JP2020032953A - 産業用車両の衝突防止システム - Google Patents

産業用車両の衝突防止システム Download PDF

Info

Publication number
JP2020032953A
JP2020032953A JP2018163203A JP2018163203A JP2020032953A JP 2020032953 A JP2020032953 A JP 2020032953A JP 2018163203 A JP2018163203 A JP 2018163203A JP 2018163203 A JP2018163203 A JP 2018163203A JP 2020032953 A JP2020032953 A JP 2020032953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
obstacle
unit
vehicle
area
tire roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018163203A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6664622B2 (ja
Inventor
上田 剛
Takeshi Ueda
剛 上田
東島 光男
Mitsuo Tojima
光男 東島
ラディッティア ラフマンフダ ルスミプトロ,
Radhittia Rafmanfda Rusmiptro
ラディッティア ラフマンフダ ルスミプトロ,
渡邊 美信
Minobu Watanabe
美信 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nakayama Iron Works Ltd
Nippon Road Co Ltd
Original Assignee
Nakayama Iron Works Ltd
Nippon Road Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nakayama Iron Works Ltd, Nippon Road Co Ltd filed Critical Nakayama Iron Works Ltd
Priority to JP2018163203A priority Critical patent/JP6664622B2/ja
Publication of JP2020032953A publication Critical patent/JP2020032953A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6664622B2 publication Critical patent/JP6664622B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 進行速度を調整する操作部の操作可能範囲を制限して減速可能とし、既存の産業用車両に後付けでも設置でき、簡易に機能を付加して、安全性を確保できる、衝突防止システムを提供する。【解決手段】 産業用車両後方の撮像対象範囲を撮像装置で撮像し、撮像画像を解析処理部で解析して障害物を検出可能とする一方、車両の速度を調整する操作部86の近傍に操作制限部13を設け、この操作制限部13の作動を速度制御部14で制御するようにし、撮像対象範囲の処理領域で障害物を検出した場合、解析処理部から検出を示す信号が速度制御部14に出力され、速度制御部14が信号に基づいて操作制限部13を作動させ、操作部86の操作可能範囲を縮小して、操作部86により設定される車両の速度が制限される状態となることから、車両を減速又は停止させて、車両と障害物との衝突を未然に防ぐことができ、安全を確保できる。【選択図】 図1

Description

本発明は、ロードローラやタイヤローラ等の締め固め用機械をはじめとする、産業用車両に設けられる衝突防止システムに関する。
産業用車両、例えば、タイヤローラ等の締め固め用機械や、油圧ショベル、ブルドーザといった機械では、作業中における移動の際に、移動経路上に誤って人が立ち入った場合、運転者がそれを認知できれば、問題なくこうした車両を停止させる操作を行える。しかし、こうした車両の周囲には運転者から見えない領域が多く存在しており、特に後退時には運転者が進行方向を見にくい姿勢をとらざるを得ないこともあって、運転者が移動経路上の人を視認できず、車両をそのまま移動させて衝突に至るおそれがあった。このため、車両の作業範囲内に人を含む障害物が入った場合に、こうした障害物を感知して、車両を自動停止させ、車両が障害物と接触、衝突することを未然に防ぐシステムが導入されていた。
こうした従来の衝突防止のシステムの一例として、車両系の建設機械に搭載した障害物検出手段の感知エリア内に障害物の存在を感知すると、機械の作動を停止させる安全装置に係るものが、特開平5−321304号公報に開示されている。
特開平5−321304号公報
従来の建設機械の安全装置は前記特許文献に示される構成を有しており、移動方向の感知エリアに障害物(人)が進入すると、感知センサがこれを感知して信号出力し、これを入力されたコントローラが停止信号を停止手段に向け出力し、停止手段が機械の走行を停止させる仕組みとなっている。
しかし、この停止手段としては、建設機械の走行用の油圧アクチュエータを作動させる油圧切換弁を中立状態に復帰させるための、油圧回路中に設けられる電磁切換弁などの、コントローラからの停止信号を受けて油圧を制御する部品を含むなど、建設機械の走行用機構に一体に組み込まれるものであったため、既存の建設機械に後から設置することは極めて難しかった。
このため、こうした従来の安全装置の導入は、事実上、新たに製造される建設機械への組み込みによるものに限られてしまい、既製の機械をレンタルの形で使用する使用形態が多い建設機械等の産業用車両への導入はほとんど進んでおらず、安全確保は依然として車両の運転者自らの確認に頼らざるを得ない、という課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、進行の速度を調整する操作部の操作可能範囲を制限するようにして減速調整可能とし、既存の産業用車両に後付けでも設置でき、簡易に機能を付加して、安全性を確保できる、衝突防止システムを提供することを目的とする。
本発明に係る衝突防止システムは、運転者の運転操作で少なくとも前後方向に自走移動可能な産業用車両に設けられる、当該車両と人を含む障害物との衝突を防止するシステムにおいて、前記車両の前方又は後方における所定の撮像対象範囲を動画像として撮像する複数の撮像部を有する撮像装置と、当該撮像装置で取得される撮像画像を解析して、前記撮像対象範囲内に存在する障害物と当該障害物の前記車両からの距離とを検出し、少なくとも障害物の検出を示す所定の信号を出力する解析処理部と、前記車両における少なくとも前後進速度を調整可能とする操作部の近傍となる車両所定箇所に配設されるアクチュエータ、及び、当該アクチュエータに連結されて操作部の近傍に配置され、アクチュエータの作動で操作部の可動範囲外から操作部可動範囲内の操作部と接触可能な所定位置までの所定範囲内で移動可能とされる規制片を有する操作制限部と、前記解析処理部からの前記信号に基づいて前記操作制限部のアクチュエータの作動を制御する速度制御部とを備え、前記解析処理部が、撮像画像の解析において、前記撮像対象範囲を障害物の存在検出を行う処理領域と検出を行わない非処理領域とに分け、前記処理領域については、処理領域内における障害物の存在を当該障害物の車両からの距離と共に検出して、障害物の車両からの距離に応じた信号を出力するようにし、前記速度制御部が、前記解析処理部から信号出力がなされると、前記操作制限部のアクチュエータを作動させて規制片を移動させ、操作部の操作可能範囲を縮小して、操作部により設定される車両の前進又は後進の速度を制限するものである。
このように本発明によれば、産業用車両の前方又は後方の撮像対象範囲を撮像装置で撮像し、撮像画像を解析処理部で解析して撮像対象範囲内に存在する障害物を検出可能とする一方、車両の速度を調整する操作部の近傍に操作制限部を設け、この操作制限部の作動を速度制御部で制御するようにし、撮像対象範囲の処理領域に障害物の存在を検出した場合、解析処理部から検出を示す信号が速度制御部に出力され、速度制御部が信号に基づいて操作制限部のアクチュエータを作動させ、規制片を操作部の可動範囲内の所定位置まで移動させて操作部と接触可能な状態とし、操作部の操作可能範囲を縮小して、運転者が操作部により設定可能な車両の最大進行速度が制限される状態となることにより、車両と障害物との位置関係に基づいて車両が減速又は停止して、車両と障害物との衝突を未然に防ぐことができ、車両の移動範囲に誤って入った人や車両の安全を確保できる。また、車両を安全のために減速、停止させるための作動部分が、車両の操作部の操作に係る動きを直接制限するものとされて、車両の電気回路や油圧回路等の内部機構に組み込む必要がないことにより、車両に対しシステムを後付けで設けることができ、車両の大幅な改造を伴わずに容易且つ低コストで車両に導入できる。さらに、解析処理部で撮像対象範囲を処理領域と非処理領域とに分け、処理領域のみで障害物の検出を行うことで、検出にかかる解析処理部の処理量を抑え、誤検出の発生度合いを小さくすることができる。
また、本発明に係る衝突防止システムは必要に応じて、前記撮像装置、解析処理部、操作制限部、及び速度制御部が、前記車両に対し着脱可能に配設されるものである。
このように本発明によれば、産業用車両の前方又は後方の撮像対象範囲を撮像する撮像装置と、撮像画像を解析して障害物を検出可能とする解析処理部と、操作部の近傍に設けられて操作部の操作可能範囲を制限可能とする操作制限部と、この操作制限部の作動を制御する速度制御部とを、車両に対し着脱可能として、システム各部を車両に設けるために車両側の改造等の特別な対応を不要とすることにより、車両に特に影響を与えることなくシステムの設置が行え、機能を容易に利用できると共に、システムが不要となった際には車両に跡を残すことなく取り外すことができ、車両がレンタル品等で改造できない場合にも無理なくシステムを導入でき、車両の利用形態によらず安全確保が図れ、運転者の負担を減らすことができる。
また、本発明に係る衝突防止システムは必要に応じて、前記解析処理部が、前記処理領域を、領域内各位置と車両との距離の大小に基づいて複数の区域にさらに分け、当該区域ごとに、区域内における障害物の存在を検出して、検出状態に対応した信号を出力し、前記速度制御部が、前記解析処理部からの信号に基づいて、障害物の検出された区域が車両に近いほど、前記操作制限部の規制片による操作部の操作可能範囲をより小さく設定するように、アクチュエータを作動させるものである。
このように本発明によれば、解析処理部で障害物の存在検出を行う処理領域を車両との位置関係に基づいて複数の区域に分け、複数の区域ごとに障害物の検出を行って各区域の検出結果に応じた信号を出力するようにし、且つ、信号を受け取る速度制御部では、障害物の検出された区域が車両に近いほど、規制片の操作部に対する位置を操作部の車両速度0に対応する位置に近付けるようにアクチュエータを作動させ、操作部の操作可能範囲を小さくして減速の度合いを大きくすることにより、障害物が車両近くで検出され、車両と障害物との衝突のおそれが大きい場合には、車両を大きく減速させて速度の小さい状態又は停止状態として、障害物への車両の衝突を確実に回避可能とする一方、障害物が比較的車両から離れた位置で検出され、運転者の衝突回避操作の余地がある場合には、車両の減速を過度に大きくせず、急減速による車両への衝撃等の負担を抑えるようにすることができ、車両と障害物との距離に応じて適切に対応できる。
また、本発明に係る衝突防止システムは必要に応じて、前記解析処理部が、前記処理領域を、車両の進行方向に位置する基本領域と、当該基本領域の側方に隣接する拡張領域とに分け、当該拡張領域内における移動する障害物の存在を当該障害物の移動方向と共に検出し、拡張領域で検出された障害物の移動方向が前記基本領域へ向かうものである場合には、信号を前記速度制御部へ出力するものである。
このように本発明によれば、解析処理部の解析で、処理領域に基本領域と拡張領域を設定し、車両の進行方向からずれた拡張領域において、領域内を移動する障害物のうち、基本領域への移行が見込まれるものを、実質的な障害物と認定して検出結果に応じた信号を出力し、衝突防止に係る車両速度の調整を図ることにより、最終的に基本領域での検出が見込まれる障害物のうち、拡張領域から基本領域に進むものについては、この障害物が基本領域で検出されるより前に解析処理部から信号を出力して対応でき、例えば人が車両の進路を横断しようとする場合など、車両の進行方向から外れた場所から移動して車両の進路上に急に現れる状態となる障害物を、効率よく検出して車両をより適切なタイミングで減速、停止させることができ、車両の急減速や急停止を生じさせることなく障害物との衝突を回避して安全を十分に確保できる。また、拡張領域内から移動せず、車両との衝突のおそれが小さい障害物については、拡張領域に存在しても障害物として有効に検出されないことで、処理領域を広げた場合でもむやみに衝突防止の対象とする障害物を増やさずに済み、車両の進路上へ移動する障害物への早期対処を可能としつつ、進行中の車両の減速が過度に発生せず、車両による本来の作業を効率よく進められる。
また、本発明に係る衝突防止システムは必要に応じて、前記解析処理部が、撮像画像の解析において、車両の進行する速度の大小に対応させて前記処理領域の車両進行方向における大きさの大小を調整するものである。
このように本発明によれば、解析処理部の解析で、車両の速度に応じて処理領域の大きさを調整することにより、車速が大きく減速に時間がかかる場合は、処理領域を大きくとって障害物を車両から離れた段階で検出して信号を出力できるようにして、速度制御部で早めに操作制限部を動かして操作部の規制を行い、車両の減速等の対応をとれるようにする一方、車速が小さく減速に時間がかからない場合は、処理領域を小さくして障害物の検出を車両の近くで実行するようにして、適切なタイミングで車両を減速させることができ、進行する車両の速度によらず障害物に適切に対応して安全を確保できる。
また、本発明に係る衝突防止システムは必要に応じて、前記車両を運転する状態の運転者に対し報知可能な所定箇所に設置され、前記解析処理部又は速度制御部と接続されて、前記処理領域内で障害物が検出されると、当該検出の旨を運転者に対し報知する報知部を備えるものである。
このように本発明によれば、運転者が車両を運転する状態で、運転者への報知が可能な車両の所定箇所に、解析処理部又は速度制御部と接続された報知部が配設され、撮像対象範囲の処理領域に障害物が存在すると解析処理部で検出した状態を、報知部から運転者に対し報知可能とすることにより、運転者が例えば車両を後進させる運転を行っている状況で、後方を直接目視で確認できない運転姿勢をとるタイミングであっても、報知部からの報知で障害物の車両後方への存在を認識でき、後進している車両が減速するのとは別に、運転者が報知で障害物の存在を認識して必要な対応をとることができ、運転者が目視していなかった障害物に対してもスムーズ且つ適切に対処可能となる。
また、本発明に係る衝突防止システムは必要に応じて、前記報知部が、前記撮像装置で撮像した画像情報を取得して画像を表示する表示装置とされて、車両における運転者が車両を運転する状態での運転者の視界に入る所定箇所に設置され、前記解析処理部で障害物が検出されると、報知部が検出の旨を運転者に視認可能に表示するものである。
このように本発明によれば、運転者が車両の運転状態で、運転者の視界に入る車両の所定箇所に報知部をなす表示装置が配設され、報知部で車両側からの撮像対象範囲の撮像画像を表示すると共に、障害物を解析処理部で検出すると、その旨を報知部が表示して運転者に対し視認可能とすることにより、運転者が例えば車両を後進させる運転を行っている状況で、運転者が前方を向いて後方を直接目視で確認できない運転姿勢をとる間も、運転者が前方を向いたまま報知部の表示内容から車両後方の概略状況や障害物の存在を確認でき、運転者が車両を適切に後進させる運転動作を行いながら、直接の後方確認と報知部の表示確認との併用で車両後方に対し継続的に注意を払うことができ、車両の正しい運転と障害物への適切な対応を無理なく実行できる。
本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムを適用したタイヤローラの概略側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムを適用したタイヤローラの概略背面図である。 本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムのブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムにおける操作制限部の車体取付状態斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムにおける操作制限部の車体取付状態平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムにおける操作制限部の車体取付状態側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムにおける撮像画像説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムにおける解析処理部の第二区域での障害物検出に係る撮像画像の平面展開状態説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムにおける操作制限部による操作部押し戻し開始状態説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムにおける操作制限部で動かされた操作部の減速位置到達状態説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムにおける解析処理部の第一区域での障害物検出に係る撮像画像の平面展開状態説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムにおける操作制限部で動かされた操作部の中立位置到達状態説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る衝突防止システムにおける撮像画像説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る衝突防止システムにおける解析処理部の第二区域とその近傍での障害物検出に係る撮像画像の平面展開状態説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る衝突防止システムにおける解析処理部の第一区域とその近傍での障害物検出に係る撮像画像の平面展開状態説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る衝突防止システムの解析処理部で処理領域を高速対応に設定した場合における撮像画像の平面展開状態説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る衝突防止システムの解析処理部で処理領域を低速対応に設定した場合における撮像画像の平面展開状態説明図である。 本発明の他の実施形態に係る衝突防止システムを適用したタイヤローラの概略側面図である。 本発明の他の実施形態に係る衝突防止システムにおける表示装置の障害物検出時の表示画面説明図である。
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る衝突防止システムを前記図1ないし図12に基づいて説明する。本実施形態では、産業用車両としてのタイヤローラに適用される衝突防止システムの例について説明する。
前記各図において本実施形態に係る衝突防止システム10は、産業用車両としてのタイヤローラ80の後方における所定の撮像対象範囲を撮像する前記撮像装置としての双眼撮像部11と、この双眼撮像部11で取得される撮像画像を解析して、障害物の存在を検出すると所定の信号を出力する解析処理部12と、タイヤローラ80の前後進速度を調整可能とする操作部86の近傍に配設され、この操作部86の操作可能範囲を縮小可能とする操作制限部13と、解析処理部12からの信号に基づいて操作制限部13を制御する速度制御部14とを備える構成である。
本実施形態に係る衝突防止システム10を適用するタイヤローラ80は、自走して道路面等の締固めを行う公知の装置であり、車体81の前後に回動可能に配設されるローラ部82、83と、車体上部における中央より後ろ寄りとなる位置に設けられる運転席85とを備える構成である。
このタイヤローラ80では、車体81に内蔵される油圧回路や電気回路等の走行機構(図示を省略)で前後のローラ部82、83を駆動することにより、これらローラ部82、83が回転し、タイヤローラ80が前後進する仕組みである。
そして、タイヤローラ80における運転席85の側部所定箇所に、タイヤローラ80の前後進速度を調整可能とするレバー状の操作部86が配設される。運転席85に乗った運転者による操作部86の操作で、タイヤローラ80は前後方向に移動可能となる。
より詳細には、操作部86は、所定の中立位置から前後に傾動させて操作するものであり、操作部86を中立位置から前方に動かすと、走行機構の回路がローラ部を一の回転方向(図1では反時計回り)に回転させるように接続され、タイヤローラ80を前進させることができ、操作部86の前方への移動量が大きくなるほどローラ部の回転速度が大となり、タイヤローラ80の前進の速度が増大する。
また、操作部86を中立位置から後方に動かすと、走行機構の回路がローラ部を他の回転方向(図1では時計回り)に回転させるように接続され、タイヤローラ80を後進させることができ、操作部86の後方への移動量が大きくなるほどローラ部の回転速度が大となり、タイヤローラ80の後進の速度が増大する。
そして、操作部86を中立位置にすると、走行機構の回路が遮断状態となり、回路の制動作用でローラ部は回転せず、タイヤローラ80は速度が0の停止状態となる。
前記双眼撮像部11は、タイヤローラ80の後方を、車体81による死角をほとんど生じさせることなく撮像可能な、タイヤローラ80の所定箇所、例えば、タイヤローラ80の車体上方に設けられるキャノピー87の支柱上部など、に磁石やクランプ等で着脱可能として取り付けられる、いわゆるステレオカメラであり、タイヤローラ80の後方における所定の撮像対象範囲を動画像として撮像し、得られた画像情報を解析処理部12へ出力するものである。
この双眼撮像部11は、公知のステレオカメラと同様、所定間隔で配設される二つの撮像部を備えるものである。そして、双眼撮像部11は、タイヤローラ80の運転者の運転によるタイヤローラ80の後方への予定進路が、この双眼撮像部11の撮像対象範囲に収まるように、設置位置を設定される。
なお、双眼撮像部11は、運転者の後方への視界を確保でき、タイヤローラ80による締固め作業に支障とならない箇所であれば、タイヤローラ80の車体後部など上部以外の箇所に取り付けることもできる。また、撮像装置として、撮像部を二つ備える双眼撮像部11を用いるようにしているが、これに限られるものではなく、例えば、複数の独立したカメラ(撮像部)の一式を一つの撮像装置として取り扱うこともできる。また、撮像部ごとに画像情報を出力できるものであれば、用いる撮像部は二つに限らず、撮像部を二つ以上の複数組有する撮像装置としてもかまわない。
前記解析処理部12は、双眼撮像部11と同じ筐体に収められて双眼撮像部11と一体に配設され、双眼撮像部11と電気的に接続されて双眼撮像部11から撮像画像の情報を受け取り、この撮像画像を解析するものである。この解析処理部12は、画像解析により、双眼撮像部11の撮像対象範囲内に存在する障害物とこの障害物のタイヤローラ80からの距離とを検出し、障害物の検出を示す所定の信号を出力する。
解析処理部12による、障害物のタイヤローラ80からの距離の検出は、公知のステレオカメラの場合と同様、双眼撮像部11の所定間隔で配設される二つの撮像部がそれぞれ同時に撮像して得た二つの画像から、所定の撮像対象について画像間の視差を求め、この視差の大きさと、既知である各撮像部の焦点距離、及び撮像部間の距離の値とを用いて、撮像部から撮像対象までの距離を算出する手順で、画像中の各画素ごとに撮像部からの距離の情報を取得し、それを双眼撮像部11の取付位置関係からタイヤローラ80からの距離に換算する仕組みでなされるものである。
解析処理部12では、搭載された人工知能により、例えばタイヤローラ80の稼動とその進行する路面状態に基づく振動や、撮像対象範囲の天候や撮像時間帯、ライティング(太陽光や照明光源の位置関係)などの環境条件による影響を抑えて、障害物の検出性能を向上させている。また、解析処理部12での障害物の検出では、障害物が人か物体かを見分けることが可能であり、使用環境に応じて、検出対象とする障害物を人又は物体のいずれかのみとする選択的検出を行うようにしてもよい。
解析処理部12は、撮像画像の解析において、詳細には、撮像画像として表れる撮像対象範囲を、障害物の存在検出を行う処理領域90と検出を行わない非処理領域98とに分け、処理領域90については、この処理領域内における障害物の存在を検出し、画素ごとの距離情報から障害物のタイヤローラ80からの距離を取得して、障害物のタイヤローラ80からの距離に応じた信号の出力を行う。
また、解析処理部12は、処理領域90を、領域の各位置とタイヤローラ80との距離の大小に基づいて複数の区域にさらに分けるようにしている。そして、解析処理部12は、複数の区域ごとに、区域内における障害物の存在を検出して、検出状態に対応した信号を出力する。
具体的には、処理領域90を、例えばタイヤローラ80との距離が2m以内となる、タイヤローラに近い第一区域91と、例えばタイヤローラ80との距離が2mから5.5mの範囲となる、タイヤローラ80から遠く且つ前記第一区域91より広い第二区域92とに分けるように設定する。
さらに、解析処理部12は、障害物の検出を示す信号を複数の出力ポートからそれぞれ出力可能としており、例えば、解析処理部からの信号を受け取る速度制御部14で障害物の種類に応じた制御を行えるように、ポートごとに障害物検出位置と信号のON、OFF状態との関係が若干異なるように出力可能としている。
詳細には、解析処理部12は、第一制御信号と第二制御信号とを異なるポートからそれぞれ出力可能となっており、第一区域91と第二区域92のいずれにおいても障害物を検出しない間は、第一制御信号の出力と第二制御信号の出力はいずれもOFF状態とされる。
そして、タイヤローラ80から遠い第二区域92でのみ障害物を検出すると、第一制御信号の出力はOFF状態とされる一方、第二制御信号はON状態として出力される。また、タイヤローラ80に近い第一区域91で障害物を検出すると、第二区域92での検出結果によらず、第一制御信号と第二制御信号はいずれもON状態として出力される。
すなわち、第一制御信号は、タイヤローラ80に近い第一区域91で障害物を検出した場合に、はじめてON状態として出力される信号であり、障害物を第一区域91で検出した段階で減速等対応すれば十分安全を確保可能な障害物、例えば障害物が物体の場合、に対応した制御に用いることができる。また、第二制御信号は、第一区域91と第二区域92のいずれでも、障害物を検出した場合にはON状態として出力される信号であり、障害物をタイヤローラ80から遠い第二区域92で検出した段階において、減速等対応するのが安全面で望ましい障害物、例えば障害物が人の場合、に対応した制御に用いることができる。
前記操作制限部13は、タイヤローラ80における操作部86の近傍となる車体81上部の側面部に配設されるアクチュエータ13aと、このアクチュエータ13aに連結されて操作部86の近傍に配置され、アクチュエータ13aの作動で操作部86の可動範囲外から操作部可動範囲内の操作部86と接触可能な所定位置までの所定範囲内で移動可能とされる規制片13bとを有する構成である。
前記アクチュエータ13aは、一部をタイヤローラ80の車体81に連結されると共に、この一部に対し位置関係可変とされる他部を規制片13bに連結されて配設され、前記一部と他部との位置関係を変化させるように作動して、規制片13bを所定範囲内で移動させる構成である。詳細には、アクチュエータ13aは、ボールねじ機構や流体圧シリンダ機構等の公知のリニアアクチュエータであり、前記一部としてのベース部13dと、これに対し直線移動する前記他部としての可動部13eとを有してなり、この可動部13eに規制片13bが取り付けられる。
アクチュエータ13aのベース部13dには締結部13fが一体に取り付けられており、この締結部13fで車体81の側面部の所定箇所を挟み込んで締め付けることで、ベース部13dを車体81に固定できる。そして、アクチュエータ13aは、可動部13eの直線移動する向きが操作部86の操作に係る動きに対応する前後方向となるように、締結部13fによる取付の向きを設定されることとなる。
こうしてアクチュエータ13aのベース部13dが、締結部13fを用いて車体81に固定されることで、アクチュエータ13aを要部とする操作制限部13は車体81に対し着脱可能であり、衝突防止システムを使用しない場合は操作制限部13をタイヤローラ80から容易に取り外せる。
前記規制片13bは、略棒状に形成され、アクチュエータ13aの可動部13eにこのアクチュエータ13aから操作部86側に突出する配置で一体に取り付けられ、可動部13eと共に前後方向に移動可能とされる構成である。この規制片13bが必要に応じて操作部86の可動範囲に重なって、操作部86と接触可能な配置状態とされることで、この規制片13bで操作部86の操作可能範囲を制限できる仕組みである。
一方、規制片13bが操作部86の可動範囲の外に位置する場合は、操作部86は規制片13bと接触せず、操作部86の可動範囲一杯に動かせることで、後進の速度は制限されず、操作部86で後進速度は最大(100%)まで調整可能である。
なお、操作制限部13のアクチュエータ13aは、ボールねじ機構やリニアモータ、流体圧シリンダなどの直動式アクチュエータに限られるものではなく、操作部86の可動範囲外から操作部86の中立位置近くの操作部86と接触可能な箇所まで規制片を移動させられるものであれば、電動機や油圧モータ等の回転式アクチュエータとして、アクチュエータの一部が連結された規制片を、アクチュエータの他部を連結した車体81に対して回転させて動かすことで、規制片を移動可能とする構成とすることもできる。
前記速度制御部14は、解析処理部12からの信号に基づいて操作制限部13のアクチュエータ13aの作動を制御するものである。
速度制御部14は、車体81における、双眼撮像部11及び解析処理部12、並びに、操作制限部13の配設箇所とは異なる、上部前方の側面部に着脱可能に取り付けられ、解析処理部12と有線接続又は無線接続され、信号を入力可能とされると共に、操作制限部13のアクチュエータ13aとケーブルや管体を通じて接続されて、アクチュエータ13aの作動に必要な電力や流体圧を供給可能とされる構成である。
この速度制御部14は、解析処理部12での処理の結果、障害物が処理領域90(第一区域91又は第二区域92)で検出され、解析処理部12から信号出力がなされると、操作制限部13のアクチュエータ13aを作動させて、規制片13bを操作部86の可動範囲内に位置させる。
こうして規制片13bが操作部86の可動範囲内に位置すると、操作部86は、後方については規制片13bとの接触に伴い、規制片13bのある位置より後方へは移動させられず、移動範囲を規制される。こうして、操作部86の操作可能範囲を調整して、操作部86により設定されるタイヤローラ80の後進の速度を制限することとなる。
詳細には、解析処理部12が第二区域92で障害物を検出して、第一制御信号の出力をOFF状態とし、且つ第二制御信号をON状態として出力すると、速度制御部14は、タイヤローラ80から遠い第二区域92で障害物が検出されたことを識別して、アクチュエータ13aを作動させる。規制片13bは、操作部86に対し、後進速度を最大時の50%にする操作部位置に対応した配置となるようアクチュエータ13aで動かされる。この規制片13bによる操作部86の移動規制に伴い、後進の速度は最大時の50%以下に限定される。
仮に、操作部86が、運転者による操作で、後進速度を最大時の50%以上の範囲に設定する位置まで後方に動かされ、タイヤローラ80が最大時の50%以上の速度で後進している中で、障害物の第二区域92での検出に伴って速度制御部14がアクチュエータ13aを作動させ、規制片13bが動かされた場合、操作部86は規制片13bの動きに伴って、最大速度の50%相当位置まで中立位置側へ押し戻される。この操作部86の中立位置側への強制的な移動により、操作部86は運転者により減速操作されるのと同様の制動状態となり、結果としてタイヤローラ80は減速することとなる。
また、解析処理部12が第一区域91で障害物を検出して、第一制御信号と第二制御信号をいずれもON状態として出力すると、速度制御部14は、タイヤローラ80に近い第一区域91で障害物が検出されたことを識別して、アクチュエータ13aを作動させる。規制片13bは、操作部86に対し、操作部86の中立位置に対応した配置となるようアクチュエータ13aで動かされる。この規制片13bによる操作部86の移動規制に伴い、操作部86は中立位置から後方へは動かせなくなり、後進の速度は0に規制される、すなわちタイヤローラ80が後方へ移動できない状態となる。
仮に、運転者による操作で、操作部86が中立位置より後方に動かされ、タイヤローラ80が所定速度で後進している中で、障害物の第二区域での検出によってアクチュエータ13aが作動し、規制片13bが動かされた場合、操作部86は規制片13bの動きに伴って中立位置まで押し戻される。この操作部86の中立位置への強制的な移動により、操作部86は運転者による減速操作で中立位置に戻されるのと同様の制動状態となり、タイヤローラ80は後進を停止する。
なお、この速度制御部14で操作制限部13のアクチュエータ13aの作動制御を行うにあたっては、操作部86の中立位置と可動範囲をあらかじめ把握し、それらに対応して規制片13bが動くように制御を行う必要があるが、速度制御部14は、操作制限部13の車体81への取付直後に、操作部86が中立位置にある場合と後方への可動限界位置にある場合のそれぞれで、アクチュエータ13aにより規制片13bを操作部86に接触するまで動かして操作部の各位置を記憶する機能を備えており、規制片13bの適切な移動範囲を無理なく把握して、操作制限部の着脱ごとに操作部との位置関係が変化したり、システムを適用する産業用車両が変わった場合でも、問題なく対応できる。
こうした速度制御部14と共に、速度制御部14自体や、双眼撮像部11及び解析処理部12、並びに、操作制限部13への電力供給を制御する電源スイッチと、速度制御部14の制御で作動する操作制限部13による操作部86の移動制限や強制移動を停止させる制御解除スイッチとを有するスイッチボックスが、運転席85近傍に設けられる。
次に、前記構成に基づく衝突防止システムの使用状態について説明する。
あらかじめ、衝突防止システムをなす各部が、タイヤローラ80の各所定箇所に容易に動かないように取り付けられて相互に接続された状態とされた上で、タイヤローラ80が走行可能に起動した状態となり、衝突防止システムも電源スイッチONで後方監視を問題なく開始しているものとする。
そして、前提として、タイヤローラ80の後方には当初は障害物がなく、衝突防止システムにおいても、解析処理部12で設定される撮像対象範囲の処理領域90において障害物が検出されておらず、タイヤローラ80の操作部86は運転者が特に制限なく動かして操作できる状態にあるものとする。
まず、運転者がタイヤローラ80の移動又は締固め作業のために、操作部86を後方に動かすように操作すると、タイヤローラ80が後進する。
このタイヤローラ80の後進に際し、継続的に双眼撮像部11で撮像対象範囲の撮像が行われ、解析処理部12で画像解析の処理がなされる。
解析処理部12で障害物が検出されない間は、操作制限部13の規制片13bは操作部86の可動範囲外に位置するため、操作部86の規制はなく、運転者は操作部86を操作して任意の後進速度に設定できる。
ここで、障害物が、それ自体の移動、又は、タイヤローラ80の移動に伴って、双眼撮像部11の撮像対象範囲に入り、双眼撮像部11で撮像されると、解析処理部12は、撮像画像の解析で障害物の存在をそのタイヤローラ80からの距離と共に識別するが、障害物がタイヤローラ80の進行方向から大きく外れて存在していたり、タイヤローラ80の進行方向に存在していてもタイヤローラ80から約5.5m以上離れているなど、障害物が非処理領域98にあると認められる場合(図7参照)には、障害物の存在の検出は行わない。
一方、解析処理部12が、障害物が処理領域90のうち第二区域92に相当する範囲、すなわち、障害物がタイヤローラ80に対し、タイヤローラ80との距離が約2mから約5.5mまでの範囲に存在すると認める場合(図8参照)には、障害物を検出して、この障害物のタイヤローラ80からの距離に応じた信号である、第二制御信号をON状態として出力する。この場合、第一制御信号はOFF状態とされて出力されない。
この解析処理部12からの第二制御信号の出力を受けて、速度制御部14は、タイヤローラ80に対する第二区域92に障害物が存在していることへの対応として、アクチュエータ13aを作動させ、規制片13bを操作部86の可動範囲内まで動かす(図9、図10参照)。ここで、規制片13bが、タイヤローラ80の後進速度を最大時の50%にする操作部位置に対応した配置とされることで、タイヤローラ80が最大速度の50%以上の速度で後進している場合、操作部86は規制片13bの動きに伴って、最大速度の50%相当位置まで中立位置側へ強制的に押し戻され、操作部86が運転者により減速操作される場合と同様にタイヤローラ80は減速し、タイヤローラ80の後進速度が最大時の50%以下に抑えられる。なお、タイヤローラ80が最大速度の50%未満の速度でゆっくりと後進している場合には、規制片13bの動きに伴うタイヤローラ80の減速は生じないものの、タイヤローラ80の後進速度は前記同様最大時の50%以下に規制片13bで規制され、運転者の操作で後進速度を最大時の50%より大きくすることはできなくなる。
タイヤローラ80の後進速度が制限されることで、運転者が後方を確認して障害物を認識し、操作部86によりタイヤローラを停止させる操作を行うのに十分な時間を生じさせることができ、障害物との衝突の確実な回避を図れることとなる。
また、解析処理部12が、障害物が処理領域90のうち第一区域91に相当する範囲、すなわち、障害物がタイヤローラ80に対し、タイヤローラ80との距離が約2m以内の範囲に存在すると認める場合(図11参照)には、障害物を検出して、第二制御信号をON状態として出力すると共に、第一制御信号をON状態として出力する。
この解析処理部12からの第一制御信号の出力を受けると、速度制御部14は、タイヤローラ80に対する第一区域91に障害物が存在していることへの対応として、アクチュエータ13aを作動させ、規制片13bを操作部86の可動範囲内における、操作部86の中立位置に対応した所定箇所、すなわち、仮に操作部86が中立位置にある場合に、その操作部86の後方側に接する位置まで動かす(図12参照)。
ここで、規制片13bが、操作部86の中立位置に対応した配置とされることで、タイヤローラ80が所定速度で後進している場合、操作部86は規制片13bの動きに伴って、中立位置まで強制的に押し戻され、操作部86が運転者により減速及び停止操作される場合と同様にタイヤローラ80は減速して、その後進速度を0として停止し、さらなる運転者の操作でタイヤローラ80を後進させることはできなくなる。
規制片13bで操作部86を中立位置まで押し戻す際は、押された操作部86が中立位置に急に戻ってタイヤローラ80が急停止する状態となるのを防ぐために、アクチュエータ13aで規制片13bを可能な範囲でゆっくりと動かすように、速度制御部14で制御を行うのが望ましい。
タイヤローラ80近くで検出された障害物に対しタイヤローラ80を自動的に停止させることで、運転者が障害物に気付くのが遅れた場合でもタイヤローラ80と障害物との衝突を防止でき、安全を確保できる。
タイヤローラ80の停止後、タイヤローラ80に近付いた状態の障害物を移動させるなどして、障害物が処理領域90の各区域に存在せず解析処理部12で障害物を検出しない状態になると、解析処理部12から信号が出力されなくなるのに伴い、速度制御部14は、アクチュエータ13aを当初状態に戻すように作動させ、規制片13bを操作部86の可動範囲外へ動かす。これにより規制片13bによる操作部86の規制が解除され、運転者は操作部86を操作してタイヤローラ80を後進させることが可能となる。
タイヤローラ80が後進の終点位置まで達していない場合は、運転者は再度安全を確認した上で操作部86を後方へ動かして後進を再開させることとなる。衝突防止システムはタイヤローラ80が後進を継続する間、前記同様に障害物に対応して衝突を防ぐ。タイヤローラが後進の終点位置に達し、停止状態とされるか、移動方向を切り替えて前進を開始すると、システムによる後方監視は終了となる。
このように、本実施形態に係る衝突防止システムにおいては、産業用車両としてのタイヤローラ80後方の撮像対象範囲を双眼撮像部11で撮像し、撮像画像を解析処理部12で解析して撮像対象範囲内に存在する障害物を検出可能とする一方、タイヤローラ80の速度を調整する操作部86の近傍に操作制限部13を設け、この操作制限部13の作動を速度制御部14で制御するようにし、撮像対象範囲の処理領域90に障害物の存在を検出した場合、解析処理部12から検出を示す信号が速度制御部14に出力され、速度制御部14が信号に基づいて操作制限部13のアクチュエータ13aを作動させ、規制片13bを操作部86の可動範囲内の所定位置まで移動させて操作部86と接触可能な状態とし、操作部86の操作可能範囲を制限して、運転者が操作部86により設定可能なタイヤローラ80の最大進行速度が制限される状態となることから、タイヤローラ80と障害物との位置関係に基づいてタイヤローラ80が減速又は停止して、タイヤローラ80と障害物との衝突を未然に防ぐことができ、タイヤローラ80の移動範囲に誤って入った人やタイヤローラ80の安全を確保できる。また、タイヤローラ80を安全のために減速、停止させるための作動部分が、タイヤローラ80の操作部86の操作に係る動きを外から制限するものとされて、タイヤローラ80の電気回路や油圧回路等の内部機構に組み込む必要がないことにより、タイヤローラ80に対しシステムを後付けで設けることができ、容易且つ低コストでタイヤローラ80に導入できる。さらに、撮像対象範囲を処理領域90と非処理領域98とに分け、処理領域90のみで障害物の検出を行うことで、検出にかかる解析処理部12の処理量を抑え、誤検出の発生度合いを小さくすることができる。
なお、前記実施形態に係る衝突防止システムにおいて、解析処理部12は、撮像画像の解析に際し、障害物の検出を行う処理領域90を、タイヤローラ80に近い側の第一区域91とタイヤローラ80から遠い側の第二区域92との二つの区域に分け、各区域内における障害物の存在を検出し、各区域ごとの検出状態に対応した信号を出力する構成としているが、これに限らず、解析処理部12が、処理領域90を分ける区域を三つ以上に設定する構成とすることもできる。
この場合、解析処理部12が、三つ以上の各区域ごとに区域内における障害物の存在を検出し、検出状態に対応した信号を出力し、信号を受けた速度制御部14が、分けられた区域の数に対応する複数段階の減速のうち、障害物の検出された区域にあてはまる度合いで減速がなされるように操作制限部13を作動させ、操作部86の動きを規制する。こうして、障害物の検出された区域に対応させて、タイヤローラ80の後進の速度が減速され、タイヤローラ80と障害物との離隔状態を確保することができる。
また、前記実施形態に係る衝突防止システムにおいて、タイヤローラ80の後方を双眼撮像部11で撮像して得られた撮像画像については、解析処理部12で解析を行って、障害物を検出するのに用いる以外での活用は特に行わない構成としているが、これに限らず、解析処理部12又は別途設けた記録手段を用いて、撮像画像又は解析処理部12で解析した後の画像の録画を行って保存活用するようにすることもでき、障害物に対し車両が減速、停止した状態が判別できる画像が記録として残されることで、後からシステムが実際に作動している状態を確認できる。また、仮に、移動体である障害物が、衝突防止として適切に停止した車両に対し、障害物自ら接近して接触、衝突した場合に、衝突が障害物側の移動に基づくものであることを、記録した画像から示すことができる。
(本発明の第2の実施形態)
前記第1の実施形態に係る衝突防止システムにおいて、解析処理部12は、双眼撮像部11で撮像した撮像画像の解析に際し、撮像対象範囲を処理領域90と非処理領域98とに分けて取り扱うと共に、処理領域90をタイヤローラ80からの距離に基づいてさらに第一区域91と第二区域92とに分け、画像解析で障害物を認めた場合の信号出力等の対応を各領域ごとや各区域ごとに異ならせるよう設定して、障害物の検出を無理なく迅速に行い、タイヤローラ80を適切に減速、停止させて安全を確保できる構成としているが、この他、図13ないし図15に示すように、第2の実施形態として、解析処理部12が、撮像対象範囲を処理領域93と非処理領域99とに分けた上で、処理領域93を、タイヤローラ80の進行方向に位置する基本領域94と、この基本領域94の横方向に隣接する拡張領域95とにさらに分けるようにし、このうち、拡張領域95内における移動する障害物の存在をこの障害物の移動方向と共に検出し、この検出された障害物の移動方向が基本領域94へ向かうものである場合には、信号を速度制御部14へ出力し、速度制御部14による操作制限部13の制御でタイヤローラ80を減速又は停止させる構成とすることもできる。
この場合、処理領域93は、第1の実施形態における処理領域90より横に広がった領域として設定されるものの、タイヤローラ80の進行方向から横にずれた拡張領域95については、この領域内を移動する障害物のうち、基本領域94への移行が見込まれるもののみ、解析処理部12が実質的な障害物と認定して検出結果に応じた信号を出力し、速度制御部14で衝突防止に係るタイヤローラ80の速度調整を図ることから、後進するタイヤローラ80の近くに達して衝突を防ぐ対象となる障害物の数はほとんど変化せず、後進中のタイヤローラ80の減速や停止が過度に生じることはない。
そして、拡張領域95で基本領域94への移行が見込まれる障害物を検出して、この障害物が基本領域94で検出されるより前に、解析処理部12から速度制御部14へ信号を出力することで、例えば人がタイヤローラ80の進路を横断しようとする場合など、タイヤローラ80の進行方向から外れた場所から移動してタイヤローラ80の進路上に急に現れる状態となる障害物を、効率よく検出してタイヤローラ80をより適切なタイミングで減速、停止させることができ、タイヤローラ80の急減速や急停止を生じさせることなく障害物との衝突を回避して安全を十分に確保できる。
なお、解析処理部12による撮像画像の解析において、基本領域94については、前記第1の実施形態における処理領域90についてのものと同様の処理が行われる。すなわち、解析処理部12は、基本領域94を、タイヤローラ80に近い側の第一区域96と、タイヤローラ80から遠い側の第二区域97との、タイヤローラ80からの距離の大小に基づく二つの区域にさらに分け、各区域ごとに、区域内における障害物の存在を検出して、検出状態に対応した信号を出力するようにしている。
(本発明の第3の実施形態)
前記第1の実施形態に係る衝突防止システムにおいて、解析処理部12は、撮像画像の解析に際し、障害物の検出を行う処理領域90を、タイヤローラ80に近い側の第一区域91とタイヤローラ80から遠い側の第二区域92とに分け、各区域ごとに、区域内における障害物の存在を検出し、検出状態に対応した信号を出力する中、設定した処理領域90や第一区域91及び第二区域92のタイヤローラ80に対する相対位置関係は、タイヤローラ80が移動しても変化させず一定とする構成としているが、この他、図16及び図17に示すように、第3の実施形態として、解析処理部12が、撮像画像の解析を行う中で、タイヤローラ80の進行する速度の大小に対応させて、処理領域90のタイヤローラ進行方向における大きさの大小を調整し、合わせて、処理領域90を分ける複数の区域のそれぞれの大きさや区域の数も調整する構成とすることもできる。
具体的には、タイヤローラ80の後方へ進行する速度を、公知の速度センサ等を用いて検出し、解析処理部12は、検出された速度と、あらかじめ設定された速度と処理領域の大きさとの関係に基づいて、処理領域の大きさを決定する。そして、決定した処理領域の大きさに対応させて、第一区域91と第二区域92の各大きさを設定する。
タイヤローラ80の進行中に、障害物が処理領域90で検出されるのに対応して、タイヤローラ80が問題のない速度まで減速したり、停止するよう制御されるが、タイヤローラ80は減速完了や停止までにそのまま進行方向に所定距離進み続ける。このタイヤローラが減速完了や停止までに進む距離は元の速度に依存するため、タイヤローラ80の進行速度が大きい場合は処理領域90を大きくして障害物の検出を早めに行い、検出時点での障害物とタイヤローラ80との距離を十分確保することで、タイヤローラ80が減速完了や停止以前に障害物と衝突する事態を回避できる。一方、タイヤローラ80の進行速度が小さい場合は、障害物検出の後にタイヤローラ80が減速完了や停止までに進む距離も小さくなることから、処理領域90を小さくしてもタイヤローラ80と障害物との衝突は十分避けられることとなる。
例えば、タイヤローラ80の後方へ進行する速度が8〜10km/hと高速の場合には、解析処理部12は、この速度から、処理領域90のタイヤローラ進行方向における大きさを、タイヤローラ80からの距離が5.5m以内、と定める。そして、さらにこの処理領域90を、タイヤローラ80との距離が2m以内となる第一区域91と、タイヤローラ80との距離が2mから5.5mの範囲となる第二区域92とに分けるように設定する(図16参照)。
これに対し、タイヤローラ80の後方へ進行する速度が5km/hと低速の場合には、解析処理部12は、この速度から、処理領域90のタイヤローラ進行方向における大きさを、タイヤローラ80からの距離が3m以内、と定めることができ、また、この処理領域90を、タイヤローラ80との距離が1.1m以内となる第一区域91と、タイヤローラ80との距離が1.1mから3mの範囲となる第二区域92とに分けるように設定する(図17参照)ことができるなど、タイヤローラ80の減速や停止のために確保するスペースを縮減可能となり、タイヤローラ80の後方の作業スペースが小さい場合でも障害物との衝突防止が図れる。
仮に、タイヤローラ80の後方への進行速度が前記高速の場合よりさらに大きくされた場合(例えば、約2倍の20km/h)には、タイヤローラ80が減速を開始してから減速完了や停止に至るまでに進む距離(制動距離)は速度の二乗に比例することから、解析処理部12は、タイヤローラ80の進行速度から、処理領域90の大きさを、前記高速の場合の22倍以上、すなわち、タイヤローラ80からの距離が22m以上の所定距離以内、と定めることとなる。
このように、解析処理部12の解析において、タイヤローラ80の速度に応じて処理領域90の大きさを調整することで、後方への進行速度が大きく減速に時間がかかる場合は、処理領域90を大きくとって障害物をタイヤローラ80から離れた段階で検出して信号を出力できるようにし、速度制御部14で早めに操作制限部13を動かして操作部86の規制を行い、タイヤローラ80の減速や停止の対応をとれるようにする一方、タイヤローラ80の進行速度が小さく減速に時間がかからない場合は、処理領域90を小さくして障害物の検出をタイヤローラ80の近くで実行するようにして、適切なタイミングでタイヤローラ80を減速させることができ、進行するタイヤローラ80の速度によらず障害物に適切に対応して、タイヤローラ80と障害物との離隔状態を維持可能であり、安全を確保できる。
なお、前記各実施形態に係る衝突防止システムにおいては、適用対象となる産業用車両をタイヤローラ80としているが、これに限られるものではなく、ロードローラや、転圧ローラ、振動ローラなど、他の締固め車両(締固め用機械)でもかまわない。また、レバーやペダル等である操作部の、速度0(停止)対応位置からの移動量で前後進の進行速度を調整するものであれば、建設機械や輸送機械など、他の産業用車両にも適用できる。
また、前記各実施形態に係る衝突防止システムにおいては、タイヤローラ80の後方を双眼撮像部11で撮像して障害物を検出し、後進するタイヤローラ80と障害物との衝突防止を図る構成としているが、この他、タイヤローラの前方を撮像する他の双眼撮像部等の撮像装置を設け、タイヤローラの前方においても障害物検出を行い、タイヤローラ前進時におけるタイヤローラ80と障害物との衝突防止を図ったり、タイヤローラの側方を撮像する別の撮像装置を設けて、タイヤローラの進行方向変更の際にタイヤローラの側方で障害物を検出可能として、タイヤローラ側部と障害物との衝突を防止できるようにする構成とすることもでき、運転席でタイヤローラを運転する運転者からタイヤローラの前方や側方が死角等の理由で確認しにくい場合でも、後方の場合と同様に障害物との衝突を回避して安全を確保できることとなる。
また、前記実施形態に係る衝突防止システムにおいては、障害物を検出すると、操作部86の操作に係る動きを規制、制限して、後進するタイヤローラ80を減速、停止させるが、運転者は、直接障害物を視認する場合以外は、自らの操作によらないタイヤローラ80の減速状態への移行からのみ、障害物の検出を知ることができる構成としているが、この他、解析処理部12で障害物を検出した場合に、この検出状態を運転者に対し音声や発光又は映像の表示等により報知可能な報知部16を設ける構成とすることもできる(図18参照)。
この場合、報知部16は、タイヤローラ80を運転する状態の運転者に対し報知可能な所定箇所、例えば運転席85に設置され、解析処理部12又は速度制御部14と接続される。解析処理部12で障害物が検出されると、それに基づいて報知部16は音声や表示出力を実行する状態に移行して、検出の旨を運転者に対し報知することとなる。こうした障害物の検出を示す報知は、障害物が処理領域の第一区域で検出された場合と、第二区域で検出された場合とで、報知内容を異ならせる、例えば、音の高さや、音の断続の長さ・組合せを変えたり、光の色の変化、点灯と点滅の切替え等、を行うようにするのが望ましい。
この報知に関しては、障害物を検出したら、速度制御部14が操作制限部13のアクチュエータ13aを作動させるより前に、報知部16からの障害物検出に係る報知を行うのが望ましく、報知により障害物の存在を知った運転者が操作制限部13より先に操作部86を動かして減速、停止操作を実行し、速やかにタイヤローラ80を減速、停止状態に移行させることが可能となる。また、報知を受けた運転者が、操作部86の操作に基づく制動以外の制動手段、例えば、ブレーキペダル操作でローラに制動をかけるディスクブレーキやドラムブレーキなどを作動させることもでき、より確実且つ迅速な減速、停止も期待できる。さらに、報知により、この後タイヤローラ80が減速、停止状態に移行することを運転者が前もって把握できることで、減速に伴う反動に十分に対応することができ、運転者の安全確保も図れることとなる。
こうした報知部16による報知は、障害物が検出された場合の速度制御部14による操作制限部13の作動制御が制御解除スイッチ操作で強制停止され、タイヤローラ80の自動減速、停止が一時的に行われない状況においても、継続して実行可能な状態に維持されており、運転者が報知に基づいて操作部等を操作し、タイヤローラ80を減速、停止させて、障害物との衝突を回避することが可能である。
さらに、報知部の一例として、運転者がタイヤローラ80の前方を向いた通常の運転状態における、運転者の視界に入る所定箇所に、タイヤローラ80後方の撮像画像を表示する表示装置を設ける構成とすることもできる。この場合、表示装置は、双眼撮像部11で撮像した画像情報を取得して表示画面18上で撮像画像の表示を行うと共に、解析処理部12で障害物が検出された場合、解析処理部12から検出に係る情報を取得し、これに基づいて、障害物が検出された状態を運転者が視認可能となるような表示、例えば、障害物を囲む枠18aなどを、撮像画像に重ねて表示することとなる(図19参照)。こうした障害物の検出を示す表示は、障害物が処理領域の第一区域で検出された場合と、第二区域で検出された場合とで、色や形状を異ならせるようにするのが望ましい。
表示装置を用いることで、運転者がタイヤローラ80を後進させる運転を行っている状況で、運転者が前方を向いて後方を直接目視で確認できない運転姿勢をとる間も、運転者が前方を向いたまま表示装置の表示内容からタイヤローラ80後方の概略状況や障害物の存在を確認でき、運転者がタイヤローラ80を適切に後進させる運転操作を行いながら、直接の後方確認と表示装置の表示確認との併用でタイヤローラ80後方に対し継続的に注意を払うことができ、タイヤローラ80の正しい運転と障害物への適切な対応を無理なく実行できる。
10 衝突防止システム
11 双眼撮像部
12 解析処理部
13 操作制限部
13a アクチュエータ
13b 規制片
13d ベース部
13e 可動部
13f 締結部
14 速度制御部
16 報知部
18 表示画面
18a 枠
80 タイヤローラ
81 車体
82、83 ローラ
85 運転席
86 操作部
87 キャノピー
90、93 処理領域
91、96 第一区域
92、97 第二区域
94 基本領域
95 拡張領域
98、99 非処理領域

Claims (7)

  1. 運転者の運転操作で少なくとも前後方向に自走移動可能な産業用車両に設けられる、当該車両と人を含む障害物との衝突を防止するシステムにおいて、
    前記車両の前方又は後方における所定の撮像対象範囲を動画像として撮像する複数の撮像部を有する撮像装置と、
    当該撮像装置で取得される撮像画像を解析して、前記撮像対象範囲内に存在する障害物と当該障害物の前記車両からの距離とを検出し、少なくとも障害物の検出を示す所定の信号を出力する解析処理部と、
    前記車両における少なくとも前後進速度を調整可能とする操作部の近傍となる車両所定箇所に配設されるアクチュエータ、及び、当該アクチュエータに連結されて操作部の近傍に配置され、アクチュエータの作動で操作部の可動範囲外から操作部可動範囲内の操作部と接触可能な所定位置までの所定範囲内で移動可能とされる規制片を有する操作制限部と、
    前記解析処理部からの前記信号に基づいて前記操作制限部のアクチュエータの作動を制御する速度制御部とを備え、
    前記解析処理部が、撮像画像の解析において、前記撮像対象範囲を障害物の存在検出を行う処理領域と検出を行わない非処理領域とに分け、前記処理領域については、処理領域内における障害物の存在を当該障害物の車両からの距離と共に検出して、障害物の車両からの距離に応じた信号を出力するようにし、
    前記速度制御部が、前記解析処理部から信号出力がなされると、前記操作制限部のアクチュエータを作動させて規制片を移動させ、操作部の操作可能範囲を縮小して、操作部により設定される車両の前進又は後進の速度を制限することを
    特徴とする産業用車両の衝突防止システム。
  2. 前記請求項1に記載の産業用車両の衝突防止システムにおいて、
    前記撮像装置、解析処理部、操作制限部、及び速度制御部が、前記車両に対し着脱可能に配設されることを
    特徴とする産業用車両の衝突防止システム。
  3. 前記請求項1又は2に記載の産業用車両の衝突防止システムにおいて、
    前記解析処理部が、前記処理領域を、領域内各位置と車両との距離の大小に基づいて複数の区域にさらに分け、当該区域ごとに、区域内における障害物の存在を検出して、検出状態に対応した信号を出力し、
    前記速度制御部が、前記解析処理部からの信号に基づいて、障害物の検出された区域が車両に近いほど、前記操作制限部の規制片による操作部の操作可能範囲をより小さく設定するように、アクチュエータを作動させることを
    特徴とする産業用車両の衝突防止システム。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の産業用車両の衝突防止システムにおいて、
    前記解析処理部が、前記処理領域を、車両の進行方向に位置する基本領域と、当該基本領域の側方に隣接する拡張領域とに分け、当該拡張領域内における移動する障害物の存在を当該障害物の移動方向と共に検出し、拡張領域で検出された障害物の移動方向が前記基本領域へ向かうものである場合には、信号を前記速度制御部へ出力することを
    特徴とする産業用車両の衝突防止システム。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれかに記載の産業用車両の衝突防止システムにおいて、
    前記解析処理部が、撮像画像の解析において、車両の進行する速度の大小に対応させて前記処理領域の車両進行方向における大きさの大小を調整することを
    特徴とする産業用車両の衝突防止システム。
  6. 前記請求項1ないし5のいずれかに記載の産業用車両の衝突防止システムにおいて、
    前記車両を運転する状態の運転者に対し報知可能な所定箇所に設置され、前記解析処理部又は速度制御部と接続されて、前記処理領域内で障害物が検出されると、当該検出の旨を運転者に対し報知する報知部を備えることを
    特徴とする産業用車両の衝突防止システム。
  7. 前記請求項6に記載の産業用車両の衝突防止システムにおいて、
    前記報知部が、前記撮像装置で撮像した画像情報を取得して画像を表示する表示装置とされて、車両における運転者が車両を運転する状態での運転者の視界に入る所定箇所に設置され、
    前記解析処理部で障害物が検出されると、報知部が検出の旨を運転者に視認可能に表示することを
    特徴とする産業用車両の衝突防止システム。
JP2018163203A 2018-08-31 2018-08-31 産業用車両の衝突防止システム Active JP6664622B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018163203A JP6664622B2 (ja) 2018-08-31 2018-08-31 産業用車両の衝突防止システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018163203A JP6664622B2 (ja) 2018-08-31 2018-08-31 産業用車両の衝突防止システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020032953A true JP2020032953A (ja) 2020-03-05
JP6664622B2 JP6664622B2 (ja) 2020-03-13

Family

ID=69669091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018163203A Active JP6664622B2 (ja) 2018-08-31 2018-08-31 産業用車両の衝突防止システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6664622B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021147773A (ja) * 2020-03-16 2021-09-27 日立建機株式会社 転圧車両
JP2021147774A (ja) * 2020-03-16 2021-09-27 日立建機株式会社 転圧車両
CN113635898A (zh) * 2021-07-28 2021-11-12 阿波罗智能技术(北京)有限公司 车辆限速控制的方法、设备、存储介质及程序产品
CN115262330A (zh) * 2022-08-22 2022-11-01 山推工程机械股份有限公司 一种轮胎压路机的控制方法以及控制装置
WO2023199835A1 (ja) * 2022-04-14 2023-10-19 酒井重工業株式会社 電動ローラ

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102461814B1 (ko) 2022-07-14 2022-11-01 에이치씨엠 주식회사 전동 핸드 팔레트 트럭 장착형 안전보호장치

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05321304A (ja) * 1992-05-26 1993-12-07 Yutani Heavy Ind Ltd 建設機械の安全装置
JP2004220422A (ja) * 2003-01-16 2004-08-05 Denso Corp 車両の接触防止システム
JP2007223565A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Equos Research Co Ltd 車両及び車両用操作装置
JP2010204805A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Konica Minolta Holdings Inc 周辺監視装置および該方法
JP2014006821A (ja) * 2012-06-26 2014-01-16 Honda Motor Co Ltd 車両周辺監視装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05321304A (ja) * 1992-05-26 1993-12-07 Yutani Heavy Ind Ltd 建設機械の安全装置
JP2004220422A (ja) * 2003-01-16 2004-08-05 Denso Corp 車両の接触防止システム
JP2007223565A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Equos Research Co Ltd 車両及び車両用操作装置
JP2010204805A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Konica Minolta Holdings Inc 周辺監視装置および該方法
JP2014006821A (ja) * 2012-06-26 2014-01-16 Honda Motor Co Ltd 車両周辺監視装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021147773A (ja) * 2020-03-16 2021-09-27 日立建機株式会社 転圧車両
JP2021147774A (ja) * 2020-03-16 2021-09-27 日立建機株式会社 転圧車両
JP7209662B2 (ja) 2020-03-16 2023-01-20 日立建機株式会社 転圧車両
CN113635898A (zh) * 2021-07-28 2021-11-12 阿波罗智能技术(北京)有限公司 车辆限速控制的方法、设备、存储介质及程序产品
CN113635898B (zh) * 2021-07-28 2023-03-14 阿波罗智能技术(北京)有限公司 车辆限速控制的方法、设备、存储介质及程序产品
WO2023199835A1 (ja) * 2022-04-14 2023-10-19 酒井重工業株式会社 電動ローラ
CN115262330A (zh) * 2022-08-22 2022-11-01 山推工程机械股份有限公司 一种轮胎压路机的控制方法以及控制装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6664622B2 (ja) 2020-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6664622B2 (ja) 産業用車両の衝突防止システム
CN108622083B (zh) 泊车辅助装置
JP6267972B2 (ja) 作業機械の周囲監視装置
EP3110146B1 (en) Obstacle detection device for work machine
JP6138130B2 (ja) 自律的、乃至、部分自律的運転マヌーバを実施するための車載アシスタント・システム用の方法、並びに、装置
CN109311474A (zh) 行人保护中的自主制动故障管理
JP7200871B2 (ja) 衝突回避支援装置
EP2833336A1 (en) Driving assistance system
JP5858446B2 (ja) 荷役車両
KR20140033274A (ko) 차량의 측방충돌회피 시스템 및 방법
WO2018186012A1 (ja) 車両制御装置
JP6710647B2 (ja) 駐車支援装置
JP7000957B2 (ja) 作業機械操縦装置
JP6549958B2 (ja) 自動運転装置
JP6824126B2 (ja) 建設機械の後進時衝突防止装置
JP2020147088A (ja) 運転支援装置
KR102031374B1 (ko) 작업용 차량의 주행 안전 장치 및 그 방법
JP5748313B1 (ja) 荷役車両
CN113525350B (zh) 驻车辅助系统
US20230114366A1 (en) Work machine periphery monitoring system, work machine, and work machine periphery monitoring method
JP2019031823A5 (ja)
JP3946214B2 (ja) 油圧式走行装置の緊急停止装置
JP7437835B1 (ja) 作業機械の安全装置
KR102600864B1 (ko) 차량의 운전자 사각지대에서의 사고를 방지하기 위한 차량 인공지능 기반 브레이크 제어방법
JP2019099024A (ja) 駐車支援装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190628

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190717

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190903

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6664622

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250