JP2020044811A - サンドイッチ構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】速硬化性と保存安定性が共に優れたサンドイッチ構造体を提供することを課題とする。【解決手段】次の成分[A]、[B]、[C]、[D]を含み、下記条件[a]、[b]、[c]を満たすエポキシ樹脂組成物と強化繊維から構成される繊維強化複合材料のスキン材と、コア材とから構成されるサンドイッチ構造体。[A]:エポキシ樹脂[B]:ジシアンジアミド[C]:芳香族ウレア[D]:ホウ酸エステル"[a]:0.014≦(成分[D]の含有量/成分[C]の含有量)≦0.045[b]:0.9≦(成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数)≦1.2[c]:14≦(成分[A]の含有量/成分[C]の含有量)≦25【選択図】なし
Description
本発明は、速硬化性と保存安定性に優れたサンドイッチ構造体に関する。
連続した強化繊維群で強化された繊維強化樹脂(FRP)は、航空機、自動車、二輪車、自転車などの輸送機器用途、テニス、ゴルフ、釣り竿などのスポーツ用品用途、耐震補強材などの建設構造物用途など、軽量性と力学特性が要求される構造体の材料として、頻繁に使用されている。
また、力学特性を確保しつつ軽量性を高めた構造体として、軽量なコア材と、スキン材にFRPが配置されてなるサンドイッチ構造体が知られている。構造体の軽量化を図るため、より軽量なコア材の選択が行われ、発泡体のコアなどがコア材として頻繁に使用されている。また、力学特性についても、実用的な要求特性にあわせて設計することで、この構造体は、航空機の二次構造材をはじめ、自動車部材、建造物部材やパネル部材、電子機器などに、広く用いられている。
FRPのマトリックス樹脂として適用するエポキシ樹脂は、高い機械特性、耐熱性、接着性を活かし、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などの強化繊維と組合せてなる繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として好適に用いられている。繊維強化複合材料の製造には、強化繊維にエポキシ樹脂を含浸したシート状の中間基材(プリプレグ)が汎用される。プリプレグを積層後、加熱してエポキシ樹脂を硬化する方法で成形品が得られ、プリプレグの積層設計により多彩な特性を発現できるため、航空機やスポーツなど、様々な分野へ応用されている。近年では自動車などの産業用途への適用も進み、量産に適した硬化時間の短い速硬化プリプレグや、プロセス安定性を高める脱型が容易なプリプレグ、外板用途に適する意匠外観に優れるプリプレグが注目されている。一方で、速硬化プリプレグは使用されているエポキシ樹脂の反応性を高めて硬化時間を短縮したものであるため、保存安定性やプリフォーム工程における品質変化がしばしば問題となり、より安定性に優れるプリプレグが求められている。
特許文献1には、特定の芳香族ウレアを促進剤として使用した、速硬化性と耐熱性に優れたエポキシ樹脂硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物およびプリプレグが開示されている。特許文献2には、硬化速度に優れ、得られるエポキシ樹脂硬化物のガラス転位温度が140℃を超えないエポキシ樹脂組成物が開示されている。特許文献3には、ジシアンジアミド、芳香族ウレアおよびホウ酸エステルを含む、保存安定性と得られるエポキシ樹脂硬化物の機械特性に優れたエポキシ樹脂組成物が開示されている。特許文献4には、液状の脂肪族エポキシ樹脂を含むことにより、脱型性に優れたエポキシ樹脂硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物およびプリプレグが開示されている。
しかしながら、これらの従来技術ではエポキシ樹脂組成物が速硬化性と保存安定性を両立するには不十分であり、従来技術のエポキシ樹脂組成物をサンドイッチ構造体のスキン材としてのFRPのマトリックス樹脂として適用するには課題があった。
本発明の目的は、かかる従来技術に鑑み、速硬化性と保存安定性に優れたサンドイッチ構造体を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は次のいずれかの構成を採用する。
(1)次の成分[A]、[B]、[C]、[D]を含み、下記条件[a]、[b]、[c]を満たすエポキシ樹脂組成物と強化繊維から構成される繊維強化複合材料のスキン材が、コア材の両面に配置された構成を有するサンドイッチ構造体。
[A]:エポキシ樹脂
[B]:ジシアンジアミド
[C]:芳香族ウレア
[D]:ホウ酸エステル
[a]:0.014≦(成分[D]の含有量/成分[C]の含有量)≦0.045
[b]:0.9≦(成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数)≦1.2
[c]:14≦(成分[A]の含有量/成分[C]の含有量)≦25
(2)成分[A]が3官能以上の多官能エポキシ樹脂を含む、前記(1)に記載のサンドイッチ構造体。
(3)成分[A]100質量部中、3官能以上の多官能エポキシ樹脂として次の[A1]を55質量部〜100質量部含む、前記(1)または(2)に記載のサンドイッチ構造体。
[A1]:式(I)で示されるエポキシ樹脂および/または式(II)で示されるエポキシ樹脂
(1)次の成分[A]、[B]、[C]、[D]を含み、下記条件[a]、[b]、[c]を満たすエポキシ樹脂組成物と強化繊維から構成される繊維強化複合材料のスキン材が、コア材の両面に配置された構成を有するサンドイッチ構造体。
[A]:エポキシ樹脂
[B]:ジシアンジアミド
[C]:芳香族ウレア
[D]:ホウ酸エステル
[a]:0.014≦(成分[D]の含有量/成分[C]の含有量)≦0.045
[b]:0.9≦(成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数)≦1.2
[c]:14≦(成分[A]の含有量/成分[C]の含有量)≦25
(2)成分[A]が3官能以上の多官能エポキシ樹脂を含む、前記(1)に記載のサンドイッチ構造体。
(3)成分[A]100質量部中、3官能以上の多官能エポキシ樹脂として次の[A1]を55質量部〜100質量部含む、前記(1)または(2)に記載のサンドイッチ構造体。
[A1]:式(I)で示されるエポキシ樹脂および/または式(II)で示されるエポキシ樹脂
(4)コア材の見かけ密度が0.03〜0.5g/cm3である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
(5)コア材の圧縮強度が5〜25MPaである、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
(6)コア材が、発泡体、ハニカム及び木材からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、前記(1)〜(5)のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
(7)コア材がバルサ材である、前記(6)に記載のサンドイッチ構造体。
(8)コア材が硬質アクリル発泡体である、前記(6)に記載のサンドイッチ構造体。
(5)コア材の圧縮強度が5〜25MPaである、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
(6)コア材が、発泡体、ハニカム及び木材からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、前記(1)〜(5)のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
(7)コア材がバルサ材である、前記(6)に記載のサンドイッチ構造体。
(8)コア材が硬質アクリル発泡体である、前記(6)に記載のサンドイッチ構造体。
本発明のサンドイッチ構造体は、その特徴的なスキン材の設計に基づき、優れた速硬化性、保存安定性を有する。本発明のサンドイッチ構造体は、ノートパソコンなどの電気・電子機器の部品、部材や筐体、自動車部材、自転車部材、スポーツ用品用構造材、航空機内装材、輸送用箱体として好適に用いられる。
本発明者らは、エポキシ樹脂組成物と強化繊維から構成される繊維強化複合材料のスキン材とコア材からなるサンドイッチ構造体の速硬化性と保存安定性を追求した結果、サンドイッチ構造体に用いるスキン材の特定のエポキシ樹脂組成物が影響していることを見出し、本発明に到達したものである。以下、本発明を詳細に説明する。
サンドイッチ構造体とは、コア材とスキン材を含み、コア材の両面を2部材のスキン材で挟んでなる構造体である。本発明において、コア材は特に限定されるものではなく、スキン材は強化繊維とエポキシ樹脂組成物を含む構成である。
本発明において、スキン材で用いられるエポキシ樹脂組成物は、成分[A]:エポキシ樹脂、成分[B]:ジシアンジアミド、成分[C]:芳香族ウレア、成分[D]:ホウ酸エステルを必須成分として含む。まずはこれらの構成要素について説明する。
(成分[A])
本発明における成分[A]はエポキシ樹脂である。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノール化合物とジシクロペンタジエンの共重合体を原料とするエポキシ樹脂、ジグリシジルレゾルシノール、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタンのようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシレンジアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂は、これらを単独で用いても、複数種類を組み合わせても良い。
本発明における成分[A]はエポキシ樹脂である。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノール化合物とジシクロペンタジエンの共重合体を原料とするエポキシ樹脂、ジグリシジルレゾルシノール、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタンのようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシレンジアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂は、これらを単独で用いても、複数種類を組み合わせても良い。
本発明においては、成分[A]として3官能以上の多官能エポキシ樹脂を含むことが好ましい。3官能以上の多官能エポキシ樹脂を含むことにより、優れた速硬化性と保管安定性を有しながら、曲げ弾性率に優れたエポキシ樹脂組成物が得られる。
3官能以上の多官能エポキシ樹脂としては、速硬化性と保管安定性、および得られるエポキシ樹脂硬化物の曲げ弾性率のバランスの観点から、成分[A1]:下記式(I)および/または下記式(II)で示されるエポキシ樹脂を含むことが好ましい。成分[A1]は、一般にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、またはジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂として知られているものであり、2官能以上の多官能エポキシ樹脂の混合物として市販されている。
成分[A1]は、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部中55〜100質量部含むことにより、得られるエポキシ樹脂硬化物の曲げ弾性率をさらに高めることができることから好ましい。
(式(I)において、R1、R2、R3は、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を表す。また、nは1以上の整数を表す。)
(式(II)において、nは1以上の整数を表す)。
成分[A1]の市販品としては、XD−1000(日本化薬(株)製)、“jER(登録商標)”152、154、180S(以上、三菱化学(株)製)、“Epiclon(登録商標)”N−740、N−770、N−775、N−660、N−665、N−680、N−695、HP7200L、HP7200、HP7200H,HP7200HH、HP7200HHH(以上、DIC(株)製)、PY307、EPN1179、EPN1180、ECN9511、ECN1273、ECN1280、ECN1285、ECN1299(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、YDPN638、YDPN638P、YDCN701、YDCN702、YDCN703、YDCN704(以上、東都化成(株)製)、DEN431、DEN438、DEN439(以上、ダウケミカル社製)などが挙げられる。
(成分[B])
本発明における成分[B]は、ジシアンジアミドである。ジシアンジアミドは、化学式(H2N)2C=N−CNで表される化合物である。ジシアンジアミドは、それを硬化剤として得られるエポキシ樹脂硬化物に高い力学特性や耐熱性を与えることができる点で優れており、エポキシ樹脂の硬化剤として広く用いられる。かかるジシアンジアミドの市販品としては、DICY7、DICY15(以上、三菱化学(株)製)などが挙げられる。
本発明における成分[B]は、ジシアンジアミドである。ジシアンジアミドは、化学式(H2N)2C=N−CNで表される化合物である。ジシアンジアミドは、それを硬化剤として得られるエポキシ樹脂硬化物に高い力学特性や耐熱性を与えることができる点で優れており、エポキシ樹脂の硬化剤として広く用いられる。かかるジシアンジアミドの市販品としては、DICY7、DICY15(以上、三菱化学(株)製)などが挙げられる。
ジシアンジアミド[B]を粉体としてエポキシ樹脂組成物に配合することは、室温での保存安定性や、プリプレグ製造時の粘度安定性の観点から好ましい。また、ジシアンジアミド[B]を予め成分[A]のエポキシ樹脂の一部に三本ロールなどを用いて分散させておくことにより、エポキシ樹脂組成物を均一にし、得られるエポキシ樹脂硬化物の物性を向上させることができるため好ましい。
ジシアンジアミドを粉体として樹脂に配合する場合、平均粒径は10μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは7μm以下である。例えば、プリプレグ製造工程において加熱加圧により強化繊維束にエポキシ樹脂組成物を含浸させる際、平均粒径が10μm以下であれば、繊維束内部への樹脂の含浸性が良好となる。なお、ここでいう平均粒径とは、体積平均を意味し、レーザー回折型の粒度分布測定装置によって測定することができる。
ジシアンジアミド[B]は、後述の成分[C]と併用することにより、成分[B]を単独で配合した場合と比較し、エポキシ樹脂組成物の硬化温度を下げることができる。本発明においては、速硬化性を達成するために、成分[B]と成分[C]を併用することが必要である。
(成分[C])
本発明における成分[C]は、芳香族ウレアである。
本発明における成分[C]は、芳香族ウレアである。
成分[C]の芳香族ウレアの具体例としては、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMUと略記することもある)、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、フェニルジメチルウレア(PDMUと略記することもある)、トルエンビスジメチルウレア(TBDMUと略記することもある)などが挙げられる。また、芳香族ウレアの市販品としては、DCMU99(保土ヶ谷化学工業(株)製)、“Omicure(登録商標)”24(ピィ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)、“Dyhard(登録商標)”UR505(4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア、CVC製)などが挙げられる。
(成分[D])
本発明における成分[D]は、ホウ酸エステルである。成分[C]と成分[D]とを併用することにより、プリプレグの保管安定性が著しく向上する。そのメカニズムは定かではないが、成分[D]はルイス酸性を持つため、成分[C]から遊離したアミン化合物と成分[D]が相互作用し、アミン化合物の反応性を低下させていると考えられる。
本発明における成分[D]は、ホウ酸エステルである。成分[C]と成分[D]とを併用することにより、プリプレグの保管安定性が著しく向上する。そのメカニズムは定かではないが、成分[D]はルイス酸性を持つため、成分[C]から遊離したアミン化合物と成分[D]が相互作用し、アミン化合物の反応性を低下させていると考えられる。
成分[D]のホウ酸エステルの具体例としては、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリブチルボレート、トリn−オクチルボレート、トリ(トリエチレングリコールメチルエーテル)ホウ酸エステル、トリシクロヘキシルボレート、トリメンチルボレートなどのアルキルホウ酸エステル、トリo−クレジルボレート、トリm−クレジルボレート、トリp−クレジルボレート、トリフェニルボレートなどの芳香族ホウ酸エステル、トリ(1,3−ブタンジオール)ビボレート、トリ(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)ビボレート、トリオクチレングリコールジボレートなどが挙げられる。
また、ホウ酸エステルとして、分子内に環状構造を有する環状ホウ酸エステルを用いることもできる。環状ホウ酸エステルとしては、トリス−o−フェニレンビスボレート、ビス−o−フェニレンピロボレート、ビス−2,3−ジメチルエチレンフェニレンピロボレート、ビス−2,2−ジメチルトリメチレンピロボレートなどが挙げられる。
かかるホウ酸エステルを含む製品としては、たとえば、“キュアダクト(登録商標)”L−01B(四国化成工業(株))、“キュアダクト(登録商標)”L−07N(四国化成工業(株))(ホウ酸エステル化合物を5質量部含む組成物)、“キュアダクト(登録商標)”L−07E(四国化成工業(株))(ホウ酸エステル化合物を5質量部含む組成物)などが挙げられる。
本発明のスキン材で用いられるエポキシ樹脂組成物は、上記成分[A]、[B]、[C]、[D]を含み、以下の条件[a]、[b]、[c]を満たす。以下、条件[a]、[b]、[c]を順に説明する。
条件[a]は、成分[C]の含有量と成分[D]の含有量との比率についての条件であり、下記式で表される。
0.014≦(成分[D]の含有量/成分[C]の含有量)≦0.045。
0.014≦(成分[D]の含有量/成分[C]の含有量)≦0.045。
成分[D]の含有量/成分[C]の含有量が、この範囲を下回って小さくなると保存安定性が不十分なものとなる場合があり、この範囲を超えて大きくなると速硬化性が不十分なものとなる場合がある。従って、条件[a]を満たすと、速硬化性と、保存安定性のバランスが優れたプリプレグが得られる。なお、成分[C]の含有量または成分[D]の含有量とは、成分[A]のエポキシ樹脂100質量部に対する[C]ホウ酸エステルまたは[D]ホウ酸エステルの配合量(質量部)のことである。
本発明においてスキン材で用いられるエポキシ樹脂組成物の保存安定性は、40℃、75%RHで14日間保存した後のガラス転移温度の変化を評価基準とする。当該条件下でのガラス転移温度の変化が20℃以下であると、該エポキシ樹脂組成物からなるプリプレグが常温でも優れた保存安定性を示すことから好ましい。
本発明のスキン材で用いられるエポキシ樹脂組成物の保存安定性は、例えば、示差走査熱量分析(DSC)測定にて、ガラス転移温度の変化を追跡することで評価できる。具体的には、エポキシ樹脂組成物を、恒温恒湿槽などで上記の条件(40℃、75%RHで14日間)で保管し、保管前後の試料のガラス転移温度をDSCにより−20℃から150℃まで5℃/分で昇温して測定し、保管前後のガラス転移温度の変化を算出することで判定できる。
本発明のスキン材で用いられるエポキシ樹脂組成物の速硬化性は、エポキシ樹脂組成物を所定の温度で加熱し、脱型可能になるまで硬化した時間で表すことができ、硬化時間が短いほど速硬化性に優れる。例えば、加硫/硬化特性試験機キュラストメーターV型(JSRトレーディング(株)製)を用いることで評価できる。具体的には、調製したエポキシ樹脂組成物を150℃に加熱されたダイスにサンプルを入れ、ねじり応力をかけてサンプルの硬化の進行にともなう粘度上昇をダイスに伝わるトルクとし、最大ピークトルクの70%に達する時間を脱型可能な時間とし評価する。最大ピークトルクの70%に達する時間は、150秒以下であることが好ましく、かかる条件を満たす場合、速硬化性に優れていると判断できる。
条件[b]は、成分[A]の活性基モル数と成分[B]の活性水素モル数との比率についての条件であり、下記式で表される。
0.9≦(成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数)≦1.2。
0.9≦(成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数)≦1.2。
成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数が、この範囲を超えて大きくなると速硬化性が不十分となる場合があり、この範囲を下回って小さくなると得られるエポキシ樹脂硬化物の機械特性が不十分なものとなる場合がある。従って、条件[b]を満たすと、速硬化性と得られるエポキシ樹脂硬化物の機械特性のバランスが優れたエポキシ樹脂組成物を与えることができる。なお、成分[A]の活性基モル数とは、各エポキシ樹脂活性基のモル数の和のことであり、下式で表される。
成分[A]の活性基モル数=(樹脂A質量/樹脂Aのエポキシ当量)+(樹脂B質量/樹脂Bのエポキシ当量)+・・・・+(樹脂W質量/樹脂Wのエポキシ当量)
成分[A]の活性基モル数=(樹脂A質量/樹脂Aのエポキシ当量)+(樹脂B質量/樹脂Bのエポキシ当量)+・・・・+(樹脂W質量/樹脂Wのエポキシ当量)
また、成分[B]の活性水素モル数は、ジシアンジアミド質量をジシアンジアミドの活性水素当量で除することにより求められ、下式で表される。
成分[B]の活性水素モル数=ジシアンジアミド質量/ジシアンジアミド活性水素当量
成分[B]の活性水素モル数=ジシアンジアミド質量/ジシアンジアミド活性水素当量
条件[c]は、成分[A]の含有量と成分[C]の含有量との比率についての条件であり、下記式で表される。
14≦(成分[A]の含有量/成分[C]の含有量)≦25
14≦(成分[A]の含有量/成分[C]の含有量)≦25
成分[A]の含有量/成分[C]の含有量が、この範囲を超えて大きくなると速硬化性が不十分なものとなる場合があり、この範囲を下回って小さくなると得られるエポキシ樹脂硬化物の機械特性が不十分となる場合がある。従って、条件[c]を満たすと、速硬化性と得られるエポキシ樹脂硬化物の機械特性のバランスが優れたエポキシ樹脂組成物を与えることができる。
通常、エポキシ樹脂の速硬化性、保存安定性および該樹脂を用いたエポキシ樹脂硬化物の高い機械特性を同時に満たすことは、個別の技術の組み合わせのみでは実現が困難である。本発明のエポキシ樹脂組成物が成分[A]、[B]、[C]、[D]を含み、[a]、[b]および[c]の条件を同時に満たすことで速硬化性、保存安定性および機械特性を極めて高いバランスで保つことが可能となる。すなわち、[a]から[c]のいずれか1つ、あるいは2つの組み合わせでは、優れた速硬化性、保存安定性、高い機械特性を同時に実現することは困難である。
本発明のスキン材で用いられるエポキシ樹脂組成物は、さらに以下の(i)〜(iii)のいずれかまたは複数を併せて満たすことが好ましい。
(i)条件1および条件2を満たす。
(ii)条件3および条件4を満たす。
(iii)条件5および条件6を満たす。
(i)条件1および条件2を満たす。
(ii)条件3および条件4を満たす。
(iii)条件5および条件6を満たす。
以下、各条件について説明する。
(i)について
条件1:80℃での誘電測定において、測定開始からキュアインデックスが10%に到達するまでの時間が120分以上。
条件2:150℃での誘電測定において、測定開始からキュアインデックスが70%に到達するまでの時間が120秒以内。
条件1:80℃での誘電測定において、測定開始からキュアインデックスが10%に到達するまでの時間が120分以上。
条件2:150℃での誘電測定において、測定開始からキュアインデックスが70%に到達するまでの時間が120秒以内。
ここで条件1,2を特定するのに用いられるキュアインデックスとは、熱硬化性樹脂の硬化度を表す指標であり、例えば、Homometrix−Micromet社製のMDE−10キュアモニターを使用し、所定の温度おける、誘電測定により求められるイオン粘度の時間変化から得ることができる。エポキシ樹脂組成物においては硬化開始時にイオン粘度が一旦低下して最低値を経た後、硬化が進行するに従い上昇する。キュアインデックスは、最低値を0%、硬化完了に伴う飽和値(最大値)を100%として規定し、算出する。ある温度においてキュアインデックスが測定開始から10%に到達するまでの時間がより長いことは、その温度におけるエポキシ樹脂組成物がより安定(硬化反応が進みにくい)であることを示すものである。プリフォーム工程の温度は、通常常温〜80℃であることから、80℃において測定開始からキュアインデックスが10%に到達する時間を用い、プリフォーム工程におけるプリプレグの安定性を判断できる。すなわち、条件1を満たすと、プリフォーム工程の温度でエポキシ樹脂の硬化がほとんど進まず、プリフォーム工程におけるプリプレグの賦型性に優れ、工程を安定化しうるエポキシ樹脂組成物が得られることを意味している。
一方、ある温度においてキュアインデックスが測定開始から70%に到達するまでの時間がより短いことは、その温度におけるエポキシ樹脂組成物の硬化反応がより進みやすいことを示すものである。本発明の成分[A]、[B]、[C]、[D]を含むエポキシ樹脂組成物は、通常100℃以上で硬化されるので、150℃において測定開始からキュアインデックスが70%に到達するまでの時間を用い、エポキシ樹脂組成物の速硬化性を判断できる。すなわち、条件2を満たすことは、エポキシ樹脂組成物が速硬化性に優れることを意味している。
これらより、条件1および条件2を満たすと、プリフォーム工程の温度でエポキシ樹脂の硬化がほとんど進まず、プリフォーム工程におけるプリプレグの賦型性に優れ、かつ、硬化時には速硬化性を示すエポキシ樹脂組成物が得られることから、好ましい。
(ii)について
条件3:動的粘弾性測定で、5℃/分の速度にて40℃から250℃まで温度を上げた際の前記エポキシ樹脂組成物が最低粘度を示す温度が、110℃以上140℃以下。
条件3:動的粘弾性測定で、5℃/分の速度にて40℃から250℃まで温度を上げた際の前記エポキシ樹脂組成物が最低粘度を示す温度が、110℃以上140℃以下。
ここで、動的粘弾性測定(以下DMAと略記することもある)は、エポキシ樹脂組成物を、レオメーター(回転型動的粘度弾性測定装置)を用いて測定を行うことができ、最低粘度を示す温度は、当該測定において得た粘度を温度に対してプロットすることにより得ることができる。
条件3を満たすエポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料は優れた外観を示す。これは、加熱成形時の樹脂の流動で材料中のボイドは除去されつつ、適切なタイミングでのゲル化により過剰な樹脂の流出が抑えられ、表面の樹脂枯れ(カスレ)も抑止されるためと推測している。
条件4:前記エポキシ樹脂組成物を示差走査熱量分析計(DSC)により30℃から300℃まで5℃/分の等速条件にて昇温したときの発熱開始温度(T0)および発熱終了温度(T1)の差が、25℃以下。
ここで、T0とT1の差は、DSCの発熱ピークの鋭さを表している。発熱ピークの立ち上がりが鋭いものは、発熱ピークトップの温度が同じ場合でも、立ち上がりが緩やかなものよりも硬化開始温度が高いことを意味する。硬化開始温度が高いということは、より広い温度領域で安定性に優れることを意味する。同時にDSCのピークの立ち上がりが鋭いことから硬化反応が開始すると速やかに進行する。すなわち、DSCのピークの立ち上がりが鋭いとエポキシ樹脂組成物の硬化開始温度が高いにもかかわらず、速硬化性は損なわれない。
条件4を満たすことは、エポキシ樹脂組成物がこのようなピークの立ち上がりが鋭いものであることを表しており、それにより速硬化性と保存安定性のバランスにより優れるエポキシ樹脂組成物を与えることができる。
これらより、条件3および条件4を満たすと、加熱成形時の材料中のボイドが除去されつつ、過剰な樹脂流出も抑制でき、表面のカスレも抑止できるため、外観に優れた繊維強化複合材料が得られ、かつ、保存安定性に優れ、高温硬化時にも速硬化性を示すエポキシ樹脂が得られることから、好ましい。
(iii)について
条件5:150℃でのキュラストメーター測定において、最大トルク(TH)を試料の体積で割った脱型指数が0.40N・m/cm3以上、1.50N・m/cm3以下。
条件5:150℃でのキュラストメーター測定において、最大トルク(TH)を試料の体積で割った脱型指数が0.40N・m/cm3以上、1.50N・m/cm3以下。
条件6:150℃でのキュラストメーター測定において、測定開始から最大トルクの70%に到達するまでの時間tm(70)が、150秒以下。
ここで条件5,6を特定するのに用いられるキュラストメーター測定は、例えば、ローターレスタイプの加硫/硬化特性試験機(“キュラストメーター(登録商標)”V型)などを用いることで評価できる。具体的には、調製したエポキシ樹脂組成物を150℃に加熱されたダイスにサンプルを入れ、ねじり応力をかけてサンプルの硬化の進行にともなう粘度上昇をダイスに伝わるトルクを測定する。測定したトルク−経過時間曲線から、トルクの極大値を最大トルク(TH)として読み取り、最大トルク(TH)を試料の体積で割った値を脱型指数とする。
条件5を満たすと、得られるエポキシ樹脂硬化物の脱型時の変形、反りおよび割れがなく、平滑で脱型性に優れるエポキシ樹脂硬化物を提供しうるエポキシ樹脂組成物が得られる。したがって、条件5を満たすエポキシ樹脂を用いたプリプレグの積層体を加熱加圧して得られる繊維強化複合材料は、金型からの脱型性に優れる。
条件6を満たすと、速硬化性に優れるエポキシ樹脂組成物が得られる。
これらより、条件5および条件6を満たすと、加熱成形後の脱型時に生じる変形・反りが抑制され、表面外観に優れた繊維強化複合材料が得られ、かつ速硬化性を示すエポキシ樹脂組成物が得られることから、好ましい。
本発明のスキン材で用いられるエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を失わない範囲において、粘弾性を調整し、プリプレグのタックやドレープ特性を改良する目的や、得られるエポキシ樹脂硬化物の機械特性や靭性を高めるなどの目的で、成分[E]として熱可塑性樹脂を含むことができる。熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂や、ゴム粒子および熱可塑性樹脂粒子等の有機粒子、シリカなどの無機粒子、CNTやグラフェンなどのナノ粒子等を選択することができる。
エポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルピロリドン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンを挙げることができる。
ゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、および架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコアシェルゴム粒子を挙げることができる。
本発明のスキン材で用いられるエポキシ樹脂組成物の調製には、例えばニーダー、プラネタリーミキサー、3本ロールおよび2軸押出機といった機械を用いて混練しても良いし、均一な混練が可能であれば、ビーカーとスパチュラなどを用い、手で混ぜても良い。
エポキシ樹脂組成物を用いてスキン材の繊維強化複合材料を得るにあたり、あらかじめエポキシ樹脂組成物と強化繊維からなるプリプレグとしておくことが好ましい。プリプレグは繊維の配置および樹脂の割合を精密に制御でき、複合材料の特性を最大限に引き出すことのできる材料形態である。
プリプレグは、本発明のエポキシ樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させて得ることができる。含浸させる方法としては、ホットメルト法(ドライ法)などを挙げることができる。ホットメルト法は、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方法、または離型紙などの上にエポキシ樹脂組成物をコーティングしたフィルムを作製しておき、次いで強化繊維の両側または片側から前記フィルムを重ね、加熱加圧することにより強化繊維に樹脂を含浸させる方法である。
積層したプリプレグを成形する方法としては、例えばプレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法などを適宜使用することができる。
次に、サンドイッチ構造体のスキン材に適用される繊維強化複合材料について説明する。本発明の繊維強化複合材料は、プリプレグを硬化させてなるものである。より具体的には、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグを積層した後、加熱し硬化させることにより、本発明のエポキシ樹脂組成物から得られるエポキシ樹脂硬化物をマトリックス樹脂として含む繊維強化複合材料を得ることができる。
本発明のスキン材に用いられる強化繊維は特に限定されるものではなく、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが使用できる。これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。軽量かつ高剛性な繊維強化複合材料が得られる観点から、炭素繊維を用いることが好ましい。
本発明に用いられるコア材は特に限定されるものではないが、発泡体、ハニカム、木材が好ましい。軽量かつ高剛性なサンドイッチ構造体が得られる観点から、発泡体の中では硬質アクリル発泡体を用いることが好ましい。また、軽量かつ高剛性なサンドイッチ構造体が得られる観点から、木材の中ではバルサ材を用いることが好ましい。
本発明に用いられるコア材の見かけ密度は、0.03〜0.5g/cm3であることが軽量なサンドイッチ構造体を得られる観点から好ましい。より好ましくは0.05〜0.3g/cm3で、さらに好ましくは0.1〜0.2g/cm3である。
本発明に用いられるコア材の圧縮強度は、高剛性なサンドイッチ構造体が得られる観点から、5〜25MPaであることが好ましい。より好ましくは5〜10MPaである。
本発明のサンドイッチ構造体は、スキン材のエポキシ樹脂組成物が成形中にコア材に浸透することでスキン材とコア材の界面接着性を発現する。あるいは、コア材の樹脂が成形中にスキン材に含浸することでスキン材とコア材の界面接着性を発現する。
本発明のサンドイッチ構造体の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば下記工程[1]と工程[2]を有する製造方法が挙げられる。
工程[1]:エポキシ樹脂組成物と強化繊維から構成されるスキン材とコア材をサンドイッチ構造に積層する工程
工程[2]:スキン材とコア材から構成されるサンドイッチ構造体の成形を行う工程
工程[2]において、加熱および加圧して、成形する工程を有することが好ましい。
工程[1]:エポキシ樹脂組成物と強化繊維から構成されるスキン材とコア材をサンドイッチ構造に積層する工程
工程[2]:スキン材とコア材から構成されるサンドイッチ構造体の成形を行う工程
工程[2]において、加熱および加圧して、成形する工程を有することが好ましい。
本発明のサンドイッチ構造体の製造方法としては、例えば、成形型を用いたプレス成形、真空バッグ成形、オートクレーブ成形等が挙げられる。この中でプレス成形による製造方法が、優れた速硬化性のサンドイッチ構造体が得られることから好ましい。プレス成形での成形圧力は、0.1MPaから10MPaが好ましく、サンドイッチ構造体のスキン材の表面平滑性の観点から0.5MPaから5MPaがさらに好ましい。プレス成形では、真空下で成形することが好ましく、−0.1MPa程度の真空圧力で成形することがさらに好ましい。また、プレス成形での成形温度は、プリプレグで使用している樹脂の硬化温度に合わせた設定が必要であるが、通常は100℃から200℃の範囲である。プレス成形で使用する金型は、オープンの金型であってもクローズドの金型であっても良いが、エポキシ樹脂のフローを抑制する観点からクローズドの金型が好ましい。オートクレーブ成形での成形圧力は、0.1MPaから1.0MPaが好ましく、サンドイッチ構造体のスキン材の意匠面のピンホールが除去できる点から0.3MPaから0.6MPaがさらに好ましい。またオートクレーブ成形での成形温度は、プリプレグで使用している樹脂の硬化温度に合わせた設定が必要であるが、通常は100℃から200℃の範囲である。
本発明のサンドイッチ構造体の用途としては、例えば、「パソコン、ディスプレイ、OA機器、携帯電話、携帯情報端末、ファクシミリ、コンパクトディスク、ポータブルMD、携帯用ラジオカセット、PDA(電子手帳などの携帯情報端末)、ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、光学機器、オーディオ、エアコン、照明機器、娯楽用品、玩具用品、その他家電製品などの筐体、トレイ、シャーシ、内装部材、またはそのケース」などの電気、電子機器部品、「支柱、パネル、補強材」などの土木、建材用部品、「各種メンバ、各種フレーム、各種ヒンジ、各種アーム、各種車軸、各種車輪用軸受、各種ビーム、プロペラシャフト、ホイール、ギアボックスなどの、サスペンション、アクセル、またはステアリング部品」、「フード、ルーフ、ドア、フェンダ、トランクリッド、サイドパネル、リアエンドパネル、アッパーバックパネル、フロントボディー、アンダーボディー、各種ピラー、各種メンバ、各種フレーム、各種ビーム、各種サポート、各種レール、各種ヒンジなどの、外板、またはボディー部品」、「バンパー、バンパービーム、モール、アンダーカバー、エンジンカバー、整流板、スポイラー、カウルルーバー、エアロパーツなど外装部品」、「インストルメントパネル、シートフレーム、ドアトリム、ピラートリム、ハンドル、各種モジュールなどの内装部品」、または「モーター部品、CNGタンク、ガソリンタンク、燃料ポンプ、エアーインテーク、インテークマニホールド、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、各種配管、各種バルブなどの燃料系、排気系、または吸気系部品」などの自動車、二輪車用構造部品、「その他、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、エンジン冷却水ジョイント、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、バッテリートレイ、ATブラケット、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング、プロテクター、ホーンターミナル、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ノイズシールド、スペアタイヤカバー、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、スカッフプレート、フェイシャー」、などの自動車、二輪車用部品、「ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブ」などの航空機用部品が挙げられる。力学特性の観点からは、自動車内外装材、電気・電子機器筐体、自転車部材、スポーツ用品用構造材、航空機内装材、輸送用箱体に好ましく用いられる。なかでも、とりわけ複数の部品から構成されるモジュール部材に好適である。
以下、実施例によって、本発明について、より具体的に説明する。実施例で用いた各種材料(エポキシ樹脂組成物の成分[A]〜[E]、強化繊維、コア材)、およびエポキシ樹脂の調整方法、各種エポキシ樹脂組成物の測定方法(キュアインデックスの評価方法、最低イオン粘度観測時間の評価方法、最低粘度観測温度の評価方法、発熱開始温度(T0:℃)と発熱終了温度(T1:℃)の差の評価方法、硬化特性の評価方法、保存安定性の評価方法)、プリプレグの作製方法、サンドイッチ構造体の作製方法、サンドイッチ構造体の外観評価方法を、次に示す。エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、サンドイッチ構造体の作製環境および評価は、特に断りのない限り、温度25℃±2℃、相対湿度50%の雰囲気で行ったものである。また、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
<成分[A]>
・エポキシ樹脂A(“jER(登録商標)”828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製))
・エポキシ樹脂B(“jER(登録商標)”154(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、平均官能基数:3.0個/分子、三菱化学(株)製))
<成分[B]>
・ジシアンジアミドA(DICY7(ジシアンジアミド、三菱化学(株)製))
<成分[C]>
・芳香族ウレアA(“Omicure(登録商標)”24(4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア、ピィ・ティ・アイ・ジャパン(株)製))
<成分[D]>
・ホウ酸エステルA(“キュアダクト(登録商標)”L−07E(ホウ酸エステル化合物を5質量部含む組成物、四国化成工業(株)製))
<成分[E]>
・熱可塑性樹脂A(“ビニレック(登録商標)”K(ポリビニルホルマール、JNC(株)製)
・熱可塑性樹脂B(“スミカエクセル(登録商標)”PES3600P(ポリエーテルスルホン、住友化学(株)製)
<強化繊維>
・強化繊維A(炭素繊維“トレカ(登録商標)”T700S−12K−60E(東レ(株)製)
<コア材>
・コア材A(“BALTEK(登録商標)”SB50、見かけ密度:0.109g/cm3、圧縮強度:5.5MPa、厚さ:9mm、3A COMPOSITES社製)
・コア材B(“フォーマック(登録商標)”HR#1000、見かけ密度:0.11g/cm3、圧縮強度:2.4MPa、厚さ:6mm、積水化成品工業(株)製)
・コア材C(ハニカムコア、ノーメックスハニカムSAH−1/8−8.0、見かけ密度:0.048g/cm3、圧縮強度:11.7MPa、厚さ:9mm、昭和飛行機工業(株)製)
・エポキシ樹脂A(“jER(登録商標)”828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製))
・エポキシ樹脂B(“jER(登録商標)”154(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、平均官能基数:3.0個/分子、三菱化学(株)製))
<成分[B]>
・ジシアンジアミドA(DICY7(ジシアンジアミド、三菱化学(株)製))
<成分[C]>
・芳香族ウレアA(“Omicure(登録商標)”24(4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア、ピィ・ティ・アイ・ジャパン(株)製))
<成分[D]>
・ホウ酸エステルA(“キュアダクト(登録商標)”L−07E(ホウ酸エステル化合物を5質量部含む組成物、四国化成工業(株)製))
<成分[E]>
・熱可塑性樹脂A(“ビニレック(登録商標)”K(ポリビニルホルマール、JNC(株)製)
・熱可塑性樹脂B(“スミカエクセル(登録商標)”PES3600P(ポリエーテルスルホン、住友化学(株)製)
<強化繊維>
・強化繊維A(炭素繊維“トレカ(登録商標)”T700S−12K−60E(東レ(株)製)
<コア材>
・コア材A(“BALTEK(登録商標)”SB50、見かけ密度:0.109g/cm3、圧縮強度:5.5MPa、厚さ:9mm、3A COMPOSITES社製)
・コア材B(“フォーマック(登録商標)”HR#1000、見かけ密度:0.11g/cm3、圧縮強度:2.4MPa、厚さ:6mm、積水化成品工業(株)製)
・コア材C(ハニカムコア、ノーメックスハニカムSAH−1/8−8.0、見かけ密度:0.048g/cm3、圧縮強度:11.7MPa、厚さ:9mm、昭和飛行機工業(株)製)
(1)エポキシ樹脂組成物の調製方法
ステンレスビーカーに、[B]ジシアンジアミド、[C]芳香族ウレアおよび[D]ホウ酸エステル以外の成分を所定量入れ、60〜150℃まで昇温し、各成分が相溶するまで適宜混練した。60℃まで降温させた後、[D]ホウ酸エステル成分を配合し、混練した。別途、ポリエチレン製カップに所定量のエポキシ樹脂AおよびジシアンジアミドAを添加し、三本ロールを用いて混合物をロール間に2回通し、ジシアンジアミドマスターを作製した。所定の配合割合になるように上記で作製した主剤成分とジシアンジアミドマスターを60℃以下で混練し、最後に[C]芳香族ウレアを添加し、60℃において30分間混練することにより、エポキシ樹脂組成物を得た。
ステンレスビーカーに、[B]ジシアンジアミド、[C]芳香族ウレアおよび[D]ホウ酸エステル以外の成分を所定量入れ、60〜150℃まで昇温し、各成分が相溶するまで適宜混練した。60℃まで降温させた後、[D]ホウ酸エステル成分を配合し、混練した。別途、ポリエチレン製カップに所定量のエポキシ樹脂AおよびジシアンジアミドAを添加し、三本ロールを用いて混合物をロール間に2回通し、ジシアンジアミドマスターを作製した。所定の配合割合になるように上記で作製した主剤成分とジシアンジアミドマスターを60℃以下で混練し、最後に[C]芳香族ウレアを添加し、60℃において30分間混練することにより、エポキシ樹脂組成物を得た。
(2)エポキシ樹脂組成物のキュアインデックスの評価方法
エポキシ樹脂組成物の硬化時間は、MDE−10キュアモニター(Homometrix−Micromet社製)を用いて測定した。前記方法で得たエポキシ樹脂組成物をサンプルとし、150℃または80℃に加熱されたプレス板上に静置し、サンプルの硬化の進行にともなうイオン粘度変化を測定した。得られたデータをASTM E2039−04に準拠してキュアインデックスに変換し、70%および10%に達した時間を算出した。
エポキシ樹脂組成物の硬化時間は、MDE−10キュアモニター(Homometrix−Micromet社製)を用いて測定した。前記方法で得たエポキシ樹脂組成物をサンプルとし、150℃または80℃に加熱されたプレス板上に静置し、サンプルの硬化の進行にともなうイオン粘度変化を測定した。得られたデータをASTM E2039−04に準拠してキュアインデックスに変換し、70%および10%に達した時間を算出した。
(3)エポキシ樹脂組成物の最低イオン粘度観測時間の評価方法
エポキシ樹脂組成物の最低イオン粘度は、MDE−10キュアモニター(Homometrix−Micromet社製)を用いて測定した。前記方法で得たエポキシ樹脂組成物をサンプルとし、80℃に加熱されたプレス板上に静置し、イオン粘度の上昇が始まるまでの時間を計測した。
エポキシ樹脂組成物の最低イオン粘度は、MDE−10キュアモニター(Homometrix−Micromet社製)を用いて測定した。前記方法で得たエポキシ樹脂組成物をサンプルとし、80℃に加熱されたプレス板上に静置し、イオン粘度の上昇が始まるまでの時間を計測した。
(4)エポキシ樹脂組成物の最低粘度観測温度の評価方法
前記(1)エポキシ樹脂組成物の調製方法、に従って得たエポキシ樹脂組成物を3g秤量し、直径40mmおよび直径50mmのパラレルプレートで挟み込み、回転型動的粘度弾性測定装置(ARES W/FCO:TAインスツルメント社製)を用いて、周波数3.14rad/s、5℃/分の昇温速度にて40℃から250℃まで温度を上げた際の前記エポキシ樹脂組成物の各温度における粘度を測定した。このとき、前記エポキシ樹脂組成物が最も低い粘度を示した際の温度を最低粘度観測温度の値とした。
前記(1)エポキシ樹脂組成物の調製方法、に従って得たエポキシ樹脂組成物を3g秤量し、直径40mmおよび直径50mmのパラレルプレートで挟み込み、回転型動的粘度弾性測定装置(ARES W/FCO:TAインスツルメント社製)を用いて、周波数3.14rad/s、5℃/分の昇温速度にて40℃から250℃まで温度を上げた際の前記エポキシ樹脂組成物の各温度における粘度を測定した。このとき、前記エポキシ樹脂組成物が最も低い粘度を示した際の温度を最低粘度観測温度の値とした。
(5)エポキシ樹脂組成物の発熱開始温度(T0:℃)と発熱終了温度(T1:℃)の差の評価方法
前記(1)エポキシ樹脂組成物の調製方法、に従って得たエポキシ樹脂組成物を3mgサンプルパンに量り取り、示差走査熱量分析計(Q−2000:TAインスツルメント社製)を用い、30℃から300℃まで5℃/分の昇温速度で等速条件にて測定した。硬化反応にともなうヒートフローを、JISK0129(2005)に従って解析した。ヒートフローのベースラインと発熱の開始、および、終了部分の接線の交点を、それぞれ、発熱開始温度(T0:℃)および発熱終了温度(T1:℃)とし、発熱開始温度と発熱終了温度の差、すなわち、T1―T0(℃)を算出した。
前記(1)エポキシ樹脂組成物の調製方法、に従って得たエポキシ樹脂組成物を3mgサンプルパンに量り取り、示差走査熱量分析計(Q−2000:TAインスツルメント社製)を用い、30℃から300℃まで5℃/分の昇温速度で等速条件にて測定した。硬化反応にともなうヒートフローを、JISK0129(2005)に従って解析した。ヒートフローのベースラインと発熱の開始、および、終了部分の接線の交点を、それぞれ、発熱開始温度(T0:℃)および発熱終了温度(T1:℃)とし、発熱開始温度と発熱終了温度の差、すなわち、T1―T0(℃)を算出した。
(6)エポキシ樹脂組成物の硬化特性の評価方法
エポキシ樹脂組成物の硬化特性は、前記(1)エポキシ樹脂組成物の調製方法、に従って得たエポキシ樹脂組成物を2mL秤量し、キュラストメーター(日合商事(株)製、JSRキュラストメーターV型)を用い、測定温度150℃、振動波形は正弦波、振動数100cpm、振幅角±1°の条件下で硬化挙動測定を行った。最大トルク(TH)を試料の体積で割った値を脱型指数とし、最大トルクの70%に到達するまでの時間を硬化時間とした。
エポキシ樹脂組成物の硬化特性は、前記(1)エポキシ樹脂組成物の調製方法、に従って得たエポキシ樹脂組成物を2mL秤量し、キュラストメーター(日合商事(株)製、JSRキュラストメーターV型)を用い、測定温度150℃、振動波形は正弦波、振動数100cpm、振幅角±1°の条件下で硬化挙動測定を行った。最大トルク(TH)を試料の体積で割った値を脱型指数とし、最大トルクの70%に到達するまでの時間を硬化時間とした。
(7)エポキシ樹脂組成物の保存安定性の評価方法
エポキシ樹脂組成物の保存安定性は、前記(1)エポキシ樹脂組成物の調製方法、に従って得た初期のエポキシ樹脂組成物をアルミカップに3g秤量し、40℃、75%RHの環境下で14日間恒温恒湿槽内に静置した後のガラス転移温度をTa(℃)、初期のガラス転移温度Tb(℃)とした時に、ガラス転移温度の変化量をΔTg=Ta−Tb(℃)と定義し、ΔTg(℃)の値で保存安定性を判定した。ガラス転移温度は、保存後のエポキシ樹脂3mgをサンプルパンに量り取り、示差走査熱量分析計(Q−2000:TAインスツルメント社製)を用い、−20℃から150℃まで5℃/分で昇温して測定した。得られた発熱カーブの変曲点の中点をガラス転移温度として取得した。
エポキシ樹脂組成物の保存安定性は、前記(1)エポキシ樹脂組成物の調製方法、に従って得た初期のエポキシ樹脂組成物をアルミカップに3g秤量し、40℃、75%RHの環境下で14日間恒温恒湿槽内に静置した後のガラス転移温度をTa(℃)、初期のガラス転移温度Tb(℃)とした時に、ガラス転移温度の変化量をΔTg=Ta−Tb(℃)と定義し、ΔTg(℃)の値で保存安定性を判定した。ガラス転移温度は、保存後のエポキシ樹脂3mgをサンプルパンに量り取り、示差走査熱量分析計(Q−2000:TAインスツルメント社製)を用い、−20℃から150℃まで5℃/分で昇温して測定した。得られた発熱カーブの変曲点の中点をガラス転移温度として取得した。
(8)プリプレグの作製方法
前記(1)エポキシ樹脂組成物の調製方法、に従い調製したエポキシ樹脂組成物を、ナイフコーターを用いて離型紙上に塗布し、39g/m2の目付の樹脂フィルムを2枚作製した。次に、シート状に一方向に配列させた炭素繊維“トレカ(登録商標)”T700S−12K−60E(東レ(株)製、目付150g/m2)に、得られた樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重ね、温度90℃、圧力2MPaの条件で加圧加熱してエポキシ樹脂組成物を含浸させ、一方向プリプレグを得た。
前記(1)エポキシ樹脂組成物の調製方法、に従い調製したエポキシ樹脂組成物を、ナイフコーターを用いて離型紙上に塗布し、39g/m2の目付の樹脂フィルムを2枚作製した。次に、シート状に一方向に配列させた炭素繊維“トレカ(登録商標)”T700S−12K−60E(東レ(株)製、目付150g/m2)に、得られた樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重ね、温度90℃、圧力2MPaの条件で加圧加熱してエポキシ樹脂組成物を含浸させ、一方向プリプレグを得た。
(9)サンドイッチ構造体の作製方法
前記(8)プリプレグの作製方法、に従い作製したプリプレグ3枚を[0°/90°/0°]となるように積層しスキン材とし、3枚積層した2部材のスキン材でコア材を挟みサンドイッチ構造体に積層した。プレス成形において、積層したサンドイッチ構造体を150℃に加熱したクローズドの両面型の下型に配置し、型を閉じ、真空下、面圧3MPaで5分間加圧した。5分間経過後、型を開け、両面型からサンドイッチ構造体を脱型し、サンドイッチ構造体を得た。
前記(8)プリプレグの作製方法、に従い作製したプリプレグ3枚を[0°/90°/0°]となるように積層しスキン材とし、3枚積層した2部材のスキン材でコア材を挟みサンドイッチ構造体に積層した。プレス成形において、積層したサンドイッチ構造体を150℃に加熱したクローズドの両面型の下型に配置し、型を閉じ、真空下、面圧3MPaで5分間加圧した。5分間経過後、型を開け、両面型からサンドイッチ構造体を脱型し、サンドイッチ構造体を得た。
(10)サンドイッチ構造体の外観評価方法
上記(9)サンドイッチ構造体の作製方法、に従って作製したサンドイッチ構造体の外観は、目視により以下の基準で判定した。
表面が平滑で、繊維蛇行や樹脂枯れ(カスレ)がない・・・A
表面はほぼ平滑だが、ピンホール、シミ、および繊維蛇行、コア形状の表面への転写等がある・・・B
表面に凸凹やカスレがあり、繊維蛇行や樹脂フローが、顕著である・・・C
上記(9)サンドイッチ構造体の作製方法、に従って作製したサンドイッチ構造体の外観は、目視により以下の基準で判定した。
表面が平滑で、繊維蛇行や樹脂枯れ(カスレ)がない・・・A
表面はほぼ平滑だが、ピンホール、シミ、および繊維蛇行、コア形状の表面への転写等がある・・・B
表面に凸凹やカスレがあり、繊維蛇行や樹脂フローが、顕著である・・・C
(実施例1)
[A]エポキシ樹脂として“jER(登録商標)”828を20質量部、“jER(登録商標)”154を80質量部、[B]ジシアンジアミドとしてDICY7を11.6質量部、および[C]芳香族ウレアとして“Omicure(登録商標)”24を4.6質量部、[D]ホウ酸エステルを含む混合物として“キュアダクト(登録商標)”L−07Eを3.0質量部用いて、上記(1)エポキシ樹脂組成物の作製方法、に従ってエポキシ樹脂組成物を調製した。表1に示すとおり、このエポキシ樹脂組成物の条件[a]への該否の確認のために求めた「成分[D]の含有量/成分[C]の含有量」は0.033であり、条件[b]への該否の確認のために求めた「成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数」は1.0であり、条件[c]への該否の確認のために求めた「成分[A]の含有量/成分[C]の含有量」は22であった。条件1への該否の確認のために求めた「80℃のキュアインデックス10%到達時間」は217分であり、安定性は良好であり、条件2への該否の確認のために求めた「150℃のキュアインデックス70%到達時間」は66秒であり、速硬化性は良好であり、条件3への該否の確認のために求めた「最低粘度を示す温度」は123℃であり、条件4への該否の確認のために求めた「T1−T0」は17℃であり、条件5への該否の確認のために求めた「脱型指数」は、0.52N・m/cm3であり、条件6への該否の確認のために求めた「硬化時間(キュラストメーター測定にてピークトルクが70%に到達するまでの時間」は、115秒であり、速硬化性は良好であった。
[A]エポキシ樹脂として“jER(登録商標)”828を20質量部、“jER(登録商標)”154を80質量部、[B]ジシアンジアミドとしてDICY7を11.6質量部、および[C]芳香族ウレアとして“Omicure(登録商標)”24を4.6質量部、[D]ホウ酸エステルを含む混合物として“キュアダクト(登録商標)”L−07Eを3.0質量部用いて、上記(1)エポキシ樹脂組成物の作製方法、に従ってエポキシ樹脂組成物を調製した。表1に示すとおり、このエポキシ樹脂組成物の条件[a]への該否の確認のために求めた「成分[D]の含有量/成分[C]の含有量」は0.033であり、条件[b]への該否の確認のために求めた「成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数」は1.0であり、条件[c]への該否の確認のために求めた「成分[A]の含有量/成分[C]の含有量」は22であった。条件1への該否の確認のために求めた「80℃のキュアインデックス10%到達時間」は217分であり、安定性は良好であり、条件2への該否の確認のために求めた「150℃のキュアインデックス70%到達時間」は66秒であり、速硬化性は良好であり、条件3への該否の確認のために求めた「最低粘度を示す温度」は123℃であり、条件4への該否の確認のために求めた「T1−T0」は17℃であり、条件5への該否の確認のために求めた「脱型指数」は、0.52N・m/cm3であり、条件6への該否の確認のために求めた「硬化時間(キュラストメーター測定にてピークトルクが70%に到達するまでの時間」は、115秒であり、速硬化性は良好であった。
また、このエポキシ樹脂組成物を、上記(7)エポキシ樹脂組成物の保存安定性の評価方法、に従って評価したΔTgは14℃であり、良好であった。
また、上記(8)プリプレグの作製方法、に記載の方法で、プリプレグを作製し、上記(9)サンドイッチ構造体の作製方法、に記載の方法でサンドイッチ構造体を作製し、上記(10)サンドイッチ構造体の外観評価方法、に従って評価した表面外観はAであり、良好であった。
(実施例2〜7)
スキン材として、エポキシ樹脂、ジシアンジアミド、芳香族ウレア、ホウ酸エステル、熱可塑性樹脂、強化繊維、コア材として表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてサンドイッチ構造体を得た。条件[a]への該否の確認のために求めた「成分[D]の含有量/成分[C]の含有量」は0.014〜0.045であり、条件[b]への該否の確認のために求めた「成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数」は0.9〜1.2であり、条件[c]への該否の確認のために求めた「成分[A]の含有量/成分[C]の含有量」は14〜25の範囲内であった。また、条件1〜6をすべて満たし、良好であった。また、エポキシ樹脂組成物の保存安定性、サンドイッチ構造体の外観評価は良好であった。得られた結果を表1にまとめて示す。
スキン材として、エポキシ樹脂、ジシアンジアミド、芳香族ウレア、ホウ酸エステル、熱可塑性樹脂、強化繊維、コア材として表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてサンドイッチ構造体を得た。条件[a]への該否の確認のために求めた「成分[D]の含有量/成分[C]の含有量」は0.014〜0.045であり、条件[b]への該否の確認のために求めた「成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数」は0.9〜1.2であり、条件[c]への該否の確認のために求めた「成分[A]の含有量/成分[C]の含有量」は14〜25の範囲内であった。また、条件1〜6をすべて満たし、良好であった。また、エポキシ樹脂組成物の保存安定性、サンドイッチ構造体の外観評価は良好であった。得られた結果を表1にまとめて示す。
(比較例1)
スキン材として、エポキシ樹脂、ジシアンジアミド、芳香族ウレア、ホウ酸エステル、熱可塑性樹脂、強化繊維、コア材として表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてサンドイッチ構造体を得た。条件[a]への該否の確認のために求めた「成分[D]の含有量/成分[C]の含有量」は0であり、条件[b]への該否の確認のために求めた「成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数」は1.0であり、条件[c]への該否の確認のために求めた「成分[A]の含有量/成分[C]の含有量」は23であった。得られたエポキシ樹脂組成物は、条件2および6を満たし、良好であったが、条件1,3,4,5を満たさず、不十分であった。また、エポキシ樹脂組成物の保存安定性は40℃であり、不十分であった。サンドイッチ構造体の外観評価はCであり、不十分であった。
スキン材として、エポキシ樹脂、ジシアンジアミド、芳香族ウレア、ホウ酸エステル、熱可塑性樹脂、強化繊維、コア材として表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてサンドイッチ構造体を得た。条件[a]への該否の確認のために求めた「成分[D]の含有量/成分[C]の含有量」は0であり、条件[b]への該否の確認のために求めた「成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数」は1.0であり、条件[c]への該否の確認のために求めた「成分[A]の含有量/成分[C]の含有量」は23であった。得られたエポキシ樹脂組成物は、条件2および6を満たし、良好であったが、条件1,3,4,5を満たさず、不十分であった。また、エポキシ樹脂組成物の保存安定性は40℃であり、不十分であった。サンドイッチ構造体の外観評価はCであり、不十分であった。
(比較例2〜7)
スキン材として、エポキシ樹脂、ジシアンジアミド、芳香族ウレア、ホウ酸エステル、熱可塑性樹脂、強化繊維、コア材として表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてサンドイッチ構造体を得た。条件[a]への該否の確認のために求めた「成分[D]の含有量/成分[C]の含有量」は0〜0.05であり、条件[b]への該否の確認のために求めた「成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数」は0.8〜2.3であり、条件[c]への該否の確認のために求めた「成分[A]の含有量/成分[C]の含有量」は9〜33の範囲内であった。また、条件1〜6をすべて満たすことはなく、不十分であった。また、エポキシ樹脂組成物の保存安定性は表2に示す結果であり、サンドイッチ構造体の外観評価はすべてCであり、不十分であった。得られた結果を表2にまとめて示す。
スキン材として、エポキシ樹脂、ジシアンジアミド、芳香族ウレア、ホウ酸エステル、熱可塑性樹脂、強化繊維、コア材として表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてサンドイッチ構造体を得た。条件[a]への該否の確認のために求めた「成分[D]の含有量/成分[C]の含有量」は0〜0.05であり、条件[b]への該否の確認のために求めた「成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数」は0.8〜2.3であり、条件[c]への該否の確認のために求めた「成分[A]の含有量/成分[C]の含有量」は9〜33の範囲内であった。また、条件1〜6をすべて満たすことはなく、不十分であった。また、エポキシ樹脂組成物の保存安定性は表2に示す結果であり、サンドイッチ構造体の外観評価はすべてCであり、不十分であった。得られた結果を表2にまとめて示す。
実施例1〜7と比較例1〜7との対比により、本発明のサンドイッチ構造体は、特定のエポキシ樹脂組成物と強化繊維から構成される繊維強化複合材料のスキン材とコア材からなるサンドイッチ構造体を用いていることから、速硬化性と保存安定性に優れていることがわかる。
本発明のサンドイッチ構造体によれば、速硬化性と保存安定性に優れたサンドイッチ構造体を得ることができる。よって、ノートパソコンなどの電気・電子機器の部品、部材や筐体、自動車部材、自転車部材、スポーツ用品用構造材、航空機内装材、輸送用箱体、などの幅広い用途に好適に用いることができる。
Claims (8)
- 次の成分[A]、[B]、[C]、[D]を含み、下記条件[a]、[b]、[c]を満たすエポキシ樹脂組成物と強化繊維から構成される繊維強化複合材料のスキン材が、コア材の両面に配置された構成を有するサンドイッチ構造体。
[A]:エポキシ樹脂
[B]:ジシアンジアミド
[C]:芳香族ウレア
[D]:ホウ酸エステル
[a]:0.014≦(成分[D]の含有量/成分[C]の含有量)≦0.045
[b]:0.9≦(成分[A]の活性基モル数/成分[B]の活性水素モル数)≦1.2
[c]:14≦(成分[A]の含有量/成分[C]の含有量)≦25 - 成分[A]が3官能以上の多官能エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載のサンドイッチ構造体。
- コア材の見かけ密度が0.03〜0.5g/cm3である、請求項1〜3のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
- コア材の圧縮強度が5〜25MPaである、請求項1〜4のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
- コア材が、発泡体、ハニカム及び木材からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のサンドイッチ構造体。
- コア材がバルサ材である、請求項6に記載のサンドイッチ構造体。
- コア材が硬質アクリル発泡体である、請求項6に記載のサンドイッチ構造体。
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2018
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