JP2020040192A - 表面処理鋼板の切断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、表面処理鋼板の切断端面にめっき金属を回り込ませると共に、カエリの大きさを低減可能な切断方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の切断方法は、一対の円盤状の回転刃1の間に、表面及び裏面がめっき金属で被覆された表面処理鋼板100を通して、せん断力により表面処理鋼板100を切断し、回転刃1は、表面処理鋼板100の切断面側の一面の外周近傍に、所定の勾配を有する勾配面10を備えており、回転刃1の先端部は、切断面側に、勾配面10と回転刃1の外周面20により構成される角張った角部30を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、表面がめっき金属で被覆された表面処理鋼板を一対の回転刃によるせん断加工により切断する切断方法に関する。
冷延鋼板は、錆や腐食を防止するため、表面を亜鉛、すず、クロム,ニッケル等の金属元素でめっきを施したり、樹脂を被覆したりする等の表面処理が施される。このような表面処理鋼板は、冷延鋼板と比較して優れた耐食性を有することから、自動車、家電製品、建築部材等に広く用いられている。
しかしながら、表面処理された帯鋼や切板を所望の形状に加工すべく、切断加工を施すと、その切断端面で鉄地が露出するため、赤錆が発生し、製品の外観を低下させる。更に、赤錆の侵食が進むと、部材としての強度の低下を招く可能性もある。
このような切断端面の錆や腐食を抑制するため、種々の方法が提案されている。
例えば、帯状の表面処理鋼板を切断する場合に、特許文献1では、予め切断箇所を押圧ロールにより押圧してめっき金属で被覆された溝を形成し、その溝に沿って、上下対の回転刃(せん断丸刃)により切断する加工方法が提案されている。また、特許文献2では、回転刃の切断端面側の先端部(コーナー部)を所定の曲率半径Rの曲率を有するように形成することにより、切断加工時のめっき金属の切断端面への回り込み率を向上させる加工方法が提案されている。
特開2004−034183号公報 特開2017−192989号公報
特許文献1で提案されている切断方法は、予め押圧により形成した溝と、実際の切断位置とのずれが生じやすいため、切断端面の状態が一定に保てないという問題がある。また、切断工程に先立って溝を形成する工程が必要なため、工程数が増えてコストアップにつながる。
特許文献2で提案されている切断方法は、上述したように、切断工程のみでめっき金属を切断端面に塑性流動により容易に回り込ませることができる一方、曲率半径Rの2分の1以上の大きさのカエリが発生してしまう。このカエリの大きさは、一般的な先端部(コーナー部)が直角の回転刃を用いた場合に生じるカエリの大きさに比べて大きいため、安全性を向上させるためには、カエリの除去が必要となる。
従って、本発明は、表面処理鋼板の切断端面にめっき金属を回り込ませると共に、カエリの大きさを低減可能な切断方法を提供することを目的とする。
本発明は、一対の円盤状の回転刃の間に、表面及び裏面がめっき金属で被覆された表面処理鋼板を通して、せん断力により前記表面処理鋼板を切断する方法であって、前記回転刃は、前記表面処理鋼板の切断面側の一面の外周近傍に、所定の勾配を有する勾配面を備えており、前記回転刃の先端部は、前記切断面側に、前記勾配面と前記回転刃の外周面により構成される角張った角部を備えている表面処理鋼板の切断方法に関する。
また、前記所定の勾配は、5%以上58%以下であることが好ましい。
また、前記所定の勾配は、9%以上36%以下であることが好ましい。
また、前記一対の回転刃は、回転軸方向について、前記角部間の距離が、前記表面処理鋼板の板厚の0%以上10%以下となるように配置されることが好ましい。
また、前記一対の回転刃は、前記表面処理鋼板の板厚方向について、前記外周面同士の距離が、前記表面処理鋼板の板厚の50%未満となるように配置されることが好ましい。
本発明の表面処理鋼板の切断方法によれば、勾配面を有する回転刃によりめっき金属を切断端面に回り込ませることができると共に、回転刃の先端部の角部が角張っているので、カエリの大きさを小さくすることができる。
本発明の切断方法において、表面処理鋼板の切断前の状態を説明するための図である。 本発明の切断方法において、表面処理鋼板の切断途中の状態を説明するための図である。 本発明の切断方法において、表面処理鋼板の切断後の状態を説明するための図である。 本発明の切断方法で用いられる回転刃の形状を説明するための模式断面図である。 回転刃の勾配を説明するための部分拡大図である。 本発明の切断方法における一対の回転刃の他の配置例を示す。 本発明の切断方法における表面処理鋼板の切断時の様子を説明するための模式図である。 比較例の切断方法において、角部の曲率半径が小さい場合の表面処理鋼板の切断時の様子を説明するための模式図である。 比較例の切断方法において、角部の曲率半径が大きい場合の表面処理鋼板の切断時の様子を説明するための模式図である。 本発明の切断方法で切断された表面処理鋼板の切断端面の模式図である。 比較例の切断方法で切断された表面処理鋼板の切断端面の模式図である。
以下に、本発明の切断方法の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
まず、本発明の切断方法の被加工対象となる表面処理鋼板について説明する。表面処理鋼板の一例としては、素地鋼板の表面にアルミニウムとマグネシウムを含有した亜鉛合金をめっき金属として被覆したZn−Al−Mg系めっき鋼板を挙げることができる。
Zn−Al−Mg系めっき鋼板を一般的な方法でせん断加工により切断した場合、めっき金属が切断端面の一部に回り込んで被覆される。この被覆されためっき金属から、亜鉛、アルミニウム及びマグネシウムが溶出して、めっき金属が被覆されない部分に保護皮膜が形成される。このように、Zn−Al−Mg系めっき鋼板は、他の亜鉛系めっき鋼板に比べて、耐食性に優れるという特長がある。
このZn‐Al‐Mg系めっき鋼板の素地鋼板は、特に限定されず、例えば低炭素鋼、中炭素鋼、高炭素鋼及び合金鋼等を素地鋼板として使用することが可能である。また、Zn‐Al‐Mg系めっき鋼板をプレス成形して使用する場合には、低炭素Ti添加鋼、低炭素Nb添加鋼等の絞り加工性に優れる素地鋼板を用いることが好ましい。
本発明の切断方法の被加工対象となる表面処理鋼板は、先に挙げたZn−Al−Mg系めっき鋼板以外にも、表面にめっき金属を被覆した鋼板であれば、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、アルミニウムを5質量%含有する亜鉛合金による溶融5%Al−Znめっき鋼板、溶融55%Al−Znめっき鋼板、溶融アルミニウムめっき鋼板を用いることができる。また、電気銅めっき鋼板を用いてもよい。
本発明の切断方法の流れについて図1〜図3を参照して簡単に説明する。ここでは、説明を簡単にするため、一対の回転刃について説明するが、実際には、回転刃による切断は、複数対の回転刃が配置されて行われる。
図1〜図3(a)は、一対の回転刃1により表面処理鋼板100(以下、鋼板100とも記載する)が連続的に切断される様子を回転軸2方向から見た図である。
図1(a)のX−Xの位置における鋼板100は、回転刃1で押圧されていない切断前の状態である。X−X断面を図1(b)に示す。
鋼板100が図2(a)に示すY−Yの位置まで進むと、鋼板100が回転刃1で表面及び裏面から押圧されて、切断が開始された状態となる。Y−Y断面を図2(b)に示す。図2(b)に示すように、鋼板100は、上方に配置された回転刃1により下方に押圧され、下方に配置された回転刃1により上方に押圧されてせん断応力が加えられ、曲げられた状態となる。
図3(a)に示すZ−Zの位置は、鋼板100の板厚方向について、一対の回転刃1同士の間隔が最も小さくなる位置である。Z−Z断面を図3(b)に示す。鋼板100は、Z−Zの位置に進むまでに、更にせん断応力が加えられてクラックが生じ、図3(b)に示すように、クラックが進展して切断された状態となる。
次に、本発明の表面処理鋼板100の切断方法で用いられる回転刃1の好ましい形状及び配置について、図4〜図7を参照して詳細に説明する。図4は、回転軸2を含む断面で切った場合の、一対の回転刃1の模式断面図を示す。図5は、図4で示した回転刃1の先端部を拡大した図である。図6及び図7は、一対の回転刃1の配置例を示す。
回転刃1は、図4に示すように、円盤形状に構成され、回転軸2方向について互いに対向する側の面、即ち、鋼板100が切断される側の一面の外周近傍に、所定の勾配の勾配面10を有する。
回転刃1の先端部は、前述の切断面側に、勾配面10と回転刃1の外周面20とで構成される角部30を備えている。角部30は、曲率半径が略0mmの角張った形状に構成される。
回転刃1が有する勾配面10の勾配は、図5に示すように、回転刃1の勾配面10が形成されていない面と勾配面10とのなす角度をθとし、回転刃1の勾配面10が形成されていない部分の板厚をa、先端部の板厚をb、勾配面10が設けられた径方向の長さをlとすると、勾配(%)=tanθ×100=(a−b)/l×100で表すことができる。
本実施形態では、めっき金属の回り込みを促進するため、所定の勾配を有する勾配面10を設けた回転刃で表面処理鋼板を切断することで、表面のめっき金属が切断端面の2分の1以上の領域まで覆われた切断端面が得られる。
勾配の角度θは、3度以上30度以下の場合、即ち、勾配が5%以上58%以下の場合に、めっき金属110の回り込み量の増加が得られる。角度θが30度を超えてもめっき金属110の回り込み量の増加が得られるが、切断された鋼板100の表裏でずれが生じて、幅の寸法差が大きくなる。また、角度θが大きくなると、切断に要する設備の負荷が大きくなるだけでなく、回転刃と接触する箇所が板厚方向に潰されながら切断されるため、切断箇所が長手方向に大きく伸びる。その結果、ねじれや反りが発生してしまう。また、角度θが5度未満の場合、めっき金属110の回り込み量が少ないだけでなく、回り込んだめっきの厚みも薄くなる。よって、めっき金属110の回り込み量を増加させ、かつ鋼板100の切断端面の形状が良好であるためには、角度θが5度以上20度以下(勾配が9%以上36%以下)である場合が好ましく、角度θが5度以上10度以下(勾配が9%以上18%以下)である場合がより好ましい。
回転刃1の配置例について、図4、図6及び図7を参照して説明する。回転刃1による鋼板100の切断加工は、板厚方向に押込まれた回転刃1の先端部から発生するクラックによって行われる。以下に、好ましいクラックが発生するための条件として、一対の回転刃1間の距離(クリアランス)や、回転刃1の押込み量が適切となるようなギャップについて説明する。
一対の回転刃1は、回転軸2方向について所定のクリアランスCを空けて配置され、また、鋼板100の板厚方向について、所定のギャップGを空けて配置される(図4参照)。
クリアランスCは、回転軸2方向について、一対の回転刃1の角部30同士の距離を表す。クリアランスCは、鋼板100の板厚の20%を超えると鋼板が切断できずに異形断面になってしまう。また、クリアランスCが板厚の−10%よりも狭い場合においても、同様である。ここで、クリアランスCの値が負になる場合とは、図6(a)に示すように、ギャップGが0となった場合に、回転刃1の外周面20同士が当接するような配置である。本発明の切断方法では、クリアランスCの値が負になるような場合であっても、切断加工が可能である。しかしながら、例えば、回転刃1を用いて帯状の鋼板100を連続して切断するためには、クラックが連続的に発生し、鋼板100の表面側と裏面側に接触した回転刃1の角部30近傍から発生するクラックが繋がる必要がある。このような観点から、クリアランスCの値は、鋼板100の板厚の0%以上10%以下とすることが望ましい。
ギャップGは、鋼板100の板厚方向について、一対の回転刃1の外周面20同士の距離を表す。このギャップGは、鋼板100の板厚の50%未満とすることが望ましい。板厚の50%以上の大きさでは、クリアランスCが大きい場合と同様に、回転刃1の角部30からクラックが発生せず異形断面となり、切断不可となる可能性があるためである。また、図7に示すように、勾配の角度θとクリアランスCの値によっては、図6(b)に示すように、ギャップGを0%以下の値にすることも可能である。具体的には、回転刃1同士が接触して、角部30が破損もしくは変形し、切断加工不良とならないように、最小のギャップGは回転刃1の勾配面10同士が接触するまでとなる。勾配面10同士が接触するギャップGは、製造現場での調整の他、板厚に依存するクリアランスCと、回転刃1の勾配の角度θを用いて、最小ギャップGmin=C/tanθで求められる。
次に、図7A〜図8Bを参照して、本発明の切断方法により表面処理鋼板100を切断した様子を比較例の切断方法によるものと比較しながら説明する。
図7Aには、本発明の切断方法において、図7B及び図7Cには、比較例の切断方法において、鋼板が切断された状態をそれぞれ示す。また、図8A及び図8Bには、本発明及び比較例による切断方法で切断された鋼板の切断端面の模式図をそれぞれ示す。
図7Aに示すように、本発明の回転刃1は、勾配面10が鋼板100のめっき金属110に当接することで、めっき金属110の塑性流動を促進して、せん断面にめっき金属110を回り込ませることができる。よって、図8Aに示すように、鋼板100の切断端面は、せん断面が勾配面10の勾配に応じて傾いた状態となるが、めっき金属で被覆される。また、図7Aに示すように、角部30が角張った形状を備えているので、切断端面に生じるクラックの起点が角部30の近傍となる。よって、図8Aに示すようにカエリの大きさが小さくなる。
比較例として、角部が所定の曲率半径Rの曲率を有しており、勾配面を有さない形状の回転刃を用いて、鋼板100を切断した例について説明する。
図7Bに示すように、比較例の回転刃1Aは角部30Aが丸くなっている(曲率が小さい)ため、鋼板100の表面のめっき金属が多く巻き込まれて、図8Bに示すように、切断端面のうちせん断面がめっき金属で被覆される。しかしながら、角部30Aの曲率が小さいため、角部から遠いところでクラックが生じて、カエリは大きくなる。
また、切断端面の略全面をめっき金属で被覆するため、略全面がせん断面となるように曲率半径Rを大きくする(曲率を更に小さくする)と、図7Cに示すように、鋼板100は、切断端面にクラックが生じないまま、引きちぎられるように切断され、更に、カエリが引き伸ばされるので、カエリの大きさは、曲率半径Rの2分の1以上の大きさとなる。
以上、説明したように、角部30Aに丸みを持たせる比較例の切断方法では、切断端面をめっき金属で被覆することができる反面、大きなカエリが生じることが問題となる。それに対して本発明の切断方法によれば、回転刃1に所定の勾配の勾配面10を設けることにより、防錆性及び耐食性を発揮するのに十分な量のめっき金属を切断端面に被覆することができ、更に、角部30が角張った形状を備えるので、カエリの大きさを小さくすることができる。
以上説明した本発明の表面処理鋼板100の切断方法によれば、以下の効果を奏する。
(1)本発明の表面処理鋼板100の切断方法は、一対の円盤状の回転刃1の間に、表面及び裏面がめっき金属で被覆された表面処理鋼板100を通して、せん断力により表面処理鋼板100を切断し、回転刃1は、表面処理鋼板100の切断面側の一面の外周近傍に、9%以上58%以下の所定の勾配を有する勾配面10を備えており、回転刃1の先端部は、切断面側に、勾配面10と回転刃1の外周面20により構成される角張った角部30を備えるものとした。これにより、防錆性及び耐食性を発揮するのに十分な量のめっき金属を切断端面に被覆して、カエリの大きさを小さくして表面処理鋼板100を切断することができる。
(2)所定の勾配を、9%以上36%以下とするものとした。これにより、勾配が9%以上であるので、防錆性及び耐食性を発揮するのに十分な量のめっき金属を切断端面に被覆することができ、勾配が36%以下であるので、切断端面の形状を良好とすることができる。
(3)一対の回転刃1を、回転軸2方向について、角部間の距離(クリアランス)Cが、表面処理鋼板100の板厚の0%以上10%以下となるように配置するものとした。これにより、表面処理鋼板100の表面側と裏面側に接触した回転刃1の角部30近傍から発生するクラックが繋がりやすくなり、クラックが連続的に発生するので、帯状の表面処理鋼板100を連続して切断するのに適した切断方法となる。
以下に、本発明の切断方法を適用した実施例について説明する。
表面処理鋼板100として板厚が2.3mm、3.2mm、4.5mmで、めっき付着量90g/m、190g/m、350g/m、であるZn−6%Al−3%Mg(質量比)合金めっき鋼板を用いた。回転刃1としては、直径が最も大きい箇所でφ160mmの上下の回転刃を用いて、40mmから30mmの幅へ切断加工した。
切断加工面にめっき金属を回り込ませた評価は、断面観察により、せん断面にめっき金属が回り込んだ領域とダレの領域を測定し、切断された鋼板の厚みに対するめっき金属の回り込み長さとダレの長さを合計した比率を、めっき金属の回り込み率(%)=(ダレの領域+せん断面にめっき金属が回りこんだ領域)/板厚×100として評価した。また、切断端面のカエリは断面をエポキシ樹脂に埋め込み断面観察によって測定し、一般的な角部が直角の回転刃を基準として評価した。
これらの評価状況を表面処理鋼板100の板厚及び回転刃1の形状毎に整理した。実施例として、勾配の角度θが5度、15度の回転刃を用い、比較例として、勾配面を設けない回転刃を用いて切断加工を行い、比較した。
本発明の防錆性及び耐食性の効果を評価するため、暴露試験を実施した。暴露は海岸から500mほど離れた3階立ての建物の屋上で1ヶ月間実施し、評価は試験体より3m離れて目視にて行った。評価は赤錆が明確に判断できれば×、赤錆が判断できない場合は○とした。
これらの評価結果を表1に示す。
比較例1〜6は、一般的な角部が直角の、つまり、勾配を有さない回転刃により切断加工を行ったものであり、比較例7は、勾配を有さず角部が丸い回転刃により切断加工を行ったものである。
Figure 2020040192
実施例1〜17におけるめっき金属の回り込み率は、回転刃1の勾配の角度θが5度、15度及び30度、クリアランスCが0%と5%において、いずれも約60%以上となることが確認できた。
それに対して、比較例1〜6では、めっき金属の回り込み率はいずれも約40%以下となった。
また、屋外暴露試験の結果は、めっき金属の回り込み率に応じた結果となった。めっき金属の回り込み率が約40%以下の比較例1〜6では、赤錆が確認され、めっき金属の回り込み率が約60%以上の実施例1〜17では、赤錆は確認されなかった。
また、めっき付着量の差によるめっき金属の回り込み率を比較したところ、付着量90g/mと190g/mと350g/mとの間で、めっき金属の回り込み率に差異はみられなかった。
角部30の曲率半径が0mmである実施例1〜17のカエリの大きさは、板厚比でいずれも5%以下となり、角部の曲率半径が0.3mmである比較例7のカエリの大きさは、板厚比で9%となった。よって、本発明の切断方法によれば、カエリを小さくできることが確認された。
1 回転刃
2 回転軸
10 勾配面
20 外周面
30 角部
100 表面処理鋼板

Claims (5)

  1. 一対の円盤状の回転刃の間に、表面及び裏面がめっき金属で被覆された表面処理鋼板を通して、せん断力により前記表面処理鋼板を切断する方法であって、
    前記回転刃は、前記表面処理鋼板の切断面側の一面の外周近傍に、所定の勾配を有する勾配面を備えており、
    前記回転刃の先端部は、前記切断面側に、前記勾配面と前記回転刃の外周面により構成される角張った角部を備えている表面処理鋼板の切断方法。
  2. 前記所定の勾配は、5%以上58%以下である請求項1に記載の表面処理鋼板の切断方法。
  3. 前記所定の勾配は、9%以上36%以下である請求項1に記載の表面処理鋼板の切断方法。
  4. 前記一対の回転刃は、回転軸方向について、前記角部間の距離が、前記表面処理鋼板の板厚の0%以上10%以下となるように配置される請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理鋼板の切断方法。
  5. 前記一対の回転刃は、前記表面処理鋼板の板厚方向について、前記外周面同士の距離が、前記表面処理鋼板の板厚の50%未満となるように配置される請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理鋼板の切断方法。
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