JP2020044707A - 積層体と車両用内装材の表皮材 - Google Patents
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Abstract
Description
他方、表面層は、車両のシートに要求される装飾性や感触性などに応じて本革や合成皮革あるいはファブリック等からなる適宜の材質で構成されている。
さらに、車両用内装材の表皮材には、車両火災の場合などを考慮して難燃性が求められるため、本発明は、低VOC及び難燃性が良好な積層体と車両用内装材の表皮材の提供を目的とする。
発泡ポリウレタン層11は、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒及び難燃剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物が発泡して得られたたものである。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールが用いられる。ポリエーテルポリオールは、多価アルコールにアルキレンオキシドを付加重合させて得られる化合物のほか、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。多価アルコールとしては、グリセリン、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン等が用いられる。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が用いられる。
さらにその他の添加剤の例として、必要に応じて充填剤、安定剤、着色剤、可塑剤、抗菌剤等、公知の添加剤を挙げることができる。
難燃剤1:メラミン粉末、平均粒子径0.3μm、品名;メラミン、三井化学株式会社製
難燃剤2:リン含有固体難燃剤、脂肪族リン酸アミデート、品名;DAIGURD−850、大八化学工業株式会社製
難燃剤3:リン含有液体難燃剤、縮合リン酸エステル、品名;DAIGURD−880、大八化学工業株式会社製
発泡剤:水
整泡剤:シリコーン系整泡剤、品名;B−8244、Evonik社製
アミン触媒:N,N−ジメチルアミノヘキサノール、品名;No.25、花王株式会社製
金属触媒1:活性水素基を含むリシノール酸スズ、品名;KOSMOS EF、Evonik社製
金属触媒2:オクチル酸第1スズ、城北化学工業(株)製
・ポリオール成分(A)
結晶性ポリエステルポリオール(a−1):セバシン酸/ブタンジオール、融点60℃、数平均分子量4000、35質量部
ポリエーテルポリオール(a−2):ポリプロピレングリコール(付加形式PO単独)、数平均分子量2000、50質量部
その他のポリオール(a−3):非晶性ポリエステルポリオール、フタル酸/ネオペンチルグリコール、数平均分子量1000、15質量部
・ポリイソシアネート(B)
ジフェニルメタンジイソシアネート、NCO%=33%、24質量部
・アミン触媒:N,N−ジメチルドデシルアミン、0.05質量部
・ポリオール成分(A)
結晶性ポリエステルポリオール(a−1):ドデカン二酸/ヘキサンジオール、融点70℃、数平均分子量4000、35質量部
ポリエーテルポリオール(a−2):ポリプロピレングリコール(付加形式PO単独)、数平均分子量2000、50質量部
その他のポリオール(a−3):ポリカーボネートジオール(付加形式PO単独)、融点50℃、数平均分子量1000、15質量部
・ポリイソシアネート(B)
ジフェニルメタンジイソシアネート、NCO%=33%、24質量部
・アミン触媒:N,N−ジメチルドデシルアミン、0.05質量部
・ポリオール成分(A)
結晶性ポリエステルポリオール(a−1):ドデカン二酸/ヘキサンジオール、融点70℃、数平均分子量4000、35質量部
ポリエーテルポリオール(a−2):ポリプロピレングリコール(付加形式PO単独)、数平均分子量2000、50質量部
その他のポリオール(a−3):ブチルエチルプロパンジオール(付加形式PO単独)、融点43℃、15質量部
・ポリイソシアネート(B)
ジフェニルメタンジイソシアネート、NCO%=33%、40質量部
・アミン触媒:N,N−ジメチルドデシルアミン、0.05質量部
・ポリオール成分(A)
結晶性ポリエステルポリオール(a−1):セバシン酸/ヘキサンジオール、融点65℃、数平均分子量4000、20質量部
ポリエーテルポリオール(a−2):ポリプロピレングリコール(付加形式PO単独)、数平均分子量2000、80質量部
・ポリイソシアネート(B)
ジフェニルメタンジイソシアネート、NCO%=33%、18質量部
・アミン触媒:N,N−ジメチルドデシルアミン、0.05質量部
燃焼性の測定は、FMVSS302に基づき行った。燃焼性の判定は、燃焼距離51mm以内且つ60秒以内で炎が消える場合に「自消」、試験片に着火しないまたはA標線手前で炎が消える場合に「不燃」、燃焼速度が102mm/min以下の場合に「合格」であり、「合格」→「自消」→「不燃」の順に難燃性が高くなり、「不燃」が最も難燃性に優れる。
また、VOC等の評価を行った。評価基準は、VOC<100ppm、FOG<250ppm、TVOC<30μgC/gを全て満たす場合に「〇」、いずれかひとつでも満たさない場合に「×」とした。
なお、図3におけるFOG、TVOCの結果欄における「−」は未測定を意味する。
実施例1の発泡ポリウレタン層は、ポリオール100質量部、難燃剤2(リン含有固体難燃剤)5質量部、発泡剤(水)3.9質量部、整泡剤1.1質量部、アミン触媒0.18質量部、金属触媒1(活性水素基を含むリシノール酸スズ)0.8質量部、イソシアネートインデックス103からなる発泡ポリウレタン樹脂組成物から得られたものである。実施例1の発泡ポリウレタン層は、密度25.0kg/m3、引張強度97kPa、伸び198%である。
実施例2の発泡ポリウレタン層は、ポリオール100質量部、難燃剤1(メラミン粉末)4重量部、難燃剤2(リン含有固体難燃剤)4質量部、発泡剤(水)3.95質量部、整泡剤1.1質量部、アミン触媒0.18質量部、金属触媒1(活性水素基を含むリシノール酸スズ)1.3質量部、イソシアネートインデックス103からなる発泡ポリウレタン樹脂組成物から得られたものである。実施例2の発泡ポリウレタン層は、密度25.7kg/m3、引張強度90kPa、伸び216%である。
(実施例3)
実施例3の発泡ポリウレタン層は、ポリオール100質量部、難燃剤1(メラミン粉末)4重量部、難燃剤2(リン含有固体難燃剤)4質量部、発泡剤(水)3質量部、整泡剤1.5質量部、アミン触媒0.1質量部、金属触媒1(活性水素基を含むリシノール酸スズ)2.75質量部、イソシアネートインデックス110からなる発泡ポリウレタン樹脂組成物から得られたものである。実施例3の発泡ポリウレタン層は、密度34.9kg/m3、引張強度132kPa、伸び204%である。
実施例4の発泡ポリウレタン層は、実施例2と同一の発泡ポリウレタン樹脂組成物から得られたものであり、物性値は実施例2の発泡ポリウレタン層と同じである。
実施例4の積層体は、発泡ポリウレタン層の片面にホットメルト接着剤2によって被覆層が接着されたものであり、燃焼距離0mm、燃焼性の判定「不燃」、VOC値70ppm、FOG値34ppm、TVOC値14μgC/g、VOC等の評価「〇」、総合評価「〇」である。実施例4の積層体は、難燃性が良好、かつ低VOCである。
実施例5の発泡ポリウレタン層は、実施例2と同一の発泡ポリウレタン樹脂組成物から得られたものであり、物性値は実施例2の発泡ポリウレタン層と同じである。
実施例5の積層体は、発泡ポリウレタン層の片面にホットメルト接着剤3によって被覆層が接着されたものであり、燃焼距離0mm、燃焼性の判定「不燃」、VOC値69ppm、FOG値41ppm、TVOC値8μgC/g、VOC等の評価「〇」、総合評価「〇」である。実施例5の積層体は、難燃性が良好、かつ低VOCである。
実施例6の発泡ポリウレタン層は、実施例2と同一の発泡ポリウレタン樹脂組成物から得られたものであり、物性値は実施例2の発泡ポリウレタン層と同じである。
実施例6の積層体は、発泡ポリウレタン層の片面にホットメルト接着剤4によって被覆層が接着されたものであり、燃焼距離0mm、燃焼性の判定「不燃」、VOC値88ppm、FOG値53ppm、TVOC値10μgC/g、VOC等の評価「〇」、総合評価「〇」である。実施例6の積層体は、難燃性が良好、かつ低VOCである。
比較例1の発泡ポリウレタン層は、ポリオール100質量部、難燃剤1(メラミン粉末)15質量部、発泡剤(水)4.3質量部、整泡剤1.1質量部、アミン触媒0.18質量部、金属触媒2(オクチル酸第1スズ)0.31質量部、イソシアネートインデックス103からなる発泡ポリウレタン樹脂組成物から得られたものである。比較例1の発泡ポリウレタン層は、密度24.6kg/m3、引張強度70kPa、伸び97%である。
比較例2の発泡ポリウレタン層は、ポリオール100質量部、難燃剤1(メラミン粉末)20質量部、発泡剤(水)4.7質量部、整泡剤1.1質量部、アミン触媒0.18質量部、金属触媒2(オクチル酸第1スズ)0.31質量部、イソシアネートインデックス103からなる発泡ポリウレタン樹脂組成物から得られたものである。比較例1の発泡ポリウレタン層は、密度25.5kg/m3、引張強度56kPa、伸び64%である。
比較例3の発泡ポリウレタン層は、実施例1における金属触媒1(活性水素基を含むリシノール酸スズ)に代えて金属触媒2(オクチル酸第1スズ)0.31質量部を用い、他を実施例1と同一にした例である。比較例3の発泡ポリウレタン層は、密度25.6kg/m3、引張強度114kPa、伸び206%である。
比較例4の発泡ポリウレタン層は、実施例2における難燃剤2(リン含有固体難燃剤)4質量部に代えて難燃剤3(リン含有液体難燃剤)4質量部を使用し、他を実施例2と同様とした例である。比較例4の発泡ポリウレタン層は、密度24.8kg/m3、引張強度105kPa、伸び201%である。
比較例5の発泡ポリウレタン層は、実施例3と同一の発泡ポリウレタン樹脂組成物から得られたものであり、物性値は実施例3の発泡ポリウレタン層と同じである。
比較例6の発泡ポリウレタン層は、実施例3と同一の発泡ポリウレタン樹脂組成物から得られたものであり、物性値は実施例3の発泡ポリウレタン層と同じである。
さらに、実施例1〜6の積層体は、低VOC及び難燃性が良好なものであるため、本革や合成皮革、ファブリック等からなる表面層が本発明のポリウレタンホットメルト接着剤により接着された積層体も、フレームラミネートで表面層が接着されたものと比べて低VOC及び難燃性が良好なものになり、車両用内装材の表皮材として好適である。
11 発泡ポリウレタン層
13、17 ポリウレタンホットメルト接着剤
15 被覆層
19 表面層
Claims (7)
- ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、触媒及び難燃剤を含む発泡ポリウレタン樹脂組成物から得られた発泡ポリウレタン層に被覆層が積層されてなる積層体において、
前記発泡ポリウレタン樹脂組成物は、前記触媒として活性水素基を含むリシノール酸スズと、前記難燃剤としてリン含有固体難燃剤とが含まれ、
前記発泡ポリウレタン層と前記被覆層は、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート(B)を原料とするポリウレタンプレポリマーを含有するポリウレタンホットメルト接着剤によって接着され、
前記ポリウレタンホットメルト接着剤における前記ポリウレタンプレポリマーは、前記ポリオール成分(A)として、炭素数10〜12の脂肪族ジカルボン酸と炭素数4〜6の脂肪族ジオールの縮合反応からなる結晶性ポリエステルポリオール(a−1)と、ポリエーテルポリオール(a−2)とが含まれ、前記ポリオール成分(A)における前記ポリエーテルポリオール(a−2)の含有量が、前記ポリオール成分(A)100質量部に対して30〜80質量部であることを特徴とする積層体。 - 前記発泡ポリウレタン樹脂組成物における前記難燃剤は、前記リン含有固体難燃剤と、平均粒子径0.1〜0.5μmのメラミン粉末とが含まれることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記発泡ポリウレタン樹脂組成物における前記リン含有固体難燃剤は、リン酸エステル化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体。
- 前記ポリウレタンホットメルト接着剤における前記ポリウレタンプレポリマーの前記結晶性ポリエステルポリオール(a−1)は、数平均分子量が1000〜5000であり、前記ポリエーテルポリオール(a−2)は、数平均分子量が1000〜4000であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の積層体。
- 前記ポリウレタンホットメルト接着剤における前記ポリウレタンプレポリマーの前記ポリオール成分(A)は、その他のポリオール(a−3)として、非晶性ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、数平均分子量500以下の低分子量ジオールからなる群より選択される1以上のポリオールが含まれることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の積層体。
- 前記発泡ポリウレタン層における前記被覆層とは反対側の面に前記ポリウレタンホットメルト接着剤によって表面層が接着されていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の積層体。
- 請求項6に記載された前記積層体を用いてなる車両用内装材の表皮材。
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