JP2017043697A - 電子機器用封止材、及び、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、電子機器の表面細部にまで充填でき、かつ、湿気硬化により発生する炭酸ガスが気泡となって残存することなく硬化が可能な電子機器用封止材を提供することである。
【解決手段】 本発明は、コーンプレート粘度計により測定した120℃における溶融粘度が5,000mPa・s以下であり、かつ、40℃雰囲気下で塗布し60分放置した後の40℃におけるJISA硬度が35以上である湿気硬化型ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする電子機器用封止材を提供するものである。前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂が、結晶性ポリエステルポリオール(a−1)及び脂環式ポリエステルポリオール(a−2)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であるウレタンプレポリマーであることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子機器用封止材、及び、該封止材により封止された電子機器に関する。
近年、電子機器の高密度化及び高集積化が進み、各部品に対して信頼性の向上が求められている。特に、自動車のエンジンや給湯器等に使用される電子機器は、常温での耐湿性のみならず、高温環境下にあっても高い信頼性が要求される。このため電子機器には、性能付与のためにウレタン樹脂やエポキシ樹脂による封止等が施されている。
前記封止材に使用されるウレタン樹脂としては、取扱い性や厚さの制御が容易なことから、湿気硬化型ポリウレタン樹脂が注目されている。電子機器に使用することができる湿気硬化型ポリウレタン樹脂としては、例えば、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、及び特定量のシリコーンパウダーを含有する一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら、前記ポリウレタン樹脂は粘度が非常に高いため、例えばICチップを実装した回路基板のような細かな部位を有する電子機器を封止する際には、細部にまで隙間なく充填することが極めて困難であった。
また、湿気硬化型ポリウレタン樹脂の粘度を低く設計した場合には、電子機器の細部への充填性には優れるものの、湿気硬化の際に発生する炭酸ガスが気泡となり残存しやすくなるため、電子機器の特性に悪影響を及ぼす恐れがあった。
特開2008−156500号公報
本発明が解決しようとする課題は、電子機器の細部にまで充填でき、かつ、湿気硬化により発生する炭酸ガスが気泡となって残存することなく硬化が可能な電子機器用封止材を提供することである。
本発明は、コーンプレート粘度計により測定した120℃における溶融粘度が5,000mPa・s以下であり、かつ、23℃雰囲気下で塗布し40℃の条件で60分放置した後のJISA硬度が35以上である湿気硬化型ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする電子機器用封止材を提供するものである。
また、本発明は、前記電子機器用封止材により封止されたことを特徴とする電子機器を提供するものである。
即ち、本発明は以下の態様を包含する:
項1.常温で固形であって、コーンプレート粘度計により測定した120℃における溶融粘度が5,000mPa・s以下であり、かつ、塗布後40℃の条件で60分放置した後の硬さ(タイプA)が35以上である湿気硬化型ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする電子機器用封止材.
項2.前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂が、結晶性脂肪族ポリエステルポリオール(a−1)及び脂環式ポリエステルポリオール(a−2)を合計で30〜80質量%含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であるウレタンプレポリマーである項1記載の電子機器用封止材.
項3.前記結晶性脂肪族ポリエステルポリオール(a−1)の使用量が、前記ポリオール(A)中15〜50質量%の範囲である項2記載の電子機器用封止材.
項4.前記ポリオール(A)がさらにポリエーテルポリオールを含有する、項2又は3記載の電子機器用封止材.
項5.項1〜4のいずれか1項記載の電子機器用封止材により一部及び/又は全面に封止されたことを特徴とする電子機器.
本発明の電子機器用封止材は、電子機器の細部まで充填でき(以下、「細部充填性」と略記する。)、かつ、湿気硬化により発生する炭酸ガスが気泡となって残存することなく硬化が可能(以下、「耐発泡性」と略記する。)なものである。また、本発明において、特定のウレタンプレポリマーを含有する電子機器用封止材を使用した場合には、上記効果に加え、良好な絶縁性が得られる。
本発明の電子機器用封止材は、コーンプレート粘度計により測定した120℃における溶融粘度(以下、「溶融粘度」と略記する。)が5,000mPa・s以下であり、かつ、23℃雰囲気下で塗布し40℃の条件で60分放置した後のJISA硬度(以下、「初期硬度」と略記する。)が35以上である湿気硬化型ポリウレタン樹脂を含有するものである。
本発明においては、前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂の前記溶融粘度が5,000mPa・s以下であることにより細部充填性に優れ、かつ、前記初期硬度が35以上であることにより湿気硬化により発生した炭酸ガスを気泡となるまで成長させずに抑え込むことができ、優れた耐発泡性が得られる。
前記溶融粘度としては、良好な細部充填性及び機械的強度が得られる点から、1,000〜4,800mPa・sの範囲であることが好ましく、1,500〜4,500mPa・sの範囲であることがより好ましい。なお、前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂の前記溶融粘度は、前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂を120℃で1時間溶融した後、コーンプレート計(40Pコーン、ローター回転数;50rpm)を使用して測定した値を示す。
前記初期硬度としては、細部充填性及び耐発泡性を高いレベルで維持できる点から、35〜50の範囲であることが好ましく、37〜45の範囲であることがより好ましい。なお、前記湿気ポリウレタン樹脂の前記初期硬度は、前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂を120℃で1時間溶融した後、23℃雰囲気下で塗布し40℃の条件で60分放置した後の塗膜表面のJISA硬度をJISK7312−1996に準拠して測定した値を示す。
前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂は、湿気により硬化するためイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーであることが好ましい。前記ウレタンプレポリマーは、例えば、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)とを反応させて得られるものを用いることができる。
なお、本発明において、前記溶融粘度及び前記初期硬度を満たす湿気硬化型ポリウレタン樹脂を得るためには、前記ウレタンプレポリマーの原料であるポリオール(A)の種類及びイソシアネート基含有率を調整することが最も重要である。
前記ポリオール(A)としては、特に制限されないが、例えば、結晶性脂肪族ポリエステルポリオール、脂環式ポリエステルポリオール、芳香族ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよいが、前記溶融粘度及び前記初期硬度を調整しやすい点から、2種以上を併用することが好ましい。
前記結晶性脂肪族ポリエステルポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、水酸基を2個以上有する化合物と多塩基酸とを反応させたものを用いることができる。なお、本発明において、「結晶性」とは、JISK7121:2012に準拠したDSC(示差走査熱量計)測定において、結晶化熱あるいは融解熱のピークを確認できるものを示す。
前記水酸基を2個以上(好ましくは2〜3、より好ましくは2)有する化合物としては、特に制限されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン等の炭素原子数2〜16(好ましくは4〜14、より好ましくは6〜12)の脂肪族ポリオール)を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも結晶性を高めることができる点から、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール等を用いることが好ましい。
前記多塩基酸としては、特に制限されないが、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸等の炭素原子数2〜16(好ましくは6〜14、より好ましくは8〜12)の脂肪族ポリカルボン酸)を用いることができる。これらの多塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記脂環式ポリエステルポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、脂環式ポリオールと脂肪族ポリカルボン酸(又はその酸誘導体)とを反応させて得られたもの;脂肪族ポリオールと脂環式ポリカルボン酸(又はその酸誘導体)とを反応させて得られたもの等を用いることができる。
前記脂環式ポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、及びこれらの脂環式ポリオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加させた付加物などを用いることができる。これらの脂環式ポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記脂肪族ポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチルプロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を用いることができる。これらの脂肪族ポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記脂環式ポリカルボン酸としては、特に制限されないが、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸等を用いることができる。これらの脂環式ポリカルボン酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記脂肪族ポリカルボン酸としては、特に制限されないが、例えば、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、エイコサ二酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸などの炭素数4〜12の脂肪族ポリカルボン酸等を用いることができる。これらの脂肪族ポリカルボン酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記芳香族ポリエステルポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、水酸基を2個以上有する化合物と芳香族多塩基酸とを反応させたものを用いることができる。前記水酸基を2個以上有する化合物としては、例えば、前記結晶性脂肪族ポリエステルポリオールの原料として用いることができる化合物と同様のものを用いることができる。
前記芳香族多塩基酸としては、特に制限されないが、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、これらの無水物等を用いることができる。これらの多塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等を用いることができる。これらのポリエーテルポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、特に制限されないが、例えば、水酸基を2個以上有する化合物と炭酸エステル及び/又はホスゲンとを反応させて得られるものを用いることができる。前記水酸基を2個以上有する化合物としては、例えば、前記結晶性脂肪族ポリエステルポリオールの原料として用いることができる化合物と同様のものを用いることができる。
前記炭酸エステルとしては、特に制限されないが、例えば、メチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネート等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリオール(A)で用いることができる各ポリオールの数平均分子量としては、溶融粘度、初期硬度、及び機械的強度点から、500〜5,000の範囲であることが好ましく、700〜4,000の範囲がより好ましい。同様の観点から、特に、結晶性脂肪族ポリエステルポリオールの数平均分子量は500〜2000(特に700〜1500)の範囲が好ましく、脂環式ポリエステルポリオールの数平均分子量は500〜2000(特に700〜1500)の範囲が好ましく、ポリエーテルポリオールの数平均分子量は1000〜3000(特に1500〜2500)の範囲が好ましく、芳香族ポリエステルポリオールの数平均分子量は2500〜4500(特に3000〜4000)の範囲が好ましい。なお、前記ポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」。
前記ポリオール(A)の調整としては、溶融粘度を低下させるためには、結晶性脂肪族ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、数平均分子量が500〜1,000の範囲の比較的低分子量のポリオール等を用いることが好ましい。一方、初期硬度を向上するためには、非常に柔軟性に富むポリエーテルポリオールの量を減らすことや、比較的硬いソフトセグメントを有する脂環式ポリエステルポリオール、芳香族ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を用いることが好ましい。よって、これらの中から2種以上のポリオールを適宜選択することにより前記溶融粘度及び前記初期硬度を満たす湿気硬化型ポリウレタン樹脂を得ることができる。
前記ポリオール(A)としては、前記溶融粘度及び前記初期硬度を調整しやすい点から、結晶性脂肪族ポリエステルポリオール及び脂環式ポリエステルポリオールを合計で30〜80質量%含むことが好ましく、32〜60質量%含むことがより好ましく、40〜60質量%含むことがさらに好ましく、45〜60質量%含むことがよりさらに好ましい。更に、前記結晶性脂肪族ポリエステルポリオールの使用量としては、細部充填性及び耐発泡性に加え、適度な疎水性を発現できることにより良好な絶縁性が得られる点から、ポリオール(A)中15〜50質量%の範囲であることが好ましく、20〜50質量%の範囲であることがより好ましく、30〜50質量%の範囲であることがさらに好ましく、35〜48質量%の範囲であることがよりさらに好ましい。
前記ポリオール(A)は、前記結晶性脂肪族ポリエステルポリオール及び前記脂環式ポリエステルポリオール以外に、さらにポリエーテルポリオールを含有することが好ましい。この場合、ポリエーテルポリオールの使用量としては、ポリオール(A)中20〜50質量%の範囲であることが好ましく、30〜50質量%の範囲であることがより好ましく、35〜48質量%の範囲であることがさらに好ましい。
前記ポリイソシアネート(B)と反応させる直前の、前記ポリオール(A)の水分含有率は、保存安定性に優れる観点から、好ましくは0.10質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下である。
前記ポリイソシアネート(B)としては、特に制限されないが、例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、反応性及び基材密着性の点から、芳香族ポリイソシアネートを用いることが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートを用いることがより好ましい。
前記ウレタンプレポリマーの製造方法としては、例えば、前記ポリイソシアネート(B)の入った反応容器に、前記ポリオール(A)の混合物を滴下した後に加熱し、前記ポリイソシアネート(B)の有するイソシアネート基が、前記ポリオール(A)の有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させることによって製造する方法が挙げられる。加熱条件は、ウレタンプレポリマーが形成される限りにおいて特に制限されないが、例えば90〜110℃で2〜8時間という条件が挙げられる。
前記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有率(以下、「NCO%」と略記する。)としては、前記溶融粘度及び初期硬度を調整しやすい点から、2.7〜3.6質量%の範囲であることが好ましく、3.2〜3.6質量%の範囲であることがより好ましい。なお、前記ウレタンプレポリマーのNCO%は、JISK1603−1:2007に準拠した、電位差滴定法により測定した値を示す。
本発明の電子機器用封止材は前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂を必須成分として含有するものであるが、必要に応じて、その他の添加剤を含有してもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、硬化触媒、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、シランカップリング剤、増粘剤、チキソ性付与剤等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の電子機器用封止材により電子機器を封止する方法としては、例えば容器内に電子機器を載置し、その後本発明の電子機器用封止材を注入・充填する、あるいは、溶融させた本発明の電子機器用封止材を電子機器の上から一部及び/又は全面に塗布して、湿気硬化させ封止することにより封止材層を有する電子機器が得られる。
前記封止材層の厚さとしては、例えば0.001〜1cmの範囲で適宜決定することができる。
本発明の電子機器用封止材を湿気硬化させる養生方法としては、例えば、温度20〜80℃、湿度30〜90%の条件下で、30分〜5日間放置する方法が挙げられる。
本発明の電子機器用封止材は、例えばトランスコイル、チョ−クコイル、リアクトルコイル等の変圧器、機器制御基盤、各種センサ−等の電気電子部品に適用することができる。このような電子機器用封止材を用いた電気電子部品も、本発明のひとつである。本発明の電子機器用封止材を用いた電気電子部品は、例えば電気洗濯機、便座、湯沸し器、浄水器、風呂、食器洗濯機、電動工具、自動車、バイク等に用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
[実施例1]
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四ツ口フラスコに、結晶性脂肪族ポリエステルポリオール(ドデカン二酸及び1,12−ドデカンジオールを反応させたもの、数平均分子量;1,000、以下「結晶性PEs−1」と略記する。)14質量部、脂環式ポリエステルポリオール(ネオペンチルグリコール及びシクロヘキシルジカルボン酸を反応させたもの、数平均分子量;1,000、以下「脂環式PEs−1」と略記する。)14質量部、ポリオキシプロピレングリコール(数平均分子量;2,000、以下「PPG」と略記する。)26質量部、芳香族ポリエステルポリオール(エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、イソフタル酸及びテレフタル酸を反応させたもの、数平均分子量:3,500、以下「芳香族PEs−1」と略記する。)を24質量部仕込み、100℃減圧条件下で水分含有率が0.05質量%以下となるまで脱水した。なお、水分含有率は、カールフィッシャー水分計(京都電子工業株式会社製、MKC-610)で測定した。
次いで、容器内温度70℃に冷却後、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「MDI」と略記する。)22質量部を加え、100℃まで昇温して、NCO%をJISK1603−1:2007に準拠した電位差適定法により随時測定しながら、NCO%が一定となるまで約5時間反応させて、NCO%;3.5質量%の湿気硬化型ポリウレタン樹脂を得、電子機器用封止材とした。
[実施例2〜4、比較例1〜2]
用いるポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)の種類及び/又は量を表1〜2に示す通りに変更した以外は実施例1と同様に電子機器用封止材を得た。
[溶融粘度の測定方法]
実施例及び比較例で得られた電子機器用封止材を120℃で1時間溶融した後に、1mlをサンプリングし、コーンプレート粘度計(M・S・Tエンジニアリング株式会社製、デジタルビスコメーター「CV−1S RTタイプ」)(40Pコーン、ローター回転数;50rpm)にて120℃における溶融粘度を測定した。結果を表1に示す。
[初期硬度の測定方法]
実施例及び比較例で得られた電子機器用封止材を120℃で1時間溶融した後、アプリケーターを用いてポリエチレンテレフタレート基材上に23℃雰囲気下で塗布し40℃雰囲気下で60分放置した後の塗膜表面の硬さ(タイプA)をJISK7312−1996「7.硬さ試験」に準拠して測定した。結果を表1に示す。
[細部充填性の評価方法]
実施例及び比較例で得られた電子機器用封止材を120℃で1時間溶融した後に、隙間を1mmとした2枚のガラス板の間に2g垂らし、隙間への充填性を以下のように評価した。結果を表1に示す。
「T」:1mmの隙間に樹脂が入り込む。
「F」:1mmの隙間に樹脂が入り込まない、又は、微量しか入り込まない。
[耐発泡性の評価方法]
実施例及び比較例で得られた電子機器用封止材を厚さ3mmのシート状に成型し、温度40℃、湿度50%の条件下で7日間養生した後、シートを目視観察して発泡による変形の有無を確認し、以下のように評価した。結果を表1に示す。
「T」:変形がない。
「F」:変形が確認される。
[絶縁性の評価方法]
前記[耐発泡性の評価方法]で得られた養生後のシートに対して、三菱電機株式会社製抵抗計「ハイレスタUP」を使用して、JISK6911:2006に準拠して体積抵抗率(Ω・cm)を測定し、以下のように評価した。結果を表1に示す。
「T」:体積抵抗率が、1×1011(Ω・cm)以上である。
「F」:体積抵抗率が、1×1011(Ω・cm)未満である。
Figure 2017043697
表1中の略語について説明する。
・「結晶性PEs−2」;ドデカン二酸及び1,6−ヘキサンジオールを反応させた結晶性脂肪族ポリエステルポリオール、数平均分子量:1,000
・「PTMG」;ポリオキシテトラメチレングリコール、数平均分子量:2,000。
本発明の電子機器用封止材は、細部充填性及び耐発泡性の両方に優れることが分かった。また、実施例2〜4は、絶縁性にも優れることが分かった。
一方、比較例1は、溶融粘度が本発明で規定する範囲を超える態様であるが、細部充填性が不良であり、絶縁性も不良であった。
比較例2は、初期硬度が本発明で規定する範囲を下回る態様であるが、耐発泡性が不良であり、絶縁性も不良であった。

Claims (5)

  1. 常温で固形であって、コーンプレート粘度計により測定した120℃における溶融粘度が5,000mPa・s以下であり、かつ、塗布後40℃の条件で60分放置した後の硬さ(タイプA)が35以上である湿気硬化型ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする電子機器用封止材。
  2. 前記湿気硬化型ポリウレタン樹脂が、結晶性脂肪族ポリエステルポリオール(a−1)及び脂環式ポリエステルポリオール(a−2)を合計で30〜80質量%含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であるウレタンプレポリマーである請求項1記載の電子機器用封止材。
  3. 前記結晶性脂肪族ポリエステルポリオール(a−1)の使用量が、前記ポリオール(A)中15〜50質量%の範囲である請求項2記載の電子機器用封止材。
  4. 前記ポリオール(A)がさらにポリエーテルポリオールを含有する、請求項2又は3記載の電子機器用封止材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の電子機器用封止材により一部及び/又は全面に封止されたことを特徴とする電子機器。
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