JP2020026822A - 粒状体ダンパ - Google Patents

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敦士 豊内
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聡 近松
隆久 望月
Takahisa Mochizuki
隆久 望月
英樹 川上
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英樹 川上
景太 阿部
Keita Abe
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Abstract

【課題】減衰力の高い粒状体ダンパを提供する。【解決手段】粒状体ダンパAは、ケース18、入力部材34、抵抗体24、変位力付加手段30、回転子25及び複数の粒状体36を備える。入力部材34は、ケース18に対して直動方向と回転方向のうちいずれか一方向のみに相対変位する。抵抗体24は、入力部材34の相対変位と同じ方向に関しては入力部材34と一体的に変位し、入力部材34の相対変位と異なる方向に関しては入力部材34に対する相対変位が許容される。変位力付加手段30は、抵抗体24に対し、入力部材34の変位方向とは異なる方向の変位力を付与する。回転子25は、抵抗体24に形成され、ケース18内に収容されている。粒状体36は、ケース18内で直動方向及び回転方向に変位する回転子25に対して変位を抑制する抗力を付与する。【選択図】図2

Description

本発明は、粒状体ダンパに関する。
特許文献1には、ケースと、抵抗体と、複数の粒状体とを備えた粒状体ダンパが開示されている。抵抗体はピストン部からロッドを延出させた形態であり、ピストン部がケース内に収容され、ロッドはケース外へ突出している。粒状体はケース内に収容されている。ロッドに外力が入力されると、抵抗体がロッドの軸線方向に移動するので、ケース内で流動する粒状体に反発力が生じるとともに、粒状体の表面では摩擦力が生じる。これらの反発力と摩擦力は、抵抗体の移動を抑制する減衰力となる。
特開2011−021648号公報
上記のように抵抗体が直動するタイプの粒状体ダンパは、抵抗体の移動速度が増加しても減衰力が大きく増大しないので、速度依存性が低いという特性がある。また、抵抗体が回転するタイプの粒状体ダンパは、直動タイプの粒状体ダンパに比べると速度依存性が高いが、使用形態によっては更に高い減衰力が求められる場合がある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、減衰力の高い粒状体ダンパを提供することを解決すべき課題としている。
本発明の粒状体ダンパは、ケースと、入力部材と、抵抗体と、変位力付加手段と、可動部と、複数の粒状体とを備えている。入力部材は、ケースに対して軸線に沿った直動方向と軸線周りの回転方向のうちいずれか一方向のみに相対変位する。抵抗体は、入力部材の相対変位と同じ方向に関しては入力部材と一体的に変位し、入力部材の相対変位と異なる方向に関しては入力部材に対する相対変位が許容されている。変位力付加手段は、入力部材と一体的に変位する抵抗体に対し、入力部材の変位方向とは異なる方向の変位力を付与する。可動部は、抵抗体に形成され、ケース内に収容されている。粒状体は、ケース内に充填され、ケース内で直動方向及び回転方向に変位する可動部に対して変位を抑制する抗力を付与する。
入力部材がケースに対して直動方向に相対変位すると、直動方向に変位する抵抗体には、変位力付加手段によって回転方向の変位力が付与されるので、可動部はケース内で直動しながら回転する。また、入力部材がケースに対して回転方向に相対変位すると、回転方向に変位する抵抗体には、変位力付加手段によって直動方向の変位力が付与されるので、可動部はケース内で回転しながら直動する。可動部は直動方向と回転方向の両方向に変位するので、粒状体から可動部に付与される抗力が大きくなり、高い減衰力が生じる。
また、本発明の粒状体ダンパは、前記入力部材が前記ケースに対して回転方向のみに相対変位可能であり、前記入力部材と前記抵抗体が非円形断面の連結部を介して直動方向への相対変位を可能に連結され、前記変位力付加手段が、前記抵抗体と前記ケースに設けた螺旋状のガイド部を備えて構成されていてもよい。この構成によれば、入力部材と抵抗体が回転方向に変位すると、螺旋状のガイド部によって抵抗体に直動方向の変位力が付与され、抵抗体は、連結部同士を摺動させながら入力部材に対して直動方向へ相対変位する。
また、本発明の粒状体ダンパは、前記入力部材が前記ケースに対して直動方向のみに相対変位可能であり、前記入力部材と前記抵抗体が、円形凸部と円形凹部との嵌合を介すことによって回転方向への相対変位を可能に連結され、前記変位力付加手段が、前記抵抗体と前記ケースに設けた螺旋状のガイド部を備えて構成されていてもよい。この構成によれば、入力部材と抵抗体が直動方向に変位すると、螺旋状のガイド部によって抵抗体に回転方向の変位力が付与され、抵抗体は、円形凸部と円形凹部を摺動させながら入力部材に対して回転方向へ相対変位する。
本発明の粒状体ダンパは、前記ケースの内周のうち前記可動部の直動経路と対応する領域には、直動方向に沿って内径が増減する内径増減部が形成されていてもよい。この構成によれば、可動部が直動する過程で、可動部の外周面とケースの内周面との間の粒状体の密度が変化して、減衰力が変動する。
実施形態1の粒状体ダンパを適用したドアヒンジ及びドアの正面図である。 ドアが全開位置にある状態の粒状体ダンパをあらわした断面図である。 ドアが半開位置にある状態の粒状体ダンパをあらわした断面図である。 ドアが全閉位置にある状態の粒状体ダンパをあらわした断面図である。 実施形態2においてドアが全開位置にある状態をあらわした粒状体ダンパの断面図である。 ドアが全閉位置にある状態の粒状体ダンパをあらわした断面図である。 実施形態3において入力部材に外力が入力されていない状態をあらわした粒状体ダンパの断面図である。 入力部材に外力が入力されて抵抗体が変位した状態をあらわした粒状体ダンパの断面図である。
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1〜図4を参照して説明する。尚、以下の説明において、上下の方向については、図1〜4にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
図1に示すように、本実施形態1の粒状体ダンパAは、建物のドアヒンジ10と一体化されたものである。ドアヒンジ10は、建物の壁11に設けた開口部12の枠13にドア14を支持するものである。ドア14は、開口部12を閉塞する全閉位置と、開口部12を開放して開口部12から最も遠ざかる全開位置との間で、ドアヒンジ10の上下方向の回転軸15を中心として揺動する。
粒状体ダンパAは、ドア14を閉める際に、ドア14に対して揺動速度を低下させる減衰力を付与することで、ドア14と枠13との間における挟み込みを防止するとともに、ドア14が閉じたときの音を低減する。また、粒状体ダンパAは、ドア14を開ける際にも、ドア14に対して揺動速度を低下させる減衰力を付与することで、ドア14と壁11との間における挟み込みを防止する。
図2〜4に示すように、ドアヒンジ10は、枠13に固定して取り付けられる壁側ヒンジ構成部材16と、ドア14に対し一体的に揺動し得るように取り付けられるドア側ヒンジ構成部材32とを備えて構成されている。壁側ヒンジ構成部材16は、ビス等によって枠13に固定される平板状の壁用ブラケット17と、ケース18とを備えた単一部材である。ケース18は、壁用ブラケット17の側縁部に沿って配され、ドア14の揺動中心となる回転軸15と同軸状の円筒形をなす。
ケース18の下端部には、回転軸15と同軸状の下部雌ネジ部19(請求項に記載のガイド部)が形成されている。下部雌ネジ部19のリード角は、比較的小さい角度(例えば、45°より小さい角度)に設定されている。ケース18内の空間のうち下部雌ネジ部19より上方の領域は、回転軸15と同軸状の円形断面をなす作動空間20となっている。ケース18の上端部には、軸受部材21が取り付けられている。軸受部材21の中心孔には、上部雌ネジ部22(請求項に記載のガイド部)が形成されている。上部雌ネジ部22の螺旋の向きは下部雌ネジ部19と同じであり、上部雌ネジ部22のリード角は下部雌ネジ部19と同じ角度に設定されている。
ケース18における作動空間20の形成領域の内周面には、回転軸15と同軸状のテーパ面23(請求項に記載の内径増減部)が形成されている。テーパ面23は、軸線方向下方に向かって内径が次第に小さくなるように傾斜している。回転軸15の軸線方向におけるテーパ面23の形成領域は、作動空間20の上下方向における概ね中央位置から、作動空間20の下端より上方の位置に至る範囲である。作動空間20におけるテーパ面23より上方の領域の内径と、作動空間20におけるテーパ面23より下方の領域の内径は、同じ寸法である。
ケース18には、抵抗体24が、回転軸15の軸線方向に沿った直動方向と回転軸15の軸線を中心とする回転方向(周方向)の両方向への相対変位を可能に取り付けられている。抵抗体24は、回転子25(請求項に記載の可動部)と上部シャフト26と下部シャフト27を一体化させた単一部材である。回転子25は、後述する粒状体36に抗力を生じさせるための抗力発生部として機能する。回転子25は回転軸15と同軸状の円柱形をなす。軸線方向における回転子25の長さ寸法は、作動空間20(ケース18内の空間)より小さく、上記テーパ面23と概ね同じ寸法とされている。回転子25の外径は、ケース18における作動空間20の形成領域の内径より小さい寸法に設定されている。
上部シャフト26は、回転子25より小径の円柱形をなし、回転子25の上端面から回転子25及び回転軸15と同軸状に上方へ突出した形態である。下部シャフト27は、回転子25より小径の円柱形をなし、回転子25の下端面から回転子25及び回転軸15と同軸状に下方へ突出した形態である。上部シャフト26と下部シャフト27の外径は同じ寸法である。上部シャフト26の外周には上部雄ネジ部28(請求項に記載のガイド部)が形成されている。下部シャフト27の外周には、上部雄ネジ部28と同じリード角の下部雄ネジ部29(請求項に記載のガイド部)が形成されている。
下部雌ネジ部19に下部雄ネジ部29をねじ込み、上部雌ネジ部22に上部雄ネジ部28を貫通形態でねじ込むことにより、変位力付加手段30が構成されている。変位力付加手段30は、後述する入力部材34と一体的に回転方向へ変位する抵抗体24に対し、入力部材34の変位方向(つまり、回転方向)とは異なる軸線方向(直動方向)の変位力を付与する手段である。また、これらの雌ネジ部19,22と雄ネジ部28,29のねじ込みにより、抵抗体24の上下両端部(軸線方向における両端部)が、ケース18に対し回転方向と直動方向の両方向への相対変位を可能に支持されている。
上部シャフト26のうちケース18の上方へ突出した上端部は、連結端部31(請求項に記載の連結部)となっている。連結端部31の外周の回転軸15と直角な断面形状は、平行二面を有する非円形である。連結端部31は、後述する入力部材34との連結手段として機能する。
図2,4に示すように、ドア側ヒンジ構成部材32は、ドア用ブラケット33と入力部材34とを備えた単一部材である。ドア用ブラケット33は、平板状をなし、ビス等によってドア14に固定されている。入力部材34は、ドア用ブラケット33の側縁部に沿って配され、回転軸15及び抵抗体24と同軸状の円筒形をなす。
図2〜4に示すように、入力部材34の下端部には、連結孔35が形成されている。連結孔35の内周の回転軸15と直角な断面形状は、連結端部31と同じく平行二面を有する非円形である。入力部材34は抵抗体24を介してケース18に組み付けられている。具体的には、入力部材34の下端面が軸受部材21の上端面に同軸状に載置されている。また、連結孔35が連結端部31に嵌合されることで、入力部材34と抵抗体24が、回転軸15の軸線方向に沿った直動方向への相対変位(スライド)を許容され、且つ回転軸15の軸線を中心とする回転方向に関しては相対変位を規制された状態に連結されている。
入力部材34をケース18に組み付けることにより、ドア側ヒンジ構成部材32が抵抗体24を介して壁側ヒンジ構成部材16に組み付けられる。これにより、ドアヒンジ10が構成されるとともに、ドア14がドアヒンジ10を介して枠13(壁11)に対し開閉方向へ揺動し得るように支持される。また、入力部材34(連結孔35)を抵抗体24(連結端部31)から取り外すことにより、ドア側ヒンジ構成部材32を持ち上げて壁側ヒンジ構成部材16から離脱すると、ドア14が枠13から外される。
粒状体ダンパAは、上記したケース18と、入力部材34と、回転子25を含む抵抗体24と、変位力付加手段30に加え、複数の粒状体36を備えて構成されている。粒状体36は、所定の弾性を有するエラストマーからなり、作動空間20内に収容されている。複数の粒状体36は何れも球状をなし、全ての粒状体36の外径(粒径)は概ね同寸法に設定されている。複数の粒状体36は、ケース18(作動空間20)の内周面と回転子25の外周面との間、回転子25の上面と軸受部材21の下面(作動空間20の上面)との間、回転子25の下面と作動空間20の底面との間に充填された状態となっている。充填された粒状体36の一部は、抵抗体24の外面とケース18の内周面だけでなく、軸受部材21の下端面にも接触している。
次に、本実施形態1の作用を説明する。ドア14が全開位置にある状態では、図2に示すように、回転子25がテーパ面23より上方に位置する。全開位置にあるドア14を閉める方向へ揺動する過程では、入力部材34が、ドア14からの揺動力の入力によって回転し、入力部材34の回転力が連結孔35と連結端部31の嵌合構造を介して抵抗体24に伝達される。これにより、抵抗体24が、入力部材34と一体となってケース18に対して相対回転する。抵抗体24が回転すると、下部雄ネジ部29と下部雌ネジ部19との噛み合い、及び上部雌ネジ部22と上部雄ネジ部28との噛み合いにより、作動空間20内では、回転子25が、回転しながら軸線方向に沿って下方へ変位する。
ケース18に対し、回転子25が回転方向と直動方向の両方向へ相対変位すると、作動空間20内では粒状体36が流動する。具体的には、回転子25より下方の粒状体36が回転子25の下面で直接的、間接的に押されることにより、回転子25の下方における粒状体36の密度が増大し、粒状体36に弾性反発力が生じる。また、回転子25より下方の粒状体36が、回転子25の外周面とケース18における作動空間20の形成領域の内周面との隙間を通って回転子25の上方へ相対的に移動する。
また、粒状体36と回転子25の外面との間、粒状体36とケース18における作動空間20の形成領域の内周面との間、粒状体36と軸受部材21の下面との間、粒状体36同士の間では、転がり摩擦や滑り摩擦が生じる。上記の弾性反発力と摩擦力は、ケース18に対する抵抗体24(回転子25)の直動方向及び回転方向への相対回転を抑制する抗力となる。この抗力は、ドア14の閉じ方向への揺動を抑制する抗力、即ち、粒状体ダンパAの減衰力として機能する。
また、図3に示すように、回転子25が、テーパ面23と対応する領域を下方へ変位する過程では、回転子25の外周面とケース18における作動空間20の形成領域の内周面との間の径方向の間隔が次第に狭まっていく。この間、回転子25の外周面とケース18における作動空間20の形成領域の内周面との間における粒状体36の密度が高まっていくので、減衰力も増大していく。したがって、ドア14が全閉位置に対して約15°の位置から全閉位置に至る過程では、ドア14の揺動速度が十分に低下する。上記のような減衰力がドア14に付与されることにより、ドア14の閉じ方向の揺動速度が抑えられるので、ドア14と枠13との間での挟み込みが防止されるとともに、ドア14が閉じたときの音が低減される。
ドア14が全閉位置にある状態では、図4に示すように、回転子25の上端部が、軸線方向においてテーパ面23の下端部と対応するように位置する。全閉状態のドア14を開ける過程では、抵抗体24(回転子25)が、ドア14と一体的に回転するとともに、変位力付加手段30により軸線方向に沿って上方へ変位する。これにともない、作動空間20内では、回転子25がケース18に対して直動方向及び回転方向へ相対変位するので、粒状体36が流動する。
粒状体36の流動によって、粒状体36には弾性反発力と摩擦力が生じ、この弾性反発力と摩擦力が、ケース18に対する抵抗体24(回転子25)の直動方向及び回転方向への相対回転を抑制する抗力となる。この抗力は、ドア14の開き方向への揺動を抑制する抗力、即ち、粒状体ダンパAの減衰力として機能するので、ドア14と壁11との間における挟み込みが防止される。
本実施形態1の粒状体ダンパAは、ケース18と、入力部材34と、抵抗体24と、変位力付加手段30と、回転子25と、複数の粒状体36とを備えている。入力部材34は、ケース18に対して軸線周りの回転方向のみに相対変位する。抵抗体24は、入力部材34の相対変位と同じ方向(回転方向)に関しては入力部材34と一体的に変位し、入力部材34の相対変位と異なる直動方向に関しては入力部材34に対する相対変位が許容されている。
変位力付加手段30は、入力部材34と一体的に変位する抵抗体24に対し、入力部材34の変位方向とは異なる方向の変位力を付与する。回転子25は、抵抗体24に一体的に変位するように形成され、ケース18内に収容されている。複数の粒状体36は、ケース18内に充填され、ケース18内で直動方向及び回転方向に変位する回転子25に対して変位を抑制する抗力を付与する。
入力部材34がケース18に対して回転方向に相対変位すると、回転方向に変位する抵抗体24には、変位力付加手段30によって直動方向の変位力が付与されるので、回転子25はケース18内で回転しながら直動する。回転子25は直動方向と回転方向の両方向に変位するので、粒状体36から回転子25に付与される抗力が大きくなり、高い減衰力が生じる。
また、入力部材34と抵抗体24は非円形断面の連結部(連結孔35と連結端部31)を介して直動方向への相対変位を可能に連結されている。変位力付加手段30は、抵抗体24に設けた螺旋状のガイド部(下部雄ネジ部29及び上部雄ネジ部28)と、ケース18に設けた螺旋状のガイド部(下部雌ネジ部19及び上部雌ネジ部22)を備えている。この構成によれば、入力部材34と抵抗体24が回転方向に変位すると、螺旋状のガイド部の噛み合いによって抵抗体24に直動方向の変位力が付与されるので、抵抗体24は、連結孔35と連結端部31を摺動させながら入力部材34に対して直動方向へ相対変位する。
また、ケース18の内周のうち回転子25の直動経路と対応する領域には、直動方向に沿って内径が増減するテーパ面23が形成されている。この構成によれば、回転子25が直動する過程で、回転子25の外周面とケース18の内周面との間の粒状体36の密度が変化するので、減衰力が変動する。これにより、回転子25の直動方向の位置(ドア14の開閉方向の位置)によって、減衰力を大きく変動させることができる。
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2を図5〜図6を参照して説明する。尚、以下の説明において、上下の方向については、図5〜6にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。本実施形態2の粒状体ダンパBも、実施形態1と同様、ドアヒンジ40と一体化されたものである。粒状体ダンパBは、ドア(図示省略)を開ける際にも、ドアに対して揺動速度を低下させる減衰力を付与し、ドアと壁(図示省略)との間における挟み込みを防止する。
図5,6に示すように、ドアヒンジ40は、壁に設けた開口部(図示省略)の枠(図示省略)に固定して取り付けられる壁側ヒンジ構成部材41と、ドアに対し一体的に揺動し得るように取り付けられるドア側ヒンジ構成部材58とを備えて構成されている。壁側ヒンジ構成部材41は、ビス等によって枠に固定される平板状の壁用ブラケット42と、ケース43とを備えた単一部材である。ケース43は、壁用ブラケット42の側縁部に沿って配され、ドアの揺動中心となる回転軸44と同軸状の円筒形をなす。
ケース43の上端部には、軸受部材45が取り付けられている。軸受部材45は、ケース43に対し軸線方向(直動方向)及び周方向(回転方向)の両方向への相対変位を規制されている。軸受部材45の中心孔には、雌ネジ部46(請求項に記載のガイド部)が形成されている。雌ネジ部46のリード角は、比較的小さい角度(例えば、45°より小さい角度)に設定されている。ケース43の下端部には、回転軸44と同軸状の円筒形をなす密度調節部材47が、ねじ込みにより取り付けられている。ケース43内の空間のうち上下方向において軸受部材45と密度調節部材47との間の領域は、回転軸44と同軸状の円形断面をなす作動空間49となっている。密度調節部材47を回転させることにより、作動空間49の容積を増減させることができる。
ケース43には、抵抗体50が、回転軸44の軸線方向に沿った直動方向と回転軸44の軸線を中心とする回転方向の両方向への相対変位を可能に取り付けられている。抵抗体50は、回転子51(請求項に記載の可動部)と上部シャフト52と下部シャフト53を一体化させた単一部材である。回転子51は、後述する粒状体62に抗力を生じさせるための抗力発生部として機能する。回転子51は回転軸44と同軸状の円柱形をなす。回転子51の上端部外周面には、上方に向かって次第に縮径する形態のテーパ状の誘導面54が形成されている。回転子51の最大外径は、作動空間49の内径より小さい寸法に設定されている。
上部シャフト52は、回転子51より小径の円柱形をなし、回転子51の上端面から回転子51及び回転軸44と同軸状に上方へ突出した形態である。上部シャフト52の外周には雄ネジ部55(請求項に記載のガイド部)が形成されている。下部シャフト53は、回転子51より小径の円柱形をなし、回転子51の下端面から回転子51及び回転軸44と同軸状に下方へ突出した形態である。
雌ネジ部46に雄ネジ部55を貫通形態でねじ込むことにより、変位力付加手段56が構成されている。変位力付加手段56は、後述する入力部材60と一体的に回転方向へ変位する抵抗体50に対し、入力部材60の変位方向(つまり、回転方向)とは異なる軸線方向(直動方向)の変位力を付与する手段である。下部シャフト53の下端部は、密度調節部材47のガイド孔48に相対変位を可能に嵌合されている。雌ネジ部46と雄ネジ部55のねじ込み、及び密度調節部材47に対する下部シャフト53の嵌合により、抵抗体50の上下両端部(軸線方向における両端部)が、ケース43に対し回転方向と直動方向の両方向への相対変位を可能に支持されている。
上部シャフト52のうちケース43の上方へ突出した上端部には、連結部材57(請求項に記載の連結部)がねじ込みにより一体的に変位するように固着されている。連結部材57の外周の回転軸44と直角な断面形状は、非円形である。連結部材57は、後述する入力部材60との連結手段として機能する。また、連結部材57は抵抗体50を構成する。
ドア側ヒンジ構成部材58は、ドア用ブラケット59と入力部材60とを備えた単一部材である。ドア用ブラケット59は、平板状をなし、ビス等によってドアに固定されている。入力部材60は、ドア用ブラケット59の側縁部に沿って配され、回転軸44及び抵抗体50と同軸状の円筒形をなす。
入力部材60の下端部には、連結孔61(請求項に記載の連結部)が形成されている。連結孔61の内周の回転軸44と直角な断面形状は、連結部材57の外周と同一の非円形である。入力部材60は抵抗体50を介してケース43に組み付けられている。具体的には、入力部材60の下端面が軸受部材45の上端面に同軸状に載置されている。また、連結孔61が連結部材57に嵌合されることで、入力部材60と抵抗体50が、回転軸44の軸線方向に沿った直動方向への相対変位(スライド)を許容され、且つ回転軸44の軸線を中心とする回転方向に関しては相対変位を規制された状態に連結されている。
入力部材60をケース43に組み付けることにより、ドア側ヒンジ構成部材58が抵抗体50を介して壁側ヒンジ構成部材41に組み付けられる。これにより、ドアヒンジ40が構成されるとともに、ドアがドアヒンジ40を介して枠(壁)に対し開閉方向へ揺動し得るように支持される。また、入力部材60(連結孔61)を抵抗体50(連結部材57)から取り外すことにより、ドア側ヒンジ構成部材58を持ち上げて壁側ヒンジ構成部材41から離脱すると、ドアが枠から外される。
粒状体ダンパBは、上記したケース43と、入力部材60と、回転子51を含む抵抗体50と、変位力付加手段56に加え、複数の粒状体62を備えて構成されている。粒状体62は、所定の弾性を有するエラストマーからなり、作動空間49内に収容されている。複数の粒状体62は何れも球状をなし、全ての粒状体62の外径(粒径)は概ね同寸法に設定されている。複数の粒状体62は、ケース43(作動空間49)の内周面と回転子51の外周面との間、回転子51の上面と軸受部材45の下面(作動空間49の上面)との間、回転子51の下面と密度調節部材47の上面との間に充填された状態となっている。充填された粒状体62は、抵抗体50の外面とケース43の内周面だけでなく、軸受部材45の下端面と密度調節部材47の上端面にも接触している。
次に、本実施形態2の作用を説明する。ドアが全開位置にある状態では、図5に示すように、回転子51が作動空間49における上端部に位置する。全開位置のドアを閉める方向へ揺動する過程では、入力部材60が、ドアからの揺動力の入力によって回転し、入力部材60の回転力が連結孔61と連結部材57の嵌合構造を介して抵抗体50に伝達される。抵抗体50は、入力部材60と一体となってケース43に対して相対回転する。抵抗体50が回転すると、雄ネジ部55と雌ネジ部46との噛み合いにより、回転子51が、作動空間49内で回転しながら軸線方向に沿って下方へ変位する。
ケース43に対し、回転子51が回転方向と直動方向の両方向へ相対変位すると、作動空間49内では粒状体62が流動する。回転子51より下方の粒状体62が回転子51の下面で直接的、間接的に押されることにより、回転子51の下方における粒状体62の密度が増大し、粒状体62に弾性反発力が生じる。また、回転子51より下方の粒状体62が、回転子51の外周面とケース43における作動空間49の形成領域の内周面との隙間を通って回転子51の上方へ相対的に移動する。
また、粒状体62と回転子51の外面との間、粒状体62とケース43における作動空間49の形成領域の内周面との間、粒状体62と軸受部材45の下面との間、粒状体62と密度調節部材47の上面との間、粒状体62同士の間では、転がり摩擦や滑り摩擦が生じる。上記の弾性反発力と摩擦力は、ケース43に対する抵抗体50(回転子51)の直動方向及び回転方向への相対回転を抑制する抗力となる。この抗力は、ドアの閉じ方向への揺動を抑制する抗力、即ち、粒状体ダンパBの減衰力として機能する。この減衰力によってドアの揺動速度が十分に低下するので、ドアと開口部の枠との間における挟み込みが防止されるとともに、ドアが閉じたときの音が低減される。
ドアが全閉位置にある状態では、図6に示すように、回転子51が作動空間49の下端部に位置する。全閉状態のドアを開ける過程では、抵抗体50(回転子51)が、ドアと一体的に回転するとともに、変位力付加手段56により軸線方向に沿って上方へ変位する。これにともない、作動空間49内では、回転子51がケース43に対して直動方向及び回転方向へ相対変位するので、粒状体62が流動する。
粒状体62の流動によって、粒状体62には弾性反発力と摩擦力が生じる。回転子51の上端部外周には、テーパ状の誘導面54が形成されているので、粒状体62に対する回転子51の上向きの押圧力は、回転子51が下方へ変位するときの押圧力より小さい。したがって、回転子51が粒状体62を軸線方向に押圧することに起因する減衰力は、ドアを閉じる場合よりも小さい。かかる弾性反発力と摩擦力は、ケース43に対する抵抗体50(回転子51)の直動方向及び回転方向への相対回転を抑制する抗力となる。この抗力は、ドアの開き方向への揺動を抑制する抗力、即ち、粒状体ダンパBの減衰力として機能する。したがって、ドアが全開した時にドアと壁との間における挟み込みが防止される。
本実施形態2の粒状体ダンパBは、ケース43と、入力部材60と、抵抗体50と、変位力付加手段56と、回転子51と、複数の粒状体62とを備えている。入力部材60は、ケース43に対して軸線周りの回転方向のみに相対変位する。抵抗体50は、入力部材60の相対変位と同じ方向(回転方向)に関しては入力部材60と一体的に変位し、入力部材60の相対変位と異なる直動方向に関しては入力部材60に対する相対変位が許容されている。
変位力付加手段56は、入力部材60と一体的に変位する抵抗体50に対し、入力部材60の変位方向とは異なる方向の変位力を付与する。回転子51は、抵抗体50に一体的に変位するように形成され、ケース43内に収容されている。複数の粒状体62は、ケース43内に充填され、ケース43内で直動方向及び回転方向に変位する回転子51に対して変位を抑制する抗力を付与する。
入力部材60がケース43に対して回転方向に相対変位すると、回転方向に変位する抵抗体50には、変位力付加手段56によって直動方向の変位力が付与されるので、回転子51はケース43内で回転しながら直動する。回転子51は直動方向と回転方向の両方向に変位するので、粒状体62から回転子51に付与される抗力が大きくなり、高い減衰力が生じる。また、密度調節部材47を回転させて作動空間49内の容積を変えると、作動空間49内の粒状体62の密度が変化するので、減衰力を調節することができる。
また、入力部材60と抵抗体50は非円形断面の連結部(連結孔61と連結部材57)を介して直動方向への相対変位を可能に連結されている。変位力付加手段56は、抵抗体50に設けた螺旋状のガイド部(雄ネジ部55)と、軸受部材45に設けた螺旋状のガイド部(雌ネジ部46)を備えている。この構成によれば、入力部材60と抵抗体50が回転方向に変位すると、雄ネジ部55と雌ネジ部46との噛み合いによって抵抗体50に直動方向の変位力が付与されるので、抵抗体50は、連結孔61と連結端部を摺動させながら入力部材60に対して直動方向へ相対変位する。
<実施形態3>
次に、本発明を具体化した実施形態3を図7〜図8を参照して説明する。尚、以下の説明において、上下の方向については、図7〜8にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。
本実施形態3の粒状体ダンパCは、家具等の転倒防止用の緩衝手段等として用いられるものである。図7,8に示すように、粒状体ダンパCは、ケース64と、入力部材75と、抵抗体69と、変位力付加手段74と、ピストン部70(請求項に記載の可動部)と、複数の粒状体77とを備えている。
ケース64は円筒形をなす。ケース64の軸線方向(上下方向)における両端部のうち、一方の端部には軸受部材65が取り付けられている。軸受部材65は、ケース64に対し軸線方向(直動方向)及び周方向(回転方向)の両方向への相対変位を規制されている。軸受部材65の中心孔には、雌ネジ部66(請求項に記載のガイド部)が形成されている。雌ネジ部66のリード角は、比較的大きい角度(例えば、45°より大きい角度)に設定されている。
ケース64の下端部には、密度調節部材67がねじ込みにより取り付けられている。ケース64内の空間のうち上下方向において軸受部材65と密度調節部材67との間の領域は、作動空間68となっている。密度調節部材67を回転させることにより、作動空間68の容積を増減させることができる。
抵抗体69は、ピストン部70と、ピストン部70の上端から上方へ突出したシャフト71とを備えた単一部材である。ピストン部70は、後述する粒状体77に抗力を生じさせるための抗力発生部として機能する。ピストン部70は全体として平板状をなし、ピストン部70の軸線方向と直角な断面形状は、非円形である。シャフト71は、ケース64及び軸受部材65と同軸状の円柱形をなす。シャフト71の外周には雄ネジ部72(請求項に記載のガイド部)が形成されている。雄ネジ部72のリード角は、軸受部材65の雌ネジ部66のリード角と同じ角度である。
抵抗体69は、雄ネジ部72を雌ネジ部66に貫通形態でねじ込むことによってケース64に取り付けられている。抵抗体69をケース64に取り付けた状態では、ピストン部70が作動空間68内に収容されている。シャフト71のうちケース64の上方へ突出した上端部には、円形凸部73(球面状凸部)が形成されている。円形凸部73は、シャフト71の軸線と同軸状の球面からなる。円形凸部73は、入力部材75との連結手段である。
抵抗体69は、ケース64に対し、ケース64及び雌ネジ部66の軸線方向に沿った直動方向と、ケース64及び雌ネジ部66の軸線を中心とする回転方向の両方向への相対変位が可能となっている。雌ネジ部66に雄ネジ部72を貫通形態でねじ込むことにより、変位力付加手段74が構成されている。変位力付加手段74は、後述する入力部材75と一体的に直動方向へ変位する抵抗体69に対し、入力部材75の変位方向(つまり、直動方向)とは異なる回転方向(周方向)の変位力を付与する手段である。
入力部材75は、全体としてシャフト71と同軸状の円柱形をなす。入力部材75は、ケース64の上方に配されている。入力部材75の下端部には、入力部材75の軸線と同軸状の円形凹部76(球面状凹部)が形成されている。円形凹部76の曲率半径は、円形凸部73と同じか、それよりも僅かに大きい寸法に設定されている。円形凹部76と円形凸部73は相対変位を可能に嵌合され、この嵌合より、入力部材75と抵抗体69が連結されている。
入力部材75と抵抗体69は、入力部材75及びシャフト71の軸線方向に沿った直動方向の相対変位を規制され、且つ入力部材75及びシャフト71の軸線を中心とする回転方向(周方向)の相対回転を許容されている。入力部材75の上端部とケース64の下端部は、粒状体ダンパCによる制振対象物(例えば、家屋の壁と家具)に連結されている。
粒状体77は、所定の弾性を有するエラストマーからなり、作動空間68内に収容されている。複数の粒状体77は何れも球状をなし、全ての粒状体77の外径(粒径)は概ね同寸法に設定されている。複数の粒状体77は、ケース64における作動空間68の形成領域の内周面とピストン部70(抵抗体69)の外周面との間、ピストン部70と軸受部材65の下面(作動空間68を構成する上壁部)との間、ピストン部70と密度調節部材67の上面との間に充填された状態となっている。充填された粒状体77の一部は、抵抗体69の外面とケース64の内周面だけでなく、軸受部材65の下端面と密度調節部材67の上端面にも接触している。
入力部材75とケース64に対し、制振対象物から軸線方向の押圧力が入力されると、入力部材75は、ケース64に対し軸線方向下方へ相対変位する。入力部材75の直動方向の動きは、円形凸部73と円形凹部76の連結構造を介して抵抗体69に伝達され、抵抗体69は、入力部材75と一体となってケース64に対して相対変位する。抵抗体69が直動方向に相対変位すると、雄ネジ部72と雌ネジ部66との噛み合いにより、作動空間68内では、ピストン部70が、軸線方向へ相対変位しながら軸線回りに相対回転する。
ケース64に対し、ピストン部70が直動方向と回転方向の両方向へ相対変位すると、作動空間68内では粒状体77が流動する。具体的には、ピストン部70より下方の粒状体77がピストン部70の下面で直接的、間接的に押されることにより、ピストン部70の下方における粒状体77の密度が増大し、粒状体77に弾性反発力が生じる。また、ピストン部70の断面形状は非円形なので、ピストン部70が粒状体77を周方向に押圧するので、この押圧によっても粒状体77には弾性反発力が生じる。
また、粒状体77とピストン部70の外面との間、粒状体77とケース64における作動空間68の形成領域の内周面との間、粒状体77と軸受部材65の下面との間、粒状体77と密度調節部材67の上面との間、及び粒状体77同士の間では、転がり摩擦や滑り摩擦が生じる。上記の弾性反発力と摩擦力は、ケース64に対する抵抗体69(ピストン部70)の直動方向及び回転方向への相対回転を抑制する抗力となる。この抗力は、粒状体ダンパCの減衰力として機能する。
本実施形態3の粒状体ダンパCは、ケース64と、入力部材75と、抵抗体69と、変位力付加手段74と、ピストン部70と、複数の粒状体77とを備えている。入力部材75は、ケース64に対して軸線に沿った直動方向のみに相対変位する。抵抗体69は、入力部材75の相対変位と同じ直動方向に関しては入力部材75と一体的に変位し、入力部材75の相対変位と異なる回転方向に関しては入力部材75に対する相対変位が許容されている。
変位力付加手段74は、入力部材75と一体的に変位する抵抗体69に対し、入力部材75の変位方向とは異なる回転方向の変位力を付与する。ピストン部70は、抵抗体69に形成され、ケース64内に収容されている。粒状体77は、ケース64内に充填され、ケース64内で直動方向及び回転方向に変位するピストン部70に対して変位を抑制する抗力を付与する。
入力部材75がケース64に対して直動方向に相対変位すると、直動方向に変位する抵抗体69には、変位力付加手段74によって回転方向の変位力が付与されるので、ピストン部70はケース64内で直動しながら回転する。ピストン部70は直動方向と回転方向の両方向に変位するので、粒状体77からピストン部70に付与される抗力が大きくなり、高い減衰力が生じる。
また、入力部材75と抵抗体69は、円形凸部73と円形凹部76との嵌合を介すことによって回転方向への相対変位を可能に連結されている。変位力付加手段74は、抵抗体69とケース64に形成した螺旋状のガイド部(雄ネジ部72と雌ネジ部66)を備えて構成されている。この構成によれば、入力部材75と抵抗体69が直動方向に変位すると、雄ネジ部72と雌ネジ部66の噛み合いによって抵抗体69に回転方向の変位力が付与される。これにより、抵抗体69は、円形凸部73と円形凹部76を摺動させながら入力部材75に対して回転方向へ相対変位する。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1では、ケースの内径増減部(テーパ面)が軸線方向下方に向かって次第に小さくなるテーパ状をなすが、内径増減部は、軸線方向下方に向かって次第に大きくなるテーパ状でもよく、軸線方向下方に向かって次第小さくなるテーパ状領域と次第に大きくなるテーパ状領域とを混在させた形態でもよく、軸線方向下方に沿って内径が段差状に変化する形態でもよい。
(2)上記実施形態1において、実施形態2,3の容積調整部材をケースに設けてもよい。
(3)上記実施形態1では、抵抗体の上部シャフトの上端部と下部シャフトの下端部に螺旋状のガイド部(雄ネジ部)を形成したが、螺旋状のガイド部を形成するのは、入力部材側の上部シャフトだけであってもよく、入力部材とは反対側の下部シャフトだけであってもよい。
(4)上記実施形態1,2では、抵抗体が、回転子から上方へ突出する上部シャフトと回転子から下方へ突出する下部シャフトの2本のシャフトを有するが、抵抗体は、回転子から上方へ突出するシャフトのみを有する形態であってもよい。この場合、抵抗体の直動に伴ってケース内へのシャフトの進入体積が増減するので、ケース内における粒状体の密度が増減し、減衰力が増減する。
(5)上記実施形態1,2では、回転子の断面形状を回転軸と同軸状の円形としたが、回転子の断面形状は非円形であってもよい。
(6)上記実施形態1では、入力部材と抵抗体を一体的に回転させ且つ入力部材と抵抗体の直動方向の相対変位を許容する連結手段として、上部シャフトの外周に形成した非円形断面の連結端部と入力部材に形成した非円形断面の連結孔とを嵌合したが、上部シャフトに形成した非円形断面の連結孔と入力部材の外周に形成した非円形断面の連結端部とを嵌合させてもよい。
(7)上記実施形態1,2では、粒状体ダンパをドアヒンジに適用したが、実施形態1,2の粒状体ダンパは、ドアヒンジ以外の機器や装置(例えば、ドアクローザー、便器装置の弁座や弁蓋)にも適用することができる。
(8)上記実施形態1,2では、回転子の外周面とケースの内周面との間に粒状体を移動させることが可能なスペースを設けたが、回転子の外周面とケースの内周面は、粒状体の流動ができない程度に接近していてもよい。この場合、回転子に、粒状体が通過可能な軸線方向の貫通孔を形成すればよい。
(9)上記実施形態2では、入力部材と抵抗体を一体的に回転させ且つ入力部材と抵抗体の直動方向の相対変位を許容する連結手段として、上部シャフトの上端部に固着した非円形断面の連結部材と入力部材に形成した非円形断面の連結孔とを嵌合したが、上部シャフト又は連結部材に形成した非円形断面の連結孔と入力部材の外周に形成した非円形断面の連結端部とを嵌合させてもよい。
(10)上記実施形態1〜3では、ガイド部が雄ネジ部と雌ネジ部とで構成されているが、ガイド部はボールネジで構成されていてもよい。
(11)上記実施形態2では、回転子のテーパ面を回転子の上端部のみに形成したが、テーパ面は、回転子の上端部と下端部の両方に形成してもよく、回転子の下端部のみに形成してもよい。
(12)上記実施形態2,3において、実施形態1のテーパ面(内径増減部)をケースに形成してもよい。
(13)上記実施形態3では、入力部材に円形凹部を形成し、抵抗体に円形凸部を形成したが、これとは逆に、入力部材に円形凸部を形成し、抵抗体に円形凹部を形成してもよい。
(14)上記実施形態3では、円形凸部と円形凹部を球面状としたが、円形凸部と円形凹部は、回転軸と同軸状の円板形や円錐形等であってもよい。
(15)上記実施形態3では、ピストン部の断面形状を非円形としたが、ピストン部の断面形状は回転軸と同軸状の円形であってもよい。
(16)上記実施形態3では、ピストン部の外周面とケースの内周面との間に粒状体を移動させることが可能なスペースを設けたが、ピストン部の外周面とケースの内周面は、粒状体の流動ができない程度に接近していてもよい。この場合、ピストン部に、粒状体が通過可能な軸線方向の貫通孔を形成すればよい。
A,B,C…粒状体ダンパ、18,43,60…ケース、19…下部雄ネジ部(ガイド部)、22…上部雄ネジ部(ガイド部)、23…テーパ面(内径増減部)、24,50,69…抵抗体、25,51…回転子(可動部)、28…上部雌ネジ部(ガイド部)、29…下部雌ネジ部(ガイド部)、30,56,74…変位力付加手段、31…連結端部(連結部)、34,60,75…入力部材、35,61…連結孔(連結部)、36,62,77…粒状体、46,62…雌ネジ部(ガイド部)、55,72…雄ネジ部(ガイド部)、57…連結部材(連結部)、70…ピストン部(可動部)、73…円形凸部、76…円形凹部

Claims (4)

  1. ケースと、
    前記ケースに対して軸線に沿った直動方向と軸線周りの回転方向のうちいずれか一方向のみに相対変位する入力部材と、
    前記入力部材の相対変位と同じ方向に関しては前記入力部材と一体的に変位し、前記入力部材の相対変位と異なる方向に関しては前記入力部材に対する相対変位が許容された抵抗体と、
    前記入力部材と一体的に変位する前記抵抗体に対し、前記入力部材の変位方向とは異なる方向の変位力を付与する変位力付加手段と、
    前記抵抗体に形成され、前記ケース内に収容された可動部と、
    前記ケース内に充填され、前記ケース内で直動方向及び回転方向に変位する前記可動部に対して変位を抑制する抗力を付与する複数の粒状体とを備えていることを特徴とする粒状体ダンパ。
  2. 前記入力部材が前記ケースに対して回転方向のみに相対変位可能であり、
    前記入力部材と前記抵抗体が非円形断面の連結部を介して直動方向への相対変位を可能に連結され、
    前記変位力付加手段が、前記抵抗体と前記ケースに設けた螺旋状のガイド部を備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の粒状体ダンパ。
  3. 前記入力部材が前記ケースに対して直動方向のみに相対変位可能であり、
    前記入力部材と前記抵抗体が、円形凸部と円形凹部との嵌合を介すことによって回転方向への相対変位を可能に連結され、
    前記変位力付加手段が、前記抵抗体と前記ケースに設けた螺旋状のガイド部を備えて構成されていることを特徴とする請求項1記載の粒状体ダンパ。
  4. 前記ケースの内周のうち前記可動部の直動経路と対応する領域には、直動方向に沿って内径が増減する内径増減部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の粒状体ダンパ。
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