JP2020026506A - 化合物、感光性樹脂組成物、硬化性組成物、カラーフィルタの画素形成方法及びカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、先の画素が形成された基板上に、次色の感光性樹脂組組成物を塗布すると、感光性樹脂組成物中の着色剤が前記画素に浸透して色移りする場合がある(特許文献1)。
したがって、本発明の課題は、硬化性に優れた硬化物を形成可能な硬化性組成物及び感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物の硬化物の硬化性向上に有効な化合物、該感光性樹脂組成物の硬化物である画素を有するカラーフィルタ、並びに該感光性樹脂組成物を用いたカラーフィルタの画素形成方法を提供することにある。
R1、及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、架橋性基を有する1価の基、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する基を除く)を示す。但し、2つのR1及びR2のうち少なくとも1つは架橋性基を有する1価の基である。
R3〜R5は、それぞれ独立に、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する1価の基を除く)を示す。R2及びR3は、互いに結合して環構造を形成することができる。R4及びR5は、互いに結合して環構造を形成することができる。
X1は、メチレン基又は−NR6−で示される2価の基を示す。
R6は、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する基を除く)を示す。〕
(A)特定化合物、
(B)アルカリ可溶性樹脂、及び
(C)光開始剤
を含有することを特徴とする、感光性樹脂組成物を提供するものである。
(A1)前記式(1)に示す構造を有する化合物であって、前記式(1)中のR1に係る架橋性基を有する基が(メタ)アクリロイル基を有する基である化合物、
(B)アルカリ可溶性樹脂、及び
(C1)光ラジカル重合開始剤
を含有することを特徴とする、感光性樹脂組成物を提供するものである。
(1)基板上に、前記感光性樹脂組成物の塗膜を形成する工程、
(2)前記塗膜を選択的に露光する工程
(3)露光後の塗膜を現像する工程、及び
(4)現像後の塗膜を加熱する工程
を有することを特徴とする、カラーフィルタの画素形成方法を提供するものである。
化合物
本発明に係る特定化合物は、下記式(1)に示す構造を有することを特徴とするものである。
R1、及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、架橋性基を有する1価の基、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する基を除く)を示す。但し、2つのR1及びR2のうち少なくとも1つは架橋性基を有する1価の基である。
R3〜R5は、それぞれ独立に、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する1価の基を除く)を示す。R2及びR3は、互いに結合して環構造を形成することができる。R4及びR5は、互いに結合して環構造を形成することができる。
X1は、メチレン基又は−NR6−で示される2価の基を示す。
R6は、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する基を除く)を示す。〕
R1及びR2に係る1価の架橋性基としては、ラジカル、酸、熱により架橋可能な架橋性基を用いることが可能であり、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する基、環状エーテル基、アルコキシシリル基等を挙げることができる。
環状エーテル基としては、例えば、オキシラニル基、オキセタニル基を挙げることができる。
アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基を挙げることができる。
2つのR1及びR2のうち少なくとも1つが(メタ)アクリロイル基を有する基であることが好ましく、2つのR1及びR2のすべてが(メタ)アクリロイル基を有する基であることが更に好ましい。なお、2つのR1及びR2のうち1つのみが(メタ)アクリロイル基を有する基である場合、残りは水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基が好ましい。
R3は、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基であるか、あるいはR2及びR3が互いに結合して環構造を形成していることが好ましい。
R4及びR5は、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基であるか、あるいは互いに結合して環構造を形成していることが好ましい。
X1に係る−NR6−で示される2価の基において、R6は、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基が好ましい。
R11及びR12は、水素原子、架橋性基を有する1価の基、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する1価の基を除く)を示す。但し、2つのR1及びR12のうち少なくとも1つは架橋性基を有する1価の基である。
R13〜R15は、それぞれ独立に、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する1価の基を除く)を示す。
nは、0〜3の整数を示す。〕
前記(2)において、2つのR11のうち少なくとも1つが(メタ)アクリロイル基を有する基であることが好ましく、2つのR11がすべて(メタ)アクリロイル基を有する基であることが更に好ましい。
前記(3)において、2つのR11及びR12のうち少なくとも1つが(メタ)アクリロイル基を有する基であることが好ましく、2つのR11及びR12がすべて(メタ)アクリロイル基を有する基であることが更に好ましい。
R13〜R15は、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が更に好ましい。
nは、0〜2の整数が好ましい。
本発明に係る特定化合物は適宜の方法により製造することが可能であるが、例えば、イミン化合物とイソシアネート化合物とを反応させて製造することが可能である。以下、前記式(2)又は(3)で示す構造を有する特定化合物について合成スキームを示す。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)特定化合物と、(B)アルカリ可溶性樹脂及び(C)光開始剤を含有することを特徴とするものである。
以下、本発明の感光性樹脂組成物の構成成分について説明する。
(A)特定化合物は、前記式(1)に示す構造を有する化合物であり、その具体的構成は、上記において説明したとおりである。なお、本明細書において、R1及びR2に係る架橋性基として、(メタ)アクリロイル基を有する特定化合物を、(A1)特定化合物とするが、以下の説明において(A)特定化合物は、(A1)特定化合物を包含する概念である。
(A)特定化合物は、前述のとおり、140〜230℃に加熱すると速やかに分解する性質を有するため、例えば、感光性樹脂組成物の塗膜を加熱するポストベーク工程において、2分子のイソシアネート化合物と、1分子のイミン化合物が生成する。そして、イソシアネート化合物のイソシアネート基は、例えば、後述する(B)アルカリ可溶性樹脂が有するアルカリ可溶性基等の活性水素基や、(E)着色剤等が有する活性水素基と反応するため、分子間で架橋構造を形成することができる。また、2つのイソシアネート化合物のうち少なくとも一方が架橋性基として(メタ)アクリロイル基を有する場合、後述する(D)ラジカル重合性化合物と反応し、分子間で架橋構造を形成することができる。このように、(A)特定化合物の分解により生成したイソシアネート化合物の架橋性基及びイソシアネート基が架橋構造の形成に寄与し、硬化物の架橋密度を高めるため、硬化物の硬化性を向上させることができる。これにより、硬化物の硬化性不良に起因する色移り等の問題を解決することができる。
更に、分解反応により生成するイミン化合物は、イソシアネート化合物と活性水素基との反応の反応促進剤として機能するため、硬化物の架橋密度の向上に寄与することができる。
このように、本願発明者らは、(A)特定化合物が有する特性に着目し、従来とは異なる手段により、硬化物の架橋密度を高め、硬化物の硬化性を向上できることを見出したものである。
なお、本明細書中における「固形分」とは、感光性樹脂組成物中に含まれる(F)溶媒を除く全成分を示す。
(B)アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像性を有する樹脂であれば特に限定はされない。アルカリ可溶性基としては、硬化性及び現像性の観点から、カルボキシ基、フェノール性水酸基、スルホ基、ホスホノ基等の酸性官能基を有することが好ましく、感光性樹脂組成物の硬化物の硬化性の観点から、活性水素基であるカルボキシ基及びフェノール性水酸基が更に好ましい。
(B)アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基を有する重合体(以下、「カルボキシル基含有重合体」とも称する。)が好ましく、例えば、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b1)」とも称する。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b2)」とも称する。)との共重合体を挙げることができる。なお、(B)アルカリ可溶性樹脂は、1種又は2種以上を含有することができる。
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アセナフチレン等の芳香族ビニル化合物;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。なお、不飽和単量体(b2)は、1種又は2種以上を使用することができる。
(C)光開始剤としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線に感応してラジカルを発生し重合を開始し得る化合物[(C1)光ラジカル重合開始剤)]、あるいは放射線に感応して酸を発生する化合物[(C2)光酸発生剤]を挙げることができる。本発明の感光性樹脂組成物は、(C)光開始剤を含有することにより、感放射線性を有することができる。(C)光開始剤は、R1及びR2に係る1価の架橋性基の種類により適宜選択することができる。例えば、R1及びR2に係る1価の架橋性基がエチレン性不飽和二重結合を有する基の場合、(C1)光ラジカル発生剤を含有することによりネガ型の感放射線性を有することが可能であり、また、R1及びR2に係る1価の架橋性基が、環状エーテル基、アルコキシシリル基の場合、(C2)光酸発生剤を含有することによりネガ型の感放射線性を有することができる。(C)光開始剤は、1種又は2種以上を含有することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物中に、(A)特定化合物として、(A1)特定化合物を、(C)光開始剤として(C1)光ラジカル重合開始剤を含有する場合、更に(D)ラジカル重合性化合物を含有することができる。
(D)ラジカル重合性化合物は、分子内に1又は2以上のラジカル重合性基を有する化合物である。ラジカル重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。エチレン性不飽和基としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等を挙げることができる。中でも、(D)ラジカル重合性化合物としては、硬化性、現像性、耐熱性及び耐溶剤性の向上の観点から、1又は2以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は1又は2以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましく、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が更に好ましい。(D)ラジカル重合性化合物は、1種又は2種以上含有することが可能である。
本発明の感光性樹脂組成物は、更に(E)着色剤を含有することができる。
(E)着色剤は特に限定されるものではなく、用途に応じて色彩や材質を適宜選択することが可能であり、(E1)染料、及び(E2)顔料の何れをも使用することができる。中でも、本発明の効果を享受しやすい点で、(E1)染料が好ましい。(E)着色剤は、1種又は2種以上を含有することができる。
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントグリーン62、C.I.ピグメントグリーン63等の緑色顔料;
C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80等の青色顔料;
C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー179、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー211、C.I.ピグメントイエロー215、C.I.ピグメントイエロー231等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ38等の橙色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29等の紫色顔料;
特表2011−523433号公報の式(Ic)で表されるブロモ化ジケトピロロピロール顔料;
特開2001−081348号公報、特開2010−026334号公報、特開2010−237384号公報、特開2010−237569号公報、特開2011−006602号公報、特開2011−145346号公報等に記載のレーキ顔料;を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、成分(A)、(B)及び(C)、並びに任意的に加えられる他の成分を含有するものであるが、通常、(F)溶媒を含有する液状組成物である。
(F)溶媒としては、感光性樹脂組成物を構成する成分(A)、(B)及び(C)や他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。(F)溶媒は、1種又は2種以上を含有することができる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル;
ブタノール、イソプロパノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等の(シクロ)アルキルアルコール;
ジアセトンアルコール等のケトアルコール;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の環状エーテル;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、等のアルコキシカルボン酸エステル;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の脂肪酸アルキルエステル;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド又はラクタム等を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の現像性改善剤、ビス−(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホナート等の硬化促進剤等の他、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物は、成分(A)、成分(X)、並びに成分(Y)を含有する。
本発明のカラーフィルタの画素形成方法は、工程(1)〜(4)を含むものである。以下、各工程について説明する。
工程(1)は、基板上に、(E)着色剤を含む本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、塗膜を形成する工程である。
<基板>
基板としては、通常、可視光に対して透過率の高い透明基板が用いられ、ガラス基板でも、樹脂製基板でもよい。例えば、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、合成石英ガラス、ソーダライムガラス、ホワイトサファイア等のガラス基板;ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド等の樹脂製基板を挙げることができる。
感光性樹脂組成物の塗布方法としては公知の方法を採用することができる。例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バーコート法が挙げられ、中でも、均一な膜厚の塗膜が得られる点から、スピンコート法、スリットダイ塗布法が好ましい。また、他の例として、インクジェット方式を採用してもよく、例えば、特開平7−318723号公報、特開2000−310706号公報等に記載の方法を挙げることができる。更に、ドライフィルム法を採用することが可能であり、例えば、特開平9−5991号公報等に記載の方法が挙げられる。
塗布後、加熱処理(「プレベーク」ともいう)することが可能であり、通常70〜110℃で1〜10分程度である。また、減圧乾燥してもよい。減圧乾燥は、通常常温にて1〜15分間程度、好ましくは1〜10分間であり、通常50〜200Paに到達するまで行う。また、塗膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常0.6〜8μm、好ましくは1.2〜5μmである。
工程(2)は、工程(1)で得られた塗膜を露光する工程であるが、塗膜の少なくとも一部に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して選択的に露光する。露光方法としては、等倍投影露光及び縮小投影露光が挙げられる。
露光に使用する光としては、通常、波長190〜500nmの光が用いられる。具体的には、g線、h線、およびi線、並びにこれらを複数含む水銀灯;エキシマーレーザー;半導体レーザー;が挙げられる。
露光量は、一般的には10〜10,000J/m2が好ましい。
工程(3)は、工程(2)の露光後の塗膜を現像する工程である。
現像は、通常、現像液を用いて非露光部の塗膜を溶解除去する。
前記現像液としては、アルカリ性の現像液が挙げられ、具体的には、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が挙げられる。現像液には、例えば、メタノール、エタノール等の有機溶剤、消泡剤、界面活性剤等を含有することができる。
現像方法としては、例えば、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法が挙げられる。現像条件は、例えば、23℃で5〜300秒間である。
現像後、通常水で塗膜を洗浄する。また、洗浄後、例えば、圧縮空気や圧縮窒素等で塗膜を風乾させることもできる。
工程(4)は、工程(3)で得られた塗膜を加熱する工程である。
ポストベークの条件は適宜設定することが可能であるが、通常180〜280℃で10〜60分程度である。
本発明のカラーフィルタは、前述したカラーフィルタの画素形成方法によって形成することが可能であり、画素は(E)着色剤を含有する本発明の感光性樹脂組成物の硬化物により構成されている。
下記条件下でゲルパーミエーションクロマトグラフィー法にてアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)を測定した。
・装置 :装置名「GPC−104」(昭和電工(株)製)
・カラム :昭和電工(株)製のカラム、製品名「KD−G」、製品名「KF−603」、製品名「KF−602」、及び製品名「KF−601」をこの順に直列に接続
・移動相 :ジメチルホルムアミド
・カラム温度:40℃
・検出方法 :屈折率法
・標準物質 :ポリスチレン
実施例1
化合物(A1)の製造
フラスコ内を窒素置換後、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン10.8gと脱水THF100gを加えて撹拌した。0℃に冷却し、撹拌しながら2−イソシアナトエチルアクリレート20gを0℃で20分かけて滴下した。
滴下後、撹拌しながら23℃まで昇温した後、エバポレータにて揮発成分を半分程度になるまで留去したところ、無色の粉末が析出した。析出した粉末を濾取し、前記粉末をヘキサンで洗浄し、次いで減圧下で乾燥することで化合物(A1)を24.3g得た。
化合物(A1)の構造を1H NMRで測定したところ、下記式(A1)に示す化合物であることが明らかになった。1H NMRの帰属は以下のとおりである。
1H NMR(ppm、CDCl3):6.40(dd、2H)、5.80‐6.12(m、2H)、5.83(dd、2H)、4.42−4.29(m、5H)、4.14(t、2H)、3.99(dt、1H)、3.77(dt、1H)、3.20−3.11(m、2H)、3.05(m、1H)、2.90(m、1H)、2.74(dd、1H)、2.14(dd、1H)、1.98(m、2H)、1.81(m、2H)、1.69(m、3H)、1.51−1.25(m、2H)
化合物(A2)の製造
フラスコ内を窒素置換、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン3.7gと脱水THF40gを加えて撹拌した。0℃に冷却し、撹拌しながらメタクリロイルオキシエトキシエチルイソシアネート9.7gを0℃で20分かけて滴下した。
滴下後、撹拌しながら23℃まで昇温した後、エバポレータにて揮発成分を留去すると粘稠な液体が得られた。得られた粘稠な液体をヘキサンにて液−液洗浄し、ヘキサンを留去して、化合物(A2)を12.5g得た。
化合物(A2)の構造を1H NMRで測定したところ、下記式(A2)に示す化合物であることが明らかになった。1H NMRの帰属は以下のとおりである。
1H NMR(ppm、CDCl3):6.12(s、2H)、5.57(d、2H)、4.36(dd、1H)、4.28(t、2H)、4.24(t、2H)、4.02(t、2H)、3.89(m、1H)、3.74−3.61(m、9H)、3.15(m、1H)、3.09(m、2H)、2.90(m、1H)、2.71(dd、1H)、2.24(m、1H)、1.96(dd,1H)、1.94(s、6H),1.89(m、1H)、1.77(m、2H)、1.66(m、2H),1.60(m、1H)、1.44(m、1H)、1.33(m、1H)
化合物(A3)の製造
フラスコ内を窒素置換、2−(tert−ブチル)−1,1,3,3−テトラメチルグアニジン1.5gと脱水THF20gを加えて撹拌した。0℃に冷却し、撹拌しながら2−イソシアナトエチルアクリレート3.8gを0℃で5分かけて滴下した。
滴下後、撹拌しながら23℃まで昇温した後、エバポレータにて揮発成分を留去すると粘稠な液体が得られた。得られた粘稠な液体をヘキサンにて液−液洗浄し、ヘキサンを留去して、化合物(A3)を3.4g得た。
化合物(A3)の構造を1H NMRで測定したところ、下記式(A3)に示す化合物であることが明らかになった。1H NMRの帰属は以下のとおりである。
1H NMR(ppm、CDCl3):6.39(dd、3H)、6.15−6.02(m、3H)、5.83(dd、3H)、4.40(t、4H)、4.34(t、2H)、4.14(t、2H)、3.63(t、4H)、2.46(s、12H)
合成例1〜3で使用するモノマーの略称とその詳細を下記表1に示す。
アルカリ可溶性樹脂(B1)を含有する樹脂溶液(B1−1)の製造
フラスコに、10gのSt、12gのPMI、12.5gのHEMA、13gのMMA、25gのCHMA、15gのMA、12.5gのHOAMS、200gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを入れ撹拌し、3gのアゾイソブチロニトリル及び5gのペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を入れ撹拌し、容器内を窒素充填した。窒素バブリングを行いながら、80℃で5時間加熱し、アルカリ可溶性樹脂(B1)を33質量%含有する樹脂溶液(B1−1)を得た。アルカリ可溶性樹脂(B1)のMwは10,000、Mw/Mnは2.5であった。
アルカリ可溶性樹脂(B2)を含有する樹脂溶液(B2−1)の製造
フラスコに、8gのSt、10gのPMI、12.5gのHEMA、7gのMMA、15gのCHMA、20gのMOI−BM、15gのMA、12.5gのHOAMS、及び200gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを入れ撹拌し、3gのアゾイソブチロニトリル、及び5gのペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を入れ撹拌し、容器内を窒素充填した。窒素バブリングを行いながら、80℃で5時間加熱し、アルカリ可溶性樹脂(B2)を33質量%含有する樹脂溶液(B2−1)を得た。アルカリ可溶性樹脂(B2)のMwは10,300、Mw/Mnは2.5であった。
アルカリ可溶性樹脂(B3)を含有する樹脂溶液(B3−1)の製造
フラスコに、8gのSt、10gのPMI、12.5gのHEMA、7gのMMA、15gのCHMA、20gのM100、15gのMA、12.5gのHOAMS、及び200gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを入れ撹拌し、3gの2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び5gのペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を入れ撹拌し、容器内を窒素充填した。窒素バブリングを行いながら、70℃で7時間加熱し、アルカリ可溶性樹脂(B3)を33質量%含有する樹脂溶液を得た。アルカリ可溶性樹脂(B3)のMwは10,500、Mw/Mnは2.3であった。
製造例1〜2
顔料分散液(E1−1)及び(E2−1)の製造
湿式ビーズミルにより、表3に示す成分を含有する顔料分散液(E1−1)及び(E2−1)を製造した。
製造例1B、実施例1B〜9B、比較例1B〜3B
感光性樹脂組成物(R1)〜(R12)、及び(G1)の製造
下記表4に示す量の各成分を均一に混合し、下記表4に示す固形分濃度となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにて調整し、感光性樹脂組成物(R1)〜(R12)、及び(G1)を製造した。
実施例1C
画素(R1)の製造及び移染性の評価
感光性樹脂組成物(R1)を、ナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が表面に形成されたソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、100℃のホットプレートで2分間加熱し、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。この基板を室温に冷却したのち、マスクを介して、塗膜を等倍投影露光した(露光量:400J/m2)。露光後、0.04質量%水酸化カリウム水溶液で現像し(シャワー現像、時間:60秒間、シャワー現像液圧:1kgf/cm2、シャワーノズル径:1mm)、水洗し、風乾し、オーブンで150℃で30分間加熱し、前記基板上に複数個の画素(R1)(画素の形状は縦100μm、横100μm、高さ2.5μmの立方体)を製造した。
画素(R1)のCIE表色系における色度座標値(x、y)及び刺激値(Y)を、カラーアナライザー(装置名「MCPD2000」、大塚電子(株)製)にて測定した。
画素(R1)を有する前記基板上に、スピンコートにて感光性樹脂組成物(G1)の塗布し、ホットプレートにて100℃で2分間加熱し、画素(R1)上の厚さが2.5μmの感光性樹脂組成物(G1)の塗膜を形成した。感光性樹脂組成物(G1)の塗膜を室温に冷却し、0.04質量%水酸化カリウム水溶液を塗布し(シャワー塗布、時間:60秒間、シャワー液圧:1kgf/cm2、シャワーノズル径:1mm)、水洗し、風乾して、感光性樹脂組成物(G1)の塗膜を除去した。
感光性樹脂組成物(G1)の塗膜を除去後の画素(R1)のCIE表色系における色度座標値(x、y)及び刺激値(Y)を、カラーアナライザー(装置名「MCPD2000」、大塚電子(株)製)にて測定した。
A:ΔE* abが5.0未満
B:ΔE* abが5.0以上10.0未満
C:ΔE* abが10.0以上
画素(R2)〜(R12)の製造及び移染性の評価
実施例1Cにおいて、感光性樹脂組成物(R1)の代わりに、表6に示す感光性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1Cと同じ操作にて、画素(R2)〜(R12)を製造した。また、実施例1Cと同じ操作にて、画素(R2)〜(R12)の移染性を評価した。評価結果を表6に併せて示す。
Claims (10)
- 下記式(1)に示す構造を有することを特徴とする、化合物。
R1、及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、架橋性基を有する1価の基、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する基を除く)を示す。但し、2つのR1及びR2のうち少なくとも1つは架橋性基を有する1価の基である。
R3〜R5は、それぞれ独立に、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する1価の基を除く)を示す。R2及びR3は、互いに結合して環構造を形成することができる。R4及びR5は、互いに結合して環構造を形成することができる。
X1は、メチレン基又は−NR6−で示される2価の基を示す。
R6は、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する基を除く)を示す。〕 - 前記架橋性基を有する基が(メタ)アクリロイル基を有する基である、請求項1に記載の化合物。
- 次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)請求項1に記載の化合物、
(B)アルカリ可溶性樹脂、及び
(C)光開始剤
を含有することを特徴とする、感光性樹脂組成物。 - 次の成分(A1)、(B)及び(C1);
(A1)請求項2に記載の化合物、
(B)アルカリ可溶性樹脂、及び
(C1)光ラジカル重合開始剤
を含有することを特徴とする、感光性樹脂組成物。 - 更に、成分(D)としてラジカル重合性化合物(但し、成分(A1)を除く)を含有する、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- 更に、成分(E)として着色剤を含有する、請求項3〜5に記載の感光性樹脂組成物。
- 成分(E)が(E1)染料である、請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
- 次の成分(A)、(X)及び(Y)を含有することを特徴とする硬化性組成物。
(A)下記式(1)に示す構造を有する化合物
(X)下記式(1)に示すR1及びR2に係る1価の架橋性基の架橋を開始する開始剤
(Y)活性水素基を有する化合物
R1、及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、架橋性基を有する1価の基、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する基を除く)を示す。但し、2つのR1及びR2のうち少なくとも1つは架橋性基を有する1価の基である。
R3〜R5は、それぞれ独立に、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する1価の基を除く)を示す。R2及びR3は、互いに結合して環構造を形成することができる。R4及びR5は、互いに結合して環構造を形成することができる。
X1は、メチレン基又は−NR6−で示される2価の基を示す。
R6は、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基(前記架橋性基を有する基を除く)を示す。〕 - 次の工程(1)、(2)、(3)及び(4);
(1)基板上に、請求項6又は7に記載の感光性樹脂組成物の塗膜を形成する工程、
(2)前記塗膜を選択的に露光する工程
(3)露光後の塗膜を現像する工程、及び
(4)現像後の塗膜を加熱する工程
を有することを特徴とする、カラーフィルタの画素形成方法。 - 請求項6又は7に記載の感光性樹脂組成物の硬化物である画素を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
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