JP7135767B2 - 表面処理鋼板の切断方法 - Google Patents
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しかしながら、表面処理された帯鋼や切板を所望の形状に加工すべく、切断加工を施すと、その切断端面で鉄地が露出するため、赤錆が発生し、製品の外観を低下させる。更に、赤錆の侵食が進むと、部材としての強度の低下を招く可能性もある。また、切断加工時においてカエリが生じることも問題となる。
例えば、帯状の表面処理鋼板を切断する場合に、特許文献1では、予め切断箇所を押圧ロールにより押圧してめっき金属で被覆された溝を形成し、その溝に沿って、上下対の回転刃(せん断丸刃)により切断する加工方法が提案されている。また、特許文献2では、回転刃の切断端面側の先端部(コーナー部)を所定の曲率半径Rの曲率を有するように形成することにより、切断加工時のめっき金属の切断端面への回り込み率を向上させる加工方法が提案されている。
特許文献2で提案されている切断方法は、上述したように、切断工程のみでめっき金属を切断端面に塑性流動により容易に回り込ませることができる一方、曲率半径Rの2分の1以上の大きさのカエリが発生してしまう。
しかしながら、回転刃の先端部に、めっき金属を切断端面に塑性流動により回り込ませることができる程度の曲率半径Rを設けると、第1工程において切断端面にめっき金属を回り込ませることができる一方、第2工程の逆方向への変形で鋼板が安定して切れない状態となることが本発明者らの検討により分かった。
このZn‐Al‐Mg系めっき鋼板の素地鋼板は、特に限定されず、例えば低炭素鋼、中炭素鋼、高炭素鋼及び合金鋼等を素地鋼板として使用することが可能である。また、Zn‐Al‐Mg系めっき鋼板をプレス成形して使用する場合には、低炭素Ti添加鋼、低炭素Nb添加鋼等の絞り加工性に優れる素地鋼板を用いることが好ましい。
図1(a)は、ロールスリット法の第1工程を示す。第1工程では、複数対の回転刃1に表面処理鋼板100(以下、鋼板100とも記載する)を通して、切断されない程度に部分的にせん断変形させる。以下、本明細書では、鋼板100を切断されない程度に部分的にせん断変形させることを「半切断」と称する。また、図1(a)では一例として、2対の回転刃1を配置する例を示したが、回転刃1は、鋼板100の所望の切断幅に応じて一対又は複数対を配置すればよい。
図1(b)は、ロールスリット法の第2工程を示す。第2工程では、第1工程で半切断加工された鋼板100を上ロール3a及び下ロール3bからなる上下ロール3の間に通して押圧し、第1工程とは逆方向にせん断変形させて、鋼板100を完全に切断する。以下、本明細書では、半切断加工された鋼板100を第1工程とは逆方向にせん断変形させて完全に切断することを「逆切断」と称する。
このようにロールスリット法により鋼板100を切断することで、カエリの発生を抑制することができる。
図2(a)は、鋼板100が連続的に半切断加工される様子を回転刃1の回転軸2方向から見た様子を示し、図2(b)は、図2(a)におけるX-X線断面を示す。
勾配の角度θは、3度以上30度以下の場合、即ち、勾配が5%以上58%以下の場合に、めっき金属の回り込み量の増加が得られる。角度θが3度未満の場合、第1工程において板厚の半分程度まで回転刃1が押し込まれた状態で鋼板100にクラックが入って切断されてしまうため、めっき金属の回り込みも板厚の50%程度までしか得られない。角度θが30度を超えてもめっき金属の回り込み量の増加が得られるが、半切断された鋼板100の表裏でずれが生じて、第2工程で切断された鋼板の幅の寸法差が大きくなる。また、角度θが大きくなると、半切断に要する設備の負荷が大きくなるだけでなく、回転刃と接触する箇所が板厚方向に潰されながら切断されるため、半切断される箇所が長手方向に大きく伸びる。その結果、ねじれや反りが発生してしまう。また、角度θが5度未満の場合、めっき金属の回り込み量が少ないだけでなく、回り込んだめっきの厚みも薄くなってしまう。よって、めっき金属の回り込み量を増加させ、かつ鋼板100の切断端面の形状が良好であるためには、角度θが5度以上20度以下(勾配が9%以上36%以下)である場合が好ましい。
表面処理鋼板100として板厚が2.3mm、3.2mm、4.5mmで、めっき付着量90g/m2、190g/m2、であるZn-6%Al-3%Mg(質量比)合金めっき鋼板を用いた。回転刃1としては、直径が最も大きい箇所でφ160mmの上下の回転刃を用いて半切断し、φ100mmの上下ロール3で逆切断して、40mmから30mmの幅へ表面処理鋼板100を切断加工した。
比較例1~13は、一般的な角部が直角の、つまり、勾配を有さない回転刃によりロールスリット法で切断加工を行ったものである(表1参照)。
比較例14~19は、勾配を有さない回転刃により一般的な一工程の切断加工を行ったものであり、比較例20は、勾配を有さず角部が丸い回転刃により切断加工を行ったものである(表2参照)。
それに対して、比較例1~12及び14~20では、めっき金属の回り込み率はいずれも約60%未満となった。また、比較例13では、第2工程で切断されず、異形断面となった。
また、屋外暴露試験の結果は、めっき金属の回り込み率に応じた結果となった。めっき金属の回り込み率が約60%未満の比較例1~12及び14~20では、赤錆が確認され、めっき金属の回り込み率が約60%以上の実施例1~13では、赤錆は確認されなかった。
2 回転軸
3 上下ロール
10 勾配面
20 外周面
30 角部
100 表面処理鋼板
Claims (6)
- 表面及び裏面がめっき金属で被覆された表面処理鋼板を切断する方法であって、
前記表面処理鋼板を一対の円盤状の回転刃の間に通して、せん断力により前記表面処理鋼板をせん断変形させて、完全に切断されておらず部分的にせん断変形された半切断端面を形成する第1工程と、
前記半切断端面が形成された前記表面処理鋼板を上下ロールの間に通して、前記第1工程とは逆方向に前記表面処理鋼板をせん断変形させて、前記半切断端面を完全に切断する第2工程と、
を備え、
前記一対の回転刃は、回転軸方向について互いに対向する側の面及び外周面を備え、
前記対向する側の面は、前記表面処理鋼板を切断する切断面側の面であって、前記外周面に向かって下記式(1)で定義される勾配を有する勾配面を備え、
勾配(%)=tanθ×100=(a-b)/L×100 式(1)
(ここで、前記式(1)におけるθ、a、b及びLの各符号は、以下を意味する。
θ:前記回転刃の前記勾配面が形成されていない面と前記勾配面とのなす角度、a:前記回転刃の前記勾配面が形成されていない部分の板厚、b:先端部の板厚、L:前記勾配面が設けられた径方向の長さ)
前記勾配は、5%以上58%以下であり、
前記外周面は、前記勾配面が形成されていない面と垂直であって、前記式(1)の前記bの板厚を持つ断面形状を有する、
表面処理鋼板の切断方法。 - 前記勾配は、9%以上36%以下である請求項1に記載の表面処理鋼板の切断方法。
- 前記一対の回転刃は、回転軸方向について、前記勾配面と前記外周面により構成される角部間の距離が、前記表面処理鋼板の板厚の-5%以上10%以下となるように配置される、請求項1又は2に記載の表面処理鋼板の切断方法。
- 前記勾配面と前記外周面により構成される角部の曲率半径が0.5mm以下である、請求項1~3のいずれかに記載の表面処理鋼板の切断方法。
- 前記一対の回転刃は、前記表面処理鋼板の板厚方向について、前記外周面同士の距離が、前記表面処理鋼板の板厚の40%以下となるように配置される、請求項1~4のいずれかに記載の表面処理鋼板の切断方法。
- 表面及び裏面がめっき金属で被覆された表面処理鋼板で形成される部材の製造方法であって、
前記表面処理鋼板を一対の円盤状の回転刃の間に通して、せん断力により前記表面処理鋼板をせん断変形させて、完全に切断されておらず部分的にせん断変形された半切断端面を形成する第1工程と、
前記半切断端面が形成された前記表面処理鋼板を上下ロールの間に通して、前記第1工程とは逆方向に前記表面処理鋼板をせん断変形させて、前記半切断端面を完全に切断する第2工程と、
を備え、
前記一対の回転刃は、回転軸方向について互いに対向する側の面及び外周面を備え、
前記対向する側の面は、前記表面処理鋼板を切断する切断面側の面であり、前記外周面に向かって下記式(1)で定義される勾配を有する勾配面を備え、
勾配(%)=tanθ×100=(a-b)/L×100 式(1)
(ここで、前記式(1)におけるθ、a、b及びLの各符号は、以下を意味する。
θ:前記回転刃の前記勾配面が形成されていない面と前記勾配面とのなす角度、a:前記回転刃の前記勾配面が形成されていない部分の板厚、b:先端部の板厚、L:前記勾配面が設けられた径方向の長さ)
前記勾配は、5%以上58%以下であり、
前記外周面は、前記勾配面が形成されていない面と垂直であって、前記式(1)の前記bの板厚を持つ断面形状を有する、
部材の製造方法。
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JP2018217102A JP7135767B2 (ja) | 2018-11-20 | 2018-11-20 | 表面処理鋼板の切断方法 |
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JP2020082244A JP2020082244A (ja) | 2020-06-04 |
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JPH09277113A (ja) * | 1996-04-17 | 1997-10-28 | Denki Shizai Kk | 金属帯板の条切り装置および条切り方法 |
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