JP2020023482A - 末梢体温亢進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】末梢体温の亢進に有用な末梢体温亢進剤の提供。【解決手段】構成脂肪酸の15質量%以上がα−リノレン酸である油脂を有効成分とする末梢体温亢進剤。【選択図】なし

Description

本発明は、末梢体温亢進剤に関する。
冷え性は、四肢末端部等に冷え感を自覚する症状である。現代において、冷え性は、冬季の寒冷環境下だけでなく年間を通して、また、性別や世代を問わず見られる。冷え性の主な原因は、末梢の血管の収縮による血流障害と考えられている。そのため、その対策として、例えば、ショウガ、人参サポニン、コショウ科のヒハツ、カボチャ等を経口摂取して末梢の血管拡張及び血流改善を図り、体表温を高める方法が報告されている(例えば、非特許文献1、特許文献1及び2)。
一方、α−リノレン酸(C18:3)は、ω3系高度不飽和脂肪酸の一つであり、抗動脈硬化作用、抗血圧作用、抗アレルギー作用等があることが報告されている(例えば、非特許文献2、3及び4)。また、構成脂肪酸としてα−リノレン酸を多く含むジアシルグリセロール含有油脂に、内臓脂肪低減作用、血中の中性脂肪低減作用、体脂肪燃焼作用等があることが報告されている(例えば、特許文献3)。また、マウスでは、当該ジアシルグリセロール含有油脂の経口摂取によって、脱共役タンパク質(UCP)−2の遺伝子発現が増加し、深部(直腸)体温が増加することも報告されている(非特許文献5)。
しかしながら、構成脂肪酸としてα−リノレン酸を多く含む油脂が末梢体温へ与える影響については知られていない。
特開2007−145773号公報 特開2003−40788号公報 特開2002−138297号公報
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本発明は、末梢体温の亢進に有用な末梢体温亢進剤を提供することに関する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討したところ、構成脂肪酸としてα−リノレン酸を多く含む油脂をヒトに継続摂取した場合に、末梢体温が亢進することを見出した。
すなわち、本発明は、構成脂肪酸の15質量%以上がα−リノレン酸である油脂を有効成分とする末梢体温亢進剤を提供するものである。
また、本発明は、構成脂肪酸の15質量%以上がα−リノレン酸である油脂を有効成分とする末梢体温亢進用食品組成物を提供するものである。
本発明によれば、ヒトの末梢の体温を高めることができる。
試験油(被験油1又は対照油)摂取後の手先体温変化量を示すグラフ。 試験油(被験油1又は対照油)摂取後の足先体温変化量を示すグラフ。 試験油(被験油1又は対照油)摂取後の鼓膜体温変化量を示すグラフ。 試験油(被験油2)継続摂取前と継続摂取後の手先体温変化量を示すグラフ。 試験油(被験油2)継続摂取前と継続摂取後の足先体温変化量を示すグラフ。
本発明で用いられる油脂は、構成脂肪酸の15質量%以上がα−リノレン酸である油脂である。本発明において、油脂は、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロールのいずれか1種以上を含むものである。
油脂を構成する脂肪酸中のα−リノレン酸の含有量は、15質量%(以下、単に「%」とする)以上であるが、末梢体温の亢進効果の点から、好ましくは17%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上であり、また、酸化安定性の点から、好ましくは75%以下、より好ましくは65%以下、更に好ましくは60%以下である。なお、本明細書における脂肪酸量は遊離脂肪酸換算量である。
本発明において、油脂を構成するα−リノレン酸以外の構成脂肪酸としては、特に限定されず、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。
油脂の風味・工業的生産性の点からは、油脂を構成する脂肪酸中の不飽和脂肪酸の含有量は、好ましくは60%以上100%以下、より好ましくは70%以上100%以下、更に好ましくは75%以上99%以下、更に好ましくは80%以上98%以下である。不飽和脂肪酸の炭素数は、生理効果の点から、好ましくは14〜24、より好ましくは16〜22である。
油脂を構成する脂肪酸中のリノール酸(C18:2)の含有量は、工業的生産性の点から、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また、生理効果の点から、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下である。
油脂を構成する脂肪酸中のオレイン酸(C18:1)の含有量は、工業的生産性の点から、好ましくは10%以上であり、また、生理効果の点から、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下である。
油脂を構成する脂肪酸中の飽和脂肪酸の合計含有量は、外観、生理効果、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは18%以下、更に好ましくは6%以下であり、また、0.5%以上であるのが好ましい。
飽和脂肪酸の炭素数は、好ましくは14〜24、より好ましくは16〜22である。
本発明において、油脂は、トリアシルグリセロールを主体とするもの、又はジアシルグリセロールを主体とするもの、いずれも好ましく使用することができる。
トリアシルグリセロールを主体とする油脂の場合、油脂中のトリアシルグリセロールの含有量は、生理効果の点、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上、更に好ましくは93%以上であり、また、好ましくは99.5%以下、より好ましくは99%以下である。
また、ジアシルグリセロールを主体とする油脂の場合、油脂中のジアシルグリセロールの含有量は、生理効果の点から、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上であり、また、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは95%以下、より好ましくは92%以下である。
本発明において、構成脂肪酸の15%以上がα−リノレン酸である油脂中のモノアシルグリセロールの含有量は、風味、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは5%以下であり、より好ましくは0〜3%、更に好ましくは0〜2%である。
また、油脂に含まれる遊離脂肪酸又はその塩の含有量は、風味、油脂の工業的生産性の点から、好ましくは0〜5%、より好ましくは0〜2%、更に好ましくは0〜1%である。
本発明において、油脂の起源は、食用油脂として使用できるものであれば特に制限はなく、例えば、大豆油、ナタネ油、サフラワー油、米油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、ハトムギ油、小麦胚芽油、シソ油、アマニ油、エゴマ油、サチャインチ油、クルミ油、キウイ種子油、サルビア種子油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、椿油、茶実油、ボラージ油、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、やし油、パーム核油、カカオ脂、サル脂、シア脂、藻油等の植物性油脂;魚油、アザラシ油、ラード、牛脂、バター脂等の動物性油脂;あるいはこれらのエステル交換油、水素添加油、分別油等の油脂類を挙げることができる。
これらの油は、それぞれ単独で用いてもよく、あるいは適宜混合して用いてもよい。なかでも、使用性の点から、植物性油脂を用いるのが好ましく、更に低温耐性に優れた液状油脂を用いるのが好ましく、更にシソ油、アマニ油及びエゴマ油からなる群より選ばれる1種又は2種以上の油脂を用いるのが、α−リノレン酸を豊富に含むため好ましい。なお、液状油脂とは、基準油脂分析試験法2.3.8−27による冷却試験を実施した場合、20℃で液状である油脂をいう。また、食用油脂は、精製工程を経た精製油脂であるのが好ましい。
本発明で用いられる構成脂肪酸の15%以上がα−リノレン酸である油脂は、常法に従って、油脂由来の脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応、油脂とグリセリンとのエステル交換反応(グリセロリシス)等により得ることができる。必要に応じて通常の食用油脂を混合してもよい。
後記実施例に示すとおり、構成脂肪酸としてα−リノレン酸を多く含む油脂をヒトに継続摂取すると、対照油の摂取と比べて末梢体温が亢進することが認められた。末梢体温の亢進は、末梢の冷え感を改善し、また、冷え性に伴う疼痛や痺れ、不眠等の随伴症状の改善が期待できる。他方、鼓膜温の亢進は認められなかった。鼓膜温は、深部体温の一つで、体の深部の温度指標である。
従って、本発明の構成脂肪酸としてα−リノレン酸を多く含む油脂は、末梢体温を亢進する末梢体温亢進剤となり得、また、当該末梢体温亢進剤を製造するために使用することができる。また、本発明の構成脂肪酸としてα−リノレン酸を含有する油脂は、末梢体温亢進のために使用することができる。
本発明において、「末梢」とは、上肢及び/又は下肢をいう。本発明においては、ヒトの手先(手首から手指)及び/又は足先(足首から足指)の体温の亢進に適する。
「末梢体温の亢進」は、末梢体温が高くなることから末梢体温の低下抑制、維持の概念も含む。
「使用」は、ヒトを含む動物への摂取であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。
本発明の末梢体温亢進剤は、ヒトを含む動物の末梢体温の亢進効果を発揮する医薬品、医薬部外品、食品又は飼料となり、また当該末梢体温亢進剤は、当該医薬品、医薬部外品、食品又は飼料に配合して使用される素材又は製剤となり得る。
当該食品には、末梢体温の亢進を訴求とし、必要に応じてその旨の表示が許可された食品(特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品、美容食品、病者用食品)が含まれる。表示の例としては、「末梢の体温を保つ」、「末梢の体温低下を防ぐ」、「末梢の冷えを改善する」がある。機能表示が許可され、当該表示が付された食品は、一般の食品と区別することができる。
上記医薬品(医薬部外品も含む)の投与形態としては、固形、半固形又は液状であり得、例えば、錠剤(チュアブル錠、発泡錠等を含む)、カプセル剤、顆粒剤(発泡顆粒剤等を含む)、散剤、トローチ剤、液剤、シロップ剤、ドリンク剤等による経口投与;注射剤、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、外用剤等による非経口投与が挙げられる。好ましい形態は経口投与である。
このような種々の剤型の製剤は、必要に応じて、薬学的に許容される担体、例えば、賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、保存剤、増粘剤、流動性改善剤、嬌味剤、発泡剤、香料、被膜剤、希釈剤等や、構成脂肪酸の15%以上がα−リノレン酸である油脂以外の薬効成分を適宜組み合わせて調製することができる。
上記食品の形態としては、固形、半固形又は液状であり得、各種食品組成物(パン類、ケーキ類、麺類、菓子類、ゼリー類、冷凍食品、アイスクリーム類、乳製品、飲料等)、さらには、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)の栄養補給用組成物、サプリメントが挙げられる。
種々の形態の食品は、必要に応じて、他の食品材料、例えば、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、酸味料、甘味料、苦味料、pH調整剤、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤、流動性改善剤、発泡剤、香科、調味料等や、構成脂肪酸の15%以上がα−リノレン酸である油脂以外の有効成分を適宜組み合わせて調製することができる。
上記飼料の形態としては、好ましくはペレット状、フレーク状又はマッシュ状であり、例えば、牛、豚、鶏、羊、馬等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、犬、猫、小鳥等に用いるペットフード等が挙げられる。
飼料は、必要に応じて、他の飼料材料、例えば、肉類、蛋白質、穀物類、ぬか類、粕類、糖類、野菜、ビタミン類、ミネラル類、ゲル化剤、保型剤、pH調整剤、調味料、防腐剤、栄養補強剤等や、構成脂肪酸の15%以上がα−リノレン酸である油脂以外の有効成分を適宜組み合わせて常法により調製することができる。
本発明の末梢体温亢進剤において、構成脂肪酸の15%以上がα−リノレン酸である油脂は、自由に配合できる。例えば、当該油脂を5〜100%の範囲で配合できる。
本発明の末梢体温亢進剤は、油脂組成物の形態として経口投与又は摂取されるのが好ましい。
上記製剤が油脂組成物の形態である場合、油脂組成物中の構成脂肪酸の15%以上がα−リノレン酸である油脂の含有量は、好ましくは90%以上、より好ましくは94%以上、更に好ましくは94.5%以上であり、また、好ましくは99.9%以下、より好ましくは99.45%以下、より好ましくは99%以下である。
油脂組成物は、風味、酸化安定性、着色抑制等の点から、抗酸化剤を含有するのが好ましい。油脂組成物中の抗酸化剤の含有量は、好ましくは0.005%以上0.5%以下、より好ましくは0.04%以上0.25%以下、更に好ましくは0.08%以上0.2%以下である。
抗酸化剤としては、特に制限はないが、天然抗酸化剤、レシチン、トコフェロール、アスコルビルパルミテート、アスコルビルステアレート、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)及びブチルヒドロキシアニソール(BHA)等から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明の末梢体温亢進剤の投与量又は摂取量は、投与又は摂取対象者の体重、性別、年齢、状態又はその他の要因に従って変動し得る。投与の用量、経路、間隔、及び摂取の量や間隔は、当業者によって適宜決定され得るが、α−リノレン酸として1日あたり0.1〜8g、好ましくは1日あたり0.1〜5g、より好ましくは0.5〜3gである。
また、構成脂肪酸の15%以上がα−リノレン酸である油脂の投与量又は摂取量は、生理効果の点から、1日あたり1〜15g、好ましくは1日あたり1〜10g、より好ましくは2〜7gである。
なお、本明細書における投与量又は摂取量は成人1人(60kg)に対しての量とする。
本発明の末梢体温亢進剤は、任意の計画に従って投与又は摂取され得る。
投与又は摂取期間は特に限定されず、単回でもよく、反復・連続して投与又は摂取してもよい。反復・連続して投与又は摂取する場合は、5日間以上、好ましくは7日間以上連続して投与又は摂取することがより好ましく、10日間以上連続して投与又は摂取することが更に好ましい。
本発明の末梢体温亢進剤は、一食あたりの摂取量単位で包装された形態とすることができる。例えば、フィルム、瓶、アルミ袋等の容器により一食分の摂取量が個包装された形態が挙げられる。また、このような一食あたりの個装を、複数食分を纏めてセットとしてもよい。一食あたりの摂取量単位で包装することで、正確に規定の有効量を摂取することができる。当該規定の有効量の摂取を各々が自覚できる。また、携帯性、取扱性、継続性にも優れる。
さらに、一食あたりの摂取量を計量して摂取してもよい。
本発明では、上記摂取量を食事・餌と同時に摂取することが好ましい。食事・餌と同時であれば、1日に複数回に分けて摂取してもよいが、生理効果の点から、好ましくは1日1回摂取することが好ましい。食事・餌は、朝、昼、夕又はこれらの間のいずれでも構わない。
食事・餌の内容としては、特に限定されない。
構成脂肪酸の15%以上がα−リノレン酸である油脂を食事・餌と同時に摂取するにあたっては、当該食事・餌の調理、特に加熱調理に使用して摂取するのではなく、当該食事・餌に混ぜたり、かけたりして、非加熱の状態で摂取することが好ましい。このように摂取することで、食事・餌の内容、場所を選ばずに使用できる。
本発明の末梢体温亢進剤の投与又は摂取対象としては、それを必要とする若しくは希望するヒト又は非ヒト動物等であれば特に限定されない。対象の好ましい例として、冷え性のヒトが挙げられる。
分析方法
(i)油脂のグリセリド組成
ガラス製サンプル瓶に、油脂サンプル約10mgとトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学製)0.5mLを加え、密栓し、70℃で15分間加熱した。これに水1.0mLとヘキサン1.5mLを加え、振とうした。静置後、上層をガスクロマトグラフィー(GLC)に供して分析した。
<GLC分析条件>
(条件)
装置:アジレント6890シリーズ(アジレントテクノジー社製)
インテグレーター:ケミステーションB 02.01 SR2(アジレントテクノジー社製)
カラム:DB−1ht 10m×0.25mm×0.2μm (Agilent J&W社製)
キャリアガス:1.0mL He/min
インジェクター:Split(1:50)、T=340℃
ディテクター:FID、T=350℃
オーブン温度:80℃から10℃/分で340℃まで昇温、15分間保持
(ii)油脂の構成脂肪酸組成
日本油化学会編「基準油脂分析試験法」中の「脂肪酸メチルエステルの調製法(2.4.1.−1996)」に従って脂肪酸メチルエステルを調製し、得られた油脂サンプルを、American Oil Chemists. Society Official Method Ce 1f−96(GLC法)に準拠して測定した。
<GLC分析条件>
カラム:CP−SIL88 50m×0.25mm×0.2μm (VARIAN)
キャリアガス:1.0mL He/min
インジェクター:Split(1:50)、T=300℃
ディテクター:FID、T=300℃
オーブン温度:150℃5min保持→1℃/min昇温→160℃5min保持→2℃/min昇温→200℃10min保持→10℃/min昇温→220℃5min保持
試験例1
試験油(被験油1及び対照油)の調製
亜麻仁油(Archer Daniels Midland社製)を加水分解して得られた脂肪酸をウィンタリングにより飽和脂肪酸含量を低減させた。次いで、市販の固定化1,3位選択リパーゼを触媒とし、この脂肪酸とグリセリンとを減圧下でエステル化反応を行った。リパーゼ製剤を濾別した後、反応終了品を分子蒸留にかけ、精製して被験油1を得た。また、対照油としてサフラワー油(日清オイリオグループ(株)製)を用いた。
被験油1及び対照油のグリセリド組成及び脂肪酸組成を表1に示す。
試験方法概要
本試験は、27〜53歳の健常成人男性7名を対象に、単盲検無作為割付2群交叉比較試験で実施した。すなわち、被験者として組み入れた7名の被験者を対照油群、被験油1群の2群に無作為に割付け、外観上見分けがつかないように個包装された種々の試験油を一日あたり5g、一日の好きな時間帯に13日間継続摂取させた。
14日目に検査日を設け、12時間以上の絶食状態で検査会場(気温:25℃、湿度:50%に保たれた環境可変室)に来場し、安静後、試験油(継続摂取時と同じ群)を含んだ負荷食(パン・ヨーグルト・ゼリー・試験油[エネルギー593kcal、蛋白質エネルギー15%、脂質エネルギー33%、糖質エネルギー52%])を摂取させ、経時的に体温測定を行った。
体温測定に関しては、手の甲及び足の甲に温度ロガー(iButton DS1922T−F5#、マキシム・インテグレーテッド社製)を装着し経時的に手先及び足先の体温を測定し、外耳道(鼓膜温)の体温に関しては、耳栓型の温度ロガー(LT−2N−13、グラム社製)を装着して経時的に体温を測定した。
試験結果
7名の被験者において、食後3時間までの手先及び足先の体温変化量と食後1時間までの外耳道(鼓膜温)の体温変化量を検討した。本試験では、負荷食摂取前の体温を初期値とし食後の経時的な体温変化(増加分曲線下面積:iAUC)を体温変化量として算出した。
有意差の検定は、対応のあるt検定を用いた(*P<0.05)。
解析結果は平均値(Ave.)±標準誤差(SE)で示した。
その結果、手先と足先の体温は、対照油の摂取と比べて被験油1の摂取で高値を示した(図1及び図2)。他方、手先と足先と異なり、外耳道(鼓膜温)の体温は高まらなかった(図3)。
試験例2
試験油(被験油2)
試験には、亜麻仁油(日清オイリオグループ(株)製)を用いた。
当該亜麻仁油のグリセリド組成及び脂肪酸組成を表2に示す。
試験方法概要
本試験は、29〜47歳代の健常成人男性3名を対象に、試験油の継続摂取前と継続摂取後の2回の検査日を設け、継続摂取前と継続摂取後の体温の比較を行った。なお、継続摂取期間は、13日間とし、試験油を一日あたり5g、一日の好きな時間帯に13日間継続摂取させた。
検査日当日は、12時間以上の絶食状態で検査会場(気温:25℃、湿度:50%に保たれた環境可変室)に来場し、安静後、試験油を含んだ負荷食(パン・ヨーグルト・ゼリー・試験油[エネルギー593kcal、蛋白質エネルギー15%、脂質エネルギー33%、糖質エネルギー52%])を摂取させ、経時的に体温測定を行った。
温度体温測定に関しては、手の甲及び足の甲に温度ロガー(iButton DS1922T−F5#、マキシム・インテグレーテッド社製)を装着し、経時的に手先及び足先の体温を食後2.5時間まで継時的に測定した。
試験結果
手先と足先の体温変化について、負荷食摂取前の体温を初期値とし食後2.5時間までの経時的な体温変化量(増加分曲線下面積:iAUC)を算出した。図のグラフは、平均値(Ave.)±標準誤差(SE)で示した。
その結果、手先及び足先の体温が、被験油2の継続摂取前と比べて継続摂取後で平均値が高値を示した(図4及び図5)。

Claims (13)

  1. 構成脂肪酸の15質量%以上がα−リノレン酸である油脂を有効成分とする末梢体温亢進剤。
  2. 油脂中のモノアシルグリセロールの含有量が5質量%以下である請求項1記載の末梢体温亢進剤。
  3. 油脂中のジアシルグリセロールの含有量が50質量%以上である請求項1又は2記載の末梢体温亢進剤。
  4. 油脂中のトリアシルグリセロールの含有量が90質量%以上である請求項1又は2記載の末梢体温亢進剤。
  5. 油脂が成人1人あたり1日に1〜15g投与又は摂取される請求項1〜4のいずれか1項記載の末梢体温亢進剤。
  6. 油脂組成物の形態である請求項1〜5のいずれか1項記載の末梢体温亢進剤。
  7. 構成脂肪酸の15質量%以上がα−リノレン酸である油脂を有効成分とする末梢体温亢進用食品組成物。
  8. 油脂中のモノアシルグリセロールの含有量が5質量%以下である請求項7記載の末梢体温亢進用食品組成物。
  9. 油脂中のジアシルグリセロールの含有量が50質量%以上である請求項7又は8記載の末梢体温亢進用食品組成物。
  10. 油脂中のトリアシルグリセロールの含有量が90質量%以上である請求項7又は8記載の末梢体温亢進用食品組成物。
  11. 油脂が成人1人あたり1日に1〜15g摂取される請求項7〜10のいずれか1項記載の末梢体温亢進用食品組成物。
  12. 油脂組成物の形態である請求項7〜11のいずれか1項記載の末梢体温亢進用食品組成物。
  13. 末梢体温を亢進する旨の表示が付された請求項7〜12のいずれか1項記載の末梢体温亢進用食品組成物。
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