JP2020045327A - スルホン酸化合物によるペプチド精製方法 - Google Patents

スルホン酸化合物によるペプチド精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ペプチド合成によって得られたペプチドから目的ペプチドを精製する方法。【解決手段】本願は、ペプチド合成によって得られたペプチドを溶媒の存在下でスルホン酸化合物と混合し、得られた固形物を液相から分取する工程を含む、目的ペプチドを精製する方法を提供する。【選択図】なし

Description

本願は、ペプチド合成によって得られるペプチドから目的ペプチドを精製する方法、および該精製方法によって得られた目的ペプチドを含む薬剤に関する。
比較的アミノ酸残基が少ないペプチド(通常30残基以下)は有機化学的合成法により製造されるのが一般的である(例えば特許文献1)。有機化学的合成法としては固相法と液相法が挙げられ、N−保護アミノ酸とC−保護ペプチド(ジペプチド形成時にはC−保護アミノ酸)とのカップリング反応とそれに続くN末端脱保護反応とからなるペプチド伸長反応が繰り返される。有機化学的合成法では、当該ペプチド伸長反応の一部重複、一部欠落等により様々な類縁ペプチドも合成されてしまうため、生成した目的ペプチドをこれらの類縁ペプチドから分離する必要がある。しかしながら、類縁ペプチドの物理化学的性質は目的ペプチドのそれと酷似することが多いため、その分離は非常に困難である。精製された目的ペプチドを得るために、目的ペプチドと類縁ペプチドを効果的に分離する方法が求められている。
アミノ酸残基が多いペプチド(通常30残基を超える)は発酵法により製造されるのが一般的である(例えば特許文献2)。この場合にもアミノ酸残基が一部置換等した類縁ペプチドが混入してしまうことがあり、性質が酷似するこれらの分離は重大な課題である。
また、現在のところペプチドの精製は、スケールアップした場合でも、コスト的に多大な負担がかかる分取高速液体クロマトグラフィーによる方法で行うのが一般的である。分取高速液体クロマトグラフィーに代わる、あるいはこれを補うための、目的ペプチドと類縁ペプチドの混合物から類縁ペプチドを効果的に分離除去する方法が求められている。
特開2018−52933 特開2016−190851
本明細書において引用する先行技術文献の開示は全て参照することにより、本明細書に組み込まれる。
本願の課題は、ペプチド合成によって得られる目的ペプチドと類縁ペプチドを含む混合物から類縁ペプチドを除去することを含む、目的ペプチドを精製する方法の提供である。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、類縁ペプチドを含む目的ペプチドのペプチド合成産物において、溶媒の存在下で所定の構造を有するスルホン酸化合物を混合させ固液分離することで、目的ペプチドの純度(絶対純度、ただしスルホン酸化合物を除く)が向上すること、および、類縁ペプチドの割合が減少した目的ペプチドのスルホン酸塩の固形物が得られることを見出し、本願発明に至った。以下に本願の発明を詳説する。
[項1]
ペプチド合成によって得られたペプチドから目的ペプチドを精製する方法であって、該目的ペプチドはN末端が遊離であるかおよび/または少なくとも1つの塩基性アミノ酸残基を有し、
(1)該合成されたペプチドを溶媒の存在下でスルホン酸化合物と混合し、
(2)得られた固形物を液相から分取する
工程を含む、方法。
[項2]
該スルホン酸化合物が式(I):
(I)
[式中、
Aは、置換されていてもよいC6−10アリール、置換されていてもよい二環式ヘテロ環基、C2−3アルケニル、またはC2−3アルキニルであり;
Xは、
(i)単結合、
(ii)置換されていてもよいC1−4アルキレン、
(iii)−CO−(CH−(COがAと結合する)、または
(iv)C2−4アルケニレン
であり;および
nは1〜3の整数である]
の化合物である、項1に記載の方法。
[項3]
Aが置換されていてもよいC6−10アリールであり;
Xが、
(i)単結合、
(ii)置換されていてもよいC1−4アルキレン(例えばC1−3アルキレン)、
(iii)−CO−(CH−(COがAと結合する)、または
(iv)C2−3アルケニレン
であり;および
nが1〜3の整数である
項2に記載の方法。
[項4]
Aが置換されていてもよい二環式ヘテロ環基であり;
Xが、
(i)単結合、
(ii)C1−4アルキレン(例えばC1−3アルキレン)、
(iii)−CO−(CH−(COがAと結合する)、または
(iv)C2−3アルケニレン
であり;および
nが1〜3の整数である
項2に記載の方法。
[項5]
AがC2−3アルケニルであり;および
XがC1−4アルキレンである
項2に記載の方法。
[項6]
AがC2−3アルキニルであり;および
XがC1−4アルキレンである
項2に記載の方法。
[項7]
該目的ペプチドが5〜31個のアミノ酸残基を有する、項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
[項8]
該合成されたペプチドに類縁ペプチドが含まれる、項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
[項9]
該合成されたペプチドにおいて、該目的ペプチドに対して、類縁ペプチドのモル比が0.7以下である、項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
[項10]
該ペプチド合成が固相法によるペプチド合成である、項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
[項11]
該目的ペプチドが少なくとも1つの塩基性アミノ酸残基を含み、かつ、該目的ペプチドのN末端が遊離であってもよい、項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
[項12]
Aが、C1−4アルキル、−CO−C6−10アリール、−OH、−O−C1−3アルキル、−NO、−COH、−CO−C1−4アルキル、ハロゲン、−NH、−CH−SOH、−SOH、CN、−CO−C1−4アルキル、−CF、およびC6−10アリールからなる群から選択される同一または異なった1〜5個の置換基で置換されていてもよいC6−10アリールである、項2、3、および7〜11のいずれか1項に記載の方法。
[項13]
Aがフェニル、ナフチル、およびインダニルから選択されるC6−10アリールであって、該C6−10アリールは、C1−4アルキル、−CO−C6−10アリール、−OH、−O−C1−3アルキル、−NO、−COH、−CO−C1−4アルキル、ハロゲン、−NH、−CH−SOH、−SOH、CN、−CO−C1−4アルキル、−CF、およびC6−10アリールからなる群から選択される同一または異なった1〜5個の置換基で置換されていてもよい、項2、3、および7〜12のいずれか1項に記載の方法。
[項14]
Aが、2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンゾアゼピニル、ベンゾオキサニル、インドリニル、イソインドリニル、フタラジニル、クロマニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピリミジル、ベンゾチアゾニル、キノリル、イソクロマニル、およびベンゾトリアゾリルからなる群から選択される二環式ヘテロ環基であって、該二環式ヘテロ環基は適宜置換されていてもよい、項2、4、および7〜11のいずれか1項に記載の方法。
[項15]
Aが、C6−10アリール、C1−4アルキル、−CO−C6−10アリール、−OH、−O−C1−3アルキル、−NO、−COH、−CO−C1−4アルキル、ハロゲン、−NH、−CH−SOH、−SOH、CN、−CO−C1−4アルキル、−CF、およびオキソからなる群から選択される同一または異なった1〜5個の置換基で置換されていてもよい二環式ヘテロ環基である、項2、4、7〜11、および14のいずれか1項に記載の方法。
[項16]
Aが
および
から選択される二環式ヘテロ環基であって、該二環式ヘテロ環基は1つのフェニルで置換されていてもよい、項2、4、7〜11、14、および15のいずれか1項に記載の方法。
[項17]
Xが、
(i)単結合、
(ii)1つのメチル、1つのベンジル、または1つのフェニルで置換されていてもよいC1−4アルキレン(例えばC1−3アルキレン)、または
(iii)−CO−(CH)−(COがAと結合する)、
である、項2〜4、および7〜16のいずれか1項に記載の方法。
[項18]
Xが、
(i)単結合、
(ii)1つのメチル、1つのベンジル、または1つのフェニルで置換されていてもよいC1−4アルキレン(例えばC1−3アルキレン)、または
(iii)−CO−(CH)−(COがAと結合する)、
である、項12に記載の方法。
[項19]
Xが単結合である、項2〜4、および7〜18のいずれか1項に記載の方法。
[項20]
Xが単結合である、項16に記載の方法。
[項21]
該スルホン酸化合物が下記:

から選択される、項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
[項22]
該スルホン酸化合物を除去する工程をさらに含む、項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
[項23]
目的ペプチドの類縁ペプチドに対するモル比を向上させるための、項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
[項24]
項1〜23のいずれか1項に記載の方法を含む、該目的ペプチドを製造する方法。
[項25]
項1〜23のいずれか1項に記載の方法を含む方法により精製された目的ペプチドを含有する薬剤。
[項26]
項1〜23のいずれか1項に記載の方法において使用されるための、該スルホン酸化合物を含有する剤。
[項27]
および
から選択される、化合物。
[項28]
ペプチド合成によって得られたペプチドから精製された目的ペプチドを含有する薬剤であって、該目的ペプチドはN末端が遊離であるかおよび/または少なくとも1つの塩基性アミノ酸残基を有し、該精製は
(1)該合成されたペプチドを溶媒の存在下でスルホン酸化合物と混合し、
(2)得られた固形物を液相から分取する
工程を含む、薬剤。
[項29]
ペプチド合成によって得られたペプチドからの目的ペプチドの精製において使用するためのスルホン酸化合物を含有する剤であって、該目的ペプチドはN末端が遊離であるかおよび/または少なくとも1つの塩基性アミノ酸残基を有し、該精製は
(1)該合成されたペプチドを溶媒の存在下でスルホン酸化合物を含有する剤と混合し、
(2)得られた固形物を液相から分取する
工程を含む、剤。
本発明によれば、合成によって得られた類縁ペプチドを含みうるペプチドから、目的ペプチドの純度が向上したペプチドが提供される。
1つの態様において、本願は、ペプチド合成によって得られたペプチドから目的ペプチドを精製する方法であって、該目的ペプチドはN末端が遊離であるかおよび/または少なくとも1つの塩基性アミノ酸残基を有し、
(1)該合成されたペプチドを溶媒の存在下でスルホン酸化合物と混合し、
(2)得られた固形物を液相から分取する
工程を含む、方法を提供する。
本願において「精製する」とは、ある物質の純度が向上することを意味する。ここで純度とは、絶対純度(対象とする物質を含む混合物の総量に対する該物質の量)も相対純度(ある混合物に含まれる他の物質(例えば不純物)の量に対する対象とする物質の量)も意味することがある。
例えば、本願発明において「目的ペプチドを精製する」には、スルホン酸化合物との混合前の合成ペプチドの総量に対するそこに含まれる目的ペプチドの量(例えば重量%)と比較して、スルホン酸化合物との混合後に得られた固形物からスルホン酸化合物に相当する分を除いた重量に対するそこに含まれる目的ペプチドの量(例えば重量%)が向上することが含まれる。本願発明において「目的ペプチドを精製する」には、例えば、スルホン酸化合物との混合前と比較して、当該混合後に得られた固形物中の目的ペプチドの類縁ペプチドに対するモル比が向上することが含まれる。
本願において目的ペプチドの純度の測定方法は特に限定されず、通常用いられる方法(例えばHPLC法)により測定されうる。
本願において、「ペプチド合成」とは、ペプチドを合成する方法であれば特に限定されず、例えば、有機化学的合成法(例えば固相法および液相法)および発酵法が挙げられ、通常の方法により行われ得る。ペプチド合成においては不純物(例えば類縁ペプチド)の生成が抑制される合成条件(例えば、有機化学的合成法においては、樹脂、保護基、反応温度、反応時間、溶媒;発酵法においては、培養条件、宿主、ベクター、塩基配列等)に設定されるのが通常である。本願においても、ペプチド合成は当業者に通常知られる知識に基づいて、類縁ペプチドの生成が抑制される合成条件に設定されることが好ましく、ペプチド合成によって得られたペプチドにおいては目的ペプチドの物質量が類縁ペプチドの物質量よりも多いことが好ましい。
例えば、ペプチド合成によって得られたペプチドにおいて、該類縁ペプチドの該目的ペプチドに対するモル比(類縁ペプチド/目的ペプチド)が0.7以下(好ましくは0.6以下、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.45以下、さらにより好ましくは0.4以下、より好ましくは0.2以下)である。該類縁ペプチドの該目的ペプチドに対するモル比は低い方が好ましく、下限は特に限定されるものではないが、例えば、0.0001〜0.7、0.001〜0.6、0.01〜0.5の範囲が例として挙げられる。
ペプチド合成によって得られたペプチドにおいて、「目的ペプチドの物質量が類縁ペプチドの物質量よりも多い」とは、目的ペプチドの物質量がある1種の類縁ペプチドの物質量よりも多いことを意味し、複数の類縁ペプチドが含まれる場合には、各類縁ペプチドの物質量とそれぞれ比較して目的ペプチドの物質量が多いことを意味する。ペプチド合成によって得られたペプチドにおいて、「目的ペプチドの物質量が類縁ペプチドの物質量よりも多い」ことは、当該ペプチド合成によって得られたペプチドの総量における目的ペプチドの量(絶対純度)が多い(例えば、ペプチド合成によって得られたペプチドにおける目的ペプチドの濃度が40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、および90重量%以上)ことにより、当該ペプチド合成によって得られたペプチドにおいて類縁ペプチドの物質量が目的ペプチドの物質量よりも低い蓋然性が極めて高いことにより示されうる。
本願において「目的ペプチド」とは、ペプチド合成により生成することを目的として生成されるペプチドを意味し、該目的ペプチドの構造は、そのN末端が遊離であるか、少なくとも1つ(例えば1〜5個、1〜4個、1〜3個、1〜2個、および1個)の塩基性アミノ酸残基を有するか、またはそのN末端が遊離でありかつ少なくとも1つ(例えば1〜5個、1〜4個、1〜3個、1〜2個、および1個)の塩基性アミノ酸残基を有する限り、特に限定されない。目的ペプチドは好ましくは5〜31個のアミノ酸残基、より好ましくは5〜25個、さらに好ましくは5〜20個、よりさらに好ましくは5〜15個のアミノ酸残基を有する。目的ペプチドのアミノ酸残基数の範囲は、5、6、7、および8から選択される下限値と、31、25、20、15、および10から選択される上限値との組合せにより示されうる。
目的ペプチドに含まれうるアミノ酸残基は、通常タンパク質を構成する下表の20種のアミノ酸(不斉炭素を有しないグリシン以外はL体)に加え、L−セレノシステイン、2−アミノイソ酪酸、D−イソバリン、L−イソバリン、L−ノルロイシン、L−オルニチン等の天然に存在するアミノ酸に由来するアミノ酸残基であっても、天然には存在しないか存在しても微量である(そのため通常化学合成等により製造される)非天然アミノ酸由来のアミノ酸残基でも良い。
非天然アミノ酸の例として、下表に示すグリシンを除く19種類のアミノ酸のN−メチル体とその鏡像体;N−メチルグリシン;下表に示すグリシンとアラニンを除く18種類のアミノ酸のα−メチル体の両鏡像体;下表に示すアラニンを除く19種類のアミノ酸のα−エチル体の両鏡像体;
D−セレノシステイン;
D−ノルロイシン;
D−オルニチン;
(S)−又は(R)−2,3−ジアミノプロピオン酸;
(S)−又は(R)−2,4−ジアミノ酪酸;
(S)−又は(R)−ピログルタミン酸;
(S)−又は(R)−α−メチルーオルトフルオロフェニルアラニン;
(S)−又は(R)−α−(4−ペンテニル)アラニン;
(S)−又は(R)−α−(7−オクテニル)アラニン;
(S)−又は(R)−α−プロパルギルアラニン;
(S)−又は(R)−α−アリルアラニン;
(S)−又は(R)−インダン−2−イルグリシン;
(S)−又は(R)−ピリジン−3−イルメチルグリシン、及びそのピリジン環上がアルキル基で置換されていても良いフェニル基で置換されていても良い誘導体;
(S)−又は(R)−ピリジン−2−イルメチルグリシン;
(S)−又は(R)−ピペコリン酸;および
(S)−又は(R)−及びtrans−又はcisー4−ヒドロキシプロリンが挙げられる。
本願において塩基性アミノ酸残基とは、アミノ基のほかに塩基性を示す残基をもつアミノ酸(例えば、D−又はL−リシン、D−又はL−アルギニン、D−又はL−ヒスチジン、D−又はL−オルニチン、(S)−又は(R)−2,3−ジアミノプロピオン酸、および(S)−又は(R)−2,4−ジアミノ酪酸)に由来するアミノ酸残基を意味する。
本願において目的ペプチドは末端がペプチド合成において通常使用される保護基等(例えば、N末端がAc基(アセチル基)、Fmoc基(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基)、またはBoc基(tert-ブトキシカルボニル基)で;C末端がアミド基、またはエステル基で)修飾されていてもよい。
本願において「類縁ペプチド」とは、目的ペプチドを生成するためのペプチド合成により生成されうる、目的ペプチドではないペプチドを意味する。類縁ペプチドの例として、
(1)目的ペプチドに含まれるアミノ酸残基の一部(例えば、連続または不連続の1〜3アミノ酸残基、連続または不連続の1〜2アミノ酸残基、および1アミノ酸残基)が重複した;
(2)目的ペプチドに含まれるアミノ酸残基の一部(例えば、連続または不連続の1〜3アミノ酸残基、連続または不連続の1〜2アミノ酸残基、および1アミノ酸残基)が欠損した;
(3)目的ペプチドに含まれるアミノ酸残基の一部(例えば、連続または不連続の1〜3アミノ酸残基、連続または不連続の1〜2アミノ酸残基、および1アミノ酸残基)がエピマー化(例えば、N−保護アミノ酸のα−位異性化によるエピマー化)した;および/または
(4)目的ペプチドに含まれるアミノ酸残基の一部(例えば、連続または不連続の1〜3アミノ酸残基、連続または不連続の1〜2アミノ酸残基、および1アミノ酸残基)が同数のアミノ酸残基により置換された、
ペプチドが挙げられる。
類縁ペプチドのアミノ酸残基数は、例えば、目的ペプチドのアミノ酸残基数と同数であるか、1〜3個(好ましくは1〜2個、より好ましくは1個)多いか、または1〜3個(好ましくは1〜2個、より好ましくは1個)少ない。
「類縁ペプチド」は、塩基性部分(そのN末端が遊離/少なくとも1つ(例えば1〜5個、1〜4個、1〜3個、1〜2個、および1個)の塩基性アミノ酸残基を有している)を有していてもよく、そのような塩基性部分を有していなくてもよい。上述のとおり、ペプチド合成によって得られるペプチドにおいて、目的ペプチドの量(物質量)は類縁ペプチドの量と比較して通常多い。目的ペプチドと類縁ペプチドの構造が類似している場合、溶媒に対する溶解特性は通常近似しうる。「類縁ペプチド」が塩基性部分を有する場合には目的ペプチドと同様にスルホン酸化合物と塩を形成して固体となりうる、スルホン酸化合物との混合後に得られた固形物では、類縁ペプチドより元々多く含まれる目的ペプチドの割合が上昇しうる。
本願においてスルホン酸化合物との混合の際に使用される溶媒は特に限定されず、目的ペプチドの精製効率を考慮して適宜選択されうる。溶媒の例としては、水、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール(MeOH)、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、アセトニトリル、エタノール、酢酸エチル、トルエン、MTBE、DMSO、ジエチルエーテル、およびそれらの混合が挙げられる。
ペプチド合成によって得られたペプチドを溶媒の存在下でスルホン酸化合物と混合する際の、該ペプチドに対する溶媒の量、スルホン酸化合物の量は特に限定されず、目的ペプチドの精製効率を考慮して適宜選択されうる。例えば、溶媒は重量比でペプチド合成によって得られたペプチド1に対して、1〜100000、好ましくは1〜10000(より好ましくは10〜1000)の範囲で使用されうる。例えばスルホン酸化合物は目的ペプチドに対するモル比が、スルホン酸化合物がスルホ基を1つ有する場合は、例えば0.5〜20、好ましくは0.8〜10、より好ましくは1〜8、更により好ましくは1.5〜7;スルホ基を2個有する場合は、例えば0.2〜10、好ましくは0.4〜5、より好ましくは0.5〜4、更により好ましくは0.75〜3.5;スルホ基を3個有する場合は、例えば0.15〜6、好ましくは0.3〜3.3、より好ましくは0.4〜2.6、更により好ましくは0.5〜2.3の範囲で使用されうる。
スルホン酸化合物と混合の後、得られた固形物を液相から分取する方法は特に限定されず、製造スケール等に応じて適宜選択されうるが、例えば、ろ過、遠心分離、デカント等の方法が挙げられる。
スルホン酸化合物と混合する際、および得られた固形物を液相から分取する際の温度は特に限定されず、例えば目的ペプチドの精製効率を考慮して適宜選択されうる。例えば0〜30℃、10〜25℃が挙げられる。
本願の精製方法により得られた固形物に対して本願の精製方法を繰り返し行うことは、本願の精製方法の1つの実施形態として挙げられる。本願の精製方法を繰り返すことで、目的ペプチドの純度を向上できうる。
本願の精製方法は他の精製方法(例えば分取HPLC、再結晶、分散洗浄)と組み合わせて行われてもよい。例えば本願の方法により得られた固形物を別の精製方法に供してもよく、あるいは、予め別の精製方法により精製されたペプチドを本願の精製方法に供してもよい。
本願の精製方法により得られた固形物は、さらなる精製工程において当該固形物中からスルホン酸化合物が除去されることが好ましい。スルホン酸化合物を除去する方法は特に限定されず、スルホン酸化合物を除去するための通常の方法、例えば、酸、アルカリ処理やイオン交換樹脂を用いる除去法により行われうる。
本願においてスルホン酸化合物とは、スルホ基(−SOH)を有する有機化合物を意味する。本願においてスルホン酸化合物は、スルホ基が単結合または短い(例えばC1−4)のリンカーを介して、1つ以上の不飽和結合を有する部位に結合していることが好ましい。
例えばスルホン酸化合物の好ましい例として、式(I)のスルホン酸化合物が挙げられる。
(I)
[式中、
Aは、置換されていてもよいC6−10アリール、置換されていてもよい二環式ヘテロ環基、C2−3アルケニル、またはC2−3アルキニルであり;
Xは、
(i)単結合、
(ii)置換されていてもよいC1−4アルキレン、
(iii)−CO−(CH−(COがAと結合する)、または
(iv)C2−4アルケニレン
であり;および
nは1〜3の整数である]
本願において「C6−10アリール(ある基の一部を構成する場合を含む)」とは6〜10員の単環または二環の芳香族炭化水素環基、または該芳香族炭化水素環に1個のシクロアルカンが縮合した環基を意味する。C6−10アリールの例として、フェニル、ナフチル、インダニル、テトラヒドロナフチルが挙げられる。
「置換されていてもよいC6−10アリール」の例として、C1−4アルキル、−CO−C6−10アリール、−OH、−O−C1−3アルキル、−NO、−COH、−CO−C1−4アルキル、ハロゲン、−NH、−CH−SOH、−SOH、CN、−CO−C1−4アルキル、−CF、およびC6−10アリールからなる群から選択される同一または異なった1〜5個(例えば1〜3個、1〜2個、および1個)の置換基で置換されていてもよいC6−10アリールが挙げられる。
本願において「二環式ヘテロ環基」とは、単環芳香族環(ベンゼン、ピリジン等)に、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子より選択される1〜4個のヘテロ原子を有する単環芳香族環(ピリジン、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピリミジン、オキサゾール、チアゾール、チアジン、トリアゾール)または単環非芳香族環(テトラヒドロピラン、アゼパン、ピペリジン等)が縮合した、8〜11員の二環基を意味する。二環式ヘテロ環式基は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子で結合し得る。二環式ヘテロ環基は1以上(例えば1個、2個)のオキソ基を含んでいてもよい。二環式ヘテロ環基の例として、

2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンゾアゼピニル、ベンゾオキサニル、インドリニル、イソインドリニル、フタラジニル、クロマニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピリミジル、ベンゾチアゾニル、キノリル、イソクロマニル、ベンゾトリアゾリルが挙げられる。
本願において「置換されていてもよい二環式ヘテロ環基」の例として、C6−10アリール、C1−4アルキル、−CO−C6−10アリール、−OH、−O−C1−3アルキル、−NO、−COH、−CO−C1−4アルキル、ハロゲン、−NH、−CH−SOH、−SOH、CN、−CO−C1−4アルキル、−CF、およびオキソからなる群から選択される同一または異なった1〜5個(例えば1〜3個、1〜2個、および1個)の置換基で置換されていてもよい二環式ヘテロ環基が挙げられる。
本願において「C2−3アルケニル」とは、炭素数2〜3個を有し、1個または2個の二重結合を含む直鎖状または分枝鎖状の不飽和炭化水素基を意味し、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、アレニルが挙げられる。
本願において「C2−3アルキニル」とは、炭素数2〜3個を有し、1個の三重結合を含む直鎖状または分枝鎖状の不飽和炭化水素基を意味し、例えば、エチニル、プロピニル(1−プロピニル、2−プロピニル)が挙げられる。
本願において「C1−4アルキレン」とは、直鎖C1−4アルキル由来の2価の基を意味する。C1−4アルキレンの例としてメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンが挙げられる。
本願において「C1−3アルキレン」とは、直鎖C1−3アルキル由来の2価の基を意味する。C1−3アルキレンの例としてメチレン、エチレン、トリメチレンが挙げられる。
本願において「置換されていてもよいC1−4アルキレン(またはC1−3アルキレン)」の例として、1つのメチル、1つのベンジル、または1つのフェニルで置換されていてもよいC1−4アルキレン(またはC1−3アルキレン)が挙げられる。
本願の「−CO−(CH−」において、nは1〜3(好ましくは1〜2)の整数であり、好ましい−CO−(CH−の例として−CO−(CH)−が挙げられる。
本願において「C2−4アルケニレン」とは、直鎖C2−4アルケニル由来の2価の基を意味する。本願において「C2−3アルケニレン」とは、直鎖C2−3アルケニル由来の2価の基を意味する。C2−4アルケニレンおよびC2−3アルケニレンの例として、ビニレンが挙げられる。
本願において「C1−4アルキル(ある基の一部を構成する場合を含む)」とは、炭素数1〜4個を有する、直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味する。C1−4アルキルの例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが挙げられる。
本願において「C1−3アルキル(ある基の一部を構成する場合を含む)」とは、炭素数1〜3個を有する、直鎖状または分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味する。C1−3アルキルの例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルが挙げられる。
本願において、「−CO−C6−10アリール」の例として、−CO−フェニルが挙げられる。
本願において、ハロゲンの例として、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)が挙げられる。
さらに好ましいスルホン酸化合物の例として、上記[項16]に列記する化合物が挙げられる。
本願の1つの態様において、本願の精製方法を含む、目的ペプチドを製造する方法が提供される。
本願の1つの態様において、本願の精製方法を含む方法により精製された目的ペプチドを含有する剤が提供される。当該剤は通常の方法により製造されうる。
本願の1つの態様において、本願の精製方法において使用されるための、スルホン酸化合物を含有する剤が提供される。当該剤は通常の方法により製造されうる。
以下、試験例を挙げて、本願発明を説明するが、本願発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
目的ペプチドの精製
評価方法の概略:
目的ペプチドを固相法により合成した場合、得られた粗ペプチドには不純物として類縁ペプチドが混入していることが予想されるが、実際にどのような類縁ペプチドが混入しているかを同定することは困難である。よって、目的ペプチドと類縁ペプチドに相当する配列既知の擬似類縁ペプチドを固相法によりそれぞれ合成し、得られた粗目的ペプチド、粗擬似類縁ペプチド、および各種酸化合物を溶媒下で混合し、凍結乾燥した。残渣に溶媒を加えて上清を除去し、得られた固体における、目的ペプチドと擬似類縁ペプチドの物質量(mol)の合計に対する目的ペプチドの物質量(mol)の割合を測定し、その変化により、当該固体において目的ペプチドが精製されたかを評価する。
1−1:ペプチドの合成
下表に示す目的ペプチドおよび類縁ペプチド(擬似)をそれぞれ、以下に説明する固相法により合成した。
実施例で使用した装置は以下の通りである。
・ペプチド合成装置:国産化学社製「KMS−3」。
・質量分析装置:Agilent社製「6224 TOF LC/MS」および「1260 Infinity series」。「イオン化条件はESI(キャピラリー電圧:3500V、フラグメンター電圧:100V)」
・HPLC分析装置:島津製作所社製「SPD−M20A」、「LC−20AD」、「SIL−20AC」、「DGU−20A」、「CTO−20AC」、「CBM-20A」、または島津製作所社製「SPD−M20A」、「LC−2010C」、またはAgilent社製「1200 series」。
(1)保護ペプチド樹脂の合成
保護ペプチド樹脂の合成においては、各構成アミノ酸のα-アミノ基はすべて9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc基)で保護され、活性な側鎖のうち、アスパラギン酸のβ-カルボキシル基およびグルタミン酸のγ-カルボキシル基はtert-ブチル基(tBu基)で、アルギニンのグアニジノ基は2,2,4,6,7-ペンタメチル‐2,3‐ジヒドロベンゾフラン‐5‐イルスルホニル基(Pbf基)で、セリンおよびスレオニンの水酸基はtert-ブチル基(tBu基)で、システインのチオール基およびヒスチジンのイミダゾール基はトリチル基(Trt基)で、チロシンのフェノール性水酸基はtert-ブチル基(tBu基)で、アスパラギンおよびグルタミンのカルボアミド基はトリチル基(Trt基)で、リジンのε-アミノ基およびトリプトファンのインドール基はtert-ブチルオキシカルボニル基(Boc基)で保護されたものを使用した。
樹脂としては、C末端がカルボン酸のペプチド配列を合成する場合は(2-クロロ)トリチルクロリド樹脂(渡辺化学社製、約1.6 mmol/g)を用い、C末端がカルボアミドのペプチド配列を合成する場合はFmoc-NH-SAL樹脂(渡辺化学社製、約0.43 mmol/g)を用いた。C末端がカルボン酸のペプチド配列を合成する場合は、樹脂に対し2.5当量のFmocアミノ酸のDMF溶液および2.5当量のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを加え、2時間以上振盪撹拌することでC末端のアミノ酸を導入した。C末端がカルボアミドのペプチド配列を合成する場合は、樹脂と結合したFmoc基を除去するために、20%ピペリジンDMF溶液を加え、10分間以上振盪撹拌した後、DMFで3回から5回樹脂を洗浄し、樹脂に対し2.5当量のFmocアミノ酸のDMF溶液、2.5当量の1-ヒドロキシベンズトリアゾールのDMF溶液および2.5当量のDICを加え、40分以上振盪撹拌することでC末端のアミノ酸を導入した。
C末端のアミノ酸が樹脂に導入されたのちは、過剰量の試薬をDMFで3回から5回樹脂を洗浄することで除去した後、末端アミノ基の保護基であるFmoc基を20%ピペリジンで室温下10分間以上振盪撹拌することで除去した。ピペリジンをDMFで3回から5回樹脂を洗浄することで除去し、ついで目的のペプチドのアミノ酸配列における次に位置するアミノ酸のFmoc保護誘導体のカルボキシル基と縮合した。この保護アミノ酸の縮合においては、樹脂に対し2.5当量のFmoc-アミノ酸のDMF溶液と2.5当量の1-ヒドロキシベンズトリアゾールのDMF溶液および2.5当量のDICを加えることにより縮合した。同様のFmoc基の除去およびFmocアミノ酸との縮合反応を目的のペプチドのアミノ酸配列ができるまで繰り返し、目的のペプチドのアミノ酸配列を持つ保護ペプチド樹脂を合成した。
N末端が遊離のアミノ基のペプチドを合成する場合はN末端のFmocアミノ酸を縮合した後、20%ピペリジンDMF溶液で室温下10分間以上振盪撹拌することでFmoc基を除去した後、ピペリジンをDMFで3回から5回樹脂を洗浄することで除去し、保護ペプチド樹脂の合成を完了した。N末端がAc基で保護されたペプチド配列を合成する場合は、N末端を上記と同様に遊離のアミノ基とした後、5当量の酢酸と4.95当量のN-ヒドロキシコハク酸のDMF溶液および5当量のDICを加えることにより縮合し、N末端にAc基を導入し目的のペプチドのアミノ酸配列を持つ保護ペプチド樹脂を合成した。N末端のアミノ酸残基が(S)−又は(R)−ピログルタミン酸の場合は、N末端のFmocアミノ酸として5等量の(S)−又は(R)−Fmoc−ピログルタミン酸クロリドと10等量のピリジンを用いて40分以上振盪撹拌することで縮合させたのち、20%ピペリジンDMF溶液で室温下10分間以上振盪撹拌することでFmoc基を除去した後、ピペリジンをDMFで3回から5回樹脂を洗浄することで除去し、保護ペプチド樹脂の合成を完了した。
(2)ペプチド粗生成物の合成
ペプチド粗生成物の合成においては、上記で合成した目的のペプチドのアミノ酸配列を持つ保護ペプチド樹脂を酸で処理することにより脱保護および樹脂からの切り出しを行った。目的のペプチドがシステインやメチオニンといった硫黄原子を持つアミノ酸を含むペプチド配列の場合は、TFA/水/エタンジチオール/TIS(94/2.5/2.5/1)を用い、氷冷から室温下で30分以上振盪撹拌することで脱保護および樹脂からの切り出しを行った。目的のペプチドがシステインやメチオニンといった硫黄原子を持つアミノ酸を含まない場合は、TFA/水/TIS(95/2.5/2.5)を用い、氷冷から室温下で30分以上振盪撹拌することで脱保護および樹脂からの切り出しを行った。反応終了後、樹脂を濾過して、脱保護溶液で樹脂を3回から5回洗浄した後、洗浄液と濾液を混合して、エバポレーターで濃縮した。残渣にMTBEを添加し、析出した沈殿をろ過または遠心分離することで固液分離し、MTBE洗浄を複数回行うことで、目的のペプチド粗生成物を合成した。
(8)H-YERAKSNM-OHの製造方法(方法A)
(1)ペプチド合成装置「KMS−3」付属のPP製カラムに(2-クロロ)トリチルクロリド樹脂(渡辺化学社製、約1.6 mmol/g)187.5mg(0.30 mmol)を入れ、DMF5mLを加えた後、終夜振盪撹拌した。吸引濾過でDMFを除去した後、Fmoc-Met-OHのDMF溶液(375mM)2mL(0.75mmol;2.5当量)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン128μL(0.75mmol;2.5当量)、DMF1mLを加え、6時間振盪撹拌した。吸引濾過で反応液を除去した後、DMF3mLで5回洗浄した。20%ピペリジンDMF溶液を3mL加え、35分振盪撹拌した。吸引濾過し、DMF3mLで5回洗浄した。
(2)Fmoc-Asn(Trt)-OHのDMF溶液(375mM)2mL(0.75mmol;2.5当量)、1-ヒドロキシベンズトリアゾールのDMF溶液(750mM)1mL(0.75mmol;2.5当量)およびDIC116μL(0.75mmol;2.5当量)を加え終夜振盪撹拌した。吸引濾過で反応液を除去した後、DMF3mLで5回洗浄した。20%ピペリジンDMF溶液を3mL加え、35分振盪撹拌した。吸引濾過し、DMF3mLで5回洗浄した。
(3)上記ステップ(2)を参照して、次のアミノ酸を順次結合する。後続アミノ酸の順番及び反応時間は、Fmoc−Ser(tBu)−OH 20時間、Fmoc−Lys(Boc)−OH 45分間、Fmoc−Ala−OH 3時間、Fmoc−Arg(Pbf)−OH 16時間、Fmoc−Glu(tBu)−OH 2.5時間およびFmoc−Tyr(tBu)−OH 15時間であった。
(4)合成した保護ペプチド樹脂に氷冷下、3mLの脱保護液(TFA/水/エタンジチオール/TIS=94/2.5/2.5/1)を加え、氷浴を取り外し、成り行き温度で3時間振盪撹拌した。樹脂を濾過し、脱保護溶液で樹脂を3回洗浄した後、洗浄液と濾液を混合して、エバポレーターで濃縮した。濃縮残渣にMTBE5mLを加え、氷冷下終夜撹拌した。全量を遠心沈降管に移したのち、3000rpmで1分間遠心沈降させた後、上澄み液を除去した。MTBE2mLを加え、3分間振盪撹拌した後、3000rpmで1分間遠心沈降させ、上澄み液を除去する操作を3回行った。沈殿物を減圧乾燥し、目的の配列(H-YERAKSNM-OH)のペプチド粗生成物179.5mgを得た。得られたペプチド粗生成物はHPLCおよびESI−TOF/MS機器での質量分析により確認した。
ESI-MS:理論M:[M+H]+=998.47、実験M:(m/z):[M+H]+=998.4739
HPLC条件(条件A)
カラム:YMC-triartC18 3μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.7mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm([表14−2]の目的ペプチド(8)と類縁ペプチド(22)の分析の際のみ)または274 nm
勾配:2%B(0分)→2%B(0.2分)→6.4%B(0.5分)→6.4%B(11分)→95%B(15.5分)→95%B(20.5分)→2%B(20.6分)→2%B(29分)
保持時間=13.3分付近
(12)Ac-ALRAL-NH2の製造方法(方法B)
(1)ペプチド合成装置「KMS−3」付属のPP製カラムにFmoc-NH-SAL樹脂(渡辺化学社製、約0.43 mmol/g)348.8mg(0.15mmol)を入れ、DMF5mLを加えた後、1分間振盪撹拌したのち、終夜静置した。吸引濾過でDMFを除去した後、20%ピペリジンDMF溶液を3mL加え、35分振盪撹拌した。吸引濾過し、DMF3mLで5回洗浄した。
(2)Fmoc-Leu-OHのDMF溶液(187.5mM)2mL(0.375mmol;2.5当量)、1-ヒドロキシベンズトリアゾールのDMF溶液(375mM)1mL(0.375mmol;2.5当量)およびDIC58μL(0.375mmol;2.5当量)を加え3時間振盪撹拌した。吸引濾過で反応液を除去した後、DMF3mLで5回洗浄した。20%ピペリジンDMF溶液を3mL加え、35分振盪撹拌した。吸引濾過し、DMF3mLで5回洗浄した。
(3)上記ステップ(2)を参照して、次のアミノ酸を順次結合する。後続アミノ酸の順番及び反応時間は、Fmoc−Ala−OH 2.5時間、Fmoc−Arg(Pbf)−OH 15.5時間、Fmoc-Leu-OH 2.5時間およびFmoc−Ala−OH 2.5時間であった。N末端が遊離のアミノ基の保護ペプチド樹脂を合成した後、N−ヒドロキシコハク酸のDMF溶液(248mM)3mL(0.744mmol;4.96当量)、酢酸43μL(0.75mmol;5当量)およびDIC116μL(0.75mmol;5当量)を加え16時間振盪撹拌した。吸引濾過で反応液を除去した後、DMF3mLで5回洗浄した後、MTBE3mLで3回洗浄した。
(4)合成した保護ペプチド樹脂に氷冷下、3mLの脱保護液(TFA/水/TIS=95/2.5/2.5)を加え、氷浴を取り外し、成り行き温度で4時間振盪撹拌した。樹脂を濾過し、脱保護溶液で樹脂を3回洗浄した後、洗浄液と濾液を混合して、エバポレーターで濃縮した。濃縮残渣にMTBE5mLを加え、氷冷下終夜撹拌した。全量を遠心沈降管に移したのち、3000rpmで1分間遠心沈降させた後、上澄み液を除去した。MTBE2mLを加え、3分間振盪撹拌した後、3000rpmで1分間遠心沈降させ、上澄み液を除去する操作を3回行った。沈殿物を減圧乾燥し、目的の配列(Ac-ALRAL-NH2)のペプチド粗生成物90.6mgを得た。得られたペプチド粗生成物はHPLCおよびESI−TOF/MS機器での質量分析により確認した。
ESI-MS:理論M:[M+H]+=584.39、実験M:(m/z):[M+H]+=584.3879
HPLC条件(条件B)
カラム:YMC-PackProC18 3μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:5%B(0分)→5%B(5分)→95%B(17分)→5%B(17.1分)→5%B(20.1分)→5%B(24分)
保持時間=10.6分付近
(1)Ac-YFYPEL-NH2の製造方法
方法Bと同様にFmoc-NH-SAL樹脂233mg(0.1mmol)に対し、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Glu(tBu)-OH、Fmoc-Pro-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OH、Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OHと順次縮合させた後、N末端が遊離のアミノ基をAc保護することで、保護ペプチド樹脂を合成した。脱保護液(TFA/水/TIS=95/2.5/2.5)を用いて樹脂からの切り出しを行い、同様の操作で、目的の配列(Ac-YFYPEL-NH2)のペプチド粗生成物90.6mgを得た。得られたペプチド粗生成物はHPLCおよびESI−TOF/MS機器での質量分析により確認した。得られたペプチド粗生成物はHPLCおよびESI−TOF/MS機器での質量分析により確認した。
ESI-MS:理論M:[M+H]+=872.42、実験M:(m/z):[M+H]+=872.4203
HPLC条件(条件C)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:20%B(0分)→20%B(12分)→95%B(15分)→95%B(19分)→20%B(20分)→20%B(28分)
保持時間=10.2分付近
上記の方法AまたはBを用い、下表の目的ペプチドをそれぞれ固相法により合成した。
HPLCの分析条件は上記に示したHPLC条件(条件A〜C)のほか、以下に示す条件を用いて分析した。
HPLC条件(条件D)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:275 nm
勾配:15%B(0分)→25%B(1分)→25%B(12分)→95%B(14.5分)→95%B(17分)→15%B(17.5分)→15%B(28分)
HPLC条件(条件E)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.7mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:20%B(0分)→35%B(17分)→95%B(18分)→95%B(20分)→20%B(20.5分)→20%B(28分)
HPLC条件(条件F)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:279 nm
勾配:36%B(0分)→36%B(12.5分)→95%B(13分)→95%B(14.5分)→36%B(15分)→36%B(27分)
HPLC条件(条件G)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:281 nm
勾配:22%B(0分)→25%B(2分)→25%B(14分)→95%B(17分)→95%B(18.5分)→22%B(19分)→22%B(30分)
HPLC条件(条件H)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.65mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:2%B(0分)→2%B(3分)→5%B(12分)→5%B(14分)→8%B(16分)→95%B(19分)→95%B(19.9分)→2%B(20分)→2%B(28分)
HPLC条件(条件I)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:23%B(0分)→25%B(2分)→25%B(10分)→35%B(15分)→95%B(17分)→95%B(19分)→23%B(20分)→23%B(28分)
HPLC条件(条件J)
カラム:Waters Atlantis T3 3μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:1.0mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:20%B(0分)→20%B(12分)→95%B(17分)→95%B(19分)→20%B(19.1分)→20%B(28分)
HPLC条件(条件K)
カラム: Waters Xbridge Phenyl 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:1.0mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:5%B(0分)→5%B(3分)→95%B(20分)→5%B(20.1分)→5%B(26分)
HPLC条件(条件L)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:28%B(0分)→38%B(12分)→95%B(15分)→95%B(19分)→28%B(20分)→28%B(28分)
HPLC条件(条件M)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.65mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:4%B(0分)→4%B(3分)→7%B(8分)→95%B(15分)→95%B(15.9分)→4%B(16分)→4%B(28分)
HPLC条件(条件N)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:1.0mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:0%B(0分)→3%B(8分)→95%B(25分)→95%B(28分)→0%B(28.5分)→0%B(35分)
HPLC条件(条件O)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:25%B(0分)→25%B(14分)→95%B(17分)→95%B(21分)→0%B(22分)→0%B(32分)
HPLC条件(条件P)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:20%B(0分)→25%B(12分)→25%B(14分)→95%B(17分)→95%B(18.5分)→20%B(19分)→20%B(28分)
HPLC条件(条件Q)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、50×3.0mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.5mL/分、温度:30℃
検出波長:205 nm
勾配:3%B(0分)→5%B(5分)→5%B(16分)→95%B(17分)→95%B(19分)→3%B(19.1分)→3%B(28分)
HPLC条件(条件R)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.6mL/分、温度:30℃
検出波長:275 nm
勾配:11%B(0分)→11%B(10分)→20%B(12分)→95%B(15分)→95%B(17.5分)→11%B(18分)→11%B(28分)
HPLC条件(条件S)
カラム:Waters XbridgeC18 3.5μm、150×4.6mm
溶離液:A=0.1%TFA水溶液;B=0.1%TFAアセトニトリル
流速:0.6mL/分、温度:30℃
検出波長:281 nm
勾配:29%B(0分)→29%B(10分)→40%B(12分)→95%B(15分)→95%B(17.5分)→29%B(18分)→29%B(28分)
同様に、上記の方法を用い、下表の類縁ペプチドをそれぞれ固相法により合成した。

1−2:酸化合物
以下の酸化合物を購入して使用した。
硫酸:ナカライテスク社 特級
塩酸:ナカライテスク社 0.1N 特級
:東京化成工業(株)
:東京化成工業(株)
:東京化成工業(株)
:東京化成工業(株)
:東京化成工業(株)
:東京化成工業(株)
:東京化成工業(株)
:東京化成工業(株)
:東京化成工業(株)
:東京化成工業(株)
:ナカライテスク社 特級
:和光純薬社 特級
:東京化成工業(株)
:ナカライテスク社 一級
:東京化成工業(株)
:東京化成工業(株)
:東京化成工業(株)
以下に示すスルホン酸は特に記載がない限りそれぞれ、相応するハロゲン化物を亜硫酸ナトリウムと反応させ、得られたスルホン酸ナトリウム塩を塩酸で酸性とすることにより合成して使用した。
具体例として、p−メチルベンジルスルホン酸:
の合成を以下に説明する。
p−メチルベンジルブロミド1.55g(7mmol)をエタノール4mLに溶かし、亜硫酸ナトリウム0.97g(7.7mmol;1.1当量)、水8mLを加え、終夜加熱還流した。反応終了後、エバポレーターで濃縮しエタノールを除去した後、析出した固体をろ過し、1.09gのp−メチルベンジルスルホン酸ナトリウム塩を得た。得られた固体625mgに濃塩酸1mLと水1.5mLを加え終夜撹拌した。反応液を濾過し、水0.5mLで2回洗浄し、p−メチルベンジルスルホン酸448mgを得た。1H NMR (400 MHz, D2O) 7.25 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 4.07 (s, 2H), 2.28 (s, 3H)
上記のp−メチルベンジルスルホン酸の合成方法に従って、下表のスルホン酸を、相応するハロゲン化物を用いて合成した。
ベンジルスルホン酸の合成
ベンジルブロミド1.71g(10mmol)にエタノール10mL、チオウレア0.76g(10mmol)を加え、終夜加熱還流した。TLCで原料の消失を確認した後、エバポレーターで濃縮乾固した。残渣にアセトニトリル10mLを加え溶解させ、氷浴にて冷却した。氷冷下2N塩酸2mL(4mmol)、N−クロロスクシンイミド5.34g(40mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液をエバポレーターで濃縮し、残渣に酢酸エチル5mLを加え分液した後、有機層をエバポレーターで濃縮した。残渣にMTBE5mL、ヘプタン5mLを加え、析出した固体をろ別した後、ろ液をエバポレーターで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:富士シリシア社、PSQ-100B、50g;溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)にて精製し、ベンジルスルホニルクロリド0.64gを得た。得られたベンジルスルホニルクロリド0.59gに水5.9mLを加え、5日間加熱還流した。反応液を濃縮乾固、真空ポンプで乾燥することで、ベンジルスルホン酸0.39gを得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) 7.42 (m, 2H), 7.28 (m, 3H), 4.05 (s, 2H)
p-カルボキシベンジルスルホン酸の合成
上記で合成したp-メトキシカルボニルベンジルスルホン酸0.50gに濃塩酸0.6mL、水0.6mLを加え、90℃に加熱した。終夜90度で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、析出した固体を減圧濾過することで、p-カルボキシベンジルスルホン酸0.37gを得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) 7.97 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.53 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 4.12 (s, 2H)
略語の説明
TFA:トリフルオロ酢酸
IPA:イソプロピルアルコール
DMSO:ジメチルスルホキシド
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
TIS:トリイソプロピルシラン
MTBE:メチルターシャリーブチルエーテル
試験例1:目的ペプチドの精製−1(粗類縁ペプチドの除去に関して)
1−1で得られた粗目的ペプチドと粗類縁ペプチドをそれぞれ1%TFA含有水/アセトニトリル=100〜70/0〜30に溶解し、20mM(各ペプチドの純度を100%と仮定)の粗目的ペプチド溶液または粗類縁ペプチド溶液とした。溶けにくいペプチドは約5mM(各ペプチドの純度を100%と仮定)まで希釈して溶解させた。
各酸化合物を水、または、水に溶けにくい場合は10%IPA水溶液または10%DMSO水溶液に溶かし、50mMの酸化合物溶液とした。
粗目的ペプチド溶液(1μmol(目的ペプチドの純度を100%と仮定))、粗類縁ペプチド溶液(0.1μmol(類縁ペプチドの純度を100%と仮定))を混合した。
当該混合物に酸化合物溶液(1.5μmol)を混合し(HPLC分析(処理前))、凍結乾燥により乾固した。
残渣にIPA 100μLを加え、室温にて終夜振盪した。
得られたスラリーを遠心ろ過(5000〜15000rpm、1〜5分)し、ケーキをIPA 150μLで2回洗浄した。濾液と洗浄液は合一した。
得られた固体と濾洗液をそれぞれHPLC分析した(処理後固体/処理後濾洗液)。
HPLCの測定機器は上記と同様である。
測定条件:ペプチド合成時の各HPLC条件(HPLC条件A〜M)に従う。
芳香族アミノ酸残基を含むペプチドでは、長波長側紫外吸収は専ら該芳香族側鎖に帰する事ができる。これに該当するペプチドを分析する際のHPLC検出波長は、条件A(274 nmで検出する場合)、条件D、条件F〜Gである。条件A(274 nmで検出する場合)では目的ペプチドも類縁ペプチドも芳香族アミノ酸残基を1個ずつ、条件Fでは5個ずつ、条件Gでは4個ずつ持ち、条件Dでは目的ペプチドが芳香族アミノ酸残基を3個、類縁ペプチドは2個持つ。即ち274〜281 nmの長波長紫外吸収に寄与する芳香族側鎖の数は目的ペプチドと類縁ペプチドで同じか1つの差であり、HPLC面積値の比を凡そのモル比とみなす事ができる。
一方芳香族アミノ酸残基を含まないペプチドでは長波長側に紫外吸収はなく、カルボニル基による短波長紫外吸収(205 nm)を検出に用いる事ができる。条件A(205 nmで検出する場合)と条件Jでは目的ペプチドのカルボニル基は10個、類縁ペプチドは9個のカルボニル基を持つ。同様に条件Bと条件Kでは目的ペプチド6個、類縁ペプチド5個、条件Cでは8個と7個、条件Eでは16個と15個、条件Hでは9個と6個又は8個、条件Iでは31個と30個、条件Lでは32個と31個、条件Mでは9個と8個である。即ち205 nmの短波長紫外吸収に寄与するカルボニル基の数は目的ペプチドと類縁ペプチドで1〜3個の差であり、HPLC面積値の比を凡そのモル比とみなす事ができる。尚目的ペプチド(9)と(10)は芳香族側鎖を持つものの十分に鎖長が長くカルボニル基が多いので条件Iではカルボニル基の紫外吸収(205 nm)で検出したが、長波長側で検出する事もできる(目的ペプチドも類縁ペプチドも芳香族アミノ酸残基を6個ずつ持つ)。同様に目的ペプチド(16)と類縁ペプチド(25)は芳香族側鎖を2個ずつ持つが、205 nmで検出した。
下式1)のとおり、HPLC測定値(面積)を用いて、目的ペプチドと類縁ペプチドの合計面積に対する目的ペプチドの面積の割合(%)を算出し、目的ペプチドと類縁ペプチドの物質量(mol)の合計に対する目的ペプチドの物質量(mol)のおおよその割合(%)(目的ペプチド率)とした。
式1)
目的ペプチド率(%)=目的ペプチドの面積/(目的ペプチドの面積+類縁ペプチドの面積)×100
≒目的ペプチド(mol)/(目的ペプチド(mol)+類縁ペプチド(mol))×100
評価1:塩形成の検証
ペプチドと酸化合物を混合した場合、N末端のアミノ基、あるいは、塩基性アミノ酸(リジンK、アルギニンR、ヒスチジンH等)の側鎖部分と酸化合物が塩を形成する可能性がある。
塩基性アミノ酸不含の目的ペプチド:H-YFYPEL-NH2および1残基欠損体であるその類縁ペプチド:H-YYPEL-NH2、ならびにこれらのN末端をアセチル基(Ac)で保護した目的ペプチドAc-YFYPEL-NH2および1残基欠損体であるその類縁ペプチドAc-YYPEL-NH2を用いて、固体における目的ペプチド率(%)の変化により、ペプチドと酸化合物との塩形成の有無を検証した。
目的ペプチド率(%)の変化は、下式2)を用いて「目的ペプチド率(%)の上昇ポイント」として算出した。
式2):
目的ペプチド率(%)の上昇ポイント=処理後固体の目的ペプチド率(%)−処理前の目的ペプチド率(%)
結果を下表に示す。
N末端がAc基で保護された目的ペプチドAc-YFYPEL-NH2およびその類縁ペプチドAc-YYPEL-NH2では、目的ペプチド率(%)の上昇ポイントは、酸化合物を使用しない場合では1.4ポイント、硫酸では2.0ポイント、当該スルホン酸化合物では2.1ポイントであり、酸化合物使用の有無で目的ペプチド率(%)の上昇ポイントに大きな差はなかった。
対して、N末端がフリーである目的ペプチド:H-YFYPEL-NH2とその類縁ペプチド:H-YYPEL-NH2では、酸化合物を使用しない場合では−0.3ポイント、硫酸では0.2ポイントであるのに対して、当該スルホン酸化合物では3.1ポイントであり、当該スルホン酸化合物での上昇ポイントは酸化合物不使用および硫酸に比べて大きかった。
目的ペプチドと類縁ペプチドの構造が類似している場合、溶媒に対する溶解特性は通常近似する。そうすると、ペプチドが酸化合物と塩を形成して固体となった場合には、得られた固体の溶媒に対する溶解特性が元のペプチドに比べ大きく変化するので、固液分離する事によって、類縁ペプチドより多く含まれる目的ペプチドの割合が上昇する可能性は顕著に高まる。従って、これらの結果は、当該スルホン酸化合物がペプチドのN末端のアミノ基と塩を形成したことを示唆する。
なお、酸化合物の有無に関わらず、N末端がAc基で保護された目的ペプチドAc-YFYPEL-NH2およびその類縁ペプチドAc-YYPEL-NH2では、目的ペプチド率(%)が上昇したのは、これらのペプチドのIPA中での溶解挙動の差に起因すると考えられる。
評価2:スルホン酸化合物の効果
下表の酸化合物、目的ペプチドおよび類縁ペプチドを用いて、上記と同様の方法で、得られた固体における目的ペプチド率(%)の上昇ポイントを算出した。
結果を下表に示す。
酸化合物不使用の場合と比較して、スルホン酸化合物を使用することにより、目的ペプチド率(%)の上昇ポイントは増加し、スルホン酸化合物は目的ペプチドと類縁ペプチドの分離において優れた効果を示した。これは評価1から示唆される様にスルホン酸化合物との塩形成により溶解挙動が変化した為と考えられる。
評価3:無機酸との比較
下表の酸化合物、目的ペプチドおよび類縁ペプチドを用いて、上記と同様の方法で、得られた固体における目的ペプチド率(%)の上昇ポイントを算出した。
結果を下表に示す。
目的ペプチド率(%)の上昇ポイントは、塩酸および硫酸と比較してスルホン酸化合物の方が大きく、スルホン酸化合物は目的ペプチドの精製において優れた効果を示した。
評価4:カルボン酸化合物との比較
下表のスルホン酸化合物またはカルボン酸化合物、ならびに目的ペプチドおよび類縁ペプチドを用いて、上記と同様の方法で、得られた固体における目的ペプチド率(%)の上昇ポイントを算出した。
結果を下表に示す。
目的ペプチド率(%)の上昇ポイントは、カルボン酸化合物と比較してスルホン酸化合物の方が大きく、スルホン酸化合物は目的ペプチドの精製において優れた効果を示した。
評価5:各種スルホン酸化合物の効果(1)
下表のスルホン酸化合物、目的ペプチドおよび類縁ペプチドを用い、分析上の問題で固体における目的ペプチド率が算出できなかった試料があったため濾洗液における目的ペプチド率(%)の変化を、下式3)を用いて「目的ペプチド率(%)の低下ポイント」として算出した。目的ペプチドと類縁ペプチドの処理前後のそれぞれの濃度は不明であること、および目的ペプチドと類縁ペプチドのHPLC感度は同一ではないことから、「目的ペプチド率(%)の低下ポイント」から「目的ペプチド率(%)の上昇ポイント」への換算はできないものの、濾洗液において目的ペプチド率が減少したことは固体において目的ペプチド率が増加したことを意味する。
式3):
目的ペプチド率(%)の低下ポイント=処理後濾洗液の目的ペプチド率(%)−処理前の目的ペプチド率(%)
結果を下表に示す。
評価6:各種スルホン酸化合物の効果(2)
下表の酸化合物、目的ペプチドおよび類縁ペプチドを用いて、上記と同様の方法で、得られた固体における目的ペプチド率(%)の上昇ポイントを算出した。
結果を下表に示す。
表5〜26に示すとおり、得られた固体における目的ペプチド率は上昇し、スルホン酸化合物は種々の目的ペプチドの精製において優れた効果を示した。
試験例2:溶媒の検討−1
1−1で得られた粗目的ペプチド((8)H-YERAKSNM-OH)と粗類縁ペプチド((13)H-YERKSNM-OH)をそれぞれ水/アセトニトリル=1/2に溶解し、10mM(各ペプチドの純度を100%と仮定)の粗目的ペプチド溶液または粗類縁ペプチド溶液とした。
酸化合物を水に溶かし、30mMの酸化合物溶液とした。
粗目的ペプチド溶液(1μmol(目的ペプチドの純度を100%と仮定))、粗類縁ペプチド溶液(0.1μmol(類縁ペプチドの純度を100%と仮定))を混合した。
当該混合物に酸化合物溶液(0.9μmol)を混合し(HPLC分析(処理前))、凍結乾燥により乾固した。酸化合物は、
を使用した。
残渣に下表の溶媒 100μLを加え、室温にて終夜振盪した。
得られたスラリーを遠心ろ過(14000rpm、1分)し、ケーキを当該溶媒 100μLで2回洗浄した。濾液と洗浄液は合一した。
得られた固体と濾洗液をそれぞれHPLC分析した(処理後固体/処理後濾洗液)。
上記と同様の方法で、得られた濾洗液における目的ペプチド率(%)の低下ポイントを算出した。
加えて、処理前溶液と処理後固体についてのHPLC分析結果から、目的ペプチドのHPLC面積百分率(但し、総面積からスルホン酸化合物のピークを除く)を算出した。
表27および28に示されるとおり、スルホン酸化合物は、いずれの溶媒を使用した場合においても、目的ペプチドの精製において効果を示した。溶媒の組成を通常行われる範囲で検討することで類縁ペプチドの除去に適する溶媒を選択できる。
試験例3:スケールアップ
試験例2と同じ目的ペプチド、類縁ペプチド、スルホン酸化合物を用いて以下の試験を行った。
粗目的ペプチド、粗類縁ペプチド、スルホン酸化合物をそれぞれ水/アセトニトリル(1/2)に溶解し、粗目的ペプチドと粗類縁ペプチドについては50 mM(それぞれ純度を100%と仮定)、スルホン酸化合物については75 mMの溶液を調製した。粗目的ペプチド溶液1 mL(50 μmol)、粗類縁ペプチド0.1 mL(5 μmol)を混合した。
スルホン酸化合物溶液1 mL(75 μmol)を添加し(HPLC分析(条件A、処理前))、凍結乾燥した。残渣にIPA 1 mLを加え分散した後、再度凍結乾燥し残渣(67.35 mg)を得た。
上記残渣にIPA 2 mLを加え、700rpmで3時間振盪後固体を遠心沈降した(14000rpm、1分)。固体と上清を分離し、それぞれ凍結乾燥して固体由来残渣60.74 mg、上清由来残渣5.84 mgを得た。それぞれHPLC分析した(条件A、処理後)。結果を下表に示す。
スケールアップした場合でも、試験例2と同様の結果が得られた。
試験例4:スルホン酸除去
試験例3と同じ目的ペプチド、類縁ペプチド、スルホン酸化合物を用いて以下の試験を行った。
粗目的ペプチド、粗類縁ペプチド、スルホン酸化合物をそれぞれ水/アセトニトリル(1/2)に溶解し、粗目的ペプチドと粗類縁ペプチドについては50 mM(それぞれ純度を100%と仮定)、スルホン酸化合物については75 mMの溶液を調製した。粗目的ペプチド溶液1 mL(50 μmol)、粗類縁ペプチド0.1 mL(5 μmol)を混合した。
スルホン酸化合物溶液1 mL(75 μmol)を添加し(HPLC分析した(条件A、処理前))、凍結乾燥した。残渣にIPA 1 mLを加え分散した後、再度凍結乾燥し残渣(70.93 mg)を得た。
上記残渣にIPA 5 mLを加え、700rpmで3.5時間振盪後固体を遠心沈降した(14000rpm、1分)。固体と上清を分離し、IPA 1 mLで固体を洗浄した。固体と上清および洗浄溶液を合わせたもの、それぞれを凍結乾燥して固体由来残渣59.58 mg、上清および洗浄由来残渣5.40 mgを得た。
Oasis WAX Cartridge(6cc/150mg)(Waters社製)を用い、1N水酸化ナトリウム水溶液1 mL、水(精製水)7 mL、水/MeOH(10/1)2 mLの順で通液し、前処理を行った。
上記固体由来残渣15.74 mg を 水/MeOH(10/1)1 mLに溶解し、HPLC分析した(条件A、処理後。スルホン酸は5.1分付近に溶出した)。
前処理を行ったOasis WAX Cartridge(6cc/150mg)に上記溶液をロードし、水/MeOH(10/1)9 mLを通液した。このカートリッジを通した溶液をHPLC分析し、スルホン酸の除去を確認した(条件A、スルホン酸除去後)。凍結乾燥して残渣9.47 mgを得た。
スルホン酸化合物による処理前の溶液と処理後の固体、並びにスルホン酸化合物除去後の当該HPLC分析における的ペプチドのHPLC面積百分率を下表に示す。
試験例5:溶媒の検討−2
1−1で得られた粗目的ペプチド((8)H-YERAKSNM-OH)と粗類縁ペプチド((23)H-YERAKSN-OH)をそれぞれ水/アセトニトリル=1/2に溶解し、10mM(各ペプチドの純度を100%と仮定)の粗目的ペプチド溶液または粗類縁ペプチド溶液とした。
スルホン酸化合物を水に溶かし、50mMのスルホン酸化合物溶液とした。
粗目的ペプチド溶液(1μmol(目的ペプチドの純度を100%と仮定))、粗類縁ペプチド溶液(0.1μmol(類縁ペプチドの純度を100%と仮定))を混合した。
当該混合物にスルホン酸化合物溶液(1.5μmol)を混合し(HPLC分析(処理前))、凍結乾燥により乾固した。スルホン酸化合物は、
を使用した。
残渣に下表の溶媒 100μLを加え、室温にて終夜振盪した。
得られたスラリーを遠心ろ過(14000rpm、1分)し、ケーキを当該溶媒 100μLで2回洗浄した。濾液と洗浄液は合一した。
得られた固体と濾洗液をそれぞれHPLC分析した(処理後固体/処理後濾洗液)。
上記と同様の方法で、得られた濾洗液における目的ペプチド率(%)の低下ポイントを算出した。
加えて、処理前溶液と処理後固体についてのHPLC分析結果から、目的ペプチドのHPLC面積百分率(但し、処理後固体については総面積からスルホン酸化合物のピークを除く)を算出した。
試験例6:目的ペプチドの精製−2
下表の目的ペプチド、類縁ペプチド、およびスルホン酸化合物に関し、試験例1で行ったHPLC分析結果から、処理前溶液と処理後固体の目的ペプチドのHPLC面積百分率(但し総面積からスルホン酸化合物のピークを除く)を算出した。
本願の方法はペプチドの精製に使用できる。

Claims (28)

  1. ペプチド合成によって得られたペプチドから目的ペプチドを精製する方法であって、該目的ペプチドはN末端が遊離であるかおよび/または少なくとも1つの塩基性アミノ酸残基を有し、
    (1)該合成されたペプチドを溶媒の存在下でスルホン酸化合物と混合し、
    (2)得られた固形物を液相から分取する
    工程を含む、方法。
  2. 該スルホン酸化合物が式(I):
    (I)
    [式中、
    Aは、置換されていてもよいC6−10アリール、置換されていてもよい二環式ヘテロ環基、C2−3アルケニル、またはC2−3アルキニルであり;
    Xは、
    (i)単結合、
    (ii)置換されていてもよいC1−4アルキレン、
    (iii)−CO−(CH−(COがAと結合する)、または
    (iv)C2−4アルケニレン
    であり;および
    nは1〜3の整数である]
    の化合物である、請求項1に記載の方法。
  3. Aが置換されていてもよいC6−10アリールであり;
    Xが、
    (i)単結合、
    (ii)置換されていてもよいC1−4アルキレン、
    (iii)−CO−(CH−(COがAと結合する)、または
    (iv)C2−3アルケニレン
    であり;および
    nが1〜3の整数である
    請求項2に記載の方法。
  4. Aが置換されていてもよい二環式ヘテロ環基であり;
    Xが、
    (i)単結合、
    (ii)C1−4アルキレン、
    (iii)−CO−(CH−(COがAと結合する)、または
    (iv)C2−3アルケニレン
    であり;および
    nが1〜3の整数である
    請求項2に記載の方法。
  5. AがC2−3アルケニルであり;および
    XがC1−4アルキレンである
    請求項2に記載の方法。
  6. AがC2−3アルキニルであり;および
    XがC1−4アルキレンである
    請求項2に記載の方法。
  7. 該目的ペプチドが5〜31個のアミノ酸残基を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 該合成されたペプチドに類縁ペプチドが含まれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 該合成されたペプチドにおいて、該目的ペプチドに対して、類縁ペプチドのモル比が0.7以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 該ペプチド合成が固相法によるペプチド合成である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 該目的ペプチドが少なくとも1つの塩基性アミノ酸残基を含み、かつ、該目的ペプチドのN末端が遊離であってもよい、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. Aが、C1−4アルキル、−CO−C6−10アリール、−OH、−O−C1−3アルキル、−NO、−COH、−CO−C1−4アルキル、ハロゲン、−NH、−CH−SOH、−SOH、CN、−CO−C1−4アルキル、−CF、およびC6−10アリールからなる群から選択される同一または異なった1〜5個の置換基で置換されていてもよいC6−10アリールである、請求項2、3、および7〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. Aがフェニル、ナフチル、およびインダニルから選択されるC6−10アリールであって、該C6−10アリールは、C1−4アルキル、−CO−C6−10アリール、−OH、−O−C1−3アルキル、−NO、−COH、−CO−C1−4アルキル、ハロゲン、−NH、−CH−SOH、−SOH、CN、−CO−C1−4アルキル、−CF、およびC6−10アリールからなる群から選択される同一または異なった1〜5個の置換基で置換されていてもよい、請求項2、3、および7〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. Aが、2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-1-ベンゾアゼピニル、ベンゾオキサニル、インドリニル、イソインドリニル、フタラジニル、クロマニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ピリミジル、ベンゾチアゾニル、キノリル、イソクロマニル、およびベンゾトリアゾリルからなる群から選択される二環式ヘテロ環基であって、該二環式ヘテロ環基は適宜置換されていてもよい、請求項2、4、および7〜11のいずれか1項に記載の方法。
  15. Aが、C6−10アリール、C1−4アルキル、−CO−C6−10アリール、−OH、−O−C1−3アルキル、−NO、−COH、−CO−C1−4アルキル、ハロゲン、−NH、−CH−SOH、−SOH、CN、−CO−C1−4アルキル、−CF、およびオキソからなる群から選択される同一または異なった1〜5個の置換基で置換されていてもよい二環式ヘテロ環基である、請求項2、4、7〜11、および14のいずれか1項に記載の方法。
  16. Aが
    および
    から選択される二環式ヘテロ環基であって、該二環式ヘテロ環基は1つのフェニルで置換されていてもよい、請求項2、4、7〜11、14、および15のいずれか1項に記載の方法。
  17. Xが、
    (i)単結合、
    (ii)1つのメチル、1つのベンジル、または1つのフェニルで置換されていてもよいC1−4アルキレン、または
    (iii)−CO−(CH)−(COがAと結合する)、
    である、請求項2〜4、および7〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. Xが、
    (i)単結合、
    (ii)1つのメチル、1つのベンジル、または1つのフェニルで置換されていてもよいC1−4アルキレン、または
    (iii)−CO−(CH)−(COがAと結合する)、
    である、請求項12に記載の方法。
  19. Xが単結合である、請求項2〜4、および7〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. Xが単結合である、請求項16に記載の方法。
  21. 該スルホン酸化合物が下記:


    から選択される、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 該スルホン酸化合物を除去する工程をさらに含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 目的ペプチドの類縁ペプチドに対するモル比を向上させるための、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法を含む、該目的ペプチドを製造する方法。
  25. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法を含む方法により精製された目的ペプチドを含有する薬剤。
  26. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法において使用されるための、該スルホン酸化合物を含有する剤。
  27. および
    から選択される、化合物。
  28. 請求項25に記載の薬剤の有効量をその必要がある患者に投与することを含む、ヒトにおける疾患を治療する方法。
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