JP2020035823A - 熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラッシュ光照射によって窒化ガリウムの基板を加熱して昇温させることができる熱処理方法を提供する。【解決手段】炭化ケイ素にて形成された載置板91の上面中央部には凹部93が形設される。載置板91の凹部93に窒化ガリウムのGaN基板Wが載置される。ハロゲンランプからの光照射によってGaN基板Wを予備加熱するときには、ハロゲンランプから出射された光は載置板91に吸収される。昇温した載置板91からの熱伝導によってGaN基板Wが間接的に予備加熱される。予備加熱により昇温したGaN基板Wは、フラッシュランプFLから放射されたフラッシュ光を吸収可能となる。これにより、フラッシュ光照射によってGaN基板Wを加熱して昇温させることができる。【選択図】図9

Description

本発明は、窒化ガリウム(GaN)の基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するフラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
一方、窒化ガリウム系化合物は、青色の光を発光する発光素子として注目されるとともに、絶縁破壊電界が高くエネルギーギャップが大きいため、電力変換に用いられるパワーデバイスの基幹材料としても期待されている。特許文献1には、窒化ガリウム系化合物の層にp型ドーパントを注入し、その層に赤外光を照射することによってp型ドーパントを活性化して窒化ガリウム系化合物半導体を製造する方法が開示されている。
特開2004−128189号公報
窒化ガリウム中におけるp型ドーパントを活性化させるためには、窒化ガリウムを1400℃以上の高温に加熱する必要がある。また、窒化ガリウムを高温で長時間(数分以上)加熱すると、比較的容易に窒素が脱離することが知られている。従って、良好な活性化率を得るためには、p型ドーパントが注入された窒化ガリウムに高温かつ短時間の加熱処理を行うことが必要となる。極めて照射時間が短く、かつ、強いエネルギーを有するフラッシュ光を照射するフラッシュランプアニールは、このようなニーズに適合する。
しかしながら、窒化ガリウムは、可視光から近赤外線の波長域において透明であり、光をほとんど吸収しない。このため、強いエネルギーを有するフラッシュ光を照射しても、窒化ガリウムがほとんどそのフラッシュ光を吸収しないため、窒化ガリウムを加熱して昇温させることは困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フラッシュ光照射によって窒化ガリウムの基板を加熱して昇温させることができる熱処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、窒化ガリウムの基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、前記基板を吸光材料にて形成された載置板に載置する載置工程と、連続点等ランプから前記載置板に光を照射することによって昇温した前記載置板からの熱伝導により前記基板を予備加熱する予備加熱工程と、前記予備加熱工程にて昇温した前記基板にフラッシュランプからフラッシュ光を照射して加熱するフラッシュ加熱工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理方法において、前記載置板は炭化ケイ素にて形成されることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る熱処理方法において、前記載置板に形設された凹部に前記基板が載置されることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記載置板に前記基板が載置された積層体をチャンバー内に搬入する工程をさらに備えることを特徴とする。
請求項1から請求項4の発明によれば、窒化ガリウムの基板を吸光材料にて形成された載置板に載置し、連続点等ランプから載置板に光を照射することによって昇温した載置板からの熱伝導により基板を予備加熱するため、昇温した窒化ガリウムの基板はフラッシュ光を吸収可能となり、フラッシュ光照射によって窒化ガリウムの基板を加熱して昇温させることができる。
本発明に係る熱処理方法を実施する際に使用する熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 保持部の全体外観を示す斜視図である。 サセプタの平面図である。 サセプタの断面図である。 移載機構の平面図である。 移載機構の側面図である。 複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。 本発明に係る熱処理方法の手順を示すフローチャートである。 GaN基板を載置板に載置した状態を示す図である。 窒化ガリウムの吸収率の分光分布を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明に係る熱処理方法を実施するための熱処理装置について説明する。図1は、本発明に係る熱処理方法を実施する際に使用する熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。図1の熱処理装置1は、窒化ガリウムの基板(GaN基板)Wにフラッシュ光照射を行うことによってそのGaN基板Wを加熱するフラッシュランプアニール装置である。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
熱処理装置1は、GaN基板Wを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、GaN基板Wを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間でGaN基板Wの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。さらに、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御してGaN基板Wの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。
また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、GaN基板Wを保持する保持部7を囲繞する。チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。
また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対してGaN基板Wの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面に連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65へのGaN基板Wの搬入および熱処理空間65からのGaN基板Wの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
さらに、チャンバー側部61には、貫通孔61aが穿設されている。チャンバー側部61の外壁面の貫通孔61aが設けられている部位には放射温度計20が取り付けられている。貫通孔61aは、後述するサセプタ74に保持された載置板91の下面から放射された赤外光を放射温度計20に導くための円筒状の孔である。貫通孔61aは、その貫通方向の軸がサセプタ74の主面と交わるように、水平方向に対して傾斜して設けられている。貫通孔61aの熱処理空間65に臨む側の端部には、放射温度計20が測定可能な波長領域の赤外光を透過させるフッ化バリウム材料からなる透明窓21が装着されている。
また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガスを供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は処理ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、処理ガス供給源85から緩衝空間82に処理ガスが送給される。緩衝空間82に流入した処理ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。処理ガスとしては、例えばアンモニア(NH)、または、水素(H)と窒素(N)との混合ガスであるフォーミングガスを用いることができる。また、処理ガス供給源85は、不活性ガスとしての窒素を熱処理空間65に供給することもできる。
一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。また、処理ガス供給源85および排気部190は、熱処理装置1に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置1が設置される工場のユーティリティであっても良い。
また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。
図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプタ74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプタ74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。
基台リング71は円環形状から一部が欠落した円弧形状の石英部材である。この欠落部分は、後述する移載機構10の移載アーム11と基台リング71との干渉を防ぐために設けられている。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。基台リング71の上面に、その円環形状の周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。
サセプタ74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。図3は、サセプタ74の平面図である。また、図4は、サセプタ74の断面図である。サセプタ74は、保持プレート75、ガイドリング76および複数の支持ピン77を備える。保持プレート75は、石英にて形成された略円形の平板状部材である。保持プレート75の直径はGaN基板Wの直径よりも大きい。すなわち、保持プレート75は、GaN基板Wよりも大きな平面サイズを有する。
保持プレート75の上面周縁部にガイドリング76が設置されている。ガイドリング76は、GaN基板Wを載置する載置板91(図9参照)の直径よりも大きな内径を有する円環形状の部材である。例えば、載置板91の直径がφ300mmの場合、ガイドリング76の内径はφ320mmである。ガイドリング76の内周は、保持プレート75から上方に向けて広くなるようなテーパ面とされている。ガイドリング76は、保持プレート75と同様の石英にて形成される。ガイドリング76は、保持プレート75の上面に溶着するようにしても良いし、別途加工したピンなどによって保持プレート75に固定するようにしても良い。或いは、保持プレート75とガイドリング76とを一体の部材として加工するようにしても良い。
保持プレート75の上面のうちガイドリング76よりも内側の領域がGaN基板Wを載置した載置板91を保持する平面状の保持面75aとされる。保持プレート75の保持面75aには、複数の支持ピン77が立設されている。本実施形態においては、保持面75aの外周円(ガイドリング76の内周円)と同心円の周上に沿って30°毎に計12個の支持ピン77が立設されている。12個の支持ピン77を配置した円の径(対向する支持ピン77間の距離)は載置板91の径よりも小さく、載置板91の径がφ300mmであればφ270mm〜φ280mm(本実施形態ではφ270mm)である。それぞれの支持ピン77は石英にて形成されている。複数の支持ピン77は、保持プレート75の上面に溶接によって設けるようにしても良いし、保持プレート75と一体に加工するようにしても良い。
図2に戻り、基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプタ74の保持プレート75の周縁部とが溶接によって固着される。すなわち、サセプタ74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されている。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、サセプタ74の保持プレート75は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。すなわち、保持プレート75の保持面75aは水平面となる。
GaN基板Wを載置した載置板91は、チャンバー6に装着された保持部7のサセプタ74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。このとき、載置板91は保持プレート75上に立設された12個の支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。より厳密には、12個の支持ピン77の上端部が載置板91の下面に接触して当該載置板91を支持する。12個の支持ピン77の高さ(支持ピン77の上端から保持プレート75の保持面75aまでの距離)は均一であるため、12個の支持ピン77によって載置板91を水平姿勢に支持することができる。
また、載置板91は複数の支持ピン77によって保持プレート75の保持面75aから所定の間隔を隔てて支持されることとなる。支持ピン77の高さよりもガイドリング76の厚さの方が大きい。従って、複数の支持ピン77によって支持された載置板91の水平方向の位置ずれはガイドリング76によって防止される。
また、図2および図3に示すように、サセプタ74の保持プレート75には、上下に貫通して開口部78が形成されている。開口部78は、放射温度計20が載置板91の下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。すなわち、放射温度計20が開口部78およびチャンバー側部61の貫通孔61aに装着された透明窓21を介して載置板91の下面から放射された光を受光して当該載置板91の温度を測定する。さらに、サセプタ74の保持プレート75には、後述する移載機構10のリフトピン12が積層体92(図9参照)の受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。
図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。移載アーム11およびリフトピン12は石英にて形成されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して積層体92の移載を行う移載動作位置(図5の実線位置)と保持部7に保持された載置板91と平面視で重ならない退避位置(図5の二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプタ74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプタ74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。
図1に戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持されるGaN基板Wの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。複数のフラッシュランプFLが配列される領域はGaN基板Wの平面サイズよりも大きい。
キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された円筒形状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。すなわち、フラッシュランプFLは、1秒未満の極めて短い時間で瞬間的に発光するパルス発光ランプである。なお、フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源のコイル定数によって調整することができる。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。
チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4は、筐体41の内側に複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLを内蔵している。ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLによってチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行ってGaN基板Wを加熱する。
図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。40本のハロゲンランプHLは上下2段に分けて配置されている。保持部7に近い上段に20本のハロゲンランプHLが配設されるとともに、上段よりも保持部7から遠い下段にも20本のハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持されるGaN基板Wの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される載置板91の中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい載置板91の周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向と下段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向とが互いに直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の載置板91への放射効率が優れたものとなる。
また、ハロゲン加熱部4の筐体41内にも、2段のハロゲンランプHLの下側にリフレクタ43が設けられている(図1)。リフレクタ43は、複数のハロゲンランプHLから出射された光を熱処理空間65の側に反射する。
制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。
上記の構成以外にも熱処理装置1は、GaN基板Wの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。
次に、本発明に係るGaN基板Wの熱処理方法について説明する。図8は、本発明に係る熱処理方法の手順を示すフローチャートである。処理対象となるGaN基板Wは、直径約50mm(2インチ)の円板形状の窒化ガリウムウェハーであり、典型的なシリコンの半導体ウェハー(直径300mm)に比較すると顕著に小さい。また、本発明に係る熱処理に先立って、処理対象となるGaN基板Wには、公知のイオン注入法を用いてp型ドーパントであるマグネシウム(Mg)が注入される。p型ドーパントの注入は、熱処理装置1とは別のイオン注入装置を用いて行われる。また、p型ドーパントの注入条件(ドーズ量、注入エネルギー等)は、特に限定されるものではなく、適宜の値とすることができる。
直径約50mmの小径のGaN基板Wは、そのままでは熱処理装置1で取り扱うことが困難であるため、吸光材料にて形成された載置板91に載置される(ステップS1)。図9は、GaN基板Wを載置板91に載置した状態を示す図である。載置板91は、直径300mmの円板形状の部材である。載置板91は、炭化ケイ素(SiC)にて形成されている。炭化ケイ素は、ハロゲンランプHLから照射される光およびフラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光に対して高い吸収率を有する吸光材料である。
載置板91の上面中央部には直径約70mmの円形の凹部93が形設されている。GaN基板Wは、凹部93にはまり込むようにして載置板91に載置される。GaN基板Wの直径は約50mmであるため、載置されたGaN基板Wの端縁部と凹部93の端縁部との間には約10mmの隙間が形成されることとなる。凹部93内にGaN基板Wを載置することによって、GaN基板Wの位置ずれを防止することができる。そして、載置板91に載置された状態のGaN基板Wに対して熱処理装置1により熱処理が行われる。以下、熱処理装置1におけるGaN基板Wの熱処理について説明する。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、炭化ケイ素の載置板91にGaN基板Wが載置された積層体92が熱処理装置1のチャンバー6内に搬入される(ステップS2)。具体的には、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介して積層体92がチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。このときに、バルブ84を開放してチャンバー6内に窒素ガスを供給し、搬送開口部66から窒素ガスを流出させてGaN基板Wの搬入にともなう外部雰囲気の巻き込みを最小限に抑制するようにしても良い。
搬送ロボットによって搬入された積層体92は保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプタ74の保持プレート75の上面から突き出てGaN基板Wを載置した載置板91を受け取る。このとき、リフトピン12は支持ピン77の上端よりも上方にまで上昇する。
積層体92がリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、積層体92は移載機構10から保持部7のサセプタ74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。積層体92は、保持プレート75上に立設された複数の支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。また、p型ドーパントが注入されたGaN基板Wの表面を上面に向けて積層体92は保持部7に保持される。複数の支持ピン77によって支持された載置板91の裏面(GaN基板Wが載置されるのとは反対側の面)と保持プレート75の保持面75aとの間には所定の間隔が形成される。サセプタ74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。
また、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖されて熱処理空間65が密閉空間とされた後、チャンバー6内にアンモニア雰囲気が形成される。具体的には、バルブ84が開放されて処理ガス供給源85から熱処理空間65にアンモニア(NH)が処理ガスとして供給される。アンモニアは、元素としての窒素および水素を含む。また、バルブ89が開放されてガス排気孔86からチャンバー6内の気体が排気される。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された処理ガスが下方へと流れて熱処理空間65の下部から排気され、チャンバー6内がアンモニア雰囲気に置換される。チャンバー6内に形成されたアンモニア雰囲気中におけるアンモニアの濃度は、適宜の値とすることができ、例えば100%であっても良い。なお、置換効率を高めるために、チャンバー6内を一旦大気圧未満にまで減圧してからチャンバー6内にアンモニアを供給するようにしても良い。
チャンバー6内にアンモニア雰囲気が形成された後、ハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される(ステップS3)。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプタ74を透過してGaN基板Wを載置した載置板91の下面に照射される。載置板91は、炭化ケイ素にて形成されているため、ハロゲンランプHLから出射された光を良好に吸収して昇温する。そして、昇温した載置板91からの熱伝導によってGaN基板Wが予備加熱されることとなる。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。
ここで、仮に載置板91を用いることなく、ハロゲンランプHLからの光照射によってGaN基板Wを直接に加熱した場合には、GaN基板Wを昇温させることが困難である。図10は、窒化ガリウムの吸収率の分光分布を示す図である。同図に示すように、窒化ガリウムは、波長400nm未満の紫外線の波長域では高い吸収率を有するものの、波長400nm〜760nmの可視光およびそれよりも長波長の赤外線の波長域では吸収率がほぼ0となる。すなわち、窒化ガリウムは、可視光線および赤外線をほとんど吸収しないのである。ハロゲンランプHLの放射分光分布は主に赤外域であり、GaN基板WはハロゲンランプHLから出射された光をほとんど吸収しない。このため、ハロゲンランプHLから出射された光をGaN基板Wに直接照射してもGaN基板Wはほとんど昇温しないのである。
そこで本実施形態においては、GaN基板Wを炭化ケイ素の載置板91に載置した状態でハロゲンランプHLから光照射を行っている。炭化ケイ素はハロゲンランプHLから照射される光に対して高い吸収率を有しており、載置板91はハロゲンランプHLから出射された光を良好に吸収して昇温する。そして、昇温した載置板91からの熱伝導によってGaN基板Wが予備加熱されて昇温する。すなわち、GaN基板Wは載置板91を媒介としてハロゲンランプHLからの光照射によって間接的に予備加熱されるのである。
ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、GaN基板Wを載置する載置板91の温度が放射温度計20によって測定されている。すなわち、サセプタ74に保持された載置板91の下面から開口部78を介して放射された赤外光を透明窓21を通して放射温度計20が受光して昇温中の載置板91の温度を測定する。測定された載置板91の温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する載置板91の温度が目標温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、放射温度計20による測定値に基づいて、載置板91の温度が目標温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御する。目標温度T1は、900℃以上1000℃以下である。
載置板91の温度が目標温度T1に到達した後、制御部3は載置板91の温度がその目標温度T1を維持するようにハロゲンランプHLの出力を調整する。具体的には、放射温度計20によって測定される載置板91の温度が目標温度T1に到達した時点で制御部3がハロゲンランプHLの出力を調整し、載置板91の温度をほぼ目標温度T1に維持する。ハロゲンランプHLからの光照射によって載置板91が目標温度T1に維持されることにより、載置板91からの熱伝導によってGaN基板Wが均一に予備加熱される。
載置板91の温度が目標温度T1に到達してから所定時間が経過した時点でフラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLからGaN基板Wの表面にフラッシュ光照射を行う(ステップS4)。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射によりGaN基板Wのフラッシュ加熱が行われる。
フラッシュランプFLの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、図10に示したように窒化ガリウムの吸収率がほぼ0となる波長域である。よって、常温の窒化ガリウムは、フラッシュランプFLから放射されたフラッシュ光もほとんど吸収しない。ところが、ステップS3での予備加熱によって昇温したGaN基板Wにおいては、窒化ガリウム中のフリーキャリア(電子または正孔)が増大し、そのフリーキャリアがフラッシュ光を吸収する。このため、予備加熱によって昇温したGaN基板Wは、フラッシュランプFLから放射されたフラッシュ光を吸収し、GaN基板Wの表面がフラッシュ加熱されるのである。
また、フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光(閃光)照射により行われるため、GaN基板Wの表面温度を短時間で上昇することができる。すなわち、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射により、p型ドーパントが注入されたGaN基板Wの表面は瞬間的に処理温度T2にまで昇温した後、急速に降温する。処理温度T2は、上記の目標温度T1よりも高く、1400℃以上である。GaN基板Wの表面が瞬間的に処理温度T2にまで加熱されることにより、注入されたp型ドーパントが活性化される。なお、ドーパントの活性化に要する時間は極めて短いため、短時間のフラッシュ加熱であってもドーパントの活性化には十分である。
窒化ガリウムを高温に加熱すると、比較的容易に窒素が脱離することが知られている。本実施形態においては、照射時間の極めて短いフラッシュ光をGaN基板Wに照射することによってGaN基板Wの表面を目標温度T1から処理温度T2にまでフラッシュ加熱しているため、GaN基板Wが高温となっている時間は短く、そのような窒素の脱離を最小限に抑制することができる。また、僅かに窒素が脱離したとしても、アンモニア雰囲気中(つまり、窒素を含む雰囲気中)にてGaN基板Wを目標温度T1から処理温度T2にまでフラッシュ加熱しているため、脱離した窒素を雰囲気中から補完しつつ加熱処理を行うことができる。
また、本実施形態においては、アンモニア雰囲気中(つまり、水素を含む雰囲気中)にてGaN基板Wをフラッシュ加熱しているため、GaN中に水素を供給しつつ加熱処理を行うことができる。これにより、GaN基板Wに注入されたp型ドーパントを高効率で活性化させることができる。
さらに、本実施形態においては、フラッシュ加熱によってGaN基板Wの表面を1400℃以上の高温に加熱している。これにより、ドーパント注入時に生じたGaN基板Wの結晶の欠陥が回復し、それによってもp型ドーパントの活性化効率を高めることができる。
フラッシュ加熱によってp型ドーパントが活性化された後、チャンバー6内の雰囲気が不活性ガスの雰囲気に置換される。具体的には、バルブ84を閉止するとともに、バルブ89を開放してチャンバー6内のアンモニア雰囲気を排出してチャンバー6内を大気圧未満に減圧した後、バルブ84を開放してチャンバー6内に窒素を供給する。これにより、チャンバー6内がアンモニア雰囲気から不活性ガスである窒素の雰囲気に置換される。
その後、ハロゲンランプHLも消灯することにより、GaN基板Wおよび載置板91が急速に降温する。降温中の載置板91の温度は放射温度計20によって測定され、その測定結果は制御部3に伝達される。制御部3は、放射温度計20の測定結果より載置板91の温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、載置板91の温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプタ74の上面から突き出て積層体92をサセプタ74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された積層体92が装置外部の搬送ロボットにより搬出される(ステップS5)。そして、熱処理装置1の外部に搬出された積層体92の載置板91からGaN基板Wが取り外されてGaN基板Wの熱処理が完了する(ステップS6)。
本実施形態においては、典型的なシリコンの半導体ウェハーと同じ大きさの直径300mmの炭化ケイ素の載置板91にGaN基板Wを載置した状態にて熱処理装置1による熱処理を行っている。GaN基板WはハロゲンランプHLから出射された光をほとんど吸収しないのであるが、炭化ケイ素の載置板91はハロゲンランプHLの光を良好に吸収して昇温する。そして、昇温した載置板91からの熱伝導により、ハロゲンランプHLの光を吸収しないGaN基板Wを間接的に予備加熱している。予備加熱により昇温したGaN基板Wは、フラッシュランプFLから放射されたフラッシュ光を吸収可能となる。これにより、フラッシュ光照射によってGaN基板Wを加熱して昇温させることができ、GaN基板Wの表面がフラッシュ加熱されてp型ドーパントが活性化される。
また、載置板91のサイズは典型的なシリコンの半導体ウェハーと同程度であるため、GaN基板Wを載置板91に載置して積層体92とすることにより、シリコンの半導体ウェハーを扱う熱処理装置1にて小径のGaN基板Wの熱処理を行うことができる。このように、直径300mmの炭化ケイ素の載置板91は、ハロゲンランプHLから照射された光を熱に変換してGaN基板Wに伝達する機能と、小径のGaN基板Wを熱処理装置1にて取り扱えるようにする機能とを兼ね備えているのである。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、載置板91にGaN基板Wを載置した積層体92をチャンバー6内に搬入するようにしていたが、これに代えて、炭化ケイ素の載置板をチャンバー6内に設置しておき、それにGaN基板Wを載置するようにしても良い。例えば、保持部7のサセプタ74を炭化ケイ素にて形成し、その上にGaN基板Wを載置するようにしても良い。このようにしても、ハロゲンランプHLの光を吸収して昇温した炭化ケイ素の載置板からの熱伝導によってGaN基板Wを予備加熱することができる。
また、上記実施形態においては、GaN基板Wに注入されたドーパントを活性化する加熱処理を行っていたが、これ代えて、例えばGaN基板Wに形成された膜の成膜後熱処理(PDA:Post Deposition Anneal)を熱処理装置1にて行うようにしても良い。成膜後熱処理を行う場合であっても、炭化ケイ素の載置板にGaN基板Wを載置して熱処理を行うことにより、ハロゲンランプHLの光を吸収して昇温した炭化ケイ素の載置板からの熱伝導によってGaN基板Wを予備加熱することができる。
また、GaN基板Wのサイズは、直径約50mmに限定されるものではなく、例えば直径約100mm(4インチ)であっても良い。
また、載置板91の材質は炭化ケイ素に限定されるものではなく、吸光材料であれば良く、例えばシリコン(Si)であっても良い。もっとも、p型ドーパントの活性化を行う際にはフラッシュ加熱時にGaN基板Wが1400℃以上の高温に加熱されるため、シリコン(融点1414℃)の載置板91では溶融する懸念がある。このため、p型ドーパントの活性化を行うときには、載置板91は炭化ケイ素(融点2730℃)にて形成するのが好ましい。一方、成膜後熱処理であれば、フラッシュ加熱時にGaN基板Wがそれほどには高温に昇温しないため、溶融の懸念無く、シリコンの載置板91を用いることができる。
また、上記実施形態においては、アンモニア雰囲気中にてGaN基板Wのフラッシュ加熱を行っていたが、これに代えて、水素と窒素との混合ガスであるフォーミングガスの雰囲気中にてフラッシュ光を照射してGaN基板Wのフラッシュ加熱を行うようにしても良い。このようにしても、アンモニア雰囲気中にてGaN基板Wをフラッシュ加熱するのと同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。
また、上記実施形態においては、1秒以上連続して発光する連続点灯ランプとしてフィラメント方式のハロゲンランプHLを用いてGaN基板Wの予備加熱を行っていたが、これに限定されるものではなく、ハロゲンランプHLに代えて放電型のアークランプ(例えば、キセノンアークランプ)を連続点灯ランプとして用いて予備加熱を行うようにしても良い。この場合、アークランプからの光を吸収して昇温した載置板91からの熱伝導によってGaN基板Wを予備加熱することとなる。
1 熱処理装置
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
65 熱処理空間
74 サセプタ
75 保持プレート
77 支持ピン
85 処理ガス供給源
91 載置板
92 積層体
93 凹部
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W GaN基板

Claims (4)

  1. 窒化ガリウムの基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、
    前記基板を吸光材料にて形成された載置板に載置する載置工程と、
    連続点等ランプから前記載置板に光を照射することによって昇温した前記載置板からの熱伝導により前記基板を予備加熱する予備加熱工程と、
    前記予備加熱工程にて昇温した前記基板にフラッシュランプからフラッシュ光を照射して加熱するフラッシュ加熱工程と、
    を備えることを特徴とする熱処理方法。
  2. 請求項1記載の熱処理方法において、
    前記載置板は炭化ケイ素にて形成されることを特徴とする熱処理方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の熱処理方法において、
    前記載置板に形設された凹部に前記基板が載置されることを特徴とする熱処理方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理方法において、
    前記載置板に前記基板が載置された積層体をチャンバー内に搬入する工程をさらに備えることを特徴とする熱処理方法。
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