JP2020038207A - 油脂劣化度測定装置、油脂劣化度測定方法及び油脂劣化度測定プログラム - Google Patents

油脂劣化度測定装置、油脂劣化度測定方法及び油脂劣化度測定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】撮影環境に影響されることなく、シンプルな構成で油脂の劣化度合いを測定し判定結果を出力する油脂劣化度測定装置を提供する。【解決手段】油脂劣化度測定装置1は、油脂の酸価閾値を示す酸価閾値データを記憶する記憶部と、測定対象となる対象油脂に浸された呈色試験片2と酸価に対応する複数の色から構成されるカラーバー3とを同時に撮影した撮影データを取得する撮影データ取得部と、撮影データの撮影内容から呈色試験片2及びカラーバー3のRGB色情報を算出し、算出されたカラーバー3のRGB色情報に対応する酸価を参照して、算出された呈色試験片2のRGB色情報から対象油脂の酸価を測定する酸価測定部と、測定された対象油脂の酸価が、酸価閾値データが示す酸価閾値以上であるか否かを判定する閾値判定部と、判定された判定結果を含む判定結果データを出力する出力部と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、油脂劣化度測定装置、油脂劣化度測定方法及び油脂劣化度測定プログラムに係り、特に、油脂の劣化度合いを測定し、判定結果を出力するための油脂劣化度測定装置、油脂劣化度測定方法及び油脂劣化度測定プログラムに関する。
従来、油脂の一種となる食用油を使ったフライ調理が、簡便かつ風味豊かな調理方法として広く用いられているところ、油脂は加熱により劣化が進行するため、適切な指標を用いて食用油の劣化の度合いを把握し、適切なタイミングで交換する必要がある。
食用油が劣化した状態の一形態として、油脂が分解されることで遊離脂肪酸の量が多くなった状態がある。
ここでJIS−K0070によれば、油脂1g中に含有する遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数を「酸価」として定義しており、当該酸価が食用油の劣化状態を判断する際の化学的な劣化指標として一般的に用いられている。
例えば、業務用(総菜、給食等)の食用油の場合、厚生労働省の衛生規範によって酸価2.5といった酸価閾値で食用油を交換するように指導がなされている。
しかしながら、酸価を正確に測定するためには特別な器具や薬品が必要となるところ、油脂の劣化度合いを調理現場等で日常的に管理する際に上記器具や薬品を利用することは現実的ではない。
そこで、簡易的な酸価の測定方法として指示薬による呈色試験紙を用いた測定方法が広く知られており、当該測定方法の中には、測定結果の判断に個人差が生じる問題を解決すべく、測定対象となる対象油脂の酸価を実用的なレベルで測定可能な装置が提案されているところである(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の食用油の劣化度測定システムでは、スマートフォン等の端末装置が、ユーザー操作に基づいて対象油脂に浸された呈色試験紙を撮影し、呈色試験紙の色情報を含む撮影データを取得し、当該撮影データをデータサーバーに送信する。そして、データサーバーが、当該撮影データに含まれる呈色試験紙の色情報と、予め記憶された情報とを比較することで油脂の劣化度合いの指標である酸価を測定し、対象油脂の酸価及び色度値の測定結果と、食用油の一応の交換目安を示す酸価閾値との判定結果を示す結果データを端末装置に送信する。そして、端末装置が、表示画面上に当該結果データの内容を出力表示することが開示されている。
上記構成により、スマートフォン等の汎用装置を用いて、測定対象となる食用油の酸価と色度値を実務上問題ない精度で簡便に測定することができる。
特開2017−49030号公報
ところで、特許文献1のような劣化度測定システムでは、端末装置で撮影された対象油脂付きの呈色試験紙の色情報と、予め記憶された色情報とを比較することで油脂の酸価を測定しているため、天候や部屋の明るさ等の撮影環境の違いによっては、必ずしも精度良く比色することができず、対象油脂の酸価の値に影響する虞があった。
あるいは、撮影環境の違いを補正すべく、複雑な制御手段を備えておく必要があった。
そのため、天候や部屋の明るさ等の撮影環境の違いに影響されることなく、シンプルな構成で、油脂の劣化度合いを精度良く測定し、判定結果を出力することが可能な油脂劣化度測定装置が求められていた。
また、特許文献1のような劣化度測定システムでは、対象油脂の酸価の測定結果と、対象油脂の一応の交換目安を示す酸価閾値との判定結果を示す結果データを出力表示することができるものの、当該酸価閾値については、油脂の利用対象物や油脂の種類、油脂を扱う店舗や工場等の現場の事情を特段配慮したものではなく、一律に設定された酸価閾値との大小関係を判定するものであった。
そのため、油脂を扱う現場の事情を考慮して対象油脂の酸価閾値を設定し、当該酸価閾値に基づいた判定結果を出力可能な油脂劣化度測定装置が求められていた。
また、油脂を扱う現場のユーザーにとって、直感的で分かり易く測定操作することができ、測定結果の表示の際に有用な情報を併せて表示することが可能な油脂劣化度測定装置が求められていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、撮影環境の違いに影響されることなく、シンプルな構成で、油脂の劣化度合いを精度良く測定し判定結果を出力することが可能な油脂劣化度測定装置、油脂劣化度測定方法及び油脂劣化度測定プログラムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、油脂を扱う現場の事情を考慮して対象油脂の酸価閾値を設定し、判定結果を出力可能な油脂劣化度測定装置、油脂劣化度測定方法及び油脂劣化度測定プログラムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ユーザーにとって直感的で分かり易く測定することができ、測定結果の表示の際に有用な情報を併せて表示することが可能な油脂劣化度測定装置、油脂劣化度測定方法及び油脂劣化度測定プログラムを提供することにある。
前記課題は、本発明の油脂劣化度測定装置によれば、油脂の劣化度合いを測定するための油脂劣化度測定装置であって、油脂の酸価閾値を示す酸価閾値データを記憶する記憶部と、測定対象となる対象油脂に浸された呈色試験片と、酸価に対応する複数の色から構成されるカラーバーとを同時に撮影した撮影データを取得する撮影データ取得部と、前記撮影データが示す撮影内容から、前記呈色試験片及び前記カラーバーのRGB色空間で定義されるRGB色情報をそれぞれ算出する色情報算出部と、算出された前記カラーバーのRGB色情報に対応する酸価を参照して、算出された前記呈色試験片のRGB色情報と前記カラーバーのRGB色情報とを比較して、前記対象油脂の酸価を測定する酸価測定部と、測定された前記対象油脂の酸価が、前記酸価閾値データが示す前記酸価閾値以上であるか否かを判定する閾値判定部と、前記閾値判定部によって判定された判定結果を含む判定結果データを出力する出力部と、を備えていること、により解決される。
上記のように、対象油脂に浸された呈色試験片と、カラーバーとを同時に撮影した撮影データを用いて呈色試験片のRGB色情報を算出し、対象油脂の酸価を測定しているため、撮影環境の違いに影響されることなく、シンプルな構成で、油脂の劣化度合いを精度良く測定し判定結果を出力可能な油脂劣化度測定装置を実現することができる。
このとき、前記記憶部は、油脂の利用対象物及び/または油脂の種類と、油脂の前記酸価閾値との対応関係を示す前記酸価閾値データを記憶し、ユーザー操作による所定の前記利用対象物及び/または前記種類の入力を受け付けて、前記酸価閾値データを参照して、前記酸価閾値を設定する閾値設定部をさらに備え、前記閾値判定部は、測定された前記対象油脂の酸価が、前記閾値設定部で設定された前記酸価閾値以上であるか否かを判定すると良い。
上記構成により、油脂を扱う現場の事情として、油脂の利用対象物や油脂の種類に応じて対象油脂の酸価閾値を設定できるため、従来よりも精度の高い判定結果を出力することができる。
このとき、ユーザー操作の入力を受け付けて、前記酸価閾値データが示す前記酸価閾値を変更する閾値変更部をさらに備え、前記記憶部は、変更後の前記酸価閾値データを記憶していると良い。
上記構成により、油脂を扱う現場の判断基準に基づいて、ユーザーが自由に酸価閾値を変更することができるため、食品企業によっては厳しい社内基準による閾値を設定する等、より現場に即した油脂劣化度測定装置を実現できる。
このとき、ユーザー操作の入力を受け付けて、前記対象油脂に浸された前記呈色試験片と、前記カラーバーとを同時に撮影する試験片撮影部を有し、該試験片撮影部の撮影を実行するための前記ユーザー操作の入力を受け付けるときに、前記ユーザー操作の入力が受け付け可能となるまでの時間を報知するユーザー報知部をさらに備えていると良い。
上記構成により、ユーザーにとって直感的で分かり易く測定操作することができる。
詳しく述べると、呈色試験片に油脂を浸した後は、呈色反応が済むまで通常30秒程度待つ必要があるところ、当該待ち時間が経過する前にユーザーが撮影操作を実行しないように分かり易く報知することができる。また、油脂の酸価をより正確に測定することもできる。
このとき、前記出力部は、測定された前記対象油脂の酸価をさらに含む前記判定結果データを出力すると良い。
また、前記記憶部は、過去の前記判定結果データを複数記憶し、複数の前記判定結果データを参照することで得られる前記対象油脂の履歴情報から、前記対象油脂の酸価が前記酸価閾値以上となる時期を予測する予測部を備え、前記出力部は、前記時期をさらに含む前記判定結果データを出力すると良い。
上記構成により、ユーザーにとって測定結果の表示の際に有用な情報となる「対象油脂の酸価」を併せて表示することができる。また、有用な予測情報として「対象油脂の酸価が酸価閾値以上となる時期(使用可能時期)」も併せて表示することができる。
このとき、前記酸価測定部は、RGB色情報のうち赤色成分を示す赤色値と、青色成分を示す青色値との差から算出される色差に基づいて前記対象油脂の酸価を測定すると良い。
上記構成により、撮影環境の違いにより影響されることなく、対象油脂の酸価を測定することができる。
詳しく述べると、RGB色情報のうち、特に赤色値と青色値との色差が酸価の上昇に伴って比較的大きい変化度合いを示すため、明暗の撮影環境の違いにより影響されることなく、対象油脂の酸価を測定することができる。
このとき、酸価に対応する前記カラーバーのRGB色情報と、前記呈色試験片のRGB色情報と、から、前記対象油脂の酸価を、酸価の大きさに基づいて分類された複数のカテゴリーの中の所定のカテゴリーに割り当てるカテゴリー割り当て部を有し、前記酸価測定部は、前記カテゴリー割り当て部で割り当てられた所定の前記カテゴリーの範囲内で、前記対象油脂の酸価を測定すると良い。
上記のように、まず酸価の大きさに基づいて大まかにカテゴリー分け(クラスター分け)した後に、所定のカテゴリーの範囲内で酸価測定を実施することで、対象油脂の酸価をより正確に導き出すことができる。
また、油脂の劣化度合いを測定するための油脂劣化度測定方法であって、油脂の酸価閾値を示す酸価閾値データを記憶する記憶部を備えたコンピュータが、測定対象となる対象油脂に浸された呈色試験片と、酸価に対応する複数の色から構成されるカラーバーとを同時に撮影した撮影データを取得する撮影データ取得工程と、前記撮影データが示す撮影内容から、前記呈色試験片及び前記カラーバーのRGB色空間で定義されるRGB色情報をそれぞれ算出する色情報算出工程と、算出された前記カラーバーのRGB色情報に対応する酸価を参照して、算出された前記呈色試験片のRGB色情報と前記カラーバーのRGB色情報とを比較して、前記対象油脂の酸価を測定する酸価測定工程と、測定された前記対象油脂の酸価が、前記酸価閾値データが示す前記酸価閾値以上であるか否かを判定する閾値判定工程と、判定された判定結果を含む判定結果データを出力する出力工程と、を実行する油脂劣化度測定方法も実現できる。また、前記油脂劣化測定方法に使用する呈色試験片が提供される。
また、油脂の劣化度合いを測定するための油脂劣化度測定装置としてのコンピュータに、測定対象となる対象油脂に浸された呈色試験片と、酸価に対応する複数の色から構成されるカラーバーとを同時に撮影した撮影データを取得する撮影データ取得処理と、前記撮影データが示す撮影内容から、前記呈色試験片及び前記カラーバーのRGB色空間で定義されるRGB色情報を算出する色情報算出処理と、算出された前記カラーバーのRGB色情報に対応する酸価を参照して、算出された前記呈色試験片のRGB色情報と前記カラーバーのRGB色情報とを比較して、前記対象油脂の酸価を測定する酸価測定処理と、測定された前記対象油脂の酸価が、油脂の酸価閾値を示す酸価閾値データを参照して前記酸価閾値以上であるか否かを判定する閾値判定処理と、判定された判定結果を含む判定結果データを出力する出力処理と、を実行させる油脂劣化度測定プログラムも実現できる。
本発明の油脂劣化度測定装置、油脂劣化度測定方法及び油脂劣化度測定プログラムによれば、撮影環境の違いに影響されることなく、シンプルな構成で、油脂の劣化度合いを精度良く測定し判定結果を出力することができる。
また、油脂を扱う現場の事情を考慮して対象油脂の酸価閾値を設定し、判定結果を出力することができる。
また、ユーザーにとって直感的で分かり易く測定することができ、測定結果の表示の際に有用な情報を併せて表示することができる。
本実施形態の油脂劣化度測定装置、呈色試験片及びカラーバーを示す図である。 油脂劣化度測定装置のソフト構成図である。 「酸価閾値データ」の一例を示す図である。 「酸価参照データ」の一例を示す図である。 「カテゴリー参照データ」の一例を示す図である。 表示画面上に設定情報が表示された状態を示す図である。 表示画面上にアラーム標識が表示された状態を示す図である。 表示画面上に履歴情報が表示された状態を示す図である。 表示画面上に「判定結果データ」の一例が表示された状態を示す図である。 本実施形態の油脂劣化度測定プログラムの処理の一例を示すフロー図である。 結果リスト表示部による処理の一例を示す図である。 結果リスト表示部による処理の一例を示す図である。 自動撮影処理部による処理の一例を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図1〜図13を参照して説明する。
本実施形態は、油脂の劣化度合いを測定する油脂劣化度測定装置であって、油脂の利用対象物と油脂の酸価閾値との対応関係を示す酸価閾値データを記憶しており、酸価閾値データを参照して所定の利用対象物における酸価閾値を設定し、測定対象となる対象油脂に浸された呈色試験片と酸価に対応する複数の色情報から構成されるカラーバーとを同時に撮影した撮影データを取得し、撮影データが示す撮影内容から呈色試験片及びカラーバーのRGB色情報をそれぞれ算出し、算出されたカラーバーのRGB色情報に対応する酸価を参照して、算出された呈色試験片のRGB色情報から対象油脂の酸価を測定し、測定された対象油脂の酸価が、設定された酸価閾値以上であるか否かを判定し、測定された対象油脂の酸価と、判定された判定結果とを含む判定結果データを出力することを主な特徴とする発明に関するものである。
本実施形態の油脂劣化度測定装置1は、図1に示すように、油脂を扱う食品店舗や食品製造工場等の調理現場等において、呈色試験片2及びカラーバー3を利用して油脂の劣化度合いを測定するための装置であって、具体的にはタブレット端末のような携帯情報端末である。
呈色試験片2は、油脂劣化度判定用の呈色試験片であって、油脂が浸されると、予め付着しているアルカリ系の呈色試薬との呈色反応が起こり、油脂の劣化度合いに応じた色情報を呈するものである。
カラーバー3は、酸価に対応した複数の色から構成されるバー状の色見本であって、油脂に浸された呈色試験片2の色を評価する際の基準となるものである。
詳しく言うと、カラーバー3は、予め酸価0.0、酸価0.5、酸価1.0、酸価1.5、酸価2.0、酸価3.0及び酸価4.0のそれぞれに対応する色を備えた色見本となっている。
ここで「油脂」とは、主に食用油脂を意味し、劣化度合いを測定する対象物となるものであって、例えば、コーン油、大豆油、菜種油、オリーブオイル、パーム油等の植物油脂、ラード(豚脂)やヘッド(牛脂)、魚油等の動物油脂、またそれらを加工したものが挙げられ、また、それらは複数種を混合してもよい。なお、これらの油脂には、乳化剤やシリコーン等が添加されていてもよい。
「酸価」とは、上述したように油脂の劣化度合いの指標となるものであって、測定対象となる対象油脂の劣化度合いに応じて0.0〜4.0のいずれかの値を示す。
油脂劣化度測定装置1は、ユーザー操作の入力を受け付けて、測定対象となる対象油脂に浸された呈色試験片2とカラーバー3とを同時に撮影し、撮影データから呈色試験片2及びカラーバー3のRGB色情報を算出し、算出されたカラーバー3のRGB色情報に対応する酸価を参照して、算出された呈色試験片2のRGB色情報から対象油脂の酸価を測定し、測定された対象油脂の酸価が酸価閾値以上であるか否かを判定し、当該対象油脂の測定結果と判定結果をユーザーに向けて出力表示するものである。
なお、油脂劣化度測定装置1は、図2に示すデータサーバー100と情報データ通信を行い、データサーバー100に記憶されている最新のプログラムやデータを読み込んで記憶しておくことができる。
<油脂劣化度測定装置のハード構成>
油脂劣化度測定装置1は、図1に示すように、試験片撮影部1aと、表示画面1bと、ユーザー操作部1cと、各種演算・制御を実行するためのプロセッサー1d、とから主に構成されている。
試験片撮影部1aは、当該装置の上端に取り付けられた撮影カメラであって、ユーザー操作の入力をキーとして対象油脂に浸された呈色試験片2とカラーバー3とを同時に撮影し、呈色試験片2とカラーバー3とを同一の画像内に収めるものである。
表示画面1bは、当該装置の中央部分に取り付けられ、文字又は画像の情報を表示するための液晶ディスプレイであって、ユーザー操作の入力をキーとして、図1に示す初期画面や不図示の撮影用画面、図9に示す判定結果画面等をユーザーに向けて出力表示するためのものである。
ユーザー操作部1cは、ユーザー操作の入力を受け付けて、プロセッサー1dに所定の指令を入力するものであって、当該装置の下端に取り付けられた操作キーと、表示画面1b上に取り付けられた静電容量方式のタッチパネルとから主に構成されている。
ユーザーが上記操作キー、及び表示画面1b上のタッチパネル操作画面を操作することで、本発明にかかる油脂劣化度測定プログラムを起動させ、対象油脂に浸された呈色試験片2を撮影させ、対象油脂の酸価を測定させることができる。
プロセッサー1dは、データの演算・制御処理装置としてのCPUと、記憶装置としてのROM、RAM、及びHDDと、ホームネットワーク又はインターネットを通じて情報データの送受信を行う通信用インタフェースとを主に備えたものである。
なお、油脂劣化度測定装置1は、外付けハードディスク等の外部記憶装置をさらに備えていても良い。
これらROM、RAM、HDD、及び外部記憶装置には、図2に示すように、コンピュータとして必要な機能を果たすメインプログラムに加えて、油脂劣化度測定プログラムが記憶されており、これらプログラムがCPUによって実行されることにより、油脂劣化度測定装置1の機能が発揮されることになる。
なお、データサーバー100は、同様のハード構成を備えたコンピュータである。
<油脂劣化度測定装置のソフト構成>
油脂劣化度測定装置1は、図2に示すように、機能面から説明すると、図3に示す「酸価閾値データ」や図4に示す「酸価参照データ」、図5に示す「カテゴリー参照データ」、図9に示す「判定結果データ」、各種プログラム及び各種データを記憶しておく記憶部10と、酸価閾値データを参照して酸価閾値を設定する閾値設定部11と、ユーザー操作の入力を受け付けて酸価閾値データが示す酸価閾値を変更する閾値変更部12と、撮影実行前に予めユーザー操作の入力が受け付け可能となるまでの時間を報知するユーザー報知部13と、対象油脂に浸された呈色試験片2とカラーバー3とを同時に撮影した撮影データを取得する撮影データ取得部14と、撮影データが示す撮影内容から呈色試験片2及びカラーバー3のRGB色情報をそれぞれ算出する色情報算出部15と、酸価に対応する、算出されたカラーバーのRGB色情報と、算出された呈色試験片のRGB色情報と、から所定のカテゴリーに対象油脂の酸価を割り当てるカテゴリー割り当て部16と、割り当てられた所定のカテゴリーの範囲内で対象油脂の酸価を測定する酸価測定部17と、測定された対象油脂の酸価が酸価閾値以上であるか否かを判定する閾値判定部18と、過去の複数の判定結果データを参照して対象油脂の履歴情報から、対象油脂の酸価が酸価閾値以上となる時期を予測する予測部19と、対象油脂の酸価と判定結果と酸価閾値以上となる時期を含む判定結果データを出力表示する出力部20と、を構成要素として備えている。
また、油脂劣化度測定装置1は、ユーザー操作の入力を受け付けて、過去に測定された対象油脂の酸価と判定結果を含む結果内容のリストを表示画面上に表示する結果リスト表示部21を備えている。
また、油脂劣化度測定装置1は、撮影用画面内において対象油脂に浸された呈色試験片2とカラーバー3の存在を検出したときに、当該呈色試験片2とカラーバー3を自動的に撮影する自動撮影処理部22を備えている。
なお、図4に示す「酸価参照データ」は色情報算出部15によって作成され、また、図5に示す「カテゴリー参照データ」はカテゴリー割り当て部16によって作成される。
これらは、CPU、ROM、RAM、HDD、通信用インタフェース、及び各種プログラム等によって構成されている。
なお、データサーバー100についても機能面から説明すると、各種プログラム及び各種情報データを保持して格納しておく記憶部110と、油脂劣化度測定装置1に向けて最新のプログラム及びデータを発信するデータ発信部111と、データ受信部112と、を主な構成要素として備えている。
記憶部10に記憶される「酸価閾値データ」は、図3に示すように、油脂の利用対象物と、油脂の酸価閾値との対応関係を示すテーブルデータである。
ここで「油脂の利用対象物」とは、例えば食用油脂を利用して調理される対象物(揚げ対象物)であって、例えば、弁当及び惣菜、油揚げ及びかりんとう等が挙げられる。
「酸価閾値」とは、その値を超えたときに油脂の色や臭いが変化し、油脂の劣化が既に進行した状態を示すものであって油脂を交換する時期の基準となるものである。
図3の本実施例を見ると、酸価閾値「2.5」に対して油脂の利用対象物「弁当及び惣菜」が設定されており、また、酸価閾値「3.0」に対して油脂の利用対象物「油揚げ、かりんとう」が設定されていることが分かる。
酸価閾値は、油脂の利用対象物の違いによって、劣化度合いの速度(酸価の速度)が異なっている。詳しく言うと、揚げ処理中に揚げ対象物から出る水分量の違いによって、加水分解され遊離脂肪酸等が生成される速度が異なる。また、揚げ対象物の揚げ温度の違いによって油脂の熱重合及び熱分解速度も異なってくる。
そのため、油脂を扱う現場の事情を考慮して、油脂の利用対象物の違いによって適切な酸価閾値をユーザーが設定することで、より正確な判定結果を導くことができる。
また、図3に示す「酸価閾値データ」によれば、そのほか、油脂の種類、油脂の利用場所及び使用頻度と、油脂の酸価閾値との対応関係も示されている。
酸価閾値は、これらの違いによっても劣化度合いの速度が異なっている。そのため、油脂を扱う現場の事情をさらに考慮して、油脂の利用対象物と、上記油脂の種類、油脂の利用場所、使用頻度のいずれかの要素とを組み合わせて適切な酸価閾値をユーザーが設定することで、より正確な判定結果を導くことができる。または、上記いずれかの要素を単独で用いて、適切な酸価閾値を設定することも可能である。
「油脂の利用場所」としては、例えば、油脂を扱う食品店舗、食品製造工場等の分け方をすることが望ましい。
「使用頻度」としては、例えば使用頻度が比較的高い、普通、低い等の分け方をすることが望ましい。
記憶部10に記憶される「酸価参照データ」は、図4に示すように、カラーバー3による酸価と、RGB色情報との対応関係を示すデータであって、横軸に酸価、縦軸にRGB色情報(赤色値(RED)、緑色値(GREEN)及び青色値(BLUE))が設定されたグラフデータになっている。
詳しく言うと、酸価参照データは、酸価0.0〜酸価4.0それぞれに対応する色を備えたカラーバー3のRGB色情報を算出することで作成可能なデータである。
ここで「RGB色情報」とは、赤色、緑色及び青色の3原色によって表現され、それぞれの色の輝度を0〜255の値で示した色情報である。0とはその色が含まれないことを意味し、255とはその色の輝度が最大値であることを意味する。したがって黒色の場合にはR(RED):0、G(GREEN):0、B(BLUE):0となり、白色の場合にはR:255、G:255、B:255となる。
図4の「酸価参照データ」によれば、カラーバー3による酸価とRGB色情報との具体的な対応値については、下記表1の通りとなる。
Figure 2020038207
記憶部10に記憶される「カテゴリー参照データ」は、図5に示すように、カラーバー3による酸価と、RGB色情報のうち青色値と赤色値の色差との対応関係を示し、酸価の大きさによって所定のカテゴリーに割り当てるためのデータであって、図4に示す「酸価参照データ」から作成されるデータである。
「カテゴリー参照データ」は、横軸に酸価、縦軸にBLUE−RED色差(BR色差)が設定されたグラフデータになっており、横軸における酸価の大きさによって複数のカテゴリーに分けられている。
カテゴリーの割り当て方としては、図5の「カテゴリー参照データ」から求められる下記表2のルールに従って、酸価の大きさによって下記7つのカテゴリーの中から所定のカテゴリーに割り当てることができる。
Figure 2020038207
ここで、カテゴリー「酸価0.0」とは、酸価が0.0であることを意味し、また、例えば、カテゴリー「酸価0.5−1.0」とは、酸価が0.5超1.0以下の範囲で取り得ることを意味している。
閾値設定部11は、ユーザー操作による所定の利用対象物の入力を受け付けて、図3に示す酸価閾値データを参照して、所定の利用対象物における酸価閾値を設定するものである。
具体的には、まず図1に示す初期画面上においてユーザーによる「設定」ボタンのタッチパネル操作の入力を受け付けて、図6に示す設定情報画面を表示する。そして、設定情報画面上においてユーザーによる「閾値」ボタンの入力を受け付けて、不図示の閾値設定画面を表示する。そして、上記閾値設定画面上においてユーザー操作による「所定の利用対象物」の入力(選択)を受け付けることで、所定の利用対象物における酸価閾値を設定する。
上記構成により、油脂を扱う現場の判断基準に基づいて、ユーザーが自由に酸価閾値を変更することができる。
なお、上記ユーザー操作による入力がない場合、閾値設定部11は、初めて対象油脂の劣化度合いを測定するときには、図6に示すように、例えば、初期設定値として利用対象物「弁当及び惣菜」に対応する酸価閾値「2.5」を設定するもとのし、2回目以降で測定するときには、既に設定された酸価閾値を再び設定するものとする。
閾値変更部12は、ユーザー操作の入力を受け付けて、図3の酸価閾値データが示す酸価閾値をユーザー操作の入力に応じた閾値に変更するものである。
具体的には、まず図1に示す初期画面上においてユーザーによる「設定」ボタンのタッチパネル操作の入力を受け付けて、図6に示す設定情報画面を表示する。そして、設定情報画面上においてユーザーによる「閾値」ボタンの入力を受け付けて、不図示の閾値設定画面を表示する。そして、上記閾値設定画面上に表示された0.0〜4.0の閾値一覧からユーザー操作による「所定の閾値」の入力を受け付けて当該所定の閾値に変更する。
上記構成により、油脂を扱う現場の判断基準に基づいて、ユーザーが自由に酸価閾値を変更することができる。
ユーザー報知部13は、試験片撮影部1aの撮影を実行するためのユーザー操作の入力を受け付けるときに、予め表示画面上に所定の標識を表示することで、当該ユーザー操作の入力が受け付け可能となるまでの待ち時間をユーザーに対し報知するものである。
具体的には、図1の初期画面上においてユーザーによる「撮影開始」ボタン(画面中央部分に相当)のタッチパネル操作の入力を受け付けると、図7に示すように、所定のアラーム標識1eが表示されたユーザー報知画面を表示し、所定の待ち時間(例えば30秒)が経過するまでユーザー操作の入力が受け付け不能であることを報知する。そして、ユーザー報知画面の表示から30秒経過した後は、撮影を実行するための不図示の撮影用画面に自動的に切り替える。
アラーム標識1eは、表示画面の右上に表示される時計マークの標識であって、30秒が経過した後は画面から消えるものとする。なお、アラーム標識1eとともにカウントダウン用の秒数を表示することで、ユーザーに対し分かり易く報知することができる。
上記ユーザー報知によって、通常、呈色試験片2に油脂を浸した後は、呈色反応が済むまで30秒程度待つ必要があるところ、当該待ち時間が経過する前にユーザーが撮影操作を実行することのないように報知することができる。
撮影データ取得部14は、対象油脂に浸された呈色試験片2とカラーバー3とを同時に撮影した不図示の撮影データを取得するものである。
具体的には、不図示の撮影用画面上において、ユーザーによる「撮影実行」ボタンのタッチパネル操作の入力を受け付けることで、撮影を実行し、撮影データを取得する。
なお、撮影データを取得するにあたっては、撮影された撮影データが予め設定された撮影基準を満たしているか否か判定し、満たしていない場合には当該撮影データを撮影データとして採用せず、再度撮影するようにユーザー報知し、撮影用画面に戻す。
具体的な撮影基準としては、第1基準として撮影データの画像を2値化処理し(白色と黒色の2階調に変換処理し)、ラベリングによってエリア検出したときに(連続した白色の部分に対し同じ番号を割り振ったときに)、検出したエリアの数が7であること(試験片のエリアが1、カラーバーのエリアが6であること)を判定する。第2基準として、呈色試験片2の重心位置からカラーバー3が所定距離だけ離れているかを判定する。第3基準として、カラーバー3が所定の角度以上に傾いていないか判定する。第4基準として、呈色試験片2及びカラーバー3に対し異物やテカリがないか判定する。
これら第1〜第4基準のいずれかを満たしていないときには、再度撮影を要求する。
色情報算出部15は、撮影データが示す撮影内容から、呈色試験片2及びカラーバー3のRGB色情報をそれぞれ算出するものであって、また、カラーバー3のRGB色情報から図4に示す「酸価参照データ」を作成する。
カテゴリー割り当て部16は、酸価に対応する、算出されたカラーバー3のRGB色情報と、算出された呈色試験片2のRGB色情報と、から、対象油脂の酸価を、酸価の大きさに基づいて分類された複数のカテゴリーの中の所定のカテゴリーに割り当てるものである。
具体的には、図4の「酸価参照データ」から図5の「カテゴリー参照データ」を作成し、当該「カテゴリー参照データ」を参照して、呈色試験片2のRGB色情報から演算したBR色差から、対象油脂の酸価を、上述したルールにて7つのカテゴリーのうち所定のカテゴリーに割り当てる。
例えば、測定対象となる対象油脂のBR色差が−68であった場合、BR色差が−65以下であって−95超えであるため、対象油脂の酸価をカテゴリー「酸価2.0−3.0」に割り当てる。このとき、対象油脂の酸価は2.0超3.0以下の範囲内にあることを意味している。
酸価測定部17は、図4の酸価参照データ、図5のカテゴリー参照データを参照して、カテゴリー割り当て部16で割り当てられた所定のカテゴリーの範囲内で、呈色試験片2のRGB色情報(BR色差)から対象油脂の酸価を測定するものである。
言い換えると、対象油脂の酸価を0.1単位で算出する。
なお、カテゴリー「酸価0.0」、カテゴリー「酸価4.0」の場合には、そのまま酸価0.0、酸価4.0を測定結果とする。
具体的には、以下の計算式を用いて酸価を算出する。
「計算式」:
酸価=((呈色試験片のBR色差−低酸価側のBR色差)÷(高酸価側のBR色差−低酸価側のBR色差))×刻み間隔+低酸価側の酸価
ここで「低酸価側のBR色差」とは、所定のカテゴリーにおいて0.0に近い側となる下限値を意味し、また「高酸価側のBR色差」とは、所定のカテゴリーにおいて4.0に近い側の上限値を意味する。
「刻み間隔」とは、所定のカテゴリーにおいて酸価の上限値と下限値の差を意味する。
例えば、対象油脂のRGB色情報がR:104、G:116、B:36、BR色差が‐68、カテゴリー「酸価2.0−3.0」であった場合には、以下の計算式によって酸価を算出することができる。
なお、酸価2.0のBR色差は、−65、酸価3.0のBR色差は−95である。
酸価=((「−68」−「−65」)÷(「−95」−「−65」))×「1.0」+2.0となって演算すると、酸価が2.1と算出される。
上記計算式を用いることで、対象油脂の酸価が所定のカテゴリーにおいて低酸価側と高酸価側のどちらに比重をおいているのか考慮して、酸価を算出することができる。
閾値判定部18は、酸価測定部17で測定された対象油脂の酸価が、閾値設定部11で設定された酸価閾値以上であるか否かを判定するものである。
具体的には、対象油脂の酸価が酸価閾値未満である場合には、○の判定結果を示し、引き続き対象油脂を使用可能であることをユーザーに向けて報知する。一方で、酸価閾値以上である場合には、×の判定結果を示し、対象油脂を新しいものと交換すべきことを報知する。
例えば、対象油脂の酸価が2.1であって、酸価閾値が2.5に設定されていた場合には、対象油脂の酸価が酸価閾値未満であるため、○の判定結果を示すこととなる。
なお、判定結果は「○」等に限定されず、ユーザーが理解できれば、いかなる報知手段であってもよい。
予測部19は、記憶部10に記憶された複数の判定結果データを参照することで得られる対象油脂の履歴情報から、対象油脂の酸価が酸価閾値以上となる時期(例えば、使用可能時期)を予測するものである。
具体的には、対象油脂の履歴情報には図8に示すように、それぞれ「撮影日時」、「酸価の測定値」及び「判定結果」等の情報が含まれており、これら要素を組み合わせて公知の手法を用いることで、当該時期(使用可能時期)を予測する。
例えば、図8に示す複数の履歴情報と、今回の測定、判定結果で得られた「所定の撮影日時」、酸価「2.1」及び判定結果「○」の情報とを組み合わせて、公知な予測手法を用いることで、使用可能時期を予測することができる。
なお、予測部19によって予測される情報としては、酸価閾値以上となる時期の情報に限定されることなく、例えば、過去の履歴情報を分析して、対象油脂の取り扱いに関する留意情報、油脂の酸価測定に関するアドバイス情報などを予測しても良い。または、残りの使用可能回数に関する情報を予測しても良い。
出力部20は、測定された対象油脂の酸価と、閾値判定部18で判定された判定結果と、予測部19で予測された使用可能時期とを含む図9に示す判定結果データをユーザーに向けて出力表示するものである。
具体的には、図9に示すように、対象油脂の測定結果として「酸価が2.1」であること、判定結果として「○」であって酸価閾値2.5未満であることが表示されており、また、予測結果として「およそ○月○○日まで使用することができます」との使用可能時期に関する情報が表示されている。
なお、判定結果データには、そのほか測定日時や、撮影データの撮影内容等の情報が含まれている。ユーザーが詳細情報を確認したい場合には、図9に示す判定結果データが表示された画面上において、ユーザーによる「詳細」ボタンのタッチパネル操作の入力を受け付けることで、不図示の詳細情報画面を表示することができる。
上記構成により、撮影環境の違いに影響されることなく、シンプルな構成で、油脂の劣化度合いを測定し判定結果を出力することが可能な装置となる。
また、油脂を扱う現場の事情を考慮して対象油脂の酸価閾値を設定し、判定結果を出力することができる。
また、ユーザーにとって直感的で分かり易く測定することができ、測定結果の表示の際に有用な情報を併せて表示することができる。
<油脂劣化度測定プログラム>
次に、油脂劣化度測定装置1で実行される油脂劣化度測定プログラムの処理について、図10に基づいて説明する。
本実施形態に係る上記プログラムは、記憶部10を備えた油脂劣化度測定装置1の機能的な構成要素として、上述した閾値設定部11と、閾値変更部12と、ユーザー報知部13と、撮影データ取得部14と、色情報算出部15と、カテゴリー割り当て部16と、酸価測定部17と、閾値判定部18と、予測部19と、出力部20とを実現させるために各種プログラムを集約させたユーティリティプログラムであって、油脂劣化度測定装置1のCPUがこの油脂劣化度測定プログラムを実行する。
上記プログラムは、ユーザーからの操作指示を受け付けて実行されるものである。
なお、油脂劣化度測定装置1の記憶部10には、図3に示す「酸価閾値データ」、図4に示す「酸価参照データ」、図5に示す「カテゴリー参照データ」、図8に示す過去の「判定結果データ」が記憶される。
図10に示す「油脂劣化度測定フロー」では、まず、閾値設定部11が、図3に示す酸価閾値データを参照して、所定の利用対象物における酸価閾値を設定するステップS1から始まる。
詳しく言うと、ユーザー操作による所定の利用対象物の入力を受け付けて、酸価閾値データを参照して、当該所定の利用対象物に応じた酸価閾値を設定する。
ユーザー操作の入力がない場合、初めて対象油脂の劣化度合いを測定するときには、初期設定値を設定し、2回目以降で対象油脂の劣化度合いを測定するときには、既に設定された酸価閾値を再び設定する(例えば、酸価閾値3.0、油脂の利用対象物:油揚げ、かりんとう)。
次に、ステップS2で、閾値変更部12が、所定のユーザー操作の入力を受け付けたときには、ユーザー操作の入力に応じた酸価閾値に変更する(ステップS3)。
詳しく言うと、ユーザー操作の入力を受け付けたときには(ステップS2:Yes)、ステップS3に進み、ユーザー操作の入力に応じた酸価閾値(例えば、酸価閾値:2.5、油脂の利用対象物:弁当及び惣菜)に変更する。
一方でユーザー操作の入力を受け付けなかったときには(ステップS2:No)、酸価閾値を変更することなくステップS4に進む。
次に、ステップS4で、ユーザー報知部13が、撮影を実行するためのユーザー操作の入力を受け付ける際に、予め表示画面上に所定の標識を表示することで、ユーザー操作の入力が受け付け可能となるまでの時間をユーザーに対し報知する。
詳しく言うと、時計マークの標識が表示されたユーザー報知画面を表示し、例えば30秒の待ち時間が経過するまでユーザー操作の入力を受け付けないことを報知する。30秒経過した後は、撮影を実行するための撮影用画面に自動的に切り替える。
次に、ステップS5で、撮影データ取得部14が、対象油脂に浸された呈色試験片2とカラーバー3とを同時に撮影した不図示の撮影データを取得する。
詳しく言うと、ユーザーによる「撮影実行」ボタンの入力を受け付けることで、撮影を実行し、撮影データを取得する。
次に、ステップS6で、色情報算出部15が、撮影データが示す撮影内容から、呈色試験片2及びカラーバー3のRGB色情報をそれぞれ算出する。
詳しく言うと、呈色試験片2のRGB色情報(例えば、R:104、G:116、B:36)及びカラーバー3のRGB色情報を算出し、また、カラーバー3のRGB色情報から図4に示す「酸価参照データ」を作成する。
次に、ステップS7で、カテゴリー割り当て部16が、図4の「酸価参照データ」から図5の「カテゴリー参照データ」を作成し、当該「カテゴリー参照データ」を参照して、呈色試験片2のRGB色情報から、対象油脂の酸価を、酸価の大きさに基づいて分類された複数のカテゴリーの中の所定のカテゴリーに割り当てる。
詳しく言うと、呈色試験片2のRGB色情報からBR色差を演算し、BR色差から所定のカテゴリーに割り当てる(例えば、BR色差が−68であった場合、BR色差が−65以下であって−95超えであるため、カテゴリー「酸価2.0−3.0」を割り当てる)。
次に、ステップS8で、酸価測定部17が、図4の「酸価参照データ」、図5の「カテゴリー参照データ」を参照して、割り当てられた所定のカテゴリーの範囲内で、対象油脂の酸価を0.1単位で算出する。
詳しく言うと、下記計算式を用いて酸価を算出する。
酸価=((呈色試験片のBR色差−低酸価側のBR色差)÷(高酸価側のBR色差−低酸価側のBR色差))×刻み間隔+低酸価側の酸価
例えば、対象油脂のBR色差が−68、カテゴリー「酸価2.0−3.0」であった場合には、酸価2.1を算出する。
なお、カテゴリー「酸価0.0」、カテゴリー「酸価4.0」の場合には、そのまま酸価0.0、酸価4.0と算出する。
次に、ステップS9で、閾値判定部18が、測定された対象油脂の酸価が酸価閾値以上であるか否かを判定する。
詳しく言うと、酸価閾値未満であるときには、○の判定結果を示し、引き続き対象油脂を使用可能であることを示す。一方で酸価閾値以上であるときには、×の判定結果を示し、対象油脂を交換すべきことを示す。
例えば、酸価2.1、酸価閾値2.5である場合には、酸価が酸価閾値未満であるため、「○」の判定結果を示す。
次に、ステップS10で、予測部19が、過去の複数の判定結果データから得られる対象油脂の履歴情報から、対象油脂の酸価が酸価閾値以上となる時期(例えば、使用可能時期)を予測する。
詳しく言うと、対象油脂の履歴情報として「撮影日時」、「酸価の測定値」及び「判定結果」等の情報から、これら要素を組み合わせて公知の手法を用いることで、対象油脂の酸価閾値に対する時期(使用可能時期)を予測する。
次に、ステップS11で、出力部20が、測定された対象油脂の酸価と、判定結果と、予測された使用可能時期とを含む判定結果データを出力表示する。
具体的には、図9に示すように、表示画面上に「酸価2.1」、判定結果「○」及び予測結果「およそ○月○○日まで使用することができます」を出力表示する。
最後に、ステップS12で、不図示の制御部が、ユーザーからの所定の操作指示を受け付けて、油脂の劣化度合い測定を終了するか否かを決定する。
詳しく言うと、油脂の劣化度合い測定を終了するときには(ステップS12:Yes)、上記図10のプロセスを終了する。一方で、油脂の劣化度合い測定を引き続き実施するときには(ステップS12:Nо)、ステップS2に戻る。
上記の油脂劣化度測定プログラムの処理フローにより、撮影環境の違いに影響されることなく、シンプルな構成で、油脂の劣化度合いを測定し判定結果を出力することができる。
<結果リスト表示>
次に、油脂劣化度測定装置1で実行される結果リスト表示部21の機能について、図11、図12に基づいて説明する。
結果リスト表示部21は、ユーザー操作の入力を受け付けて、過去に測定された対象油脂の酸価と判定結果を含む結果内容のリストを全部又は対象油脂毎に分けて表示画面上に表示するものである。また、上記結果内容のリストのうち、ユーザー操作によって指定された指定期間内に該当するものを抽出して表示することもできる。
具体的には、まず図1に示す初期画面上においてユーザーによる「リスト」ボタンのタッチパネル操作の入力を受け付けて、図11に示す結果リスト表示画面を表示する。そして、結果リスト表示画面上においてユーザーによる「No.1」ボタンの入力及び「絞込み」ボタンの入力を順に受け付けると、過去の「判定結果データ」を参照し、全ての対象油脂の中から「No.1」に該当する対象油脂を抽出した上で、当該抽出された対象油脂における結果内容のリストを表示画面上に表示する。
図11の本実施例を見ると、対象油脂「No.1」について、測定日時を示す「日付及び時間」の情報と、酸価の測定値を示す「酸価」の情報と、判定結果を示す「判定」の情報とが含まれた結果内容のリストが5件表示されていることが分かる。
なお、「No.1」ボタンの入力の代わりに「全体」ボタンの入力を受け付けることで、全ての対象油脂の結果内容をリスト表示することができる。
また、図11の結果リスト表示画面上において、図12に示すようにユーザーによる「指定期間」ボタンの入力及び「絞込み」ボタンの入力を順に受け付けると、過去の「判定結果データ」を参照し、対象油脂「No.1」について全期間の中からユーザー指定された期間における結果内容のリストを抽出し、当該抽出された指定期間における結果内容のリストを表示画面上に表示する。
図12の本実施例を見ると、対象油脂「No.1」について、指定期間「2019/07(2019年7月)」に該当する結果内容のリストが2件表示されていることが分かる。
なお、本実施形態では、月単位で指定期間のユーザー設定ができるところ、特に限定されることなく、日単位や時間単位でユーザー設定がなされても良い。
上記構成により、過去の結果内容(測定結果及び判定結果の内容)を油脂毎に絞り込んでリスト表示することや、指定した期間内で絞り込んでリスト表示することができるため、ユーザーが過去の測定結果を効率良く閲覧することができる。
また、対象油脂の劣化度合いを測定する毎に、当該測定された結果内容が自動的に記憶部10に記憶されることになる。そのため、結果リスト表示部21は、最新の結果内容のリストを表示画面上に表示することができる。
なお、図10に示す油脂劣化度測定プログラムにおいて、結果リスト表示部21の処理は、ステップS11における出力部20の処理後に実行されると好ましい。そのようにすれば、ユーザーが現時点における対象油脂の結果内容と、過去の結果内容とを比較して、今後の油脂の取り扱いについて検討することができる。
また、結果リスト表示部21の処理は、ステップS1における閾値設定部11の処理前、またはステップS2における閾値変更部12の処理前に実行されても良い。そのようにすれば、ユーザーが酸価閾値を設定又は変更するにあたって、事前に過去の対象油脂の結果内容(履歴情報)を確認することができる。
<自動撮影処理>
次に、油脂劣化度測定装置1で実行される自動撮影処理部22の機能について、図13に基づいて説明する。
自動撮影処理部22は、撮影用画面内において呈色試験片2とカラーバー3の存在を検出したときに、当該呈色試験片2とカラーバー3を自動的に撮影するものである。
なお、撮影用画面は、図1の初期画面上においてユーザーによる「撮影開始」ボタンのタッチパネル操作の入力を受け付けることで、初期画面から切り替わって表示される画面である。
なお、油脂劣化度測定装置1では、当該撮影用画面においてユーザーによる不図示の「撮影実行」ボタンのタッチパネル操作の入力を受け付けることで、撮影を実行するようにしても良い。すなわち、自動撮影及びユーザーによる手動撮影の両方を実行可能としても良いし、設定変更によって自動撮影のみを実行することとしても良い。
自動撮影処理部22は、具体的には、まず図13に示す撮影用画面内において検出対象となる「呈色試験片2の色情報」と、「カラーバー3における複数の色情報」との存在を検出する。これら色情報の存在を検出したときには、それぞれの色情報に対して矩形枠状の検出フレーム1gを表示する。
そして、「呈色試験片2の色情報」及び「カラーバー3における複数の色情報」の全てを検出したときに、すなわち、これら色情報の全てに対して検出フレーム1gを表示したときに、当該呈色試験片2とカラーバー3を自動的に撮影する。
自動撮影後、図13に示す撮影用画面において、ユーザーによる「これでOK」ボタンの入力を受け付けることで、撮影された映像データを撮影データとして採用する。一方で、ユーザーによる「撮り直す」ボタンの入力を受け付けた場合には、撮影データとして採用せず、再度撮影するように撮影用画面に戻す。
上記構成により、自動検出(自動認識)の技術を利用して精度の高い撮影データを取得することができる。また、自動撮影を採用することで、ユーザーにとって直感的で分かり易く操作することができる。
なお、図10に示す油脂劣化度測定プログラムにおいて、自動撮影処理部22の処理は、ステップS4におけるユーザー報知部13の処理後であって、ステップS5における撮影データ取得部14の処理前に実行されると好ましい。
<その他の実施形態>
上記実施形態では、酸価測定部17が、対象油脂に浸された呈色試験片2のRGB色情報(具体的には、BR色差)から対象油脂の酸価を測定しているが、特に限定されることなく変更可能である。例えば、RGB色空間で定義されるRGB色情報を用いて、HSV色空間で定義されるHSV色情報を用いても良い。
その場合には、まず色情報算出部15が、撮影データが示す撮影内容から、呈色試験片2及びカラーバー3のRGB色情報を算出し、当該RGB色情報の座標値からHSV色情報の座標値に変換する。その後、酸価測定部17が、呈色試験片2のHSV色情報から対象油脂の酸価を測定すれば良い。
望ましくは、酸価測定部17は、HSV色情報のうち、色相(Hue)から対象油脂の酸価を測定すると良い。または、HSV色情報のうち、色相(Hue)及び明度(Value)から対象油脂の酸価を測定すると良い。
また、HSV色情報は、カテゴリーの割り当てに使用することができる。
上記実施形態では、図9に示すように、出力部20が、予測部19で予測された使用可能時期の情報として「およそ○月○○日まで使用することができます」との情報を出力表示しているが、特に限定されることなく、使用可能時期の予測情報の代わりとして、使用可能回数を出力表示しても良い。
その場合には、予測された使用可能回数の情報として「あと**回使用することができます」等の情報を出力表示すると良い。
上記実施形態では、図7に示すように、ユーザー報知部13が、撮影を実行するためのユーザー操作の入力を受け付けるときに、予め表示画面上にアラーム標識1eを表示し、当該ユーザー操作の入力が受け付け可能となるまでの時間を報知しているが、そのほか、ユーザーにとって直感的で分かり易く測定することが可能なユーザー報知を採用して良い。
例えば、図7に示すように、呈色試験片2とカラーバー3とを同時撮影するにあたって、撮影の精度を上げるべく、予め表示画面上に矩形枠状のガイド標識1fを表示することで、ユーザーに対し呈色試験片2とカラーバー3との適切な位置関係を報知しても良い。
上記実施形態では、図2に示すように、油脂劣化度測定装置1が、データサーバー100と情報データ通信を行い、データサーバー100に記憶されている最新のプログラムやデータを読み込んで記憶部10に記憶し、主要な機能となる閾値設定部11〜出力部20を構成要素として備えているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、データサーバー100が主要な機能を備え、油脂劣化度測定装置1は、サブとしてデータサーバー100から各種の実行プログラムや実行データを受信することで、対象油脂の劣化度合いを測定するシステム構成(油脂劣化度測定システム)としても良い。
具体的には、データサーバー100が、酸価閾値データ等を記憶部110に記憶し、データ発信部111、データ受信部112に加えて、閾値設定部11、閾値変更部12、色情報算出部15、カテゴリー割り当て部16、酸価測定部17、閾値判定部18、予測部19を備えており、一方で油脂劣化度測定装置1は、ユーザー報知部13、撮影データ取得部14、出力部20、データ発信部、データ受信部を備えていることとしても良い。
その場合、油脂劣化度測定装置1は、撮影データ取得部14によって得られた撮影データをデータサーバー100にデータ発信し、その後、データサーバー100から判定結果データをデータ受信する構成になると良い。
なお、上記の油脂劣化度測定システムにおいて、油脂劣化度測定装置1とデータサーバー100のどちらが上記の機能的な構成要素を備えているかについては適宜変更可能である。
上記実施形態では、図1に示すように、油脂劣化度測定装置1の初期画面の右上部分において、酸価閾値を示す「閾値 2.5」と油脂の利用対象物を示す「弁当,惣菜」の情報が表示されているところ、特に限定されるものではなく変更可能である。
例えば、酸価閾値の情報のみが表示されていても良いし、どちらの情報も表示しないこととしても良い。
上記実施形態では、図7に示すように、ユーザー報知部13が、撮影実行前に予め表示画面上に所定の標識を表示し、所定の待ち時間が経過するまでユーザー操作の入力が受け付け不能であることを報知するところ、必ずしもユーザー報知部13による処理が実行されなくても良い。すなわち、図7に示すユーザー報知画面を表示することなく、そのまま図13に示す撮影用画面に切り替えて表示しても良い。
あるいは、図7に示すアラーム標識1eが「ユーザー報知開始」ボタンとして設定表示されており、ユーザーによる当該ボタンの操作入力を受け付けたときに、ユーザー報知部13による処理が実行されるようにしても良い。
そのようにすれば、ユーザー利便性が向上する。すなわち、ユーザーが呈色試験片2に油脂を浸して既に30秒以上経過した状態から撮影操作を実行しようとする場合には、わざわざユーザー報知画面を経る必要がないため、スムーズに撮影操作を実行することができる。
上記実施形態では、主として本発明に係る油脂劣化度測定装置、油脂劣化度測定方法及び油脂劣化度測定プログラムに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
1 油脂劣化度測定装置
1a 試験片撮影部(撮影カメラ)
1b 表示画面
1c ユーザー操作部
1d プロセッサー
1e アラーム標識(標識)
1f ガイド標識
1g 検出フレーム
2 呈色試験片
3 カラーバー
10 記憶部
11 閾値設定部
12 閾値変更部
13 ユーザー報知部
14 撮影データ取得部
15 色情報算出部
16 カテゴリー割り当て部
17 酸価測定部
18 閾値判定部
19 予測部
20 出力部
21 結果リスト表示部
22 自動撮影処理部
100 データサーバー
110 記憶部
111 データ発信部
112 データ受信部

Claims (11)

  1. 油脂の劣化度合いを測定するための油脂劣化度測定装置であって、
    油脂の酸価閾値を示す酸価閾値データを記憶する記憶部と、
    測定対象となる対象油脂に浸された呈色試験片と、酸価に対応する複数の色から構成されるカラーバーとを同時に撮影した撮影データを取得する撮影データ取得部と、
    前記撮影データが示す撮影内容から、前記呈色試験片及び前記カラーバーのRGB色空間で定義されるRGB色情報をそれぞれ算出する色情報算出部と、
    算出された前記カラーバーのRGB色情報に対応する酸価を参照して、算出された前記呈色試験片のRGB色情報と前記カラーバーのRGB色情報とを比較して、前記対象油脂の酸価を測定する酸価測定部と、
    測定された前記対象油脂の酸価が、前記酸価閾値データが示す前記酸価閾値以上であるか否かを判定する閾値判定部と、
    前記閾値判定部によって判定された判定結果を含む判定結果データを出力する出力部と、を備えていることを特徴とする油脂劣化度測定装置。
  2. 前記記憶部は、油脂の利用対象物及び/または油脂の種類と、油脂の前記酸価閾値との対応関係を示す前記酸価閾値データを記憶し、
    ユーザー操作による所定の前記利用対象物及び/または前記種類の入力を受け付けて、前記酸価閾値データを参照して、前記酸価閾値を設定する閾値設定部をさらに備え、
    前記閾値判定部は、測定された前記対象油脂の酸価が、前記閾値設定部で設定された前記酸価閾値以上であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の油脂劣化度測定装置。
  3. ユーザー操作の入力を受け付けて、前記酸価閾値データが示す前記酸価閾値を変更する閾値変更部をさらに備え、
    前記記憶部は、変更後の前記酸価閾値データを記憶していることを特徴とする請求項1又は2に記載の油脂劣化度測定装置。
  4. ユーザー操作の入力を受け付けて、前記対象油脂に浸された前記呈色試験片と、前記カラーバーとを同時に撮影する試験片撮影部を有し、
    該試験片撮影部の撮影を実行するための前記ユーザー操作の入力を受け付けるときに、前記ユーザー操作の入力が受け付け可能となるまでの時間を報知するユーザー報知部をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の油脂劣化度測定装置。
  5. 前記出力部は、測定された前記対象油脂の酸価をさらに含む前記判定結果データを出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の油脂劣化度測定装置。
  6. 前記記憶部は、過去の前記判定結果データを複数記憶し、
    複数の前記判定結果データを参照することで得られる前記対象油脂の履歴情報から、前記対象油脂の酸価が前記酸価閾値以上となる時期を予測する予測部を備え、
    前記出力部は、前記時期をさらに含む前記判定結果データを出力することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の油脂劣化度測定装置。
  7. 前記酸価測定部は、前記RGB色情報のうち赤色成分を示す赤色値と、青色成分を示す青色値との差から算出される色差に基づいて前記対象油脂の酸価を測定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の油脂劣化度測定装置。
  8. 酸価に対応する前記カラーバーのRGB色情報と、前記呈色試験片のRGB色情報と、から、前記対象油脂の酸価を、酸価の大きさに基づいて分類された複数のカテゴリーの中の所定のカテゴリーに割り当てるカテゴリー割り当て部を有し、
    前記酸価測定部は、前記カテゴリー割り当て部で割り当てられた所定の前記カテゴリーの範囲内で、前記対象油脂の酸価を測定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の油脂劣化度測定装置。
  9. 油脂の劣化度合いを測定するための油脂劣化度測定方法であって、
    油脂の酸価閾値を示す酸価閾値データを記憶する記憶部を備えたコンピュータが、
    測定対象となる対象油脂に浸された呈色試験片と、酸価に対応する複数の色から構成されるカラーバーとを同時に撮影した撮影データを取得する撮影データ取得工程と、
    前記撮影データが示す撮影内容から、前記呈色試験片及び前記カラーバーのRGB色空間で定義されるRGB色情報をそれぞれ算出する色情報算出工程と、
    算出された前記カラーバーのRGB色情報に対応する酸価を参照して、算出された前記呈色試験片のRGB色情報と前記カラーバーのRGB色情報とを比較して、前記対象油脂の酸価を測定する酸価測定工程と、
    測定された前記対象油脂の酸価が、前記酸価閾値データが示す前記酸価閾値以上であるか否かを判定する閾値判定工程と、
    判定された判定結果を含む判定結果データを出力する出力工程と、を実行することを特徴とする油脂劣化度測定方法。
  10. 請求項9に記載の油脂劣化度測定方法に使用する呈色試験片。
  11. 油脂の劣化度合いを測定するための油脂劣化度測定装置としてのコンピュータに、
    測定対象となる対象油脂に浸された呈色試験片と、酸価に対応する複数の色から構成されるカラーバーとを同時に撮影した撮影データを取得する撮影データ取得処理と、
    前記撮影データが示す撮影内容から、前記呈色試験片及び前記カラーバーのRGB色空間で定義されるRGB色情報を算出する色情報算出処理と、
    算出された前記カラーバーのRGB色情報に対応する酸価を参照して、算出された前記呈色試験片のRGB色情報と前記カラーバーのRGB色情報とを比較して、前記対象油脂の酸価を測定する酸価測定処理と、
    測定された前記対象油脂の酸価が、油脂の酸価閾値を示す酸価閾値データを参照して前記酸価閾値以上であるか否かを判定する閾値判定処理と、
    判定された判定結果を含む判定結果データを出力する出力処理と、を実行させることを特徴とする油脂劣化度測定プログラム。
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