JP2020030089A - 分析システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構成で分析装置の機械異常を検出することを課題とする。【解決手段】液体を吸引及び吐出するプローブと、プローブと、分注流路Tを介して接続するプランジャ114と、プローブの位置を移動させる上下回転動作部112と、プローブと、プランジャ114とを結ぶ分注流路Tの途中、かつ、分注流路Tにおいて、上下回転動作部112によりプローブと一体となって移動する部分よりもプランジャ114に近い位置に設けられており、分注流路T内の液体の圧力を検知する圧力センサPと、を有する分析装置と、圧力センサPで検知された圧力データに基づいて、圧力データを取得したタイミングで行われていた動作について、異常の有無についての解析を行う異常判定部203と、を有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、試料を分析する分析システムの技術に関する。
分析装置は、被検査者から採取した尿や血液等の試料を、分析する内容に応じた試薬と混合して反応させることにより色調の変化を生じさせ、その変化を分光光度計によって測定する装置である。
このような分析装置は分注プローブによって試料、試薬が反応容器に吐出される。定められた量が吐出されるためには、分注プローブの吸引、吐出動作だけでなく、上下移動、回転移動、洗浄、乾燥が正確に行われる必要がある。これらの動作のうち、いずれかの動作中に異常が発生していた場合、正しい分量の試料、試薬を吐出できない可能性がある。
特許文献1には、「分注プローブによる試料又は試薬の吸引及び吐出動作時間を、それぞれ、複数の時間に区分し、区分した時間区分毎に、検出した圧力波形を近似式に当てはめて、パラメータを算出する。算出したパラメータを正常な分注の場合のパラメータを比較し、時間区分毎に分注異常の有無を判定する。時間区分毎に特有の異常の有無を判別することができ、従来技術では判別困難であった異常を判断することができる自動分析装置を実現することができる」自動分析装置が開示されている(要約参照)。
特開2014−44174号公報
特許文献1に記載されている手法は、試料、試薬の液性を対象としたものである。しかしながら、特許文献1における圧力データの異常は、試料、試薬の液性だけでなく、分析装置に発生した機械異常によって起こる可能性がある。そのため、吸引、吐出対象の液性に依存しない異常検出が必要とされている。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、簡便な構成で分析装置の機械異常を検出することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、液体を吸引及び吐出するプローブと、前記プローブと、流路を介して接続するポンプ部と、前記プローブの位置を移動させる移動部と、前記プローブと、前記ポンプ部とを結ぶ前記流路の途中、かつ、前記流路において、前記移動部により前記プローブと一体となって移動する部分よりも前記ポンプ部に近い位置に設けられており、前記流路内の液体の圧力を検知する圧力センサと、を備える分析装置と、前記圧力センサで検知された圧力データに基づいて、前記圧力データを取得したタイミングで行われていた動作について、異常の有無についての解析を行う処理部と、を有することを特徴とする。
その他の解決手段については実施形態中にて適宜記載する。
本発明によれば、簡便な構成で分析装置の機械異常を検出することができる。
第1実施形態に係る分析システムZの概略構成図である。 第1実施形態で用いられるサンプルプローブ110の周辺構成を示す図である。 第1実施形態における洗浄部130の構成を示す図である。 第1実施形態における乾燥部140の構成を示す図である。 分析装置100の起動から終了までの分析システムZの動作手順を示すフローチャートである。 第1実施形態で行われるチェックシークエンス及び分析シークエンスの動作手順を示すフローチャート(その1)である。 本実施形態で行われるチェックシークエンス及び分析シークエンスの動作手順を示すフローチャート(その2)である。 第1圧力データの波形(第1圧力データ波形)を示す図である。 第2圧力データの波形(第2圧力データ波形)を示す図である。 第3圧力データの波形(第3圧力データ波形)の例を示す図である。 第4圧力データの波形(第4圧力データ波形)を示す図である。 判定パラメータセットを示す表である。 分析装置100の動作における1サイクル分の圧力データを示している。 第5実施形態における動作ログを用いた異常予兆判定の手法を示す図である。 第6実施形態における動作ログを用いた異常予兆判定の手法を示す図である。 第7実施形態における動作ログを用いた異常予兆判定の手法を示す図である。 第8実施形態における動作ログを用いた異常予兆判定の手法を示す図である。 第9実施形態における動作ログを用いた異常予兆判定の手法を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
<第1実施形態>
[分析システムZ]
図1は、第1実施形態に係る分析システムZの概略構成図である。
分析システムZは、分析装置100、コンピュータ(処理部)200、コントローラ300、タイミング検出器400を有していいる。
分析装置100は、サンプルディスク151、第1試薬ディスク171、第2試薬ディスク181、反応ディスク191を備える。
サンプルディスク151は、試料を保持するサンプル容器V1を保持する。第1試薬ディスク171と第2試薬ディスク181とは、試薬を保持する試薬容器V3を保持する。反応ディスク191の周上には、反応容器V2を保持する。
分析装置100は、さらに、サンプルプローブ110、第1試薬プローブ121、第2試薬プローブ122、洗浄部130、乾燥部140、攪拌装置192、容器洗浄部193、光源Rを備える。なお、洗浄部130、乾燥部140について、図1中ではサンプルプローブ110にのみ採番して示しているが、第1試薬プローブ121、第2試薬プローブ122にも同様に洗浄部、乾燥部が備えられている。
なお、サンプルプローブ110、第1試薬プローブ121、第2試薬プローブ122を代表してプローブと適宜称する。
サンプルプローブ110は、サンプル容器V1から吸引した試料を反応容器V2に分注する。第1試薬プローブ121は、第1試薬ディスク171内の試薬容器V3から吸引した試薬を反応容器V2に分注する。第2試薬プローブ122は、第2試薬ディスク181内の試薬容器V3から吸引した試薬を反応容器V2に分注する。攪拌装置192は、反応容器V2内の液体を攪拌する。容器洗浄部193は、反応容器V2を洗浄する。光源Rは、反応ディスク191の内周付近に設置されており、反応容器V2に対して光を照射する。分光検出器194は、反応容器V2を挟んで光源Rの対面に設置されており、光源Rが試料に対して照射した光を検出する。
コンピュータ200は、分光検出器194に接続されており、分光検出器194による検出結果を用いて試料を分析する。コンピュータ200は表示装置(表示部)211を備えている。コントローラ300は、分析装置100の全体動作を制御する。タイミング検出器400は、分析装置100における各動作ユニットの動作開始/停止タイミングの検出し、動作開始/停止からの時間経過を監視する。
サンプル容器V1は血液等の検査対象の試料が入れられた後、サンプルディスク151にセットされる。サンプルプローブ110によってサンプル容器V1から採取された試料は、反応ディスク191に並べられている反応容器V2に対して一定量分注される。次に、一定量の試薬が第1試薬ディスク171又は第2試薬ディスク181に設置された試薬容器V3から第1試薬プローブ121又は第2試薬プローブ122により反応容器V2に分注される。分注された試薬は攪拌装置192によって攪拌される。
反応ディスク191は、周期的に回転停止を繰り返す。反応容器V2が光源Rの前を通過するタイミングで分光検出器194が反応容器V2を透過する光の強さを測定する。分光検出器194による測定は分析項目毎に定められた時間間隔で実行される。その後、容器洗浄部193は反応容器V2内の反応液を排出して洗浄する。それらの間に別の反応容器V2は、別の試料と試薬を用いて並行動作する。コンピュータ200は分光検出器194が計測したデータを用いて分析の種類に応じた成分の濃度を算出し、その結果をディスプレイに表示する。
これら一連の動作における反応容器V2への試料吐出量、試薬吐出量、攪拌時間、光源Rから照射される光の強さの測定を行う時間間隔、成分濃度の計算方法は、分析の内容(以下、分析項目)毎に定められている。これらを制御する動作プログラムはコンピュータ200で実行される。コンピュータ200は依頼された分析項目の順に、必要な動作プログラムをコントローラ300に入力し、分析装置100の各ユニットを動作させる。
なお、サンプルプローブ110、洗浄部130、乾燥部140の詳細は後記する。
[サンプルプローブ110の周辺構成]
図2は、第1実施形態で用いられるサンプルプローブ110の周辺構成を示す図である。適宜、図1を参照する。
ちなみに、第1試薬プローブ121及び第2試薬プローブ122もサンプルプローブ110と同様の構成を有するので、第1試薬プローブ121及び第2試薬プローブ122の周辺構成についての図示、説明を省略する。
サンプルプローブ110は、上下回転動作部(移動部)112に接続されている。上下回転動作部112は上下、回転の2軸の移動機構からなる。サンプルプローブ110は、上下回転動作部112によって上下移動、回転移動することができる。これにより、サンプルプローブ110は試料吸引位置、反応容器V2への試料吐出位置、洗浄位置、乾燥位置等へ移動できる。また、分注流路(流路)Tは上下回転動作部112の内部を通ってサンプルプローブ110に接続されている。サンプルプローブ110は、上下回転動作部112によって、試料を採取するためにサンプル容器V1から試料を吸引する位置まで移動し、さらに、反応容器V2に対して試料を吐出する位置に移動することができる。
定量ポンプ(ポンプ部)115は、駆動部113とプランジャ114を有し、バルブ116を通じてポンプ117に接続されている。定量ポンプ115はコントローラ300によって動作を制御される。定量ポンプ115及びサンプルプローブ110は、分注流路Tを介して接続されている。サンプルプローブ110による吸引動作及び吐出動作は定量ポンプ115に固定されたプランジャ114が上下動作(往復動作)することで実行される。分注流路Tと定量ポンプ115とはシステム液L1で満たされている。また、サンプルプローブ110は、システム液L1、吸引液L2で満たされている。そして、サンプルプローブ110において、システム液L1と、吸引液L2とは気泡状の分節空気Aで分けられている。つまり、分節空気Aは吸引液L2と、システム液L1とが混合しないようにする役割を有する。なお、システム液L1は、純水等である。
なお、図2の例では、吸引液L2としているが、吸引動作によっては、吸引液L2は液体ではなく空気となる。
プランジャ114や、上下回転動作部112が動作することによってサンプルプローブ110と分注流路Tには分節空気A、システム液L1、吸引液L2を媒体とした衝撃波の伝搬が起こる。このような衝撃波の伝搬を圧力データとして検出するために、圧力センサPがプランジャ114とサンプルプローブ110の間に配置されている。
圧力センサPは、プランジャ114とサンプルプローブ110を結ぶ分注流路Tの途中に設けられている。また、圧力センサPは、上下回転動作部112によりサンプルプローブ110と一体となって移動する部分よりもプランジャ114に近い位置に設けられている。
上下回転動作部112によりサンプルプローブ110と分注流路Tとが移動すると、分注流路Tの中のシステム液L1に加速度が生じる。このとき、慣性力により加速度の流路方向成分とシステム液L1の比重および流路長さに比例した圧力差が発生する。圧力センサPは大気圧との差を検出するので、大気開放部であるサンプルプローブ110の先端から圧力センサPまでの間の分注流路Tに加わった加速度を圧力として検知することができる。従って、上下回転動作部112による移動動作や、何らかの振動が分注流路Tに生じたことを流路内圧力変動として検出でき、移動動作の異常や、サンプルプローブ110の衝突等の異常を検知できる。なお、流路内圧力変動とは、分注流路Tの内部におけるシステム液L1の圧力変動である。
タイミング検出器400は、コントローラ300に接続されており、定量ポンプ115や上下回転動作部112の動作終了タイミング、動作開始からの経過時間を監視する。
圧力センサPはAD変換部201に接続されている。また、タイミング検出器400は、定量ポンプ115の動作開始、停止の信号を監視している。そして、タイミング検出器400は、圧力データを取得する期間中、AD変換部201に対してデジタル変換を実行するよう指示する。AD変換部201は、その指示に応じて、圧力センサPから出力されるアナログ電圧データをデジタル変換する。なお、AD変換部201は、タイミング検出器400の指示にかかわらず、常にデジタル変換を行っていてもよい。
データ取得部202は、AD変換部201から流路内圧力変動のデジタルデータ(圧力データと称する)を受け取り、異常判定部203に引き渡す。
異常判定部(処理部)203は、受け取った圧力データを用いて異常の有無を判定する。AD変換部201、データ取得部202、異常判定部203は例えばコンピュータ200の一部として構成される。つまり、コンピュータ200の記憶部204に格納されているプログラムが図示しないメモリにロードされ、さらに図示しないCPUによって実行されることによって、AD変換部201、データ取得部202、異常判定部203が具現化する。
コンピュータ200の記憶部204には空気を吸引した場合の圧力データから算出された判定パラメータが格納されている。判定パラメータについては後記する。タイミング検出器400の指示により、サンプルプローブ110の上昇及び回転にともなう圧力データがAD変換機621、データ取得部202から異常判定部203へ送られる。異常判定部203では送られてきた圧力データと判定パラメータから判定スコア(評価値)を算出し、予め設定された閾値と比較して正常、異常の判定を行う。異常判定の具体的な手法は後記する。
[洗浄部130]
図3Aは、第1実施形態における洗浄部130の構成を示す図である。適宜、図1、図2を参照する。
図3Aに示すように、洗浄部130の洗浄容器134にはポンプ131に繋がった洗浄水吐出ノズル132が設置されている。洗浄容器134にサンプルプローブ110が移動してくると、コンピュータ200はバルブ133を開き、洗浄水吐出ノズル132から外部洗浄液L3を吐出する。このようにして、サンプルプローブ110の外側部分が洗浄される。この動作を以下、外部洗浄とする。ちなみに、外部洗浄液L3はシステム液L1と同じ(純水等)である。
また、外部洗浄と同時に図2に示されるバルブ116も開き、サンプルプローブ110内にシステム液L1を流すことで、サンプルプローブ110内、及び、図2に示す分注流路T内の洗浄が行われる(矢印W1)。この動作を以下、内部洗浄と称する。
[乾燥部140]
図3Bは、第1実施形態における乾燥部140の構成を示す図である。適宜、図1、図2を参照する。
図3Aで説明した外部洗浄、内部洗浄が終了した後、サンプルプローブ110は乾燥部140の乾燥容器145へ移動する。乾燥部140は乾燥容器145の他に、真空吸引ポンプ141、電磁弁142,143を備える。乾燥動作中において、コンピュータ200は、電磁弁142を閉じ、電磁弁143を開いた状態で真空吸引ポンプ141を動作させ、廃液流路144内の圧力を下げる。圧力が一定まで下がると電磁弁143が閉じられ、電磁弁142が開かれる。これにより、乾燥容器145内の空気が一気に吸引され、サンプルプローブ110表面に残った洗浄水が除去される。
<全体動作>
図4は分析装置100の起動から終了までの分析システムZの動作手順を示すフローチャートである。適宜、図1〜図3Bを参照する。
分析装置100のシステム状態は大きく分けて、チェックシークエンス、分析シークエンス、分析装置100の動作を一時的に停止させるスタンバイ状態に分けられる。チェックシークエンスでは分析装置100の状態が自己診断される。分析シークエンスでは分析動作が実行される。
まず、分析装置100の電源がONとなる(S101)ことにより、分析装置100が立ちあげられる。
そして、コンピュータ200は、分析装置100が正常に動作できる状態であることを確認するため第1チェックシークエンスを実行する(S102)。
第1チェックシークエンスでは分析装置100における分析装置100の起動直後における各ユニットの動作確認が行われる。つまり、サンプルプローブ110、第1試薬プローブ121、第2試薬プローブ122の上下移動、回転移動、洗浄水吸引、空気吸引が行われ、圧力センサPから圧力データが収集される。コンピュータ200は、収集した圧力データを基に分析装置100における各ユニットの動作の異常判定を行う。なお、第1チェックシークエンスの詳細は後記して説明する。
コンピュータ200は第1チェックシークエンスの結果、異常が検出されたか否かを判定する(S103)。
ステップS103の結果、異常が検出された場合(S103→Yes)、コンピュータ200は、表示装置211にアラートを表示する(S191)。アラートの表示では、第1チェックシークエンスで停止したこと、及び、推定される異常内容が表示される。
そして、コンピュータ200は分析装置100を停止状態(S192)とする。停止状態において、分析装置100は異常発生時の状態を維持したまま、作業者からの指示があるまですべての動作を停止する。この間、作業者の調査によって異常要因が発見できた場合、再度、第1チェックシークエンスから動作が開始される。なお、各チェックシークエンスで異常なしの判定が得られない限り、分析装置100はスタンバイ状態へは移行できない。
ステップS103の結果、異常が検出されなかった場合(S103→No)、コンピュータ200は、分析装置100をスタンバイ状態(S111)とする。スタンバイ状態では作業者による分析項目の依頼をコンピュータ200に入力することができる。
スタンバイ状態で作業者による分析項目の依頼を受け付けた(S112)後、コンピュータ200は、第2チェックシークエンスを実行する(S113)。第2チェックシークエンスは、分析シークエンスの直前に行われるチェックシークエンスであり、そのチェック内容は第1チェックシークエンスと同様である。
なお、第1チェックシークエンスの実行から、例えば6時間以内である場合、第2チェックシークエンスが省略されてもよい。
コンピュータ200は第2チェックシークエンスの結果、異常が検出されたか否かを判定する(S114)。
ステップS114の結果、異常が検出された場合(S114→Yes)、コンピュータ200は、表示装置211にアラートを表示する(S191)。アラートの表示では、第2チェックシークエンスで停止したこと、及び、推定される異常内容が表示される。
そして、コンピュータ200は分析装置100を停止状態(S192)とする。
ステップS114の結果、異常が検出されなかった場合(S113→No)、コンピュータ200は、分析シークエンスを実行する(S121)。分析シークエンスの詳細は後記する。
分析シークエンスでは、様々な液量、液性の試料に対する分析項目に対応する分析が行われる。また、分析シークエンスは、作業者が依頼した分析項目が終了するまで実行される。なお、分析シークエンス中や、分析シークエンス終了後のスタンバイ状態において、作業者は分析項目の追加依頼を行うことができる。
分析シークエンスが終了すると、第3チェックシークエンスが実行される(S122)。第3チェックシークエンスは、分析シークエンス後に行われるチェックシークエンスであり、そのチェック内容は第1チェックシークエンス、第2チェックシークエンスと同様である。
コンピュータ200は第3チェックシークエンスの結果、異常が検出されたか否かを判定する(S123)。
ステップS123の結果、異常が検出された場合(S123→Yes)、コンピュータ200は、表示装置211にアラートを表示する(S191)。アラートの表示では、第3チェックシークエンスで停止したこと、及び、推定される異常内容が表示される。
そして、コンピュータ200は分析装置100を停止状態(S192)とする。
ステップS123の結果、異常が検出されなかった場合(S123→No)、コンピュータ200は、分析装置100の電源がOFFされたか否かを判定する(S124)。
ステップS124の結果、電源がOFFされていない場合(S124→No)、コンピュータ200は、ステップS111へ処理を戻す。
ステップS124の結果、電源がOFFされた場合(S124→Yes)、コンピュータ200は処理を終了する。
(チェックシークエンス及び分析シークエンス)
図5A及び図5Bは、第1実施形態で行われるチェックシークエンス及び分析シークエンスの動作手順を示すフローチャートである。適宜、図1〜図3Bを参照する。
なお、図5A及び図5Bは、図4のステップS102,S113,S121,S122で行われる動作である。また、ここではサンプルプローブ110の動作について説明しているが、第1試薬プローブ121、第2試薬プローブ122についても同様の動作を行う。
まず、サンプルプローブ110が上限点の高さにいる状態から回転し(図5AのS201)、下降する(S202)ことでサンプルプローブ110は洗浄位置へ移動する。
洗浄位置へ移動後、コントローラ300によって、バルブ116、バルブ133が開かれ、外部洗浄、内部洗浄が実行される(S203)。
内部洗浄は外部洗浄より先に終了する(S204)。すると、サンプルプローブ110は、外部洗浄が終了する前に、定量ポンプ115によって外部洗浄液L3を吸引、吸引した外部洗浄液L3のうち、余分な外部洗浄液L3を吐出する動作を行う(S205)。この動作は、外部洗浄液L3(純水)でサンプルプローブ110内を満たすための動作である。
そして、コンピュータ200は、外部洗浄液L3の吸引時の圧力データ(第1圧力データ)を圧力センサPから取得する(S206)。なお、圧力データの取得は、チェックシークエンス時、分析シークエンス時の両方で行われてもよいし、チェックシークエンス時のときのみ行われてもよい。
そして、外部洗浄が終了する(S207)。このとき、ステップS205の動作により、分注流路Tとサンプルプローブ110の内部はシステム液L1で満たされている。
(第1圧力データ波形)
図6は、第1圧力データの波形(第1圧力データ波形)を示す図である。
外部洗浄液L3が正常に吐出されている場合、サンプルプローブ110は内部洗浄後の吸引動作(図5AのS205)で外部洗浄液L3を吸引する。そして、正常に外部洗浄液L3を吸引できた場合の圧力データ波形を実線で示す。
一方、外部洗浄液L3が適切に吐出されていない場合、サンプルプローブ110は外部洗浄液L3を吸引できず、空気を吸引してしまう。このとき、図6の破線で示すような流路内圧力変動が示される。この特徴はチェックシークエンス、分析シークエンスで共通である。外部洗浄液L3が吐出されない異常として、ポンプ131における給水圧の低下、水量の調整ミス、外洗液流路折れが想定される。
ちなみに、外部洗浄液L3の吐出異常判定は、サンプルプローブ110の先端に外部洗浄液L3が正常にかかっている場合と、正常にかかっていない場合とで明確に圧力データ波形が異なる。そのため、外部洗浄液L3の吐出異常判定は後記する線形判定法で判定することが望ましい。
サンプルプローブ110に液がかかっているか否かを確認する手法として、静電容量変化による液面検知を用いることができる。静電容量変化を検知できる構成であれば、外部洗浄液L3が正常に吐出されているか否か確認を静電容量変化で確認することができる。一方、第1試薬プローブ121や、第2試薬プローブ122については、試薬容器V3の充填量が定められているため、容器形状と1テストあたりの消費量から必要な下降量を算出して動作することが可能である。そのため、第1試薬プローブ121や、第2試薬プローブ122には静電容量検知機能が備わっていないケースがある。本実施形態における手法を用いれば静電容量変化検出機能がない分注ユニット(プローブ)でも、外部洗浄液L3が正常に吐出されているか否かの確認を行うことができる。
図5Aの説明に戻る。
外部洗浄終了後、サンプルプローブ110は上下回転動作部112によって上限点の高さまで上昇し(S211)、回転し(S212)、下降する(S213)ことで乾燥部140へ移動する。
そして、乾燥処理が実行される(S214)。
乾燥処理が終了すると、サンプルプローブ110は上下回転動作部112によって乾燥位置から上限点の中間点の高さまで上昇し(S221)、吸引を行うことで分節空気Aの吸引が行われる(S222)。そして、コンピュータ200は、分節空気Aの吸引時における圧力データ(第2圧力データ)を圧力センサPから取得する(S223)。
(第2圧力データ波形)
図7は、第2圧力データの波形(第2圧力データ波形)を示す図である。
実線は、正常に分節空気Aの吸引が行われた際における圧力データの波形である。また、破線は、分節空気Aの吸引が正常に行われなかった際における圧力データの波形である。
乾燥処理に異常が生じ、サンプルプローブ110の先端表面に外部洗浄液L3が残っていると、サンプルプローブ110が中間点まで上昇している間に外部洗浄液L3の水滴が慣性によってサンプルプローブ110の先端まで移動する。そして、サンプルプローブ110の先端に残った外部洗浄液L3が付着した状態で分節空気Aが吸引される。この結果、空気と共にサンプルプローブ110の先端に付着した外部洗浄液L3も吸引してしまう。この結果、図7の破線で示すような圧力データ波形が取得される。
図5Bの説明に移る。
分節空気Aの吸引後、サンプルプローブ110は上限点の高さまで上昇する(図5BのS231)。そして、上限点の高さまで上昇したサンプルプローブ110は上下回転動作部112によって回転する(S232)ことで、試料吸引位置上空まで移動する。
コンピュータ200は、ステップS231の上昇動作時、ステップS232の回転動作時において圧力センサPから圧力データ(第3圧力データ)を取得する(S233)。
(第3圧力データ波形)
図8は第3圧力データの波形(第3圧力データ波形)の例を示す図である。
実線は、正常に分節空気Aが吸引されている場合における圧力データ波形である。破線は、乾燥不足によって洗浄液を吸引した場合における圧力データ波形である。
前記したように乾燥処理において、乾燥不足の状態だと分節空気Aの吸引時に、サンプルプローブ110の先端に付着している外部洗浄液L3が吸引されてしまう。この結果、正常に乾燥が行われたときと、行われなかったときにおける、ステップS231の上昇動作時、ステップS232の回転動作時において取得される第3圧力データの波形が異なってくる。
ちなみに、図8、図9における「プローブ」とはサンプルプローブ110、第1試薬プローブ121、第2試薬プローブ122のうち、動作確認対象となっているプローブである。
このように、正常に乾燥処理が行われたか否か確認は、第2圧力データ、第3圧力データのどちらが用いられてもよい。分節空気Aの吸引時にサンプルプローブ110の先端に吸引される空気量と、外部洗浄液L3の比率は、乾燥動作後に残留する洗浄水量、中間点上昇時にプローブ先端へ移動した外部洗浄液L3の液滴量によって変動する。このため、乾燥異常判定は、後記するマハラノビス距離解析で判定されることが望ましい。
図5Bの説明に戻る。
(チェックシークエンス時)
チェックシークエンスでは、ステップS233の後、試料の吸引位置上空まで移動したサンプルプローブ110は上下回転動作部112によってサンプル容器V1の中に一定量下降する(S241A)。下降後、プランジャ114が一定量下降することで吸引動作が実行される(S242A)。ステップS242Aでは、空気がサンプルプローブ110内に吸引される。
その後、サンプルプローブ110は上下回転動作部112によって上限点の高さまで上昇する(S243A)。
(分析シークエンス時)
一方、分析シークエンスでは、ステップS233の後、試料の吸引位置上空まで移動したサンプルプローブ110は上下回転動作部112によってサンプル容器V1の中に一定量下降する(S241B)。下降後、プランジャ114が一定量下降することで吸引動作が実行される(S242B)。ステップS242Bでは、吸引液L2(試料)がサンプルプローブ110内に吸引される。
その後、サンプルプローブ110は上下回転動作部112によって上限点の高さまで上昇する(S243B)。
ステップS243A又はステップS243Bの後、サンプルプローブ110は、上下回転動作部112によって回転する(S244)ことによって吐出位置上空に位置する。
ステップS243Aの上昇時、ステップS244の回転時において、コンピュータ200は圧力センサPから圧力データ(第4圧力データ)を取得する(S245)。
図9は、第4圧力データの波形(第4圧力データ波形)を示す図である。
実線は、上下回転動作部112が正常に動作している場合における圧力データ波形である。また、破線は、上下回転動作部112に異常が発生している場合における圧力データ波形である。上下回転動作部112において異物混入や、破損といった異常が発生すると、サンプルプローブ110の上昇・回転時に異常な振動が発生する。この結果、図9の破線で示すように、動作途中でノイズが発生する圧力変動が生じる。このような異常な圧力変動(圧力データ波形)が検出されることによって、上下回転動作部112に異常が発生していることが判定される。
上下回転動作部112における上下部側、回転部の動作確認は、異常な圧力変動が現れるタイミングが異常発生箇所、要因によって大きく異なるため、後記するマハラノビス距離解析で判定することが望ましい。このようにすることで、上下回転動作部112における上下部側、回転部側いずれかに異常が発生していることが判定できる。
図5Bの説明に戻る
ステップS244において吐出位置上空まで移動したサンプルプローブ110は上下回転動作部112によって吐出位置まで下降する(S246)。
(チェックシークエンス時)
チェックシークエンス時では、プランジャ114が一定量上昇することでサンプルプローブ110はステップS242Aで吸引された空気を吐出する(S247A)。
(分析シークエンス時)
一方、分析シークエンス時では、プランジャ114が一定量上昇することでサンプルプローブ110はステップS242Bで吸引された吸引液L2(試料)を吐出する(S247B)。
ステップS247A又はステップS247Bの後、サンプルプローブ110は、上下回転動作部112によって上限点の高さまで上昇する(S248)。
(チェックシークエンス時)
チェックシークエンス時では、ステップS248の後、異常判定部203が、第1圧力データ〜第4圧力データを用いた異常判定処理を行う(S251)。異常判定部203は、第1圧力データ〜第4圧力データと、それぞれの正常時の圧力データとを基に、後記する線形判定法によって異常判定を行う。ここでの判定結果は、図4のステップS103,S114,S123の判定に用いられる。
その後、コンピュータ200は図4の処理へリターンする。
なお、本実施形態では、ステップS251において、第1圧力データ〜第4圧力データをまとめて以上判定しているが、これに限らない。すなわち、各圧力データの取得時(S206、S223,S233,S245)において、取得した、それぞれの圧力データに基づいた異常判定が行われてもよい。
(分析シークエンス時)
分析シークエンス時では、ステップS248の後、図4の処理へリターンする。
ここで、分析シークエンスよりもチェックシークエンスにおいて異常判定を行うことが望ましい理由を記載する。
分析シークエンスがチェックシークエンスと異なる点は、吸引位置でのプローブの下降量や、上昇量がサンプル容器V1の充填量に依存することである。また、吸引、吐出時の流路内圧力変動が試料液性、分析項目によって異なることである。
例えば、作業者が準備した試料の液量と、サンプル容器V1の形状によってサンプルプローブ110が吸引するための下降量が異なる。また、試料の液性は被採血者の体質、疾患、投与歴等様々な影響を受けるため、同じ吸引量、吐出量でも異なる流路内圧力変動を示す。
下降量、吸引、吐出時の圧力に関しては試薬についても同様である。試薬容器V3には作業者が依頼できる分析項目毎に異なる液性の試薬が別々の容器に充填されており、充填量も異なる。また分析項目によって、反応容器V2への試薬の吸引量、吐出量も異なるため、分析項目毎に1テスト当たりの消費量、残量も異なる。コンピュータ200は各試薬容器V3の残量と使用可能テスト数を保持しており、これらの情報を基に第1試薬プローブ121、第2試薬プローブ122が吸引に必要な下降量を算出してコントローラ300に送る。
従って、分析シークエンス中におけるサンプルプローブ110及び第1試薬プローブ121、第2試薬プローブ122の分注流路T内における圧力変動は毎サイクル毎に異なる。これは、分析装置100の状態が正常であれば常に同じ流路内圧力変動を示すチェックシークエンスと大きく異なる点である。
従って、分析シークエンスで異常判定を行うより、分析シークエンスとは別にチェックシークエンスを実行し、このチェックシークエンスで異常判定を行うことが望ましい。
なお、チェックシークエンスの動作は分析シークエンスの動作と同じ時間サイクルで終了するよう設定されている。また、分析シークエンスが6時間以上継続している状態であれば、分析シークエンス中に第2チェックシークエンスが実行されることが可能である。
ここで、本実施形態で用いられる異常判定の具体的手法を説明する。
判定スコアの計算方法及び閾値の設定方法の一つとして、予め正常あるいは異常の条件で取得しておいた圧力データを教師データとして用いる手法がある。
このように正常条件の圧力データのみを教師データとする場合、圧力データ波形における各ポイントの値である圧力波形ベクトルを特徴変数ベクトルyとする。また、教師データによる各特徴変数の平均値ベクトルu、及び共分散行列の逆行列Aが予め算出されている。平均値ベクトルu、共分散行列の逆行列Aを判定パラメータとする。閾値は異常の発生確率等から予め定めておく。異常判定部203は、送られてきた圧力波形ベクトルを特徴変数yとして、以下の式(1)〜式(3)を基にマハラノビス距離Dを算出する。
D=(y−u)A(y−u) ・・・ (1)
y=(y,y,y,・・・,y) ・・・ (2)
u=(u,u,u,・・・,u) ・・・ (3)
そして、異常判定部203は、判定スコア(マハラノビス距離D)が閾値より大であれば異常、小であれば正常と判定する。ここでは、これをマハラノビス距離解析と称する。なお、現象が複雑な場合は、単純なマハラノビス距離ではなく、混合分布モデル等を使って判定スコアが計算されてもよい。
マハラノビス距離解析では、正常の状態のみを教師データとする。これにより、分析装置100に発生する異常を予測できない場合や、異常な状態の圧力データを予め取得することが困難な場合でも、何等かの異常が発生したことを検知できる。
正常条件の圧力データと異常条件の圧力データとを教師データとする場合、多変量解析における判定分析の手法である、ロジスティック回帰分析やサポートベクターマシン分析を使って判定スコアの計算が行われてもよい。これらの場合、判定スコアZの計算は、式(11)〜式(13)に示すように圧力波形ベクトルyと係数ベクトルkの内積に定数値cを加えることで得られる。
Z=y・k+c ・・・ (11)
y=(y,y,y,・・・,y) ・・・ (12)
k=(k,k,k,・・・,k) ・・・ (13)
このように、判定スコアは、一般に教師データに対してロジスティック回帰分析やサポートベクターマシン分析を用いて求めた係数ベクトルと定数値である。閾値は異常の発生確率等から予め定めておく。異常判定部203は、送られてきた圧力波形ベクトルから判定スコアを計算し、閾値より大であれば異常、小であれば正常と判定する。ここでは、これらの手法を線形判定法と称する。なお、ロジスティック回帰分析やサポートベクターマシンを用いて非線形の判定式を作成して用いることも可能である。
線形判定法では、正常状態と異常状態の両方を教師データとして用いるので、正常と異常を精度よく判定できる。また、判定スコアが線形計算なので、計算量が小さく、高速処理が可能である。また、複数の種類の異常が予測される場合には、異常の種類毎に別の判定式を用いることで、精度の高い判定が可能であり、さらに、異常の種類を判定することも可能である。
サンプルプローブ110の先端に含まれる物質が空気か外部洗浄液L3に限定されるチェックシークエンスに対し、分析シークエンスでは様々な液性の試料が含まれる。そのため、プローブ移動中の圧力変動は常に異なる特徴を示す。そのため、分析装置100の状態確認については、チェックシークエンスで得られた圧力データを用いた解析が適している。
第1実施形態によれば、プローブと、プランジャ114とを結ぶ分注流路Tの途中、かつ、分注流路Tにおいて、上下回転動作部112によりプローブと一体となって移動する部分よりもプランジャ114に近い位置に圧力センサPが設けられている。そして、この圧力センサPから取得した第1圧力データ〜第4圧力データを用いることで、何の異常が発生しているかを判定することが可能となる。さらに、表示装置211に何の異常が発生しているかについての情報が表示されることで、ユーザは何の異常が発生しているかを容易に確認することができる。
また、前記したように、第4圧力データに対しマハラノビス距離解析を適用することにより、上下回転動作部112における上下部側、回転部側いずれかに異常が発生していることが判定できる。
<第2実施形態>
分析装置100における圧力データが変化する要因として、分析装置100の設置条件や、動作条件の違いが挙げられる。例えば、分析装置100を設置した場所の周辺温度、湿度、気圧、供給される純水(システム液L1)の温度によって、同じ動作条件でも圧力データに変化が生じることがある。そのため、判定パラメータを算出する際には様々な環境条件で取得した圧力データを準備する必要がある。一方、様々な環境条件を取り込んだ判定パラメータは、特定の環境条件で得られた圧力データから算出した判定パラメータよりも判定の精度が低下する傾向がある。そのため、判定パラメータは分析装置100の設置条件や、動作条件によって適したものが選択されることが最も望ましい。
第2実施形態ではコンピュータ200の記憶部204(図2参照)に、第1実施形態で示した動作で使用する判定パラメータのセットが、動作条件毎に複数格納されている。そして、コンピュータ200は、各チェックシークエンスで得られた圧力データを用いて、チェックシークエンス実行時に、動作条件に応じた最適な判定パラメータセットを選択する。
図10は判定パラメータセットを示す表である。
コンピュータ200の記憶部204には周辺温度、湿度、気圧、供給される純水温度の上限が異なる条件で取得した圧力データから算出された判定パラメータa〜e(第1の条件)が格納されている。判定パラメータa〜eは、例えば、分析装置100の設置条件や、動作条件に対応している。表中の数値は「外部洗浄液吐出確認」、「乾燥機能確認」、「上下回転動作確認」時に取得した圧力データをパラメータa〜eで判定したときの判定スコアである。なお、「外部洗浄液吐出確認」は第1圧力データを用いたもの、「乾燥機能確認」は第2圧力データ及び/又は第3圧力データを用いたもの、「上下回転動作確認」は第4圧力データを用いたものである。
なお、ここでは、判定パラメータa〜eの5つが設定されているが、5つに限らない。
異常判定部203は各チェックシークエンス実行時において、取得した圧力データを用いて、各判定パラメータを使用したときの判定スコアを算出する。つまり、図10の例において、異常判定部203は取得した1つの圧力データを基に、判定パラメータa〜eそれぞれを用いた判定スコアを5つ算出する。
すなわち、異常判定部203は、「外部洗浄液吐出確認」、「乾燥機能確認」、「上下回転動作確認」のそれぞれにおいて、判定パラメータa〜eそれぞれを用いた判定スコアを5つずつ算出する。
さらに、異常判定部203は、「外部洗浄液吐出確認」、「乾燥機能確認」、「上下回転動作確認」のそれぞれにおいて判定スコアを算出した後、判定パラメータ毎に判定スコアの合計値を算出する。
そして、異常判定部203は判定スコアの合計値が最も小さい(第2の条件)判定パラメータを最適な判定パラメータとして選択する。図10に示した例では判定パラメータeが選択される。すなわち、異常判定部203は、「外部洗浄液吐出確認」時の判定スコアとして「−180」を採用する。また、異常判定部203は「乾燥機能確認」時の判定スコアとして「−170」を採用する。さらに、異常判定部203は「上下回転動作確認」時の判定スコアとして「−160」を採用する(それぞれ、図10において、下線で示している)。なお、図10の丸印については後記する。
ちなみに、図10に示す判定スコアは、「0」を閾値とし、負の値であれば「正常」、正の値であれば「異常」である。図10の例では、すべての判定スコアが「正常」を示している。
このように分析装置100の設置条件や、動作条件に最適なパラメータを選択することで、分析装置100の設置条件や、動作条件等の違いによる誤判定を防ぐことができる。誤判定とは正常状態にも関わらず異常と判定する、異常状態なのに正常と判定されることである。正常状態にも関わらず異常と判定された場合、分析装置100は停止状態となり、分析装置100自体には問題がないにも関わらず、要因の調査、解決が必要となる。また、異常状態なのに正常と判定された場合は、測定結果に影響を及ぼす可能性がある。このような誤判定は分析装置100の設置条件・動作条件と判定パラメータとの不適合で起こる可能性がある。第2実施形態に示す手法のように分析装置100の設置条件や、動作条件に適したパラメータが選択されることで、誤判定を回避することができる。
<第3実施形態>
また、第2実施形態のような判定パラメータセット選択方式として、各動作で別々のパラメータセットを選択することも可能である。
つまり、各動作の判定スコアを判定パラメータ毎に算出し、各動作において判定スコアが最小となる(第2の条件)パラメータセットを選択する。例えば、図10の「外部洗浄液吐出確認」ではパラメータe、「乾燥機能確認」ではパラメータe、「上下回転機構動作確認」ではパラメータbという組み合わせが選択される(図10において丸印で示している)。
このようにすることで、それぞれの動作において最適な判定スコアを用いた異常判定を行うことができる。これにより、誤判定の回避精度を向上させることができる。
<第4実施形態>
図11は、分析装置100の動作(図4の処理)における1サイクル分の圧力データを示している。
第4実施形態では、第1実施形態のように動作毎に圧力データを収集、判定スコアの算出するのではなく、1サイクル分の圧力データをすべて取り込んで判定を行う。判定は線形判定法が用いられることが望ましい。
コンピュータ200の記憶部204は、図11の下段に記載されている「プローブ回転」、「プローブ下降」、・・・、「試料吐出」、「プローブ上昇」に対応する19組の判定パラメータを保持している。ちなみに、図11の「試料」とは図3の吸引液L2のことである。
なお、ここで示す19組の動作は一例であり、これらに限らない。なお、ここでのプローブとは、サンプルプローブ110、第1試薬プローブ121、第2試薬プローブ122のうち、動作確認対象となっているプローブである。
そして、異常判定部203は、1サイクル分の圧力データを取得する。そして異常判定部203は、まず第1組目(図11の下段の「プローブ回転」)の判定パラメータと、この動作に相当する圧力データを用いて判定スコアを計算する。第1組目で用いられる判定パラメータの係数ベクトルは、プローブ回転動作中以外の部分の値が「0」である。すなわち、第1組目で用いられる判定パラメータは、「プローブ回転」の圧力データのみが適用され、それ以外の圧力データが「0」になるよう設定されている。
そして、異常判定部203は、第1の判定スコアにより、プローブ回転動作の異常の有無を判定する。
次に、異常判定部203は、第2組目(図11の下段の「プローブ下降」)の判定パラメータと、この部分に対応する圧力データを用いて判定スコアを計算する。第2組目の判定パラメータの係数ベクトルは、プローブ下降動作中以外の部分の値が「0」である。すなわち、第2組目で用いられる判定パラメータは、「プローブ下降」の圧力データのみが適用され、それ以外の圧力データが「0」になるよう設定されている。
そして、異常判定部203は第2の判定スコアにより、プローブ下降動作の異常の有無を判定する。
この繰り返しにより、19の動作における異常の有無が判定される。異常判定部203は、いずれかに異常があった場合は異常処理を実行する。異常がなかった場合も、異常判定部203は、得られた19の判定スコアを動作ログに保存する。
第3実施形態によれば、1回の波形入力で複数動作の異常判定ができるので、計算処理が単純で処理の高速化が可能である。
また、判定スコアを動作ログに残すので、突発的な異常でなく徐々に変化した状態でも、後から解析することができ、異常がいつから発生したか、また、異常の予兆を調べることが可能である。
また、圧力データ波形そのものを動作ログに保存するのでなく、19個の判定スコアを保存するので、ログの容量が小さくてすむ。これにより、後の解析も楽となる。
なお、判定スコアを動作ログに残すことは、第1〜第3実施形態において行われてもよい。動作ログを用いた異常の有無判定については後記する。
ちなみに、本実施形態に記載された異常判定は、外部洗浄、乾燥処理、プローブの上下回転移動であるが、圧力センサPによる流路内圧力変動として検出できる動作であれば、これらに限らない。
[動作ログを用いた異常判定]
<第5実施形態>
これまでの手法で異常が検知された場合、図4で示すように、分析システムZは新しい測定依頼を受け付けない。
しかしながら、異常が検出される前の圧力データや、判定スコアは、測定性能への影響がないレベルで、異常の予兆といえる傾向を示すことが多い。以降では、定期的に収集した圧力データや、判定スコアの傾向を解析することで、異常予兆判定を行う方法を示す。
図12は、第5実施形態における動作ログを用いた異常予兆判定の手法を示す図である。
図12において、横軸はログ取得日を示し、縦軸は判定スコアを示している。
図12では、第4圧力データを定期的に取得し、取得した第4圧力データから計算した判定スコアの時系列変化が示されている。一点鎖線は、判定スコアの平均値を示し、2つの破線は予兆判定閾値を示している。なお、図12で示す予兆判定閾値は第1実施形態で使用した閾値とは異なる。図12に示す予兆判定閾値は、分析装置100の異常発生を予想し、使用者に警告するための閾値である。そのため、判定スコアが予兆判定閾値を超えても分析システムZは分析シークエンスへ移行できる。
図12の例では、判定スコアは30日毎に動作ログとして記録された判定スコアが示されている。前記したように、ここでは、第4圧力データを基に算出された判定スコアが用いられているが、第1〜第3圧力データを基に算出された判定スコアが用いられてもよい。また、ここでは、30日毎に動作ログを記録しているが、チェックシークエンスが行われるたびに動作ログが記録されてもよい。
図12に示す例において、予兆判定閾値は以下の式(21)によって決められる。
(判定スコア取得日の2ヶ月前までの判定スコアの平均値)±(標準偏差×3)
・・・(21)
なお、図12において予兆判定閾値の算出に用いられる判定スコアの期間が、期間T1で示されている。なお、判定スコア取得日の2ヶ月前までのデータ(判定スコア)が用いられるのは、以下の理由による。判定スコア取得日の1ヶ月前だと、既に異常の予兆が発生している可能性があり、そのような判定スコアは外すのが好ましいためである。なお、本実施形態では、判定スコア取得日の2ヶ月前までの判定スコアが用いられているが、異常の予兆が発生している可能性の低い期間であれば、2ヶ月前に限らず、所定期間前の判定スコアが用いられればよい。以降の実施形態でも同様である。
なお、予め算出されている予兆判定閾値を固定値として設定することも可能である。しかしながら、判定スコアの絶対値は分析装置100の設置環境や、動作環境によって変動するため、分析装置100で取得した動作ログから、その都度、予兆判定閾値が算出されるのが望ましい。
図12に示した例では、7/3の時点(点P1)で判定スコアが予兆判定閾値を超えている。異常判定部203は、判定スコアが予兆判定閾値を超えていることを検知すると、コンピュータ200の表示装置(通知部)211等を介してアラームを発報する。これによって、異常の予兆が検出されたことをユーザに知らせ、メンテナンスを促すことができる。
第5実施形態によれば、完全な異常が生じて分析システムZが停止する前に、異常予兆を判定することができる。これにより、予めメンテナンスを行うことができるため、完全な異常が生じて分析システムZが停止してしまうことを防ぐことができ、作業効率を向上させることができる。
<第6実施形態>
図13は、第6実施形態における動作ログを用いた異常予兆判定の手法を示す図である。
第6実施形態では、判定スコアの今回値と、前回値とから算出される傾きを用いて異常予兆判定が行われている。
なお、判定スコアの傾き(以下、傾きと称する)は以下の式(31)によって算出される。
(判定スコアの今回値−判定スコアの全回値)/(今回取得日−前回取得日)
・・・(31)
図13において、横軸はログ取得日を示し、縦軸は判定スコア及び傾きを示している。
また、グラフG11は判定スコアの時系列変化(図12と同じ)を示し、グラフG12は傾きの時系列変化を示している。
さらに、図13において、一点鎖線は傾きの平均値、2つの破線は予兆判定閾値を示している。
そして、予兆判定閾値は、以下の式(32)によって求められる。
(判定スコア取得日の2ヶ月前までの傾き平均値)±(標準偏差×3) ・・・(32)
なお、図13において予兆判定閾値の算出に用いられる判定スコアの期間が、図12と同様、期間T1で示されている。
図13において、7/3の時点(点P2)で傾きが予兆判定閾値を超えている。異常判定部203は、傾きが予兆判定閾値を超えていることを検知すると、コンピュータ200の表示装置211等を介してアラームを発報する。これによって、異常の予兆が検出されたことをユーザに知らせ、メンテナンスを促すことができる。
図12で前記したように判定スコアの絶対値は分析装置100の設置環境によって変動する。これに対して、図13で示す傾きで判定する場合、前回値からの相対評価となる。そのため、分析装置100の設置環境による影響を小さくすることができる。これにより、予め固定の予兆判定閾値を設定しておくことが可能である。
<第7実施形態>
図14は、第7実施形態における動作ログを用いた異常予兆判定の手法を示す図である。
第7実施形態の手法は、複数(図14の例では3つ)の分析装置100が存在する場合、主成分分析によって、それぞれの分析装置100における異常予兆判定を行うものである。
ここで、主成分分析は、第1〜第4圧力データのそれぞれを成分とする特徴変数ベクトルを、定期的に収集して、算出された判定スコアが使用されているものとする。
図14において、横軸は第2主成分、縦軸は第1主成分を示している。また、グラフG21〜G23は、それぞれの分析装置100における主成分の時系列変化を示している。
図14に示すように、異常予兆判定を主成分分析結果で行う場合、グラフにおける各点の距離(図14のグラフ上における今回値と、前回値との距離)によって異常予兆判定が行われる。
また、図14に示す例では、複数の分析装置100同士がネットワークで接続されており、それぞれの分析装置100の間で主成分分析結果を共有できる。
このように共有された主成分分析結果から以下の式(41)によって予兆判定閾値が算出される。
(最新の判定スコア取得日を除いた各点の距離の平均値)±(標準偏差×3)
・・・(41)
図14に示す例では、グラフG23における主成分得点の点P11において前回値(点P12)からの距離D1(=19)が予兆判定閾値を超えている。ちなみに、図14に示す例では、予兆判定閾値は2.7〜8.6である。異常判定部203は、今回値と、前回値との主成分得点の距離が予兆判定閾値を超えていることを検知すると、コンピュータ200の表示装置211等を介してアラームを発報する。
第7実施形態によれば、主成分分析を用いているため、複数の圧力データを基に総合的な異常予兆判定を行うことができる。
なお、第5〜第7実施形態では、予兆判定閾値を平均値±(標準偏差×3)としているが、標準偏差×3に限らず、標準偏差×2や、標準偏差×4等としてもよい。
<第8実施形態>
図15は、第8実施形態における動作ログを用いた異常予兆判定の手法を示す図である。
図15において、図14と同様、横軸は第2主成分、縦軸は第1主成分を示す。また、グラフG21〜G23は、図14と同様に算出されたものであるため、説明を省略する。
ここで、閾値領域TH1は予め設けられている予兆判定閾値の領域を示す。つまり、閾値領域TH1を主成分得点が超えたら、異常判定部203は異常の予兆が生じていると判定する。閾値領域THは、異常状態を模した分析装置100によるデータ収集や、シミュレーションによって予め定められる。
図15の例は、グラフG23の点P11が閾値領域TH1を超えている。異常判定部203は、点P11が閾値領域TH1を超えていることを検知すると、グラフG23に対応する分析装置100に異常の予兆が発生していると判定し、異常予兆の警告をユーザに知らせる。
第8実施形態によれば、簡便な処理で異常予兆判定を行うことができ、処理負荷を軽減することができる。
<第9実施形態>
図16は、第9実施形態における動作ログを用いた異常予兆判定の手法を示す図である。
図16は、図15において閾値領域を設定方法を変更したものである。
図16では、図15とは異なる2つの分析装置100が使用されている例を示すが、図15と同じ3つの分析装置100が用いられてもよい。
ここで、図16に示す例では、それぞれの分析装置100における初期データ(判定スコZ)を基準として、個々に閾値領域TH11,TH12が設定されている。つまり、グラフG31に対うする分析装置100には閾値領域TH11が設定され、グラフG32に対応する分析装置100には閾値領域TH12が設定される。それぞれの閾値領域TH11,TH12は、第8実施形態と同様、異常状態を模した分析装置100によるデータ収集や、シミュレーションによって予め定められる。
図16に示す例では、グラフG32の点P21が初期状態を基準とした閾値領域TH12から外れている。異常判定部203は、点P21が閾値領域TH12を超えていることを検知すると、グラフG32に対応する分析装置100に異常の予兆が発生していると判定し、コンピュータ200の表示装置211等を介して異常予兆の警告をユーザに知らせる。
第9実施形態によれば、個々の分析装置100の特性に応じた異常予兆判定が可能となる。
第5〜第9実施形態の異常予兆判定処理は、図4、図5A,図5Bに示す処理とは別に以下の手順で行われる。
ステップS301:異常判定部203が動作ログのデータ(ここでは判定スコア)を取得する。
ステップS302:異常判定部203は、図12〜図15に示す処理を行うことで異常予兆の判定を行う。
ステップS303:ステップS302の結果、異常の予兆が発生していると判定された場合、異常判定部203はコンピュータ200の表示装置211等を介して、異常予兆が発生している旨をユーザに通知する。
なお、異常予兆判定処理は、例えば、30日毎や、10日毎等といった所定のタイミングで行われる。
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した各構成、機能、各部201〜203、記憶部204等は、それらの一部又はすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、前記した各構成、機能等は、図示しないCPU等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、HD(Hard Disk)に格納すること以外に、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
100 分析装置
110 サンプルプローブ(プローブ)
112 上下回転動作部(移動部)
113 駆動部
114 プランジャ
115 定量ポンプ(ポンプ部)
121 第1試薬プローブ(プローブ)
122 第2試薬プローブ(プローブ)
130 洗浄部
140 乾燥部
200 コンピュータ(処理部)
202 データ取得部
203 異常判定部(処理部)
204 記憶部
211 表示装置(表示部、通知部)
L3 外部洗浄液
P 圧力センサ
T 分注流路(流路)

Claims (15)

  1. 液体を吸引及び吐出するプローブと、
    前記プローブと、流路を介して接続するポンプ部と、
    前記プローブの位置を移動させる移動部と、
    前記プローブと、前記ポンプ部とを結ぶ前記流路の途中、かつ、前記流路において、前記移動部により前記プローブと一体となって移動する部分よりも前記ポンプ部に近い位置に設けられており、前記流路内の液体の圧力を検知する圧力センサと、
    を備える分析装置と、
    前記圧力センサで検知された圧力データに基づいて、前記圧力データを取得したタイミングで行われていた動作について、異常の有無についての解析を行う処理部と、
    を有することを特徴とする分析システム。
  2. 前記プローブの外部に外部洗浄液を流すことで前記プローブの外部を洗浄する外部洗浄と、
    前記プローブから前記流路内の液体を流出させることで、前記プローブの内部を洗浄する内部洗浄と、が行われ、
    前記内部洗浄が終了しているが、前記外部洗浄が終了していない状態で、前記ポンプ部は、前記プローブにおける前記外部洗浄液の吸引及び吐出を行い、
    前記処理部は、
    当該外部洗浄液の吸引及び吐出が行われた際の前記圧力データを前記圧力センサから取得し、取得した前記圧力データに基づいて、前記異常の有無についての解析を行い、
    前記解析の結果、異常が検知された場合、表示部に前記外部洗浄について異常が検知された旨の情報を表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の分析システム。
  3. 前記外部洗浄が終了した後、前記プローブの外部を乾燥させる乾燥処理が行われ、
    当該乾燥処理が終了した後に、前記ポンプ部によって、前記プローブの内部への空気の吸引が行われ、
    前記処理部は、
    当該空気の吸引が行われた際の前記圧力データを前記圧力センサから取得し、取得した前記圧力データに基づいて、前記異常の有無についての解析を行い、
    前記解析の結果、異常が検知された場合、表示部に前記乾燥処理について異常が検知された旨の情報を表示する
    ことを特徴とする請求項2に記載の分析システム。
  4. 前記処理部は、
    前記移動部によって、前記プローブの移動が行われた際の前記圧力データを前記圧力センサから取得し、取得した前記圧力データに基づいて、前記異常の有無についての解析を行い、
    前記解析の結果、異常が検知された場合、表示部に前記プローブの移動について異常が検知された旨の情報を表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の分析システム。
  5. 前記処理部は、
    取得した前記圧力データを基に、所定の評価値を算出し、当該評価値を基に、前記異常の有無についての解析を行い、
    前記分析装置に関する第1の条件毎に、複数の前記評価値を算出し、算出した複数の前記評価値のうち、前記評価値に関する第2の条件を満たす前記評価値を選択し、
    選択した前記評価値を用いて、前記異常の有無についての解析を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の分析システム。
  6. 前記処理部は、
    前記分析装置における複数の動作のそれぞれについて、前記第1の条件毎に、複数の前記評価値を算出し、前記第1の条件毎に算出した前記評価値の合計値を算出し、前記合計値のうち、前記第2の条件を満たす前記合計値を選択し、
    選択した前記合計値に関する前記評価値を用いて、それぞれの前記動作について、前記異常の有無についての解析を行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の分析システム。
  7. 前記処理部は、
    前記分析装置における複数の動作のそれぞれについて、前記第1の条件毎に、複数の前記評価値を算出し、前記動作毎における前記評価値の中から、前記第2の条件を満たす前記評価値を選択し、
    選択した前記評価値を用いて、それぞれの前記動作について、前記異常の有無についての解析を行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の分析システム。
  8. 前記処理部は、
    分析装置における所定動作期間における前記圧力データを取得し、取得した当該圧力データに基づいて、前記異常の有無についての解析を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の分析システム。
  9. 前記処理部は、
    前記異常の有無についての解析を行う際、取得した前記圧力データに基づく評価値を算出し、当該評価値を基に、前記異常の有無についての解析を行い、
    算出した前記評価値を、ログとして記憶部に記憶する
    ことを特徴とする請求項1に記載の分析システム。
  10. 前記処理部は、
    前記ログを基に異常予兆の有無判定を行い、
    当該有無判定の結果、前記異常予兆が検知されると、通知部を介して警報を発報する
    ことを特徴とする請求項9に記載の分析システム。
  11. 前記処理部は、
    所定期間における前記評価値の標準偏差に関する値を、前記異常予兆の有無判定の閾値として設定する
    ことを特徴とする請求項10に記載の分析システム。
  12. 前記処理部は、
    所定期間における前記評価値の差分の標準偏差に関する値を、前記異常予兆の有無判定の閾値として設定する
    ことを特徴とする請求項10に記載の分析システム。
  13. 前記処理部は、
    複数の前記分析装置から、所定期間における前記評価値を取得し、取得した前記評価値を基に、主成分分析を行い、前記主成分分析の結果算出される主成分得点について、前回算出された主成分得点と、今回算出された主成分得点との、各主成分を座標軸とする座標上における距離を基に、前記異常予兆の有無判定を行う
    ことを特徴とする請求項10に記載の分析システム。
  14. 前記処理部は、
    複数の前記分析装置から、所定期間における前記評価値を取得し、取得した前記評価値を基に、主成分分析を行い、主成分分析の結果算出される主成分得点の初期値を基に、各主成分を座標軸とする座標上において閾値の領域である閾値領域を設定し、
    主成分得点が前記座標において前記閾値領域を超えたか否かによって、異常予兆の有無判定を行う
    ことを特徴とする請求項10に記載の分析システム。
  15. 前記処理部は、
    それぞれの前記分析装置に対応する前記初期値を基に、それぞれの前記分析装置毎に前記閾値領域を設定する
    ことを特徴とする請求項14に記載の分析システム。
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