JP2020028241A - 飲食品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保形性付与剤により保形性を得ながら、フレーバーリリースの低下を抑制することができる飲食品、及びその製造方法の提供。【解決手段】保形性付与剤を含有する飲食品の製造法と、前記製造法により作製した飲食品。前記食品は、剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる、歪み0.1%での貯蔵弾性率G’0.1の80%の貯蔵弾性率を示すときの歪みγ80が、3.1%以下であるか、臨界歪みγcが9.0%以下であるか、又は貯蔵弾性率G’の低下率Rが49%以上。【選択図】図2

Description

本発明は、保形性付与剤を含有してなる飲食品及びその製造方法に関する。
例えば、乳酸発酵後にカードを砕いて調製するタイプのヨーグルトには、保形性付与や食感改良の目的で澱粉、ゼラチン、寒天等が添加される場合がある。また、乳酸発酵後のヨーグルトに、澱粉等を予め添加したフルーツプレパレーションを加えて混合することにより、最終的にヨーグルトに保形性を付与したり食感改良する場合がある。しかし、澱粉等の保形性付与剤を使用すると、保形性が付与されることで、ヨーグルトのフレーバーリリース(食品中に配合される香り成分の香り立ち)が低下し易くなるという問題がある。このため、各種食品に対して、フレーバーリリースの低下を抑制する目的で、改質澱粉等を使用する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、加工澱粉を用いることにより、フレーバーリリースの低下を抑制する方法が提案されている。具体的には、ゾル状のデザート食品等に対して、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉等の加工澱粉と低強度寒天とを含有させることが開示されている。
また、特許文献2には、架橋タイプの化学処理澱粉を用いることにより、フレーバーリリースの低下を抑制する方法も提案されている。具体的には、乳固形分及び乳脂肪分が少ない冷菓に対して、タピオカ由来のエーテル化架橋澱粉を含む安定剤を使用することが提案されている。
更に、特許文献3には、粘度に関する特定の物性値を特定の範囲内にコントロールすることにより、フレーバーリリースの低下を抑制する方法が提案されている。具体的には、60℃における[降伏粘度/静値粘度]比が1.77〜4.00、且つ[60℃における降伏粘度/5℃における降伏粘度]比が0.3以上である半固形食品が開示されている。
特開2014−108069号公報 特開2004−81197号公報 特開2017−184621号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1又は2のように、従来知られている加工澱粉や化学処理澱粉を、通常の添加量等で用いる方法では、フレーバーリリースの低下を抑制する効果が十分とはいえなかった。
一方、特許文献3のように、粘度に関する特定の物性値を特定の範囲内にコントロールする方法では、とろみを有する半固形食品に対しては有効であるものの、保形性付与剤を含む食品では、上記の物性値が達成される場合には、付与しようとした保形性が得られないという懸念があった。
そこで、本発明は、保形性付与剤により保形性を得ながら、フレーバーリリースの低下を抑制することができる飲食品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる、歪み0.1%での貯蔵弾性率G’0.1の80%の貯蔵弾性率を示すときの歪みγ80等の物性値が、所定の数値範囲であることを満足するように、保形性付与剤を調製して添加することで、保形性付与剤により保形性を得ながら、フレーバーリリースの低下を抑制できることを見出し、かかる知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の態様を含む;
項1.
保形性付与剤を含有してなる飲食品であって、
剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる、歪み0.1%での貯蔵弾性率G’0.1の80%の貯蔵弾性率を示すときの歪みγ80が、3.1%以下である飲食品。
項2.
保形性付与剤を含有してなる飲食品であって、
剪断モードで歪みを0.1〜300%に変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる臨界歪みγが、9.0%以下である飲食品。
ここで、臨界歪みγ(%)は、貯蔵弾性率G’の対数値log10G’の、歪みγの対数値log10γ微分値の絶対値が最小となる点を通る接線と、log10G’のlog10γ微分値の絶対値が最大となる点を通る接線との交点を求め、交点のlog10γをlog10γとし、そこから算出した歪みγを表す。
項3.
保形性付与剤を含有してなる飲食品であって、
剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる貯蔵弾性率G’の低下率Rが、49%以上である飲食品。
ここで、低下率R(%)は、歪み10%での貯蔵弾性率をG’10とし、歪み0.1%での貯蔵弾性率をG’0.1とした場合に、R=(1−(G’10/G’0.1))×100で求められる値を表す。
項4.
前記飲食品が発酵乳食品である、項1〜3いずれか1項に記載の飲食品。
項5.
前記発酵乳食品がヨーグルトであり、前記貯蔵弾性率G’0.1が200Pa以上である、項4に記載の飲食品。
項6.
前記保形性付与剤が、改質澱粉である、項1〜5いずれか1項に記載の飲食品。
項7.
前記改質澱粉が、澱粉、及び果実由来の食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理することにより得られるものである、項6に記載の飲食品。
項8.
保形性が付与された飲食品の製造方法であって、
保形性付与剤を含有させることで、
剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる、歪み0.1%での貯蔵弾性率G’0.1の80%の貯蔵弾性率を示すときの歪みγ80を3.1%以下とする、飲食品の製造方法。
項9.
保形性が付与された飲食品の製造方法であって、
保形性付与剤を含有させることで、
剪断モードで歪みを0.1〜300%に変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる臨界歪みγを、9.0%以下とする、飲食品の製造方法。
ここで、臨界歪みγ(%)は、貯蔵弾性率G’の対数値log10G’の、歪みγの対数値log10γ微分値の絶対値が最小となる点を通る接線と、log10G’のlog10γ微分値の絶対値が最大となる点を通る接線との交点を求め、交点のlog10γをlog10γとし、そこから算出した歪みγを表す。
項10.
保形性が付与された飲食品の製造方法であって、
保形性付与剤を含有させることで、
剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる貯蔵弾性率G’の低下率Rを、49%以上とする、飲食品の製造方法。
ここで、低下率R(%)は、歪み10%での貯蔵弾性率をG’10とし、歪み0.1%での貯蔵弾性率をG’0.1とした場合に、R=(1−(G’10/G’0.1))×100で求められる値を表す。
項11.
ヨーグルトに保形性付与剤を含有させたものであり、前記貯蔵弾性率G’0.1が200Pa以上である、項8〜10いずれか1項に記載の飲食品の製造方法。
本発明によれば、歪み0.1%での貯蔵弾性率G’0.1の80%の貯蔵弾性率を示すときの歪みγ80が3.1%以下であるか、臨界歪みγが9.0%以下であるか、又は貯蔵弾性率G’の低下率Rが49%以上であるため、保形性付与剤により保形性を得ながら、フレーバーリリースの低下を抑制できる。
その理由の詳細は明らかではないが、歪みγ80が比較的低い値の食品では、比較的歪みの小さい領域において、貯蔵弾性率G’の低下が始まり、このことは小さな変形に対して、動的な硬さが低下することを意味し、これによってフレーバーリリースの低下が抑制されると推測される。また、臨界歪みγが比較的低い値の食品でも、比較的歪みの小さい領域において、貯蔵弾性率G’の低下が始まり、このことは小さな変形に対して、動的な硬さが低下することを意味し、これによってフレーバーリリースの低下が抑制されると推測される。更に、貯蔵弾性率G’の低下率Rが比較的高い食品では、ある程度の変形に対して、動的な硬さが大幅に低下することを意味し、これによってフレーバーリリースの低下が抑制されると推測される。その結果、保形性付与剤により保形性を付与しつつ、フレーバーリリースの低下を抑制することができる飲食品及びその製造方法を提供することができた。
実施例2及び比較例4で得られたヨーグルトについて、動的粘弾性試験により得られる貯蔵弾性率G’の歪み依存性を示すグラフである。 臨界歪みγを求めるために、歪みの対数値log10γに対して貯蔵弾性率の対数値log10G’をプロットした例を示すグラフである。 歪みγ80とフレーバーリリースの官能評価値との相関性を示すグラフである。 臨界歪みγとフレーバーリリースの官能評価値との相関性を示すグラフである。 貯蔵弾性率G’の低下率Rとフレーバーリリースの官能評価値との相関性を示すグラフである。
(飲食品)
本発明の飲食品は、第1の態様から第3の態様を含むものであるが、何れの態様においても、保形性付与剤を含有してなる。本発明において、「飲食品」とは、飲料、食品が含まれ、咀嚼の有無にかかわらず経口で摂取されるものを意味する。また、本発明において、飲食品の「フレーバーリリース」とは、香り立ち、香りの強さを意味し、「ボディ感」とは、保形性の有無、濃厚感、厚み感を意味する。なお、本明細書において、特に態様を特に明示しない限り、第1の態様から第3の態様に共通する説明として記載したものとする。
保形性付与剤が添加される飲食品の例としては、バッター;ソース、たれ類、甘酢あん、;スープ;ドレッシング(例:マヨネーズタイプドレッシング);ヨーグルト(例:無脂肪ヨーグルト、低脂肪ヨーグルト)、チーズ、及びサワークリーム等のデイリープロダクト;うどん、そば、スパゲティ、マカロニ、及び中華麺等の麺類(当該麺類は、例えば、生麺、半生麺、冷凍麺、乾燥麺、フライ麺、又はノンフライ麺等であることができる);パン類(例:食パン、全粒粉パン);ケーキ、及びクッキー等の焼き菓子類;アイスクリーム、アイスミルク、及びラクトアイス等の冷菓類;フラワーペースト(小麦粉含有ペースト)、及びカスタード風クリーム;団子、練りあん、及びようかん等の和菓子類;お好み焼き、たこ焼き、チヂミ、及びブリトー;餃子、春巻き、及び中華饅;ハム、及びソーセージ等の魚畜加工肉製品;煮しめ、甘露煮、湯煮、うま煮、及び煮豆等の煮物類;いため物、串焼、網焼、ホイル焼、及びかば焼等の焼物類;から揚げ、天ぷら、及びフライ等の揚げ物類;しゅうまい、及び茶わん蒸し等の蒸し物類;胡麻あえ等の和えもの類;並びにサラダ等を包含する。また、プリン、ゼリー、ババロア、ムース、パンナコッタ、ブラマンジェ、杏仁豆腐等が挙げられる。
本発明の飲食品としては、保形性を有しつつ口中で崩壊する飲食品であることが好ましく、発酵乳食品、特にヨーグルトである場合に、高い効果を得ることができる。発酵乳食品には、ヨーグルト、発酵バターミルク、アシドフィラスミルク、スキール、及びテッテ等の乳酸発酵を主体とした酸乳;並びにケフィアやクミス等の乳酸発酵とアルコール発酵の混合発酵製品であるアルコール発酵乳が含まれる。好ましくは乳酸発酵を主体とした酸乳であり、中でも好適にはヨーグルトを挙げることができる。
(飲食品の物性)
本発明の飲食品は、第1の態様として、剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる、歪み0.1%での貯蔵弾性率G’0.1の80%の貯蔵弾性率を示すときの歪みγ80が、3.1%以下であることを特徴とする。歪みγ80が比較的低い値になると、比較的歪みの小さい領域において、貯蔵弾性率G’の低下が始まり、このことは小さな変形に対して、動的な硬さが低下することを意味し、これによってフレーバーリリースの低下が抑制されると考えられる。また、小さな変形に対して、急峻に動的な硬さが低下してしまうと、保形性付与剤による保形効果が不十分となる傾向がある。従って、フレーバーリリースの低下を抑制ししつつ、保形性付与剤による保形効果を維持する観点から、この歪みγ80が2.2〜3.1%であることが好ましく、2.4〜3.0%であることがより好ましい。なお、本発明における各種の物性値は、具体的には実施例における測定方法によって得られる値である。
また、本発明の飲食品は、第2の態様として、剪断モードで歪みを0.1〜300%に変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる臨界歪みγが、9.0%以下であることを特徴とする。ここで、臨界歪みγ(%)は、下記の方法で求めた。
図1Bのように、動的粘弾性の測定値を元に、歪みの対数値log10γに対して貯蔵弾性率の対数値log10G’をプロットした。次に、log10G’のlog10γ微分値を求めた。微分値の絶対値が最小となる点Aを通る接線と、微分値の絶対値が最大となる点Bを通る2つの接線を引き、その交点を(log10γ, log10G’)とした。交点のlog10γから、臨界歪みγ(%)を算出した。
臨界歪みγが比較的低い値になると、比較的歪みの小さい領域において、貯蔵弾性率G’の低下が始まり、このことは小さな変形に対して、動的な硬さが低下することを意味し、これによってフレーバーリリースの低下が抑制されると考えられる。また、小さな変形に対して、急峻に動的な硬さが低下してしまうと、保形性付与剤による保形効果が不十分となる傾向がある。従って、フレーバーリリースの低下を抑制ししつつ、保形性付与剤による保形効果を維持する観点から、臨界歪みγが4.0〜9.0%であることが好ましく、4.5〜8.0%であることがより好ましい。
また、本発明の飲食品は、第3の態様として、剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる貯蔵弾性率G’の低下率Rが、49%以上であることを特徴とする。ここで、低下率R(%)は、歪み10%での貯蔵弾性率をG’10とし、歪み0.1%での貯蔵弾性率をG’0.1とした場合に、R=(1−(G’10/G’0.1))×100で求められる値を表す。
低下率Rが比較的高い値になると、ある程度の変形に対して、動的な硬さが大幅に低下することを意味し、これによってフレーバーリリースの低下が抑制されると考えられる。また、ある程度の変形に対して、動的な硬さが低下し過ぎてしまうと、保形性付与剤による保形効果が不十分となる傾向がある。従って、フレーバーリリースの低下を抑制ししつつ、保形性付与剤による保形効果を維持する観点から、低下率Rが49〜69%であることが好ましく、52〜60%であることがより好ましい。
また、本発明の飲食品がヨーグルト、又は類似するボディ感が要求される飲食品(プリン、ゼリー、ババロア等)である場合、ボディ感を高める観点から、剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる、歪み0.1%での貯蔵弾性率G’0.1が200Pa以上であることが好ましく、300Pa以上であることがよりしく、400Pa以上であることが更に好ましい。貯蔵弾性率G’0.1の上限値については、適度なボディ感を得る観点から、700Pa以下が好ましく、600Pa以下がより好ましい。
(発酵乳食品)
本発明の飲食品は、何れの態様においても、発酵乳食品、特にヨーグルトであることが好ましい。従来、ヨーグルトには、原料乳と乳酸菌等を混合した混合原料を大きなタンク等に入れて発酵した後、製造された発酵乳を容器充填する方法により製造されるヨーグルト(前発酵ヨーグルト)と、原料乳と乳酸菌等を混合した混合原料を容器充填し、その容器内で発酵させる方法により製造されるヨーグルト(後発酵ヨーグルト)がある。本発明は、どちらのヨーグルトにも適用可能である。なお、前述の他には、ヨーグルトの種類は特に制限されず、公知の種類、例えば、デザートヨーグルト、ドリンクヨーグルト(液状ヨーグルト)、フローズンヨーグルト等が含まれる。
発酵乳食品は、後述する保形性付与剤以外に、本発明の効果に影響を与えない限りにおいて、通常のヨーグルトと同様の構成をとることができ、即ち、原料乳、乳酸菌(スターター)、水、糖質、安定剤、油脂、乳化剤、着香料、着色料、風味調整剤、酸化防止剤等より選択された添加材料を、所定の割合で混合させ溶融したものを用いることができる。
原料の乳は、通常、牛乳、山羊乳、羊乳等の獣乳や、脱脂粉乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳或いは生クリーム等が好適に用いられる。乳の配合量は、発酵乳食品の全体に対して、無脂乳固形分が8%以上になるように、混合原料に対する原料乳の配合量を決める。乳酸菌は、通常の発酵乳と同様の菌類あるいはスターターが使用される。
糖質としては、例えば、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)の他、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア末等の甘味成分が挙げられる。
また、必要に応じて、ビタミン類、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム等のカルシウム類、鉄、マグネシウム、リン、カリウム等のミネラル類等を添加してもよい。
なお、発酵乳食品には、その風味に合った固形食品を分散させても良い。固形食品として、例えば、イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、梨、りんご、ミカン、パイナップル、メロン、キーウィ、アロエ等の果肉、ナタデココ、ナッツ類、チョコレート、ゼリー等が使用できる。
また、香料等の成分を使用することも可能であり、上記の固形成分をピューレ化したものや、天然香料または合成香料であって、例えば、ヨーグルトフレーバー、フルーツフレーバー、植物フレーバー、またはこれらの混合物である。フルーツフレーバーにおける「フルーツ」としては、例えば、レモン、オレンジ、蜜柑、グレープフルーツ、シークヮーサー、柚及びライム等の柑橘類、苺、桃、葡萄、林檎、パイナップル、マンゴー、メロン、及びバナナ等が挙げられる。
これら香料等は、2種類以上を用いてもよい。これらの香料等の成分は、飲食品の全量中に例えば0.01〜1質量%、好ましくは、0.03〜0.5質量%含有させることができる。
(保形性付与剤)
本発明の飲食品は、何れの態様においても、保形性付与剤を含有するものであるが、保形性付与剤とは、無添加品に保形性を付与する成分であり、無添加品と比較して、添加後に貯蔵弾性率G’0.1を向上させる成分であるといえる。保形性付与剤としては、植物系ガム、樹液系ガム、海藻系ガム、微生物系ガム、澱粉類、ゼラチン、キチン、キトサン等が挙げられる。本発明では、澱粉類のなかでも特に改質澱粉を用いることが好ましい。
具体的には、植物系ガムとして、グァーガム、ローカストビーンガム、LMペクチン、HMペクチン、大豆多糖類、タマリンドシードガム、タラガム、サイリウムシードガム、グルコマンナン、サバクヨモギシードガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、発酵セルロース、微小繊維状セルロース、樹液系ガムとしてトラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、ガティガム、海藻系ガムとして、カラギナン、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、ファーセレラン、加工ユーケマ藻類、微生物系ガムとして、ラムザンガム、キサンタンガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カードラン、プルラン、マクロホモプシスガム、ウェランガム、澱粉類として、未改質澱粉、物理処理澱粉、化学処理澱粉、化工澱粉、加工澱粉、デキストリンが挙げられ、その他、ゼラチン、キチン、キトサンが挙げられる。
保形性付与剤は、1種又は2種以上を併用することができる。保形性付与剤の添加量は、発酵乳食品の全量中、例えば0.1〜10質量%、好ましくは、0.5〜5質量%程度となるように適宜配合することができる。当該保形性付与剤としては、改質澱粉を主として含むことが好ましく、保形性付与剤のうち、改質澱粉を50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことが更に好ましい。
本発明では、このような保形性付与剤の種類を選択したり、添加量を調整したり、保形性付与剤を併用することで、所望の物性値を有する飲食品を得ることができる。その際、以下のような改質澱粉を使用することが好ましい。
(改質澱粉)
本発明では、何れの態様においても、澱粉、及び果実由来の食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理することにより得られる改質澱粉を使用することが好ましい。原料となる澱粉としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コメ澱粉、コーン澱粉、及び甘蔗澱粉、並びにそれらのもち種澱粉からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
果実由来の食物繊維としては、水溶性食物繊維、及び不溶性食物繊維を含有する複合型食物繊維であることが好ましく、特に果実由来食物繊維が、シトラスファイバーであることが好ましい。澱粉及び果実由来食物繊維の混合比(前者:後者)は、99:1〜80:20の範囲内の質量比であることが好ましい。
水の存在下の加熱処理は、水分量20質量%未満の混合物を、湿熱処理することが好ましく、湿熱処理の温度としては95〜140℃の範囲内であることが好ましい。また、湿熱処理が、前記混合物を密閉容器内に水蒸気を導入した加圧環境下で5〜300分間加熱する処理であることが好ましい。
(飲食品の製造方法)
本発明の飲食品の製造方法は、保形性が付与された飲食品の製造方法であって、保形性付与剤を含有させることで、剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる物性値を所定の範囲とすることを特徴とするものである。
すなわち、第1の態様では、剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる、歪み0.1%での貯蔵弾性率G’0.1の80%の貯蔵弾性率を示すときの歪みγ80を3.1%以下とし、第2の態様では、剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる臨界歪みγを、9.0%以下とし、第3の態様では、剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる貯蔵弾性率G’の低下率Rを、49%以上とする。各物性値の好ましい範囲、得られる飲食品の原料、その使用量、その他の物性等は前述のとおりである。
飲食品の製造方法が、保形性付与剤を含有させたヨーグルトの製造方法である場合、得られるヨーグルトの貯蔵弾性率G’0.1が200Pa以上であることが好ましい。ヨーグルトの原料、その使用量、物性等についても前述のとおりである。
本発明の製造方法は、何れの態様においても、保形性付与剤を含有させることで、所定の物性値を有する飲食品を得ること以外は、従来の飲食品の製造方法に準じて、実施することができる。保形性付与剤を含有させるタイミングとしては、飲食品の種類に応じて、通常の保形性付与剤を含有させるタイミングと同様でよいが、最終的な飲食品の物性を調整するために、何段階かに分けて、添加することも可能である。
例えば、ヨーグルトの場合、スターターを添加する前に、保形性付与剤を含有させておく方法や、フルーツプレパレーション等に保形性付与剤を含有させておき、ヨーグルトの発酵後に添加する方法が採用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」、「部数」等の数値は、質量基準の数値を表す。
実施例1
(改質澱粉組成物の調製)
粉体の馬鈴薯澱粉95部と粉体のシトラスファイバー(複合型食物繊維、食物繊維含有率85%、水溶性食物繊維率19%)5部とを混合し、オートクレーブSX-500(株式会社トミー精工製)を用いて混合物を120℃で10分間、湿熱処理した。処理後の改質澱粉組成物をステンレス製のバットに取り出し、室温で一晩乾燥させた。これを乳鉢で粉砕し、均一な粉末にした。
(ヨーグルトの調製)
表1に示す処方に従って、以下のようにヨーグルトを調製した。まず、水、牛乳を湯浴中で50℃まで加熱したのち、全脂粉乳、脱脂粉乳を添加して撹拌溶解し、さらに砂糖と澱粉試料(保形性付与剤)である改質澱粉組成物との粉体混合物を添加して、70℃まで加熱した後、10分間撹拌した。蒸発水に相当する水分を補給した後、高圧ホモジナイザーにて均質化した(150kgf/cm)。これを湯浴中で90℃まで熱し、10分間加熱して殺菌した後、40℃まで冷却した。
これにスターターとして市販のヨーグルト(株式会社明治製、明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン)を全重量の3%添加した。40℃の恒温器に入れて発酵させ、pHが4.6になった時点で恒温器から取り出したのち、撹拌してカードを破砕して均一な状態にし、得られたヨーグルトを60gずつ容器に小分けした。
これを室温に静置して粗熱をとったのち、5℃の冷蔵庫で冷却し、1週間保存した。その際、上記のヨーグルトに、10%重量の白桃ソースを添加し、撹拌して均一にしたのち、5℃で保存して当日中に評価を実施した。なお、白桃ソースは、白桃ピューレ(寿高原食品株式会社製、白桃ピューレ)に重量の10%の砂糖を添加し、攪拌しながら煮詰めて、全体重量の68%まで水分を蒸発させた後、ピーチフレーバーを0.5%添加して調製し、使用するまで5℃で保存したものを用いた。
実施例2
実施例1において、改質澱粉組成物を3部添加する代わりに4部添加したこと以外は、実施例1と全く同じ方法で評価用のヨーグルトを調製した。
比較例1(対照例)
実施例1において、澱粉試料(保形性付与剤)を使用しないこと以外は、実施例1と全く同じ方法で評価用のヨーグルトを調製した。
比較例2
実施例1において、改質澱粉組成物を3部添加する代わりに、未改質馬鈴薯澱粉を4部添加したこと以外は、実施例1と全く同じ方法で評価用のヨーグルトを調製した。
比較例3
実施例1において、改質澱粉組成物を3部添加する代わりに、物理処理タピオカ澱粉を4部添加したこと以外は、実施例1と全く同じ方法で評価用のヨーグルトを調製した。なお、物理処理タピオカ澱粉としては、NOVATION 3300(イングレディオン・ジャパン社製)を用いた。
比較例4
実施例1において、改質澱粉組成物を3部添加する代わりに、化学処理タピオカ澱粉を4部添加したこと以外は、実施例1と全く同じ方法で評価用のヨーグルトを調製した。なお、化学処理タピオカ澱粉としては、NATIONAL FRIGEX(イングレディオン・ジャパン社製)を用いた。
比較例5
実施例1において、改質澱粉組成物を3部添加する代わりに、前記化学処理タピオカ澱粉を3.88部とシトラスファイバー(複合型食物繊維、食物繊維含有率85%、水溶性食物繊維率19%)を0.12部添加したこと以外は、実施例1と全く同じ方法で評価用のヨーグルトを調製した。
比較例6
実施例1において、改質澱粉組成物を3部添加して70℃まで加熱する代わりに、寒天を0.3部添加して90℃まで加熱して溶解したこと以外は、実施例1と全く同じ方法で評価用のヨーグルトを調製した。なお、寒天としては、ゲルアップTM J−1630(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を用いた。「TM」は三栄源エフ・エフ・アイの商標を示す。
(官能評価の方法)
以上で得られた白桃ソース入りヨーグルトの官能評価は、VAS(Visual Analog Scale)法で行った。すなわち、100mmの直線上の左端を最小、右端を最大として、各評価項目について、被験者に任意の場所に印をつけさせた。被験者は7名(男性4名、女性3名、平均年齢33.1歳)で行い、冷蔵庫から取り出してすぐの試料を30g提示し、ボディ感及びピーチ香のフレーバーリリースを評価させた。フレーバーリリースについては、基準となる澱粉無添加の場合(比較例1)の数値を100として(コントロールとして)換算し、7名の各評価値及び平均値を表2に示した。ボディ感については、7名の平均値を表2に示した。
なお、これらの評価における「フレーバーリリースがよい」とは、香り立ちがよく、香りが強いことであり、「ボディ感が強い」とは、保形性があり、濃厚感や厚み感じることであるとして、両者の評価を行なった。
(物性測定)
フルイドレオメーター ARES‐LS1(TAインスツルメント社製)を用いて、剪断モードにより、白桃ソース入りヨーグルトの動的粘弾性の歪み依存性及びずり速度0.1〜100s−1におけるずり粘度を測定した。直径25mmのパラレルプレートを用い、試料をアプライしてギャップを1.0mmに設定した。動的粘弾性の歪み依存性測定は、測定温度5℃、周波数6.28rad/sとし、歪み0.1〜300%に設定した。例として、実施例2及び比較例4の、G’(貯蔵弾性率)の歪み依存性を図1Aに示した。
歪み0.1%における貯蔵弾性率を「G’0.1」とし各白桃ソース入りヨーグルトについて、貯蔵弾性率がG’0.1の80%を示すときの歪み「γ80」を算出した。歪みγ80とずり粘度(ずり速度50s−1時)の結果を表3に示した。また、歪み「γ80」とフレーバーリリース官能評価値との相関性を、図2に示した。
なお、「γ80」の算出については、歪み0.1%から徐々に歪みを大きくして測定を繰り返し、歪み0.1%における貯蔵弾性率「G’0.1」の80%を示すときの歪み「γ80」を直接測定することも可能であるが、今回の物性測定では、段階的に歪みを大きくして測定した場合の測定値を用いて、γ80を計算した。つまり、「G’0.1」の80%となる貯蔵弾性率0.8G’0.1を計算し、その貯蔵弾性率0.8G’0.1より大きく最も近い貯蔵弾性率の測定結果と、その貯蔵弾性率0.8G’0.1より小さく最も近い貯蔵弾性率の測定結果との2点を用いて、2点間の線形近似で求めた。線形近似については、2点間を結ぶ直線の傾きと切片を求め、得られた一次関数に「貯蔵弾性率0.8G’0.1」の値を代入することで、「γ80」を計算した。
また、臨界歪みγ(%)については、剪断モードで歪みを0.1〜300%に変化させて測定した貯蔵弾性率G’の歪み依存性測定値を元に算出した。図1Bに示すように、歪みの対数値log10γに対して貯蔵弾性率の対数値log10G’をプロットし、log10G’のlog10γ微分値を求めた。微分値の絶対値が最小となる点を通る接線と、微分値の絶対値が最大となる点を通る接線を引き、その交点を(log10γ, log10G’)とした。交点のlog10γから、臨界歪みγ(%)を算出した。その結果を表3に併せて示す。また、臨界歪みγとフレーバーリリース官能評価値との相関性を、図3に示した。
更に、貯蔵弾性率G’の低下率R(%)について、歪み10%での貯蔵弾性率をG’10とし、歪み0.1%での貯蔵弾性率をG’0.1とした場合に、R=(1−(G’10/G’0.1))×100で低下率R(%)を求めた。その結果を表3に併せて示す。また、低下率Rとフレーバーリリース官能評価値との相関性を、図4に示した。
図2の結果が示すように、官能評価の結果と物性値γ80との相関係数は−0.90(Rは0.81)となり、高い負の相関がみられた。一方、ずり速度50s−1におけるずり粘度との相関係数は−0.80であり、γ80のほうがフレーバーリリースの官能評価値とより高い負の相関がみられることが判明した。
そして、図2の結果が示すように、特に、γ80≦3.1%となるヨーグルト(実施例1〜2)はフレーバーリリースが何れも良好であった。なお、比較例1(対照例)では、保形性付与剤を用いていないため、フレーバーリリースが良好であった。γ80が比較的低い値になると、図1Aのグラフにおいて、比較的小さい歪みの領域において、貯蔵弾性率G’の低下が始まり、このことは小さな変形に対して、動的な硬さが低下することを意味し、これによってフレーバーリリースの低下が抑制されると考えられる。
図3の結果が示すように、官能評価の結果と臨界歪みγとの相関係数は−0.95(Rは0.91)となり、高い負の相関がみられた。このため、臨界歪みγが9.0%以下であるヨーグルト(実施例1〜2)はフレーバーリリースが何れも良好であった。
図4の結果が示すように、官能評価の結果と貯蔵弾性率G’の低下率Rとの相関係数は0.94(Rは0.88)となり、高い正の相関がみられた。このため、貯蔵弾性率G’の低下率Rが49%以上であるヨーグルト(実施例1〜2)はフレーバーリリースが何れも良好であった。
一方、フレーバーリリースが良好な実施例1〜2について、G’0.1が大きいものほどボディ感も良好であった。そして、実施例1〜2のように、改質澱粉組成物を適量添加することで、ボディ感が強く、かつフレーバーリリースのよいヨーグルトを製造することが可能である。また、フレーバーリリースの官能評価値と物性値γ80との相関係数が高いことや物性値γ80の技術的意義を考慮すると、改質澱粉組成物を添加する場合に限らず、他の保形性付与剤を用いた場合でも、物性値γ80が所定の範囲であると、保形性付与剤により保形性を得ながら、フレーバーリリースの低下を抑制することができると理解できる。この点は、臨界歪みγ及び貯蔵弾性率G’の低下率Rについても、同様であるといえる。
実施例3
(白桃プレパレーションを添加したヨーグルトの調製)
白桃ピューレ60部、水に砂糖20部、実施例1で用いた改質澱粉組成物6部を加え、湯浴中で80℃に加熱し10分間撹拌した。これに50%(w/w)クエン酸水溶液を添加してpHを3.8に調整し、ピーチフレーバー0.15部を添加した後、蒸発水を補正すべく水にて計100部とした。これを耐熱パウチに充填して密封し、85℃の湯浴中で30分間加熱し殺菌した後、8℃の冷却水槽で2時間以上冷却し、5℃で保存し、白桃プレパレーションを調製した。
この白桃プレパレーションを市販の無脂肪ヨーグルト(明治ブルガリアヨーグルトLB81、そのままおいしい脂肪0プレーン)に、質量比がヨーグルト:プレパレーション=7:3となるように混合して、評価用のヨーグルトを調製した。
比較例7
実施例3において、改質澱粉組成物を添加せずに、水を増量して計100部としたこと以外は、実施例3と全く同じ方法で評価用のヨーグルトを調製した。
(官能評価と物性測定)
実施例3と比較例7で得られた評価用のヨーグルトを用いて、実施例1と同じ条件でフレーバーリリースの官能評価と物性測定を行なった。その結果を表4に示す。なお、フレーバーリリースの官能評価の際に、実施例3では比較例7に対して、ボディ感が改善されていることが確認できた。
表4の結果が示すように、物性値γ80が所定の範囲であると、白桃プレパレーションを添加したヨーグルトの場合でも、フレーバーリリースの低下を十分に抑制することができた。

Claims (11)

  1. 保形性付与剤を含有してなる飲食品であって、
    剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる、歪み0.1%での貯蔵弾性率G’0.1の80%の貯蔵弾性率を示すときの歪みγ80が、3.1%以下である飲食品。
  2. 保形性付与剤を含有してなる飲食品であって、
    剪断モードで歪みを0.1〜300%に変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる臨界歪みγが、9.0%以下である飲食品。
    ここで、臨界歪みγ(%)は、貯蔵弾性率G’の対数値log10G’の、歪みγの対数値log10γ微分値の絶対値が最小となる点を通る接線と、log10G’のlog10γ微分値の絶対値が最大となる点を通る接線との交点を求め、交点のlog10γをlog10γとし、そこから算出した歪みγを表す。
  3. 保形性付与剤を含有してなる飲食品であって、
    剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる貯蔵弾性率G’の低下率Rが、49%以上である飲食品。
    ここで、低下率R(%)は、歪み10%での貯蔵弾性率をG’10とし、歪み0.1%での貯蔵弾性率をG’0.1とした場合に、R=(1−(G’10/G’0.1))×100で求められる値を表す。
  4. 前記飲食品が発酵乳食品である、請求項1〜3いずれか1項に記載の飲食品。
  5. 前記発酵乳食品がヨーグルトであり、前記貯蔵弾性率G’0.1が200Pa以上である、請求項4に記載の飲食品。
  6. 前記保形性付与剤が、改質澱粉である、請求項1〜5いずれか1項に記載の飲食品。
  7. 前記改質澱粉が、澱粉、及び果実由来の食物繊維の混合物を、水分の存在下で加熱処理することにより得られるものである、請求項6に記載の飲食品。
  8. 保形性が付与された飲食品の製造方法であって、
    保形性付与剤を含有させることで、
    剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる、歪み0.1%での貯蔵弾性率G’0.1の80%の貯蔵弾性率を示すときの歪みγ80を3.1%以下とする、飲食品の製造方法。
  9. 保形性が付与された飲食品の製造方法であって、
    保形性付与剤を含有させることで、
    剪断モードで歪みを0.1〜300%に変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる臨界歪みγを、9.0%以下とする、飲食品の製造方法。
    ここで、臨界歪みγ(%)は、貯蔵弾性率G’の対数値log10G’の、歪みγの対数値log10γ微分値の絶対値が最小となる点を通る接線と、log10G’のlog10γ微分値の絶対値が最大となる点を通る接線との交点を求め、交点のlog10γをlog10γとし、そこから算出した歪みγを表す。
  10. 保形性が付与された飲食品の製造方法であって、
    保形性付与剤を含有させることで、
    剪断モードで歪みを変化させて測定した動的粘弾性試験により得られる貯蔵弾性率G’の低下率Rを、49%以上とする、飲食品の製造方法。
    ここで、低下率R(%)は、歪み10%での貯蔵弾性率をG’10とし、歪み0.1%での貯蔵弾性率をG’0.1とした場合に、R=(1−(G’10/G’0.1))×100で求められる値を表す。
  11. ヨーグルトに保形性付与剤を含有させたものであり、前記貯蔵弾性率G’0.1が200Pa以上である、請求項8〜10いずれか1項に記載の飲食品の製造方法。
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