JP2020025056A - Iii族窒化物半導体の製造方法およびイオン注入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】III族窒化物半導体におけるアクセプタ活性化の向上を図る。【解決手段】III族窒化物半導体の製造において、貫通転位密度が1×107cm−2以下であるIII族窒化物半導体層内にII族原子をイオン注入し、加えて窒素イオンを共注入し、然る後、活性化処理、即ち、II族原子イオンと窒素イオンの共注入を行った後に、AlNやSi3N4やSiO2などの保護膜をイオン注入領域上に形成して窒素雰囲気中で1200℃以上の温度でアニール処理し、p型のIII族窒化物半導体11を製造する。【選択図】図1

Description

本発明はIII族窒化物半導体の製造方法およびイオン注入装置に関する。詳しくは、イオン注入方法によって不純物をドーピングし、デバイス内の選択領域にp型の任意の高キャリア濃度領域を形成するための製造方法およびイオン注入装置である。
Si半導体の集積回路やSiC半導体系パワーデバイスと同様に、III族窒化物半導体にイオン注入方法によって不純物をドーピングしてp型領域およびn型領域を形成する研究は既に報告がある。例えば、特許文献1や非特許文献1に記載がある。
これらはいずれもn型領域形成をするためにドナー元素(例えばSiやGeなど)のみ、p型領域形成をするためにアクセプタ元素(例えばMgなど)のみをイオン注入して領域を形成する。イオン注入プロセスの後に、熱処理などを施すことによって、イオン注入によって誘起された結晶欠陥の回復を行い、結晶品質を高める。また注入原子をGaなどのIII族原子サイトに配置させることによってドナーあるいはアクセプタ―としての活性化を図っている。
また、特許文献1では、イオン注入に際しIII族窒化物半導体の窒素原子が注入イオンの衝撃で結晶から脱離しやすいこと、熱アニールの際にも窒素原子が結晶から脱離しやすいこと、これらにより結晶内の窒素が不足し、窒素空孔による欠陥が多量に発生していること、イオン注入によって注入した原子は主にIII族窒化物半導体の結晶格子間に入るが、このままではドナー或いはアクセプタとして活性化しないので、Ga等III族原子サイトに配置させる必要があるが、単に熱アニールしたのみでは、注入原子がGa等III族原子サイトではなく窒素サイトに組み込まれる可能性が有り、その場合は所望のキャリア供給源とは成り得ないこと、などを鑑み、イオン注入による窒素空孔の抑制を図ること、注入した原子のGa等III族原子サイトへの配置を向上すること、が記載されている。
特許第4852786号公報
J.C.Zolper, et al., Appl. Phys. Lett. 70(20), 19 May 1997, pp.2729−2731 Phys. Status Solidi B 252, No. 12, 2794−2801 (2015) Applied Physics Express 10, 061002 (2017) Physical Review B 93, 165207(2016) Applied Physics Express 10, 016501 (2017) M.A.Reshchikov, D.O. Demchenko, J.D. McNamara, S. Fernandez−Garrido, and R. Calarco, Physical Review B 90, 035207 (2014)
しかし、p型領域形成をするためのII族イオン注入に関しては、イオン注入プロセス中に導入される結晶欠陥の抑制、特に窒素空孔関連発生の抑制と、注入したII族原子のGaなどのIII族原子サイトへ配置向上の両立は未だ実現されておらず、実際にIII族窒化物半導体デバイス、特に電子デバイスには実用化されていない。
選択領域にp型の任意の高キャリア濃度領域を形成する方法は、例えば有機金属気相成長法(metal−organic vapor phase epitaxy、MOVPE法)でMgを添加したIII族窒化物半導体の積層膜を再成長し、ドライエッチングなどで選択的に膜除去するという方法が存在する。しかしながらこれらのプロセスでは、再成長工程の際に成長界面に意図しない不純物が混入するという課題や、エッチングプロセス時に導入される結晶欠陥の発生など、技術的課題がより高度に複雑化する。さらに所望の形成領域を達成するまでの工程数も多くなり、製造コストが高くなり、不利になるという問題も有する。
よって、任意の領域に簡易的に高キャリア濃度領域を形成できるイオン注入技術は、有力な技術である。しかしながら、課題は大きく2つ存在する。
一つはイオン注入プロセス中に導入される結晶欠陥の発生や、イオン注入後に行われる結晶回復のための熱処理のみでは結晶の品質が十分に回復できないという課題がある。つまり、イオン注入前よりも結晶内に欠陥が多いデバイスとなる課題がある。
もう一つは、熱処理のみではMg原子のアクセプタとしての活性化は十分ではないという課題がある。つまり、熱処理のみによるGa等III族原子サイトへのMg原子配置(例えばMgGa)が十分に行われないこと、さらに、III族原子サイトへのMg原子配置が上手く行われたとしても、結晶内に存在する窒素空孔(V)との自己補償効果によって、注入されたMg原子の活性化率が向上しないという課題がある。
例えば、窒化ガリウム半導体へのMgイオン注入後に結晶内欠陥が多く残る報告は、非特許文献2,3やその引用参考文献に記載がある。また窒化ガリウム半導体結晶内のMgGaとVとの相互作用については、例えば、非特許文献4やその引用参考文献に記載がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、III族窒化物半導体へのイオン注入によって誘起される窒素空孔の結晶欠陥抑制と同時に、イオン注入されたII族原子をIII族原子サイトへの置換配置を促すことによって、活性化率の向上の両立を実現するIII族窒化物半導体の製造方法およびイオン注入装置を提供するという目的を達成しようとするものである。
本発明者らは、上記の課題に対して検討を重ねて、原因は次のようなものであると考えた。
まず、イオン注入時に、注入された原子と結晶内にある窒素原子の衝突により、もともと窒素サイトに存在した窒素原子が離脱し、窒素空孔を生成しやすいこと。また、イオン注入後の熱処理においても窒素原子が結晶外へ離脱すること。さらに単に熱処理のみの工程では、結晶内に窒素空孔のクラスター化が発生しやすいこと。これらの過程により窒化物半導体結晶内の窒素原子が不足し、結果として窒素空孔による結晶欠陥が多量に発生していることである。
またイオン注入によって注入されたII族原子は主に結晶格子間に入るが、アクセプタとしては活性化しないので、活性化させるにはIII族原子サイトに置換配置させることが必要である。単に熱処理のみの工程では、注入されたII族原子はIII族原子サイトだけでなく窒素サイトや結晶格子間に組み込まれる可能性が十分にある。この場合、キャリア供給源とは成り得ない。
本発明者らは、これらのような状態を改善するための手段を模索して、本発明に想到したものである。
本発明のIII族窒化物半導体の製造方法は、III族窒化物半導体の製造において、貫通転位密度が1×10cm−2以下であるIII族窒化物半導体層内にII族原子をイオン注入し、加えて窒素イオンを共注入し、然る後、活性化処理してp型のIII族窒化物半導体を製造することにより上記課題を解決した。
本発明において、貫通転位密度が1×10cm−2以下である前記III族窒化物半導体層内に注入された前記窒素イオンの注入量nNと、前記II族原子イオンの注入量nMとの比を、
nM=1×1019cm−3以上の場合には、nN/nM=0.5〜5の範囲、
M=1×1019cm−3より小さい場合は、nN/nM=0.01〜10の範囲、
とすることがより好ましい。
本発明は、貫通転位密度が1×10cm−2以下である前記III族窒化物半導体層内に注入された前記II族原子が深さ方向に分布する領域において、前記II族原子の分布する領域の全体、もしくは、前記II族原子の分布する領域の少なくとも一部に、イオン注入された前記窒素原子が分布することが可能である。
本発明において、前記III族窒化物半導体層内に前記II族原子のイオン注入に加えて、前記窒素イオンの注入、さらに、水素イオンの注入をおこなうこともできる。
ここでIII族窒化物半導体とは、例えばGaN、AlN、InN、BN等の窒素を含む化合物半導体をいう。
またII族原子とは、例えばBe、Mg、Ca等の元素周期表II族に属する原子をいう。さらに、この場合、III族窒化物半導体以外の原子イオンを複数打ち込む場合も本発明に包含される。
さらに本発明は、任意組成構成のIII族窒化物半導体、例えばAlGaN(x≧0,y≧0)、InGaN(x≧0,y≧0)、BGaN(x≧0,y≧0)、AlGaIn1−x−yN(x≧0,y≧0、x+y≦1)に適用される。
また本発明において、「貫通転位密度が1×10cm−2以下であるIII族窒化物半導体」とは、例えばGaNならば、ハイドライド気相成長法(Hydride vapor phase epitaxy、HVPE法)やNaフラックス法やアモノサーマル法で成長させた低い貫通転位密度のGaN基板をいう。加えて、その基板上にMOVPE法の他、分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy、MBE法)、HVPE法などで成膜した低い貫通転位密度のGaN層も含まれる。
また本発明において、「窒素イオンを共注入し、然る後、活性化処理する手段」とは、例えばII族原子イオンと窒素イオンの共注入を行った後に、AlNやSiやSiOなどの保護膜をイオン注入領域上に形成して窒素雰囲気中で1200℃以上の温度でアニール処理することである。あるいは、窒素イオンの共注入後、イオン注入領域上に保護膜を形成しなくとも、高圧下の窒素雰囲気中で平衡状態を保つことで表面からの窒素脱離を抑えながら、1200℃以上の温度でアニール処理することでも効果を発揮する。
また本発明において、「イオン注入された窒素の注入量nN」とは、例えばGaN結晶なら、もともと結晶内部は窒素原子とガリウム原子の密度は一致するが、窒素をイオン注入された領域は窒素が過剰となり、ガリウムよりも窒素原子の方が密度は大きくなるところ、この密度の差をいう。これに対して「II族原子イオンの注入量nM」とは、例えばGaN結晶内にイオン注入されたBe、Mg、Ca等のII族原子の密度をいう。この窒素の注入量nNとII族原子の注入量nMの比が、nM=1×1019cm−3以上の場合、nN/nM=0.5〜5の範囲、M=1×1019cm−3より小さいときはnN/nM=0.01〜10の範囲となるIII族窒化物半導体の製造方法に適用される。
さらに望ましくは、M=1×1019cm−3以上の場合ではnN/nM=1の場合、つまり、イオン注入された窒素の量とII族原子の量とが一致する場合に、より効果が得られる。
本発明において、「前記III族窒化物半導体層内に注入された前記II族原子が深さ方向に分布する領域において、前記II族原子の分布する領域の全体、もしくは、前記II族原子の分布する領域の少なくとも一部に、イオン注入された前記窒素原子が分布する」とは、「イオン注入されたII族原子が深さ方向に分布する領域において、イオン注入された窒素原子が、II族原子が分布する領域の全体、もしくは少なくとも一部に分布する」こと、例えば、注入する表面を始点として結晶内部へ向かう方向を深さ方向としたときに、イオン注入されたII族原子が分布する深さ方向の領域すべてに窒素原子が分布するような窒素原子密度プロファイルになっている、もしくは、II族原子が分布する深さ方向の領域の少なくとも一部に窒素原子が分布するような窒素原子密度プロファイルになっている製造方法に適用されることをいう。
本発明において、「前記III族窒化物半導体層内に前記II族原子のイオン注入に加えて、前記窒素イオンの注入、さらに、水素イオンの注入をおこなう」とは、「III族窒化物半導体へのII族原子をイオン注入することに加えて、窒素イオンの注入、さらに水素イオンを共注入する」こと、例えば窒化ガリウム結晶内へのイオン注入ならば、注入されたBe、Mg、Ca等のII族原子イオン、窒素イオンに加えて、さらに水素イオンを共注入することをいう。
例えばGaNへMgイオンと水素イオンを共注入することによって、GaN結晶内の欠陥終端効果が発揮され、より安定的にp型領域を形成できる効果は非特許文献5に記載されている。
本発明において、上述したIII族窒化物半導体の製造方法を行うためには、図3に基づいて後述するイオン注入装置が好適に用いられる。
本発明は、III族窒化物半導体結晶内の貫通転位密度が1×10cm−2以下という転位の少ない結晶を用いることによって、転位との相互作用を低減し効果を発揮する。例えば、貫通転位が多いGaN結晶中に添加されたMgにおいて、貫通転位まわりにMg原子の凝集が確認される報告や、貫通転位や点欠陥が多いGaN結晶では、熱処理によって相互作用を引き起こし転位がスパイラルになる報告もあり、貫通転位密度が低い、すなわち結晶品質の高い結晶を用いることで効果を発揮する。
本発明は、III族窒化物半導体結晶内へ任意のII族原子と共に窒素原子をイオン注入するので、イオン注入プロセスによって引き起こされる窒素原子の離脱、つまり結晶内に存在する窒素空孔の発生を抑制する。また活性化処理時にも引き起こされる窒素サイトからの窒素原子の離脱を抑えることができるので、イオン注入されたII族原子が窒素サイトへ置換されることを抑制し、III族原子サイトへの置換配置が促される。さらにIII族原子サイトのMg原子(MgGa)と窒素空孔(V)との自己補償効果も抑制され、結果としてアクセプタとしての活性化が向上する。
この窒素の注入量nNとII族原子の注入量nMとの比は、M=1×1019cm−3以上の場合に、nN/nM=0.5〜5の範囲で効果が発揮される。さらにnN/nM=1の場合、つまりイオン注入された窒素の量とII族原子の量とが一致する場合に、より大きな効果を発揮する。nM=1×1019cm−3より小さい場合には、nN/nM=0.01〜10の範囲となる場合に効果を発揮する。
このとき結晶内のII族原子の深さ方向の密度分布と、イオン注入されることによって結晶内に過剰となった窒素の深さ方向の密度分布とが、II族原子の分布する領域の全体もしくは少なくとも一部に分布するようにすれば、結晶内に窒素空孔等の結晶欠陥と窒素原子過剰状態とが同時に存在することによって欠陥補償効果が得られ、より大きな効果となる。
さらに、II族原子イオン、窒素イオンに加えて、更に水素イオンを共注入することでIII族窒化物半導体結晶内の欠陥終端効果が得られ、より大きな効果となる。
本発明によれば、以上のようなイオン注入を用いた製造方法によって、III窒化物半導体内に選択領域にp型の任意の高キャリア濃度領域を形成することができ、デバイス設計の自由度を向上させ、高性能のIII窒化物半導体デバイスを実現できる。それらによりダイオード、トランジスタの単機能素子、あるいはそれらを集積した素子を実現することが可能となる。
本発明に係るIII族窒化物半導体の製造方法の第1実施形態を示す模式工程図である。 本発明に係るIII族窒化物半導体の製造方法の第1実施形態における厚さ方向深さに対するイオン注入プロファイルを示すグラフである。 本発明に係るIII族窒化物半導体の製造方法の第1実施形態におけるイオン注入装置を示す模式図である。 本発明に係るIII族窒化物半導体の製造方法の第1実施形態におけるGaNの単位格子を模式的に説明する理想的なウルツ型GaN結晶構造(a)、Mgイオンのみの注入活性化アニール処理後(b)、Mg/Nイオン共注入活性化アニール処理後(c)である。 本発明に係るIII族窒化物半導体の製造方法の第1実施形態における低温カソードルミネッセンスによる発光強度を光子エネルギーに対して示したグラフである。 本発明に係るIII族窒化物半導体の製造方法の第1実施形態におけるNイオンの注入量とNBE/GL強度の関係を示したグラフである。 図1(e)に示すpnダイオードGaNデバイス の電流-電圧特性を示す図である。
以下、本発明に係るIII族窒化物半導体の製造方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるGaNデバイス(III族窒化物半導体)の製造方法を示す工程図であり、図において、符号10は、GaNデバイスである。
本実施形態に係るGaNデバイス(III族窒化物半導体)10はpnダイオードとされ、図1(a)に示すように、GaN基板1を用いる。このとき、GaN基板1としては、Si濃度が≧1x1018cm−3となるn型基板を準備することが好ましい。
次いで、図1(b)に示すように、GaN基板1の上に、たとえばSi等のn型の不純物を含むn−GaN層(GaN半導体)11をエピタキシャル成長する。このとき、膜厚、不純物濃度は必要とする耐圧に応じて決定する。例えば耐圧1kVの場合、膜厚は約10μm、Siの濃度2×1016cm−3とする。
そして、図1(c)に示すように、n−GaN層(GaN半導体)11にアクセプタとなるMgをイオン注入して、注入領域(注入層)12を形成する。このとき、注入領域12の深さ、注入量は、pnダイオードのp層n層へ空乏層の広がりが、アクセプタ濃度とドナー濃度の比で決まることから決定する。そこで、例えば注入領域12の深さ方向全域に渡りMg=1x1019cm−3、注入深さ0.3μmとすれば、活性化率を考慮しても1kV以上の耐圧に対応できる。
さらに、図1(c)に示すように、n−GaN層11にNをイオン注入する。このとき後述する深さ範囲、濃度範囲とする。
また、Mgのイオン注入工程と、Nのイオン注入工程とは、Mgイオン注入が先でもNイオン注入が先でも結晶回復の効果を発揮するが、先にMgイオン注入を行い、次いでNイオン注入をする方法がより好ましい。
これらのMgのイオン注入工程と、Nのイオン注入工程とにおいて、それぞれの濃度が略一定となる注入深さをそれぞれ設定することができる。
なお、pnダイオードとされるGaNデバイス(III族窒化物半導体)10としては、図1(d)に示すように注入領域12の表面にp側電極13が設けられ、また、GaN基板1の裏面にn側電極14が形成される。
図2は、本実施形態におけるGaNデバイス(III族窒化物半導体)の製造方法におけるSIMS(二次イオン質量分析)プロファイルを示すグラフであり、図3は、本実施形態におけるGaNデバイス(III族窒化物半導体)の製造方法におけるイオン注入装置の概略構成を示す平面図である。
また、図2において、実線で示すMgのプロファイルは、SIMS(二次イオン質量分析)によるプロファイル、点線で示すNのプロファイルは、プロセスシミュレーションによる計算結果である。プロセスシミュレーション計算は、モンテカルロ法によりイオン注入過程の模擬計算をおこなうものである。
注入領域12は、図2に示すように、MgおよびNが注入される。ここで、表面から深さ方向300nm程度までは、Nが厚さ方向にほぼ等しい濃度となるようにして注入されている。また、表面から深さ方向400nm程度までは、Mgが厚さ方向にほぼ等しい濃度となるようにして注入されている。MgとNとは、これらの深さ方向に略均一な範囲が重なる深さ範囲を有するように形成され、これが注入領域12とされている。
あるいは、注入領域12として、MgおよびNが、いずれも表面からほぼ等しい深さまで略均等濃度となるように注入されることができる。この場合、深さ方向300nm程度までは、Mg、Nがいずれも厚さ方向にほぼ等しく注入されることもできる。
なお、図2に示す縦軸の深さ0nmから300nm程度までが、図1に示す注入領域12に対応している。
Mgが厚さ方向にほぼ等しい濃度となる深さと、Nが厚さ方向にほぼ等しい濃度となる深さとは、後述する結晶回復の観点から、共に同じ深さとなる関係が必要である。
本実施形態におけるイオン注入については、以下の装置を使用する。
本実施形態におけるイオン注入装置100は、図3に示すように、イオン源110、質量分離器120、質量分離スリット130、加減速管140、四重極レンズ150、走査器160、平行化装置170である。
なお、図示しないエンドステーションに配置されたイオンを注入するターゲットとなるGaN基板1には、n−GaN層11が形成されている。
また、同図中、111は、中心軸(以下、「光軸」ともいう場合がある)を中心に進行するイオンであるが、以下、「イオンビーム」または「ビーム」という場合がある。
イオン源110は、原子や分子から電子を剥ぎ取ってイオンを生成する装置であり、図示しない引き出し口に高電圧を印加して、イオン源110内のイオンを引き出す。
質量分離器120は、イオンや電子等の荷電粒子が磁場または電場中で偏向される性質を利用して、磁場、あるいは、電場、または、その双方を発生して、基板1に注入したいイオン種を特定するための装置である。
図3では、磁場の作用によりイオン111を選定するタイプの質量分離器120で図示されている。
加減速管140は、質量分離スリット130を通過した所望のイオン種を加速または減速する装置であるが、図3に示すように、通常は軸対象で、複数の電極を等間隔に並べ、それらの電極に等しい高電圧を印加して、静電界の作用により、イオンビーム111を所望の注入エネルギーに加速または減速する。
なお、加減速管140を軸対称の構造とするのは、製作が容易となるためである。
四重極レンズ150は、イオンビーム111の基板1上でのビームスポット形状を調整するために、図3に示すように、加減速管140と走査器160との間に設置される。
四重極レンズ150は、光学上の凸レンズが光を収束するのと同様に、イオンビーム111がその進行方向に対して垂直な平面において収束させる機能を有する。
しかし、四重極レンズ150は、イオンビーム111の進行方向に対して、この垂直な平面内において、例えば水平方向(図3の紙面に水平な方向)に対して収束作用が働くと、それに直交する垂直方向(図3の紙面に垂直な方向)には発散作用が働く性質を備えている。
即ち、この点において水平・垂直方向共に光を収束させる光学上の凸レンズと顕著に相違する。
従って、図3に示すイオン注入装置100では、水平方向に収束させる四重極レンズとして、及び、垂直方向に収束させる四重極レンズとして、通常、2個または3個(図示のものは2個)配置し、水平・垂直の双方向でビーム111を収束するようにしている。
四重極レンズ150には、主として、静電場の作用によりイオンビーム111を収束させる静電四重極レンズと、静磁場の作用によりイオンビームを収束させる磁気四重極レンズの二つの種類が存在する。
また、後述するように、四重極レンズ150の収束力(発散力)は、中心からの距離に比例する性質を有し、従って、外側ほど収束力(発散力)が強いことになる。
走査器160は、イオンビーム111の進行方向と直交する方向に一様な外部電界を発生させ、この電界の極性や強度を変化させることにより、イオンの偏向角度を制御し、図3に示すように、基板1の注入面の所望の位置にイオン111を走査し、均一に注入する。
図3に示すものでは、1kHz程度の高速で走査されている。
平行化装置170は、荷電粒子であるイオン111が磁場中で偏向される性質を利用して、イオンビーム111を構成する各イオンの経路の違いによって、ビームの広がりを抑えて、ビーム111を基板1に平行に入射させる装置である。
なお、図3には、平行化装置170を図示しているが、必ずしも、イオン注入装置100の必須の構成要素ではない。
基板1は、エンドステーション内に配置され、走査器160がイオンビーム111を走査する方向とは直交する方向に、1Hz程度の比較的遅い速度で機械的に走査される。
さらに、イオン注入装置100には、質量分離スリット130と加減速管140との間に、イオンビーム111の外径を調整する調整用静電四重極レンズ190が配置されている。
以上の構成において、次に、イオン注入装置100の基本動作を図面に基づいて説明する。
イオン注入装置100では、基板1のイオン111の注入面全面に渡って一様な密度で所定のイオン種を所定のエネルギーでイオン注入をおこなうために、イオン源110から所定のエネルギーで引き出されたイオンビーム111は、質量分離器120で偏向され、質量分離スリット130で所定のイオン種のみが選別される。
選別されたイオンビーム111は加減速管140で、所望のエネルギーに加速または減速され、上述したように、1kHz程度の周期の外部電界を走査器160に印加し、GaN基板1の走査面に走査される。
なお、上記では、外部電界によりイオンビーム111をスキャンする静電タイプの走査器160を取り上げたが、走査器160には静電タイプの代わりに磁気タイプのものが用いられる場合がある。
イオン111が固体中に入り込む深さは、イオン111のエネルギーで正確に制御できるので、例えば、イオン注入装置100の立ち上げ時等で、イオンビームのドーズ量分布をモニタリングすると、基板1の注入面にイオンビーム111を走査することにより所望のイオン種の均一なイオン注入処理が容易におこなえる。
ここで、調整用静電四重極レンズ190が質量分離スリット130と加減速管140との間に配置されていることで、該調整用静電四重極レンズ190のイオンビーム111の収束発散作用により、イオンビーム111が下流の四重極レンズ150近傍におけるビーム111の外径を調整することが可能になる。
四重極レンズ150では、イオンビーム111の収束力は、中心からの距離に比例し外側ほど強い性質を有するために、調整用静電四重極レンズ190により、下流側の四重極レンズ150で外径が広がるように設定すれば、下流側の四重極レンズ150の強い収束力を引き出すことができる。
以下、本実施形態による結晶回復について説明する。
図4は、本実施形態におけるGaNデバイスの製造方法における単位格子を模式的に説明する斜視図である。
Mgドープ前のGaN結晶格子は、図4(a)に示すように、Ga原子とN原子とで結晶格子が形成されている。なお、イオン注入される対象はn−GaN層11であるが、図においてSiに関しては表示を省略している。
この状態で、上述したようにMgをイオン注入することで注入領域12を形成する。このとき、理想的には、図4(b)に示すように、GaNの結晶格子においてGaサイトにMgが配置置換された状態で結晶内に入り込む。
このように結晶内に置換されたMgは、アクセプタを活性化して、半導体としての特性を呈することになると期待される。
イオン注入を行った後、図2に示すように、SIMS(二次イオン質量分析)測定により、GaN結晶内にMgが存在していることはわかる。
しかしながらGaN結晶内において、MgがGaサイトに配置置換された状態であるかは判別できない。多くの場合、Mgイオンのみを注入して活性化処理しただけではMgアクセプタの活性化は充分でなく、半導体としての予期される特性を得られていないのが実情である。つまりGaN結晶内において、Mg原子は格子間に位置したり、Nサイトへの置換であったりと、Mg原子とGa原子との配置置換が充分でない可能性が大きいと考えられる。
この点を確認するために、低温下でのCathodoluminescence法(カソードルミネッセンス法、以下、低温CL法)による発光強度を測定した。
図5は、本実施形態において、低温CL法による発光強度を光子エネルギーに対して示したグラフである。
GaN結晶において、Mgのイオン注入により、Gaの位置が入れ替わってMgが結晶内に入り込んでいると考えられる根拠としては、図5に示すように、低温CL法による発光強度として、DAP(Donor−Acceptor−Pair)準位からの発光強度ピークが顕著に現れることから証明される。
ここで、低温CL法によるDAP準位からの発光強度ピークは、CLによって観察された光子のうち、2.85〜3.4eV程度の範囲にピークとして出現するものを意味する。
また、活性化処理と同時に結晶品質が回復している根拠としては、図5に示すように、低温CL法による発光強度として、BE(Band−Edge)準位からの発光強度ピークが現れることから証明される。
低温CL法によるBE準位からの発光強度ピークは、カソードルミネッセンスによって観察された光子のうち、3.4〜3.5eV程度の範囲にピークとして出現するものを意味する。
さらに、GaN結晶において、Mgイオン注入により窒素空孔Vおよび窒素空孔関連の結晶欠陥が発生しているという根拠は、GL(Green Luminescence)準位からの発光ピークが現れることから推測できる。
低温CL法によるGL準位からの発光強度ピークは、カソードルミネッセンスによって観察された光子のうち、2.0〜2.6eV程度の範囲にピークとして出現するものを意味する。
例えばGaN結晶に存在する窒素空孔Vの結晶欠陥によるGL準位から発光の報告は、非特許文献6に記載されている。
ここで、図5に示す低温CL法における測定条件としては、
測定温度:T=10K、
電子線加速電圧:5kV、
電子線侵入長:〜200nm、
プローブ電流:1.0nA
とする測定条件を例示できる。
さらに、低温CL法によるGL準位からの発光ピークは、MOVPE法でエピ層中にMgドーピングしたものではほぼ現れないことからも、Mgイオン注入によりGaの位置にMgが結晶内に入り込むのにともなって、このMgイオン注入起因によって、GaN結晶品質が悪化していることが類推できる。
このMgイオン注入のみによって結晶品質が悪化し、さらにMg原子がアクセプタとして活性化しない状態は、図4(b)に示すようにMgイオン注入によってダメージを受けた結晶内において、N原子が結晶格子から飛び出してしまい、窒素空孔(Vacancy)Vが形成されて点欠陥になることに起因する、さらに窒素空孔(Vacancy)VとMg原子の自己補償効果によって、注入されたMg原子の活性化率が向上しないと、発明者らは考えた。
したがって、窒素空孔(Vacancy)VによるMgアクセプタ不活性化が正孔キャリア密度を制限する主な原因であると考えられるため、Mgアクセプタを活性化しp型領域を低抵抗化するには、この窒素空孔(Vacancy)V発生の抑制、すなわち、GaN結晶格子の回復が必要であると発明者らは考えた。
このため、発明者らは、結晶格子から飛び出したN原子を補償するように過剰にNイオン注入することで、GaN結晶格子に窒素空孔(Vacancy)Vとして形成された欠陥を補償し、Mgアクセプタ活性化することを試みた。
そのため、図5に示すように、低温CL法による発光強度として、
「Mgイオン注入のみ(Nイオン注入なし)」
「[N]=5×1018cm−3(イオン注入した窒素Nの量nNとMgの量nMとが、nN:nM=0.5:1)」
「[N]=1×1019cm−3(イオン注入した窒素Nの量nNとMgの量nMとが、nN:nM=1:1)」
としてそれぞれ示すように、DAP準位からの発光強度スペクトル形状がほぼ変わらないまま、Nイオン注入プロセス起因によってGL準位からの発光強度ピークが顕著に低下すること、そしてさらにイオン注入したMgの量nMとNの量nNとが、1:1となる[N]=1×1019cm−3の条件では、BE準位からの発光を観察できたという測定結果を得た。
この結果から、窒素Nを過剰にイオン注入することで、窒素空孔(Vacancy)Vが低減して、結晶が回復し、Mgアクセプタが活性化していることがわかる。
また、このとき、イオン注入する窒素Nとしては、注入量をnN、Mgの注入量をnMとするとnN/nM=0.5〜5の条件が必要である。
ここで、低温CL法によるDAP準位とBE準位とからの発光スペクトルが現れることは、それぞれMgアクセプタが活性化していること、結晶品質が回復していることに起因していると考えられる。したがって、本願発明者らは、p−GaN膜の特性として、DAPとBEとの発光積分強度(エネルギー帯2.85〜4.0eVの発光強度の積分値)を総合した積分強度をNBE(Near−Band−Edge)と定義し、このNBEとGLとの発光積分強度(エネルギー帯2.0=2.6eVの発光強度の積分値)との比NBE/GLをその指標として用いることとした。
さらに、注入する窒素イオンの量を変化させて低温CL測定をおこない、好ましい、窒素イオン注入量と、Mgイオンの注入量との比を特定するに至った。
図5,図6に示すように、Nイオン注入量を、nN=1.0×1017cm−3からnN=1.0×1020cm−3まで変化させたものと、窒素イオン注入をしていないもの(つまりMgイオン注入のみ)とで、それぞれの結晶状態を調べるために、低温CL法による発光強度の測定をおこなった。NBEとGLと準位からの発光積分強度比NBE/GLの結果を図6に示す。
図6は、図1(d)に示した本実施形態における低温CL法による発光積分強度を、GL準位からの発光積分強度によって規格化し、発光積分強度比NBE/GLの変化を窒素イオン注入量に対して示したグラフである。
図5に示すように、窒素注入なし、あるいは、窒素注入量nN=1.0×1017cm−3から1.0×1020cm−3で上昇させることで、GL準位からの発光積分強度が減少していることがわかる。また、窒素注入量nN=5.0×1018cm−3を越えた注入領域からさらに急激に減少し、図6の、発光積分強度比NBE/GLの変化を見ると、窒素注入量nN=1.0×1019cm−3付近で最大値をもつことがわかる。
さらに、図5に示す結果から、N=1.0×1019cm−3まで増大すると、発光スペクトルがほぼ観測できないレベルにまで強度全体が減少する。図6では窒素注入量nN=1.0×1019cm−3を超えると、発光積分強度比NBE/GLが急激に低下する領域が現れることが分かる。これはGaN結晶内に過剰に窒素を入れたことで、結晶の配列が無秩序化されたことに起因すると考えられる。
つまり、本発明者らは、発光積分強度比NBE/GLが最大化される領域、つまり窒素の注入量nNがMgの注入量nMに対して、nN/nM=0.5〜5の範囲に設定されることが好ましいことを見出した。
本実施形態におけるGaNデバイスの製造方法においては、過剰にNをイオン注入することで、Mgイオン注入において発生した結晶欠陥である窒素空孔(Vacancy)Vを低減させてGaN結晶格子を回復していること、あるいは、この窒素空孔(Vacancy)Vに起因するMgGaとの自己補償作用を低減させ、Mgアクセプタの活性化を実現することができ、これにより発光積分強度比NBE/GLが最大化されることが可能となる。これにより、n−GaN層11に注入領域12として形成したp型領域を所望の状態として設定することが可能になる。
さらに、上記の実施形態においては、Mgイオン注入とNイオン注入工程に加えて、Hイオン注入工程を有することができる。Hイオン注入工程においては、イオン注入領域12の深さ方向全長にわたって、Hがほぼ均一な濃度となるようにイオン注入することができる。
本実施形態のGaNデバイスとしては、上記のn−GaN層11に注入領域12を形成したデバイス例として、図1(e)といった構成を挙げることができる。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
なお、本発明における具体例について説明する。
ここでは、図1,図2に示すように、GaN基板上に2μmとして形成したn−GaN層に、MgとNとを注入した。その際の諸元を示す。
GaN基板;ハイドライド気相成長法(HVPE法)による基板成長
GaN基板厚さ;300μm
GaN基板Si濃度;Si≧1.0×1018cm−3
n−GaN層;有機金属気相成長法(MOVPE法)によるエピタキシャル成長
n−GaN層Si濃度;Si=2.0×1016cm−3
n−GaN層膜厚;2μm
イオン共注入条件:いずれも室温下でのイオン注入
Mg;〜1.0×1019cm−3,300nm−deep−box−profile
N;〜1.0×1019cm−3,300nm−deep−box−profile
活性化処理条件:窒素雰囲気中
到達温度:1300℃
保持時間:30 sec
これらのGaNデバイスを、低温CL法により発光強度を測定した。
その際の測定条件としては、
測定温度:T=10K
電子線加速電圧:5kV
電子線侵入長:〜200nm
プローブ電流:1.0nA
この結果を図5に示す。
さらに、図5から得られた発光積分強度比NBE/GLと窒素濃度との関係を図6に示す。
これらの結果から、窒素の注入量nNがMgの注入量nMに対して、
nN/nM=0.5〜5
の範囲に設定されることで発光積分強度比NBE/GLが最大化され、イオン注入した領域を所望のp型領域として設定することが可能になる。
図1(e)に示した本実施形態のpnダイオードGaNデバイスにおける電流-電圧特性を図7に示す。
本発明の活用例として、縦型GaNパワーデバイス製造方法への応用を挙げることができる。
10…GaNデバイス(III族窒化物半導体)
1…GaN基板
11…n−GaN層(GaN半導体)
12…注入領域(注入層)
13…p側電極
14…n側電極

Claims (5)

  1. III族窒化物半導体の製造において、貫通転位密度が1×10cm−2以下であるIII族窒化物半導体層内にII族原子をイオン注入し、加えて窒素イオンを共注入し、然る後、活性化処理してp型のIII族窒化物半導体を製造することを特徴とするIII族窒化物半導体の製造方法。
  2. 貫通転位密度が1×10cm−2以下である前記III族窒化物半導体層内に注入された前記窒素イオンの注入量nNと、前記II族原子イオンの注入量nMとの比を、
    nM=1×1019cm−3以上の場合には、nN/nM=0.5〜5の範囲、
    M=1×1019cm−3より小さい場合は、nN/nM=0.01〜10の範囲、
    とすることを特徴とする請求項1記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  3. 貫通転位密度が1×10cm−2以下である前記III族窒化物半導体層内に注入された前記II族原子が深さ方向に分布する領域において、前記II族原子の分布する領域の全体、もしくは、前記II族原子の分布する領域の少なくとも一部に、イオン注入された前記窒素原子が分布することを特徴とする請求項1または2記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  4. 前記III族窒化物半導体層内に前記II族原子のイオン注入に加えて、前記窒素イオンの注入、さらに、水素イオンの注入をおこなうことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体の製造方法に用いることを特徴とするイオン注入装置。
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