JP2020034867A - 硬化型封止材、硬化物および表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、基材中に、440〜510nmに極大吸収波長を有するジピロメテン金属キレート化合物を少なくとも1種含有してなる光学フィルターが開示されている。特許文献1には、上記光学フィルターは、各種ディスプレーにおいて発生する480nm付近にある余分な光を効率よくカットするため、可視光線の緑色部分を正確に再生する優れた性能を有すると記載されている。
450nm以上500nm以下の範囲に吸収極大波長を有する化合物(P)を含む硬化型封止材。
[2]
上記[1]に記載の硬化型封止材において、
上記化合物(P)が下記一般式(A)で示されるポルフィリン系化合物を含む硬化型封止材。
[3]
上記[1]または[2]に記載の硬化型封止材において、
当該硬化型封止材を硬化することによって厚さ10μmの硬化物シートを作製したとき、
上記硬化物シートの400nm以上800nm以下の範囲での平均光線透過率が80%以上である硬化型封止材。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の硬化型封止材において、
当該硬化型封止材を硬化することによって厚さ10μmの硬化物シートを作製したとき、
450nm以上500nm以下の範囲に存在する吸収極大波長での光線透過率が30%以上である硬化型封止材。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の硬化型封止材において、
上記化合物(P)が下記一般式(A−1)または(A−2)で示されるポルフィリン系化合物を含む硬化型封止材。
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の硬化型封止材において、
発光素子用封止材である硬化型封止材。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の硬化型封止材において、
熱硬化性樹脂、熱硬化性化合物、光硬化性樹脂および光硬化性化合物からなる群から選択される一種または二種以上の硬化性化合物をさらに含む硬化型封止材。
[8]
上記[7]に記載の硬化型封止材において、
当該硬化型封止材に含まれる硬化性化合物を100質量部としたとき、上記化合物(P)の含有量が0.0001質量部10質量部以下である硬化型封止材。
[9]
上記[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の硬化型封止材において、
硬化剤をさらに含む硬化型封止材。
[10]
上記[1]乃至[9]のいずれか一つに記載の硬化型封止材を硬化してなる硬化物。
[11]
発光素子と、上記発光素子を封止するための封止層と、を備え、
上記封止層が上記[10]に記載の硬化物を含む表示装置。
[12]
上記[11]に記載の表示装置において、
有機EL表示装置または液晶表示装置である表示装置。
本実施形態に係る硬化型封止材は、450nm以上500nm以下の範囲に吸収極大波長を有する化合物(P)を含む。本実施形態に係る硬化型封止材は、熱をかけることによって硬化する熱硬化型、または光を照射することによって硬化する光硬化型である。
本実施形態に係る硬化型封止材に含まれる化合物(P)は、450nm以上500nm以下の範囲に吸収極大波長を有する。そのため、このような化合物(P)を含む本実施形態に係る硬化型封止材の硬化物を、発光素子を封止するための封止層に用いることによって、表示装置において発光素子から発生する480nm付近にある余分な光を効率よくカットすることができる。その結果、可視光線の緑色部分を正確に再生することができ、表示装置の色純度を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る硬化型封止材の硬化物を、発光素子を封止するための封止層に用いることによって、表示装置から480nm付近にある余分な光をカットするための光学フィルターを除去することができ、その結果、表示装置の構成を簡略化することができる。
以上から、本実施形態に係る硬化型封止材によれば、表示装置の色純度を向上できるとともに、表示装置の構成を簡略化できる硬化型封止材を提供することができる。
また、波長482nmを中心とする光は眼内の光受容体に作用し、瞳孔光反射を促し、瞳孔を収縮させるため、眼に有害とされている。そのため、本実施形態に係る硬化型封止材の硬化物を封止層に用いることによって、波長482nmを中心とする光をカットすることができるため、表示装置から眼に有害な光を除去することも可能である。さらに、不要な波長をカットすることによって、表示装置の輝度も調整することが可能である。
本実施形態に係る硬化型封止材に含まれる化合物(P)は、450nm以上500nm以下の範囲に吸収極大波長を有する化合物であれば特に限定されないが、471nm〜490nmの範囲に吸収極大波長長をもつ有機色素が好ましく、475nm〜485nmの範囲に吸収極大波長をもつ有機色素がより好ましい。好ましい有機色素としてポルフィリン系化合物等を挙げることができる。
一般式(A)においてX1〜X8は、好ましくはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたエチニル基、または、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を有するエチニル基、未置換のフェニル基を有するエチニル基である。ただし、X1〜X8のすべてが水素原子であることはない。
また、Mは好ましくは、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Pt、Pd、Mn、Mg、Mn(OH)、Mn(OH)2、VO、またはTiOである。
また、Mはさらに好ましくは、Cu、Pt、Pd、NiまたはVOであり、より好ましくはNi,Pdである。
X1〜X8の具体例について以下に説明する。
これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基がより好ましい。
これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖もしくは分岐のアルキル基を置換基として有するエチニル基;フェニル基を置換基として有するエチニル基;2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基等の直鎖もしくは分岐のアルキル基で置換されたフェニル基を置換基として有するエチニル基がより好ましい。
これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基がより好ましい。
なお、本実施形態において、一般式(A)で表されるポルフィリン系化合物は、実際には、一種または二種以上の異性体から成る混合物を表している。このような複数の異性体から成る混合物の構造の記載に際しても、本実施形態においては、便宜上、例えば、一般式(A)で表される一つの構造式を記載しているものである。
本実施形態に係る硬化型封止材は、発光素子を備える表示装置における、発光素子を封止するための封止層を形成するための組成物である。
上記硬化性化合物としては、硬化型封止材に用いられる公知の樹脂および硬化性化合物を用いることができる。このような硬化性化合物としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱硬化性化合物、光硬化性樹脂および光硬化性化合物等が挙げられる。
オキセタン樹脂としては、例えば東亜合成のアロンオキセタン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びイソステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、及び3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルキルオキシシリル基を有する(メタ)アクリレート類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、及びテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;等が挙げられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類又はその水素添加物とエピクロルヒドリンとの縮合反応で得られるビスフェノール型エポキシ樹脂や、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のアルカンジオール類とエピクロルヒドリンの縮合反応で得られるアルカンジオール系ポリエポキシ樹脂等のポリエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、有機ジイソシアネート化合物に、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させたウレタン(メタ)アクリレート類;アルカンジオール、ポリエーテルジオール、ポリブタジエンジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、アミドジオール、スピログリコール化合物等のアルコール類の水酸基に有機ジイソシアネート化合物を付加して得られたウレタンプレポリマーのイソシアネート基に、分子中に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させたウレタン(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。
このような熱硬化剤、熱ラジカル開始剤、光重合開始剤としては特に限定されない。光重合開始剤としては、例えば、紫外線等の光が照射されることでラジカル又はイオンを生成する重合開始剤(UVラジカル開始剤、UVカチオン開始剤)が挙げられる。
これらの熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂についての定義、製法については、周知であり、たとえば「実用プラスチック事典」(実用プラスチック事典 編集委員会編、株式会社産業調査会発行)等の刊行物に記載されている。なおここでいう「樹脂」とは軟質、硬質いずれであってもよく、特に制限はない。
また、本実施形態に係る硬化型封止材中の化合物(P)の含有量は、該硬化型封止材に含まれる硬化性化合物を100質量部としたとき、得られる封止層の透明性をより良好にし、表示装置の発光性をより一層良好にする観点から、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、1質量部以下がさらに好ましく、0.5質量部以下が特に好ましい。
ここで、当該硬化型封止材を硬化することによって得られる硬化物シートは、例えば、本実施形態に係る硬化型封止材を加熱すること、あるいは紫外線等の光を照射することによって得ることができる。硬化型封止材を硬化するための加熱条件や光照射条件は、硬化型封止材を構成する硬化性化合物の種類によって適宜選択されるため、特に限定されず、公知の情報から適宜選択できる。また、本実施形態において、硬化型封止材を完全硬化させる必要はなく、例えば、後述の実施例に記載した反応率が80%以上となる状態を硬化物と定義することができる。
ここで、当該硬化型封止材を硬化することによって得られる硬化物シートは、例えば、本実施形態に係る硬化型封止材を加熱すること、あるいは紫外線等の光を照射することによって得ることができる。硬化型封止材を硬化するための加熱条件や光照射条件は、硬化型封止材を構成する硬化性化合物の種類によって適宜選択されるため、特に限定されず、公知の情報から適宜選択できる。また、本実施形態において、硬化型封止材を完全硬化させる必要はなく、例えば、後述の実施例に記載した反応率が80%以上となる状態を硬化物と定義することができる。
本実施形態に係る表示装置は、発光素子と、発光素子を封止するための封止層と、を備え、上記封止層が本実施形態に係る硬化型封止材を硬化してなる硬化物(Q)を含む。
化合物(P)は450nm以上500nm以下の範囲に吸収極大波長を有するため、このような化合物(P)を含む本実施形態に係る硬化型封止材の硬化物(Q)からなる封止層は、表示装置において発光素子から発生する480nm付近にある余分な光を効率よくカットすることができる。そのため、本実施形態に係る硬化型封止材の硬化物(Q)からなる封止層を備えることによって、発光素子からの光が封止層を透過した際に、化合物(P)を含む封止層によって波長480nm付近にある余分な光を効果的にカットすることができ、可視光線の緑色部分を正確に再生することができ、表示装置の色純度を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る硬化型封止材の硬化物(Q)からなる封止層を備えることによって、表示装置から、480nm付近にある余分な光をカットするための光学フィルターを除去することができ、その結果、表示装置の構成を簡略化することができる。
また、本実施形態に係る硬化型封止材は硬化型のため、発光素子と封止層との接着性に優れている。そのため、本実施形態に係る硬化型封止材は、繰り返し曲げが可能なベンダブルディスプレイや、巻き取ることが可能なローラブルディスプレイ等の装置に大きな応力が掛かる表示装置にも好適に用いることができる。
すなわち、本実施形態に係る表示装置としては、繰り返し曲げが可能なベンダブルディスプレイや、巻き取ることが可能なローラブルディスプレイ等の装置も挙げられる。
図1に示す表示装置100は、有機EL表示装置であり、例えば、バリア性層21(タッチパネル層21または表面保護層21であってもよい)、オーバーコート層22(封止層22またはバリア性層22であってもよい)、封止層23、バリア性層24等を有している。
図1に示す表示装置100は、例えば、基材層50上に設けられた発光素子10と、発光素子10を覆うように基材層50上に設けられた封止層23と、封止層23の表面に設けられたバリア性層24と、封止層23およびバリア性層24を覆うように基材層50上に設けられたオーバーコート層22と、オーバーコート層22上に設けられたバリア性層21と、を備えている。
各層の具体的な構成は特に限定されず、一般的に公知の情報に基づいて、適切な構成をそれぞれ採用することができる。また、このような表示装置100は、一般的に公知の情報に基づいて、製造することが可能である。
フラスコに、150質量部のYX8000(三菱ケミカル社製;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂)と、200質量部のjER1004(三菱ケミカル社製;ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂)と、150質量部のjER1256(三菱ケミカル社製;フェノキシ樹脂)とを投入し、これに500質量部のメチルエチルケトンを加え、室温で攪拌溶解し、樹脂溶解液とした。
この樹脂溶解液100質量部を別に用意したフラスコに取り分け、0.025質量部の上記一般式(A−1)で示されるポルフィリン系化合物(A−1)と、1質量部のCXC−1612(楠本化成社製;熱カチオン重合開始剤)と、0.5質量部のKBM−403(信越化学工業社製;シランカップリング剤)と、を上記フラスコに添加して室温で攪拌し、ワニスを調製した。
ここで、上記一般式(A−1)で示されるポルフィリン系化合物(A−1)は、国際公開第2015/037627の段落0111〜0115に記載の合成例1に従って合成した。
フラスコに、150質量部のYL983U(三菱化ケミカル社製;ビスフェノールF型エポキシ樹脂)と、200質量部のjER1004と、150質量部のjER1256とを投入し、これに500質量部のメチルエチルケトンを加え、室温で攪拌溶解し、樹脂溶解液とした。
この樹脂溶解液100質量部を別に用意したフラスコに取り分け、0.025質量部のポルフィリン系化合物(A−1)と、0.5質量部の2E4MZ(四国化成工業社製;エポキシ樹脂硬化剤)と、0.5質量部のKBM−403と、を上記フラスコに添加して室温で攪拌し、ワニスを調製した。このワニスを用いた以外は実施例1と同様にして、シート状エポキシ樹脂組成物からなる層を有する封止用シートを得た。
フラスコに、100質量部のCEL2021P(ダイセル社製;脂環式エポキシ樹脂)と、125質量部のエポライト40E(共栄社化学社製;直鎖脂肪族エポキシ樹脂)と、275質量部のOXT221(東亜合成社製;オキセタン樹脂)とを投入し、室温で混合攪拌し、樹脂液とした。
この樹脂液100質量部を別に用意したフラスコに取り分け、0.05質量部のポルフィリン系化合物(A−1)と、1質量部のCPI210S(サンアプロ社製;光カチオン重合開始剤)と、0.5質量部のUVS-1331(川崎化成工業社製:光カチオン増感剤)と1質量部のKBM−403と、を上記フラスコに添加して室温で攪拌し、封止材組成物を調製した。
フラスコに、50質量部のライトアクリレートPO−A(共栄社化学社製;フェノキシエチルアクリレート)と、450質量部のライトアクリレート3EG−A(共栄社化学社製;脂肪族アクリレート)と、0.5質量部のMEHQ(重合禁止剤)と、を投入し、室温で混合攪拌し、樹脂液とした。
この樹脂液100質量部を別に用意をしたフラスコに取り分け、0.05質量部のポルフィリン系化合物(A−1)と、5質量部のラジカル重合開始剤IRGACURE_TPO(BASFジャパン社製;UVラジカル開始剤)と、1質量部のKBM−5103(信越化学工業社製;シランカップリング剤)と、を上記フラスコに添加して室温で攪拌し、封止材組成物を調製した。
実施例1で調製した樹脂溶解液100質量部を別に用意したフラスコに取り分けて、表1に示す組成比率(質量比)に変更した以外は実施例1と同様にしてワニスを調製した。このワニスを用いた以外は実施例1と同様にして、シート状エポキシ樹脂組成物からなる層を有する封止用シートを得た。
実施例2で調製した樹脂溶解液100質量部を別に用意したフラスコに取り分けて、表1に示す組成比率(質量比)に変更した以外は実施例2と同様にしてワニスを調製した。このワニスを用いた以外は実施例2と同様にして、シート状エポキシ樹脂組成物からなる層を有する封止用シートを得た。
実施例3で調製した樹脂液100質量部を別に用意したフラスコに取り分けて、表1に示す組成比率(質量比)に変更した以外は実施例3と同様にして封止材組成物を調製した。
実施例4で調製した樹脂液100質量部を別に用意したフラスコに取り分けて、表1に示す組成比率(質量比)に変更した以外は実施例4と同様にして封止材組成物を調製した。
実施例1〜4および比較例1〜4でおこなった評価は以下のとおりである。得られた結果を表2に示す。
1)実施例1〜2および比較例1〜2で得られた封止用シートを、長さ約60mm、幅約40mmに切り出して試験片をそれぞれ得た。得られた試験片のシート状エポキシ樹脂組成物からなる層を、70℃に加熱したホットプレート上で加熱したガラス板(松浪硝子製No.3、厚さ0.3mm、70mm×50mm)に気泡の入らぬようにロールにて転写して貼り合わせた。当該試験片をホットプレート上から外し、3分間放冷した。その後、基材フィルムを剥離して、ガラス板上のシート状エポキシ樹脂組成物をオーブンにて100℃で120分間加熱して、硬化物とした。シート状エポキシ樹脂組成物の硬化物が形成されたガラス板の、波長400nm〜800nmにおける光線透過率を、紫外可視光分光光度計(島津製作所、UV−2550)を用いて測定し、400nm〜800nmでの平均透過率(1nm刻み)を算出した。測定では、ガラス板単独の光線透過率をベースラインとした。
1)エポキシ反応率(DSC法)
実施例1〜2および比較例1〜2で得られた封止用シートから10mgのサンプルを採取し、DSC測定用アルミセルに詰め、測定試験サンプルを準備した。そして、昇温速度5℃/分、測定温度範囲:20℃〜300℃にてDSCで未硬化品の発熱量を測定した。
未硬化品と同様にして測定サンプルを準備した。硬化はあらかじめ100℃に設定したオーブン中で行い、サンプル投入から120分後に測定サンプルを取り出した。そして、昇温速度5℃/分、測定温度範囲:20℃〜300℃にてDSCで硬化品の発熱量を測定した。そして、測定された発熱量から、下記に示す式より、硬化温度100℃におけるエポキシ反応率(%)を求めた。
反応率(%)=(未硬化品の発熱量−硬化品の発熱量)/未硬化品の発熱量×100
実施例3および比較例3で得られた封止材組成物を、ガラス板(松浪硝子製No.3、厚さ0.3mm、70mm×50mm)に厚み10μmになるようにインクジェット装置にて塗布して試験片をそれぞれ得た。次いで、得られた試験片に対して、窒素雰囲気下で波長395nmの紫外線を照射強度1000mW/cm2で1.5秒間照射することにより、当該試験片をUV硬化させて、硬化物をそれぞれ得た。硬化物と未硬化物のIRスペクトルをATR(FT/IR−6600、日本分光製)でそれぞれ測定した。
標準ピークを1732cm−1とし、反応ピークを980cm−1、910cm−1および830cm−1とし、下記に示す式より、UV硬化でのエポキシ反応率(%)を求めた。
反応率(%)=[1−(UV硬化後の反応ピーク強度/UV硬化後の標準ピーク強度)/(UV硬化前の反応ピーク強度/UV硬化前の標準ピーク強度)]×100
実施例4および比較例4で得られた封止材組成物を、ガラス板(松浪硝子製No.3、厚さ0.3mm、70mm×50mm)に厚み10μmになるようにインクジェット装置にて塗布して試験片をそれぞれ得た。次いで、得られた試験片に対して、窒素雰囲気下で波長395nmの紫外線を照射強度1000mW/cm2で1.5秒間照射することにより、当該試験片をUV硬化させて、硬化物をそれぞれ得た。硬化物と未硬化物のIRスペクトルをATR(FT/IR−6600、日本分光製)でそれぞれ測定した。
標準ピークを1725cm−1とし、反応ピークを1637cm−1とし、下記に示す式より、UV硬化でのアクリル反応率(%)を求めた。
反応率(%)=[1−(UV硬化後の反応ピーク強度/UV硬化後の標準ピーク強度)/(UV硬化前の反応ピーク強度/UV硬化前の標準ピーク強度)]×100
1)密着性評価A;アルミ−PET複合フィルム(アルミ面)/樹脂/アルカリガラス
ばね式天秤(1kg秤量用)にてアルミ面と封止シート組成物の硬化物との90度剥離強度を測定した。実施例1、2および比較例1、2では、この90度剥離強度を接着強度とした。
剥離試験機(装置名:STOROGRAPH?E−S、剥離速度300mm/min)にて、SiNx蒸着基板と封止材組成物の硬化物との180度剥離強度を測定した。実施例3、4および比較例3、4では、この180度剥離強度を接着強度とした。
21 バリア性層、タッチパネル層または表面保護層
22 オーバーコート層、封止層またはバリア性層
23 封止層
24 バリア性層
50 基材層
100 表示装置
Claims (12)
- 450nm以上500nm以下の範囲に吸収極大波長を有する化合物(P)を含む硬化型封止材。
- 請求項1に記載の硬化型封止材において、
前記化合物(P)が下記一般式(A)で示されるポルフィリン系化合物を含む硬化型封止材。
- 請求項1または2に記載の硬化型封止材において、
当該硬化型封止材を硬化することによって厚さ10μmの硬化物シートを作製したとき、
前記硬化物シートの400nm以上800nm以下の範囲での平均光線透過率が80%以上である硬化型封止材。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬化型封止材において、
当該硬化型封止材を硬化することによって厚さ10μmの硬化物シートを作製したとき、
450nm以上500nm以下の範囲に存在する吸収極大波長での光線透過率が30%以上である硬化型封止材。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の硬化型封止材において、
発光素子用封止材である硬化型封止材。 - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の硬化型封止材において、
熱硬化性樹脂、熱硬化性化合物、光硬化性樹脂および光硬化性化合物からなる群から選択される一種または二種以上の硬化性化合物をさらに含む硬化型封止材。 - 請求項7に記載の硬化型封止材において、
当該硬化型封止材に含まれる硬化性化合物を100質量部としたとき、前記化合物(P)の含有量が0.0001質量部以上10質量部以下である硬化型封止材。 - 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の硬化型封止材において、
硬化剤をさらに含む硬化型封止材。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の硬化型封止材を硬化してなる硬化物。
- 発光素子と、前記発光素子を封止するための封止層と、を備え、
前記封止層が請求項10に記載の硬化物を含む表示装置。 - 請求項11に記載の表示装置において、
有機EL表示装置または液晶表示装置である表示装置。
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