JP2020037646A - 転写用ハードコートフィルム積層体、及び、その製造方法 - Google Patents
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本発明の転写用ハードコートフィルム積層体の構成について、以下、適宜図面を参照しながら説明する。図1に示す通り、本発明の転写用ハードコートフィルム積層体10は、ハードコートフィルム1と、ハードコートフィルム1を支持する支持基材である基材フィルム11とが積層されてなる樹脂フィルムである。
基材フィルム11は、支持基材として使用目的に応じた適度な可撓性と剛性とをバランスよく兼ね備える樹脂フィルムであることが好ましく、又、転写後にハードコートフィルム1から剥離可能な樹脂フィルムであればよい。例えば、ポリエステル樹脂フィルム又はポリオレフィン樹脂フィルムを、基材フィルム11として好ましく用いることができる。又、これらの樹脂フィルムは延伸フィルムであることがより好ましい。基材フィルム11を、延伸フィルムにより構成することにより、転写用ハードコートフィルム積層体10を製造する際の加熱処理や電離放射線の照射による架橋処理等に起因する収縮を抑制して、転写用ハードコートフィルム積層体10の形状及び寸法の安定性を高めることができる。
ハードコート層12は、硬化性樹脂組成物からなる層であり、被転写体である成型品基体20に、ヒートシール層132(或いは接着層13)を介して転写された後、ハードコート成型品100の最表面にハードコート層を形成する層である。尚、このハードコート層12は、下記に詳細を説明する各手段によって硬化される層であるが、この硬化は、上記の転写後に行うことも可能である。従って、転写用ハードコートフィルム積層体10、及びこれを構成するハードコートフィルム1のハードコート層12とは、硬化済みの層には限定されない。上述の通り、ハードコートフィルムを構成する層であり、硬化性樹脂組成物からなる層であれば、未硬化の段階にある層であっても本発明のハードコートフィルム等を構成するハードコート層であることに相違ない。
接着層13は、ハードコートフィルム1を成型品基体20の表面に密着させる機能を有する層である。この接着層13は、単層であってもよいが、上述の通り、ハードコート層12の側から、プライマー層131及びヒートシール層132がこの順で積層される2層構成であることが好ましい。以下、接着層13がこのような2層構成である場合について説明する。
プライマー層131は、ハードコート層12に対する応力緩和層として機能するとともに、ハードコート層12の密着性を向上させる機能を有する層である。このプライマー層131は、バインダー樹脂及びブロッキング防止剤を含むプライマー層形成用樹脂組成物により構成される。
ヒートシール層132は、プライマー層131とともにハードコートフィルム1を成型品基体20の表面に密着させる機能を有する層であり、加熱及び加圧により、成型品基体20への転写を良好に行うことができるように熱融着樹脂等からなる接着性樹脂により構成される。
ハードコートフィルム1及びそれを用いて構成する転写用ハードコートフィルム積層体10は、視認可能な有色の図柄を有する。この図柄は、例えば、図4に示すように着色部14Aと非着色部14Bとからなるストライプ模様を一例として挙げることができる。ハードコートフィルム1、又は、それを用いてなる転写用ハードコートフィルム積層体10を用いることにより、成型品の成型品基体20に図柄を付与して、その意匠性の向上に寄与することができ、或いは、上述の通り、その他、様々な機能の発現により、製品の機能、効能の向上に寄与することができる。本発明による図柄の付与によって発現させることができる意匠性の向上以外の機能の例として、例えば、カーウィンドウの外周周辺を暗色で着色してボディやピラーとの境界をぼやかす例、或いは、車載ディスプレイの表面パネルで表示部を透明にし、非表示部を不透明にパターニングする例、等を具体例として挙げることができる。
接着層13又はヒートシール層132内に、図柄を形成する退行性着色剤として「熱エネルギーを吸収することにより退色する性質を有する着色剤(以下、「熱退行型着色剤」とも言う)を採用する場合、このような性質を有する公知の着色剤を適宜選択することができる。具体的な一例として、例えば、特開2010−174183号公報に開示されている「消色性接着組成物」を用いることができる。この「消色性接着剤組成物」は、バインダー、有機溶剤、塩基性染料又は油溶染料、及び、シランカップリング剤を含有し、150〜200℃に加熱することにより硬化とともに色が消失し、無色透明になることを特徴とするものである。
接着層13又はヒートシール層132内に、図柄を形成する退行性着色剤として「光エネルギー」を吸収することにより退色する性質を有する着色剤(以下「光退行型着色剤」とも言う)を採用する場合、このような性質を有する公知の着色剤を適宜選択することができる。具体的な一例として、例えば、特開平5−132655号公報に開示されている「消色性色素」を用いることができる。尚、上記の「光退行型着色剤」に「光エネルギー」を与える「光」には、紫外線や赤外線等の可視光以外の光も当然に含まれる。
本発明の転写用ハードコートフィルム積層体及びハードコートフィルムの製造方法について説明する。
本発明のハードコート成型品100は、図5、図6に示す通り、転写用ハードコートフィルム積層体10を用いて、ハードコートフィルム1を、ヒートシール層132を介して成型品基体20に転写することで得られる。具体的には、ハードコート成型品100は、図5(a)に示すように、成型品基体20の表面上に、少なくとも、接着層13とハードコート層12と基材フィルム11とがこの順に配置されている。基材フィルム11の配置は任意であり、図2(b)に示すように、使用過程における任意の段階でハードコートフィルム1から剥離してもよい。
成型品基体20には、所望の樹脂成型体に応じて適宜選択すればよい。成型品基体20を構成する樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。成型品基体20の厚さは、通常1mm以上20mm以下であることが好ましく、2mm以上10mm以下であることがより好ましい。成型品基体20が薄すぎると、面剛性等の実用的な強度が不十分となり、成型品基体20が厚すぎると、成型品基体20の加工性に影響する。成型品基体20の形状は、所望の樹脂成型体の用途に応じて適宜選択すればよく、板状のものには限られない。
本発明のハードコート成型品100は、上記の図柄の形成に係る工程にかかる処理以外の処理部分については、公知のハードコート成型品の製造方法と同様の製造方法によってこれを行うことができる。例えば、上述した方法により、予め図柄の形成が完了いている転写用ハードコートフィルム積層体10を用いる場合には、これを、成型品基体20上に、従来同様の方法でこれを転写することにより、図柄付きのハードコート成型品100を得ることができる。
10 転写用ハードコートフィルム積層体
11 基材フィルム
12 ハードコート層
13 接着層
131 プライマー層
132 ヒートシール層
14 図柄
14A 着色部
14B 非着色部
15 マスク
151 ホール
20 成型品基体
100 ハードコート成型品
Claims (8)
- 硬化性樹脂により形成されているハードコート層と、接着層とが、積層されてなり、
前記接着層に、熱エネルギー又は光エネルギーを吸収することにより退色する性質を有する退行性着色剤が含有されている、ハードコートフィルム。 - 前記接着層の層内に、着色部と非着色部とからなる図柄が形成されていて、
前記着色部が、前記退行性着色剤により形成されている、請求項1に記載のハードコートフィルム。 - 前記接着層が、ハードコート層の表面に形成されているプライマー層と、該プライマー層の表面に形成されているヒートシール層と、からなり、
前記退行性着色剤は、前記ヒートシール層内に形成されている、請求項1又は2に記載のハードコートフィルム。 - 請求項1から3のいずれかに記載のハードコートフィルムの前記ハードコート層における前記接着層とは反対側の表面に、基材フィルムが更に積層されてなる、転写用ハードコートフィルム積層体。
- 請求項1から3のいずれかに記載のハードコートフィルムが、前記接着層を介して、成型品基体の表面に密着してなる、ハードコート成型品。
- 前記成型品基体の前記表面が曲面であって、前記退行性着色剤が、加熱によって消色する性質を有する着色剤である、請求項5に記載のハードコート成型品。
- 図柄を有するハードコートフィルムの製造方法であって、
前記ハードコートフィルムは、ハードコート層と接着層とが積層されてなり、
前記接着層を形成する接着剤は、熱エネルギー又は光エネルギーを吸収することにより退色する性質を有する退行性着色剤を含有し、
前記接着剤からなる接着層をハードコート層の表面に形成する工程と、
前記接着層の一部を加熱、又は、該接着層の一部に光を照射することによって、前記退行性着色剤の一部を退色させて、該接着層内に前記図柄を形成する工程と、を含んでなる、ハードコートフィルムの製造方法。 - 図柄を有するハードコート成型品の製造方法であって、
ハードコート層と接着層とが積層されてなるハードコートフィルムを成型品基体の表面に転写する工程と、
前記成型品基体を加熱しながら曲げ変形させる工程と、を含み、
前記接着層を形成する接着剤は、熱エネルギーを吸収することにより退色する性質を有する退行性着色剤を含有し、
前記成型品基体を曲げ変形させるために加熱される熱により、前記退行性着色剤の一部を退色させて、前記接着層内に前記図柄を形成する、
ハードコート成型品の製造方法。
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