性塗料によると、壁面等に直接塗布し自然乾燥させることで、様々なカラー色の内装に適応できる。また、磁性粉の粒子径を32μ以上106μ以下のものとすることで、塗布及び乾燥後における表面粗さ、色むら、色合いなどが室内壁にふさわしいものとなる。また、はじめからカラー色がついているため、黒くない新たな塗料を塗布したり壁紙を貼ったりする必要がなく、磁性壁面の施工作業の手間と労力が軽減される。
カラー水性樹脂塗料に白色水性樹脂塗料を添加することがより好ましく、顔料が添加されていても良い。
上述したカラー水性磁性塗料を壁面やボード等に塗布し乾燥させると、カラー磁性面を得る事が出来る。
或いは上述したカラー水性磁性塗料を、非磁性材から成るシート状部材の片面に塗布し乾燥させて、カラー磁性シートを得る事が出来る。
或いは、一般の磁性シートの表面に、又は上述したカラー磁性シートの磁性層の表面に再度、本発明のカラー水性磁性塗料をシート状に塗布・乾燥させたカラー磁性シートであっても良い。
前記カラー磁性シートの裏面に粘着剤層が形成されていることは好ましく、そのためには、前記カラー水性磁性塗料を両面粘着テープの片面に塗布し乾燥させても良い。
裏面に粘着剤層があるカラー磁性シートを、該粘着剤層を介して壁面やボード面に貼着すると、カラー磁性面を形成する事が出来る。
本発明によると、磁性壁面の施工作業の手間と労力が軽減されるカラー水性磁性塗料を用いたカラー磁性シート及びカラー磁性面が提供される。
本発明の実施例1,2,3でカラー磁性シートを作成する方法を説明する斜視図である。 本発明の実施例1,2,3で作成したカラー磁性シートを説明する斜視面である。 本発明の実施例4を説明する断面模式図である。 本発明の実施例5で作成したカラー磁性シートを説明する斜視面である。 本発明の実施例6のカラー磁性シートを説明する断面模式図ある。 本発明の実施例7のカラー磁性シートを説明する断面模式図ある。 本発明の実施例8でカラー磁性シートを作成する方法を説明する斜視図である。 本発明の実施例8で作成したカラー磁性シートを説明する斜視面である。 本発明の実施例8のカラー磁性壁面を説明する断面模式図ある。 本発明の実施例7を説明する断面模式図である。 本発明の比較例で採用した磁性粉の電子顕微鏡写真である。 本発明で採用した磁性粉の電子顕微鏡写真である。 本発明の比較例で採用した磁性粉の電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例で採用した、他の磁性粉の電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例で採用した、別の磁性粉の電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例8で採用した顔料(弁柄)の電子顕微鏡写真である。 実施例4で採用した配合でもって、実施例3で作成したシートの断面の電子顕微鏡写真である。 実施例5で採用した配合でもって、実施例1で作成したシートの断面の電子顕微鏡写真である。 実施例6で採用した配合でもって、実施例2で作成したシートの断面の電子顕微鏡写真である。 実施例7で採用した配合でもって、実施例3で作成したシートの断面の電子顕微鏡写真である。 実施例8で採用した配合でもって、実施例2で作成したシートの断面の電子顕微鏡写真である。 実施例9で採用した配合でもって、実施例3で作成したシートの断面の電子顕微鏡写真である。
本発明において磁性粉の粒子径が重要である。
粉体の粒子径を工業的にコントロールする為には篩による分級操作が採用されるが、本発明で採用した、研究及び開発用の「サンポーのステンレスふるい」(ブランド名)では、各篩の網の隙間の大きさ(開口)を、「OPENING」の数値で表している。例えばOPENING32μでは32μ角の綾織の隙間を表している。
OPENING32μの篩を例にとると、基本的には粒子径が32μより小さいものは網を通過し、32μより大きいものは網の上に残る。
そこで本明細書では、OPENING32μの篩を通過した粉体を「32μ↓」と表現し、篩の網の上に残った粉体を「32μ↑」と表すものとする。他のOPENING数値についても同様で、この場合「106μ↓&32μ↑」は、OPENING106μの篩を通過し、且つOPENING32μの篩を通過しない粉体を意味している事とする。
なお、粒子径が網の開口より小さくても、各粒子が凝集するか、大きな粒子に付着すると通過しないで網の上に残る。さらに粒子径が網の開口より大きくても、粒子の形状に拠っては通過してしまうことがあるため、篩を用いた分級では粒子径に若干の誤差があり、厳密に区分することは難しい。
以下の実施例では略円筒状の枠体の下部にステンレス製の網を張った「TEST−SIEVE」(商品名)を用いた。
黄色い水性樹脂塗料(「水性多用途カラー(黄色)」株式会社アサヒペンが販売)5ccに、砂鉄(シマダ鉱業株式会社から購入。ニュージーランド・タハロ産)を分級した粉体106μ↓&32μ↑を14.6グラム加えて良く混合して黄色の水性磁性塗料を得た。
上記とは別に水性多用途カラー(黄色)5ccに、株式会社アサヒペンが販売する水性多用途カラー(白)1ccを加え、それに上記と同じ砂鉄の106μ↓&32μ↑を17.5グラム加えて良く混合して黄色の水性磁性塗料を得た。水性多用途カラー(白)を添加すると塗料の量が2割増しなので、磁性粉の添加量も2割増しとしている。以下の実施例でも、添加する塗料が別途存在するときは、上記例と同様に磁性粉の添加量も増加させる。
得られた2種類のカラー水性磁性塗料を、それぞれ図1に示す方法で両面粘着テープ1の片面に塗布し、自然乾燥させてカラー磁性シート12A(図2参照)を得た。
具体的には、両面粘着テープ((株)ニトムズ製のPROSELF(登録商標)の「カーペット用強弱両面テープ」)1の巻き凹面(巻体の径方向内側面)を台紙4Aに貼着させ、巻き凸面(巻体の径方向外側面)の離型紙2を取り除いた面の粘着剤層3の表面に、上記カラー水性磁性塗料を配置し、バーコーター6による矢印X1方向への押圧移動により延伸させスペーサー7の厚さのシート状のカラー磁性層(乾燥前)8として塗り付けた。
なお、以下の各実施例2,3及び比較例1,2,3では、結果としてできたカラー磁性シートはそれぞれ色や処方配合は異なるものの、構成形状としては同一であることから、本明細書では、同一の符号「12A」を付す。他の実施形態でも同様な考えを適用する。
上述した実施例1の配合、及び以下の比較例1の配合処方を、表1に纏めた。その他の実施例及び比較例も同様である。
尚、実施例1の配合は、表1の実験No.2,4に記載している。下記比較例1の配合は、実験No.1,3である。
Figure 0006960124
本実施例で得られたカラー磁性層11は両面粘着テープ1における粘着剤層3と強固に粘着していて、乾燥させた磁性シートの磁性表面に例えば両面粘着テープ1の粘着剤層3を貼着させた場合と比較して、同等以上だった。
該現象は、本発明の実施例2,3及び比較例1,2,3においても同様だった。
[比較例1]
実施例1で採用した黄色い水性樹脂塗料5ccに、実施例1で採用した砂鉄を分級して得られた106μ↑の粉体を14.6グラム加えて良く混合して黄色の水性磁性塗料を得た。
更に、上記106μ↑の粉体に替えて32μ↓の粉体14.6グラムを加え、同様にして黄色の水性磁性塗料を得た。
得られた2種類のカラー水性磁性塗料はそれぞれ、実施例1と同様にして両面粘着テープ1の片面に塗布・乾燥させてカラー磁性シート12Aを得た。
黄色い水性樹脂塗料に替えて、水性多用途カラー(赤)を採用した事以外は実施例1と同様にして、カラー磁性シート12Aを得た。表1の配合表の実験No.6,8,9,10である。
実験No.9及び10は、赤色の顔料としての弁柄(着色用、有限会社ファニス工芸が販売)をそれぞれ0.23グラム加えている。
[比較例2]
比較例1と同様に、実施例2で採用した赤い水性樹脂塗料5ccに、実施例1で採用した砂鉄を分級して得られた106μ↑の粉体を14.6グラム加えて良く混合して赤い水性磁性塗料を得た。
更に、上記106μ↑の粉体に替えて32μ↓の粉体14.6グラムを加え、同様にして赤い水性磁性塗料を得た。
得られた2種類のカラー水性磁性塗料はそれぞれ、実施例1と同様にして両面粘着テープ1の片面に塗布・乾燥させてカラー磁性シート12Aを得た。
以上の配合は、表1の実験No.5及び7に記載している。
黄色い水性樹脂塗料に替えて、水性多用途カラー(緑)を採用した事以外は実施例1と同様にして、カラー磁性シート12Aを得た。表1の配合表の実験No.12,14,15及び16である。
実験No.15は実験No.14の配合において、ニュージーランド産の砂鉄に替えて南アフリカ産の砂鉄(シマダ鉱業株式会社から入手)を分級した106μ↓&32μ↑の粉体17.5グラムを採用して、実施例1と同様の方法でカラー磁性シート12Aを得た。
実験No.16は実験No.14の配合において、砂鉄に替えて等方性BaフェライトTF焼結体(東京フェライト製造(株)製)を粉砕・分級して得られた106μ↓&32μ↑の粉体16.6グラムを混合した水性磁性塗料を準備し、同様の方法でカラー磁性シート12Aを得た。
ここに、Baフェライトの密度を考慮して砂鉄と同じ体積比率とした。
[比較例3]
比較例1と同様に、実施例3で採用した緑の水性樹脂塗料5ccに、実施例1で採用した砂鉄を分級して得られた106μ↑の粉体を14.6グラム加えて良く混合して緑の水性磁性塗料を得た。
更に、上記106μ↑の粉体に替えて32μ↓の粉体14.6グラムを加え、同様にして緑の水性磁性塗料を得た。
得られた2種類のカラー水性磁性塗料はそれぞれ、実施例1と同様にして両面粘着テープ1の片面に塗布・乾燥させてカラー磁性シート12Aを得た。
以上の配合は、表1の実験No.11及び13に記載している。
ここで、上記した各実施例1〜3、及び比較例1〜3の検討結果について記述する。
実施例1〜3、及び比較例1〜3で得られたカラー磁性シート12A(全16種類)の表面の色を測色計(株式会社コニカミノルタ社製の分光測色計:CM−700d)で定量化した。サンプルのデータは、1枚に付き所定間隔をあけた異なる3ヶ所を測定し、その測定数値の算術平均を採った。ここに、L*a*b*表色系(国際照明委員会)において、「L*」軸は明度(明るさ)であり、「a*」軸はプラスが赤でマイナスは緑を表す。「b*」軸はプラスが黄でマイナスは青を表している。
また、各カラー磁性シート12Aの表面(以下、単に「シート表面」と記すことがある)を肉眼で観察して、表面の粗さや色彩を感覚的に評価した。その結果を表2に示す。

Figure 0006960124
表2から判る様に、粒子径が106μ↑であれば塗装面やシート表面が粗く、一般的な塗装面、シート表面としては不向きである。また、粒子径が32μ↓であれば表面の粗さは無いが、しかし磁性粉の黒さが優位となって塗料のカラーが損なわれてしまっている。
この現象は「黄色」の塗料、「赤」の塗料、及び「緑」に共通している。このため磁性粉の粒子径は106μ↓&32μ↑が好ましい。
ここで、カラーの水性樹脂塗料(水性多用途カラー、(黄色)、(赤)、(緑))等に水性多用途カラー(白)を添加すると、肉眼では明るく白さが増した奥行きのあるカラーに見える様になる。それは、表2の明度(L*)の数値にも表れている。
また、赤い水性樹脂塗料に赤い顔料である弁柄を添加した場合(実験No.9)、赤の色を示す「a*」の数値がプラス側へ大きくなる。但し、それに水性多用途カラー(白)を加える(実験No.10)と、明度「L*」と共に「a*」の数値も大きくなる。それは肉眼での観察結果と一致する。
ニュージーランド産の砂鉄に替えて、南アフリカ産砂鉄、又は等方性Baフェライト焼結・粉砕粉を採用しても、水性多用途カラー(白)を添加すると、透明感が増した綺麗な緑色のカラー磁性シート12Aが得られている。
表2の総合判断の欄は、実施例や比較例で得られたカラー磁性シート12Aの表面の粗さと、表面の色の具合を肉眼で観察し、総合的に判定したものである。「×」印は「採用不可」、「△〜○」は「採用可能」、「○」は「採用」の判断を表している。
水性多用途カラー(緑)200ccに水性多用途カラー(白)40ccを加えたカップへ、ニュージーランド・タハロ産の砂鉄を分級して得られた粒子径が106μ↓&32μ↑の粉体を700グラム加え、スパチラで良く混ぜて緑色の水性磁性塗料を得た。
次いで、「こて」でもって子供部屋の壁面の内、約1平方メートルを上記水性磁性塗料で塗装した。
図3は壁面9に上記緑色の水性磁性塗料を塗りつけて自然乾燥した緑色のカラー磁性層10の断面を示す。該カラー磁性層10の表面は落ち着いた緑色を呈し、且つ軟磁性の磁気特性を有していて、磁気フックやメモ用紙を掲止する為の永久磁石を磁気吸着させることが出来た。
以上の配合は、表1の実験No.14に記載している。
水性多用途カラー(緑)に替えて水性多用途カラー(黄色)を採用する事以外は実施例4と同様にして、黄色の水性磁性塗料を得た。
次いで、図4に示すように、表面に格子模様13aを有する装飾シート13の裏面にこの黄色の水性磁性塗料を塗布し、自然乾燥させカラー磁性層11を形成した。
得られたカラー磁性シート12Bは、多極着磁マグネットシートが装着されている壁面に吸着させ、また簡単に剥がすことが出来る、裏面もカラフルな壁紙として使用出来た。
格子模様13aを活かして小片にカットすれば、上記したマグネットシートの壁面にメモやチラシを掲止するカラフルな被吸着体として便利だった。
以上の配合は、表1の実験No.4に記載している。
水性多用途カラー(緑)に替えて水性多用途カラー(赤)を採用する事以外は実施例4と同様にして、赤色の水性磁性塗料を得た。
次いで、図5に示すように、ニチレイマグネット(株)が販売しているアイアンシート(登録商標)4Bの片面に上記水性カラー磁性塗料を約0.35mm厚に塗布し、自然乾燥させることによりカラー磁性層11を形成し、表面がカラー(赤)化された軟磁性のカラー磁性シート12Cを得た。ここにアイアンシート4Bは、厚さ約0.6mmの黒い軟磁性シートである。
得られた軟磁性のカラー磁性シート12Cは、赤い表面の軟磁性シートとして採用できた。
以上の配合は、表1の実験No.8に記載している。
水性多用途カラー(緑)200ccに水性多用途カラー(白)40ccを加えたカップへ、南アフリカ産の砂鉄(シマダ鉱業株式会社から購入)を分級して得られた粒子径が106μ↓&32μ↑の粉体を700グラム加え、スパチラで良く混ぜて、緑色の水性磁性塗料を得た。
次いで実施例6と同様に、黒いアイアンシート4Bの片面に塗布し、自然乾燥させて厚くて片面が緑色の軟磁性シートを得た。
こうして得られた軟磁性シートの黒い色の表面、つまり緑色の水性磁性塗料を塗布しなかった方の面に、両面粘着テープ1をラミネートする要領で片面を貼着させ、離型紙2付きの粘着剤層3を有する緑色の軟磁性のカラー磁性シート12D(図6(a)参照)を得た。
また、上記黒いアイアンシート4Bに替えて、実施例5で得られた格子模様13aを有する装飾シート13を表面に有するカラー磁性シート12Bのカラー磁性層11の表面に、両面粘着テープ1をラミネートする要領で片面を貼着させ、離型紙2付きの粘着剤層3を有する黄色のカラー磁性層11(図6(b)参照)を得た。
図10に示す様に、本カラー磁性層11の離型紙2を取り去れば、装飾シート13の表面を有するカラー磁性層11を、粘着剤層3を通じて壁面9に貼着させることが出来た。
該壁面は、表面が装飾性を有しながら、永久磁石を磁気的に吸引することが出来るので、様々な種類の永久磁石を吸着させることが出来た。
水性多用途カラー(赤)200ccに水性多用途カラー(白)40ccを加えたカップへ、ニュージーランド・タハロ産の砂鉄を分級して得られた粒子径が106μ↓&32μ↑の粉体を700グラム加え、更に、有限会社ファニス工芸が販売している赤色顔料の弁柄を9.2グラム加え、スパチラで良く混ぜて、赤色の水性磁性塗料を得た。
次に図7に示している様に、両面粘着テープ1の離型紙2面を下にして広げ、粘着剤層3の表面に該赤色の水性磁性塗料を実施例1の要領で塗布し、自然乾燥させた。
その後、図8に示す様に、得られたカラー磁性シート12Fは、カラー磁性層11の裏面に粘着剤層3があり、離型紙2で裏面が保護されている。
カラー磁性シート12Fの裏面の離型紙2を剥がして壁面9に、粘着剤層3を貼着させた。図9がその模式図である。
本実施例で得られたカラー磁性層11は粘着剤層3と強固に粘着していて、乾燥させたカラー磁性層の磁性表面に例えば両面粘着テープ1の粘着剤層3を貼着させた場合と比較して、同等だった。
本実施例で得られたカラー磁性シート12Fを張り詰めると、赤レンガ色の壁面となった。白色顔料を含む白色塗料(水性多用途カラー白)と、添加した無機顔料との相乗効果を生んでいると考えられる。
以上の配合は、表1の実験No.10に記載している。
水性多用途カラー(緑)200ccに水性多用途カラー(白)40ccを加えたカップへ、東京フェライト株式会社製の等方性バリウムフェライトの焼結体を粉砕及び分級して得られた、粒子径が106μ↓&32μ↑の粉体を664グラム加え、スパチラで良く混ぜて水性磁性塗料を得た。
以下実施例7と同様にして裏面に粘着剤層3を有する緑色のカラー磁性シートを得て、次に該粘着剤層3を介して非磁性の壁面9に張り詰めた。
これにより形成された磁性壁面の磁性成分はハードフェライトではあるが、永久磁石を磁気吸着させる性質があるので、磁性成分が砂鉄の場合と同様、磁気フックなどを掲留する事が出来た。
また該磁性壁面は乾燥後着磁する事が出来る。強力な永久磁石を接近させると着磁する事が出来るので、部分的に永久磁石とする事が出来る。この場合、本発明の他の軟磁性シートが磁気的に吸着される。
他方で、本発明の磁性成分としてハードフェライト粉を採用すると、本発明で得られたカラー磁性シートを通常の方法で予め多極着磁しておいて、その後壁面やパーテーションなどに貼着しても良い。貼着手段は、粘着剤または磁気が適宜採用出来る。
因みに、本発明で採用した両面粘着テープ1の何れの粘着面も水道水をはじく。しかし、該両面粘着剤層3の表面に、本発明のカラー水性磁性塗料を塗布し乾燥すると、カラー水性磁性塗料から水分を除去した物質、つまり水に分散していた「磁性粉を絡めた塗料樹脂」だけが残って粘着剤層3の表面に粘着しているのである。
本発明で採用したエマルジョン系塗料、更にアクリル樹脂系又はシリコンアクリル樹脂系は、上記粘着が良好である。
本発明で採用した粉体の電子顕微鏡写真を図11〜図16に示す。これらの図で、明色部分が粉体である。また、実施例1〜3、及び比較例1〜3で得られたカラー磁性シート断面の電子顕微鏡写真を、図17〜図22に示す。
図11はニュージーランド・タハロ産砂鉄の106μ↑、図12は同106μ↓&32μ↑、図13は同32μ↓である。
また、図14は南アフリカ産砂鉄の106μ↓&32μ↑であり、図15は東京フェライト製造(株)製等方性Baフェライト焼結体を粉砕分級した106μ↓&32μ↑である。図16は着色用弁柄(有限会社ファニス工芸が販売)である。
図11〜図14から明らかな様に、分級操作でもって粒子径が厳密に区分されていない。
径の小さな粒子は色を黒くする作用があり、大きな粒子は、塗装表面を粗くすることが、表2から明らかになっている。
図17は表1の実験No.14の場合であり、実施例4で採用した配合に相当している。台紙4Aの上に両面粘着シート1の粘着剤層3を介してカラー磁性層11を形成した状態を示す。
図18は同実験No.4の場合であり、実施例5で採用した配合に相当している。
図19は同実験No.8の場合であり、実施例6で採用した配合に相当している。
図20は同実験No.15の場合であり、実施例7で採用した配合に相当している。
図21は同実験No.10の場合であり、実施例8で採用した配合に相当している。
図22は同実験No.16の場合であり、実施例9で採用した配合に相当している。
何れの配合であれ、磁性層は粘着剤層3と一体化しており、塗料樹脂は磁性粉を絡めている。ハサミやカッターで本発明のカラー磁性シートを切断する操作で、粉落ち現象や汚れの現象、或いは剥離現象は認められなかった。
本発明の他の特徴は、軟磁性シート層が比較的柔軟な事である。例えば実施例8で製作した図8のシートでは、軟磁性層の厚さが約0.4mmのシートを直径20mmの円筒状に曲げても、クラックが発生することは無かった。
また、その軟らかさから、手触りが良いという特徴がある。
以上のように本発明の実施例や比較例は、現実の篩の開口寸法を基準にしたが、先に記述した様に、篩を用いた分級操作では粒子径を厳密に区分する事が出来ない。「OPENING」の数値より小さい粒子径の粒子が篩上に残り、数値より大きい径の粒子が篩を通過することは避けられない。更に各篩のメーカーでは、網を編むワイヤーの径や編み方が異なることがあり、ASTM規格やタイラー規格によって「OPENING」の数値が異なっている。
そこで、本態様のカラーを実現する為には、粒子径は切りの良い数値にまとめることも考えられるが、実際に評価している106μ↓&32μ↑」である事が好ましい。
本態様のカラー水性磁性塗料によると、壁面9等に直接塗布し自然乾燥させることで、様々なカラー色の内装に適応できる。また磁性粉の粒子径が32μ以上106μ以下のものを主成分とすることで、塗布及び乾燥後における表面粗さ、色むら、色合いなどが室内壁にふさわしいものとなる。また、はじめからカラー色がついているため、黒くない新たな塗料を塗布したり壁紙を貼ったりする必要がなく、磁性壁面の施工作業の手間と労力が軽減される。
態様のカラー水性磁性塗料を建装材等に塗布・乾燥させてカラーの軟磁性建装材とする事が出来る。また、壁面に直接塗布し乾燥させると、永久磁石が吸着するカラーの壁面が得られる。これらの磁性面は錆びる事が無い。
また、本態様のカラー水性磁性塗料を両面粘着テープの片面に直接塗布し乾燥させると、裏面に粘着剤層を具備するカラー磁性シートが直接得られる。該カラー磁性シートは裏面の粘着剤層によって簡単に貼り付ける事が出来て、錆びず、カラーで、永久磁石が吸着する面を形成する。
態様のカラー水性磁性塗料は、壁面等に直接塗布し自然乾燥させることでもって、様々なカラー色の内装であって、且つ磁石が磁気吸着する機能を有する壁面等を確保する事が出来る。水性塗料なので有害物は発生しない。また、錆びる事が無く、柔らかさを保つカラーの磁性シートとして活用できる。
更に本態様の磁性シートはカラー磁性シートとしての活用の他に、裏面に粘着剤層を備える事が出来るので、離型紙を剥がすだけで所定の面に貼着させる事が出来て、簡単にカラー磁性面を形成する事が出来る建装材として、重宝される。
1 両面粘着テープ(シート状部材)
2 離型紙
3 粘着剤層
4A 台紙(シート状部材)
4B アイアンシート(磁性シート)
6 バーコーター
7 スペーサー
8 カラー磁性層
9 壁面
10 カラー磁性層(磁性層)
11 カラー磁性層(磁性層)
12A カラー磁性シート
12B カラー磁性シート
12C カラー磁性シート
12D カラー磁性シート
12E カラー磁性シート
12F カラー磁性シート
13 装飾シート(シート状部材)
14 撮影用導電性両面粘着テープ層

Claims (7)

  1. 四三酸化鉄、ソフトフェライト、ハードフェライトの群から選ばれる1種又は複数の混合物であり且つ、粒子径が32μ以上106μ以下の磁性粉をカラー水性樹脂塗料に分散してなるカラー水性磁性塗料を、両面粘着テープの離型紙面を下にして広げた時の粘着剤層の表面に塗布し、自然乾燥させたことを特徴とするカラー磁性シート。
  2. カラー水性樹脂塗料に白色水性樹脂塗料を添加することを特徴とする請求項1に記載のカラー磁性シート。
  3. 顔料が添加されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラー磁性シート。
  4. カラー水性樹脂塗料及び白色水性樹脂塗料がエマルジョン系塗料であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のカラー磁性シート。
  5. エマルジョン系塗料がアクリル樹脂系エマルジョン塗料とシリコンアクリル樹脂系エマルジョン塗料の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項4に記載のカラー磁性シート。
  6. 裏面に粘着剤層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のカラー磁性シート。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載のカラー磁性シートの粘着剤層面を、磁性又は非磁性の面に貼着させてなる事を特徴とするカラー磁性面。
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